JP2002372806A - トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法

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JP2002372806A
JP2002372806A JP2001181343A JP2001181343A JP2002372806A JP 2002372806 A JP2002372806 A JP 2002372806A JP 2001181343 A JP2001181343 A JP 2001181343A JP 2001181343 A JP2001181343 A JP 2001181343A JP 2002372806 A JP2002372806 A JP 2002372806A
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image
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forming method
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Tatsuya Nakamura
達哉 中村
Koji Inaba
功二 稲葉
Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
Keiji Kawamoto
恵司 河本
Akira Hashimoto
昭 橋本
Takeshi Takiguchi
剛 瀧口
Masanori Ito
雅教 伊藤
Tsutomu Kukimoto
力 久木元
Manabu Ono
学 大野
Tomohito Handa
智史 半田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性に優れ、耐高温オフセット性に優
れたトナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも重合性単量体、着色剤、極性
樹脂、エステル系ワックス及び下記式で示される架橋剤
からなる重合性単量体組成物を重合して得られるトナー
であって、該トナーの135℃・68.6N(荷重7k
g)におけるメルトインデックス(MI)値が、10〜
100g/10minであることを特徴とする。 【化1】 [式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示し、R2は炭素数2〜6の直鎖または分枝状アル
キレン基を示し、nは0〜20を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、トナージェット法等に用いられるトナー、トナ
ーの製造方法及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法で知られている。一般には感光体
を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成
し、次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に
応じて直接的あるいは間接的手段を用い、紙の如き転写
材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧或
は溶剤蒸気などにより定着し複写物又はプリントを得る
ものである。そして感光体上に転写せず残ったトナーは
種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返さ
れる。
【0003】従来定着ローラ表面にトナーを付着させな
いために、ローラ表面をトナーに対して離型性の優れた
材料(シリコーンゴムや弗素系樹脂など)で形成し、さ
らにその表面にオフセット防止及びローラ表面の疲労を
防止するためにシリコーンオイル、フッ素オイルの如き
離型性の高い液体の薄膜でローラ表面を被覆することが
行われている。しかしながら、この方法はトナーのオフ
セットを防止する点では極めて有効であるが、オフセッ
ト防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着
装置が複雑になること等の問題点を有していることはも
ちろんのこと、このオイル塗布が定着ローラを構成して
いる層間のはく離を起こし結果的に定着ローラの短寿命
化を促進するという弊害がつきまとう。
【0004】そこで、シリコーンオイルの供給装置など
を用いないで、かわりにトナー粒子中から加熱時にオフ
セット防止液体を供給しようという考えから、トナー粒
子中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン
の如き離型剤を添加する方法が提案されている。
【0005】トナー粒子中に離型剤としてワックスを含
有させることは知られている。例えば特公昭52−33
04号公報、特公昭52−3305号公報、特開昭57
−52574号公報に開示されている。
【0006】さらに、特開平3−50559号公報、特
開平2−79860号公報、特開平1−109359号
公報、特開昭62−14166号公報、特開昭61−2
73554号公報、特開昭61−94062号公報、特
開昭61−138259号公報、特開昭60−2523
61号公報、特開昭60−252360号公報、特開昭
60−217366号公報にワックスをトナー粒子に含
有させることが開示されている。
【0007】ワックスは、トナーの低温定着時や高温定
着時の耐オフセット性の向上や、低温定着時の定着性の
向上のために用いられている。反面、トナーの耐ブロッ
キング性を低下させたり、機内の昇温によってトナーの
現像性が低下したり、また長期間トナーを放置した際に
ワックスがトナー粒子表面にマイグレーションして現像
性が低下したりする。
【0008】上記の課題に対して懸濁重合法により生成
したトナーが提案されている(特公昭36−10231
号公報)。この懸濁重合法においては重合性単量体およ
び着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電
制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せし
めて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安
定剤を含有する連続相(例えば水相)中に適当な撹拌機
を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を
有するトナー粒子を得るものである。さらに特開平5−
341573号公報によれば、水系分散媒体中におい
て、単量体組成物中に極性成分を添加すると、単量体組
成物に含まれる極性基を有する成分は水相との界面であ
る表層部に存在し易くなり、非極性の成分は表層部に存
在しにくくなり、そのため、トナー粒子はコア/シェル
構造をとることが可能となる。
【0009】懸濁重合法により生成されたトナーは、ト
ナー粒子内へのワックスの内包化により、耐ブロッキン
グ性と耐高温オフセット性という相反する性能を両立す
ることが可能となり、かつ定着ローラにオイルの如き離
型剤を塗布することなく、高温オフセットを防止するこ
とが可能となる。
【0010】しかしながら、近年、画像形成装置のより
小型化、軽量、高品質、高信頼性等に対するユーザーの
期待は高く、それに対応し得るより優れたトナーが待望
されている。
【0011】さらに、フルカラー画像を形成するための
複写機又はプリンタが使用される様になってきている。
フルカラー画像は一般に、感光体を一次帯電器によって
均一に帯電し、原稿のマゼンタ画像信号にて変調された
レーザー光により画像露光を行い、感光体に静電荷像を
形成し、マゼンタトナーを保有するマゼンタ現像器によ
り該静電荷像の現像を行い、マゼンタトナー画像を形成
する。次に搬送されてきた転写材に転写帯電器によって
感光体上のマゼンタトナー画像を直接的あるいは中間転
写体を介して転写する。
【0012】静電荷像の現像を行った後の感光体は、除
電用帯電器により除電し、クリーニング手段によってク
リーニングを行った後、再び一次帯電器によって帯電
し、同様にシアントナー画像の形成及び前記のマゼンタ
トナー画像を転写した転写材へのシアントナー画像の転
写を行い、さらにイエロー色、ブラック色と順次現像を
行って、4色のトナー画像を転写材に転写する。該4色
のトナー画像を有する転写材を定着手段により熱及び圧
力の作用で定着することによりフルカラー画像を形成す
る。
【0013】近年このような画像形成装置は、単なる一
般にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複
写機というだけでなく、コンピュータの出力としてのプ
リンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分
野で使われ始めた。
【0014】このような装置は、レーザービームプリン
ターに代表される分野以外にも、普通紙ファックスヘも
応用されつつある。
【0015】そのため、小型化、軽量化、高速化、高画
質化、高信頼性が厳しく追及されてきている。さらに機
械は種々の点でシンプルな要素で構成されるようになっ
てきている。その結果、トナーに要求される性能はより
高度になり、トナーの性能向上が達成できなければすぐ
れた画像形成が成り立たなくなってきている。近年多様
な複写のニーズに伴い、カラー複写に対する需要も急増
している。オリジナルカラー画像をより忠実に複写する
ため、更に一層の高画質、高解像度等が望まれている。
これらの観点より、カラー画像形成方法に使用されるト
ナーは、熱を印加した際に混色されることが必要であ
る。
【0016】カラー画像形成装置における定着装置の場
合、転写材上にマゼンタトナー、シアントナー、イエロ
ートナー、ブラックトナーと複数層のトナー層が形成さ
れるため、トナー層厚の増大からオフセットが発生しや
すい傾向にある。
【0017】定着ローラ表面にトナーを付着させないた
めに、ローラ表面をトナーに対して離型性の優れた材料
(シリコーンゴムや弗素系樹脂など)で形成し、さらに
その表面にオフセット防止及びローラ表面の疲労を防止
するためにシリコーンオイル、フッ素オイルの如き離型
性の高い液体の薄膜でローラ表面を被覆することが行わ
れている。しかしながら、この方法はトナーのオフセッ
トを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防
止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置
が複雑になること等の問題点を有している。トナー像が
定着される転写材としては、一般に各種紙類、コーティ
ング紙、プラスチックフィルム等が用いられる。中でも
プレゼンテーション用としてオーバーヘッドプロジェク
ターを利用するトランスペアレンシーフィルム(OHP
フィルム画像)の必要性が増している。特にOHPフィ
ルムにおいては紙と異なり、オイル吸収能力が低いため
定着後のOHPフィルム表面にオイルが多量に存在す
る。シリコーンオイルは熱により蒸発し、画像形成装置
内を汚染したり、回収オイルの処理の問題もある。シリ
コーンオイルの供給装置を用いないで、かわりにトナー
粒子中から加熱加圧定着時にオフセット防止液体を供給
しようという考えから、トナー粒子中に低分子量ポリエ
チレン、低分子量ポリプロピレンの如き離型剤を添加す
る方法が提案されている。充分な効果を出すために多量
にこのような離型剤を加えると、感光体へのフィルミン
グや、キャリアや現像スリーブの如きトナー担持体の表
面を汚染しやすく、画像が劣化しやすい。現在、画像劣
化を発生させない程度に少量の離型剤をトナー粒子中に
添加し、若干の離型性オイルを定着ローラに供給し、オ
フセットしたトナーを巻き取り式のウェブの如き部材を
用いた装置又はクリーニングパッドを用いてクリーニン
グすることが行われている。
【0018】しかし最近の小型化、軽量化、高信頼性の
要求を考慮するとフルカラー画像形成装置においてもこ
れらの補助的な装置すら除去することが好ましく、それ
に対応し得るトナーが待望されている。
【0019】また、トナーの混色性を高めたり、低温定
着性の優れたトナーとするためには、トナーの結着樹脂
が定着時に瞬時に溶融することが好ましい。しかしなが
ら、一方でこのような特性を有する結着樹脂は、耐高温
オフセット性、耐ブロッキング性、耐久性に劣るものと
なってしまう。
【0020】これら解決のために、特開平5−1582
79公報、特開平6−236066公報で架橋剤を使用
したトナーが提案されている。また、特公平7−239
66公報、特公平7−23967公報では、架橋剤を使
用して磁性体の分散性の優れたトナーを提案している。
【0021】これらトナーは、定着性の優れたトナーで
はあるが、いずれも上述の課題を十分満足しているもの
とはいえない。
【0022】また、昨今の装置の小型化、印字速度の高
速化やネットワーク化に対応するために、トナーの耐オ
フセット領域を低温側へ広げることで定着器を簡略化し
やすくしたり、トナーの定着温度を低温化して定着プロ
セスをより高速化することは効果的な方法である。
【0023】そのために、特開平9−265209号公
報においては、重量平均分子量3×103〜5×104
低分子量ビニル系重合体成分と重量平均分子量3×10
5〜5×106の高分子量ビニル系重合体成分とを主成分
とするビニル系重合体100質量部に、酸化防止剤0.
05〜1質量部が含有されるトナー用樹脂組成物を主成
分とし、これを溶融混練した後冷却し、微粉砕して得ら
れるトナーにより定着温度領域を広げられることを提案
している。しかし、この方法では定着領域が低温側へシ
フトしているにすぎず、高温側でのオフセットは悪化す
る可能性が高い。
【0024】一方、特開平8−262795号公報にお
いては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
り測定された分子量分布において、分子量50万以上の
領域に分子量ピークを有する高分子量スチレン−アクリ
ル系樹脂、分子量5万〜50万の領域に分子量ピークを
有するスチレン−アクリル系樹脂、架橋構造を有するス
チレン−アクリル系樹脂、および分子量5万以下の領域
に分子量ピークを有するポリエステル樹脂バインダー樹
脂よりなるトナーを提案しているが、高速定着への対応
は未だ不十分なものである。
【0025】上述したように、定着プロセスにおいて、
定着温度領域の広い、耐オフセット性に優れるトナーが
望まれているにもかかわらず、それらの点を十分に満足
させるものはないのが、現状である。
【0026】一方、特開平5−271312号公報にお
いて、撹拌速度と後から添加する単量体量を規定したシ
ード重合によって得られる重合体粒子とその製造方法に
ついての記載がなされている。しかし、記述されている
内容ではトナーとしての帯電性についてある程度の効果
は得られるものの、耐久性や定着性の向上には全く寄与
しておらず、画像形成装置への汚染についても効果が認
められないものである。
【0027】さらには、特開平10−177228号公
報において、体積平均粒径と個数平均粒径との比および
シェル部の膜厚で規定される定着温度の低いトナーが提
案されているが、この規定だけでは定着温度を低温化
し、高画質を維持するのは困難である。
【0028】ところで、特開平2−201378号公
報、特開平3−237467号公報、同237468号
公報、特開平7−64336号公報では、カリックスア
レン誘導体等のフェノールとホルムアルデヒドの縮合物
を荷電制御剤として用いることが提案されている。しか
しながら、電荷付与能力や画像形成装置とのマッチング
については十分ではなかった。また、重合法を利用した
トナーの製造方法に対しては配慮されておらず、一層の
改善が望まれていた。
【0029】これまで、結着樹脂と着色剤との分散性及
び接着性を向上させるために、いくつかの方法が提案さ
れている。特開昭54−84731号公報には、シラン
系カップリング剤で磁性体を処理し、用いる方法が、特
開昭55−26519号公報、同55−28019号公
報にはチタン系カップリング剤で磁性体を処理し用いる
方法、また、特開昭54−122129号公報、同54
−130130号公報、同55−6344号公報、同5
5−11218号公報には、磁性体を適当な被覆物質で
被覆し用いる方法などが記載されている。さらには、特
公平6−95223号公報にはイソシアネート基を含有
する化合物で処理された磁性体を用いて得られる重合ト
ナーが、特公平7−27273号公報にはエポキシ化合
物で処理された磁性体を用いて得られる重合トナーが記
載されている。
【0030】しかしながら、これらの方法ではある程度
分散性が改良された磁性トナーが得られるものの、すべ
ての点で充分満足するというものが得られていない。
【0031】登録特許第2802543号では、酸化鉄
系顔料の黒色度を向上させるために、Mnが固溶してい
る鉄を主成分とするヘマタイト粒子が記載されている。
しかしながら、このヘマタイト粒子をそのままトナー用
着色剤として用いても結着樹脂とのなじみは十分ではな
く、やはり分散性及び密着性には改良の余地がある。
【0032】さらに、表面積が大きく、かつ凝集した高
次構造を持つカーボンブラックの場合は均一な処理が一
層難しく、やはりトナーに用いる際に改良の余地が多
い。
【0033】このように、特に高湿下における長期間の
使用、高速現像への適応などにおいては、未だ性能充分
なトナーは得られていないのが実状である。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き要求を満足し得るトナーを提供することにある。
【0035】本発明の目的は、低温定着性に優れ、耐高
温オフセット性に優れたトナーを提供することにある。
【0036】本発明の目的は、トナーの帯電量が良好で
あり、多数枚耐久時においても現像性(トナー帯電量、
画像濃度)や転写性に優れるトナーを提供することにあ
る。
【0037】本発明の目的は、OHPフィルムの定着画
像の透明性に優れた高品質のトランスペアレンシー画像
を提供し得るトナーを提供することにある。
【0038】本発明の目的は、高解像度で高精細な画像
を与え、帯電安定性を満足し、定着温度領域が広く、画
像形成装置の汚染が極めて少なく、且つ、画像形成方法
に高度にマッチングするトナー、また該トナーを効率良
く製造するための方法、および該トナーを用いた画像形
成方法を提供することにある。
【0039】本発明の目的は、低温定着性を損なうこと
なく、高温下においても感光体部材への融着や、キャリ
アやスリーブなどのトナー担持体の表面の汚染が発生し
にくい、耐久性および現像性に優れたトナー及び該トナ
ーの製造方法を提供することにある。
【0040】本発明の目的は、感光体上に静電潜像を形
成し、この静電潜像の現像工程に際し、感光体の表面と
トナー担持体上のトナー層とが接触し、且つ感光体の表
面とトナー担持体の表面とが相互に移動することによ
り、静電潜像の現像が成し遂げられる一成分接触現像方
式を用いた画像形成方法において、高品質な画像を長期
にわたって安定して実現する画像形成方法に用いられる
トナー、及び、画像形成方を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも重
合性単量体、着色剤、極性樹脂、エステル系ワックス及
び下記式で示される架橋剤からなる重合性単量体組成物
を重合して得られるトナーであって、該トナーの135
℃・68.6N(荷重7kg)におけるメルトインデッ
クス(MI)値が、10〜100g/10minである
ことを特徴とするトナーに関する(本発明1)。
【0042】
【化17】 [式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示し、R2は炭素数2〜6の直鎖または分枝状アル
キレン基を示し、nは0〜20を示す。]
【0043】本発明は、少なくとも1種の結着樹脂、着
色剤、ワックス成分よりなるトナーにおいて、 .クロロホルム還流下、還流開始から時間tの間に該
トナーから抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定
されるガラス転移温度(T1)、還流24時間後に抽出
される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガラス転
移温度(T24)が、以下の関係を満たし、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) 15≦t≦60(分) .T1を決定する成分のうち、樹脂成分の主成分がビ
ニル系単量体の重合体であり、 .該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よる分子量分布において、ポリスチレン換算分子量が3
×103〜5×105の範囲にピーク分子量を有し、 .該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるト
ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
おいて、該乾式トナーの円相当個数平均径D1(μm)
が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
0未満である、ことを特徴とするトナーに関する(本発
明2)。
【0044】本発明は、少なくとも1種の結着樹脂、着
色剤、ワックス成分、及び特定の荷電制御剤を少なくと
も一つ以上含有する微小粒子に、少なくとも一つ以上の
重合性単量体及び重合開始剤を必須成分とする重合性単
量体組成物を添加して、シード重合することにより表面
層を形成させることを特徴とするトナーの製造方法に関
する。
【0045】本発明は、少なくとも、外部より帯電部材
に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程
と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜
像形成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー
像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像
担持体上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、転
写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画
像形成方法において、該トナーは、少なくとも1種の結
着樹脂、着色剤、ワックス成分よりなる乾式トナーであ
って、 .クロロホルム還流下、還流開始から時間tの間に該
トナーから抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定
されるガラス転移温度(T1)、還流24時間後に抽出
される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガラス転
移温度(T24)が、以下の関係を満たし、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) 15≦t≦60(分) .T1を決定する成分のうち、樹脂成分の主成分がビ
ニル系単量体の重合体であり、 .該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よる分子量分布において、ポリスチレン換算分子量が3
×103〜5×105の範囲にピーク分子量を有し、 .該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるト
ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
おいて、該乾式トナーの円相当個数平均径D1(μm)
が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
0未満である、ことを特徴とする画像形成方法に関す
る。
【0046】本発明は、少なくとも、外部より帯電部材
に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程
と、帯電された静電荷潜像担持体に静電潜像を形成する
潜像形成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナ
ー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜
像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する第一の転
写工程と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写す
る第2の転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着す
る定着工程とを有する画像形成方法において、該トナー
は、少なくとも1種の結着樹脂、着色剤、ワックス成分
よりなる乾式トナーであって、 .クロロホルム還流下、還流開始から時間tの間に該
トナーから抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定
されるガラス転移温度(T1)、還流24時間後に抽出
される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガラス転
移温度(T24)が、以下の関係を満たし、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) 15≦t≦60(分) .T1を決定する成分のうち、樹脂成分の主成分がビ
ニル系単量体の重合体であり、 .該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
よる分子量分布において、ポリスチレン換算分子量が3
×103〜5×105の範囲にピーク分子量を有し、該ト
ナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個
数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、
該乾式トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜1
0μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.92
0〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満で
ある、ことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0047】本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤お
よび離型剤からなるトナーにおいて、結着樹脂の少なく
とも一部が架橋剤による架橋構造を有し、該架橋剤が下
記一般式[a]
【0048】
【化18】 (式中R1〜R5のうち少なくとも一つ、R6〜R10のう
ち少なくとも一つがビニル基を有する置換基であり、そ
の他はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1
〜C20の飽和/不飽和アルキル基、アルコキシ基、芳香
族炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、1〜
3級アミノ基、ニトロ基、スルホン基、スルホアミド
基、シアノ基、アルキルカルボン酸エステル、アシル基
からなるグループから選択される。)で表わされるビフ
ェニル化合物であるトナーに関する(本発明3)。
【0049】本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤
を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該着色
剤として少なくとも表面が有機化合物により処理されて
いる複合酸化物が使用され、該複合酸化物が少なくとも
Fe及びMnを含有しており、該複合酸化物中における
Mnの含有量が、該複合酸化物中の全Fe量に対して2
〜55原子%であることを特徴とするトナーに関する
(本発明4)。
【0050】本発明は、少なくとも(a)静電潜像を担
持するための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電
された像担持体に像露光によって静電潜像を形成する露
光工程;(c)該静電潜像をトナー担持体の表面に担持
されているトナーによって形成されるトナー層が該像担
持体の表面に接触することにより該静電潜像の現像が成
し遂げられ、トナー像を形成する現像工程;(d)該像
担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介し
て、又は介さずに転写材に転写する転写工程;及び
(e)転写工程後に該像担持体表面に残存しているトナ
ーをクリーニング除去するクリーニング工程;を有し、
クリーニングされた像担持体を用いて上記(a)乃至
(e)の工程を繰り返す画像形成方法に用いられるトナ
ーであって、該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色
剤、ワックス成分、及びフェノール誘導体縮合物を含有
し、該トナー中のフェノール誘導体縮合物が、後述の一
般式<A>で示される環状縮合物と一般式<B>で示さ
れる鎖状縮合物と一般式<C>で示される低分子量縮合
物の混合物であり、それぞれの含有比率が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とするトナーに関する(本発明5)。
【0051】本発明は、少なくとも(a)静電潜像を担
持するための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電
された像担持体に像露光によって静電潜像を形成する露
光工程;(c)該静電潜像を現像装置が有しているトナ
ーによって現像し、トナー像を形成する現像工程;
(d)該像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転
写体を介して、又は介さずに転写材に転写する転写工
程;を有し、且つ転写工程後に該像担持体表面に残存し
ているトナーの回収を現像工程において該現像装置が兼
ねて行う現像兼クリーニング方式を用いた画像形成方法
に用いるトナーであって、該トナーは、少なくとも、結
着樹脂、着色剤、ワックス成分、及びフェノール誘導体
縮合物を含有し、該トナー中のフェノール誘導体縮合物
が、後述の一般式<A>で示される環状縮合物と一般式
<B>で示される鎖状縮合物と一般式<C>で示される
低分子量縮合物の混合物であり、それぞれの含有比率
が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とするトナーに関する(本発明6)。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明1において、構造(式1)
を有する架橋剤を使用して得られる結着樹脂は、一般に
使用されるジビニルベンゼンのごとき架橋剤と比較し
て、架橋間の距離が長くなることでソフトな架橋成分が
得られること、また、トナーのMI値が10〜100g
/10minであることによって、低温定着性が優れ
る。
【0053】更には、架橋剤分子鎖中にエステル、エー
テル部位を有するために、結着樹脂中に含有されるエス
テル系ワックスが定着時に、少量の熱や圧力でトナー表
面に出てきやすくなることで相乗的に、低温定着性が優
れるものと考えられる。
【0054】さらには、ソフトな架橋成分を有し、か
つ、ワックスを含有していることから、耐オフセット性
にもすぐれ、定着時のスピードを落とすなどの手段で十
分な熱や圧力を加えることが可能であり、トナーの混色
性が良く、OHPシートも透明性の優れたものが得られ
る。また、ソフトな架橋成分を有するために、低温定着
性を損なうことなく、耐ブロッキング性、耐久性の優れ
たトナーとなる。
【0055】MI値が10g/10minに満たない場
合、帯電部材、感光体を汚染しやすく、耐久性が劣って
しまう。逆に、100g/10minを超えた場合、低
温定着性、OHPシートの透明性が劣ってしまう。
【0056】また、該トナーのTHF可溶成分の分子量
分布としては、メインピーク分子量Mpが5000〜5
0000であり、重量平均分子量Mwが50000〜1
000000であることが好ましい。
【0057】メインピーク分子量Mpが5000に満た
ない場合や、重量平均分子量Mwが50000に満たな
い場合は、耐久性が損なわれ、逆にメインピーク分子量
Mpが50000を超えたり、重量平均分子量Mwが1
000000を超えた場合は、低温定着性、OHPシー
トの透明性が劣ってしまい好ましくない。
【0058】また、水系媒体中で、該単量体組成物を重
合して得られるトナーであることが好ましい。
【0059】これは、前述のとおり、架橋剤分子鎖中に
エステル、エーテル部位を有するために、重合時にトナ
ー表面近傍に局在化しやすいことから、表層近傍が積極
的に架橋され、耐ストレス性に優れるためである。
【0060】さらには、フロー式粒子像測定装置で計測
されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタ
グラムにおいて、平均円形度が、0.95〜1.00で
あることが好ましい。これは、トナー表面の強度が均一
化され、耐ストレス性が優れるとともに、現像性、転写
性も向上する。
【0061】また、該極性樹脂は、ポリエステル樹脂で
あり、酸価が1〜35(mgKOH/g)であることが
好ましい。水系媒体中で、重合して得られるトナーであ
るため、極性樹脂は、トナー表層へ局在化しやすい。酸
価が1〜35(mgKOH/g)の場合、トナー表層近
傍の極性樹脂と該架橋剤の存在比のバランスが保たれ、
低温定着性を損ねない程度の表層強度が得られるものと
考えられる。
【0062】酸価が1(mgKOH/g)に満たない場
合、表層の該架橋剤量の割合が増え、表層が堅くなりす
ぎ、逆に、酸価が35(mgKOH/g)を超えてしま
うと、表層の該架橋剤量の割合が減り、表層強度が不十
分となる。
【0063】更には、架橋剤分子鎖中にエステル、エー
テル部位を有し、かつ、トナー表層がポリエステル樹脂
であれば、エステル系ワックスが定着時に、少量の熱や
圧力でトナー表面に出てきやすくなることで相乗的に、
低温定着性が優れるものと考えられる。
【0064】該架橋剤の添加量は重合性単量体100質
量部に対して、0.01〜5質量部であることが好まし
い。0.01質量部に満たない場合、耐久性が損なわ
れ、逆に5質量部を超えた場合は、低温定着性、OHP
シートの透明性が劣ってしまい好ましくない。
【0065】また、該水系媒体がpH4.5から8.5
に調整されることが好ましい。pHが4.5より低い、
また、8.5より高い場合、トナー表層成分が加水分解
等を起こしやすく、その弊害として、現像性が劣ってし
まう。
【0066】本発明1に使用される架橋剤の具体例とし
ては、エチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジ
メタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げら
れる。これら架橋剤と他の架橋剤とを併用しても良い。
【0067】また本発明1に使用される極性樹脂として
は、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイ
ン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が
好ましく用いられる。これら極性樹脂の中でもポリエス
テル樹脂が特に好ましい。また、ワックスを内包化せし
めたコア/シェル構造を有するトナーを得ることが可能
になる。これは、水系媒体中で製造されるトナーのた
め、極性樹脂に比べて、極性の低いワックスがトナー内
部に押し込まれることによる。
【0068】本発明2において、クロロホルムでの還流
初期15〜60分間にトナーから抽出される成分は、ト
ナー表面近傍に存在するクロロホルム可溶な結着樹脂成
分であり、同じく還流24時間で抽出される成分はトナ
ーに存在するクロロホルム可溶な結着樹脂成分の全体で
ある。また、本発明2のトナーは、前者のガラス転移温
度(T1)と後者のガラス転移温度(T24)との関係
が、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) を満足するものである。
【0069】その理由としては、T24が、40℃未満で
あるとトナーの帯電性が安定せず、またトナーの耐久性
が不十分となり、70℃を超えるとトナーの定着温度が
高くなり厚紙での定着性が極めて悪化する。さらに(T
1−T24)が5℃以下であると表面層により内部を被覆
しても、表面近傍の成分と内部の成分との熱的な安定性
に差がないため、定着温度を低くするためにT24を低め
にするとトナーの耐ブロッキング性が悪化し、逆に耐ブ
ロッキング性を向上させるためにT24を高めに設定する
と、逆に定着性が悪化してしまう。一方、(T1
24)が75℃を超えるとT24を低い設定にしてもT1
が高くなり、結果として定着性が悪化してしまう。
【0070】前記のような定着性と耐ブロッキング性と
の関係を定量化するために、本発明においては、(T1
+T24)の範囲を設定した。即ち、100℃を超えて1
80℃未満のときに定着性と耐ブロッキング性との両立
が可能となる。
【0071】また、本発明2においてT1をクロロホル
ム還流開始から15〜60分の間の任意の時間に該トナ
ーから抽出される可溶分のガラス転移温度と定義した理
由は、次のとおりである。
【0072】クロロホルム還流下、該トナーの表面近傍
の結着樹脂が抽出される速度は結着樹脂のガラス転移温
度や不溶分の量によって異なるが、本発明者らの検討に
より還流開始後15〜60分の間の任意の時間にサンプ
リングすると、該トナーの表面近傍のクロロホルム可溶
分が抽出されるためである。より詳しくは、この時点で
該トナーから抽出された成分が、該トナーの総質量に対
して3〜20質量%であると表面近傍が再現良く抽出さ
れるため好ましく、該トナーの総質量に対して5〜12
質量%であるとより好ましい。このときの抽出時間とし
ては、20〜50分が好ましく、25〜45分がより好
ましい。
【0073】一方、T24をクロロホルム還流24時間後
に抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガ
ラス転移温度として定義した理由としては、24時間還
流後にはトナーとして使用可能な粒子であれば可溶分が
全て抽出されているためである。
【0074】具体的な方法としては、ソックスレー抽出
などが好適である。
【0075】本発明2においては、T1を決定する成分
のうち、樹脂成分の主成分がビニル系単量体の重合体で
なければならない。本発明2の製造方法により得られる
トナーにおいて、物性を調節するために結着樹脂中にポ
リエステル樹脂などの極性樹脂を含有させることも可能
であるが、シード重合により表面層を形成させたトナー
においては、抽出される樹脂成分の主成分としてビニル
系単量体の重合体以外の成分、即ち極性樹脂などが含有
されるということは表面層の形成が不十分であることを
示しているため、本発明2においては、T1を決定する
成分のうち樹脂成分の主成分、即ち50質量%以上がビ
ニル系単量体の重合体でなければならない。
【0076】ビニル単量体であることの定性および定量
分析は、様々な方法で実施することができる。
【0077】例えば、T1を決定する成分を核磁気共鳴
スペクトル(1H−NMR、13C−NMR)、赤外吸収
スペクトル(IR)、ラマンスペクトル、紫外吸収スペ
クトル(UV)、質量スペクトル(MS)等のスペクト
ル分析、元素分析、GPC、ガスクロマトグラフィー
(GC)、液体クロマトグラフィー(HPLC)、その
他の化学分析など様々な方法により分析すればよい。
【0078】(ガラス転移温度の決定方法)本発明2に
おいて前記の抽出分や結着樹脂およびトナーのガラス転
移点の測定はDSC−7(パーキンエルマー社製)を用
いて、温度速度10℃/分でASTM(D3418−8
2)の温度設定パターンに準じて行った。
【0079】Tgは、2度目の昇温時のDSCカーブよ
り、吸熱ピーク前の基線と吸熱ピーク後の基線の中身
と、立ち上がり曲線での交点をもってしてTgとした。
【0080】本発明2のトナーのTHF可溶分の分子量
は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)による分子量分布において、ポリスチレン換
算分子量が2×103〜5×105の範囲にピーク分子量
を有しなければならない。ピーク分子量が2×103
りも低いと帯電特性に悪影響がでる場合があり、5×1
5よりも高いと溶融粘度が高くなりすぎ、定着性に問
題を生じる場合がある。また、本発明2において使用さ
れるジエン系樹脂を製造するに際し、適当な分子量調節
剤、分子量分布調整剤、粘弾性改善のための分岐剤、反
応を促進するための触媒等必要に応じて使用することが
できる。
【0081】本発明2のトナーは、T1を決定する成分
の酸価(AV1)、水酸基価(OHV 1)、還流24時間
後に抽出される可溶分の酸価(AV24)、水酸基価(O
HV2 4)が以下の関係式 │AV24−AV1│≦5(mgKOH/(可溶分1gあ
たり)) │OHV24−OHV1│≦5(mgKOH/(可溶分1
gあたり)) をいずれも満たさなければならない。
【0082】その理由としては、│AV24−AV1│の
値が5を超えると、 (AV24>AV1,OHV24>OHV1)の場合には、
内部に存在する樹脂の極性の方が高く、表面層の形成が
不十分であり、トナーの耐ブロッキング性が悪化する。 (AV24<AV1,OHV24<OHV1)の場合には、
1を決定する成分の抽出時間でクロロホルムにより極
性の高い成分が抽出されており、極性が高く、且つ重合
度が低い成分が多く存在しており、トナーの帯電性が不
十分となる。ことが挙げられる。しかし、カルボキシル
基含有重合性単量体、水酸基含有重合性単量体を積極的
に使用する場合は必ずしもこの限りではない。
【0083】トナーにおいては、結着樹脂が単に一次元
的に重合したもののみからなるよりも、架橋構造を有
し、二次元もしくは三次元構造を有する部分を持つ方が
よりトナーが強固になり、特に高温下など過酷な環境下
でも感光体部材やキャリア等への融着が減少することが
判明した。
【0084】一方、特にワックスを含有する重合法トナ
ーにおいては重合時間がトナーの流動性に影響を与え
る。すなわち、前述のごとく、重合時にワックスの内包
化が完全に行われず、特に低融点成分がトナー表面まで
拡散/付着する現象について、重合時間が大きな支配因
子となっており、重合が長時間になるほど表面に存在す
るワックス量が増加し、これによってトナーの流動性の
低下やブロッキングの増加が引き起こされることが明ら
かになった。そこで本発明者らは上記課題を同時に解決
する方法として、下記一般式[a]
【0085】
【化19】 (式中R1〜R5のうち少なくとも一つ、R6〜R10のう
ち少なくとも一つがビニル基を有する置換基であり、そ
の他はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1
〜C20の飽和/不飽和アルキル基、アルコキシ基、芳香
族炭化水素基ヒドロキシル棊、カルボキシル基、1〜3
級アミノ基、ニトロ基、スルホン基、スルホアミド基、
シアノ基、アルキルカルボン酸エステル、アシル基から
なるグループから選択される。)で表わされるビフェニ
ル化合物を、本発明3におけるトナーを構成する結着樹
脂に架橋構造をもたらす架橋剤として用いることを見出
した。すなわち、該架橋剤においては従来よく用いられ
ているジビニルベンゼンなどの単環式芳香族架橋剤と比
較し、結着樹脂との架橋構造を形成する速度が顕著に大
きいという特徴を有する。そのため該架橋剤を用いた場
合には重合法トナーにおける重合時間を短縮することが
可能となり、これによりワックスのトナー表面への拡散
/付着が著しく減少し、トナーの流動性や耐ブロッキン
グ性が向上する。また、架橋構造の形成が確実に行われ
るため、トナーの構造が強固になり、特に高温下での感
光体やキャリアへの融着が減少する。
【0086】本発明者等が鋭意検討した結果、少なくと
もFe及びMnを含有しており、かつ、表面が有機化合
物により処理されている複合酸化物はトナー用結着樹脂
への分散性及び接着性が高く、従って、この複合酸化物
を着色剤として使用したトナーは、前述したような様々
な課題を解決し得ることが判明した。その理由は今のと
ころ不明であり、処理剤である有機化合物と複合酸化物
表面のMn原子とのなじみやすさがFe原子とのなじみ
やすさと異なることに起因していることも考えられる
が、現状定かにはなっていない。
【0087】ここで、表面処理用の有機化合物としては
ケイ素含有化合物が好ましく、ケイ素含有化合物の中で
もシランカップリング剤がより好ましいことも明らかと
なった。ケイ素含有化合物で処理した着色剤はある程度
樹脂中への分散性が向上することが知られているもの
の、例えばケイ素含有化合物と酸化鉄との親和性はそれ
ほど良いものではない。従って、ケイ素含有化合物で表
面処理した酸化鉄をトナー内に分散させるため物理的シ
ェアを加えた場合、酸化鉄表面からケイ素含有化合物が
剥がれ、結果として酸化鉄粒子と結着樹脂とのなじみが
低下してしまうため表面処理の効果がそれほど上がらな
いものと思われる。これに対し、本発明4に係わるトナ
ーにおいてはMnが含有された複合酸化物を着色剤とし
て用いている。ケイ素化合物は比較的酸化されやすく、
酸化反応の結果ケイ素部分の結合が開裂しやすいことが
しられている。本発明4においても、Mnが含有された
複合酸化物の表面をケイ素含有化合物で処理する際、酸
化力の高いMn酸化物によりケイ素の結合部分が酸化的
に開裂し、複合酸化物表面と強い結合を生成しているの
かもしれない。
【0088】また、ケイ素含有化合物のなかでも、特に
シランカップリング剤を用いた場合には、複合酸化物表
面のOH基と結合しうる官能基が元々多いため、複合酸
化物表面へのケイ素含有化合物の付着が強固となり、ト
ナー製造時における物理的シェア下においても着色剤表
面から剥がれにくく、着色剤と結着樹脂とのなじみが維
持されるため、結果として着色剤の分散性が向上するも
のと推測される。
【0089】なお、複合酸化物中におけるMnの含有量
は、該複合酸化物中の全Fe量に対して2〜55原子%
であることが好ましく、3〜50原子%がより好まし
い。Mnの含有量が全Fe量に対して2原子%未満であ
る場合、複合酸化物の黒色度が低下気味となり、特に複
合酸化物の粒径が小さくなるほど褐色を帯びるようにな
る。高画質を目的としたトナーの小径化の際、使用され
る着色剤粒子の小径化も必須技術と考えられるが、トナ
ー中への分散性が良好な着色剤であっても、着色力の小
さい褐色のトナーしか得られないようでは問題がある。
【0090】加えてMnの含有量が全Fe量に対して2
原子%未満である場合には、複合酸化物表面と処理剤と
のなじみあるいは接着性が不足し、物理的シェアにより
結着樹脂中に分散させる際、複合酸化物表面から処理剤
が剥がれてしまい、結局、トナー中への着色剤の分散性
改良効果があまり見られなくなる。
【0091】一方、Mnの含有量が全Fe量に対して5
5原子%を超える場合、複合酸化物の抵抗や磁気特性の
制御が難しくなる。特に抵抗の低下が大きく、このよう
な複合酸化物をトナー用材料として用いると、トナーと
しての抵抗も低下してしまい、高湿下等においては帯電
量の低下が防ぎきれず、画質の低下につながるため好ま
しくない。
【0092】本発明4のトナーに使用される複合酸化物
の平均径は、0.01〜0.13μmが好ましく、窒素
吸着比表面積(=BET比表面積)としては、6〜80
2/gの範囲であること好ましい。より好ましい平均
径及びBET比表面積は、0.015〜0.10μm及
び10〜75m2/gである。
【0093】平均径が0.01μm未満の場合、黒色度
の低下が顕著となり、白黒用トナーの着色剤としては着
色力が不十分となるうえに、複合酸化物粒子どうしの凝
集が強くなるため、分散性が悪化する傾向となる。一
方、平均径が0.13μmを超えてしまうと、一般の着
色剤と同様に着色力が不足するようになる。加えて、特
に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々の
トナー粒子に同個数の複合酸化物粒子を分散させること
が確率的に困難となる。
【0094】また、BET比表面積が6m2/g未満の
場合、結着樹脂との接着面積が小さいため、例えば現像
器内でトナーが撹拌された際、複合酸化物粒子がトナー
から剥がれ落ちやすい。加えて、重合法によりトナーを
製造する場合、重合液中での高速撹拌の際に重合単量体
液滴中から遠心力等により複合酸化物粒子が飛び出しや
すく、着色剤としての内包化が難しくなる。一方、BE
T比表面積が80m2/gを超えてしまうと、複合酸化
物粒子どうしの接触面積も大きくなり、粒子どうしが凝
集しやすくなるため、やはり分散性が悪化する傾向とな
る。
【0095】本発明に係わるトナーの重量平均粒径とし
て1〜9μmの範囲を選択することにより、非常に高画
質な画像を長期間安定に得ることを可能とする。
【0096】一般に、トナーの粒径が細かくなると、現
像時の解像度が向上することが知られている。この、ト
ナーの小粒径化においては、前述したように個々のトナ
ー粒子への原材料の均一分散が重要な技術となり、一つ
の手法としては、原材料の小径化が挙げられる。その一
方で、これも前記の如く、カーボンブラックあるいはマ
グネタイト等の酸化鉄は小径化に伴いその色味が褐色に
近づくため、こういった着色剤を用いたトナーもその黒
色度が低下し、着色力が不十分となる。しかしながら、
本発明4のトナーに着色剤として使用される複合酸化物
中には、Mn酸化物が共存しており、微粒子径でも黒色
度が高い。従って、平均径が9μm以下の小粒径トナー
において着色剤として粒径の小さいこの複合酸化物を用
いれば、そのトナーによって高精細で濃度の高い高画質
画像を長期に渡って得ることが可能となる。トナーの平
均径が9μmを超えると大きな高画質化の達成はそれほ
ど望めなく、特に100μm以下のドット潜像や細線の
再現が難しくなる。一方、トナーの平均径が1μm未満
の場合、トナー原材料を均一に分散させることがより一
層難しくなり好ましくない。この改良には、着色剤以外
の材料の小径化や分散性の向上も必要となる。
【0097】本発明4のトナーに着色剤として用いられ
る複合酸化物の表面処理の方法としては任意の手法が可
能ではあるが、湿式処理法が好ましい。これは、乾式法
に比べて、処理剤を含む多量の溶媒中で処理する方が複
合酸化物粒子全体の表面に均一に処理剤が接触するため
でもある。
【0098】有機溶剤を用いない水系湿式処理も後処理
が簡便で好ましいが、水系湿式処理の場合、水系中の好
ましいpHは8以下である。pHが8より高いアルカリ
条件下においては、シランカップリング剤の加水分解速
度が早すぎるため、シランカップリング剤どうしの縮合
皮応が優先的に起こり、複合酸化物表面への処理剤の付
着量が減少し、分散性の改良効果が低下してしまう。さ
らに、縮合反応生成物がいわゆる糊の役割を果たす結
果、複合酸化物粒子どうしの凝集が起こりやすくなる。
また、ガスの発生しないアルコキシタイプのシランカッ
プリング剤そのものは一般に水には不溶であるが、pH
が8以下の条件下では、アルコキシ基が適度な速度で加
水分解され、水溶性となって水中に均一に分散するた
め、複合酸化物粒子のより均一な表面処理が可能とな
る。また、pHが8以下の中性〜酸性条件下では、一般
に無機化合物微粒子表面はプロトン化されているため、
以下のように、カップリング反応が一層進行しやすくな
っているためと考えられる。
【0099】
【化20】
【0100】ここで、複合酸化物表面処理における処理
剤量としては、複合酸化物100質量部に対して、0.
05〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がよ
り好ましい。0.05質量部未満では表面処理による複
合酸化物のトナー用結着樹脂への分散性改良効果が不十
分であり、20質量部を超えると、処理剤の糊効果によ
る複合酸化物粒子の凝集が起こりやすく、やはり分散性
改良効果が不十分となる。
【0101】本発明4で用いられる表面処理剤として
は、以下のようなものが挙げられる。
【0102】まず、シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂、
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、
スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−メタクリル
系共重合体、エポキシ系樹脂、及びこれらを適宜混合し
たものが挙げられる。また、脂肪酸及びその金属塩、界
面活性剤等を用いても良い。
【0103】カップリング剤としては、例えば、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる
が、前述のように、より好ましく用いられるのはシラン
カップリング剤であり、一般式 RmSiYn [式中、Rはアルコキシ基、ハロゲン原子を示し、mは
1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリ
シドキシ基、メタクリル基、フェニル基の如き炭化水素
基を示し、nは1〜3の整数を示す。]で示されるもの
である。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシ
ラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げる
ことができる。
【0104】特に、式Cp2p+1−Si−(OC
q2q+13[式中、pは2〜20の整数を示し、qは1
〜3の整数を示す]で示されるアルキルトリアルコキシ
シランカップリング剤を使用して水系媒体中で複合酸化
物粒子を疎水化処理するのが良い。上記式におけるpが
2より小さいと、処理剤と複合酸化物表面とのなじみが
良く、表面処理は容易となるが、一般には処理した表面
の親水性が高いため結着樹脂とのなじみはあまり良くな
く、分散性はそれほど向上しない。またpが20より大
きいと、処理剤分子鎖どうしが絡み合うようになり、複
合酸化物粒子どうしの凝集が多くなり、やはり分散性改
良効果が低下しやすい。また、qが、3より大きいとシ
ランカップリング剤の反応性や水への溶解性が低下して
表面処理が十分均一には行われにくくなる。
【0105】こうして得られる表面処理複合酸化物の好
ましい使用量は、着色剤あるいは磁性付与剤として単独
で用いる場合、トナー用結着樹脂100質量部に対し1
0〜200質量部であり、より好ましくは20〜160
質量部である。10質量部未満では、表面処理複合酸化
物だけでは十分な着色力が得られず、200質量部を超
えるとトナーの定着性が低下する傾向にある。
【0106】本発明のトナーに使用できる結着樹脂は、
公知のものが全て使用可能である。
【0107】また、転写工程後に像担持体表面に残存し
ているトナーの回収を現像工程において現像装置が兼ね
て行う現像兼クリーニング方式を用いた画像形成装置
に、特定の構造を有するフェノール誘導体縮合物を特定
の比率で含有したトナーを適用することによって、トナ
ーの帯電状態を改善し、且つ、迅速な荷電制御が可能と
なり、転写残余のトナーを低減することによりトナー回
収の負荷を軽減し、且つ転写残余のトナーを円滑に回収
することによって、高品質な画像を長期にわたって安定
して形成することを可能とすることを見出し、本発明6
を完成するに至った。
【0108】本発明者等は、一成分接触現像方式による
画像形成方法に、特定の構造を有するフェノール誘導体
縮合物を特定の含有比率で存在させたトナーを用いるこ
とにより、トナーの帯電特性が改善されることを見出
し、特に、低温低湿環境下でのトナーの帯電制御特性が
改善されるので高品位な画像再現が可能となると共に感
光体上の現像トナーの帯電量を適正に制御し、転写残余
のトナーの過剰帯電によるクリーニング性の低下を防止
し得ることを見出して本発明5に至った。
【0109】本発明の5と6のトナーは、少なくとも、
結着樹脂、着色剤、ワックス成分、及びフェノール誘導
体縮合物を含有する乾式トナーであって、該トナー中の
フェノール誘導体縮合物が、下記一般式<A>で示され
る環状縮合物と一般式<B>で示される鎖状縮合物と一
般式<C>で示される低分子量縮合物の混合物であり、
それぞれの含有比率が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とする。
【0110】
【化21】 [式中、R1〜R15は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
シエステル基、アミノ基、アミド基、二トロ基、シリル
基、フェニル基を示す。また、X1及びY1は0〜8の
整数で、X1とY1の和は3〜12である。]
【0111】
【化22】 [式中、R21〜R35は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
基、フェニル基を示す。また、X2及びY2は0〜8の
整数で、X2とY2の和は3〜12である。]
【0112】
【化23】 [式中、R41〜R55は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
基、フェニル基を示す。また、X3及びY3は0〜2の
整数で、X3とY3の和は1〜2である。]
【0113】上記の如きフェノール誘導体縮合物は、フ
ェノール類とホルムアルデヒド類を縮合させて得られ
る。また、上記構造とするためには、予め所定の置換基
を有する原材料を用いることができ、フェノール類の具
体例としては、p−フェニルフェノール、アルキルフェ
ニルフェノール、ハロゲン化フェニルフェノール、ハロ
ゲン化アルキルフェニルフェノール、スルホン酸フェニ
ルフェノール、アミノフェニルフェノール、シアノフェ
ニルフェノール、イソシアン酸フェニルフェノール、ニ
トロフェニルフェノール、クミルフェノール、ベンジル
フェノール、スチレン化フェノール、アリサイクリック
基で置換されたフェノール、アミノフェノール、フェノ
ールスルホン酸、ヒドロキシ安息香酸エステル、ヒドロ
キシフェニル酢酸、ヒドロキシフェニル酢酸誘導体、ホ
ルミルフェノール、メトキシエチルフェノール、トリア
ルキルシリル化フェノール等を用いることができる。
【0114】尚、原材料としてこれらを用い、縮合させ
てから、さらに置換基を導入しても良いし、脱離させて
も良い。
【0115】付加する置換基としては、アルキル基、置
換基を有していても良いアリール基、アリール基で置換
された炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していて
も良いアリサイクリック基、ハロゲン原子、フルオロア
ルキル基、ニトロ基、置換されていても良いスルホン
基、フェニルカルバモイル基、置換されていても良いア
ミノ基、トリアルキルシリル基等が挙げられる。
【0116】本発明5と6に係るフェノール誘導体縮合
物は、上記一般式<A>で示される環状縮合物と一般式
<B>で示される鎖状縮合物と一般式<C>で示される
低分子量縮合物の混合物であり、それぞれの含有比率
が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% となるように調整される。
【0117】一般式<A>で示される環状縮合物はトナ
ー粒子中での分散性にやや劣るが、帯電付与性に優れ、
特に帯電速度を良好なものとするので好ましい。また、
一般式<B>で示される鎖状縮合物は一般式<A>で示
される環状縮合物よりも帯電性に劣るものの、トナー粒
子中での分散性に優れるので、均一な帯電状態が得られ
る。従って、これらの効果を有効に作用させる為に、両
者を上記の如き含有比率で併用することにより帯電性を
バランス良く向上させることが可能となる。
【0118】一般式<A>と一般式<B>における置換
基R2、R12、R22、R32、R42、R52では、アルキル
基、置換基を有しても良いアリール基、アラルキル基、
アリサリック基である場合、帯電性が良好なものとなり
易い。特に、置換基を有しても良いフェニル基、クミル
基等は荷電制御性に優れ、その中でも、少なくとも1種
類のフェニル基を有するものが適度な荷電帯電量を保持
するので好ましい。
【0119】一般式<A>と一般式<B>における置換
基R1、R11、R21、R31、R41、R51では、水素原
子、アルキル基、アラルキル基、また、置換基R3
4、R13、R14、R23、R24、R33、R34、R43、R
44、R53、R54では、水素原子、アルキル基、ハロゲン
原子、ニトロ基、更に、置換基R5、R15、R25
35、R4 5、R55では、水素原子が帯電安定性の向上
や、縮合反応の阻害による一般式<3>で示される低分
子量縮合物の生成を防止する上で好ましい。
【0120】また、これらの置換基に2種類以上の置換
基を用いることで、その置換基の電子的効果だけでな
く、立体効果により結晶性が崩れ、トナー粒子中への分
散性や帯電特性を調整することができる。
【0121】一方、一般式<C>で示される低分子量縮
合物は、一般式<A>、又は一般式<B>で示される縮
合物の低分子量成分に相当するが、十分な帯電能力を有
さない為、含有比率が5質量%を超えると、トナーの均
一帯電が困難なものとなる。また、トナー粒子中で可塑
成分として作用する為、画像形成装置とのマッチングに
支障を生じる。
【0122】一方、一般式<A>と一般式<B>におい
て、フェノール誘導体縮合物の繰り返しユニット数に相
当するX1とY1の和、又は、X2とY2の和が12を
超えると、トナー粒子中での分散性が著しく低下し、ト
ナーの帯電性にムラを生じたり、画像形成装置とのマッ
チングに支障を生じる。
【0123】本発明5と6に係るトナーに用いられるフ
ェノール誘導体縮合物は、合成や精製の条件を調整し、
目的とするフェノール誘導体縮合物を単離した後、上記
の如き構造を有するものを特定の含有比率で混合して用
いることが好ましい。
【0124】尚、上記の如きフェノール誘導体縮合物の
繰り返しユニット数は、電解脱離質量スペクトル分析
(FD−MS)等により求めることができる。
【0125】本発明に係るフェノール誘導体縮合物をト
ナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する
方法(内添)と外部から添加する方法(外添)がある。
内添する場合の好ましい添加量としては結着樹脂100
質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは、
0.5〜5質量部の範囲で用いられる。一方、外添する
場合は、0.01〜5質量部が好ましく、特にメカノケ
ミカル的にトナー表面に固着させるのが好ましい。
【0126】本発明5と6に係るフェノール誘導体縮合
物、及び、比較用フェノール誘導体縮合物の具体的構造
を以下に例示するが、本発明5と6は何らこれらに限定
されるものではない。
【0127】環状縮合物(A1−4) 下記のフェノール誘導体(p−フェニルフェノール:化
合物1)とホルムアルデヒドを出発原料とし、アルカリ
触媒存在下で縮合反応を行い、得られた反応生成物をカ
ラム分離した後、再結晶を行って得られた縮合物(フェ
ノール誘導体縮合物の繰り返しユニット数:4)であっ
て、前記一般式<A>で示される環状縮合物に相当す
る。
【0128】
【化24】
【0129】環状縮合物(A1−n) 前記フェノール誘導体(化合物1)とホルムアルデヒド
を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を行
い、得られた反応生成物をカラム分離した後、再結晶を
行って得られた前記一般式<A>で示される環状縮合物
であって、フェノール誘導体縮合物の繰り返しユニット
数がnの環状縮合物。
【0130】具体的には、フェノール誘導体縮合物の繰
り返しユニット数nが3である環状縮合物(A1−
3)、繰り返しユニット数が6である環状縮合物(A1
−6)、繰り返しユニット数が3である環状縮合物(A
1−8)、繰り返しユニット数が12である環状縮合物
(A1−12)等であり、いずれも反応条件や精製条件
を変更することで得ることができる。
【0131】環状縮合物(A2−4) 下記のフェノール誘導体(化合物1と化合物2)とホル
ムアルデヒドを出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮
合反応を行い、得られた生成物をカラム分離した後、再
結晶を行って得られた縮合物(フェノール誘導体縮合物
の繰り返しユニット数:4)であって、前記一般式<A
>で示される環状縮合物に相当する。
【0132】
【化25】
【0133】環状縮合物(A2−n) 前記フェノール誘導体(化合物1と化合物2)とホルム
アルデヒドを出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合
反応を行い、得られた反応生成物をカラム分離した後、
再結晶を行って得られた前記一般式<A>で示される環
状縮合物であって、フェノール誘導体縮合物の繰り返し
ユニット数がnの環状縮合物。
【0134】具体的には、フェノール誘導体縮合物の繰
り返しユニット数nが3である環状縮合物(A2−
3)、繰り返しユニット数が6である環状縮合物(A2
−6)、繰り返しユニット数が3である環状縮合物(A
2−8)、繰り返しユニット数が12である環状縮合物
(A2−12)等であり、いずれも反応条件や精製条件
を変更することで得ることができる。
【0135】鎖状縮合物(B1−4) 前記フェノール誘導体(化合物1)とホルムアルデヒド
を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を行
い、得られた生成物をカラム分離した後、再結晶を行っ
て得られた縮合物(フェノール誘導体縮合物の繰り返し
ユニット数:4)であって、前記一般式<B>で示され
る鎖状縮合物に相当する。
【0136】
【化26】
【0137】鎖状縮合物(B1−n) 前記フェノール誘導体(化合物1)とホルムアルデヒド
を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を行
い、得られた反応生成物をカラム分離した後、再結晶を
行って得られた前記一般式<B>で示される環状縮合物
であって、フェノール誘導体縮合物の繰り返しユニット
数がnの鎖状縮合物。
【0138】具体的には、フェノール誘導体縮合物の繰
り返しユニット数nが3である鎖状縮合物(B1−
3)、繰り返しユニット数が6である鎖状縮合物(B1
−6)、繰り返しユニット数が3である鎖状縮合物(B
1−8)、繰り返しユニット数が12である鎖状縮合物
(B1−12)等であり、いずれも反応条件や精製条件
を変更することで得ることができる。
【0139】鎖状縮合物(B2−4) 下記のフェノール誘導体(化合物1〜5)とホルムアル
デヒドを出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応
を行い、得られた生成物をカラム分離した後、再結晶を
行って得られた縮合物(フェノール誘導体縮合物の繰り
返しユニット数:4)であって、前記一般式<B>で示
される鎖状縮合物に相当する。
【0140】
【化27】
【0141】鎖状縮合物(B2−n) 前記フェノール誘導体(化合物1〜5)とホルムアルデ
ヒドを出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を
行い、得られた生成物をカラム分離した後、再結晶を行
って得られた前記一般式<B>で示される鎖状縮合物で
あって、フェノール誘導体縮合物の繰り返しユニット数
がnの鎖状縮合物。
【0142】具体的には、フェノール誘導体縮合物の繰
り返しユニット数nが3である鎖状縮合物(B2−
3)、繰り返しユニット数が6である鎖状縮合物(B2
−6)、繰り返しユニット数が8である鎖状縮合物(B
2−8)、繰り返しユニット数が12である鎖状縮合物
(B2−12)等であり、いずれも反応条件や精製条件
を変更することで得ることができる。
【0143】低分子量縮合物(C1−n) 前記フェノール誘導体(化合物A)とホルムアルデヒド
を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を行
い、得られた反応生成物をカラム分離した後、再結晶を
行って得られた前記一般式<C>で示される低分子量縮
合物であって、フェノール誘導体縮合物の繰り返しユニ
ット数がnの低分子量縮合物。
【0144】具体的には、フェノール誘導体縮合物の繰
り返しユニット数nが1である低分子量縮合物(C1−
1)、繰り返しユニット数が2である低分子量縮合物
(C1−2)であり、いずれも反応条件や精製条件を変
更することで得ることができる。
【0145】低分子量縮合物(C2−n) 前記フェノール誘導体(化合物1〜5)とホルムアルデ
ヒドを出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を
行い、得られた反応生成物をカラム分離した後、再結晶
を行って得られた前記一般式<C>で示される低分子量
縮合物であって、フェノール誘導体縮合物の繰り返しユ
ニット数がnの低分子量縮合物。
【0146】具体的には、フェノール誘導体縮合物の繰
り返しユニット数nが1である低分子量縮合物(C2−
1)、繰り返しユニット数が2である低分子量縮合物
(C2−2)であり、いずれも反応条件や精製条件を変
更することで得ることができる。
【0147】比較用環状縮合物(a) 前記フェノール誘導体(化合物1)とホルムアルデヒド
を出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を行
い、再結晶を行って得られた環状縮合物であって、フェ
ノール誘導体縮合物の繰り返しユニット数が13〜16
の比較用環状縮合物(a)である。
【0148】比較用鎖状縮合物(b) 前記フェノール誘導体(化合物1〜5)とホルムアルデ
ヒドを出発原料とし、アルカリ触媒存在下で縮合反応を
行い、再結晶を行って得られた鎖状縮合物であって、フ
ェノール誘導体縮合物の繰り返しユニット数が13〜2
0の比較用鎖状縮合物(b)である。
【0149】更に本発明5と6のトナーは、フロー式粒
子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径
−円形度スキヤッタグラムにおいて、該トナーの円相当
個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、
該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円
形度標準偏差が0.040未満となるようにトナーの粒
子形状を精密に制御することにより、現像性と転写性を
バランス良く改善すると共に画像形成装置とのマッチン
グが著しく向上する。また、トナーの帯電部材通過時の
帯電制御特性も改善されるので、現像装置でのトナーの
回収が円滑に行われるので相乗的に耐久性が向上する。
【0150】トナーの円相当個数平均径D1(μm)を
2〜10μmと小粒径化することにより、画像の輪郭部
分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が
良好なものとなる。しかし、一般にトナー粒子を小粒径
化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くなる
為、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カ
ブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面やトナー担
持体への付着力が高くなり、結果として転写残余のトナ
ーの増加や前述の如き問題を招いていた。
【0151】しかし、本発明5と6のトナーは、トナー
中に特定の構造を有するフェノール誘導体縮合物を特定
の含有比率で存在させているので、円形度標準偏差を
0.040未満、好ましくは0.035未満とすること
により、トナー担持体上にトナーの薄層を形成する際
に、トナー帯電量を適切なものとすることが可能とな
り、現像性に関する問題を大幅に改善することができ
る。
【0152】また、トナー粒子の円形度頻度分布の平均
円形度を0.920〜0.995、好ましくは0.95
0〜0.995、より好ましくは0.970〜0.99
0とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈
するトナーの転写性が大幅に改善されると共に低電位潜
像に対する現像能力やトナーの回収性が格段に向上す
る。特に上記の如き傾向は、デジタル方式の微小スポッ
ト潜像を現像する場合や中間転写体を用い多数回の転写
を行うフルカラーの画像形成の際に非常に有効で、画像
形成装置とのマッチングも良好なものとなる。
【0153】本発明5と6におけるトナーの円相当径、
円形度、及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPlA−10
00型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式
を用いて算出した。
【0154】
【数1】
【0155】ここで、「粒子投影面積」とは二値化され
たトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」
とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線
の長さと定義する。
【0156】本発明5と6における円形度はトナー粒子
の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な
球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑にな
る程、円形度は小さな値となる。
【0157】本発明5と6において、トナーの個数基準
の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D
1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点
iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式
から算出される。
【0158】
【数2】
【0159】
【0160】
【数3】
【0161】具体的な測定方法としては、容器中に予め
不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意
し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を
0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段として
は、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に
振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを
用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように
適宜冷却する。
【0162】トナー粒子の形状測定には、前記フロー式
粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が30
00〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整
し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、こ
のデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分
布等を求める。
【0163】本発明5と6に係るワックス成分は、透過
型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察に
おいて、該ワックス成分が結着樹脂と相溶しない状態
で、実質的に球状及び/又は紡錘形で島状に分散されて
いる。
【0164】本発明5と6において、上記の如きワック
ス成分の分散状態は以下の様に定義される。すなわち、
前述のフロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重
量基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当重量平
均径D4(μm)に対し、D4×0.9以上であり、且
つ、D4×1.1以下の長径を有するトナーの断層面を
20箇所選び出す。そして、選び出した各トナーの断層
面の長径Rと、長径Rであるトナーの断層面中に存在し
ているワックス成分に起因する相分離構造の中で、最も
大きいものの長径rを各々計測し、r/Rの相加平均値
(r/R)STを求める。得られたr/Rの相加平均値
(r/R)STが、0.05≦(r/R)ST≦0.95を
満たす分散状態にある場合、ワックス成分が結着樹脂と
相溶しない状態で、実質的に球状及び/又は紡錘形で島
状の分散状態を有しているものとする。
【0165】上記のr/Rの相加平均値(r/R)
STが、0.05≦(r/R)ST≦0.95を満たす様に
ワックス成分を分散させることにより、前記の如き一般
式<1>や一般式<2>で示されるフェノール誘導体縮
合物を効率良くトナー表面に局在化させることができる
ので、トナーの帯電性の安定化に寄与することができ
る。また、ワックス成分をトナー粒子中に内包化させる
ことでトナー表面の劣化や画像形成装置への汚染等を防
止することができるので、フェノール誘導体縮合物をト
ナー粒子表面近傍に固定化した効果を持続させることが
できる。尚、前記一般式<3>で示される低分子量縮合
物が5質量%を超えて存在すると、その可塑性の為、上
記の如きワックス成分の分散状態が得られにくい。更
に、r/Rの相加平均値(r/R)STが、0.25≦
(r/R)ST≦0.90を満たす分散状態にある場合、
良好な帯電性が維持され、ドット再現に優れたトナー画
像を長期にわたって形成し得ることが可能となるので好
ましい。また、加熱時にはワックス成分が効率良く作用
する為、低温定着性と耐オフセット性を満足なものとな
る。
【0166】トナーの断層面を観察する方法としては、
用いるワックス成分と外殻を構成する樹脂の結晶相と非
晶相の微細構造の相違を利用して重金属により一方の成
分の電子密度を高めて材料間のコントラストを付ける電
子染色法を用いることが好ましい。具体的には、常温硬
化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分に分散させた
後、40℃の雰囲気温度の中で2日間硬化させ、得られ
た硬化物を四酸化ルテニウム(RuO4)、また、必要
により四酸化オスミウム(OsO4)を併用して電子染
色を施した後、ダイアモンドナイフを備えたウルトラミ
クロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過
型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面層形態を
観察する。
【0167】代表的な一例を図2に示す。後述の実施例
で得られたトナー粒子は、ワックス成分が結着樹脂で内
包化されていることが観察された。
【0168】本発明に用いられるワックス成分として
は、ASTM D3418−8に準拠し測定されたDS
C曲線における主体吸熱極大ピーク(融点)が、30〜
120℃、より好ましくは40〜90℃の範囲にある化
合物が好ましい。ワックス成分の極大ピーク値(融点)
が30℃未満であるとワックス成分の自己凝集力が弱く
なり、結果として耐高温オフセット性が弱くなり好まし
くない。ワックス成分の極大ピーク値(融点)が120
℃を超えると定着温度が高くなり、定着画像表面を適度
に平滑化させることが困難となり混色性低下の点から好
ましくない。
【0169】更に重合方法によりトナー粒子を得る場合
においては、水系媒体中で造粒・重合を行うため、吸熱
極大ピーク値(融点)が高いと主に造粒中に離型剤が析
出してくるので好ましくない。
【0170】ワックス成分の極大ピーク値の温度(融
点)の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−
7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛
の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解
熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照
用に空パンをセットし、温度20℃から180℃まで昇
温速度10℃/minで測定を行う。
【0171】本発明のトナーに用いられるワックス成分
としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、ペトローラクタム等の石油系ワックス及びそ
の誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体
には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、
グラフト変性物も含み、また、高級脂肪族アルコール等
のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸
或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化
ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス
等が挙げられる。
【0172】本発明に使用されるエステルワックスとし
ては、下記式(I)乃至(VI)で示される化合物から
形成されているものが挙げられる。
【0173】
【化28】 (式中、a及びbは0〜4迄の整数であり、a+bは4
である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であ
り、R1とR2との炭素数差が3以上である。m及びnは
0〜25の整数であり、mとnは同時に0になることは
ない)
【0174】
【化29】 (式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1乃
至3である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基で
あり、R1とR2との炭素数差が3以上である。R 3は水
素原子、炭素数が1以上の有機基である。但し、a+b
=2のとき、R3のどちらか一方は、炭素数が1以上の
有機基である。kは1〜3の整数である。m及びnは0
〜25の整数であり、mとnが同時に0になることはな
い)
【0175】
【化30】 (式中、R1及びR2は炭素数6〜32を有する有機基で
あり、R1とR3は同じものであってもなくても良い。R
2は炭素数1〜20を有する有機基を示す)
【0176】
【化31】 又は−(CH2n−である。mは1〜10の整数、nは
1〜20の整数を示す。)
【0177】
【化32】 (式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数で
あり、a+bは4である。R1は炭素数が1〜40の有
機基である。m及びnは0〜25の整数であり、mとn
が同時に0になることはない)
【0178】
【化33】 (式中、R1及びR2は同一又は異なる炭素数15乃至4
5個の炭化水素基を示す)
【0179】エステル化合物からなる離型剤としてのエ
ステルワックスとして以下のものが例示される。
【0180】
【化34】
【0181】
【化35】
【0182】該離型剤が、上記構造式を有するエステル
化合物を有するエステルワックスの場合、良好な透明性
を発現するとともに、トナー粒子中に含有せしめた場合
には良好な定着性を示すものである。この離型剤と上記
極性樹脂を、重合性単量体に溶解させた後、水素媒体中
で重合性単量体の重合反応を進めることによって、得ら
れたトナー粒子の帯電量が大きく、適正帯電値に到達す
るまでの速度が速く、さらに多数枚耐久において、摩擦
帯電量の変動の少ない優れた静電荷像現像用トナーが得
られる。
【0183】離型剤は、トナーに対して5乃至40質量
部(より好ましくは、10〜30質量部)配合し、結果
として、重合性単量体から生成された結着樹脂100質
量部当り離型剤5乃至40質量部(より好ましくは、1
0〜30質量部)トナー粒子に含有されるのが良い。
【0184】本発明のトナーに用いられる重合性単量体
としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体
が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官
能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用す
ることができる。単官能性重合性単量体としては、スチ
レン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシ
ルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニ
ルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチ
レンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、is
o−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォス
フェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェート
エチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルア
クリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート
の如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert
−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、
n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニル
メタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタク
リレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレー
トの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モ
ノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビ
ニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテ
ル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられ
る。
【0185】これらは、単独または一般的には出版物ポ
リマーハンドブック第2版III−P139〜192
(John Wiley&Sons社製)に記載の理論
ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように
単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が
40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の
耐久安定性の面から問題が生じ、一方75℃を超える場
合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの
場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現
性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ
高画質の面から好ましくない。トナーの分子量は、GP
C(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により
測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予め
トナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20
時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトル
エンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻
樹脂は溶解し得ない有機溶剤例えばクロロホルム等を加
え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)
に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブ
ランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製
150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、
802、803、804、805、806、807を連
結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を
測定し得る。
【0186】また、本発明でのメルトインデックスは、
日本工業規格の熱可塑性プラスチックの流れ試験方法J
IS K7210記載の装置を用いて手動切り取り法で
測定を行なった。
【0187】上記した重合性単量体の重合の際に用いら
れる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶
性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤として
は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’
−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,
1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシク
ロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイ
ド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如き
パーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0188】水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−
ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス
(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又
は過酸化水素が挙げられる。
【0189】本発明においては、重合性単量体の重合度
を制御する為に、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加
し用いることも可能である。
【0190】本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤
としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー
/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に銅色されたもの
が利用される。
【0191】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントイエロー12、13、14、15、17、6
2、74、83、93、94、95、109、110、
111、128、129、147、168、180等が
好適に用いられる。
【0192】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
22、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0193】本発明に用いられるシアン着色剤として
は、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラ
キノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。
具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、
15:1、15:2、15:3、15:4、60、6
2、66等が特に好適に利用される。これらの着色剤
は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることが
できる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候
性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択さ
れる。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1
〜20質量部添加して用いられる。
【0194】さらに本発明のトナーは着色剤として磁性
材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場
合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本
発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料として
は、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化
鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれら
の金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウ
ム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、
タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその
混合物等が挙げられる。
【0195】本発明に用いられる磁性体は、より好まし
くは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナー
に用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質
剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このよ
うな表面改質剤としては、例えばシランカップリング
剤、チタンカップリング剤等を挙げることができる。
【0196】これらの磁性体は平均粒子が2μm以下、
好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。
トナー粒子中に含有させる量としては結着樹脂100質
量部に対し約20〜200質量部、特に好ましくは結着
樹脂100質量部に対し40〜150質量部が良い。
【0197】795.8kA/m(10kエルステッ
ド)印加での磁気特性が保磁力(Hc)1.6〜24k
A/m(20〜300エルステッド)、飽和磁化(σ
s)50〜200Am2/kg、残留磁化(σr)2〜
20Am2/kgの磁性体が好ましい。
【0198】本発明のトナーは、荷電制御剤を含有して
も良い。
【0199】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0200】例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン
金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダ
イカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハ
イドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸
及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール
等のフェノール誘導体類などがある。
【0201】さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系
化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4
級アンモニウム塩、カリックスアレーン等が挙げられ
る。
【0202】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0203】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグ
ロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合
物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウ
ム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料
及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の
金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキ
サイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオル
ガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチ
ルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如き
ジオルガノスズボレート類が挙げられる。これらを単独
で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
【0204】本発明の極性樹脂との組み合わせにおいて
は、含金属サリチル酸系化合物が好ましい。
【0205】荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当
り、0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃
至10質量部使用するのが良い。
【0206】本発明においては、上記の荷電制御剤のう
ち下記一般式(I)に示される化合物がより好ましい。
【0207】
【化36】
【0208】前記荷電制御剤の代表的な具体例として
は、次のような化合物が挙げられる。
【0209】
【化37】
【0210】トナーにおける各種の特性向上を目的とし
た添加剤としては、耐久性の点から、トナー粒子の体積
平均径の1/5以下の粒径であることが好ましい。添加
剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観
察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付
与を目的とした添加剤としては、たとえば、以下のよう
なものが用いられる。
【0211】流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボン
ブラック、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞ
れ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0212】研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ス
トロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素
など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げら
れる。
【0213】滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、脂肪
酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム
など)などが挙げられる。
【0214】荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸
化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
【0215】これら添加剤は、トナー粒子100質量部
に対し、0.1〜10質量部が用いられ、好ましくは、
0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0216】本発明のトナーの製造方法としては、トナ
ー粒子の形状を均一にコントロールでき、容易に個数変
動係数35%以下(好ましくは30%以下)のシャープ
な粒度分布が得られ、且つ重量平均粒径3〜8μmの小
粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に
好ましい。さらに一旦得られた重合粒子に更に単量体を
吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード
重合方法も本発明に好適に利用することができる。この
とき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を
分散あるいは溶解させて使用することも可能である。ト
ナー粒子の製造方法としては懸濁重合を利用する場合に
は、以下の如き製造方法によって直接的にトナー粒子を
製造することが可能である。単量体中にワックスの如き
低軟化点物質,着色剤,重合開始剤,架橋剤,その他の
添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によっ
て均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安
定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミ
キサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好まし
くは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを
有するように撹拌速度、時間を調整し、造粒する。その
後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、
且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
重合温度は40℃以上、通常50〜90℃(好ましくは
55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応
後半に昇温しても良く、更に、トナーの定着時の臭いの
原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去す
るために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を
留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗
浄・ろ過により収集し、乾燥する。
【0217】懸濁重合法においては、通常単量体組成物
100質量部に対して水300〜3000質量部を分散
媒体として使用するのが好ましい。用いる分散剤として
例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン
酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭
酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,
水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸
カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナ
イト,シリカ,アルミナ等が挙げられる。有機系化合物
としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチ
ルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,
エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩,デンプン等が使用される。これら分散剤は、
重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量
部を使用することが好ましい。
【0218】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得
るために、分散媒体中にて高速撹拌下にて該無機化合物
を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウ
ムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶
液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方
法に好ましい分散剤を得ることができる。これら分散剤
の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤
を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオ
ン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデ
シル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,
オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステア
リン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用
いられる。
【0219】重合法により生成されるトナーに用いられ
る着色剤としては、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行
性に注意を払う必要がある。着色剤を好ましくは表面改
質(たとえば重合阻害のない疎水化処理)を施したほう
が良い。特に染料やカーボンブラックは、重合阻害性を
有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染
料を表面処理する好ましい方法としては、これら染料の
存在下に重合性単量体をあらかじめ重合せしめる方法が
挙げられ、得られた着色重合体を単量体組成物に添加す
る。カーボンブラックについては、上記染料と同様の処
理のほか、カーボンブラックの表面官能基と反応する物
質(たとえば、ポリオルガノシロキサンなど)で処理を
行っても良い。
【0220】(酸価の測定方法)酸価は試料1g中に含
まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg
数であり(JIS K676)、例えばトルエン/n−
ブタノール(50/50:質量比)の混合溶媒に試料を
3%の濃度で溶解せしめ、フェノールフタレインを指示
薬とし、KOHのエタノール溶液で滴定することにより
求められる。
【0221】(水酸基価の測定方法)水酸基価は試料1
gに含まれる水酸基をアセチル化するのに消費される酢
酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数であ
り、例えばトルエン/n−ブタノール(50/50:質
量比)の混合溶媒に試料を3%の濃度で溶解せしめ、ピ
リジンを触媒として微量加え過剰のアセチル化剤(無水
酢酸など)と加熱してアセチル化を行い、生成したアセ
チル化物のケン化価を測定した後、次の式に従って計算
する。
【0222】
【数4】 但し、Aはアセチル化後のケン化価、Bはアセチル化前
のケン化価を表す。
【0223】二成分系現像剤として用いる場合には、本
発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用
する。磁性キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケ
ル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる元素単独
又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの
形状として、球状、扁平又は不定形がある。更に磁性キ
ャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)
をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上
記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじ
め、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーテ
ィングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナ
ーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂
を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方
法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物
を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリア
を得る方法も利用することが可能である。
【0224】上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆する
被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹
脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリア
に付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを
混合して付着させる方法が適用できる。
【0225】キャリア粒子表面への固着物質としてはト
ナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエ
チレン、モノクロロトリプルオロエチレン重合体、ポリ
フッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポ
リビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙
げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
【0226】キャリアの磁性特性は以下のものが良い。
磁気的に飽和させた後の79.58kA/m(1000
エルステッド)における磁化の強さ(σ1000)は3
0乃至300emu/cm3であることが必要である。
さらに高画質化を達成するために、好ましくは100乃
至250emu/cm3であることがよい。300em
u/cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が
得られにくくなる。30emu/cm3未満であると、
磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じや
すい。
【0227】本発明のトナーと磁性キャリアとを混合し
て二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤
中のトナー濃度として、2質量%〜15質量%、好まし
くは4質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得
られる。
【0228】本発明のトナーが適用可能な画像形成方法
を添付図面を参照しながら以下に説明する。
【0229】本発明のトナーは、磁性キャリアと混合
し、例えば図3に示すような現像手段37を用いて画像
形成方法に適用することができる。具体的には交番電界
を印加しつつ、磁気ブラシが静電荷像保持体(例えば、
感光体ドラム)33に接触している状態で現像を行うこ
とが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)31と感
光体ドラム33の距離(S−D間距離)Bは100〜1
000μmであることがキャリア付着防止及びドット再
現性の向上において良好である。100μmより狭いと
現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くな
り、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広
がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣っ
たり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生
じやすくなる。トナー41は、逐次現像器へ供給され、
撹拌手段35及び36でキャリアと混合され、固定磁石
34を内包している現像スリーブ42まで搬送される。
【0230】交番電界のピーク間の電圧は500〜50
00Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、
好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロ
セスに適宜選択して用いることができる。この場合、波
形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty
比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印
加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られ
にくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収する
ことができない場合がある。5000Vを超える場合に
は磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低
下を招く場合がある。
【0231】良好に帯電したトナーを有する二成分系現
像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)
を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めること
ができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbac
kは、現像システムにもよるが150V以下、より好ま
しくは100V以下が良い。
【0232】コントラスト電位としては、十分画像濃度
がでるように200V〜500Vが好ましく用いられ
る。
【0233】周波数が500Hzにより低いとプロセス
スピードにも関係するが、キャリアヘの電荷注入が起こ
るためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質
を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電
界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0234】十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優
れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリ
ーブ31上の磁気ブラシの感光体ドラム33との接触幅
(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることで
ある。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度
とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8
mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作
を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえ
ることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、
現像剤規制部材32と現像スリーブ31との距離Aを調
整したり、現像スリーブ31と感光体ドラム33との距
離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0235】特にハーフトーンを重視するようなフルカ
ラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及び
イエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明のト
ナーを用い、特にデジタル潜像を形成した現像システム
と組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像
を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像するこ
とが可能となる。転写工程においても本発明トナーを用
いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフト
ーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0236】さらに初期の高画質化と併せて、本発明の
トナーを用いることで多数枚の複写においても画質低下
のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0237】静電像保持体33上のトナー画像は、コロ
ナ帯電器の如き転写手段43により転写材へ転写され、
転写材上のトナー画像は、加熱ローラ46及び加圧ロー
ラ45を有する加熱加圧定着手段によって定着され、転
写材に定着画像が形成される。静電像保持体33上の転
写残トナーは、クリーニングブレードの如きクリーニン
グ手段44で静電像保持体33から除去される。本発明
のトナーは、転写工程での転写効率が高く、転写残トナ
ーが少ない上に、クリーニング性に優れているので、静
電像保持体上にフィルミングを生じにくい。さらに、多
数枚耐久試験を行っても従来のトナーよりも、本発明の
トナーは外添剤のトナー粒子表面への埋没が少ないた
め、良好な画質を長期にわたって維持し得る。
【0238】良好なフルカラー画像を得るためには好ま
しくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック
用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われるこ
とで引き締まった画像を呈することができる。
【0239】マルチカラー又はフルカラー画像形成方法
を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図4を参照し
ながら説明する。
【0240】図4に示されるカラー電子写真装置は、装
置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けら
れている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央に、上記
転写材搬送系Iを構成している転写ドラム315に近接
してもうけられている潜像形成部IIと、上記潜像形成
部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回
転式現像装置)IIIとに大別される。
【0241】上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成と
なっている。上記装置本体の右壁(図4右側)に開口部
が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用
トレイ302及び303が一部機外に突出して配設され
ている。該トレイ302及び303の略直上部には給紙
ローラ304及び305が配設され、これら給紙用ロー
ラ304及び305と左方に配された矢印A方向に回転
自在な転写ドラム305とを連係するように、給紙用ロ
ーラ306及び給紙ガイド307及び308が設けられ
ている。上記転写ドラム315の外周面近傍には回転方
向上流側から上流側に向かって当接用ローラ309、グ
リッパ310、転写材分離用帯電器311、分離爪31
2が順次配設されている。
【0242】上記転写ドラム315の内周側には転写帯
電器313、転写材分離用帯電器314が配設されてい
る。転写ドラム315の転写材が巻き付く部分にはポリ
弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写
シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該
転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記
転写ドラム315の右側上部には上記分離爪312と近
接して搬送ベルト手段316が配設され、該搬送ベルト
手段316の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置
318が配設されている。該定着装置318よりもさら
に搬送方向後流には装置本体301の外へと延在し、装
置本体301に対して着脱自在な排出用トレイ317が
配設されている。
【0243】次に、上記潜像形成部IIの構成を説明す
る。図4矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ド
ラム(例えば、OPC感光ドラム)319が、外周面を
上記転写ドラム315の外周面と当接して配設されてい
る。上記感光ドラム319の上方でその外周面近傍に
は、該感光ドラム319の回転方向上流側から下流側に
向かって除電用帯電器320、クリーニング手段321
及び一次帯電器323が順次配設され、さらに上記感光
ドラム319の外周面上に静電潜像を形成するためのレ
ーザービームスキャナのごとき像露光手段324、及び
ミラーのごとき像露光反射手段325が配設されてい
る。
【0244】上記回転式現像装置IIIの構成は以下の
ごとくである。上記感光ドラム319の外周面と対向す
る位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)3
26が配設され、該回転体326中には四種類の現像装
置が周方向の四位置に搭載され、上記感光体ドラム31
9の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち
現像)するようになっている。上記四種類の現像装置
は、それぞれイエロー現像装置327Y、マゼンタ現像
装置327M、シアン現像装置327C及びブラック現
像装置327BKを有する。
【0245】上記したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。上述した感光ドラム319が図4矢印方向
に回転すると、該感光ドラム319は一次帯電器323
によって帯電される。図4の装置においては、感光ドラ
ム319の周遠(以下、プロセススピードとする)は1
00mm/sec以上(例えば、130〜250mm/
sec)である。一次帯電器323による感光体ドラム
319に対する帯電が行われると、原稿328のイエロ
ー画像信号にて変調されたレーザー光Eによる画像露光
が行われ、感光ドラム319上に静電潜像が形成され、
回転体326の回転によりあらかじめ現像位置に定置さ
れたイエロー現像装置327Yによって上記静電潜像の
現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
【0246】給紙ガイド307、給紙ローラ306、給
紙ガイド308を経由して搬送されてきた転写材は、所
定のタイミングにてグリッパ310により保持され、当
接用ローラ309と該当接用ローラ309と対向してい
る電極とによって静電的に転写ドラム315に巻き付け
られる。転写ドラム315は、感光ドラム319と同期
して図4矢印方向に回転しており、イエロー現像装置3
27Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感
光ドラム319の外周面と上記転写ドラム315の外周
面とが当接している部位にて転写帯電器313によって
転写材上に転写される。転写ドラム315はそのまま回
転を継続し、次の色(図4においてはマゼンタ)の転写
に備える。
【0247】感光ドラム319は、上記除電用帯電器3
20により除電され、クリーニングブレードによるクリ
ーニング手段321によってクリーニングされた後、再
び一次帯電器323によって帯電され、次のマゼンタ画
像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成され
る。上記回転式現像装置は、感光ドラム319上にマゼ
ンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される
間に回転して、マゼンタ現像装置327Mを上述した所
定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーによ
り現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスを
それぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四
色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成され
た三色顕画像は各帯電器322及び314により除電さ
れ、上記グリッパ310による転写材の担持が解除され
ると共に、該転写材は、分離爪312によって転写ドラ
ム315より分離され、搬送ベルト316で定着装置3
18に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラ
ープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラープリ
ント画像が転写材の一方の面に形成される。
【0248】次に、図5を参照しながら、他の画像形成
方法を説明する。
【0249】図5に示す装置システムにおいて、現像器
74−1、74−2、74−3、74−4に、それぞれ
シアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する
現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックト
ナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又
は非磁性一成分現像方式によって感光体71に形成され
た静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体71上に形
成される。感光体71はa−Se、Cds、ZnO2
OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ド
ラムもしくは感光ベルトである。感光体71は図示しな
い駆動装置によって矢印方向に回転される。
【0250】感光体71としては、アモルファスシリコ
ン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく
用いられる。
【0251】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、
単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成
分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体
上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されてい
る構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0252】有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写
性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体
へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにく
い。
【0253】帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光
体71とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触
型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均
一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示
す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0254】帯電ローラ72は、中心の芯金72bとそ
の外周を形成した導電性弾性層72aとを基本構成とす
るものである。帯電ローラ72は、感光体71面に押圧
力をもって圧接され、感光体71の回転に伴い従動回転
する。
【0255】帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス
条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/m
(5〜500g/cm)で、直流電圧に交流電圧を重畳
したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVp
p、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±
0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時に
は、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0256】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オ
ゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0257】接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電
ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その
表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜として
は、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能
である。
【0258】感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±
0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体5に転
写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレー
ド78を有するクリーニング手段79でクリーニングさ
れる。
【0259】中間転写体75は、パイプ状の導電性芯金
75bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層75
aからなる。芯金75bは、プラスチックのパイプに導
電性メッキをほどこしたものでも良い。
【0260】中抵抗の弾性体層75aは、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、E
PDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)な
どの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化す
ず、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気
抵抗値(体積抵抗率)を105〜1011Ω・cmの中抵
抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0261】中間転写体75は感光体71に対して並行
に軸受けさせて感光体71の下面部に接触させて配設し
てあり、感光体71と同じ周速度で矢印の反時計方向に
回転する。
【0262】感光体71の面に形成担持された第1色の
トナー像が、感光体71と中間転写体75とが接する転
写ニップ部を通過する過程で中間転写体75に対する印
加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によっ
て、中間転写体75の外面に対して順次に中間転写され
ていく。
【0263】必要により、着脱自在なクリーニング手段
80により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写
体75の表面がクリーニングされる。中間転写体上にト
ナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニ
ング手段80は、中間転写体表面から離される。
【0264】中間転写体75に対して並行に軸受けさせ
て中間転写体75の下面部に接触させて転写手段が配設
され、転写手段77は例えば転写ローラ又は転写ベルト
であり、中間転写体75と同じ周速度で矢印の時計方向
に回転する。転写手段77は直接中間転写体75と接触
するように配設されていても良く、またベルト等が中間
転写体75と転写手段77との間に接触するように配置
されても良い。
【0265】転写ローラの場合、中心の芯金77bとそ
の外周を形成した導電性弾性層77aとを基本構成とす
るものである。
【0266】中間転写体及び転写ローラとしては、一般
的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性
層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固
有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラヘの印
加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成で
きると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止する
ことができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗
値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以
上であることが特に好ましい。
【0267】中間転写体及び転写ローラの硬度は、JI
S K−6301に準拠し測定される。本発明に用いら
れる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層
から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾
性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41
〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻
き付けを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ロー
ラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成さ
れ、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0268】転写手段77は中間転写体75と等速度或
は周速度に差をつけて回転させる。転写材76は中間転
写体75と転写手段77との間に搬送されると同時に転
写手段77にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイア
スを転写バイアス手段から印加することによって中間転
写体75上のトナー像が転写材76の表面側に転写され
る。
【0269】転写用回転体の材質としては、帯電ローラ
と同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロ
セス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N
/m(5〜500g/cm)で、直流電圧が±0.2〜
±10kVである。
【0270】例えば、転写ローラの導電性弾性層77b
はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチ
レン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)
等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつく
られている。芯金77aには定電圧電源によりバイアス
が印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜
±10kVが好ましい。
【0271】次いで転写材76は、ハロゲンヒータ等の
発熱体を内蔵させた加熱ローラとこれと押圧力をもって
圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着
器81へ搬送され、加熱ローラと加圧ローラ間を通過す
ることによってトナー像が転写材に加熱加圧定着され
る。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用い
ても良い。
【0272】次に、一成分系現像方法について説明す
る。本発明のトナーは磁性一成分現像方法、非磁性一成
分現像方法の如き一成分現像方法に適用し得る。磁性一
成分現像方法について、図6を参照しながら説明する。
【0273】図6において、現像スリーブ83の略右半
周面はトナー容器84内のトナー溜りに常時接触してい
て、その現像スリーブ83面近傍のトナーTが現像スリ
ーブ面にスリーブ内の磁気発生手段85の磁力で及び/
又は静電気力により付着保持される。現像スリーブ83
が回転駆動されるとそのスリーブ面の磁性トナー層が規
制部材86の位置を通過する過程で各部略均一厚さの薄
層磁性トナーT1として形成される。磁性トナーの帯電
は主として現像スリーブ83の回転に伴なうスリーブ面
との摩擦接触によりなされ、現像スリーブ83上の上記
磁性トナー薄層面は現像スリーブ83の回転に伴ない潜
像保持体87側へ回転し、潜像保持体87と現像スリー
ブ83の最接近部である現像領域部Aを通過する。この
通過過程で現像スリーブ83面側の磁性トナー薄層の磁
性トナーがバイアス印加手段96により潜像保持体87
と現像スリーブ83間に印加した直流と交流電圧による
直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの潜像保持
体87面と、現像スリーブ83面との間(間隙α)を往
復運動する。最終的には現像スリーブ83側の磁性トナ
ーが潜像保持体87面の表面に潜像の電位パターンに応
じて選択的に移行付着してトナー像T2が順次に形成さ
れる。
【0274】現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選
択的に消費された現像スリーブ面はトナー容器84のト
ナー溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を
受け、現像領域部Aへ現像スリーブ83の磁性トナー薄
層T1面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
【0275】図6において用いられるトナー薄層化手段
としての規制部材86は、スリーブと一定の間隙をおい
て配置される金属ブレード、磁性ブレードの如きドクタ
ーブレードである。あるいは、ドクターブレードの代り
に、金属、樹脂、セラミック製のローラを用いても良
い。
【0276】さらにトナー薄層化規制部材として現像ス
リーブ(トナー担持体)表面に弾性力で当接する弾性ブ
レード(例えば、図7の80)、弾性ローラを用いても
良い。
【0277】弾性ブレード又は、弾性ローラを形成する
材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR
の如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き
合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属
弾性体が使用できる。それらの複合体であっても良い。
好ましくは、スリーブ当接部分はゴム弾性体あるいは樹
脂弾性体がよい。
【0278】弾性ブレードを使用する場合の例を図7に
示す。
【0279】弾性ブレード80上辺部側である基部は現
像剤容器側に固定保持され、下辺部側を弾性ブレード8
0の弾性に抗して現像スリーブ89の順方向或いは逆方
向にたわめ状態にして弾性ブレード80の内面側(逆方
向の場合には外面側)を現像スリーブ89の表面に適度
の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置による
と、環境の変動に対してもより安定に薄く、緻密なトナ
ー層が得られる。
【0280】弾性ブレードを使用する場合、スリーブ、
ブレード表面にトナーが融着し易すいが、本発明トナー
は離型性に優れ摩擦帯電性が安定しているので好ましく
用いられる。
【0281】磁性一成分現像方法の場合、ブレード20
とスリーブ19との当接圧力は、スリーブ母線方向の線
圧として、0.1kg/m以上、好ましくは0.3〜2
5kg/m、更に好ましくは0.5〜12kg/mが好
ましい。
【0282】潜像保持体88と現像スリーブ89との間
隙αは、例えば50〜500μmに設定される。
【0283】現像スリーブ89上の磁性トナー層の層厚
は、潜像保持体88と現像スリーブ89との間隙αより
も薄いことが最も好ましいが、場合により磁性トナー層
を構成する磁性トナーの多数の穂のうち、一部は潜像保
持体88に接する程度に磁性トナー層の層厚を規制して
もよい。
【0284】現像スリーブ89は、潜像保持体88に対
し、100〜200%の周速で回転される。バイアス印
加手段86による交番バイアス電圧は、ピークトゥーピ
ークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0k
V、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが良
い。交番バイアス周波数は、0.5〜5.0kHz、好
ましくは1/0〜3.0kHz、更に好ましくは1.5
〜3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、矩
形波、サイン波、のこぎり波、三角波等の波形が適用で
きる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バ
イアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも
好ましい。
【0285】次に非磁性一成分現像を行なう場合の現像
方法の一例を図8を参照しながら説明する。95は潜像
保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス
手段又は静電記録手段により成される。94は現像スリ
ーブであり、アルミニウムあるいはステンレスの如き非
磁性スリーブからなる。
【0286】現像スリーブ94はアルミニウム、ステン
レスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその
表面をガラスビーズの如き球形粒子を吹きつけて均一に
粗したものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコー
トしたものがよい。
【0287】トナーTはホッパー91に貯蔵されてお
り、トナー塗布ローラ92によって現像スリーブ(トナ
ー担持体)94上へ供給される。トナー塗布ローラ92
として、多孔質弾性体(例えば軟質ポリウレタンフォー
ム等)の発泡材より成るローラが好ましく用いられる。
該ローラを現像スリーブ94に対して、順または逆方向
に0でない相対速度をもって回転させ、現像スリーブ9
4上へのトナー供給と共に、現像スリーブ94上の現像
後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りをも行う。この
際、トナー塗布ローラ92の現像スリーブ94への当接
幅(nip幅)は、トナーの供給及びはぎ取りのバラン
スを考慮すると、2.0〜10.0mmが好ましく、
4.0〜6.0mmがより好ましい。トナーに対しスト
レスが付与され、トナーの劣化による凝集の増大、ある
いは現像スリーブ94、トナー塗布ローラ92へトナー
の融着、固着が生じやすくなるが、本発明トナーは、流
動性、離型性に優れ、耐久安定性を有しているので、図
9に示す現像器においても好ましく用いられる。また、
トナー塗布ローラ92のかわりに、ナイロン、レーヨン
の如き樹脂繊維より成るブラシローラを用いてもよい。
図9に示す現像方法は、非磁性一成分トナーを使用する
一成分現像方法において極めて有効である。
【0288】現像スリーブ94上に供給されたトナーは
規制部材93によって薄層かつ均一に塗布される。トナ
ー規制部材93は、弾性ブレード又は弾性ローラで現像
スリーブ94表面にトナーを圧接塗布する方法は特に好
ましい。弾性ブレード又は弾性ローラは、所望の極性に
トナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のもの
を用いることが好ましい。規制部材93は、シリコーン
ゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどが
好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロ
ン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹
脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂の
如き有機樹脂層を規制部材93に設けても良い。
【0289】該弾性ブレード又は弾性ローラと現像スリ
ーブ94との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧とし
て0.1〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg
/mが有効であり、当接圧力を0.1〜25kg/mに
調整することで、トナーの凝集を効果的にほぐすことが
可能になり、またトナーの摩擦帯電量を瞬時に立ち上げ
ることが可能になる。
【0290】ブレードにより現像スリーブ94上にトナ
ーを薄層コートする系においては、特に非磁性一成分現
像方法においては、十分な画像濃度を得るために、現像
スリーブ94は潜像保持体95に対し、100〜300
%の周速で回転される。好ましくは120〜250%の
周速で回転される。
【0291】現像スリーブ94上のトナー層の厚さを現
像スリーブ94と潜像保持体95との対向空隙長よりも
小さくし、この空隙に交番電界を形成することが好まし
い。バイアス電源96により現像スリーブ94に交番電
場または交番電場を直流電場を重畳した現像バイアスを
印加することにより、現像スリーブ94上から潜像保持
体95上へのトナーの移動を容易にし、更に良質の画像
を得ることができる。
【0292】また、本発明は、感光体表面に離型性を付
与することが好ましく、感光体表面の水に対する接触角
は85度以上であることが好ましい。より好ましくは感
光体表面の水に対する接触角は90度以上である。
【0293】感光体表面が高い接触角を有することは、
感光体表面が高い離型性を有することを示し、この効果
により、転写残余のトナー量を著しく減少させることが
でき、クリーニング工程での負荷を大幅に低減し、クリ
ーニング不良の発生をより確実に防止することができ
る。
【0294】さらに、感光体表面が高い離型性を有する
ことにより、転写残余のトナー量を著しく減少させるこ
とができ、転写残トナーによる遮光がほとんどなくネガ
ゴースト画像を本質的に防止できると共に現像時に転写
残トナーの現像域での回収効率も向上し、ポジゴースト
画像を防止する。
【0295】ここで、ゴースト画像の発生メカニズムを
説明する。
【0296】転写残トナーによる遮光が特に問題となる
のは、一枚の転写材に対し感光体表面が繰り返し使用さ
れる場合、つまり感光体一周分の長さが転写材の進行方
向長さよりも短い場合、転写残トナーが感光体上に存在
する状態で帯電、露光及び現像をしなければならないた
め、転写残トナーの存在する感光体表面部での電位が充
分落ちきらず現像コントラストが不十分になるため反転
現像については周囲よりも濃度が低い、ネガゴーストと
して画像上に現れる。
【0297】一方、現像時に転写残トナーのクリーニン
グ効果が不十分であれば、転写残トナーの存在する感光
体表面上に、トナーが現像されるため周囲よりも濃度が
高く、ポジゴーストが発生する。
【0298】本発明の構成にて、上記説明のゴースト画
像を本質的に防止できる。
【0299】本発明の画像形成方法において、感光体表
面が高分子結着剤を主体として構成される場合に有効で
ある。例えば、(i)セレン、アモルファスシリコンの
如き無機感光体の上に、樹脂を主体とした保護膜を設け
る場合;(ii)機能分離型有機感光体の電荷輸送層と
して、電荷輸送材と樹脂を有する表面層をもつ場合;
(iii)さらにその上に上記のような保護層を設ける
場合がある。このような表面層に離型性を付与する手段
としては、 膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを
用いる、 撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、 高い離型性を有する材料を粉体状にして分散する、 が挙げられる。としては、樹脂の構造中にフッ素含有
基、シリコーン含有基を導入することにより達成する。
としては、界面活性剤を添加剤として添加すればよ
い。としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン及びフッ化カーボンの如きフッ素原子を含む化
合物を用いることが挙げられる。
【0300】これらの手段によって感光体表面の水に対
する接触角を85度以上とすることができる。感光体表
面の水に対する接触角が85度未満では耐久によるトナ
ーおよびトナー担持体の劣化が生じやすい。
【0301】この中でも特にポリ4フッ化エチレンやポ
リフッ化ビニリデンの如き含フッ素樹脂が好適である。
本発明においては、の粉体として含フッ素樹脂を離型
性粉体として用いた場合には、最表面層への分散が好適
である。
【0302】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最表面層に該粉体を分散させれば良い。
【0303】該粉体の表面層への添加量は、表面層総質
量に対して、1〜60質量%、さらには2〜50質量%
が好ましい。1質量%より少ないと転写残余のトナーが
充分に減少せず、転写残トナーのクリーニング効率も充
分でなく、ゴースト防止効果が不十分であり、60質量
%を超えると膜の強度が低下したり、感光体への入射光
量が著しく低下したりするため、好ましくない。該粉体
の粒径については、画質の面から、1μm以下、好まし
くは0.5μm以下が望ましい。1μmより大きいと入
射光の散乱によりラインの切れが悪くなり実用に耐えな
い。
【0304】本発明は、帯電手段が帯電部材を感光体に
当接させる接触帯電法の場合に特に効果的である。すな
わち、クリーニングの後の残トナーが多いと、それが後
工程である直接帯電部材に付着してしまい、帯電不良を
引き起こす。従って、帯電手段が感光体に接することの
ないコロナ放電に比べて、残トナーの量はより少なく、
付着し難くする必要がある。
【0305】本発明に用いられる感光体の好ましい様態
のひとつを以下に説明する。
【0306】導電性基体としては、アルミニウム又はス
テンレスの如き金属;アルミニウム合金又は酸化インジ
ウム−酸化錫合金による被膜層を有するプラスチック;
導電性粒子を含侵させた紙又はプラスチック;導電性ポ
リマーを有するプラスチック;の円筒状シリンダー及び
フィルムが用いられる。
【0307】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上、塗工性改良、基体の保護、基体上に欠陥の被覆、
基体からの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊に対
する保護を目的として下引き層を設けても良い。
【0308】下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ
−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エ
チルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重
合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン又は酸化
アルミニウムの材料によって形成される。下引き層の膜
厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μm
が良い。
【0309】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素又はセレン
や非晶質シリコンの如き無機物質の電荷発生物質を適当
な結着剤に分散し塗工する、あるいは蒸着により形成す
る。なかでもフタロシアニン系顔料が感光体感度を本発
明に適合する感度に調整するうえで好ましい。結着剤と
しては、広範囲な結着性樹脂から選択でき、例えば、ポ
リカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂、酢酸ビニル樹脂が挙げられる。電荷発生層中に
含有される結着剤の量は80質量%以下、好ましくは0
〜40質量%であることが良い。電荷発生層の膜厚は5
μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0310】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ビレン及びフェナントレンの如き多環芳
香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾ
ール及びピラゾリンの如き含窒素環式化合物;ヒドラゾ
ン化合物;スチリル化合物;セレン;セレン−テルル;
非晶質シリコン;硫化カドニウムが挙げられる。
【0311】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂及びポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール及びポリビニルアントラセンの如き有機
光導電性ポリマーが挙げられる。
【0312】表面層として、保護層を設けてもよい。保
護層の樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、あ
るいはこれらの樹脂の硬化剤が単独あるいは2種以上組
み合わされて用いられる。
【0313】保護層の樹脂中に導電性徴粒子を分散して
もよい。導電性微粒子の例としては、金属又は金属酸化
物が挙げられる。好ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビス
マス、酸化スズ被膜酸化チタン、スズ被膜酸化インジウ
ム、アンチモン被膜酸化スズ又は酸化ジルコニウムの超
微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合
して用いても良い。一般的に保護層に粒子を分散させる
場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために入射光
の波長よりも粒子の粒径の方が小さいことが必要であ
り、保護層に分散される導電性、絶縁性粒子の粒径とし
ては0.5μm以下であることが好ましい。保護層中で
の含有量は、保護層総質量に対して2〜90質量%が好
ましく、5〜80質量%がより好ましい。保護層の膜厚
は、0.1〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好
ましい。
【0314】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸透(ディッ
ピング)コーティングすることによって行うことができ
る。
【0315】本発明に用いられる好ましい現像工程の条
件としては、現像剤と感光体表面が接触しているという
ことと、反転現像方法を用いるということである。二成
分磁気ブラシ現像方法を用いる場合は、そのキャリアと
して、フェライト、マグネタイト、鉄粉あるいは、それ
らをアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等でコ
ーティングしたものが用いられる。このとき、現像時あ
るいは現像前後の空白時には、直流あるいは交流成分の
バイアスを印加し、現像と感光体上の残余のトナーを回
収できるような電位に制御される。このとき直流成分
は、明部電位と暗部電位の間に位置する。
【0316】一成分現像剤の場合、トナー担持体して弾
性ローラを用い、弾性ローラ表面にトナーをコーティン
グして形成したトナー層を感光体表面と接触させる方法
も用いられる。このとき、トナーは磁性又は非磁性のい
ずれであっても良く、トナー層と感光体表面が接触して
いることが重要となる。トナー担持体は実質的に感光体
表面と接触しているが、これは、トナー担持体からトナ
ー層を除いたときに該トナー担持体が感光体表面と接触
しているということを意味する。このとき、トナー層を
介して、感光体表面と感光体表面に対向する弾性ローラ
との間に働く電界によってエッジ効果のない画像を得る
ためには、弾性ローラ表面あるいは、表面近傍が電位を
もち、感光体表面とトナー担持表面との間で電界を有す
る必要性がある。このため、弾性ローラの弾性ゴムが中
抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつ
つ電界を保つか、または導電性ローラの表面層に薄層の
絶縁層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ロ
ーラの感光体表面に対向する外面側を絶縁性物質により
被覆した導電性樹脂スリーブ、あるいは、絶縁性スリー
ブの感光体表面に対向しない内面側に導電層を設けた構
成も可能である。トナー担持体として剛体ローラを用
い、感光体をベルトのごときフレキシブルなものとした
構成も可能である。トナー担持体として現像ローラ29
の電気抵抗としては102〜109Ωの範囲が好ましい。
【0317】現像ローラの電気抵抗は、以下の方法で測
定する。すなわち、図25に示すように直径16mmの
アルミローラ131と現像ローラ132を当接荷重4.
9N(500g)で当接させ、該アルミローラ131を
2rpsで回転させる。次に現像ローラ132にV1
400Vの直流電圧を印加する。アース側に可変抵抗R
を配置し、現像ローラ132に応じて該可変抵抗Rの抵
抗値を調整しながらその両端の電圧V2を測定し、電流
値を算出することにより現像ローラ132の電気抵抗を
算出する。
【0318】一成分接触現像法を用いた場合そのトナー
を担持する現像ローラ表面は、感光体表面の移動方向と
同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していて
もよい。その回転が同方向である場合感光体の周速に対
して、周速比で100%よりも速いことが望ましい。1
00%以下であると、画像品質が悪い。周速比が高まれ
ば高まるほど、現像部位に供給されるトナーの量は多
く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部
分は掻き落とされ必要な部分には付与されるという繰り
返しにより、潜像に忠実な画像が得られる。具体的に
は、トナー担持体表面の移動速度が感光体表面の移動速
度に対し、1.05〜3.0倍の速度であることが好ま
しい。
【0319】以下、本発明の画像形成方法に適用可能な
転写工程について具体的に説明する。
【0320】転写工程においては、感光体表面に転写材
を介して転写手段を当接させながらトナー画像を転写材
に静電転写する接触転写方式を用いることが好ましい。
転写手段の感光体表面に対する当接圧力としては、好ま
しくは線圧2.9N/m(3g/cm)以上であること
が良く、より好ましくは9.8〜490N/m(10〜
500g/cm)であることが良い。当接圧力としての
線圧が2.9N/m(3g/cm)未満であると、転写
材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため
好ましくない。当接圧力が高すぎる場合には、感光体表
面の劣化やトナーの付着を招き、結果として、感光体表
面へのトナー融着を生じるようになる。
【0321】接触転写工程における転写手段としては、
転写ローラあるいは転写ベルトを有する装置が使用され
る。転写ローラは少なくとも芯金と芯金を被覆する導電
性弾性層を有し、導電性弾性層はカーボンの如き導電性
徴粒子を分散させたウレタンやEPDMの如き体積抵抗
106〜1010Ωcm程度の弾性体で作られている。
【0322】本発明は、感光体の表面が有機化合物であ
る様な画像形成装置において特に有効に用いられる。即
ち、有機化合物が感光体の表面層を形成している場合に
は、無機材料を用いた他の感光体よりもトナー粒子に含
まれる結着樹脂との接着性が高いことから、転写性がよ
り低下する傾向にあるという技術課題を有している。従
って、本発明で用いるトナーによる高い転写性による効
果は、より顕著となる。
【0323】本発明に係わる感光体の表面物質として
は、たとえばシリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エチレ
ン−塩化ビニル、スチレン−アクリロニトリル、スチレ
ン−メチルメタクリレート、スチレン、ポリエチレンテ
レフタレートおよびポリカーボネート等が挙げられる
が、これらに限定されることはなく他のモノマーあるい
は前述の結着樹脂間での共重合体およびブレンド体等も
使用することができる。
【0324】本発明においては、直径が50mm以下の
小径のドラム状の感光体を有する画像形成装置に対し特
に有効に用いられる。即ち、小径の感光体ドラムの場合
には、同一の線圧での接触部材の当接部における圧力の
集中が起こりやすいためである。ベルト感光体でも同一
の現象があると考えられるが、本発明は、当接部での曲
率半径が25mm以下の感光体ベルトを用いた画像形成
装置に対しても有効である。
【0325】さらに本発明においては、トナーに高い帯
電付与を行なうため現像に際して、トナーの総帯電量を
コントロールすることが望ましい。そのため、本発明に
係わるトナー担持体の表面は導電性微粒子及び/又は滑
剤を分散した樹脂層で被覆されていることが好ましい。
【0326】帯電方法としては、コロトロンあるいはス
コロトロンと呼ばれる公知のコロナ帯電方法が用いられ
るほか、ピン電極を用いた方法も使用できる。巧に感光
体表面に帯電部材を当接させて帯電を行なう接触帯電法
も同様に使用できる。
【0327】本発明においては、帯電手段が帯電部材を
感光体表面に当接させる接触帯電法の場合に特に効果的
である。すなわち、帯電手段が感光体表面に接すること
のない非接触コロナ放電に比べて、接触帯電法は感光体
表面の劣化を生じ易く、耐久性の観点から転写性の低下
による転写残トナーの増加がクリーニング性に厳しい方
向にあるという技術課題を有している。従って、本発明
で用いる高い転写性による効果は、より顕著となる。
【0328】接触帯電部材として帯電ローラを用いたと
きの好ましいプロセス条件としては、帯電ローラの当接
圧が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)、よ
り好ましくは、9.8〜392N/m(10〜400g
/cm)であり、さらに、転写残トナーの極性を感光体
帯電極性と同じ極性に揃え、現像時での回収を容易にす
るため、直流電圧の印加がよいが、直流電圧に交流電圧
を重畳したものを用いたときには、2×Vth(V)
〔Vth;直流印加における放電開始電圧(V)〕未満
のピーク間電圧を有する交流電圧を直流電圧に重畳する
ことが好ましい。
【0329】この他の接触帯電部材としては、帯電ブレ
ードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法があ
る。これらの接触帯電手段は、高電圧が不要になった
り、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0330】接触帯電部材としては、ローラまたはブレ
ードの場合は、導電性基体として、鉄、銅、ステンレス
の如き導電性金属;カーボン分散樹脂;金属あるいは金
属酸化物分散樹脂が用いられる。ブレードの場合には、
その形状としては棒状、板状が使用できる。弾性ローラ
の構成としては、導電性基体上に弾性層、導電層及び抵
抗層を設けたものが用いられる。
【0331】弾性層としては、クロロプレンゴム、イソ
プレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキ
シゴム及びブチルゴムの如きゴム又はゴムの発泡体であ
るスポンジ、スチレン−ブタジエンサーモプラスチック
エラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラ
ストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラスト
マー、エチレン−酢ビサーモプラスチックエラストマー
の如きサーモプラスチックエラストマーで形成すること
ができる。
【0332】導電層は、体積抵抗率が好ましくは、10
7Ω・cm以下、より好ましくは101〜106Ω・cm
であることが良い。導電層としては、例えば、金属蒸着
膜、導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂等が用いられる。
具体例としては、アルミニウム、インジウム、ニッケ
ル、銅、及び鉄の如き導電性金属の蒸着膜;カーボン、
アルミニウム、ニッケル及び酸化チタンの如き導電性粒
子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル
共重合体及びポリメタクリル酸メチルの如き樹脂中に分
散した導電性粒子分散樹脂;4級アンモニウム塩含有ポ
リメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニ
ルピロール、ポリジアセチレン及びポリエチレンイミン
の如き導電性樹脂が挙げられる。
【0333】抵抗層は、体積抵抗率が106〜1012Ω
・cmの層であることが良い。抵抗層としては、半導性
樹脂又は導電性粒子分散絶縁樹脂を用いることができ
る。半導性樹脂としては、例えば、エチルセルロース、
ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキ
シメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒド
リン又はカゼインが用いられる。導電性粒子分散樹脂と
しては、例えば、カーボン、アルミニウム、酸化インジ
ウム、酸化チタンの如きの導電性粒子をウレタン、ポリ
エステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタ
クリル酸メチルの如き絶縁性樹脂中に少量分散したもの
が挙げられる。
【0334】接触帯電部材としての導電性ブラシは、一
般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整
されたものが用いられる。繊維としては、一般に知られ
ている繊維が使用可能であり、例えばナイロン、アクリ
ル、レーヨン、ポリカーボネート又はポリエステルが挙
げられる。導電材としては、一般に知られている導電材
が使用可能であり、例えば、銅、ニッケル、鉄、アルミ
ニウム、金及び銀の如き導電性金属;酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタンの如き導電
性金属の酸化物;又はカーボンブラックの如き導電粉が
挙げられる。なおこれら導電材は必要に応じ疎水化、抵
抗調整の目的で表面処理が施されていてもよい。使用に
際しては、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して
用いる。
【0335】導電性ブラシの形状としては、繊維の太さ
が1〜20デニール(繊維径10〜500μm程度)、
ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平
方イ7ンチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当り
1.5×107〜4.5×108本程度)のものが好まし
く用いられる。
【0336】本発明6の画像形成方法を添付図面を参照
しながら説明する。
【0337】図22は、本発明6の画像形成方法の実施
例の一例として、クリーニングブレードの如きクリーニ
ング部材を有するクリーニングユニットを除去したプロ
セスカートリッジを有する画像形成装置を模式的に示し
た図である。
【0338】接触帯電手段である帯電ローラ31により
感光体36を帯電し、レーザー光40で画像部分を露光
して静電潜像を形成する。現像器32に収納されている
トナー30をトナー塗布ローラ35及び塗布ブレード3
3によりトナー担持体34上に塗布し、トナー担持体3
4上のトナー層を感光体36の表面に接触させて感光体
36上の静電潜像を反転現像法により現像し、トナー画
像を感光体36上に形成する。トナー担持体34にはバ
イアス印加手段41により少なくとも直流バイアスが印
加される。感光体36上のトナー画像は搬送されてくる
転写材としての記録材38上へ、バイアス印加手段42
によりバイアスが印加されている転写手段である転写ロ
ーラ37により転写され、記録材上に転写されたトナー
画像は、加熱ローラと加圧ローラとを有する加熱加圧定
着手段43により定着される。
【0339】転写工程後の感光体36上の転写残トナー
は、ブレードクリーニング手段の如きクリーニング部材
によるクリーニング工程を経由することなく、帯電ロー
ラ31の所まで搬送される。転写残トナーを有する感光
体36は、再度、帯電ローラ31で帯電され、帯電後に
レーザー光40の露光により静電潜像が形成される。転
写残トナーを有する感光体36は、トナー担持体34上
の、トナーによる静電潜像の現像とともに、転写残トナ
ーのトナー担持体34への回収がおこなわれる。現像同
時クリーニング工程後の感光体36上のトナー画像は、
搬送されてくる記録材38上に転写ローラ37により転
写される。転写工程後の感光体36は、帯電ローラ31
により再度帯電され、以後同様な工程が繰り返し実施さ
れる。
【0340】反転現像方法において、現像同時クリーニ
ングを実施するための好ましい現像条件としては、感光
体表面の暗部電位(Vd)と明部電位(V1)とトナー担
持体に印加される直流バイアス(VDC)とが、│Vd
DC│>│V1−VDC│の関係を満足するように設定す
るのが良い。より好ましくは、│Vd−VDC│の値が│
1−VDC│の値よりも10V以上大きい方が良い。
【0341】図15は、トナー担持体としての現像スリ
ーブに対するトナーの供給に加えて、現像スリーブから
の現像に寄与したトナーのはぎ取りをより円滑に行うこ
とのできる画像形成装置の他の例を示す。
【0342】図15において、1は感光ドラムで、その
周囲に接触帯電手段である一次帯電ローラ2、現像手段
である現像器8、接触転写手段である転写帯電ローラ2
1、レジスタローラ19が設けられている。そして感光
ドラム1は一次帯電ローラ2によって例えば−700V
に帯電される。バイアス印加手段5による印加電圧は直
流電圧が例えば−1350Vである。そして、レーザー
発生装置6によりレーザー光7を感光ドラム1に照射す
ることによって露光され、デジタルな静電潜像が形成さ
れる。感光ドラム1上の静電潜像は現像器8によって非
磁性一成分トナー15で現像され、転写材としての記録
材20を介して感光ドラム1に、当接されたバイアス印
加手段24でバイアス電圧が印加されている転写ローラ
21により記録材20上へ転写される。トナー画像26
をのせた記録材20は搬送ベルト25により加熱ローラ
28及び加圧ローラ29を有する加熱加圧定着器27へ
運ばれ記録材20上に定着される。
【0343】帯電ローラ2は、中心の芯金4とその外周
を形成した導電性弾性層3とを基本構成とするものであ
る。
【0344】現像器8は図19に示すように感光ドラム
1にトナー担持体としての現像スリーブ9上のトナー層
が接触し、バイアス印加手段18でバイアスが印加され
ている芯金10及び弾性層11を有する弾性ローラ9か
らなるトナー担持体としての現像スリーブが配設され
る。現像器8内にはバイアス印加手段17でバイアスが
印加されている芯金13と弾性層14を有するトナー塗
布ローラ13が配設されている。現像スリーブ9に付着
して搬送されるトナー量を規制する部材として、トナー
規制ブレード16が配設されトナー規制ブレード16の
現像スリーブ9に対する当接圧により現像領域に搬送さ
れるトナー量(トナー層厚)が制御される。現像領域で
は、現像スリーブ9に少なくとも直流の現像バイアスが
印加され、現像スリーブ上トナー層は、感光ドラム1表
面に接触し、静電潜像に応じて感光ドラム1上に転移し
てトナー画像を形成する。
【0345】現像同時クリーニングを実施するために
は、感光ドラム1の明部電位が0〜250Vであり、暗
部電位が300〜1000Vである場合に、バイアス印
加手段17により印加される供給バイアス電圧が100
〜900Vであり、バイアス印加手段18により印加さ
れる現像バイアス電圧が100〜900Vであることが
好ましい。さらに、バイアス印加手段17により印加さ
れる供給バイアス電圧は、バイアス印加手段18により
印加される現像バイアス電圧よりも絶対値で10〜40
0V大きい方が、非磁性トナー15の現像スリーブ9へ
の供給及び非磁性トナーの現像スリーブ9からのはぎ取
りが円滑におこなわれるので好ましい。
【0346】現像スリーブ9の回転方向に対して、トナ
ー塗布ローラ12は、矢印で示す通りお互いの表面がカ
ウンター方向に移動する(回転方向は同方向)ことが、
非磁性トナーの供給及びはぎ取りの点で好ましい。
【0347】上記の図15で示す画像形成装置において
は、中間転写体を用いず像担持体上に形成されたトナー
画像を直接記録材に転写するタイプの画像形成方法を採
用するものである。
【0348】次に、像担持体上に形成されたトナー画像
を転写材としての中間転写体に第1の転写を行ない、中
間転写体上に転写されたトナー画像を記録材に第2の転
写を行なう画像形成方法について、図18に示す画像形
成装置を用いて説明する。
【0349】図18において、像担持体としての感光体
ドラム51に対抗し接触回転する帯電ローラ52により
感光体ドラム51上に表面電位を持たせ露光手段53に
より静電潜像を形成する。静電潜像は一成分接触現像方
式の現像器54,55,56,57によりマゼンタトナ
ー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナー
の4色のトナーによって現像され、フルカラーのトナー
画像が形成される。現像時には、各現像器54,55,
56及び57のいずれか1つが移動することにより、感
光体ドラム51の表面に現像器のトナー担持体が当接し
て現像が行なわれ、現像後に再度元の位置に現像器が移
動することにより、感光体ドラム51の表面からトナー
担持体が離間する。この動作が各現像器ごとに4回くり
返される。該トナー画像は一色毎に中間転写材58上に
転写され、複数回繰り返されることにより、多重トナー
像が形成される。
【0350】中間転写体58はドラム状のものが用いら
れ、外周面に保持部材を張設したもの、基材上に導電付
与部材、例えばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,
炭化珪素又は酸化チタン等を十分分散させた弾性層(例
えばニトリルブタジエンラバー)を有するものが用いら
れる。ベルト状の中間転写体を用いても良い。
【0351】中間転写体58は、支持部材59の表面に
形成した硬度が10〜50度(JIS K−6301)
の弾性層60を有するドラム状のものや、転写ベルトの
場合では転写材(記録材)への転写部でこの硬度を有す
る弾性層60を持つ支持部材で構成されていることが好
ましい。
【0352】感光体ドラム51から中間転写体58への
転写は、電源66より中間転写体58の支持部材として
の芯金59上にバイアスを付与することで転写電流が得
られトナー画像の転写が行なわれる。保持部材又はベル
トの背面からのコロナ放電やローラ帯電を利用しても良
い。
【0353】中間転写体58上の多重トナー画像は、転
写手段61により記録材S上に一括転写される。転写手
段はコロナ帯電器や転写ローラ、転写ベルトを用いた接
触静電転写手段が用いられる。
【0354】トナー画像を有する記録材Sは、加熱体6
7を内部に有する定着部材としての定着ローラ68とこ
の定着ローラ68と圧接する加圧ローラ69とを有する
加熱定着装置70の定着ローラ68と加圧ローラ69と
の当接ニップ部を、記録材Sが通過することにより、記
録材Sにトナー画像の定着が行なわれる。
【0355】本発明で用いられるカーボンブラックを含
有しているトナーは、ブラックトナーとして上記の画像
形成装置の現像器54、55、56及び57から選択さ
れる1つの現像器に用いられ、残りの3つの現像器に
は、3色の有彩色のカラートナーが用いられるものであ
る。そして本発明で用いるブラックトナーは、有彩色の
カラートナーとを組み合わせてカラー画像又はフルカラ
ー画像の形成に或いはブラックトナーのみによりモノク
ロ画像の形成に用いられるものである。
【0356】図18における画像形成装置においては、
現像器54が現像可能な位置まで移動して現像が行なわ
れ、現像されたトナー画像が中間転写体58に転写さ
れ、この第1の転写後に感光体ドラム51の表面上に残
存するトナーは、現像器54で回収クリーニングされ
る。感光ドラム51の表面上に残存するトナーが現像器
54で回収されると、現像器54が移動して元の位置に
もどり、次に現像器55が現像可能な位置まで移動して
以降現像器54と同様に作動し、現像器55及び56に
ついても順次同様に作用するものである。65は、第2
の転写後に中間転写体58の表面上に残存するトナーを
除去するためのクリーニング部材64を有するクリーナ
ー(第2のクリーニング手段)である。
【0357】二成分接触現像法を用いた画像形成方法に
ついて、図20及び21を用いて説明する。
【0358】図20は、後述する実施例で用いた、本発
明6の画像形成方法の実施例の一例として用いた、磁気
ブラシ現像用二成分系現像剤を使用する現像器を用いた
画像形成装置を模式的に示した図で説明する。
【0359】図20において、感光体72の帯電手段で
ある帯電ブラシローラ75(ナイロン繊維にカーボンブ
ラックを分散させて抵抗調整された、繊維の太さが6デ
ニール、ブラシの繊維の長さは3mm、ブラシ密度は1
平方インチ当たり10万本、感光体回転と逆方向に周速
120%で回転)を感光体72と接触させてバイアス印
加して帯電し、レーザー光による露光76(600dp
i、2値)により、感光体72に静電荷潜像を形成す
る。現像器85の現像剤担持体71上のトナーと磁性キ
ャリアとを有する二成分系現像剤で形成された磁気ブラ
シを感光体72と接触させて、反転現像法により感光体
72の静電荷潜像を現像してトナー画像を形成する。
【0360】現像剤担持体71には、バイアス印加手段
により少なくとも直流バイアスが印加される(直流成分
として現像コントラストが500Vとなるように設定、
交流成分としては1.8kVを印加)。
【0361】感光体72上のトナー画像は、搬送されて
くる転写材としての記録材74へ、転写手段である転写
コロナ帯電器73(感光体72とは非接触)により転写
され、記録材74上のトナー画像は、ヒータ78を内包
する加熱ローラ77と加圧ローラ79とを有する加熱加
圧定着手段により記録材74に定着される。転写工程後
の感光体72上の転写残トナーは、クリーニング工程を
経由することはない。イレース露光81により除電され
た感光体72は、再度帯電ブラシローラ75で帯電さ
れ、露光76により静電荷潜像を形成する。転写残トナ
ーを有する感光体72は、現像剤担持体71上の磁気ブ
ラシによる静電荷潜像の現像とともに、転写残トナーの
現像剤担持体71への回収がおこなわれる。現像同時ク
リーニング工程後の感光体72上のトナー画像は、搬送
されてくる記録材74上へ転写コロナ帯電器73により
転写され、転写工程後の感光体72は、イレース露光8
1で除電され、帯電ブラシローラ75で再度帯電され、
以後同様な工程が繰り返し実施される。
【0362】図21に、図20の現像部の拡大図を示
す。図21において、感光体72と、現像剤担持体71
上の二成分系現像剤90で形成されている磁気ブラシと
接触している。
【0363】現像剤担持体71は、例えばアルミニウ
ム、SUS316の如き非磁性材料で構成されている。
現像剤担持体71は現像器85の左下方壁に容器長手方
向に形成した横長開口に右略半周面を現像器85内へ突
入させ、左脇半周面を容器外へ露出させて回転自在に軸
受けさせて横設しであり、矢印方向に回転駆動される。
【0364】現像剤担持体71内に挿入し図示の位置姿
勢に位置決め保持した固定磁界発生手段としての固定の
永久磁石(マグネット)であり、現像剤担持体71が回
転駆動されてもこの磁石94は図示の位置・姿勢にその
まま固定保持される。この磁石94はN極の磁極92,
95及び96を有し、S極の磁極91及び93の5磁極
を有する。磁石94は永久磁石に代えて電磁石を配設し
てもよい。
【0365】83は現像剤担持体71を配設した現像剤
供給器開口の上縁側に、基部を容器側壁に固定した現像
剤規制部材としての非磁性ブレードであり、例えばSU
S316を横断面路図の如くL字形に曲げ加工したもの
である。
【0366】84は非磁性ブレード(現像剤規制部材)
83の下面側に上面を接触させ前端面を現像剤案内面と
した磁性キャリア限定部材である。非磁性ブレード83
及び磁性キャリア返し部材84などによって構成される
部分が規制部である。
【0367】90はトナー及び磁性キャリアを有する現
像剤層である。86は非磁性トナーである。
【0368】97はトナー濃度検出センサー(不図示)
によって得られる出力に応じて作動するトナー補給ロー
ラである。センサーとしては、現像剤の体積検知方式、
圧電素子、インダクタンス変化検知素子、交番バイアス
を利用したアンテナ方式、光学濃度を検知する方式を利
用することができる。該ローラの回転または停止によっ
て非磁性トナー86の補給を行う。トナー86が補給さ
れたフレッシュな現像剤は現像剤搬送ローラ87によっ
て搬送されながら混合及び撹拌される。従ってこの搬送
中において補給されたトナーにトリボ付与が行われる。
88はしきり板で現像器の長手方向両端部において切り
欠かれており、この部分でスクリュー87によって搬送
されたフレッシュな現像剤がスクリュー89へ受け渡さ
れる。
【0369】N磁極96は搬送極である。現像後の回収
現像剤を容器内に回収し、さらに容器内の現像剤を規制
部まで搬送する。
【0370】N磁極96付近では、現像剤担持体71に
近接して設けたスクリュー89によって搬送されてきた
フレッシュな現像剤と現像後の回収現像剤とを交換す
る。
【0371】非磁性ブレード83の端部と現像剤担持体
1面との距離dは400μmとした。好ましいdの設定
範囲は100〜900μmである。この距離が100μ
mより小さいとキャリア粒子がこの間に詰まり現像剤層
にムラを生じやすいと共に良好な現像を行うのに必要な
現像剤を塗布することができず濃度の薄いムラの多い現
像画像しか得られない場合がある。一方、この距離が9
00μmより大きいと現像剤担持体71上へ塗布される
現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行えず、潜
像担持体への磁性粒子付着が多くなると共に現像剤の循
環、現像剤限定部材84による現像規制が弱まりトナー
のトリボが不足しカブリやすくなる傾向がある。
【0372】現像剤担持体71上の現像剤層の厚さを、
現像剤担持体71と感光体72との対向空隙距離よりも
若干大きくすることが好ましい。この距離は、400μ
mに設定した。好ましくは、50〜800μmに設定す
るのが良い。
【0373】トナーの各種物性の評価方法について以下
に説明する。
【0374】トナーの粒度分布の測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコルターマルチサイザーII(コールター社製)を
用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて約1%
NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−I
I(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が
使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100
〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましく
はアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml
を加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を
懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処
理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして
100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及
び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分
布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体
積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D
4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値と
する)を求める。
【0375】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm:16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜
40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0376】トナー粒子の個数分布における変動係数A
は下記式から算出される。
【0377】変動係数A=〔S/D1〕×100 〔式中、Sは、トナー粒子の個数分布における標準偏差
値を示し、D1は、トナー粒子の個数平均粒径(μm)
を示す〕
【0378】各環境におけるトナーの帯電量の測定 環境帯電量は各環境条件下にトナー及びキャリアを一昼
夜放置した後、以下の方法により測定する。
【0379】例えば、常温常湿(23℃/60%R
H)、高温/高湿(30℃/80%RH)、低温/低湿
(15℃/10%RH)の環境下でブローオフ法に基づ
き、トナーの摩擦帯電量を測定する。
【0380】図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリ
ーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定し
ようとするトナーとキャリアの質量比1:19の混合物
を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入
れ、5〜10分間手で振盪し、該混合物(現像剤)約
0.5〜1.5gを入れ金属製のフタ4をする。このと
きの測定容器2全体の質量を秤りW1(g)とする。次
に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶
縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調
整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状
態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除
去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とす
る。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)と
する。吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)と
する。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の
如く計算される。
【0381】
【数5】
【0382】現像スリーブ上のトナーの摩擦帯電量の測
定 現像スリーブ上のトナーの摩擦帯電量は、吸引式ファラ
デーゲージ法を使用して求める。
【0383】この吸引式ファラデーゲージ法は、その外
筒を現像スリーブ表面に押しつけて現像スリーブ上の一
定面積上のトナーを吸引し、内筒のフィルターに採取し
てフィルターの質量増加分より、吸引したトナーの質量
を計算することができる。それと同時に外部から静電的
にシールドされてた内筒に蓄積された電荷量を測定する
ことによって、現像スリーブ上のトナーの摩擦帯電量を
求めることができる方法である。
【0384】
【実施例】<実施例1>反応容器中のイオン交換水13
000質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液135質
量部ならびに1M−HCl水溶液を130質量部投入
し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、1200
0rpmにて撹拌しながら、1.0M−CaCl2水溶
液80質量部を一括投入し、pH=5.8のリン酸カル
シウム塩を含む水系媒体を調製した。
【0385】 ・スチレン 165質量部 ・n−ブチルアクリレート 35質量部 ・着色剤(銅フタロシアニン顔料) 13質量部 ・ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物 1質量部 ・ポリエステル樹脂 15質量部 (テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15、ピー ク分子量6000) ・エステル系ワックス(離型剤No.5) 30質量部 ・架橋剤(ジエチレングリコールジメタクリレート) 0.5質量部
【0386】別容器中で上記材料を65℃に保温し、T
K方式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12
000rpmにて均一に溶解、分解した。これに、重合
開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製
した。
【0387】反応容器中の前記水系媒体中に上記重合性
単量体組成物を投入し、65℃,N 2パージ下におい
て、TK式ホモミキサーにて10000rpmで3分間
撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パド
ル撹拌翼で撹拌しつつ70℃で6時間、さらに90℃に
昇温し、2時間反応させた。
【0388】重合反応終了後、反応容器を冷却し、塩酸
を加えリン酸カルシウム塩を溶解させた後、ろ過,水
洗,乾燥をして、シアントナー粒子を得た。このシアン
トナー粒子の断面をTEMにより観測したところ、図2
に示すように離型剤が外殻樹脂で良好に内包化されてい
ることが確認できた。
【0389】得られたシアントナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のシアントナーを得た。得られたシアントナーの
重量平均粒径は6.9μmであった。
【0390】このシアントナー5質量部に対し、アクリ
ルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し
て現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタルフ
ルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機
を用いて、シアントナーの1万枚連続通紙試験(常温常
湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0391】<実施例2>架橋剤として、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート(式1のn=4)を0.8
質量部、ワックスを離型剤No.1、極性樹脂の酸価を
10、水系媒体のpHを6.5に、着色剤をジメチルキ
ナクリドンに変更した以外は、実施例1と同様にしてマ
ゼンタトナーを得た。このマゼンタトナー粒子の断面を
TEMにより観測したところ、図2に示すように離型剤
が外殻樹脂で良好に内包化されていることが確認でき
た。
【0392】得られたマゼンタトナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のマゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナ
ーの重量平均粒径は7.2μmであった。
【0393】このマゼンタトナー5質量部に対し、アク
リルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合
して現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタル
フルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造
機を用いて、マゼンタトナーの1万枚連続通紙試験(常
温常湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0394】<実施例3>着色剤をC.I.ピグメント
イエロー17に、極性樹脂の酸価を10に変更した以外
は、実施例1と同様にしてイエロートナーを得た。この
イエロートナー粒子の断面をTEMにより観測したとこ
ろ、図2に示すように離型剤が外殼樹脂で良好に内包化
されていることが確認できた。
【0395】得られたイエロートナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のイエロートナーを得た。得られたイエロートナ
ーの重量平均粒径は7.0μmであった。
【0396】このイエロートナー5質量部に対し、アク
リルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合
して現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタル
フルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造
機を用いて、イエロートナーの1万枚連続通紙試験(常
温常湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0397】<実施例4>架橋剤として、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート(式1のn=9)を1.0
質量部、ワックスを離型剤No.3、着色剤をカーボン
ブラックに変更した以外は、実施例1と同様にしてブラ
ックトナーを得た。このブラックトナー粒子の断面をT
EMにより観測したところ、図2に示すように離型剤が
外殻樹脂で良好に内包化されていることが確認できた。
【0398】得られたブラックトナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のブラックトナーを得た。得られたブラックトナ
ーの重量平均粒径は6.5μmであった。
【0399】このブラックトナー5質量部に対し、アク
リルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合
して現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタル
フルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造
機を用いて、ブラックトナーの1万枚連続通紙試験(常
温常湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0400】<実施例5>ワックスを離型剤No.3、
極性樹脂を、スチレン−メタクリル酸共重合体(Mw=
50000、酸価=20)に変更した以外は、実施例1
と同様にしてシアントナーを得た。このシアントナー粒
子の断面をTEMにより観測したところ、図2に示すよ
うに離型剤が外殻樹脂で良好に内包化されていることが
確認できた。
【0401】得られたシアントナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のシアントナーを得た。得られたシアントナーの
重量平均粒径は7.3μmであった。
【0402】このシアントナー5質量部に対し、アクリ
ルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し
て現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタルフ
ルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機
を用いて、シアントナーの1万枚連続通紙試験(常温常
湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0403】<実施例6>架橋剤添加量を5.2質量
部、極性樹脂の酸価を10に変更した以外は、実施例4
と同様にしてブラックトナーを得た。このブラックトナ
ー粒子の断面をTEMにより観測したところ、図2に示
すように離型剤が外殻樹脂で良好に内包化されているこ
とが認識できた。
【0404】得られたブラックトナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のブラックトナーを得た。得られたブラックトナ
ーの重量平均粒径は6.7μmであった。
【0405】このブラックトナー5質量部に対し、アク
リルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合
して現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタル
フルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造
機を用いて、ブラックトナーの1万枚連続通紙試験(常
温常湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0406】<実施例7>ワックスを離型剤No.1、
極性樹脂の酸価を10、水系媒体のpHを10.5に変
更した以外は、実施例1と同様にしてシアントナーを得
た。このシアントナー粒子の断面をTEMにより観測し
たところ、図2に示すように離型剤が外殻樹脂で良好に
内包化されていることが確認できた。得られたシアント
ナー粒子100質量部と、BET法による比表面積が1
00m2/gである疎水性酸化チタン微粉体1.5質量
部とを混合し、負摩擦帯電性のシアントナーを得た。得
られたシアントナーの重量平均粒径は7.5μmであっ
た。
【0407】このシアントナー5質量部に対し、アクリ
ルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し
て現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタルフ
ルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機
を用いて、シアントナーの1万枚連続通紙試験(常温常
湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0408】<実施例8>重合反応時のパドル撹拌翼の
回転数を変更した以外は、実施例5と同様にしてシアン
トナーを得た。このシアントナー粒子の断面をTEMに
より観測したところ、図2に示すように離型剤が外殻樹
脂で良好に内包化されていることが確認できた。また、
形状がややいびつであった。
【0409】得られたシアントナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のシアントナーを得た。得られたシアントナーの
重量平均粒径は7.7μmであった。
【0410】このシアントナー5質量部に対し、アクリ
ルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し
て現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタルフ
ルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機
を用いて、シアントナーの1万枚連続通紙試験(常温常
湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0411】<実施例9>実施例1,2,3,4の現像
剤を用い、図4に示すような市販のデジタルフルカラー
複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機を用い
て、フルカラー画像の1万枚連続通紙試験(常温常湿
下)を行ったところ、カブリが少なく、安定した画像濃
度の画像が得られた。
【0412】<実施例10>実施例1,2,3,4のト
ナーを用い、図5に示すような非磁性一成分現像方式の
装置を用いて、フルカラー画像の1万枚連続通紙試験
(常温常湿下)を行ったところ、カブリが少なく、安定
した画像濃度の画像が得られた。
【0413】<比較例1>架橋剤として、ジビニルベン
ゼン、ワックスを離型剤No.1に変更した以外は、実
施例1と同様にしてシアントナーを得た。このシアント
ナー粒子の断面をTEMにより観測したところ、図2に
示すように離型剤が外殻樹脂で良好に内包化されている
ことが確認できた。
【0414】得られたシアントナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のシアントナーを得た。得られたシアントナーの
重量平均粒径は7.0μmであった。
【0415】このシアントナー5質量部に対し、アクリ
ルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し
て現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタルフ
ルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機
を用いて、シアントナーの1万枚連続通紙試験(常温常
湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0416】<比較例2>架橋剤としてジビニルベンゼ
ンを0.005質量部、ワックスをパラフィンワックス
(融点60℃)に変更した以外は、実施例1と同様にし
てシアントナーを得た。このシアントナー粒子の断面を
TEMにより観測したところ、図2に示すように離型剤
が外殻樹脂で良好に内包化されていることが確認でき
た。
【0417】得られたシアントナー粒子100質量部
と、BET法による比表面積が100m2/gである疎
水性酸化チタン微粉体1.5質量部とを混合し、負摩擦
帯電性のシアントナーを得た。得られたシアントナーの
重量平均粒径は7.4μmであった。
【0418】このシアントナー5質量部に対し、アクリ
ルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し
て現像剤を調製し、図4に示すような市販のデジタルフ
ルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機
を用いて、シアントナーの1万枚連続通紙試験(常温常
湿下)を行った。結果を表1に示す。
【0419】
【表1】
【0420】画像濃度 単位面積あたりのトナー質量0.60mg/cm2での
定着画像部の画像濃度をMacbeth RD918
(マクベス社製)を用いて測定した。
【0421】ハーフトーン部及びベタ部の画質 二成分現像の場合;耐久によるキャリア/ドラムヘの汚
染はベタ部画像に大きく影響することにより、得られた
転写紙上画像のベタ部画質を目視判断にて、A、B、
C、Dと評価した。
【0422】非磁性一成分の場合;耐久によるスリーブ
上へのトナー融着や、トナーのコートムラはベタ部画像
に大きく影響することにより、得られた転写紙上画像の
ベタ部画質を目視判断にてA、B、C、Dと評価した。
【0423】カブリの測定方法 カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTOME
TER MODELTC−6DSを使用して測定し、シ
アントナー画像ではamberフィルターを使用し、下
記式より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。
【0424】カブリ(反射率)(%)=〔標準紙の反射
率(%)〕−〔サンプルの非画像部の反射率(%)〕
【0425】1.2%以下をA、1.2%を超え1.6
%以下をB、1.6%を超え2.0%以下をC、2.0
%を超えたものをDと評価した。
【0426】定着性、耐オフセット性 トナー粒子に対して、外添剤を適量外添しトナーを得
る。得られたトナーの未定着画像は市販の複写機によっ
て作成する。
【0427】上記トナーは、オイル塗布機能のない熱ロ
ーラ外部定着器によって、定着および耐オフセット性の
評価をする。さらに、透明評価のための定着画像を得
る。
【0428】このときのローラの材質として上部ローラ
および下部ローラともに表面がフッ素系樹脂またはゴム
とする。上ローラ及び下ローラともに直径40mmのも
のを使用し定着条件としては転写材がSK紙(日本製紙
社製)の場合にはニップ5.5mm、定着スピード12
0mm/secとし、転写材がOHPシート(CG33
00/3M社製)の場合にはニップ5.5mm、定着ス
ピード35mm/secとし、100℃から250℃の
温度範囲内で5℃おきに温調をかけて行う。
【0429】定着性は、オフセットしていない画像を5
0g/cm2の荷重をかけシルボン紙〔Lenz Cl
eaning Paper “desper(R)”
(Ozu Paper Co.,Ltd.)〕で2回こ
すり、こすり前後の濃度低下率が10%未満になる温度
を定着開始点とする。
【0430】耐オフセット性は目視でオフセットの出な
くなる温度を低温非オフセット始点とし、温度を上げて
オフセットの出ない最高温度を高温非オフセット終点と
する。
【0431】透明性 OHPシート上に得られた定着画像の単位面積あたりの
各トナーの量に対する透過率および曇り価(ヘイズ)を
測定し単位面積あたりのトナー質量0.70mg/cm
2での数値を用い透明性を評価する。以下に透過率とヘ
イズの測定方法を記載する。
【0432】透過率の測定は、島津自記分光光度計UV
2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム
単独の透過率を100%とし、 マゼンタトナーの場合;550nm イエロートナーの場合;410nm シアントナーの場合;650nm での最大吸収波長における透過率を測定する。
【0433】トナーの製造例1 高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)
を備えた2リットルの4つ口フラスコ中にイオン交換水
650質量部と0.1mol/リットル−Na 3PO4
溶液500質量部を投入し、回転数を12000rpm
に調整し、70℃に加温せしめた。ここに1.0mol
/リットル−CaCl2水溶液80質量部を添加し、微
小な難水溶性分散安定剤(リン酸カルシウム塩)を含む
水系分散媒体を調製した。
【0434】一方、分散質として、 ・スチレン 82質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 18質量部 ・カーボンブラック(BET比表面積=55m2/g) 10質量部 ・ワックス(エステルワックスNo.1) 5質量部 ・負荷電性制御剤(化合物[I]−1) 1.5質量部 上記混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時
間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)3質量部を添加し重合性単量体組成
物を調製した。
【0435】次に、前配水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温70℃の窒素雰囲気下で、高速
撹拌機の回転数を12000rpmに維持しつつ、10
分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え50rpmで撹拌
しながら同温度で4時間経過した時点で、次いで ・スチレンモノマー 28質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 2質量部 からなる重合性単量体混合物に重合開始剤として2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
1.2質量部を添加溶解させた。この溶液を定量ポンプ
(日本フィーダー製)を用いて、1時間かけて連続均等
滴下し、前記重合体粒子表面に吸着,被覆させ重合さ
せ、80℃に昇温しさらに6時間重合させた。
【0436】重合終了後、懸濁液を冷却し、次いで希塩
酸を添加し分散安定剤を除去せしめた。さらに水洗浄を
数回繰り返した後、乾燥させ、重合体粒子(A)を得
た。該重合体粒子(A)は、重量平均径が6.7μmで
あった。
【0437】上記重合体粒子(A)100質量部と疎水
性シリカ微粉体(BET;240m 2/g)1.5質量
部をヘンシェルミキサーで乾式混合して本発明のトナー
(A)とした。
【0438】トナー(A)の平均円形度は0.990、
円形度標準偏差は0.025、円相当個数平均径D1は
6.1μm、ピーク分子量は2.7万であった。
【0439】トナーの製造例2〜6 重合性単量体、ワックス、荷電制御剤の種類および添加
量、シード重合する単量体の種類および添加量、単量体
を添加するタイミングなどを変える以外はトナー製造例
1と同様にしてトナー(B)〜(F)を得た。トナー
(A)と併せて、使用した材料の種類と量を表2に、ト
ナーの分析結果を表3と4に示す。
【0440】トナーの比較製造例1〜4 重合性単量体、ワックス、荷電制御剤の種類および添加
量、シード重合する単量体の種類および添加量、単量体
を添加するタイミングなどを変える以外はトナー製造例
1と同様にしてトナー(G)〜(J)を得た。使用した
材料の種類と量を表2に、トナーの分析結果を表3と4
に示す。
【0441】
【表2】
【0442】
【表3】
【0443】
【表4】
【0444】<実施例11〜16、比較例3〜6>以
下、前述した製造例に従い製造したトナーの評価につい
て説明する。
【0445】中間転写ベルトを用いた画像形成装置の一
例の概略図を図9に示す。
【0446】図9は電子写真プロセスを利用したカラー
画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンタ
ー)である。
【0447】1は第1の画像担持体としてのドラム状の
電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、矢印
の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動
される。
【0448】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3による露光3を受ける。このよう
にして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエ
ロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0449】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分
像に現像される。この時第2〜第4の現像器、即ちマゼ
ンタ現像器42、シアン色現像器43、およびブラック
色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用
していないので、上記第1色のイエロー成分画像は上記
第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0450】中間転写ベルト20は矢印の方向に感光ド
ラム1と同じ周速度で回転駆動される。
【0451】感光ドラム1上に形成された上記第1色の
イエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写ベルト20
とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ62を
介してバイアス電源29から中間転写ベルト20に印加
される1次転写バイアスによって形成される電界によ
り、中間転写ベルト20の外周面に順次転写(1次転
写)されていく。
【0452】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。
【0453】以下、同様に第2色のマゼンタトナー画
像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナ
ー画像が順次中間転写ベルト20上に重ね合わせて転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。
【0454】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0455】トナー画像を感光ドラム1から中間転写ベ
ルト20へ転写するための1次転写バイアスは、トナー
とは逆極性でバイアス電源29から印加される。その印
加電圧は例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0456】感光ドラム1から中間転写ベルト20への
第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2
次転写ローラ63及び転写残トナー帯電部材52は中間
転写ベルト20から離間することも可能である。
【0457】中間転写ベルト20上に転写されたフルカ
ラー画像は、2次転写ローラ63が中間転写ベルト20
に当接され、給紙ローラ11から中間転写ベルト20と
2次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで
第2の画像担持体である転写材Pが給送され、2次転写
バイアスがバイアス電源28から2次転写ローラ63に
印加されることにより転写材Pに2次転写される。トナ
ー画像が転写された転写材Pは、定着器15(例えば図
10,11)へ導入され加熱定着される。
【0458】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20には転写残トナークリーニング装置50が当接
され、中間転写ベルト20の表面が清掃される。
【0459】このとき、加熱定着装置15の加熱体71
の検温素子71dの表面温度は130℃、加熱体71−
加圧ローラ73間の総圧は5kg、加圧ローラとフィル
ムのニップは3mmとし、定着フィルム72には、記録
材との接触面にPTFEに導電物質を分散させた低抵抗
の離型層を有する厚さ50μmの耐熱性ポリイミドフィ
ルムを使用した。
【0460】前記の画像形成装置を用いて、トナー担持
体面の移動速度が静電潜像担持体面の移動速度に対し、
120%となるように設定した。
【0461】次に現像器内にトナー(A)〜(J)を各
々充填し、この現像器のトナー担持体面の周速度が19
0mm/秒となるように設定した静電潜像担持体の配設
されていない現像器の駆動装置に装着し、高温高湿下で
100分間通紙をすることなく、現像器を回転させた後
に画像をプリントアウトさせた。
【0462】本実施例においては、画像形成装置として
図9に示す装置を用い、常温常湿(25℃、60%R
H)、高温高湿(30℃、80%RH)、及び低温低湿
(15℃、10%RH)環境下、28枚/分(A4サイ
ズ)のプリントアウト速度でトナー(A)〜(O)を単
色での連続モード(すなわち、現像器を休止させること
なくトナーの消費を促進させるモード)で20000枚
のプリントアウト試験を行なった。そして、得られたプ
リントアウト画像を後述の項目について評価した。
【0463】さらに、用いた画像形成装置と上記トナー
とのマッチングについても、プリントアウト試験終了後
に評価した。
【0464】[プリントアウト画像評価] (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に20000枚
プリントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。
尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社
製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリン
トアウト画像に対する相対濃度を測定した。 A:1.40以上, B:1.35以上、1.40未満, C:1.00以上、1.35未満, D:1.00未満
【0465】(2)画像カブリ 「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定した
プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色
度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを
評価した。 A:1.5%未満 B:1.5%以上、2.5%未満 C:2.5%以上、4.0%未満 D:4%以上
【0466】(3)ドット再現性 潜像電界によって電界が閉じやすく、再現しにくい図1
2に示すような小径(X=50μm)の孤立ドットパタ
ーンの画像をプリントアウトし、そのドット再現性を評
価した。 A:欠損2個以下/100個 B:欠損3〜5個/100個 C:欠損6〜10個/100個 D:欠損11個以上/100個
【0467】(4)定着性 定着性は50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙によ
り定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率
(%)で評価した。 A:5%未満 B:5%以上、10%未満 C:10%以上、20%未満 D:20%以上
【0468】(5)耐オフセット性 耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像を
プリントアウトし、5000枚後の画像上の汚れの程度
により評価した。 A:未発生 B:ほとんど発生せず C:若干発生した D:ひどく発生した
【0469】[画像形成装置マッチング評価] <1>現像スリーブとのマッチング プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留
トナーの固着の様子を目視で評価した。 A:未発生 B:ほとんど発生せず C:多少固着がある D:固着が多い
【0470】<2>感光ドラムとのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残
留トナーの固着の発生状況を目視で評価した。 A:未発生 B:わずかに傷の発生が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0471】<3>中間転写ベルトとのマッチング プリントアウト試験終了後、中間転写体表面の傷や残留
トナーの固着状況を目視で評価した。 A:未発生 B:表面に残留トナーの存在が認められる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0472】<4>定着装置とのマッチング プリントアウト試験終了後、定着フィルム表面の傷や残
留トナーの固着状況を目視で評価した。 A:未発生 B:わずかに固着が見られる C:固着や傷がある D:固着が多い
【0473】<5>耐ブロッキング性評価 50mlのポリカップにトナー10gを入れ、50℃に
設定した熱風乾燥器中に1週間静置した後、取り出した
ポリカップをゆっくりと回転させた際の放置トナーの様
子を目視で評価した。 A:流動性が損なわれていない。 B:流動性が低下しているものの、カップの回転に従
い、徐々に流動性を回復する。 C:凝集物が見られるものの針で突けばほぐれる。 D:針で突いてもほぐれない程に粒状化、或いはケーキ
ング。
【0474】評価結果を表5〜8にまとめる。
【0475】
【表5】
【0476】
【表6】
【0477】
【表7】
【0478】
【表8】
【0479】[複合酸化物粒子製造例a〜e]FeSO
4とNaOHとを含む第一鉄塩水溶液にMnSO4を加
え、加温して、空気を通気することにより、Fe及びM
nを含有する複合酸化物粒子の懸濁液を得た。その後、
濾過、水洗、乾燥、解砕、焼成の工程を経て、以下の表
9に示すような複合酸化物粒子a〜fを得た。
【0480】複合酸化物粒子に係る物性の測定方法は以
下の通りである。
【0481】(1)トナーの窒素吸着比表面積(BET
比表面積)の測定方法 本発明に係わるトナーの窒素吸着比表面積はBET法に
従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオ
ニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、
BET多点法を用いて比表面積を算出した。
【0482】(2)複合酸化物中のFeとMnの原子数
比の測定 本発明に係わるトナーに使用される複合酸化物に含有さ
れるFeとMnの原子数比は下記の方法によって測定す
る。
【0483】ビーカーに複合酸化物0.2gを採取し、
12規定塩酸水溶液15mlを加え、加熱し撹拌しなが
らすべてが溶解して透明になるまで反応を続ける。得ら
れた液に水を加えて100mlとし、このサンプル液を
用いてプラズマ発光分光(ICP)によって、FeとM
nの金属元素の溶解量を測定する。そして、FeとMn
の金属元素の標準液を同様にして測定した検量線を用い
て原子数比を計算する。
【0484】また、場合によっては、pH10程度の水
酸化ナトリウム水溶液中で複合酸化物表面の付着物等を
洗浄・除去した後に、上記のようにプラズマ発光分光に
よってFeとMnの金属元素の含有量を測定すればよ
い。
【0485】なお、トナーに含有されている複合酸化物
を分析する場合には、トナーの樹脂成分を溶解するキシ
レンのごとき有機溶剤とトナーとを混合し、トナーの樹
脂成分を溶解した溶液を孔径0.1μmのメンブランフ
ィルターで濾過し、フィルター上に残留する複合酸化物
を採取する。採取された複合酸化物を500℃の雰囲気
中で処理して有機成分を除去した後、得られた複合酸化
物を上述の方法で分析することにより、FeとMnの金
属元素の含有量が測定され、原子数比が計算される。
【0486】(3)複合酸化物粒子の平均径の測定方法 複合酸化物の平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測
定した。
【0487】即ち、測定粉体サンプルを透過型電子顕微
鏡で観察し、視野中の100個の粒子径を測定して、平
均粒径を求めた。
【0488】(4)トナー中の複合酸化物の含有量の測
定方法 トナー中の複合酸化物の含有量の測定は、パーキンエル
マー社製熱分析装置、TGA7、で測定した。測定方法
は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温か
ら900℃まで、トナーを加熱し、100℃から750
℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とした。トナー全体
(100質量%)からこの結着樹脂量を差し引いた残り
を近似的にトナー中の複合酸化物の含有量とした。
【0489】
【表9】
【0490】[表面処理複合酸化物製造例1]エポキシ
樹脂を溶かしたキシレン溶液を調製し、処理液とした。
複合酸化物粒子aに対しエポキシ樹脂量が2質量部とな
るように複合酸化物粒子aと処理液を混合した後、加熱
乾燥によりキシレンを除去し、解砕後、表面処理複合酸
化物1を得た。
【0491】[表面処理複合酸化物製造例2、3]エポ
キシ樹脂に代えて、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、又はn−デシルトリメトキシシランを用い、表面処
理複合酸化物製造例1と同様にして、表面処理複合酸化
物2及び3を得た。
【0492】[表面処理複合酸化物製造例4〜8]複合
酸化物粒子aに代えて複合酸化物粒子b〜fを用い、処
理剤としてn−デシルトリメトキシシランを用いて表面
処理複合酸化物4〜8を得た。
【0493】得られた表面処理複合酸化物1〜8の物性
を、表10に示す。
【0494】
【表10】
【0495】[表面処理複合酸化物製造例9、10]複
合酸化物粒子aを、pH10又はpH6に調整した水溶
液中に分散させ、n−デシルトリメトキシシランを加え
て撹拌し、濾過、加熱乾燥後、解砕し、表面処理複合酸
化物9、10を得た。
【0496】得られた表面処理複合酸化物9、10の物
性を表11に示す。
【0497】
【表11】
【0498】 [トナー製造例7] (樹脂)スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100質量部 (共重合比80:20) (着色剤)表面処理複合酸化物1 50質量部 (荷電制御剤)モノアゾ染料とFeとの化合物 2質量部 (離型剤)エステルワックス(軟化点75℃) 5質量部 上記材料をあらかじめ混合し、二軸押し出し機にて12
0℃で溶融混練を行った。この溶融混練物をハンマーミ
ルにて粗砕し、1mmメッシュパスのトナー粗砕物を得
た。さらにこの粗砕物をジェット気流を利用した衝突式
粉砕機で微粉砕した後、風力分級し、重量平均粒径9.
5μmの黒色粉砕粒子を得た。得られた黒色粉砕粒子1
00質量部に対して、アナターゼ型酸化チタン母体の表
面をシランカップリング剤で疎水化処理して比表面積が
約100m2/gとなっている疎水性酸化チタンを1.
0質量部を外添し、トナー1を得た。
【0499】[トナー製造例8]2リットル用四つ口フ
ラスコ中のイオン交換水710gに、0.1M−Na3
PO4水溶液200gを投入し、60℃に加温した後、
高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を
用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0
M−CaCl2水溶液30gを徐々に添加し、微小な難
水溶性分散安定剤を含む水系分散媒体を得た。
【0500】一方、分散質として (モノマー)スチレン 60g n−ブチルアクリレート 40g (着色剤)表面処理複合酸化物1 100g (荷電制御剤)モノアゾ染料とFeとの化合物 2g (離型剤)エステルワックス(軟化点75℃) 10g (その他)飽和ポリエステル樹脂 10g 上記処方のうち、着色剤と荷電制御剤とスチレンだけを
エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて予備混合を
行った。次に上記処方すべてを60℃に加温し、溶解、
分散して単量体混合物とした。さらに、60℃に保持し
ながら、開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)8gを加えて溶解し、単量体組成物を
調製した。
【0501】前記ホモミキサーの2リットルフラスコ中
で調製した水系分散媒体に、上記単量体組成物を投入し
た。60℃で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用
いて、8000rpmで20分間撹拌し、単量体組成物
を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃
で6時間反応させた後、80℃で10時間重合させた。
【0502】重合反応終了後反応生成物を冷却し、塩酸
を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過、水洗、乾燥
することにより、重量平均径約9.4μmの黒色懸濁粒
子を得た。
【0503】得られた黒色懸濁粒子100質量部に対し
て、トナー製造例7で用いた疎水性酸化チタンを1.0
質量部外添し、トナー2を得た。
【0504】[トナー製造例9]水系中の難水溶性分散
安定剤の濃度を高くする以外はトナー製造7と同様にし
て、重量平均径約6.9μmの黒色懸濁粒子を得た。得
られた黒色懸濁粒子100質量部に対して、トナー製造
例1で用いた疎水性酸化チタンを1.3質量部外添し、
トナー3を得た。
【0505】[トナー製造例10〜17]着色剤とし
て、表面処理複合酸化物2〜8、複合酸化物粒子aを用
いる以外は、トナー製造例9と同様にして、トナー10
〜17を得た。
【0506】[トナー製造例18〜21]着色剤として
表面処理複合酸化物9、10、3、複合酸化物粒子aを
用い、トナー製造例9と同様の手法により黒色懸濁粒子
を得た後、外添剤としてBET法による比表面積が20
0m2/gであるシリカ母体の表面をシランカップリン
グ剤及びシリコーンオイルで疎水化処理して比表面積が
120m2/gとなっている疎水性シリカを1.3質量
部外添して、トナー18〜21を得た。得られたトナー
を、以下の表12にまとめて示す。
【0507】
【表12】
【0508】<実施例17〜25>最初に、本発明のト
ナーを二成分現像剤として用いた実験について説明す
る。
【0509】キャリアとしては、シリコーン樹脂をキャ
リア芯材に対し0.5質量部コートしたフェライトキャ
リア(平均粒径39μm)を使用し、現像剤中のトナー
濃度が6%となるよう混合して現像剤を作製し、電子写
真用複写機CLC−700(キヤノン製)を使用して、
温度30℃/湿度90%の環境下において、画像面積比
率20%のオリジナル原稿を用い、白黒画像のみで10
000枚の耐刷試験を行った。
【0510】トナー5を用いて、この耐刷試験を行った
ところ、初期から耐刷試験終了までトナーの帯電量はほ
ぼ一定の値を示し、高い画像濃度と高精細な画質が安定
して得られた。また、カブリやトナー飛散も全く見られ
なかった。耐刷試験終了後、現像器内に存在するトナー
中の複合酸化物含有量をTGAにより分析したところ、
トナー全体に対し約30質量%という値が得られ、初期
の値、約31質量%、から殆ど変化していなかった。
【0511】以下、トナー1〜4、トナー6、トナー8
〜10についても同様の耐刷試験を行い、ほぼ満足しう
る結果が得られた。
【0512】以上の結果を、表13にまとめて示す。
【0513】<比較例7、8>トナー7について、実施
例17と同様の耐刷試験を行ったところ、トナーの帯電
量が徐々に低下し、画像濃度の低下やカブリの悪化、及
び機械本体内部にはトナー飛散も見られた。頻繁にメン
テナンスを行いながらの耐刷試験終了後、現像器内に存
在するトナー中の複合酸化物含有量をTGAにより分析
したところ、トナー全体に対し約12質量%という値で
あった。
【0514】着色剤として用いた複合酸化物中にMnが
含有されていないため、着色力が低いこと、また、表
面処理剤の接着性が悪く、トナー製造時に表面処理剤が
複合酸化物から剥がれてしまい、疎水性が上がらなか
ったこと、複合酸化物の分散が悪いため現像時のトナ
ー選択性が良くないこと、等が原因と考えられる。
【0515】また、トナー11についても同様の耐刷試
験を行った。
【0516】以上の結果を表13に示す。
【0517】
【表13】
【0518】<実施例26〜28、比較例9>次に、本
発明のトナーを一成分現像剤として用いた実験について
説明する。
【0519】まず、画像形成装置について説明する。
【0520】本発明において、市販のレーザービームプ
リンターLBP−SX(キヤノン製)を図13に示す如
く改造して用いた。すなわち、プロセスカートリッジ部
分の鉄ブレードをウレタンゴム製の弾性ブレード29に
変え、現像剤担持体35に内包されている磁石を取り除
いて、塗布ローラ26およびクリーニング用ローラ36
を設置した。さらに、感光体の周速に対する現像剤担持
体の周速の周速比は200%にしてある。
【0521】以下、さらに詳細に説明する。
【0522】図13に、潜像保持体上に形成された静電
像を現像する装置の概略を示す。一次帯電器31でOP
C感光体23表面を負極性に帯電し、レーザ光による露
光25によりイメージスキャニングによりデジタル潜像
を形成し、カウンター方向に設置されたウレタンゴム性
の弾性ブレード29および現像スリーブ35を具備する
現像装置により、一成分系現像剤33で該潜像を反転現
像する。現像部において感光ドラム23の導電性基体と
現像スリーブ35との間で、バイアス印加手段32によ
り交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイア
スが印加されている。転写紙Pが搬送されて、転写部に
くると静電的転写手段24により転写紙Pの背面(感光
ドラム側と反対面)から帯電をすることにより、感光ド
ラム表面上の現像画像(トナー像)が転写紙P上へ静電
転写される。感光ドラム23から分離された転写紙P
は、定着ローラ27から構成される定着装置により転写
紙P上のトナー画像を定着するために定着処理される。
また、転写工程後の感光ドラム23に残留する現像剤
は、クリーニングブレード28を有するクリーニング器
34で除去される。本実験においては、さらに、クリー
ニング用ローラ36を設けている。クリーニング後の感
光ドラム23は、イレース露光37により除電され、再
度、一次帯電器31による帯電工程から始まる工程が繰
り返される。
【0523】本実験に使用される現像バイアスとして
は、直流バイアス(−400V)に交流バイアス(周波
数3200Hz、ピーク間電圧1800Vの矩形波)を
畳重したものを用いた。また、静電潜像担持体上の暗部
電位、及び明部電位はそれぞれ−600V、及び−15
0Vに設定して画出しを行った。
【0524】転写材Pとしては、75g/m2の紙を用
いた。
【0525】以上の画像形成条件下にて、温度30℃/
湿度80%の条件下で、印字面積比率5%の文字印刷で
の2000枚の耐刷試験を行った。
【0526】ここで、耐刷試験初期の解像力は潜像電界
によって電界が閉じやすく、再現しにくい600dpi
における小径孤立1ドットの再現性によって評価した。 ◎非常に良好:100個中の欠損が5個以下 ○良好:100個中の欠損が6〜10個 △実用可:100個中の欠損が11〜20個 ×実用不可:100個中の欠損が20個以上
【0527】トナー12〜15を用いて耐刷試験を行っ
た結果を表14に示す。
【0528】<実施例26>下記のようにして、水系分
散媒及び重合性単量体組成物をおのおの調製した。
【0529】(水系分散媒の調製)内容積20リットル
の容器中で、下記の成分を混合し、60℃に加温した
後、高速回転剪断撹拌機クレアミックス(エム・テクニ
ック(株)製)を用いて回転数15000回転/分で撹
拌した。 水 97.4質量% Na3PO4 1.0質量% 塩酸 1.0質量% 次に、容器内を窒素置換すると共に、これにCaCl2
0.6質量%を添加して反応させ、Ca3(PO42
微粒子を含む水系分散媒を得た。得られた水系分散媒の
pHは5.8であった。
【0530】 (重合性単量体組成物の調製) スチレン単量体 63.9質量% n−ブチルアクリレート単量体 13.1質量% キナクリドン系顔料 6.2質量% テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA 3.9質量% 4,4’−ジビニルビフェニル 0.2質量% ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.8質量% エステルワックス(離型剤No.5融点:73℃) 9.6質量% 上記した成分のうちスチレン単量体の一部、キナクリド
ン系顔料、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウ
ム化合物を混合し、アトライター(三井三池工業(株)
製)を用い3時間分散させた後、スチレン単量体の残
部、その他の組成物を加えて60℃に加温して十分に相
溶するまで混合した。その後、これに重合開始剤である
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)2.3質量%を添加して重合性単量体組成物とし
た。
【0531】上記で調製した水系分散媒中に、上記で調
製した重合性単量体組成物を投入して、クレアミックス
の回転数を15000回転/分とし3分間撹拌し造粒を
行った。その後クレアミックスを停止し、引き続き通常
の撹拌羽根を用いて回転数50回転/分、液温60℃で
重合を継続させた。5時間後、重合温度を80℃に昇温
し、加熱撹拌を5時間継続して重合を完了させた。反応
物が降温した後、希塩酸を添加して分散剤を溶解し、固
液分離後、水洗、ろ過、乾燥することにより重合トナー
粒子を得た。トナー粒子の粒度分布を測定したところ、
D4平均径が7.0μmであり粒度分布もシャープであ
り、摩擦帯電量は−40(μC/g)と高い値を示し
た。
【0532】次に、得られたトナー粒子に疎水性シリカ
を外添し、アクリル樹脂で被覆したフェライトキャリア
を混合して二成分系の現像剤とした。高温/高湿下で2
0000枚の画出し試験を行ったところ、カブリは0.
3%で終始画像濃度に変動もムラもなく、鮮明且つ定着
性の優れた画像が安定して得られた。このとき、感光ド
ラムヘの融着や現像器内でのブロッキング、キャリアや
現像スリーブなどの汚染も認められなかった。またOH
Pシート上の定着画像の透明性は非常に良好であった。
【0533】<比較例9>4,4’−ジビニルビフェニ
ルのかわりにジビニルベンゼンを用いた以外は実施例2
6と全く同様にしてトナーを得た。D4平均径は7.5
μm、摩擦帯電量は−32(μC/g)であった。高温
/高湿下で20000枚の画出し試験を行ったところ、
カブリは1.0%で画像濃度に変動やムラはなかった
が、感光ドラムヘの若干の融着が発生し、それに起因す
る画像欠陥が認められた。OHPシート上の定着画像の
透明性は良好であった。
【0534】<実施例27>エステルワックスのかわり
にポリエチレンワックス(融点125℃)を用いた以外
は実施例26と全く同様にしてトナーを得た。D4平均
径は7.7μm、摩擦帯電量は−28(μC/g)であ
った。高温・高湿下で20000枚の画出し試験を行っ
たところ、カブリは0.6%で画質は良好であった。感
光ドラムヘの融着や現像器内でのブロッキング、キャリ
アや現像スリーブなどの汚染は認められなかった。OH
Pシート上の定着画像の透明性は実施例26と比べ若干
劣っていた。
【0535】<実施例28>水系分散媒の調製時に塩酸
を用いない以外は、実施例26と全く同様にしてトナー
を得た。水系分散媒調製時のpHは9.2であった。D
4平均径は6.9μm、摩擦帯電量は−33(μC/
g)であった。高温・高湿下で20000枚の画出し試
験を行ったところ、カブリは0.8%で画質は良好であ
った。OHPシート上の定着画像の透明性も良好であっ
たが、現像器からのトナー飛散がわずかに認められた。
【0536】
【表14】
【0537】(トナーの製造例22)高速撹拌装置クレ
アミックス(エムテクニック社製)を具備した2リット
ル用4つ口フラスコ中に、イオン交換水700gと0.
1mol/L−Na3PO4水溶液750gを投入し、高
速撹拌装置の回転数を15000rpmに設定し、60
℃に加温せしめた。ここに1.0mol/L−CaCl
2水溶液70質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤C
3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0538】一方、分散質として、 ・スチレン単量体 61質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 19質量部 ・ジビニルベンゼン単量体 0.1質量部 ・カーボンブラック(粒子径=55nm、pH=7.5) 7質量部 ・ポリカーボネート樹脂(分子量ピーク=6000) 4質量部 ・エステルワックス(融点=65℃) 5質量部 からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い
3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)3質量部を添加し、重合性単量
体組成物を調製した。
【0539】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温60℃のN 2雰囲気下で、高速
撹拌装置の回転数を15000rpmを維持しつつ、1
5分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌装置をパドル撹拌羽根を具備したものに換え、
80rpmで撹拌しながら同温度に保持し、重合性ビニ
ル系単量体の重合転化率が50%に達したところで、 ・スチレン単量体 20質量部 ・下記の内容のフェノール誘導体縮合混合物 3質量部 前記環状縮合物(A1−4):70質量% 前記鎖状縮合物(B1−4):30質量% からなる溶解混合液を前記水系分散媒体中に滴下し、重
合が進行中の重合性単量体組成物の造粒粒子に吸収させ
た。その後、反応温度を80℃に昇温し、重合転化率が
ほぼ100%になったところで重合反応を完了した。
【0540】重合終了後、加熱減圧下で残存モノマーを
留去し、次いで、冷却後に希塩酸を添加して難水溶性分
散剤を溶解せしめた。更に水洗浄を数回繰り返した後、
円錘型リボン乾燥機(大川原製作所製)を用い、乾燥処
理を行い、重合体粒子(5A)を得た。
【0541】上記重合体粒子(5A)100質量部と疎
水性オイル処理シリカ微粉体(BET:200m2
g)2質量部をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で
乾式混合して、本発明のトナー(5A)とした。
【0542】該トナー(5A)の円相当個数平均径は
5.8μmで、円形度頻度分布における平均円形度は
0.988、円形度標準偏差は0.027、円形度が
0.950未満のトナー粒子は6個数%で、GPCによ
る分子量分布で、ピーク分子量が2.0万、Mw/Mn
が15であった。
【0543】また、トナー(5A)中の重合性単量体の
総残存量は77ppm(スチレン単量体:60ppm、
2−エチルヘキシルアクリレート単量体とジビニルベン
ゼン単量体:0ppm)であった。更に、ワックス成分
の分散状態をTEMで観察したところ、図14(a)の
模式図の様に結着樹脂中に実質的に球状を呈して分散し
ていた。
【0544】(トナーの製造例23〜25、及び比較用
トナーの製造例1、2)フェノール誘導体縮合物とワッ
クス成分の種類と添加量を変更する以外は、前記実施例
1と同様にして、重合体粒子(5B)〜(5D)を得た
後、本発明のトナー(5B)〜(5D)、及び比較用ト
ナー(5a)と(5b)を調製した。
【0545】それぞれのトナーの製造例におけるフェノ
ール誘導体縮合物とワックス成分の種類と添加量を表1
5にまとめた。
【0546】
【表15】
【0547】(トナーの比較製造例3)下記材料を予め
混合物し、二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却し
た混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェッ
トミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を分級して分級粉
(5c)とした。 ・スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−ジビニルベンゼン樹脂 (ピーク分子量=2.0万、Mw/Mn=5.5、Tg=60℃)100質量部 ・トナーの製造例22で用いたカーボンブラック 7質量部 ・トナーの製造例22で用いた不飽和ポリエステル 4質量部 ・トナーの製造例22で用いたワックス成分 5質量部 ・フェノール誘導体(環状縮合物:A1−6) 3質量部
【0548】該分級粉(5c)を用い、前記トナーの製
造例22と同様にして、比較用トナー5c)、更には、
比較用現像剤(5c)を調製した。
【0549】尚、比較用トナー(5c)中には、揮発成
分として結着樹脂に由来するスチレンモノマーが120
ppm,2−エチルヘキシルアクリレートモノマーが1
2ppm残留していた。また、ワックス成分は微分散し
ていた。
【0550】上記のトナーの製造例で得られた本発明の
トナー(5A)〜(5D)、及び比較用トナー(5a)
〜(5c)の諸性状を表16にまとめて示した。
【0551】
【表16】
【0552】(トナーの製造例26〜29)着色剤とフ
ェノール誘導体縮合物の種類と添加量を変更すると共
に、残存モノマーの留去時の温度と減圧度と処理時間、
円錐型リボン乾燥機の設定温度と撹拌条件と処理時間を
変更する以外は前記のトナーの製造例22と同様にし
て、重合体粒子(5E)〜(5H)を得た後、本発明の
トナー(5E)〜(5H)を調製した。
【0553】それぞれのトナーの製造例における着色剤
とフェノール誘導体縮合物とワックス成分の種類と添加
量、及び、得られた本発明のトナー(5E)〜(5H)
の諸性状を表17にまとめて示した。
【0554】
【表17】
【0555】(感光体製造例1)直径30mm、長さ2
54mmのアルミニウムシリンダーを基体とした。この
基体に、次に示す構成の層を順次浸漬塗布により積層し
て、感光体ドラム(1)を作製した。
【0556】(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタ
ンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚15μm。 (2)下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主
体とする。膜厚0.6μm。 (3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つアゾ顔料をブ
チラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6
μm。 (4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化
合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法によ
る分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主
体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2
μm)を総固形分に対して10質量%添加し、均一に分
散した。膜厚25μm。
【0557】得られた感光体ドラム(1)の表面の水に
対する接触角は95度であった。
【0558】接触角の測定は、純水を用い、装置は、協
和界面科学(株)、接触角計CA−DS型を用いた。
【0559】(感光体製造例2)電荷輸送層にポリ4フ
ッ化エチレン粉体(粒径0.2μm)を添加しなかった
ことを除いては感光体製造例1と同様にして膜厚25μ
mの電荷輸送層を形成し、感光体ドラム(2)を作製し
た。
【0560】得られた感光体ドラム(2)の表面の水に
対する接触角は79度であった。
【0561】<実施例29>画像形成装置として600
dpiのレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP
−8Mark IV)を用意した。この装置を改造し、
プロセススピード80mm/s(トナー担持体スピード
可変)、LTRサイズ紙で毎分12枚プリントした。図
22に示すように、この装置は直流及び交流成分を印加
した帯電ローラ31を用い感光体ドラム36(30φ)
を一様に帯電する。このとき、直流成分は定電圧に制御
し、交流成分は定電流に制御する。帯電に次いで、レー
ザー光40で画像部分を露光することにより静電潜像を
形成し、トナー30により可視画像としてトナー画像を
形成した後に、電圧を印加した転写ローラ37によりト
ナー画像を転写材38に転写するプロセスを持つ。
【0562】次に、プロセスカートリッジにおける現像
容器32を改造した。トナー供給体であるマグネットを
内包したアルミニウムスリーブの代わりにカーボンブラ
ックを分散して抵抗を調整したシリコーンゴムからなる
中抵抗ゴムローラ(16φ)をトナー担持体34とし、
感光体36に当接した。トナー担持体34の表面の移動
方向及び回転周速は、感光体ドラム表面との接触部分に
おいて同方向であり、該感光体ドラム回転周速に対し1
50%となるように駆動する。つまり、トナー担持体の
周速は120mm/sであり、感光体表面に対する相対
速度は80mm/sである。
【0563】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像部分に塗布ローラ35を設け、該トナー担持体
に当接させた。接触部において、塗布ローラ35の表面
の移動方向が、トナー担持体の移動方向と反対方向に移
動するように回転させることによりトナーをトナー担持
体上に塗布した。さらに、該トナー担持体上トナーのコ
ート層制御のために、樹脂をコートしたステンレス製ブ
レード33を取付けた。クリーニング部材39としてウ
レタンゴムからなるブレードを用いてある。
【0564】感光体としては、(感光体製造例1)で製
造した感光体ドラム(1)を用い、以下の現像条件を満
足するようプロセス条件を設定した。 感光体暗部電位 −700V 感光体明部電位 −150V 現像バイアス −450V(直流成分のみ)
【0565】トナー(5A)を用い、常温常湿(25℃
/60RH%)環境下で、初期より印字面積比率4%の
文字画像を連続して100枚分プリントアウトし、画像
評価と帯電不良による画像汚れを評価したが、画像濃
度、画像飛び散り、画像中抜け、画像カブリ、ドット再
現性、及び画像ゴーストはいずれも良好であった。ま
た、クリーニング不良の発生も見られなかった。
【0566】更に、初期100枚時の画像評価終了後、
低温低湿(15℃/10RH%)環境下で連続して50
00枚分プリントアウトし、再度、画像評価を行った
が、初期100枚時と同等の画像品質を得た。また、ト
ナー層厚規制ブレード、感光体ドラム、クリーニングブ
レード共に観察したが、トナーの固着もなく交換するこ
とを必要としなかった。また、定着性についても全く問
題がなかった。
【0567】(評価方法) (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に一辺が5mm
の正方形のベタ黒画像をプリントアウトし、「マクベス
反射濃度計RD918」(マクベス社製)を用いて、原
稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対
する相対濃度を測定した。 A:1.40以上 B:1.35以上、1.40未満 C:1.00以上、1.35未満 D:1.00未満
【0568】(2)画像飛び散り グラフィカルな画像の画質に関わる微細な細線での飛び
散り評価であり、文字画像における飛び散りよりも、よ
り飛び散り易い1ドットライン画像を普通紙(75g/
2)にプリントアウトした際のライン画像の再現性と
周辺部へのトナーの飛び散りを目視で評価した。 A:ほとんど発生せず、良好なライン再現性を示す B:軽微な飛び散りが見られる C:若干の飛び散りが見られるが、ライン再現性に対す
る影響は少ない D:顕著な飛び散りが見られ、ライン再現性に劣る
【0569】(3)画像中抜け 図16(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙(12
8g/m2)にプリントアウトした際の文字部の中抜け
(図16(b)の状態)を目視で評価した。 A:ほとんど発生せず B:軽微な中抜けが見られる C:若干の中抜けが見られる D:顕著な中抜けが見られる
【0570】(4)画像カブリ ベタ白画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイ
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD
918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラー
テープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引い
た数値を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリ
が抑制されていることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上0.07未満 C:0.07以上、1.00未満 D:1.00以上
【0571】(5)ドット再現性 潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図12
に示す様な小径(X=50μm)の孤立ドットパターン
の画像をプリントアウトし、そのドット再現性を評価し
た。 A:100個中の欠損が2個以下 B:100個中の欠損が3〜5個 C:100個中の欠損が6〜10個 D:100個中の欠損が11個以上
【0572】(6)画像ゴースト 図17(A)に示した幅aで長さ1のベタ黒の帯状画像
Xをプリントアウトした後、図17(B)に示した幅b
(>a)で長さ1のハーフトーン画像Yをプリントアウ
トした際、該ハーフトーン画像上に現れる濃淡差(図1
7(C)のA、B、Cの部分)を目視で評価した。 A:濃淡差が全く見られない B:BとCの部分で軽微な濃淡差がみられる C:A、B、Cの各々で若干の濃淡差がみられる D:顕著な濃淡差が見られる
【0573】(7)トナー層厚規制ブレードとのマッチ
ング プリントアウト試験終了後、トナー層厚規制ブレードヘ
の残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影
響を目視で評価した。 A:固着は未発生 B:汚染が発生しているが、固着はほとんど発生せず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像ムラを生じる
【0574】(8)感光体ドラムとのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷やト
ナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視
で評価した。 A:固着は未発生 B:表面に傷が発生しているが、固着はほとんど発生せ
ず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる
【0575】(9)クリーニングブレードとのマッチン
グ プリントアウト試験終了後、クリーニングブレード表面
の傷や残留トナーの固着状況とプリントアウト画像への
影響を目視で評価した。 A:固着は未発生 B:表面に傷が発生しているが、固着はほとんど発生せ
ず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像欠陥を生じる
【0576】評価結果を表18に示す。
【0577】<実施例30>下記以外は実施例29と同
様にして行った。
【0578】トナー担持体の表面の移動方向が、感光体
ドラムの表面との接触部分において同方向であり、該感
光体ドラムの回転周速に対し200%となるように駆動
した。該トナー担持体の周速は160mm/sであり、
感光体表面に対する相対速度は80mm/sである。
【0579】また、以下の現像条件を満足するようプロ
セス条件を設定した。 現像バイアス −500V(直流成分のみ)
【0580】トナーを補給しつつ5000枚の耐久試験
を行ったが、画像濃度等、いずれも良好であり、クリー
ニング不良も発生せず、初期と同等の画像品質を得た。
また、規制ブレード、感光体ドラム、クリーニングブレ
ード共に観察したが、固着等もなく交換することを必要
としなかった。評価結果を表18に示す。
【0581】<実施例31〜33>トナーとして、トナ
ー(5B)〜(5D)を使用する以外は実施例29と同
様にして評価した。結果は表18に示すように、概ね良
好な結果を得た。
【0582】<比較例10>実施例29において、比較
用トナー(5a)と感光体製造例2の感光体ドラム
(2)を用いたことを除いては同様の試験を行った。
【0583】以下の現像条件を満足するようプロセス条
件を設定した。 現像バイアス −350V(直流成分のみ)
【0584】低温低湿環境下でプリントアウト試験を実
施中にクリーニング不良が発生した。クリーニング不良
が発生する度に、クリーニングブレードを清掃しながら
5000枚までプリントアウトを続けたところ、ベタ黒
画像の一部に感光体周期でトナー融着に起因する白ポチ
が発生した。
【0585】そこで感光体を交換したところ白ポチは消
えたが、画像濃度は初期のレベルまでは回復しなかっ
た。50μmの孤立ドットの再現が不十分でライン画像
も飛び散りが目立つものであった。その結果を表18に
示した。
【0586】<比較例11〜13>トナーとして、比較
用トナー(5a)〜(5c)を使用することを除いては
実施例29と同様にして評価した。結果は表18に示す
ように、本発明中の特定の構造を有するフェノール誘導
体縮合物を特定の含有比率で用いていないため、良好な
結果が得られなかった。
【0587】
【表18】
【0588】<実施例34>実施例29で用いた電子写
真装置において、現像容器32中のトナー塗布ローラ3
5として、単層構造のスポンジローラを用い、このトナ
ー塗布ローラ35に図示されていないバイアス印加手段
からバイアス電圧を印加するように変更することを除い
ては、実施例29と同様にして実施例29と同様にして
画像形成を行ない評価を行なった。
【0589】この現像時の現像ローラ34には現像バイ
アス電圧として、直流成分のみを−300Vを印加し、
トナー塗布ローラ35には塗布バイアス電圧として直流
成分のみを−450V印加した。
【0590】実施例29と同様に評価したところ、画像
濃度等、いずれも安定して良好であり、クリーニング不
良も発生せず、優れた画像品質を得た。画像形成装置と
のマッチングも良好であった。
【0591】<実施例35>トナー(5E)〜(5H)
を図23に示す画像形成装置の現像器54〜57のそれ
ぞれを用いてフルカラーの画像形成を行なった。
【0592】画像形成装置には、図23に示す通り、第
1の転写工程後、感光体表面に残存するトナーを除去す
るための第1のクリーニング手段として、感光体表面に
当接するクリーニング部材を有するクリーナーが第1の
転写部と感光体を帯電する帯電部との間に設けられてお
り、さらに、第2の転写工程後、中間転写体表面に残存
するトナーを除去するための第2のクリーニング手段と
して、中間転写体表面に当接するクリーニング部材を有
するクリーナーが第2の転写部より下流側であり、第1
の転写部よりも下流側に設けられている。
【0593】現像器54〜57としては、図23に示す
現像器8の構成のものを用いた。
【0594】カーボンブラックを分散して抵抗を調整し
たシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラ(16φ)
をトナー担持体9とし、感光体に当接した。トナー担持
体9の表面の移動方向及び回転周速は、感光体表面との
接触部分において同方向であり、該感光体回転周速に対
し150%となるように駆動する。つまり、トナー担持
体の周速は120mm/sであり、感光体表面に対する
相対速度は80mm/Sである。
【0595】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、単層構成のスポンジローラを塗布ローラ12として
設け、該トナー担持体に当接させた。接触部において、
塗布ローラの表面の移動方向がトナー担持体の移動方向
と反対方向に移動するように回転させることによりトナ
ーをトナー担持体上に塗布した。さらに、該トナー担持
体上トナーのコート層制御のために、樹脂をコートした
ステンレス製ブレード16を取付けた。
【0596】感光体としては、(感光体製造例1)で製
造した感光体ドラム(1)を用い、以下の現像条件及び
転写体を満足するよう画像形成条件を設定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V 現像ローラに印加する現像バイアス:−450V(直流
成分のみ) トナー塗布ローラに印加するバイアス:−300V(直
流成分のみ) 第1の転写工程で中間転写性に印加する転写バイアス:
300V(直流成分のみ) 第2の転写工程で転写ローラに印加する転写バイアス:
1000V(直流成分のみ)
【0597】上記の画像形成条件によって、記録材上に
転写されたトナー画像は、以下の加熱定着装置によっ
て、記録材に加熱定着した。
【0598】加熱定着装置70にはオイル塗布機能のな
い熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ
68、下部ローラ69共にフッ素系樹脂の表面層を有す
るものを使用し、ローラの直径は60mmであった。ま
た、定着温度は150℃、ニップ幅を7mmに設定し
た。
【0599】上記の構成の画像形成装置を用いて、30
00枚の連続画出し試験を行なったところ、高濃度で画
像汚れのない高品位なフルカラー画像が得られた。
【0600】また、画像形成装置とのマッチングも良好
であった。
【0601】<実施例36>トナー(5E)にキャリア
を混合して二成分系現像剤を調製し、図20及び図21
に示す画像形成装置に、この二成分系現像剤を用いてプ
ロセススピード180mm/secで画像形成を行なっ
たところ高濃度で画像汚れのない高品質の画像が得られ
た。また画像形成装置とのマッチングもまったく問題が
なかった。
【0602】評価は、実施例29と同様にして行なっ
た。
【0603】上記の二成分系現像剤のキャリアとしては
平均粒径60μmの表層をシリコーン系樹脂でコートし
たフェライトキャリアを用い、トナー濃度は6%に設定
した。
【0604】評価結果を表19に示す。
【0605】<実施例37>感光体として、感光体製造
例2の感光体ドラム(2)を使用する以外は実施例36
と同様にして評価した。結果は表19に示すように、実
施例36と比較するとやや劣るものの、概ね良好な結果
を得た。
【0606】<実施例38〜40>トナーとして、(5
F)〜(5H)を使用する以外は実施例36と同様にし
て評価した。結果は表19に示すように、概ね良好な結
果を得た。
【0607】<比較例14>トナーとして、比較用トナ
ー(5c)を使用する以外は実施例36と同様にして評
価した。結果は表19に示すように、本発明中の特定の
構造を有するフェノール誘導体縮合物を特定の含有比率
で用いていないため、良好な結果が得られなかった。
【0608】
【表19】
【0609】(トナーの製造例30)高速撹拌装置クレ
アミックス(エムテクニック社製)を具備した2リット
ル用4つ口フラスコ中に、イオン交換水700gと0、
1mol/L−Na3PO4水溶液800gを投入し、高
速撹拌装置の回転数を15000rpmに設定し、65
℃に加温せしめた。ここに1.0mol/L−CaCl
2水溶液70質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤C
3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0610】一方、分散質として、 ・スチレン単量体 61質量部 ・n−ブチルアクリレート単量体 19質量部 ・ジビニルベンゼン単量体 0.1質量部 ・カーボンブラック(粒子径=35nm、pH=8.5) 5質量部 ・不飽和ポリエステル樹脂 3質量部 (エポキシ化ビスフェノールAとフマル酸の縮合重合体、ピーク分子量=450 0) ・エステルワックス(融点=70℃) 10質量部 からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い
3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)4質量部を添加し、重合性単量
体組成物を調製した。
【0611】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温70℃のN 2雰囲気下で、高速
撹拌装置の回転数を15000rpmを維持しつつ、1
5分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌装置をパドル撹拌羽根を具備したものに換え、
80rpmで撹拌しながら同温度に保持し、重合性ビニ
ル系単量体の重合転化率が50%に達したところで、 ・スチレン単量体 20質量部 ・下記の内容のフェノール誘導体縮合体混合物 2質量部 前記環状縮合物(A2−4):50質量% 前記鎖状縮合物(B2−4):50質量% からなる溶解混合液を前記水素分散媒体中に滴下し、重
合が進行中の重合性単量体組成物の造粒粒子に吸収させ
た。その後、反応温度を80℃に昇温し、重合転化率が
ほぼ100%になったところで重合反応を完了した。
【0612】重合終了後、加熱減圧下で残存モノマーを
留去し、次いで、冷却後に希塩酸を添加して難水溶性分
散剤を溶解せしめた。更に水洗浄を数回繰り返した後、
円錐型リボン乾燥機(大川原製作所製)を用い、乾燥処
理を行い、重合体粒子(6A)を得た。
【0613】上記重合体粒子(6A)100質量部と疎
水性オイル処理シリカ微粉体(BET:200m2
g)2質量部をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で
乾式混合して本発明のトナー(6A)とした。
【0614】該トナー(6A)の円相当個数平均径は
5.5μmで、円形度頻度分布における平均円形度は
0.984、円形度標準偏差は0.029、円形度が
0.950未満のトナー粒子は9個数%で、GPCによ
る分子量分布で、ピーク分子量が1.3万、Mw/Mn
が25であった。
【0615】また、トナー(6A)中の重合性単量体の
総残存量は60ppm(スチレン単量体:60ppm、
n−ブチルアクリレート単量体とジビニルベンゼン単量
体:0ppm)であった。更に、ワックス成分の分散状
態をTEMで観察したところ、図14(a)の模式図の
様に結着樹脂中に実質的に球状を呈して分散していた。
【0616】(トナーの製造例31〜33、及び比較用
トナーの製造例4、5)フェノール誘導縮合物とワック
ス成分の種類と添加量を変更する以外は、前記製造例3
0と同様にして、重合体粒子(6B)〜(6D)を得た
後、本発明のトナー(6B)〜(6D)、及び比較用ト
ナー(6a)と(6b)を調製した。
【0617】それぞれのトナーの製造例におけるフェノ
ール誘導体縮合物とワックス成分の種類と添加量を表2
0にまとめた。
【0618】
【表20】
【0619】(トナーの比較製造例6)下記材料を予め
混合物し、二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却し
た混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェッ
トミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を分級して分級粉
(6c)とした。 ・スチレン−n−ブチルアクリレート−ジビニルベンゼン樹脂 100質量部 (ピーク分子量=1.3万、Mw/Mn=3.5、Tg=55℃) ・トナーの製造例30で用いたカーボンブラック 8質量部 ・トナーの製造例30で用いた不飽和ポリエステル樹脂 3質量部 ・トナーの製造例30で用いたワックス成分 10質量部 ・フェノール誘導体(環状縮合物:A1−6) 2質量部
【0620】該分級粉(6c)を用い、前記トナーの製
造例30と同様にして、比較用トナー(6c)、更に
は、比較用現像剤(6c)を調製した。
【0621】尚、比較用トナー(6c)中には、揮発成
分として結着樹脂に由来するスチレンモノマーが145
ppm、n−ブチルアクリレートモノマーが8ppm残
留していた。また、ワックス成分は微分散していた。
【0622】上記のトナーの製造例で得られた本発明の
トナー(6A)〜(6D)、及び比較用トナー(6a)
〜(6c)の諸性状を表21にまとめて示した。
【0623】
【表21】
【0624】(トナーの製造例34〜37)着色剤とフ
ェノール誘導体縮合物の種類と添加量を変更すると共
に、残存モノマーの留去時の温度と減圧度と処理時間、
円錐型リボン乾燥機の設定温度と撹拌条件と処理時間を
変更する以外は前記のトナーの製造例30と同様にし
て、重合体粒子(6E)〜(6H)を得た後、本発明の
トナー(6E)〜(6H)を調製した。
【0625】それぞれのトナーの製造例における着色剤
とフェノール誘導体縮合物とワックス成分の種類と添加
量、及び、得られた本発明のトナー(6E)〜(6H)
の諸性状を表22にまとめて示した。
【0626】
【表22】
【0627】<実施例41>図22に示す画像形成装置
として600dpiレーザービームプリンタ(キヤノン
製:LBP−860)を用意し、プロセススピードは、
94mm/sに改造した。
【0628】プロセスカートリッジにおけるクリーニン
グゴムブレードを取りはずし、装置の帯電方式をゴムロ
ーラを当接する接触帯電とし、印加電圧を直流成分(−
1400V)とした。プロセススピードを速めている
分、感光体の均一な帯電には厳しい条件となっている。
【0629】感光体としては、感光体製造例1で製造し
た感光体ドラム(1)を用いた。
【0630】次に、プロセスカートリッジにおける現像
部分を改造した。トナー担持体であるステンレススリー
ブの代わりに発泡ウレタンからなる中抵抗ゴムローラ
(16φ、硬度ASKER C45度、抵抗105Ω・
cm)を用いて、感光体に当接させた。該トナー担持体
の表面の移動方向は、感光体表面の移動方向と同方向で
あり、該感光体回転周速に対し130%となるように駆
動する。
【0631】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像部分に塗布ローラを該トナー担持体に当接させ
て設けた。さらに、該トナー担持体上にトナーのコート
層制御のために樹脂をコートしたステンレス製ブレード
を取付けた。現像時のトナー担持体に対して印加する現
像バイアス電圧をDC成分(−450V)のみとした。
【0632】これらのプロセスカートリッジの改造に適
合するよう画像形成装置の改造及びプロセス条件設定を
行った。
【0633】感光体帯電電位は、暗部電位を−800V
とし、明部電位を−150Vとした。転写材としては7
5g/m2の紙を用いた。
【0634】トナー(6A)を用い、常温常湿(25℃
/6RH%)環境下で、初期より印字面積比率4%の文
字画像を連続して100枚分プリントアウトし、画像評
価と帯電不良による画像汚れを評価したが、画像濃度、
画像汚れ、転写性、画像カブリ、及びドット再現性はい
ずれも良好であった。更に、帯電ローラの単位表面積
[cm2]あたりのトナー付着量[mg]を測定したと
ころ、0.01mg/cm2と非常に軽微であった。
【0635】更に、初期100枚時の画像評価終了後、
高温高湿(30℃/80RH%)環境下で連続して50
00枚分プリントアウトし、再度、画像評価を行った
が、初期100枚時と同等の画像品質を得た。また、感
光体ドラム、現像ローラ共に観察したが、トナー融着も
なく交換することを必要としなかった。また、定着性に
ついても全く問題がなかった。
【0636】(評価方法) (1)画像濃度 実施例29と同様に評価。
【0637】(2)画像汚れ 1ドットライン−1ドットスペースで構成されるハーフ
トーン画像をプリントアウトした際の画像汚れを目視で
評価した。 A:発生せず B:軽微な汚れがみられる C:微細な黒点状の汚れが見られる D:周期的な帯状の汚れや縦スジ状の汚れが見られる
【0638】(3)転写性 ベタ黒画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイ
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD
918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラー
テープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引い
た数値を用いて評価した。数値が小さい程、転写性が良
好であることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、0.10未満 D:0.10以上
【0639】(4)画像カブリ 実施例29と同様に評価。
【0640】(5)ドット再現性 実施例29と同様に評価。
【0641】(6)帯電ローラ汚れ 帯電ローラ上に付着した単位面積当たりのトナー質量を
測定した。トナー付着量が少ないほど良好である。 A:0.20mg/cm2未満 B:0.20mg/cm2以上、0.35mg/cm2
満 C:0.35mg/cm2以上、0.55mg/cm2
満 D:0.55mg/cm2以上
【0642】(7)現像ローラとのマッチング プリントアウト試験終了後、現像ローラへの残留トナー
の固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評
価した。 A:固着は未発生 B:汚染が発生しているが、固着はほとんど発生せず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像ムラを生じる
【0643】(8)感光体ドラムとのマッチング プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷やト
ナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視
で評価した。 A:固着は未発生 B:表面に傷が発生しているが、固着はほとんど発生せ
ず C:固着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる
【0644】(9)定着装置とのマッチング プリントアウト試験終了後、定着ローラ表面の傷や残留
トナーの固着状況とプリントアウト画像への影響を目視
で評価した。 A:固着は未発生 B:表面に傷が発生しているが、固着はほとんど発生せ
ず C:自着があるが、画像への影響が少ない D:固着が多く、画像欠陥を生じる
【0645】評価結果を表23に示す。
【0646】<実施例42>プロセススピードを120
mm/sにアップにし、感光体製造例2の感光体ドラム
(2)を用いることを除いては実施例41と同様にして
評価した。結果は表23に示すように、プロセススピー
ドのアップと感光体ドラムの変更により、より厳しい条
件となるため実施例41と比較するとやや劣るものの、
概ね良好な結果であった。
【0647】<実施例43〜45>トナーとして、トナ
ー(6B)〜(6D)を使用することを除いては実施例
41と同様にして評価した。結果を表23に示す。
【0648】<比較例15>比較用トナー(6a)と感
光体ドラム(2)を使用することを除いては実施例41
と同様にして評価した。結果を表23に示すように、初
期から著しい画像汚れが発生し、高温高湿下での500
0枚の連続プリントが困難であった為、やむなく途中で
評価を中止した。
【0649】<比較例16〜18>トナーとして、比較
用トナー(6a)〜(6c)を使用することを除いては
実施例41と同様にして評価した。結果を表23に示す
ように、本発明中の特定の構造を有するフェノール誘導
体縮合物を特定の含有比率で用いていないため、良好な
結果が得られなかった。
【0650】
【表23】
【0651】<実施例46>実施例41で用いた画像形
成装置において、現像容器32中のトナー塗布ローラ3
5として、単層構造のスポンジローラを用い、このトナ
ー塗布ローラ35に図示されていないバイアス印加手段
からバイアス電圧を印加するように変更することを除い
ては、実施例41と同様にして画像形成を行ない評価を
行なった。この現像時の現像ローラ34に印加する現像
バイアス電圧として、直流成分のみを−300V印加
し、トナー塗布ローラ35には、塗布バイアス電圧とし
て直流成分のみを−480V印加した。
【0652】評価結果は、実施例41に比べて、画像濃
度や、カブリ抑制ともに安定して良好で、また、帯電ロ
ーラ上へのトナー付着も軽微で、現像兼クリーニングも
達成され、優れた画像品質を得た。
【0653】画像形成装置とのマッチングも良好であっ
た。
【0654】<実施例47>製造されたトナー(6E)
〜(6H)を、図23に示す画像形成装置の現像器54
〜57のそれぞれを用いてフルカラーの画像形成を行な
った。
【0655】画像形成装置には、図23に示す通り、転
写工程後感光体ドラム表面に存在するトナーをクリーニ
ング除去するための第1のクリーニング部材を有するク
リーナーは、転写部と現像部との間に設けられておら
ず、第2の転写工程後、中間転写体表面に残存するトナ
ーを除去するためのクリーニング手段として、中間転写
体表面に当接するクリーニング部材を有するクリーナー
が、第2の転写部より下流側であり、第1の転写部より
も上流側に設けられている。
【0656】現像器54〜57としては、図24に示す
現像器8の構成のものを用いた。第1の転写後感光体ド
ラム表面に残存するトナーは、帯電部で帯電バイアスの
印加により、トナーの帯電極性を負極性にそろえた後、
現像時に現像部で非画像領域に存在するトナーのみ現像
器中に回収させる構成にした。
【0657】現像器8において、カーボンブラックを分
散して抵抗を調整したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴ
ムローラ(16φ)をトナー担持体9とし、感光体に当
接した。トナー担持体9の表面の移動方向及び回転周速
は、感光体表面との接触部分において同方向であり、該
感光体回転周速に対し150%となるように駆動する。
つまり、トナー担持体の周速は120mm/sであり、
感光体表面に対する相対速度は80mm/sである。
【0658】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、単層構成のスポンジローラは塗布ローラ12として
設け、該トナー担持体に当接させた。接触部において、
塗布ローラ12の表面の移動方向が、トナー担持体の移
動方向と反対方向に移動するように回転させることによ
りトナーをトナー担持体上に塗布した。さらに、該トナ
ー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂をコー
トしたステンレス製ブレード16を取付けた。
【0659】感光体としては(感光体製造例1)で製造
した感光体ドラム(1)を用い、以下の現像条件及び転
写条件を満足するよう画像形成条件を設定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V 現像ローラに印加する現像バイアス:−450V(直流
成分のみ) トナー塗布ローラ印加するバイアス:−300V(直流
成分のみ) 第1の転写工程で中間転写体に印加する転写バイアス:
350V(直流成分のみ) 第2の転写工程で転写ローラに印加する転写バイアス:
1100V(直流成分のみ)
【0660】上記の画像形成条件によって、記録材上に
転写されたトナー画像は、以下の加熱定着装置によっ
て、記録材に加熱定着した。
【0661】加熱定着装置70にはオイル塗布機能のな
い熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ローラ
68、下部ローラ69共にフッ素系樹脂の表面層を有す
るものを使用し、ローラの直径は60mmであった。ま
た、定着温度は150℃、ニップ幅を7mmに設定し
た。
【0662】上記の構成の画像形成装置を用いて、20
00枚の連続画出し試験を行なったところ、高濃度で画
像汚れのない高品位なフルカラー画像が得られた。
【0663】また、帯電ローラ上のトナー付着質量は
0.35mg/cm2と軽微であり、その他の画像形成
装置とのマッチングも良好であった。
【0664】<実施例48>トナー(E)にキャリアを
混合して二成分系現像剤を調製し、図20及び図21に
示す画像形成装置に、この二成分系現像剤を用いてプロ
セススピード180mm/secで画像形成を行なった
ところ高濃度で画像汚れのない高品質の画像が得られ
た。また画像形成装置とのマッチングにもまったく問題
がなかった。
【0665】評価は、実施例40と同様にして行なっ
た。
【0666】上記の二成分系現像剤のキャリアとしては
平均粒径60μmの表層をシリコーン系樹脂でコートし
たフェライトキャリアを用い、トナー濃度は7%に設定
した。
【0667】評価結果を表24に示す。
【0668】<実施例49>感光体として、感光体製造
例2の感光体ドラム(2)を使用する以外は実施例48
と同様にして評価した。結果は表24に示すように、実
施例48と比較するとやや劣るものの、概ね良好な結果
を得た。
【0669】<実施例49〜52>トナーとして、(6
E)〜(6H)を使用する以外は実施例48と同様にし
て評価した。結果は表24に示すよう、実施例48と比
較するとやや劣るものの、概ね良好な結果を得た。
【0670】<比較例19>トナーとして、比較用トナ
ー(6c)を使用する以外は実施例48と同様にして評
価した。結果は表24に示すように、帯電部材をトナー
が著しく汚染し、帯電不良による著しい画像不良となっ
た。
【0671】
【表24】
【0672】
【発明の効果】本発明1のトナーは、低温定着性、耐高
温オフセット性に優れ、かつ、トナーの帯電量が良好で
あり、多数枚耐久時においても現像性(トナー帯電量、
画像濃度)や転写性に優れる。さらには、OHPフィル
ムの定着画像の透明性に優れた高品質のトランスペアレ
ンシー画像を提供し得る。
【0673】本発明2のトナーは、電子写真特性に優
れ、高精細な画像を与え、帯電安定性に優れ、現像剤保
持部材、感光体、定着器等への汚染も少ないものであ
る。さらに、定着性および貯蔵時の安定性にも優れるト
ナーである。
【0674】本発明3のトナーは、少なくともFe及び
Mnを含有し、かつ表面を有機化合物で処理された複合
酸化物を着色剤として用いている。この着色剤は着色力
及び分散性に優れているため、本発明3のトナーを一成
分現像剤、二成分現像剤のいずれに使用しても、高温高
湿下においてカブリの無い高画像濃度かつ高解像度の画
質が安定して得られ、トナー飛散等の無い優れた耐久性
を示す。
【0675】本発明4によれば、高温高湿下のような過
酷な条件下でも画質を損なうことなく、感光体部材への
融着が生じず、キャリアやスリーブなどのトナー担持体
の表面を汚染しにくい耐久性の優れたトナーが提供され
る。
【0676】本発明5によれば、トナー中に特定の構造
を有するフェノール誘導体縮合物を特定の含有比率で存
在させることによって帯電特性が改善される。
【0677】特に、低温低湿環境下でのトナーの帯電制
御性が改善されるので、一成分接触現像方式に用いる場
合に、高品位な画像再現が可能となると共に、感光体上
の現像トナーの帯電量を適正に制御し、転写残余のトナ
ーの過剰帯電によるクリーニング性の低下を防止するこ
とができる。また、プロセススピードの速い画像形成方
法に対しても、現像兼クリーニングプロセスに補助部材
を付加することなく、低コストで適用できる。
【0678】本発明6によれば、トナー中に特定の構造
を有するフェノール誘導体縮合物を特定の含有比率で存
在させることによって帯電制御性が改善されるので、高
品位な画像が得られる。
【0679】さらに、現像兼クリーニング方式を用いる
場合に、感光体上の転写残余のトナーの帯電部材による
帯電極性制御、及び帯電量制御がより確実に、且つ均一
になされ、現像工程での転写残余のトナーのより安定し
た回収性と現像性を得ることができる。また、プロセス
スピードの速い画像形成方法に対しても、現像兼クリー
ニングプロセスに補助部材を付加することなく、低コス
トで適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の概略的
説明図である。
【図2】離型剤が外殻樹脂に内包化されているトナー粒
子の断面の模式図である。
【図3】本発明のトナーが適用され得る現像装置の概略
図である。
【図4】フルカラー又はマルチカラーの画像形成方法を
説明するための概略図である。
【図5】他の画像形成方法を説明するための概略図であ
る。
【図6】他の画像形成方法を説明するための概略図であ
る。
【図7】現像装置の一例を示す概略図である。
【図8】他の現像装置の一例を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例に用いた中間転写ベルトを用い
たカラー画像出力装置の概略図である。
【図10】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分
解傾斜図である。
【図11】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時
のフィルム状態を示した要部の拡大横断面図である。
【図12】トナーの現像特性をチェックするための小径
孤立ドットパターンの説明図である。
【図13】本発明の画像形成方法に好ましく用いられる
電子写真装置のプロセスの概略図である。
【図14】ワックス成分を内包しているトナー粒子の断
面の一例を示す模式図である。
【図15】本発明の画像形成方法の実施例の一例として
用いた、接触一成分現像装置を用いた画像形成方法を模
式的に示した図である。
【図16】画像中抜けの説明図である。
【図17】画像ゴーストの説明図である。
【図18】フルカラー画像形成装置の概略図である。
【図19】現像装置の一例を示す概略図である。
【図20】本発明の実施例に用いた画像形成装置の概略
図である。
【図21】本発明の実施例に用いた画像形成装置の概略
図である。
【図22】本発明の実施例に用いた画像形成装置の概略
図である。
【図23】フルカラー画像形成装置の概略図である。
【図24】現像装置の一例を示す概略図である。
【図25】現像ローラの電気抵抗の測定方法の説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/083 G03G 15/06 101 2H077 9/097 15/08 112 2H134 15/02 101 501A 2H200 15/06 101 501C 15/08 112 501Z 501 504B 15/09 Z 15/16 103 504 15/20 101 507 9/08 325 15/09 331 15/16 103 384 15/20 101 346 21/10 301 302 15/08 507L 507D 21/00 326 15/08 507A 507X 507B (72)発明者 中川 義広 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河本 恵司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 瀧口 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊藤 雅教 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大野 学 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 半田 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA03 AA06 AA13 AB06 AB07 CA04 CA14 CA17 CA22 CA26 CA30 DA02 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 2H031 AC02 AC08 AC14 AC19 AC31 AC33 AD09 AD15 BA02 BA03 BA05 BA09 CA01 CA10 FA01 2H033 AA02 AA09 BA58 BE03 2H068 AA06 BB31 2H073 AA07 BA03 BA11 BA13 BA21 BA23 BA43 CA02 CA03 CA22 2H077 AA37 AC04 AC13 AC16 AD02 AD06 AD13 AD17 AD18 AD23 AD24 AD31 AD35 DB08 EA03 EA12 EA13 EA14 EA15 FA01 FA19 FA22 GA13 2H134 GA01 GB02 HD00 HF13 JA11 KG03 KG07 KH04 KJ02 2H200 FA01 FA08 GA23 GA28 GA44 GA47 GA49 GA50 GA56 HA02 HA12 HA29 HB03 HB12 HB14 HB22 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA23 JA25 JA26 JA27 JA28 JB10 JC02 JC03 JC13 JC15 JC16 JC17 LA18 MA03 MA14 MB01 MB04 MC01 MC02 NA02 NA06 NA09 PA02 PA08

Claims (133)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合性単量体、着色剤、極性
    樹脂、エステル系ワックス及び下記式で示される架橋剤
    からなる重合性単量体組成物を重合して得られるトナー
    であって、該トナーの135℃・荷重68.6N(7k
    g)におけるメルトインデックス(MI)値が、10〜
    100g/10minであることを特徴とするトナー。 【化1】 [式中、R1は水素原子または炭素数1〜3のアルキル
    基を示し、R2は炭素数2〜6の直鎖または分枝状アル
    キレン基を示し、nは0〜20を示す。]
  2. 【請求項2】 該トナーのTHF可溶成分のGPCのク
    ロマトグラムにおいて、メインピーク分子量Mpが50
    00〜50000であり、重量平均分子量Mwが500
    00〜1000000であることを特徴とする請求項1
    に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 フロー式粒子像測定装置で計測されるト
    ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
    おいて、平均円形度が、0.95〜1.00であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 該架橋剤の添加量が重合性単量体100
    質量部に対して、0.01〜5質量部であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該極性樹脂の酸価が、1〜35(mgK
    OH/g)であることを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該極性樹脂がポリエステル樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナ
    ー。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のトナ
    ーの製造方法において、該重合性単量体組成物を、分散
    剤を含有する水系媒体中で重合することにより得ること
    を特徴とするトナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 該水系媒体がpH4.5から8.5に調
    整されることを特徴とする請求項7に記載のトナーの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも1種の結着樹脂、着色剤、ワ
    ックス成分よりなるトナーにおいて、 .クロロホルム還流下、還流開始から時間tの間に該
    トナーから抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定
    されるガラス転移温度(T1)、還流24時間後に抽出
    される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガラス転
    移温度(T24)が、以下の関係を満たし、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) 15≦t≦60(分) .T1を決定する成分のうち、樹脂成分の主成分がビ
    ニル系単量体の重合体であり、 .該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
    よる分子量分布において、ポリスチレン換算分子量が3
    ×103〜5×105の範囲にピーク分子量を有し、 .該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるト
    ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
    おいて、該乾式トナーの円相当個数平均径D1(μm)
    が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
    0未満である、ことを特徴とするトナー。
  10. 【請求項10】 ワックス成分が炭素数10〜60の長
    鎖エステル基を1つ以上有する化合物であることを特徴
    とする請求項9に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 下記一般式(I)に示される荷電制御
    剤を少なくとも一つ以上含有する請求項9又は10に記
    載のトナー。 【化2】
  12. 【請求項12】 T1を決定する成分の酸価(AV1)、
    水酸基価(OHV1)、還流24時間後に抽出される可
    溶分の酸価(AV24)、水酸基価(OHV24)が以下の
    関係式 │AV24−AV1│≦5(mgKOH/(可溶分1gあ
    たり)) │OHV24−OHV1│≦5(mgKOH/(可溶分1
    gあたり)) をいずれも満たすことを特徴とする請求項9乃至11の
    いずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 外周に厚さ10〜200nmの連続す
    る層を有するトナー粒子が95個数%以上存在すること
    を特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載のトナ
    ー。
  14. 【請求項14】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の
    トナー。
  15. 【請求項15】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項
    9乃至14のいずれかに記載のトナー。
  16. 【請求項16】 シード重合法により、表面層を形成さ
    せたことを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記
    載のトナー。
  17. 【請求項17】 少なくとも1種の結着樹脂、着色剤、
    ワックス成分、及び下記一般式(I)に示される荷電制
    御剤を少なくとも一つ以上含有する微小粒子に、少なく
    とも一つ以上の重合性単量体及び重合開始剤を必須成分
    とする重合性単量体組成物を添加して、シード重合する
    ことにより表面層を形成させることを特徴とするトナー
    の製造方法。 【化3】
  18. 【請求項18】 前記微小粒子を懸濁重合法あるいは乳
    化重合法により製造し、その重合転化率が30〜95%
    であるときにシード重合することを特徴とする請求項1
    7に記載のトナーの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記製造方法における重合性単量体組
    成物中に荷電制御剤を必須成分として含有する請求項1
    7又は18に記載のトナーの製造方法。
  20. 【請求項20】 少なくとも、外部より帯電部材に電圧
    を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯
    電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成
    工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー像を静
    電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体
    上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、転写材上
    のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成
    方法において、 該トナーは、少なくとも1種の結着樹脂、着色剤、ワッ
    クス成分よりなる乾式トナーであって、 .クロロホルム還流下、還流開始から時間tの間に該
    トナーから抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定
    されるガラス転移温度(T1)、還流24時間後に抽出
    される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガラス転
    移温度(T24)が、以下の関係を満たし、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) 15≦t≦60(分) .T1を決定する成分のうち、樹脂成分の主成分がビ
    ニル系単量体の重合体であり、 .該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
    よる分子量分布において、ポリスチレン換算分子量が3
    ×103〜5×105の範囲にピーク分子量を有し、 .該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるト
    ナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムに
    おいて、該乾式トナーの円相当個数平均径D1(μm)
    が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
    0未満である、ことを特徴とする画像形成方法。
  21. 【請求項21】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が
    2〜10μmであり、且つ、平均円形度が0.920〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.040未満である
    ことを特徴とする請求項20に記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項20又は21に記載の画像形成
    方法。
  23. 【請求項23】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーは円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項
    20乃至22のいずれかに記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 該現像工程において、現像領域におけ
    るトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体の移動
    速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該トナ
    ー担持体の表面粗度Ra(μm)が1.5以下であるこ
    とを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  25. 【請求項25】 該トナー担持体と対向して強磁性金属
    ブレードを微少間隔をもって配することを特徴とする請
    求項20乃至24のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 該トナー担持体と対向して弾性体から
    なるブレードを当接することを特徴とする請求項20乃
    至25のいずれかに記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 該静電荷潜像担持体とトナー担持体が
    ある一定の間隔を有し、交互電界を印加しながら現像す
    ることを特徴とする請求項20乃至26のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 該帯電工程が、帯電部材を静電潜像担
    持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、
    静電潜像担持体を帯電することを特徴とする請求項20
    乃至27のいずれかに記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 静電潜像担持体上のトナー像を転写装
    置を用い転写材に静電転写する転写工程の際に、該静電
    潜像担持体と転写装置とが該転写材を介して当接するこ
    とを特徴とする請求項20乃至28のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  30. 【請求項30】 該加熱定着工程が、オフセット防止用
    液体の供給がない、或いは、定着器クリーナーを有しな
    い加熱定着装置により、トナー画像を記録材に加熱定着
    することを特徴とする請求項20乃至29のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 該加熱定着工程が、固定支持された加
    熱体と、該加熱体に対向圧接し、且つ、フィルムを介し
    て該加熱体に密着させる加圧部材により、トナー画像を
    記録材に加熱定着することを特徴とする請求項20乃至
    30のいずれかに記載の画像形成方法。
  32. 【請求項32】 転写後の静電潜像担持体上の未転写の
    残留トナーをクリーニングして回収し、回収した該トナ
    ーを現像手段に供給して再度現像手段に保有させ、静電
    潜像担持体上の静電潜像を現像するトナーリユース機構
    を有することを特徴とする請求項20乃至31のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 少なくとも、外部より帯電部材に電圧
    を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯
    電された静電荷潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形
    成工程と、静電荷像をトナーにより現像してトナー像を
    静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持
    体上のトナー像を中間転写体に転写する第一の転写工程
    と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写する第2
    の転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着
    工程とを有する画像形成方法において、 該トナーは、少なくとも1種の結着樹脂、着色剤、ワッ
    クス成分よりなる乾式トナーであって、 .クロロホルム還流下、還流開始から時間tの間に該
    トナーから抽出される可溶分の示差走査型熱量計で測定
    されるガラス転移温度(T1)、還流24時間後に抽出
    される可溶分の示差走査型熱量計で測定されるガラス転
    移温度(T24)が、以下の関係を満たし、 40≦T24≦70(℃) 5<T1−T24<75(℃) 100<T1+T24<180(℃) 15≦t≦60(分) .T1を決定する成分のうち、樹脂成分の主成分がビ
    ニル系単量体の重合体であり、 .該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
    ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
    よる分子量分布において、ポリスチレン換算分子量が3
    ×103〜5×105の範囲にピーク分子量を有し、 該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測されるトナー
    の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおい
    て、該乾式トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2
    〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.
    920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未
    満である、ことを特徴とする画像形成方法。
  34. 【請求項34】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が
    2〜10μmであり、且つ、平均円形度が0.920〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.040未満である
    ことを特徴とする請求項33に記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項33又は34に記載の画像形成
    方法。
  36. 【請求項36】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーは円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項
    33乃至35のいずれかに記載の画像形成方法。
  37. 【請求項37】 該現像工程において、現像領域におけ
    るトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体の移動
    速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該トナ
    ー担持体の表面粗度Ra(μm)が1.5以下であるこ
    とを特徴とする請求項33乃至36のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  38. 【請求項38】 該トナー担持体と対向して強磁性金属
    ブレードを微少間隔をもって配することを特徴とする請
    求項33乃至37のいずれかに記載の画像形成方法。
  39. 【請求項39】 該トナー担持体と対向して弾性体から
    なるブレードを当接することを特徴とする請求項33乃
    至37のいずれかに記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 該静電荷潜像担持体とトナー担持体が
    ある一定の間隔を有し、交互電界を印加しながら現像す
    ることを特徴とする請求項33乃至39のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 該帯電工程が、帯電部材を静電潜像担
    持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、
    静電潜像担持体を帯電することを特徴とする請求項33
    乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 静電潜像担持体上のトナー像を転写装
    置を用い転写材に静電転写する転写工程の際に、該静電
    潜像担持体と転写装置とが該転写材を介して当接するこ
    とを特徴とする請求項33乃至41のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  43. 【請求項43】 該加熱定着工程が、オフセット防止用
    液体の供給がない、或いは、定着器クリーナーを有しな
    い加熱定着装置により、トナー画像を記録材に加熱定着
    することを特徴とする請求項33乃至42のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  44. 【請求項44】 該加熱定着工程が、固定支持された加
    熱体と、該加熱体に対向圧接し、且つ、フィルムを介し
    て該加熱体に密着させる加圧部材により、トナー画像を
    記録材に加熱定着することを特徴とする請求項33乃至
    43のいずれかに記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 転写後の静電潜像担持体上の未転写の
    残留トナーをクリーニングして回収し、回収した該トナ
    ーを現像手段に供給して再度現像手段に保有させ、静電
    潜像担持体上の静電潜像を現像するトナーリユース機構
    を有することを特徴とする請求項33乃至44のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 少なくとも結着樹脂、着色剤および離
    型剤からなるトナーにおいて、結着樹脂の少なくとも一
    部が架橋剤による架橋構造を有し、該架橋剤が下記一般
    式[a] 【化4】 (式中R1〜R5のうち少なくとも一つ、R6〜R10のう
    ち少なくとも一つがビニル基を有する置換基であり、そ
    の他はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1
    〜C20の飽和/不飽和アルキル基、アルコキシ基、芳香
    族炭化水素基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、1〜
    3級アミノ基、ニトロ基、スルホン基、スルホアミド
    基、シアノ基、アルキルカルボン酸エステル、アシル基
    からなるグループから選択される。)で表わされるビフ
    ェニル化合物であるトナー。
  47. 【請求項47】 該トナーが、少なくとも重合性単量
    体、着色剤、離型剤及び架橋剤からなる重合性単量体組
    成物を重合させることにより得られる重合法トナーであ
    ることを特徴とする請求項46に記載のトナー。
  48. 【請求項48】 該離型剤がエステル系ワックスでその
    融点が、40〜100℃である請求項46または47に
    記載のトナー。
  49. 【請求項49】 請求項46乃至48のいずれかに記載
    のトナーの製造方法であって、難水溶性の塩化合物を分
    散安定剤として含有する水性分散媒中で該重合性単量体
    組成物の重合を行うことを特徴とするトナーの製造方
    法。
  50. 【請求項50】 該水性分散媒のpHを4.5〜8.5
    に調整後、該重合性単量体組成物の重合を行うことを特
    徴とする請求項49に記載のトナーの製造方法。
  51. 【請求項51】 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有
    するトナー粒子を有するトナーにおいて、該着色剤とし
    て少なくとも表面が有機化合物により処理されている複
    合酸化物が使用され、該複合酸化物が少なくともFe及
    びMnを含有しており、該複合酸化物中におけるMnの
    含有量が、該複合酸化物中の全Fe量に対して2〜55
    原子%であることを特徴とするトナー。
  52. 【請求項52】 該複合酸化物中におけるMnの含有量
    が、該複合酸化物中の全Fe量に対して3〜50原子%
    であることを特徴とする請求項51に記載のトナー。
  53. 【請求項53】 該複合酸化物の表面処理が、少なくと
    もケイ素含有化合物を用いて行われていることを特徴と
    する請求項51又は52に記載のトナー。
  54. 【請求項54】 該ケイ素含有化合物が少なくともシラ
    ンカップリング剤を含んでいることを特徴とする請求項
    53に記載のトナー。
  55. 【請求項55】 該複合酸化物の平均径が、0.01〜
    0.13μmであることを特徴とする請求項51乃至5
    4のいずれかに記載のトナー。
  56. 【請求項56】 該複合酸化物の窒素吸着比表面積(B
    ET比表面積)が、6〜80m2/gであることを特徴
    とする請求項51乃至55のいずれかに記載のトナー。
  57. 【請求項57】 該複合酸化物の表面処理が、湿式法に
    より施されていることを特徴とする請求項51乃至56
    のいずれかに記載のトナー。
  58. 【請求項58】 重量平均粒径が1〜9μmであること
    を特徴とする請求項51乃至57のいずれかに記載のト
    ナー。
  59. 【請求項59】 トナーの一部、又は全体が重合法によ
    り形成されたことを特徴とする請求項51乃至58のい
    ずれかに記載のトナー。
  60. 【請求項60】 少なくとも(a)静電潜像を担持する
    ための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電された
    像担持体に像露光によって静電潜像を形成する露光工
    程;(c)該静電潜像をトナー担持体の表面に担持され
    ているトナーによって形成されるトナー層が該像担持体
    の表面に接触することにより該静電潜像の現像が成し遂
    げられ、トナー像を形成する現像工程;(d)該像担持
    体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介して、
    又は介さずに転写材に転写する転写工程;及び(e)転
    写工程後に該像担持体表面に残存しているトナーをクリ
    ーニング除去するクリーニング工程;を有し、クリーニ
    ングされた像担持体を用いて上記(a)乃至(e)の工
    程を繰り返す画像形成方法に用いられるトナーであっ
    て、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス
    成分、及びフェノール誘導体縮合物を含有し、 該トナー中のフェノール誘導体縮合物が、下記一般式<
    A>で示される環状縮合物と一般式<B>で示される鎖
    状縮合物と一般式<C>で示される低分子量縮合物の混
    合物であり、それぞれの含有比率が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とするトナー。 【化5】 [式中、R1〜R15は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X1及びY1は0〜8の
    整数で、X1とY1の和は3〜12である。] 【化6】 [式中、R21〜R35は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X2及びY2は0〜8の
    整数で、X2とY2の和は3〜12である。] 【化7】 [式中、R41〜R55は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X3及びY3は0〜2の
    整数で、X3とY3の和は1〜2である。]
  61. 【請求項61】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が
    2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
    0未満であることを特徴とする請求項60に記載のトナ
    ー。
  62. 【請求項62】 該トナーの平均円形度が0.950〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項61に記載のトナー。
  63. 【請求項63】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.990で、円形度標準偏差が0.015以上0.0
    35未満であることを特徴とする請求項61に記載のト
    ナー。
  64. 【請求項64】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項
    60乃至63のいずれかに記載のトナー。
  65. 【請求項65】 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)
    を用いたトナー粒子の断層面観察において、(1)フロ
    ー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円
    相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を20箇所選び出し、(2)選び出したト
    ナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する
    相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞれ計
    測し、(3)求められたr/Rの相加平均値(r/R)
    stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たすよう
    に、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/
    又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請
    求項60乃至64のいずれかに記載のトナー。
  66. 【請求項66】 前記r/Rの相加平均値(r/R)st
    が、0.25≦(r/R)st≦0.90を満たすように
    該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は
    紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項
    65に記載のトナー。
  67. 【請求項67】 トナー中の重合性ビニル系単量体の残
    存量が200ppm以下であることを特徴とする請求項
    60乃至66のいずれかに記載のトナー。
  68. 【請求項68】 少なくとも(a)静電潜像を担持する
    ための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電された
    像担持体に像露光によって静電潜像を形成する露光工
    程;(c)該静電潜像をトナー担持体の表面に担持され
    ているトナーによって形成されるトナー層が該像担持体
    の表面に接触することにより該静電潜像の現像が成し遂
    げられ、トナー像を形成する現像工程;(d)該像担持
    体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介して、
    又は介さずに転写材に転写する転写工程;及び(e)転
    写工程後に該像担持体表面に残存しているトナーをクリ
    ーニング除去するクリーニング工程;を有し、クリーニ
    ングされた像担持体を用いて上記(a)乃至(e)の工
    程を繰り返す画像形成方法において、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス
    成分、及びフェノール誘導体縮合物を含有するトナーで
    あって該トナー中のフェノール誘導体縮合物が、下記一
    般式<A>で示される環状縮合物と一般式<B>で示さ
    れる鎖状縮合物と一般式<C>で示される低分子量縮合
    物の混合物であり、それぞれの含有比率が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とする画像形成方法。 【化8】 [式中、R1〜R15は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X1及びY1は0〜8の
    整数で、X1とY1の和は3〜12である。] 【化9】 [式中、R21〜R35は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X2及びY2は0〜8の
    整数で、X2とY2の和は3〜12である。] 【化10】 [式中、R41〜R55は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X3及びY3は0〜2の
    整数で、X3とY3の和は1〜2である。]
  69. 【請求項69】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が
    2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
    0未満であることを特徴とする請求項68に記載の画像
    形成方法。
  70. 【請求項70】 該トナーの平均円形度が0.950〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項69に記載の画像形成方法。
  71. 【請求項71】 該トナーの平均円形度が0.970〜
    0.990で、円形度標準偏差が0.015以上0.0
    35未満であることを特徴とする請求項69に記載の画
    像形成方法。
  72. 【請求項72】 前記フロー式粒子像測定装置で計測さ
    れるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグ
    ラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のトナ
    ー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項
    68乃至71のいずれかに記載の画像形成方法。
  73. 【請求項73】 該トナーの透過電子顕微鏡(TEM)
    を用いたトナー粒子の断層面観察において、(1)フロ
    ー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円
    相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9≦R/D4
    ≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー
    粒子の断層面を20箇所選び出し、(2)選び出したト
    ナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する
    相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞれ計
    測し、(3)求められたr/Rの相加平均値(r/R)
    stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たすよう
    に、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/
    又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請
    求項68乃至72のいずれかに記載の画像形成方法。
  74. 【請求項74】 前記r/Rの相加平均値(r/R)st
    が、0.25≦(r/R)st≦0.90を満たすように
    該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は
    紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項
    73に記載の画像形成方法。
  75. 【請求項75】 トナー中の重合性ビニル系単量体の残
    存量が200ppm以下であることを特徴とする請求項
    68乃至74のいずれかに記載の画像形成方法。
  76. 【請求項76】 該像担持体は電子写真用感光体からな
    り、該感光体表面は85度以上の水に対する接触角を有
    していることを特徴とする請求項68乃至75のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  77. 【請求項77】 該感光体の表面にはフッ素原子を含有
    する化合物粉体を樹脂中に分散させた表面層が形成され
    ていることを特徴とする請求項76に記載の画像形成方
    法。
  78. 【請求項78】 フッ素原子を含有する化合物粉体は、
    フッ素樹脂粉体を有することを特徴とする請求項77に
    記載の画像形成方法。
  79. 【請求項79】 該現像装置は、該トナーを保有するた
    めの現像器及び該現像器に保有されているトナーを担持
    搬送するためのトナー担持体を有しており、該トナー担
    持体の表面に担持されているトナーによって形成される
    トナー層が該像担持体の表面に接触することにより、該
    静電潜像の現像が成し遂げられることを特徴とする請求
    項68乃至78のいずれかに記載の画像形成方法。
  80. 【請求項80】 現像工程において、該トナー担持体に
    担持されているトナーにトナー層厚規制部材を当接させ
    ることにより、該トナー担持体の表面にトナー層厚が規
    制されたトナー層が形成されることを特徴とする請求項
    79に記載の画像形成方法。
  81. 【請求項81】 現像工程において、現像領域における
    トナー担持体の表面の移動方向は、像担持体の表面の移
    動方向と同方向に設定されていることを特徴とする請求
    項79又は80に記載の画像形成方法。
  82. 【請求項82】 現像工程において、現像領域における
    トナー担持体の表面の移動速度が、像担持体の表面の移
    動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度に設定されて
    いることを特徴とする請求項81に記載の画像形成方
    法。
  83. 【請求項83】 該現像器中に保有されているトナー
    は、該トナー担持体にトナーを供給するためのトナー供
    給部材によって該トナー担持体に供給されることを特徴
    とする請求項79乃至82のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  84. 【請求項84】 該トナー供給部材は、トナー担持体の
    表面に当接するトナー塗布ローラであり、該トナー塗布
    ローラの表面の移動方向は、該トナー担持体の表面の移
    動方向と逆方向に設定されていることを特徴とする請求
    項83に記載の画像形成方法。
  85. 【請求項85】 該トナー担持体には、該静電潜像の現
    像時に現像バイアス電圧が印加されており、該トナー塗
    布ローラには、該トナー担持体へのトナー供給時に塗布
    バイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求項
    84に記載の画像形成方法。
  86. 【請求項86】 該トナー塗布ローラに印加する塗布バ
    イアス電圧は、該トナー担持体に印加する現像バイアス
    電圧よりも絶対値で大きく設定されており、該トナー塗
    布ローラは、該トナー担持体の表面にトナーを供給し、
    且つ現像後に該トナー担持体の表面に残存するトナーを
    はぎ取ることを特徴とする請求項85に記載の画像形成
    方法。
  87. 【請求項87】 該像担持体上の静電潜像の明部電位が
    絶対値で0〜250Vを有し、暗部電位が絶対値で30
    0〜1000Vを有し、該トナー塗布ローラに印加する
    塗布バイアス電圧が絶対値で100〜900Vを有し、
    該トナー担持体に印加する現像バイアス電圧が絶対値で
    100〜900Vを有し、該塗布バイアス電圧は、該現
    像バイアス電圧よりも絶対値で10〜400V大きく設
    定されており、該トナー塗布ローラは、該トナー担持体
    の表面にトナーを供給し、且つ現像後に該トナー担持体
    の表面に残存するトナーをはぎ取ることを特徴とする請
    求項85に記載の画像形成方法。
  88. 【請求項88】 該現像装置は、該トナー及びキャリア
    を有する二成分系現像剤を保有するための現像器及び該
    現像器に保有されている二成分系現像剤を担持搬送する
    ための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体の表
    面に担持されている二成分系現像剤の磁気ブラシが該像
    担持体の表面に接触することにより、該二成分系現像剤
    のトナーにより該静電潜像の現像が成し遂げられること
    を特徴とする請求項68乃至80のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  89. 【請求項89】 該現像剤担持体には、該静電潜像の現
    像時に現像バイアス電圧が印加されていることを特徴と
    する請求項88に記載の画像形成方法。
  90. 【請求項90】 転写工程において、外部から電圧が印
    加された転写部材を該転写材を介して該像担持体に当接
    させることによって、該像担持体に形成されている該ト
    ナー像を該転写材に転写することを特徴とする請求項6
    8乃至89のいずれかに記載の画像形成方法。
  91. 【請求項91】 該転写工程において、該転写材として
    記録材を用い、該像担持体の表面に形成されているトナ
    ー像は、記録材に転写され、該記録材に転写された該ト
    ナー像は、該記録材に定着されることを特徴とする請求
    項68乃至90のいずれかに記載の画像形成方法。
  92. 【請求項92】 該転写工程において、該転写材として
    中間転写体を用い、該像担持体に形成されている該トナ
    ー像を該中間転写体に転写する第1の転写が行われ、該
    中間転写体に転写された該トナー像を記録材に転写する
    第2の転写が行われ、該記録材に転写された該トナー像
    は、該記録材に定着されることを特徴とする請求項68
    乃至90のいずれかに記載の画像形成方法。
  93. 【請求項93】 帯電工程において、外部から電圧が印
    加された帯電部材を該像担持体に当接させることによっ
    て、該像担持体の帯電が行われることを特徴とする請求
    項68乃至92のいずれかに記載の画像形成方法。
  94. 【請求項94】 帯電工程において、外部から電圧が印
    加された帯電部材を該像担持体に当接させることによっ
    て、該像担持体の帯電が行われることを特徴とする請求
    項68乃至93のいずれかに記載の画像形成方法。
  95. 【請求項95】 帯電工程において、直流電圧が該帯電
    部材に外部から印加されることを特徴とする請求項94
    に記載の画像形成方法。
  96. 【請求項96】 帯電工程において、直流電圧及び該直
    流電圧印加における放電開始電圧の2倍未満の交流電圧
    が該帯電部材に外部から印加されることを特徴とする請
    求項94に記載の画像形成方法。
  97. 【請求項97】 少なくとも(a)静電潜像を担持する
    ための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電された
    像担持体に像露光によって静電潜像を形成する露光工
    程;(c)該静電潜像を現像装置が有しているトナーに
    よって現像し、トナー像を形成する現像工程;(d)該
    像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介
    して、又は介さずに転写材に転写する転写工程;を有
    し、且つ転写工程後に該像担持体表面に残存しているト
    ナーの回収を現像工程において該現像装置が兼ねて行う
    現像兼クリーニング方式を用いた画像形成方法に用いる
    トナーであって、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス
    成分、及びフェノール誘導体縮合物を含有し、 該トナー中のフェノール誘導体縮合物が、下記一般式<
    A>で示される環状縮合物と一般式<B>で示される鎖
    状縮合物と一般式<C>で示される低分子量縮合物の混
    合物であり、それぞれの含有比率が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とするトナー。 【化11】 [式中、R1〜R15は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、二トロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X1及びY1は0〜8の
    整数で、X1とY1の和は3〜12である。] 【化12】 [式中、R21〜R35は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X2及びY2は0〜8の
    整数で、X2とY2の和は3〜12である。] 【化13】 [式中、R41〜R55は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X3及びY3は0〜2の
    整数で、X3とY3の和は1〜2である。]
  98. 【請求項98】 フロー式粒子像測定装置で計測される
    トナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラム
    において、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が
    2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が、0.0
    40未満であることを特徴とする請求項97に記載のト
    ナー。
  99. 【請求項99】 該トナーの平均円形度が0.950〜
    0.995で、円形度標準偏差が0.035未満である
    ことを特徴とする請求項98に記載のトナー。
  100. 【請求項100】 該トナーの平均円形度が0.970
    〜0.990で、円形度標準偏差が0.015以上0.
    035未満であることを特徴とする請求項98に記載の
    トナー。
  101. 【請求項101】 前記フロー式粒子像測定装置で計測
    されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタ
    グラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のト
    ナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求
    項97乃至100のいずれかに記載のトナー。
  102. 【請求項102】 該トナーの透過電子顕微鏡(TE
    M)を用いたトナー粒子の断層面観察において、(1)
    フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9≦R/
    D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するト
    ナー粒子の断層面を20箇所選び出し、(2)選び出し
    たトナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因
    する相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞ
    れ計測し、(3)求められたr/Rの相加平均値(r/
    R)stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たす
    ように、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及
    び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とす
    る請求項97乃至101のいずれかに記載のトナー。
  103. 【請求項103】 前記r/Rの相加平均値(r/R)
    stが、0.25≦(r/R)st≦0.90を満たすよう
    に該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又
    は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求
    項102に記載のトナー。
  104. 【請求項104】 トナー中の重合性ビニル系単量体の
    残存量が200ppm以下であることを特徴とする請求
    項97乃至103のいずれかに記載のトナー。
  105. 【請求項105】 少なくとも(a)静電潜像を担持す
    るための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電され
    た像担持体に像露光によって静電潜像を形成する露光工
    程;(c)該静電潜像を現像装置が有しているトナーに
    よって現像し、トナー像を形成する現像工程;(d)該
    像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介
    して、又は介さずに転写材に転写する転写工程;を有
    し、且つ転写工程後に該像担持体表面に残存しているト
    ナーの回収を現像工程において該現像装置が兼ねて行う
    現像兼クリーニング方式を用いた画像形成方法におい
    て、 該トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス
    成分、及びフェノール誘導体縮合物を含有するトナーで
    あって、 該トナー中のフェノール誘導体縮合物が、下記一般式<
    A>で示される環状縮合物と一般式<B>で示される鎖
    状縮合物と一般式<C>で示される低分子量縮合物の混
    合物であり、それぞれの含有比率が、 一般式<A>で示される環状縮合物:5〜95質量% 一般式<B>で示される鎖状縮合物:5〜95質量% 一般式<C>で示される低分子量縮合物:0〜5質量% であることを特徴とする画像形成方法。 【化14】 [式中、R1〜R15は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、二トロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X1及びY1は0〜8の
    整数で、X1とY1の和は3〜12である。] 【化15】 [式中、R21〜R35は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X2及びY2は0〜8の
    整数で、X2とY2の和は3〜12である。] 【化16】 [式中、R41〜R55は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
    ル基、アルケニル基、スルホン酸エステル基、カルボキ
    シエステル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シリル
    基、フェニル基を示す。また、X3及びY3は0〜2の
    整数で、X3とY3の和は1〜2である。]
  106. 【請求項106】 フロー式粒子像測定装置で計測され
    るトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラ
    ムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)
    が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が
    0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.04
    0未満であることを特徴とする請求項105に記載の画
    像形成方法。
  107. 【請求項107】 該トナーの平均円形度が0.950
    〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であ
    ることを特徴とする請求項106に記載の画像形成方
    法。
  108. 【請求項108】 該トナーの平均円形度が0.970
    〜0.990で、円形度標準偏差が0.015以上0.
    035未満であることを特徴とする請求項106に記載
    の画像形成方法。
  109. 【請求項109】 前記フロー式粒子像測定装置で計測
    されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタ
    グラムにおいて、該トナーが円形度0.950未満のト
    ナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求
    項105乃至108のいずれかに記載の画像形成方法。
  110. 【請求項110】 該トナーの透過電子顕微鏡(TE
    M)を用いたトナー粒子の断層面観察において、(1)
    フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準
    の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9≦R/
    D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するト
    ナー粒子の断層面を20箇所選び出し、(2)選び出し
    たトナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因
    する相分離構造の内、最も大きいものの長径rをそれぞ
    れ計測し、(3)求められたr/Rの相加平均値(r/
    R)stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たす
    ように、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及
    び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とす
    る請求項105乃至109のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  111. 【請求項111】 前記r/Rの相加平均値(r/R)
    stが、0.25≦(r/R)st≦0.90を満たすよう
    に該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又
    は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求
    項110に記載の画像形成方法。
  112. 【請求項112】 トナー中の重合性ビニル系単量体の
    残存量が200ppm以下であることを特徴とする請求
    項105乃至111のいずれかに記載の画像形成方法。
  113. 【請求項113】 該像担持体は電子写真用感光体から
    なり、該感光体表面は85度以上の水に対する接触角を
    有していることを特徴とする請求項105乃至112の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  114. 【請求項114】 該感光体の表面にはフッ素原子を含
    有する化合物粉体を樹脂中に分散させた表面層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項113に記載の画像形
    成方法。
  115. 【請求項115】 フッ素原子を含有する化合物粉体
    は、フッ素樹脂粉体を有することを特徴とする請求項1
    14に記載の画像形成方法。
  116. 【請求項116】 該現像装置は、該トナーを保有する
    ための現像器及び該現像器に保有されているトナーを担
    持搬送するためのトナー担持体を有しており、該トナー
    担持体の表面に担持されているトナーによって形成され
    るトナー層が該像担持体の表面に接触することにより、
    該静電潜像の現像が成し遂げられることを特徴とする請
    求項105乃至115のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  117. 【請求項117】 現像工程において、該トナー担持体
    に担持されているトナーにトナー層厚規制部材を当接さ
    せることにより、該トナー担持体の表面にトナー層厚が
    規制されたトナー層が形成されることを特徴とする請求
    項116に記載の画像形成方法。
  118. 【請求項118】 現像工程において、現像領域におけ
    るトナー担持体の表面の移動方向は、像担持体の表面の
    移動方向と同方向に設定されていることを特徴とする請
    求項116又は117に記載の画像形成方法。
  119. 【請求項119】 現像工程において、現像領域におけ
    るトナー担持体の表面の移動速度が、像担持体の表面の
    移動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度に設定され
    ていることを特徴とする請求項118に記載の画像形成
    方法。
  120. 【請求項120】 該現像器中に保有されているトナー
    は、該トナー担持体にトナーを供給するためのトナー供
    給部材によって該トナー担持体に供給されることを特徴
    とする請求項116乃至119のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  121. 【請求項121】 該トナー供給部材は、トナー担持体
    の表面に当接するトナー塗布ローラであり、該トナー塗
    布ローラの表面の移動方向は、該トナー担持体の表面の
    移動方向と逆方向に設定されていることを特徴とする請
    求項120に記載の画像形成方法。
  122. 【請求項122】 該トナー担持体には、該静電潜像の
    現像時に現像バイアス電圧が印加されており、該トナー
    塗布ローラには、該トナー担持体へのトナー供給時に塗
    布バイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求
    項121に記載の画像形成方法。
  123. 【請求項123】 該トナー塗布ローラに印加する塗布
    バイアス電圧は、該トナー担持体に印加する現像バイア
    ス電圧よりも絶対値で大きく設定されており、該トナー
    塗布ローラは、該トナー担持体の表面にトナーを供給
    し、且つ現像後に該トナー担持体の表面に残存するトナ
    ーをはぎ取ることを特徴とする請求項122に記載の画
    像形成方法。
  124. 【請求項124】 該像担持体上の静電潜像の明部電位
    が絶対値で0〜250Vを有し、暗部電位が絶対値で3
    00〜1000Vを有し、該トナー塗布ローラに印加す
    る塗布バイアス電圧が絶対値で100〜900Vを有
    し、該トナー担持体に印加する現像バイアス電圧が絶対
    値で100〜900Vを有し、該塗布バイアス電圧は、
    該現像バイアス電圧よりも絶対値で10〜400V大き
    く設定されており、該トナー塗布ローラは、該トナー担
    持体の表面にトナーを供給し、且つ現像後に該トナー担
    持体の表面に残存するトナーをはぎ取ることを特徴とす
    る請求項122に記載の画像形成方法。
  125. 【請求項125】 該現像装置は、該トナー及びキャリ
    アを有する二成分系現像剤を保有するための現像器及び
    該現像器に保有されている二成分系現像剤を担持搬送す
    るための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体の
    表面に担持されている二成分系現像剤の磁気ブラシが該
    像担持体の表面に接触することにより、該二成分系現像
    剤のトナーにより該静電潜像の現像が成し遂げられるこ
    とを特徴とする請求項105乃至117のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  126. 【請求項126】 該現像剤担持体には、該静電潜像の
    現像時に現像バイアス電圧が印加されていることを特徴
    とする請求項125に記載の画像形成方法。
  127. 【請求項127】 転写工程において、外部から電圧が
    印加された転写部材を該転写材を介して該像担持体に当
    接させることによって、該像担持体に形成されている該
    トナー像を該転写材に転写することを特徴とする請求項
    105乃至126のいずれかに記載の画像形成方法。
  128. 【請求項128】 該転写工程において、該転写材とし
    て記録材を用い、該像担持体の表面に形成されているト
    ナー像は、記録材に転写され、該記録材に転写された該
    トナー像は、該記録材に定着されることを特徴とする請
    求項105乃至127のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  129. 【請求項129】 該転写工程において、該転写材とし
    て中間転写体を用い、該像担持体に形成されている該ト
    ナー像を該中間転写体に転写する第1の転写が行われ、
    該中間転写体に転写された該トナー像を記録材に転写す
    る第2の転写が行われ、該記録材に転写された該トナー
    像は、該記録材に定着されることを特徴とする請求項1
    05乃至127のいずれかに記載の画像形成方法。
  130. 【請求項130】 帯電工程において、外部から電圧が
    印加された帯電部材を該像担持体に当接させることによ
    って、該像担持体の帯電が行われることを特徴とする請
    求項105乃至129のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  131. 【請求項131】 帯電工程において、直流電圧が該帯
    電部材に外部から印加されることを特徴とする請求項1
    30に記載の画像形成方法。
  132. 【請求項132】 帯電工程において、直流電圧及び該
    直流電圧印加における放電開始電圧の2倍未満の交流電
    圧が該帯電部材に外部から印加されることを特徴とする
    請求項130に記載の画像形成方法。
  133. 【請求項133】 該転写工程での転写部、該帯電工程
    での帯電部及び該現像工程での現像部は、該像担持体の
    移動方向に沿って、該転写部、該帯電部及び該現像部の
    順に配置されており、該転写部と該帯電部との間及び該
    帯電部と該現像部との間には、いずれも該像担持体表面
    に当接して該像担持体表面に残存するトナーを回収する
    ためのクリーニング部材を有していないことを特徴とす
    る請求項105乃至132のいずれかに記載の画像形成
    方法。
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CN110780561B (zh) * 2018-07-31 2022-06-07 佳能株式会社 电子照相用构件、处理盒和电子照相图像形成设备

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