JP4100915B2 - 現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられる現像剤、又はフルカラー画像形成方法に用いられる現像剤、及び画像形成方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、予め静電潜像担持体上に現像剤像を形成後、転写材上に転写させて画像形成する、複写機、プリンタ、ファックス等の電子写真、静電記録、静電印刷に用いられる現像剤及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法は一般に光導電性物質を利用し、種々の手段により潜像担持体(感光体)上に静電潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤を用いて現像し、必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用い記録材に像を転写した後、加熱、圧力などにより定着し複写物を得るものである。
【0003】
現像方式としては従来、二成分現像方式と一成分現像方式が広く用いられているが、電子写真法によるビジネス用あるいは個人用のプリンタとしては、近年、小型化、高性能化の要請から、一成分現像方式が増加している。
【0004】
一般的な一成分現像方式は、現像剤を現像剤担持体表面に薄層状にコートした現像剤担持体と、静電潜像担持体を接触することで静電潜像を顕像化し、さらにこの顕像を記録材上に転写、定着を逐次行なうことで記録画像を得るものである。ここで、現像剤は、任意の帯電状態を取るが、このような現像剤への帯電付与は、規制部材で現像剤担持体表面に現像剤の薄層を形成すると同時に、規制部材表面と現像剤を摩擦することにより行なっている。さらに、この現像剤の帯電極性を利用し、現像部で電場を利用して電位的に静電潜像を顕像化するものである。そのため、現像剤への適正な帯電付与によって、白地部への画像カブリや現像濃度不足、ラインの欠如等の画像欠陥を防止し、高画質の画像形成を達成可能である。
【0005】
そこで、プリント画像の高画質化に対し静電潜像を顕像化する部位での現像剤の的確な帯電付与が非常に重要である。
【0006】
たとえば、特開平10−133469号公報では、アモルファスシリコンドラムに対して現像ローラを帯電系列上で負に帯電する弾性体により形成し、且つ、1.5〜2.5倍の周速比の範囲に設定する画像形成方法が開示されている。かかる画像形成方法によれば、カブリ、ドット抜け、濃度不足のない鮮明な画像が得られる。しかし、静電潜像担持体表面が有機物の系についてのものではなく、また、現像剤中の外添剤組成/粒径に関して言及されておらず、一成分接触現像系での課題であるところの画像スジについての効果が認められないものである。
【0007】
また、このような摩擦帯電方法で、より的確な帯電付与を行なうために、現像剤帯電部位での帯電系列を規定する画像形成方法が開示されている。たとえば、USP5379097号では、現像剤母体と現像剤担持体表面と外添剤の帯電系列を規定したものが開示されている。このような帯電系列的な関係において摩擦帯電を行なうことで現像剤に対して適正な帯電を付与することが可能になるものであるが、かかる現像方法中には、接触現像における静電潜像担持体と現像剤との摩擦帯電に関しては言及されておらず明らかになっていない。また、かかる画像形成方法を検証したところ、規制部材部での押し圧を高める必要があり、規制部材表面への現像剤の融着が発生しやすく、この融着物による現像剤層の乱れが画像上に現れる結果、画像に線(現像スジ)が発生することとなり、さらなる現像系での負荷を減らしつつ、同等の摩擦帯電を行なう必要がある。
【0008】
一方、二成分系現像方法での帯電付与方法はキャリア表面との摩擦によるものであるが、一成分現像系では、このキヤリアに代わるものとして、現像剤粒径よりも小径な粒度分布を有するマイクロキャリアを用い摩擦帯電を行なう画像形成方法が開示されている。かかる画像形成方法では、現像剤中に帯電系列の異なる粒子を混合するものであり、一例として、特開昭61−20053号、特開昭61−250658号、特開昭63−143172号等で、現像剤と同極性の流動化剤粒子と、現像剤と逆極性の流動化剤粒子とを混合した現像剤が開示されている。かかる現像剤中の流動化剤粒子の組合わせは、摩擦帯電時の現像剤の帯電を適正化する上で有効であるが、現像剤と逆極性の流動化剤は、記録材に転写した後、転写残留物として静電潜像担持体表面に残留し、とりわけローラ帯電の如き接触帯電系で使用する場合は、現像剤と逆極性の流動化剤が電位的に接触帯電部材表面に吸着されやすくなっており、この逆極性の流動化剤が過剰、もしくは偏積して帯電ローラ上に蓄積された場合、帯電部材の表面抵抗を変化させる結果、帯電障害を発生し、画像白地部の電位不良に由来する画像欠陥に至る可能性があるため、好適な範囲にとどめる必要がある。従って、現像剤中に帯電系列の異なる粒子を混合した系を接触帯電系で使用する場合は、現像剤の帯電のみならず、これら逆極性粒子の挙動についても考慮した現像系が必要である。
【0009】
また、特開平4−346372号公報では、現像剤の帯電量q1と規制部材表面の帯電量q2が同極で|q2|<|q1|、且つ、現像ローラ表面の帯電量q3が、−4.0≦q1/q3≦−1.2の関係にある現像装置が開示されている。かかる現像方法では、現像剤に帯電付与するために有効な帯電系列の部材を配置することで、現像剤に対して有効な電荷を安定して与えることが可能となるため、鮮明な画像やベタ画像の均一な濃度画像を得られるものである。しかし、かかる現像装置で現像剤に帯電付与する場所としては規制部材部のみであり、静電潜像担持体との摩擦帯電に関する記載がない。従って、耐久中に上記の如き規制部材表面への現像剤の融着が発生した場合に、耐久中の規制部材表面の帯電量q2や、耐久中の現像ローラ表面の帯電量q3に変化を生じてしまい、かかる現像方法では耐久後半での安定した性能が維持できなくなり、耐久後半での鮮明画像や均一濃度画像が得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術ではカブリ、ドット抜け、濃度不足を防止しつつ、画像スジの発生しない画像形成方法を提供することができない。また、一成分接触現像系において、現像剤の帯電特性を改善しつつ、帯電弊害による画像欠陥を防止した画像形成方法を提供することが困難である。さらに、耐久中の安定した性能維持が困難である。
【0011】
そこで、適切な帯電付与と現像スジのバランスがとれ、且つ、帯電弊害を防止した現像方法を達成する必要がある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、一成分接触現像方式において、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を粒子表面に有する現像剤を薄層で保持する現像剤担持体と、一定の表面摩擦係数の有機物層を有する静電潜像担持体とが、現像部で周速差を持って接触することで摩擦帯電を行い、現像剤に適切な帯電を付与することが可能であり、その結果、上記の如き問題を解決できることを見出し本発明に至った。
【0013】
さらに検討を進めた結果、特定の粒度分布を有する現像剤において、上記の如き効果がより顕著であることを見出し本発明に至った。また、現像剤の形状が円形に近いときに耐久性が向上し、より本発明の作用効果が顕著になることを見出し本発明に至った。
【0014】
すなわち、本発明は、静電潜像担持体に対し、現像剤担持体を圧接するよう配置し、現像剤担持体上に薄層化された現像剤で該静電潜像担持体上の静電潜像を顕像化する画像形成方法において、該静電潜像担持体と現像剤担持体の回転方向が順方向であり、該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が120〜250%の範囲で摺擦することにより該現像剤に帯電付与する画像形成方法に用いられる現像剤であって、
該静電潜像担持体表面が有機物で形成されている静電潜像担持体であり、その表面摩擦係数(静電潜像担持体試料の摩擦力/ポリエチレンテレフタレートの摩擦力)が0.5〜1.2となる有機物層を有し、
該現像剤は少なくとも結着樹脂、着色剤と離型剤からなる着色粒子と、該着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも1種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子であり、
該現像剤の粒度分布において、5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が16〜50個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有する現像剤粒子が1〜30個数%含有され、16μm以上の粒径を有する現像剤粒子が1.5体積%以下含有され、
フロー式粒子像測定装置で計測される現像剤の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該現像剤の平均円形度が0.950〜0.990で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする現像剤に関する。
【0015】
更に本発明は、静電潜像担持体に対し、現像剤担持体を圧接するよう配置し、現像剤担持体上に薄層化された現像剤で該静電潜像担持体上の静電潜像を顕像化する画像形成方法において、該静電潜像担持体と現像剤担持体の回転方向が順方向であり、該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が120〜250%の範囲で摺擦することにより該現像剤に帯電付与する画像形成方法であって、
該静電潜像担持体表面が有機物で形成されている静電潜像担持体であり、その表面摩擦係数(静電潜像担持体試料の摩擦力/ポリエチレンテレフタレートの摩擦力)が0.5〜1.2となる有機物層を有し、
該現像剤は少なくとも結着樹脂、着色剤と離型剤からなる着色粒子と、該着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも1種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子であり、
該現像剤の粒度分布において、5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が16〜50個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有する現像剤粒子が1〜30個数%含有され、16μm以上の粒径を有する現像剤粒子が1.5体積%以下含有され、
フロー式粒子像測定装置で計測される現像剤の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該現像剤の平均円形度が0.950〜0.990で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより具体的に説明する。
【0017】
本発明の特徴の一つである画像形成装置の説明を添付図面を参照しながら以下に具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成図である。
【0019】
本例の電子写真画像形成装置は、クリーニング機構を有する非磁性一成分接触現像方式のレーザービームプリンタである。図中の100は静電潜像担持体、117が接触帯電部材であり、ここではローラ形の帯電部材を示した。121はレーザービーム光源であり、123はこの光源からのレーザ光である。140は現像容器であり、この中には現像剤142と現像剤供給部材141、現像剤規制部材143、104は現像剤担持体である。ここで、静電潜像担持体100と、ローラ104表面に弾力を有する現像剤担持体とが圧接し、本発明で好ましい範囲の周速差をもって順方向に回転しているものである。この静電潜像担持体100と現像剤担持体104との圧接と周速差で摩擦帯電を付与された現像剤は静電潜像を顕像化し、記録材127に転写手段114により転写バイアス134をもって転写129され、128の定着手段によって定着され、永久画像を形成するものである。転写後の静電潜像担持体表面に残留する転写残現像剤124は、120aのブレードによるクリーニング手段によってかき落とされ、120クリーニング容器中に分離されるものである。クリーニングを終えた静電潜像担持体は再び117の接触帯電部材によって帯電さる。これら一連の動作が連続して繰り返されることによって、画像形成が行われるものである。
【0020】
本発明に用いられる電子写真静電潜像担持体は、本発明の表面特性を有し電子写真静電潜像担持体として機能するものであれば、その構成は特に制限されない。一般的には、導電性支持体上に感光層が設けられた構成の静電潜像担持体が用いられるが、感光層の上に保護層を、また、導電性支持体と感光層の間に下引層や導電層を設けてもよい。したがって、静電潜像担持体の最表面層は、感光層または保護層であり、これらの層はバインダー樹脂とそのバインダー樹脂に適量含有されている電荷発生材料、または電荷輸送材料あるいは導電性材料等からなるものである。
【0021】
本発明においては、本発明の表面特性を満たしていることが重要で、その達成手段は特に限られるものではない。例えば、表面摩擦係数をコントロールする方法としては、用いる材料の種類や量を選択する以外にも、最表面に特定の表面特性を有する保護層を持たせる方法や、静電潜像担持体作製後に静電潜像担持体表面を研磨すること等も挙げられる。
【0022】
静電潜像担持体の表面摩擦係数をコントロールするために用いる材料の種類としては、公知の樹脂材料や滑剤を組合せて使用することが可能であり、一例として、フッ素樹脂、及びフッ素系の共重合体等が使用できる。
【0023】
また、表面性制御の達成手段としての表面研磨の方法として、例えば、静電潜像担持体がドラム型である場合にはこれを回転させ、そこに富士フィルム製#C−2000ラッピングテープ、住友スリーエム製研磨フィルム#2000(酸化アルミニウム)等を接触させながら圧をかける等の方法が挙げられる。
【0024】
本発明に用いられる電子写真静電潜像担持体の感光層は、単層または積層構造を有する。単層構造の場合、感光層はキャリアを生成する電荷発生材料とキャリアを輸送する電荷輸送材料とを共に含有する。積層構造の場合、キャリアを生成する電荷発生材料を含有する電荷発生層と、キャリアを輸送する電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とが積層されて感光層が構成される。表面層を形成するのは電荷発生層または電荷輸送層どちらの場合もある。
【0025】
単層感光層は5〜100μmの厚さが好ましく、特には10〜60μmであることが好ましい。また、電荷発生材料や電荷輸送材料を層の全質量に対し20〜80質量%含有することが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。単層感光層は、前記電荷発生材料、電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、必要に応じて紫外線吸収剤や酸化防止剤、その他の添加剤等を含有することができる。
【0026】
積層感光層においては、電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、特には0.01〜2μmであることが好ましい。電荷発生材料の含有量は層の全質量に対し10〜100質量%であることが好ましく、特には40〜100質量%であることが好ましい。電荷発生層は電荷発生材料のみで構成される場合もあるが、それ以外の場合には上記バインダー樹脂等を含有することができる。電荷輸送層の膜厚は5〜100μmであることが好ましく、特には10〜60μmであることが好ましい。電荷輸送材料の含有量は20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。電荷輸送層は電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、上記同様のその他任意成分を含有することができる。
【0027】
本発明に用いられる電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ぺリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、スクアリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンおよび硬化カドミニウム等が挙げられる。
【0028】
本発明に用いられる電荷輸送材料としては、ピレン化合物、カルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物およびスチルベン化合物等が挙げられる。
【0029】
感光層に用いるバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ボリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂およびブチラール樹脂等が挙げられる。更に、反応性のエポキシ、(メタ)アクリルモノマーやオリゴマーも混合後硬化して用いることが可能である。
【0030】
本発明に用いられる電子写真静電潜像担持体に用いられる導電性支持体は、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、亜鉛、金および銀等の金属や合金、あるいはそれらの酸化物やカーボン、導電性樹脂等が使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシート状のものがある。また、前記導電性材料は、成型加工される場合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。なお、本例に用いられている導電性支持体は、上述の通り直径約30mmの円筒形のものである。
【0031】
また、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、下引層を設けてもよい。下引層は主にバインダー樹脂からなるが、前記導電性材料やアクセプター性の化合物を含有してもよい。下引層を形成するバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ボリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂およびブチラール樹脂等が挙げられる。
【0032】
さらに、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、導電層を設けてもよい。感光体が下引層と導電層を共に有する場合には、通常、導電性支持体、導電層、下引層、感光層の順に積層される。導電層は、一般的には、上記下引層に用いられるのと同様なバインダー樹脂に前記導電性材料が分散された構成を有する。
【0033】
本発明に用いられる電子写真静電潜像担持体を製造する方法としては、通常、導電性支持体上に下引層、感光層および保護層等を、蒸着や塗布等で積層する方法が用いられる。塗布にはバーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電塗布および粉体塗布等が用いられる。また、上記下引層、感光層および保護層等を塗布法により形成させるには、各層毎にその構成成分を、有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、溶媒を乾燥等によって除去すればよい。あるいは、反応硬化型のバインダー樹脂を用いる場合には、各層の構成成分を樹脂原料成分および必要に応じて添加される適当な有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、例えば、熱や光等により樹脂原料を反応硬化させ、さらに必要に応じて溶媒を乾燥等によって除去すればよい。
【0034】
本発明における静電潜像担持体表面摩擦係数の測定方法は以下の方法による。測定器は、図7に示されるように、ヘイドン製表面性試験機14型をドラム状の試料測定用に改造したものである。図7中、12はサンプルを示すが、サンプル台11を選択することにより、ドラム状、平板状のサンプルのいずれも測定可能である。表面摩擦係数の測定に際してはウレタンゴムブレード13を用いる。ウレタンゴムブレード13(バンコラン、バンドー化学(株)製)のゴム硬度は65±3°であり、寸法は図8に示される通り幅5mm、長さ10mm、厚さ2mmである。図9はウレタンゴムブレード13とサンプル12の接触部分を拡大して示す図である。ブレード13は、支柱14先端のホルダー支持アーム21に連結された上部ホルダー22と下部ホルダー23との間に固定ビス24を用いてサンプル12との接触角が30°となるように、自由長(ブレード13のホルダー22および23に抑えられていない部分の長さ)8mmで固定される。
【0035】
測定に際しては、受皿15上に置かれた分銅16により支柱14を介してブレード13に0.098N(荷重10g)をかけ、試料ドラム(電子写真静電潜像担持体)をこれが固定されたサンプル台11ごとモーター20によってブレード13と順方向で母線方向に動かす。この時の荷重を図7中の支持点17、バランサー18、荷重変換器19の機構により摩擦力として読み取る。また、基準試料として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(マイラー(商品名)、デュポン社製)フィルムを用い、試料と同じ直径のシリンダーに巻きつけて、試料と同様の条件で摩擦力を測定する。試料の表面摩擦係数は、以下の式(I)で算出される。
【0036】
【数1】
【0037】
表面摩擦係数は、ポリエチレンテレフタレートフィルム基準なので、多少の測定条件のバラツキには影響されない。また、感光ドラムの直径にも影響されず、一定の値を示す。
【0038】
本発明においては、次のような測定条件の範囲が許容される。
・ウレタンゴム:硬度;62〜72°、厚み;1〜5mm、製造元;バンドー化学(株)、北辰ゴム(株)、東海ゴム(株)など
・ポリエチレンテレフタレートフィルム:製造元;東レ(株)(商品名:ルミラー)、帝人(株)(商品名:TR8550)、デュポン(商品名:マイラー)など、厚み;10〜50μm
・ドラム直径:20〜200mm(なお、ドラムの径を変化させてもポリエチレンテレフタレート基準の表面摩擦係数は変化しない。)
【0039】
なお、本発明における表面特性の評価は全て室温(約21〜25℃)で行われるものとする。
【0040】
また、本発明における静電潜像担持体表面の特性で、耐久性の観点から一定以上の硬度を有することが良く、具体的にはユニバーサル硬さHUが200N/mm2以上であることが好ましい。
【0041】
本発明におけるユニバーサル硬さは、以下のような表面皮膜物性試験によって得ることができる。かかる表面皮膜物性試験とは、薄膜、硬化皮膜及び有機皮膜等の硬度の解析を行うための試験であり、測定においては、図4に示す試験機(フィッシャー・インストルメンツ製、フィッシャースコープH100V)にて、四角錐のダイヤモンド圧子で対面角度が136°に規定されているダイヤモンド圧子33を使用し、サンプル(電子写真静電潜像担持体)31に対して、測定荷重を段階的にかけてサンプル皮膜に押し込んでいったときの、荷重をかけた状態での押込み深さhを電気的に検出して読み取るものである。図4中34は移動式テーブル、32はサンプル置き台である。
【0042】
硬さHは、試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の表面積で除した値で表示される。また、ユニバーサル硬さHUは、設定最大押込み深さhx(本発明においては、hx=1μm)での硬さで表される。硬さHおよびユニバーサル硬さHUにおいては、各々数値が高いほど膜硬度が高いことを意味する。測定は資料表面が割れない程度で行うものとする。
【0043】
この様な表面特性を有する電子写真静電潜像担持体は、例えば、通常の構成の電子写真静電潜像担持体の表面層について、ユニバーサル硬さを上記範囲にするために、バインダー樹脂として特定の樹脂を用い、また、表面摩擦係数または表面の純水との接触角を上記範囲とするために特定量のフッ素系樹脂粉体を表面層に均一に分散させ、必要に応じて表面を研磨することによって得られるものである。
【0044】
ユニバーサル硬さの調整手段は、バインダー樹脂とそのバインダー樹脂に分散、溶解されている電荷発生材料もしくは電荷輸送材料、あるいは金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金およびカーボン等の導電材料の種類やこれらの比率を変えること等が挙げられる。すなわち、バインダー樹脂に分散する材料にもよるが、上記のような材料の場合、通常分散する材料が少ない方が、ユニバーサル硬度は大きくなる。また、別の手段としては、バインダー樹脂の分子量、重合官能基数等を変えることも挙げられる。すなわち、バインダー樹脂の分子量を高くすれば、ユニバーサル硬さは大きくなり、また、重合官能基数を増やすことにより樹脂の架橋度を上げると、ユニバーサル硬さは大きくなる。更には、フッ素系樹脂粉体等の分散状態によっても変化し得る。
【0045】
これらの要件は、当然表面摩擦係数にも影響を与えるが、ユニバーサル硬さと表面係数の間には一定の関係は見出されていない。
【0046】
本発明の画像形成方法に好適な現像剤担持体について説明する。現像剤担持体は、一般的に一成分の接触現像方法に用いられるものであれば特に限定するものではないが、好ましくは、弾性層を有するローラが用いられる。
【0047】
弾性ローラ表面の弾性層硬度としては、現像性と耐久性の両立の観点から20〜65度(ASKER C)程度が好ましく、30〜60度が更に好ましい。弾性ローラの材質としては公知の材質、構造のものが使用可能である。特にシリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きソリッドのゴム弾性体、あるいはこれらの発泡弾性体が好ましく使用される。また、表面に中心部と異なるコート層を有する公知の多層構造ローラも使用できる。また、帯電性付与や搬送性付与の目的で公知の表面処理を施しても良い。またこの際に、弾性層表面の帯電系列が現像剤に対して帯電付与する対極に位置するような系列を取ることが摩擦帯電付与性、及び現像ローラ上の現像剤の入れ替わりという観点から好ましい。
【0048】
現像剤担持体の表面形状としては、その表面粗度を制御することが高画質及び高耐久性を両立するために好ましい。現像剤担持体の表面粗度として、たとえばRa(μm)「JIS B 0601」を0.2〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該現像剤担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、該現像剤担持体上の現像剤層の薄層化が困難となるばかりか、現像剤の帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。3.0以下にすることで現像剤担持体表面の現像剤の搬送能力を抑制し、該現像剤担持体上の現像剤層を薄層化すると共に、該現像剤担持体と現像剤の接触回数が多くなるため、該現像剤の帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、現像剤コート量の制御が難しくなる。また、現像部分での摺擦をより効率的に行うために、該現像剤担持体の表面粗度Raが上記範囲にあることが好ましい。
【0049】
また、表面粗度Rzに関しては、現像剤のコートを均一化するために8.0μm以下にすることが好ましい。現像剤担持体の最表層に成型時の異物等によって表面粗度Rzが8.0μmより大きくなるケースが発生することがあるが、このような場合は、現像剤規制部材表面や潜像担持体表面の表面性を変化させる恐れがあり、現像剤担持体上の現像剤の帯電やコート量を不均一にすることが生じ、その結果、現像後の画像にスジが発生するため好ましくない。従って、現像剤担持体表面の状態は上記の範囲が好ましいものである。
【0050】
また、該静電潜像担持体と現像剤担持体の回転方向は順方向であることが好ましい。一成分接触現像で該回転方向を逆方向に設定すると、該現像部分での摩擦帯電性はさらに向上するものの、接触部分の機械的ストレスが非常に大きくなり、装置寿命が短くなり問題である。
【0051】
そこで該静電潜像担持体と現像剤担持体の回転方向を順方向とすることで上記のごときストレスを低減でき、装置寿命を改善することが可能である。
【0052】
そこでより負荷の少ない、効率的な帯電付与を実現するために該現像剤担持体に対する該静電潜像担持体の相対速度と帯電性付与能、及び現像剤劣化の関係を調べた結果を図3に示した。ここでの現像剤の帯電量は一定枚数の耐久を行った後の50%印字率時静電潜像を顕像化したものの転写前現像剤の帯電量であり、現像剤劣化は、電子顕微鏡での同現像剤の表面観察より得られる画像をランク見本を用いて数値化したものである。
【0053】
相対速度が120%未満では規制部材での摩擦帯電に頼る部分が多く、本来の狙いが達成できていないことがわかる。かかる部分での摩擦帯電で現像剤に十分な帯電能を与えるには、現像剤担持体と規制部材の当接部分での強い摺擦が必要であり、かかる摺擦を達成する手段としては一般的に規制部材の当接圧を高める方法が取られる。しかし、このような方法により当接圧を高めると、現像剤への帯電付与性は高まるものの、現像剤に対する負荷が強く、現像剤表面の外添剤付着状態に変化を与え、現像剤自体の形状変化を招きやすく、その結果、規制部材表面への現像剤融着を生じ易くなって、規制部材表面へ現像剤の融着塊が発生し、現像剤担持体上の現像剤の帯電やコート量を不均一にすることが生じ、その結果、現像後の画像にスジが発生するため好ましくない。
【0054】
しかし、本発明の静電潜像担持体を用い、且つ、該相対速度が120%を上回る場合は、現像剤への帯電付与を規制部材と現像部の2点に役割を分割することが可能となるため、上記のごとき規制部材より当接圧を低めることができ、かかる問題を解決することが可能となるものである。
【0055】
一方、該相対速度が250%を超える場合、帯電付与能力は低下する。この詳細な原理は定かではないが、200%近傍から帯電能力が劣ってきていることから、周速差が高速になると摩擦帯電の均一性が損なわれるためではないかと思われる。また、さらに現像剤の劣化も促進され、摩擦帯電の均一性が損なわれることとの相乗効果により悪化しているものと考えられる。
【0056】
従って、現像剤担持体表面の状態は上記の範囲が好ましいものである。
【0057】
本発明のように現像剤担持体が、特定の表面性を有する静電潜像担持体に対して、相対速度が120〜250%の範囲になるように周速比をもって構成されていることにより、現像剤担持体と静電潜像担持体との接触部分において現像剤粒子同士の摩擦により良好な帯電性が付与され、また、現像剤劣化による現像性悪化を生じにくくなる。さらに、現像剤として本願の現像剤を組合せることで、現像部での摺擦時により有効で安定した帯電付与が達成でき、本願の効果が得られるものである。
【0058】
なお、静電潜像担持体と現像剤担持体の相対速度は、静電潜像担持体と現像剤担持体それぞれを駆動する歯車の歯数を調整することで操作することができる。
【0059】
現像剤担持体上の現像剤は、現像剤担持体表面に圧接するよう配置されている規制部材(現像ブレード)により規制され、現像剤担持体上の現像剤層を形成する。
【0060】
現像ブレードを現像剤担持体表面へ圧接し現像剤担持体上の層厚を規制する圧力は、現像剤のコート層厚を一定に規制し、且つ、上述の第一の摩擦帯電を適切に行うように、当接圧や形状を調節することが好ましい。
【0061】
現像ブレードを現像剤担持体表面へ圧接し現像剤担持体上の層厚を規制する圧力は、9.8N/m(10g/cm)から58.8N/m(60g/cm)が好ましく、より好ましくは19.6N/m(20g/m)から39.2N/m(30g/m)である。このような範囲に現像ブレードがある場合は、現像ブレードへの現像剤の融着を防ぎつつ、現像剤担持体上の現像剤に対して適当な第1の帯電を付与できる。
【0062】
現像剤コート量の規制部材の材質としては、特に限定するものではなく公知の金属製板状部材、あるいは金属ブレード表面に有機層を有するものが使用できる。特に有機層としては、現像剤に対し所望の帯電を付与する摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体、ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用でき、また、それらの複合体が使用できる。
【0063】
更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などを添加することにより、現像剤の帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラック、一般に現像剤に用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
【0064】
また、導電性の規制部材と現像剤担持体の組合せで使用する場合は、規制部材と現像剤担持体の間に直流電場及び/または交流電場を印加することも好ましい。このような電場を印加することによって、均一薄層塗布や、均一帯電性が向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
【0065】
さらに本発明は、転写後の静電潜像担持体表面をブレードクリーニングする機構を有するものであるが、ブレードクリーニングのクリーニング部材としては、公知のブレードが使用できる。
【0066】
また、ブレードクリーニング後の帯電方法としては、公知の接触あるいは非接触の帯電方式が使用可能であるが、帯電時にオゾンの発生を抑制する効果のある接触帯電方式がより好ましい。本発明の画像形成方法と現像剤の組合せにおいては、転写後の静電潜像担持体表面に残留する転写残の多くが疎水性シリカ微粒子と、該疎水性シリカ粒子の逆極性の第二外添剤であるため、上述のブレードクリーニング部材と接触帯電との組合せの相性のいいものを選択する必要がある。これらの組合せが正常に機能しない場合は、帯電部材上に外添剤を主体とした粒子が付着し、帯電ローラ表面の抵抗値を局部的に上昇させることにより、静電潜像担持体表面の帯電を阻害し、その結果、帯電不良による画像欠陥を生じるため好ましくない。
【0067】
次に本発明の第二のポイントである現像剤について述べる。
【0068】
該現像剤は少なくとも結着樹脂、着色剤と離型剤からなる着色粒子と、該着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも一種が疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該疎水性シリカに対し逆極性に帯電する粒子であることを特徴とするものである。
【0069】
本発明の現像剤用樹脂に用いられる結着樹脂は、現像剤を製造する際に用いられるものであれば特に限定されるものではない。本発明の現像剤用樹脂に用いられる結着樹脂としては、公知の重合体、又は、共重合体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。更に具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはポリエステル系樹脂が好ましい。
【0070】
本発明の現像剤を得るためには、本発明で好ましい範囲の現像剤粒子径や形状を達成可能なものであればその製造方法は特に限定するものではないが、本発明の効果がより顕著に発現するための形状を達成するためには、現像剤の構成成分を溶融混練後に粉砕しさらに球形化処理を施した後に所望の粒子径に分級操作する方法、または、懸濁重合の如き重合方法によって、現像剤を構成する材料を直接モノマー単位から球形化して重合を行い、重合後の粒子を単離する現像剤の製造方法、または、懸濁重合や乳化重合法によってモノマーの重合により現像剤粒子径よりも小さい着色粒子を合成した後にこれらの凝集操作を行って所望の粒度になるように制御する凝集法の如き方法が使用可能である。
【0071】
現像剤を構成する原材料は、粉砕法であれば上記の如き結着樹脂成分、また、重合法あるいは凝集法であれば結着樹脂を構成するモノマーと、公知の現像剤に使用可能な重合開始剤や架橋剤、分子量調整剤等からなる結着樹脂成分と、公知の着色剤、荷電制御剤、帯電補助剤、離型剤等が使用できる。
【0072】
一般的に現像剤の機械的ストレスは構成する原材料の性質と加工後の現像剤中でのこれら構成材料の相互作用状態が影響を与えるものである。従って本発明の如き現像剤においては、これらの機械的ストレスに耐えうる物理的特性、たとえば、粘性力や弾性力特性において強靱なことが現像剤の部材融着を防止し、帯電特性を高める上で好ましく、また、このような粘弾特性を達成するためには、化学的観点から分子量やゲル分、充填剤の分散状態等が適切にコントロールされていることが好ましい。
【0073】
また、本発明の現像剤及び画像形成方法を用いてモノカラー、あるいはフルカラーの画像形成を行う場合は、着色剤を変化させることでイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像剤を使用することができる。
【0074】
着色剤として、従来から広く知られている無機、有機の染料、顔料が使用可能である。具体的には次の様なものが挙げられる。
【0075】
イエロー用着色顔料の具体例としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。さらに具体的には、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。また、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなども使用することができる。
【0076】
マゼンタ用着色顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0077】
さらに染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等の塩基性染料、C.I.アシッドレッド1、C.I.ダイレクトレッド1,4、C.I.モーダントレッド30等が挙げられる。
【0078】
シアン用着色顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.ベーシックブルー3、5、C.I.バットブルー6、C.I.ダイレクトブルー1,2、C.I.アシッドブルー9,15,45、C.I.モーダントブルー7、又は銅フタロシアニン顔料等がある。
【0079】
黒用着色顔料の具体例としては、カーボンブラック、アリニンブラック、アセチレンブラック、オイルブラック等がある。また、色用の着色剤を混合し、黒色着色剤として使用することも可能である。
【0080】
また、上記着色剤の他に、チタンホワイト、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4,6、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、クロムグリーン、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を使用して、上記色以外の色現像剤用着色剤として使用することも可能である。
【0081】
これらは、単独、あるいは組合せて使用することができ、通常、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜60質量部好ましくは0.5〜20質量部使用される。
【0082】
さらに、本発明の現像剤には、定着時の離型性向上のためにワックス成分を含有することが好ましい。ワックス成分としては、具体的に以下の化合物が挙げられる。
【0083】
例えばシリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどである。
【0084】
これらのワックスから、種々の方法によりワックスを分子量により分別したワックスも本発明に好ましく用いられる。また、分別後に酸化やブロック共重合、グラフト変性を行っても良い。
【0085】
中でも好ましく用いられるワックスは、低分子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエステルおよびエステル系ワックス、脂肪族の誘導体である。
【0086】
これらのうち、更に好ましいエステルワックスの代表的化合物の例をエステルワックスの一般構造式▲1▼〜▲6▼として以下に示す。
【0087】
【化1】
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0088】
【化2】
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R1は炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0089】
【化3】
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示し、R3は炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは0〜15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0090】
【化4】
エステルワックスの一般構造式▲4▼
R1COOR2
(式中、R1及びR2は炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、且つR1及びR2は、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
【0091】
【化5】
エステルワックスの一般構造式▲5▼
R1COO(CH2)nOOCR2
(式中、R1及びR2は炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数であり、且つR1及びR2は、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
【0092】
【化6】
エステルワックスの一般構造式▲6▼
R1OOC(CH2)nCOOR2
(式中、R1及びR2は炭素数が1〜40の炭化水素基を示し、nは2〜20の整数であり、且つR1及びR2は、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
【0093】
これらのワックスは定着時の離型性向上を達成するために、現像剤100質量部中に一般的に2〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部が使用される。ワックス成分が2質量部未満の場合、ワックスとしての離型効果がほとんど発揮できず、また、ワックス成分が30質量部を超えると、現像剤の離型性は満足されるものの現像剤の現像性が悪化し、現像スリーブや潜像担持体表面に現像剤が融着するといった弊害を生じやすくなるため好ましくない。
【0094】
本発明に係るワックス成分は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に50〜120℃の領域に最大吸熱ピークを示し、該最大吸熱ピークを含む吸熱ピークの始点のオンセット温度が40℃以上であることが好ましく、特に該最大吸熱ピークのピーク温度と該オンセット温度の温度差が7〜50℃の範囲であることが好ましい。
【0095】
上記温度領域に吸熱ピークおよび最大吸熱ピークを有することにより、低温定着に大きく貢献しつつ、離型性をも効果的に発現し、本発明の定着方法とのマッチングが良好なものとなる。該吸熱ピークが50℃未満に存在すると現像剤の耐高温オフセット性が著しく損なわれ、120℃を超えると現像剤の低温定着性が著しく損なわれる。また、該最大吸熱ピークが昇温測定時に50℃未満、降温測定時に40℃未満であると、ワックス成分の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が悪化する。一方、該最大吸熱ピークが120℃を超えると、定着温度が高くなり低温オフセットが発生しやすくなり好ましくない。
【0096】
昇温時のDSC曲線において、上記温度領域で溶融するワックス成分を用いることにより、他の添加剤の分散性を良好なものとすることができると共に、ワックス成分自身を前述の如き分散状態に容易にコントロールすることができる。
【0097】
これにより現像剤の良好な定着性はもとより、該ワックス成分による離型効果が効果的に発現され、十分な定着領域が確保されると共に、従来から知られるワックス成分による現像性、耐ブロッキング性や画像形成装置への悪影響が排除されるのでこれらの特性が格段に向上する。特に粒子形状が球形化するに従い、現像剤の比表面積は減少していくので、ワックス成分の分散状態をコントロールすることは、非常に効果的なものとなる。
【0098】
本発明は、現像部分での帯電付与性が特徴であるが、このような特徴を発現するためには、荷電制御剤を適宜使用することが好ましい。荷電制御剤としては本発明の効果が得られるものなら特に限定するものではなく、公知の荷電制御剤が使用できる。
【0099】
現像剤を負荷電性に制御するものの例として下記物質がある。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、具体的には、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
【0100】
現像剤を正荷電性に制御するものの具体例として下記物質がある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或は2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0101】
本発明の特徴の一つである金属酸化物微粒子について説明する。本発明は着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも一種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子であることを特徴とするものである。
【0102】
ここで、第一の外添剤である疎水性シリカ粒子としては、たとえば、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上が好ましく、更に30〜400m2/gの範囲内のものがより良好な結果を与える。
【0103】
該シリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理することが好ましい。所望の効果を得る目的でこれらの処理剤は単体でも、混合して使用しても良い。また、上記の如き表面処理を行った後に後処理として、加熱処理などの補助的表面処理や、粉砕処理等の物理的処理を行うことが好ましい。
【0104】
本発明のトナーに用いられる該疎水性シリカ微粒子の量は、帯電性及び現像安定性の観点から、着色粒子100質量部に対し0.01〜5.0質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜4.0質量部、さらに好ましくは0.5〜3.0質量部である。該疎水性シリカ微粒子の量が0.01質量部を下回る場合は、現像部での静電潜像担持体表面への現像剤の融着や、流動性阻害による転写性悪化や、帯電部での撹拌不良によるカブリ悪化等のため好ましくない。
【0105】
一方、該疎水性シリカ微粒子の量が5.0質量部を超える場合、静電潜像担持体表面や現像剤担持体表面へのトナー汚染が生じやすくなり、画像の連続印字において、静電潜像担持体表面への融着や現像剤担持体の下層汚染を生じることにより、潜像担持体への融着などの現像弊害を生じるため好ましくない。
【0106】
さらに、本発明は、該疎水性シリカ微粒子に対し逆極性に帯電する粒子を含有することが好ましい。かかる粒子が逆極性に帯電する粒子であるか否かの判断は、原材料ならば、溶融混練粉砕法を用いて帯電粒子を適当な樹脂中にモデル的に混練し、粉砕、分級を行ったものを公知の傾斜帯電測定器あるいは、鉄粉キャリア等の二成分現像方法に使用するキャリアと混合後、公知の二成分帯電量測定装置の如き測定器によって測定することで原材料同士の帯電量が測定可能である。
【0107】
更に、別途、着色粒子自体の帯電量測定を同様の方法で行い着色粒子の帯電量を得ることが可能である。
【0108】
ここで疎水性シリカ粒子と第2の外添剤粒子、さらに組合せる着色粒子自体の帯電量測定結果の値を並べたときに、着色粒子の帯電量を挟んで前後にこれらの外添剤がくるような下記の関係
(疎水性シリカ粒子)>(着色粒子の帯電量)>(第2の外添剤粒子の帯電量)
あるいは
(第2の外添剤粒子の帯電量)>(着色粒子の帯電量)>(疎水性シリカ粒子)
なる関係を満たすものが、本願の言及する「一種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに第2の外添剤が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子」であると定義するものである。
【0109】
また、上記関係の中に第3の外添剤を含むものについても上記関係に当てはまるものであるならば、本願の定義が適用できる。
【0110】
また、該着色粒子に対し逆極性に帯電する粒子が現像剤中に含まれる場合、現像前後の静電潜像担持体表面に残留する粒子の成分から「逆極性に帯電する粒子」の存在を確認することができる。「逆極性に帯電する粒子」は一般的に転写バイアスで転写材上に転写されにくいものである。これは、現像剤の帯電特性と一般的な疎水性シリカが同極性の帯電状態にあるのに対して、「逆極性に帯電する粒子」は転写時の挙動が現像剤や疎水性シリカと異なり、静電潜像担持体上に残留しやすい傾向がある。そこで、現像剤中の外添剤量と転写後の静電潜像担持体上に残留する外添剤量を比較することで、第2の外添剤が「該着色粒子に対し逆極性に帯電する粒子」であるかどうか判断することができる。
【0111】
この場合の判断をするために、定量化を行う必要があるが、定量化して判断するために、第1の外添剤と第2の外添剤の元素や粒子径の差を利用する方法として、たとえば、横河電気社製のパーティクルアナライザーPT1000の如き微少元素分析計を用いる方法や、電子顕微鏡と2次電子元素分析装置(EDAX)を併用する方法、また、第1の外添剤と第2の外添剤の結晶構造の違いや屈折率の違いを利用する方法として、レーザ回折型の粒度分布計を使用し、その屈折率の違いから2種の外添剤量を定量化する方法がある。
【0112】
原材料として、疎水性シリカ微粒子と、疎水性シリカ微粒子に対し逆極性に帯電する粒子を外添処理した現像剤を本願記載の画像形成方法にて画像出力を行ったところ、現像前後の静電潜像担持体表面に残留する粒子の成分から「該着色粒子に対し逆極性に帯電する粒子」の存在を確認することができ、現像剤中に含まれる2種以上の外添剤粒子の極性関係を検証することが可能であることがわかった。
【0113】
さらに、転写後の該静電潜像担持体表面に該金属酸化物微粒子のうち少なくとも一つが現像剤組成の1.3〜10倍の比率で残留するような状態がカブリと画像品質を両立する上で好ましい。転写後の該静電潜像担持体表面に該金属酸化物微粒子のうち少なくとも一つが現像剤組成の1.3倍未満のような系では、摺擦での帯電付与効果が弱くなり、本発明の効果を得られない。また、10倍超では、クリーニングや帯電といった転写後のプロセスに対して負荷が大きくなり、例えば、クリーニング不良や帯電不良を併発し、現像スジの要因となるため好ましくない。
【0114】
本発明の現像剤においては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上の目的で、第1の外添剤として疎水化シリカ微粉末が使用できる。
【0115】
疎水化処理を行うシリカ微粉末母体としては、特に限定するものではなく公知のシリカが使用できるが、疎水化処理後のシリカ微粉末の特性として、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(特に30〜400m2/gの範囲内)のものが現像性、流動性の点で好ましい。
【0116】
また、疎水化剤の具体例としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独でもあるいは混合して使用しても良い。
【0117】
これらのシリカ微粉末を疎水化する方法は、公知の製造方法により行うことが可能である。なお、疎水化シリカ微粉末の疎水化の程度(疎水化度)としては、メタノール/水混合溶媒系で濡れ性が90%以上であることが本願の目的から好ましい。
【0118】
また、疎水化シリカ微粉末の使用量としては、現像剤粒子100質量部に対してシリカ微粉体0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用するのが良い。
【0119】
シリコーンオイル処理された無機微粉体があり、具体的な例としては、シリコーンオイル処理により疎水化したシリカ微粉末、シリコーンオイル処理により疎水化した酸化チタン、シリコーンオイル処理により疎水化したアルミナなどが挙げられる。
【0120】
本発明で好適に使用できる第2の外添剤としては以下のような公知の無機粉体中で本願の範囲を満たすものであれば特に限定するものではない。第2の外添剤として具体的には、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末などのもので、「該着色粒子に対し逆極性に帯電する粒子」であれば使用できる。
【0121】
これらのなかでも、マグネシウムあるいはチタンを含有する微粉体が好ましく、具体的にはハイドロタルサイト類やチタニア類、特にルチル型酸化チタンが好ましく、適宜、表面処理することで「該着色粒子に対し逆極性に帯電する粒子」とすることもより好ましい。
【0122】
本発明の現像剤においては、現像部分での帯電安定性、現像剤の耐久性の観点から、現像剤形状を制御することが好ましい。
【0123】
本発明の現像剤における形状の範囲としては、フロー式粒子像測定装置で計測される現像剤の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該現像剤の平均円形度が0.950〜0.990であり、且つ、円形度標準偏差が0.040未満であることがより好ましい結果を得られる。
【0124】
現像剤の平均円形度が0.950未満の現像剤とは、形状が球形から離れて不定形に近づいた現像剤を意味する。このような不定形の現像剤は、現像ニップ内での帯電付与能が低下する。これは不定形のために現像ニップ部で現像剤の転がりが悪く、所期の摺擦がなされないことによるものであると考えられる。
【0125】
現像剤の平均円形度が0.990を上回る現像剤とは、形状がより真球状に近い現像剤を意味する。このような真球状に近い現像剤は、帯電性や転写性に優れるものの、一般にブレードクリーニングのごときクリーニング手段によるクリーニング不良が発生しやすくなり、現像後に潜像担持体上に残留した残現像剤をブレードクリーニング機構で除去しにくくなるため、その結果、クリーニング不良による画像欠陥や、帯電・露光妨害による画像欠陥を生じるといった現像上不都合な現象を生じやすくなるため好ましくない。
【0126】
現像剤の円形度標準偏差が0.040以上の現像剤とは、形状にバラツキが多い現像剤を意味する。このような現像剤は、ブレードクリーニングに関しては良いが、帯電均一性に関して問題があり、このような現像剤を用いた場合は帯電が不均一なことにより、例えば、画像カブリを生じるため問題がある。
【0127】
本発明における現像剤の円相当径、円形度及びそれらの頻度分布とは、現像剤粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行ない、下式を用いて算出した。
【0128】
【数2】
【0129】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された現像剤粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該現像剤粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0130】
本発明における円形度は現像剤粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、現像剤粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0131】
本発明において、現像剤の個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均粒子径D1と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0132】
【数3】
【0133】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度と円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分訊点iでの円形度(中心値)をci,頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0134】
【数4】
【0135】
また、本発明での粒度分布は、コールターマルチサイザーで測定するところの該現像剤の粒度分布において、5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が16〜50個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有する現像剤粒子が1〜30個数%含有され、16μm以上の粒径を有する現像剤粒子が1.5体積%以下含有される一成分現像剤であることが好ましい。
【0136】
現像剤中の5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が16個数%未満では、本発明の効果である現像剤のカブリ、及びドット抜けが悪化するため好ましくない。また、現像剤中の5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が50個数%超含有される場合は、現像剤の規制部材への融着に由来するところの現像スジが発生するために好ましくない。さらに、このような現像剤を達成するためには、8〜12.7μmの粒径を有する現像剤粒子が1〜30個数%含有される系が上記のごとき現像剤をさらに安定化するために良好であり、また、さらに、16μm以上の粒径を有する現像剤粒子の量は1.5体積%以下含有されることで、現像スジの発生をさらに抑制することが可能となる。
【0137】
現像剤の平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
【0138】
【実施例】
静電潜像担持体の製造例(1)
以下の方法により、本実施例に用いる、アルミニウムシリンダー/導電層/下引層/電荷発生層/電荷輸送層/表面保護層からなる負帯電極性のOPC静電潜像担持体を作製した。
【0139】
(i)導電層の作製
外径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダーに、
導電性酸化チタン ・・・・・10質量部
(酸化スズコート、数平均粒径0.4μm)
フェノール樹脂前駆体(レゾール型) ・・・・・10質量部
メタノール ・・・・・10質量部
ブタノール ・・・・・10質量部
をサンドミル分散して得られる分散液を浸漬塗布し、140℃で硬化することで、体積抵抗5×109Ω・cm、厚さ20μmの導電層を設けた。
【0140】
を混合溶解した後に、前記導電層上に浸漬塗布し、1μmの下引層を設けた。
【0141】
(iii)電荷発生層の作製
次に、CuKαのX線回折における回折角2θ±0.2°が、9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するTiOPc(オキシチタニウムフタロシアニン)4質量部とポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2質量部およびシクロヘキサノン60質量部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100質量部を加えて電荷発生層用分散液を調整した。これを上記で得られた下引層上に浸漬塗布し、0.3μmの電荷発生層を設けた。
【0142】
(iv)電荷輸送層の作製
トリフェニルアミン ・・・・・10質量部
ポリアリレート樹脂(重量平均分子量150000) ・・・・・10質量部
モノクロロベンゼン ・・・・・50質量部
ジクロロメタン ・・・・・15質量部
を撹拌混合した後、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、20μmの電荷輸送層を設けた。
【0143】
(v)表面保護層の作製
次に、下記アクリル系モノマー ・・・・・30質量部
【0144】
【化7】
分散前の数平均粒径が40nmの酸化スズ超微粒子 ・・・・・50質量部
光重合開始剤として2−メチルチオキサンソン ・・・・・18質量部
エタノール ・・・・150質量部
をサンドミルにて66時間分散した。この調合液を、先の電荷輸送層上に浸漬塗布して、高圧水銀灯にて200W/cm2の光強度で、60秒間の光硬化を行い、その後120℃、2時間熱風乾燥して表面保護層を得た。得られた表面保護層の膜厚は3μmであった。この静電潜像担持体を静電潜像担持体Aとして、以下の電子写真画像形成装置の製造に用いた。
【0145】
この様にして作製した表面保護層について、静電潜像担持体を回転させ、そこに富士フィルム製#C−2000ラッピングテープを接触させながら圧をかけることで、0.2μmの研磨を行った。表面保護層研磨後の静電潜像担持体を静電潜像担持体A’とする。
【0146】
(vi)表面特性の測定
このようにして得られた静電潜像担持体A’について、表面の皮膜物性試験を行った。また、表面摩擦係数および純水との接触角の測定を前述の方法で行った。
【0147】
結果は、表面摩擦係数が0.80であり、ユニバーサル硬さHUが300N/mm2であった。
【0148】
静電潜像担持体の製造例(2)
静電潜像担持体の製造例(1)で「(v)表面保護層の作製」工程を省略し、且つ、0.1μmの研磨を行う他は静電潜像担持体の製造例(1)と同様の方法で、静電潜像担持体B’を得た。
【0149】
このようにして得られた静電潜像担持体B’について、各測定を行ったところ、表面摩擦係数が0.7、ユニバーサル硬さHUが290N/mm2であった。
【0150】
静電潜像担持体の製造例(3)
静電潜像担持体の製造例(2)で0.5μmの研磨を行うことに変えた他は静電潜像担持体の製造例(2)と同様にして、静電潜像担持体C’を得た。
【0151】
このようにして得られた静電潜像担持体C’について、各測定を行ったところ、表面摩擦係数が1.1、ユニバーサル硬さHUが290N/mm2であった。
【0152】
静電潜像担持体の製造例(4)
(1)静電潜像担持体Bの製造および表面特性の測定
外径30mm、長さ357.5mmのアルミニウムシリンダー上に、導電層、下引層、電荷発生層および電荷輸送層を順次作製するまでは製造例(1)と同様に行った。次いで、前記電荷輸送層上への表面保護層の作製は下記の要領にて行った。すなわち、
下記アクリル系モノマー ・・・・・10質量部
【0153】
【化8】
をサンドミルにて66時間分散した。この調合液を、先の電荷輸送層上に浸漬塗布して、高圧水銀灯にて150W/cm2の光強度で、80秒間の光硬化を行い、その後120℃、1時間熱風乾燥して表面保護層を得た。得られた表面保護層の膜厚は4μmであった。この静電潜像担持体を静電潜像担持体Dとして、以下の電子写真画像形成装置の製造に用いた。
【0154】
この様にして作製した表面保護層について、静電潜像担持体を回転させ、そこに富士フィルム製#C−2000ラッピングテープを接触させながら圧をかけることで、0.3μmの研磨を行った。表面保護層研磨後の静電潜像担持体を静電潜像担持体D’とする。
【0155】
このようにして得られた静電潜像担持体D’について、各測定を行ったところ、表面摩擦係数が0.4、ユニバーサル硬さHUが280N/mm2であった。
【0156】
静電潜像担持体の製造例(5)
静電潜像担持体の製造例(2)で使用したポリアリレートの粘度平均分子量を5000に変えた他は静電潜像担持体の製造例(2)と同様にして静電潜像担持体を静電潜像担持体Eを得た。この静電潜像担持体Eを研磨し、研磨後の静電潜像担持体E’について、各測定を行ったところ、表面摩擦係数が1.4、ユニバーサル硬さHUが310N/mm2であった。
【0157】
静電潜像担持体の製造例で製造した静電潜像担持体の内容と表面特性を表1にまとめる。
【0158】
【表1】
【0159】
外添剤
本実施例で使用した外添剤を以下にまとめる。さらに、これらの外添剤について、その帯電特性を測定する目的で、スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体(ピーク分子量:約20000)100質量部に対して、以下の外添剤を20質量部混合し溶融混練し、冷却後粉砕、分級して一定の粒度に調整したものについて、鉄粉キャリア(EFV)と混合し、図6に示した二成分帯電量測定装置にて帯電量を測定した。これらの結果を以下にまとめる。
【0160】
【表2】
【0161】
現像剤の製造例(1)
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを具備した2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水710質量部と0.1mol/L−Na3PO4水溶液450質量部を添加し、回転数を7000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0mol/L−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
【0162】
一方、
・スチレン単量体 80質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 20質量部
・ポリエステル 10質量部
(酸価20mgKOH/g、ピーク分子量7500)
・カーボンブラック(一次粒子径44nm) 10質量部
・エステルワックスNo.4 10質量部
(R1、R2:C18H37)
・モノアゾクロム錯体 1質量部
上記材料をボールミルを用い充分に分散させた後、ボールミルより内容物を単離した。この内容物に対して、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)3質量部を添加した重合性単量体組成物を、前記水系分散媒体中に投入し回転数7000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で4時間反応させた後、80℃で5時間重合させ、更に85℃で減圧し蒸留し、反応を終了させた。
【0163】
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を溶解し、濾過、水洗、乾燥した後に風力分級によって所望の粒度に分級し、着色剤粒子(1)を得た。得られた着色剤粒子(1)を鉄粉キャリアと混合し、二成分帯電量測定装置にて帯電量を測定したところ−45mC/kgであった。
【0164】
続いて、該着色粒子100質量部対して、外添剤(1)を1.5質量部と外添剤(3)を0.2質量部とをヘンシェルミキサーで高速撹拌し、該着色粒子の表面を処理することで本発明の現像剤(1)を調製した。
【0165】
現像剤(1)において、着色剤粒子、外添剤(1)、外添剤(3)のそれぞれの帯電量は
着色剤粒子(1)=−45mC/kg
外添剤(1)=−80mC/kg
外添剤(3)=+10mC/kg
であり、外添剤(1)及び着色剤粒子(1)に対し、外添剤(3)は逆極性に帯電しているものである。
【0166】
このように、着色粒子と同極で帯電量の高い疎水性シリカと、逆極に帯電する外添剤の2種類を組合せて外添を行い、現像剤を作製した場合、本願の示すところの「該着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも一種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子」になる。
【0167】
現像剤の製造例(2)〜(4)
表3に示す処方のみ変更する他は現像剤の製造例(1)同様の方法で、現像剤(2)〜(4)を製造した。
【0168】
現像剤の製造例(5)
着色剤粒子の製造方法を以下に示す溶融粉砕法により行った。具体的な製造方法としては、
まず下記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した。
・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体
(ピーク分子量:約40000、ガラス転移点Tg:63℃) 100質量部
・カーボンブラック(一次粒子径40nm) 10質量部
・ジカルボン酸アルミ錯体 2質量部
・ポリエチレン 5質量部
(分子量分布=1.08、DSC吸熱ピーク:107℃)
【0169】
続いて、スクリュー押し出し混練機のスクリュー最後尾側のニーディング部におけるバレル部設定温度をT0(℃)=110℃、溶融混練機排出口温度T1=150℃になるように二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)で混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー粗砕物を得た。次に、該粗砕物を衝突式気流粉砕機で微粉砕した後、機械的衝撃力を利用する表面改質装置を用いて球形化処理を行い、球形の粉砕原料を得た。次に、得られた粉砕原料を、多分割分級装置エルボジェット分級装置(日鉄鉱業製)に導入し、所望の粒度分布になるよう分級操作して着色粒子(5)を得た。得られた着色剤粒子(5)を鉄粉キャリアと混合し、二成分帯電量測定装置にて帯電量を測定したところ−40mC/kgであった。
【0170】
続いて、該着色粒子100質量部対して、外添剤(2)を1.3質量部と外添剤(8)を0.2質量部と、さらに外添剤(7)を0.2質量部をヘンシェルミキサーで高速撹拌し、該着色粒子の表面を処理することで本発明の現像剤(5)を調製した。
【0171】
現像剤の製造例(6)〜(8)
表3に示す処方のみ変更する他は現像剤の製造例(5)同様の方法で、現像剤(6)〜(8)を製造した。
【0172】
現像剤の製造例(9)
現像剤の製造例(5)において、機械的衝撃力を利用する表面改質装置を用いて球形化処理を行う工程を省き、且つ、分級条件を操作した他は現像剤の製造例(5)と同様の方法で、現像剤(9)を製造した。
【0173】
現像剤の比較製造例(1)
現像剤の製造例(5)において、表3に示す処方に変更し、且つ、分級条件を操作して着色粒子を得た。この着色粒子を鉄粉キャリアと混合し、二成分帯電量測定装置にて帯電量を測定したところ−45mC/kgであった。この着色粒子に対して、外添剤(1)を1.5質量部と外添剤(7)を0.3質量部、用いて表面処理することで比較現像剤(1)を調製した。
【0174】
現像剤の比較製造例(2)
現像剤の製造例(9)において、表3に示す処方に変更し、且つ、分級条件を操作して着色粒子を得た。この着色粒子を鉄粉キャリアと混合し、二成分帯電量測定装置にて帯電量を測定したところ−40mC/kgであった。この着色粒子に対して、外添剤(2)を1.5質量部と外添剤(9)を0.3質量部と外添剤(7)を0.1質量部、用いて表面処理することで比較現像剤(2)を調製した。
【0175】
現像剤の比較製造例(3)
現像剤の比較製造例(2)で作製した着色粒子に対して、外添剤(2)を1.7質量部、用いて表面処理することで比較現像剤(3)を調製した。
【0176】
以上合成した現像剤を表3にまとめる。
【0177】
【表3】
【0178】
現像装置例(1)
次に、本実施例で使用する現像装置について、具体的に説明する。
【0179】
図1は、本実施例で使用した一成分接触現像方式の電子写真プロセスを利用した600dpiレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−860)改造機の概略図である。本実施例では以下の(a)〜(h)の部分を改造した装置を使用した。
(a)プロセススピードを129mm/sに変更した。
(b)装置の帯電方式をゴムローラ当接による直接帯電とし、印加電圧を直流成分とした。
(c)現像剤担持体をカーボンブラックを分散したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラ(16φ、硬度ASKER C45度、抵抗105Ω・cm、Ra=2.1μm、Rz=3.5μm)に変更し、静電潜像担持体にニップ幅3.0mmで圧接するよう配置した。
(d)該現像剤担持体の回転周速は、静電潜像担持体との接触部分において順方向であり、該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が155%の速度になるよう調整した。
(e)静電潜像担持体を静電潜像担持体A’とした。
(f)現像剤担持体に現像剤を塗布する手段として、現像器内に塗布ローラを設け、該現像剤担持体に当接させた。
(g)厚さ0.5mmのリン青銅表面に、溶剤希釈したウレタンをディッピング加工したブレードを、現像剤担持体との接触圧が線圧約29.6N/m(約30g/cm)となるように取付けた。
(h)現像時の印加電圧をDC成分のみとした。
(j)静電潜像担持体上のクリーニングブレードの当接圧が線圧約39.2N/m(約40g/cm)となるように取付けた。
【0180】
これらのプロセスカートリッジの改造に適合するよう電子写真装置に以下のように改造及びプロセス条件設定を行った。
【0181】
改造された装置はローラ帯電器(直流のみを印加)を用い像担持体を一様に帯電する。帯電に次いで、レーザ光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成し、現像剤により可視画像とした後に、電圧を+700V印加したローラにより現像剤像を転写材に転写するプロセスを持つ。概略を図1に示した。
【0182】
(k)静電潜像担持体を、静電潜像担持体の製造例(1)の静電潜像担持体に交換した。
【0183】
(m)静電潜像担持体帯電電位を、暗部電位が−700V、明部電位を−100Vとなるよう帯電電圧を調整した。
【0184】
現像装置例(2)〜(5)
現像装置例(1)において、(e)静電潜像担持体を静電潜像担持体B’〜E’とした点以外は、同様にして現像装置例(2)〜(5)を準備した。
【0185】
現像装置例(6)
現像装置例(1)において、(d)現像剤担持体の回転周速を該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が110%の速度になるよう調整する点以外は、同様にして現像装置例(6)を準備した。
【0186】
現像装置例(7)
現像装置例(1)において、(d)現像剤担持体の回転周速を該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が260%の速度になるよう調整する点以外は、同様にして現像装置例(7)を準備した。
【0187】
現像装置例(8)
本例では、現像装置例(1)で使用した600dpiレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−860)改造機に変えて、中間転写体を有する非磁性一成分のフルカラー画像形成装置である600dpiカラーレーザービームプリンタ改造機を使用した。
【0188】
本例の基本的な構成を図2に示す。
【0189】
本画像形成方法は、静電潜像担持体1上に顕像化された画像を着脱可能なクリーニング装置10を有する中間転写体5上に各色の現像剤を順次重ねて転写していくことによって、中間転写体5上に4色の画像を形成した後、記録材P上に一括転写し、定着することによって定着画像を得るものである。
【0190】
図2に示す装置システムにおいて、現像器4−1、4−2、4−3、4−4に、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアン現像剤が導入される。
【0191】
現像装置例(1)から以下の点を変更した。
(a)プロセススピードを94mm/sに変更した。
(j)静電潜像担持体1上のクリーニングブレード8の当接圧を線圧約39.2N/m(約40g/cm)となるようにし、クリーニングブレード10を着脱式とした。
【0192】
実施例(1)〜(8)、参考例(1)及び、比較実施例(1)〜(3)
画像形成装置として現像装置例(1)を、現像剤として現像剤(1)〜(9)、比較現像例(1)〜(3)のそれぞれを用いて、23℃、15%の環境下でA4サイズの用紙に横線パターン画像を連続して8000枚耐久した。
【0193】
実施例(1)〜(8)、参考例(1)及び、比較実施例(1)〜(3)のプリントアウト評価結果を表4にまとめる(評価の詳細は後述)。
【0194】
さらに、実施例(2)について、現像剤中の外添剤量と転写後の静電潜像担持体上に残留する外添剤量をSEM及び、EDAXで定量した。実施例(2)で使用した外添剤(1)、及び外添剤(4)はその組成比も粒子径も異なることから、両者を容易に判別することができる。その結果、現像剤中の外添剤に含まれる外添剤(1)と外添剤(4)の比に対して、転写後の静電潜像担持体上に残留する成分中の外添剤(1)と外添剤(4)の比は、明らかにその比率が異なり、転写後の静電潜像担持体上には選択的に外添剤(4)が多く残留していた。このことから、このような現像系で、実施例(2)のよう現像剤の組合せを出力した場合は、転写後の静電潜像担持体上に、着色粒子に対し逆極性に帯電する粒子が含まれていることが検証できるものとなる。
【0195】
ここで、実施例(1)〜(8)、参考例(1)が良好な性能を発揮したが、これは、着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子と、着色粒子と逆極性に帯電する外添剤の組合せが適切であり、現像装置例(1)において現像剤に適切な帯電付与を行ったために、本発明の効果であるところの現像剤の融着や現像性が向上したものである。また、現像剤が適切な粒度分布及び粒子形状を有することで、さらに本発明の効果が顕著に現れることが明らかになった。これは、現像剤の粒度分布及び粒子形状が本発明の如き範囲にあるとき、現像部位での摩擦帯電がより有効に行われていることを意味している。
【0196】
また、かかる現像剤は、低温低湿といった過酷な環境下の耐久試験にもかかわらず、耐久中に規制部材表面や静電潜像担持体表面に現像剤が融着せず、耐久中の濃度変化が少なく、また、耐久後半でも、初期と変わらない安定した性能が発揮できている。このような効果が発現する機構については明らかではないが、現像を繰り返し行っていく上で、着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子と着色粒子と逆極性に帯電する外添剤を組合せた現像剤が摩擦部位で摺擦されるときに、現像剤中の微少領域に静電気的凝集力が働き、遊離状態の外添剤を減少させることで、各部材表面への外添剤の付着を低減させ、各部材表面が常に初期に近い状態を維持していることが理由であると考えられる。
【0197】
実施例(10)〜(11)、及び比較実施例(4)〜(7)
画像形成装置として表5に示す現像装置例(2)〜(7)のそれぞれを用い、現像剤として現像剤(1)を用いて23℃、30%の環境下でA4サイズの用紙に横線パターン画像を連続して8000枚の耐久試験を実施した。
【0198】
実施例(10)〜(11)、及び比較実施例(4)〜(7)のプリントアウト評価結果を表5にまとめる評価の詳細は後述)。
【0199】
ここで、静電潜像担持体の製造例(2)〜(3)が良好な性能を発揮したが、これは、静電潜像担持体表面の表面摩擦係数が適当であり、本発明の効果である現像部分での摩擦帯電が有効に行われているためである。さらに、8000枚という耐久にも現像性に変化がないことから、かかる静電潜像担持体の静電潜像担持体表面の硬さが充分にあり、摩耗性に対して有効であって静電潜像担持体の初期特性を耐久後半も維持できたためであると考えられる。
【0200】
また、比較実施例(4)において、ドット抜けや耐久での画像濃度変化が不十分な結果になったが、これは、静電潜像担持体の表面摩擦係数が好ましい範囲に満たないため、現像部分での摩擦帯電が不十分であることが原因であると考えられる。また、比較実施例(5)において、画像スジや帯電部材汚染が不十分な結果になったが、これは、静電潜像担持体の表面摩擦係数が高いことで、静電潜像担持体表面に現像剤中の外添剤成分が付着し、さらに静電潜像担持体の表面摩擦係数が高いことで、ブレードクリーニング部材でのクリーニングが困難になり、転写残成分中の外添剤が通過してしまうために接触帯電部材を汚染したものと考えられる。そこで、このような表面摩擦係数を有する静電潜像担持体は好ましい範囲を上回るものである。
【0201】
さらに、比較実施例(6)において、画像カブリが悪化したが、これは、該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が低く、現像部分での帯電付与が不十分であるためであると考えられる。また、比較実施例(7)では、耐久によって画像スジが悪化したが、これは、現像剤担持体と静電潜像担持体の周速差が大きいために、現像剤表面の外添剤に対する機械的ストレスが大きくなり、現像剤の表面で外添剤の存在状態が変化し帯電性特性が変化したため出あると考えられる。
【0202】
実施例(12)
現像装置例(8)のフルカラー画像形成装置を用い、現像器4−1、4−2、4−3、4−4に現像剤(1)、現像剤(2)、現像剤(3)、現像剤(4)を導入した。この画像形成装置を用いて、23℃、40%環境下で印字率5%のフルカラー画像を連続で8000枚の耐久試験を実施した。その結果、画像カブリ、ドット抜け、画像濃度が安定したカラー画像が得られた。また、現像スジや帯電部材汚染においても優れた結果が得られた。
【0203】
実施例(13)
実施例(12)同様に、現像剤(5)、現像剤(6)、現像剤(7)、現像剤(8)を用いて耐久試験を実施した。その結果、画像カブリ、ドット抜け、画像濃度が安定したカラー画像が得られた。また、実施例(12)に比較して若干現像スジや帯電部材汚染が悪化するという結果が得られた。この理由として、実施例(13)で使用した現像剤は、現像剤粒子の表面形状の球形度が比較的低いことで、現像部位での摩擦帯電での摺擦で均一性が若干悪化していることが考えられる。
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】
実施例1〜13、並びに、比較例1〜7中に記載の評価項目の説明とその評価基準について述べる。
【0207】
[プリントアウト画像評価]
<1>画像カブリ
「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した
A:非常に良好(1.0%未満)
B:良好 (1.0%以上、2.0%未満)
C:実用可 (2.0%以上、3.0%未満)
D:実用難あり(3.0%以上、4.0%未満)
E:実用不可 (4%以上)
【0208】
<2>ドット抜け
図5に示すチェッカー模様をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。
A:非常に良好(欠損1個以下/100個)
B:良好 (欠損2〜4個/100個)
C:実用可 (欠損5〜8個/100個)
D:実用難あり(欠損9〜11個/100個)
E:実用不可 (欠損12個以上/100個)
【0209】
<3>画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定の枚数のプリントアウトを終了した時の画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.25以上、1.35未満
D:1.00以上、1.25未満
E:1.00未満
【0210】
<4>現像スジ
3000枚時点で25%ハーフトーン画像を出力し、画像上の現像スジ(連続する画像上の濃スジ)の発生の程度を目視で評価した。
A:非常に良好(未発生)
B:良好 (ほとんど発生せず)
C:実用可 (弱いスジが数本発生するが、実用上問題にならないレベル)
D:実用難あり(弱いスジが多数発生し、実用上問題となるレベル)
E:実用不可 (著しいスジが発生し、実用外のレベル)
【0211】
<5>帯電部材汚染
各耐久枚数での接触帯電部材上の部材汚染について、ハーフトーン画像上に発生する現象を下記基準で評価した。
A:非常に良好(未発生)
B:良好 (わずかに部材汚染の現象が見られるが、画像への影響はない)
C:実用可 (部材汚染の現象が見られるが、画像への影響が少なく、実用上問題ないレベル)
D:実用難あり(明らかな部材汚染が見られるが、使い方によっては問題となるレベル)
E:実用不可 (明らかな部材汚染が見られ、実用上問題となるレベル)
【0212】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一成分接触現像方式において、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を粒子表面に有する現像剤を薄層で保持する現像剤担持体と、一定の表面摩擦係数の有機物層を有する静電潜像担持体とが、現像部で周速差を持って接触することで、現像剤に対して適切な摩擦帯電付与することが可能となり、カブリ、ドット抜け、濃度不足を防止しつつ、画像スジの発生しない画像形成方法を提供することが可能となる。また、一成分接触現像系において、現像剤の帯電特性を改善しつつ、帯電弊害による画像欠陥を防止した画像形成方法を提供することができる。
【0213】
さらに、現像剤の粒度分布と形状を制御することで、耐久性に優れ、初期特性と同等の安定した現像剤、及び、画像形成方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】本実施例で使用したフルカラー一成分画像形成装置の概略構成図である。
【図3】静電潜像担持体に対する現像剤担持体の相対速度と帯電性付与能、及び現像剤劣化の関係の概略を示す図である。
【図4】表面被膜物性試験の測定装置を概略的に示す図である。
【図5】本発明のドット抜けを評価するために用いた画像の例である。
【図6】現像剤の二成分帯電量測定装置の概略図である。
【図7】摩擦係数測定器ヘイドン14型の概略図である。
【図8】摩擦係数測定の際に用いたウレタンゴムブレードの形状を示す図である。
【図9】図7におけるウレタンゴムブレードとサンプルの接触部分を拡大した図である。
【符号の説明】
7 像加熱装置(定着装置)
P 転写材(記録材)
1 静電潜像担持体(感光体ドラム)
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 レーザ光
4 現像器
5 中間転写体ドラム
6 転写ローラ
8 クリーナ(感光体ドラム用クリーナ)
10 クリーナ(中間転写体ドラム用クリーナ)
T1 一次転写部
T2 二次転写部
41 吸引機
42 測定容器
43 導電性スクリーン(500メッシュ)
44 フタ
45 真空計
46 風量調節弁
47 吸引口
48 コンデンサー
49 電位計
22 上部ホルダー
23 下部ホルダー
24 固定ビス
Claims (18)
- 静電潜像担持体に対し、現像剤担持体を圧接するよう配置し、現像剤担持体上に薄層化された現像剤で該静電潜像担持体上の静電潜像を顕像化する画像形成方法において、該静電潜像担持体と現像剤担持体の回転方向が順方向であり、該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が120〜250%の範囲で摺擦することにより該現像剤に帯電付与する画像形成方法に用いられる現像剤であって、
該静電潜像担持体表面が有機物で形成されている静電潜像担持体であり、その表面摩擦係数(静電潜像担持体試料の摩擦力/ポリエチレンテレフタレートの摩擦力)が0.5〜1.2となる有機物層を有し、
該現像剤は少なくとも結着樹脂、着色剤と離型剤からなる着色粒子と、該着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも1種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子であり、
該現像剤の粒度分布において、5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が16〜50個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有する現像剤粒子が1〜30個数%含有され、16μm以上の粒径を有する現像剤粒子が1.5体積%以下含有され、
フロー式粒子像測定装置で計測される現像剤の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該現像剤の平均円形度が0.950〜0.990で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする現像剤。 - 転写後の該静電潜像担持体表面に該金属酸化物微粒子のうち少なくとも一つが現像剤組成の1.3〜10倍の比率で残留していることを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
- 該顕像を記録材に転写した後、該静電潜像担持体表面の転写残留現像剤をブレードクリーニングし、さらに該静電潜像担持体に接触して帯電を行なう機構を有する画像形成方法に用いる一成分現像剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤。
- 該現像剤担持体上の現像剤を薄層化する手段が、弾性を有する金属ブレードからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤。
- 該感光層表面の材質がポリカーボネート、ポリアリレートより選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤。
- 該感光層表面のユニバーサル硬さHUが200N/mm2以上(但し、硬さHと圧子の押込み深さhとの関係を示す曲線は変曲点を持たない)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像剤。
- 着色剤がイエロー、シアン、マゼンタ、黒のいずれかを形成するフルカラー用、あるいはモノカラー用の着色剤であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の現像剤。
- 静電潜像を現像後に逐次転写し、記録材上にフルカラー画像を形成する方法に用いるフルカラー用の現像剤であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像剤。
- 中間転写体を有し、中間転写体上でフルカラー画像を形成する方法に用いるフルカラー用の現像剤であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の現像剤。
- 静電潜像担持体に対し、現像剤担持体を圧接するよう配置し、現像剤担持体上に薄層化された現像剤で該静電潜像担持体上の静電潜像を顕像化する画像形成方法において、該静電潜像担持体と現像剤担持体の回転方向が順方向であり、該静電潜像担持体に対する該現像剤担持体の相対速度が120〜250%の範囲で摺擦することにより該現像剤に帯電付与する画像形成方法であって、
該静電潜像担持体表面が有機物で形成されている静電潜像担持体であり、その表面摩擦係数(静電潜像担持体試料の摩擦力/ポリエチレンテレフタレートの摩擦力)が0.5〜1.2となる有機物層を有し、
該現像剤は少なくとも結着樹脂、着色剤と離型剤からなる着色粒子と、該着色粒子表面に、少なくとも2種以上の金属酸化物微粒子を有する非磁性の一成分現像剤であり、該金属酸化物微粒子の少なくとも1種が該着色粒子と同極に帯電する疎水性シリカ微粒子であり、さらに他の外添剤のうち少なくとも1種が該着色粒子に対して逆極性に帯電する粒子であり、
該現像剤の粒度分布において、5μm以下の粒径を有する現像剤粒子が16〜50個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有する現像剤粒子が1〜30個数%含有され、16μm以上の粒径を有する現像剤粒子が1.5体積%以下含有され、
フロー式粒子像測定装置で計測される現像剤の個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該現像剤の平均円形度が0.950〜0.990で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする画像形成方法。 - 転写後の該静電潜像担持体表面に該金属酸化物微粒子のうち少なくとも一つが現像剤組成の1.3〜10倍の比率で残留していることを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
- 該顕像を記録材に転写した後、該静電潜像担持体表面の転写残留現像剤をブレードクリーニングし、さらに該静電潜像担持体に接触して帯電を行なう機構を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の画像形成方法。
- 該現像剤担持体上の現像剤を薄層化する手段が、弾性を有する金属ブレードからなることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該感光層表面の材質がポリカーボネート、ポリアリレートより選ばれたものであることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該感光層表面のユニバーサル硬さHUが200N/mm2以上(但し、硬さHと圧子の押込み深さhとの関係を示す曲線は変曲点を持たない)であることを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
- 着色剤がイエロー、シアン、マゼンタ、黒のいずれかを形成するフルカラー用、あるいはモノカラー用の着色剤であることを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
- 静電潜像を現像後に逐次転写し、記録材上にフルカラー画像を形成することを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の画像形成方法。
- 中間転写体を有し、中間転写体上でフルカラー画像を形成することを特徴とする請求項10乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
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