JP2005125952A - 建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置 - Google Patents

建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置 Download PDF

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Toshiyuki Shigemoto
俊行 重本
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裕也 田中
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圭一 三宅
Kyoko Yamada
恭子 山田
Makoto Sakai
誠 酒井
Yasuo Yamashita
康夫 山下
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Abstract

【課題】 建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置において、騒音を低減でき、また、冷却風の圧力損失を低減できるようにする。
【解決手段】 建設機械のエンジンルームに収容されクーリングユニット24aに冷却風を流通させるための冷却ファン25に対し設けられるフィンガーガード30を、少なくとも冷却ファンの外周を蓋う部位31を非通気性の素材により形成するとともに上記の冷却ファン25の外周を蓋う部位31の所定位置に開口33を形成して構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、建設機械のエンジンルームに設置される冷却ファンに用いられる、建設機械の冷却ファン用フィンガーガード、及び、それを使用した建設機械の冷却装置に関する。
今日、油圧ショベル,ホイールローダ等の走行式の建設機械やクレーン等の定置式の建設機械等、種々の建設機械が建設現場,港湾,工場内等の様々な分野において用いられている。これら建設機械の構造は、例えば走行式の建設機械である油圧ショベルでは、図14に示すように下部走行体101と、下部走行体101の上側に旋回可能に配設された上部旋回体102と、上部旋回体102に設けられ種々の作業を行なう作業装置103との3つの部分で構成されている。このうち上部旋回体102には、その機体後方にカウンタウェイト102−1が配置され、カウンタウェイト102−1の機体前方にはエンジンルーム102−2が配置されている。
ここでエンジンルーム102−2について図15を参照して説明する。図15は一般的なエンジンルームの構成を示す図であって機体前方から見たエンジンルームの模式的な断面図である。
エンジンルーム102−2には、エンジン106や油圧ポンプ108等の機器が配設され、エンジン106による油圧ポンプ108の駆動により発生した油圧によって作業装置103(図14参照)を作動させている。
建設機械は、ダム,トンネル,河川,道路等における岩石の掘削やビル,建築物の取り壊し等、一般に厳しい環境下で使用されるが、このような環境下ではエンジン106や油圧ポンプ108等の機器類に加わる負荷が高く、エンジン温度の上昇や作動油の油温の上昇を招きやすい。このため、これら建設機械では、図15に示すように、エンジン106により駆動されるファン105によって生成される冷却風の流路に、比較的大容量のラジエータやオイルクーラなどからなるクーリングパッケージ104をそなえ、これらクーリングパッケージ104によってエンジン冷却水や作動油が冷却される(例えば特許文献1参照)。
つまり、ファン105の回転により、クーリングパッケージ104が設置されたラジエータルーム102Aの上部開口部110から外部の空気(冷却風)が吸引され、この空気が、フィン構造のクーリングパッケージ104のコアを通過する際に、エンジン冷却水や作動油を冷却するのである。
そして、メインエンジンルーム102Bには、ファン105からファン軸流方向(図15中において左右方向)に対し所定の距離をあけて、上面に開口部111が、下面に開口部112がそれぞれ設けられている。上面の開口部111は、メッシュ状やルーバ状などに形成された複数の開口からなり、上記ファン軸流方向に対し比較的大きな幅をもって形成されている。一方、下面の開口部112は、比較的面積の大きな単一の開口として形成されている。
また、油圧ポンプ108が設置されたポンプルーム102Cには、上面に開口部113が、下面に開口部114がそれぞれ設けられており、これらの開口部113,114は、メインエンジンルーム102Bの開口部111と同様に、メッシュ状やルーバ状などに形成された複数の開口からなる。
エンジン冷却水や作動油を冷却して高温となった空気は、メインエンジンルーム102Bの上記排気開口部111,112から外部に排出され、又は、メインエンジンルーム102Bを通り抜けて、ポンプルーム102Cの上記排気開口部113,114から外部に排出される。
また、冷却ファン105の冷却風吐出側には、作業者がメンテナンス作業の際に冷却ファン105に触れてしまわないように、フィンガーガード105aが取り付けられている(例えば非特許文献1参照)。フィンガーガード105aは、指などの挿入できない間隔で配列された複数のスポークからなり、クーリングパッケージ104の構成要素であってクーリングパッケージ104のコアと冷却ファン105との間に設置されるシュラウド104aに支持されている。
ところで、特に油圧ショベルでは、ファン105から吐出された空気の流れには、ファン軸流方向の成分が殆どなく、遠心方向の成分や旋回方向の成分(以下、まとめて遠心/旋回方向成分という)が主成分となることが確認されている。
以下、この理由を図16〜図19を参照して説明する。
油圧ショベルの場合、上部旋回体102内部においてラジエータやエンジンなどを搭載できるスペースは図16(a)に示すようになり、図16(b)に示すような他の建設機械のスペースに較べて狭く特にその横断面積(ファン軸流方向に対して直交する断面)が小さくなる。これは、エンジンルームの高さについては高くするとエンジンルーム前方の運転席からの後方への視界が遮られてしまい、エンジンルームの幅〔建設機械の前後長さ〕についてはこれを長くすると機長が長くなって建設機械後端の旋回半径が大きくなり、狭い現場で使うのに不便になるためである。
このように横断面積が比較的小さくなる分、油圧ショベルでは、クーリングパッケージ104の厚さ(冷却風の進行方向に対する寸法)を大きく取って、クーリングパッケージ104と冷却風との接触面積ひいてはクーリングパッケージ104の冷却性能を確保するようにしている。この結果、冷却風がクーリングパッケージ104を通過する際に受ける圧力抵抗が比較的大きくなってしまう。
建設機械では、コストやサイズを抑えるため冷却ファンには軸流ファンが一般的に使用されている。図17は一般的な軸流ファンの性能曲線を示す模式図である。この性能曲線Lから明らかなように、軸流ファンでは、一般的にファン上流側の圧力損失ΔPが増加するほど、単位時間当たりのファン風量Vが減少する傾向にある。ファン風量Vとは即ち冷却風のファン上流からファン下流への移動量であることから、ファン上流側の圧力損失ΔPが増加するほど、ファン上流からファン下流への直線的な流れである軸流方向の流れが特に得られにくくなる。
このため、ファン上流側の圧力損失ΔPが所定値ΔP0未満の低圧力損失域RLにおいては冷却風の流れは図18(a),(b)に示すようになり、ファン上流側の圧力損失ΔPが所定値ΔP0以上の高圧力損失域RHにおいては冷却風の流れは図19(a),(b)に示すようになる〔図18及び図19は何れもその左右方向をファン軸流方向と一致させて示す図であり、図18(a)及び図19(a)では、ファン翼の回転中心線CLより下側みを示している〕。
つまり、上記低圧力損失域RLにおいてはファン風量が比較的多くなることから、図18(a)に示すように、ファン上流側ではベクトルFIN,1で代表して示すような比較的大きな風量の軸流が発生し、ファン下流側ではベクトルFOUT,1で代表して示すような流れ、即ち遠心/旋回方向成分ベクトルFC,1よりも軸流方向成分ベクトルFA,1が支配的な流れが発生する。そして、風量は、図18(b)にベクトルで示すように遠心側になるほど大きくなる。
これに対し、上記高圧力損失域RHにおいてはファン風量が比較的少なくなることから、図19(a)に示すように、ファン上流側ではベクトルFIN,2で示すような比較的少量の軸流しか発生せず、ファン下流側においては、ベクトルFOUT,2で示すような流れ、即ち軸流方向成分ベクトルFA,2よりも遠心/旋回方向成分ベクトルFC,2が支配的な流れが発生し、風量は、図19(b)にベクトルで示すように遠心側になるほど大きくなる。
このようなファン上流側の圧力損失ΔPとファン下流側での冷却風の流れとの関係は、実験やシミュレーションでも確認されている。
そして、上述したように油圧ショベルではクーリングパッケージが厚いためファン上流側の圧力損失ΔPが大きく高圧力損失域で冷却ファンが使用されることとなり、ファン出口側の冷却風の流れ成分は、遠心/旋回方向成分が支配的になるのである。
しかしながら、図14に示す上記従来技術では、上述したように、網目状に複数の開口が形成されてなる排気開口部111などが、ファン軸流方向に対してファン105から距離を開けて配設され、また、ファン軸流方向に対して幅を持って形成されているため、メインエンジンルーム102Bに吸引された冷却風は、排出されるまでに上記軸流方向への流れを余儀なくされる。
つまり、この従来技術では、遠心/旋回方向成分を流れの主成分とする空気を強制的に軸流方向へ流す構造となるため、乱流が発生するなどして空気の被る圧力損失が比較的大きく、クーリングパッケージ104を通過後の空気の排出が滑らかに行なわれない(排出効率が低い)という課題がある。
排出効率を向上させるために、メインエンジンルーム102Bの開口面積を増加させることも考えられるが、この場合、騒音(エンジン音や、冷却風がクーリングパッケージ104などを通過する際に発生する風切音の外部への漏洩)の増大を招くこととなり、新たな課題が発生する。
そこで、冷却風のエンジンルームからの排出効率を向上させ騒音を低減できるようにした技術として、特許文献2には図20に示すような建設機械が開示されている。この建設機械では、エンジンルーム130の上面に冷却風の導入口131が設けられるとともにエンジンルーム130の上面及び両側面(車体前後面)に冷却の風排出通路(ファン風分流路,ファン風分流ダクト)132〜134が設けられ、この冷却風通路の入口(図20中で左側端部)は何れも冷却ファンの外周近傍に位置設定されている。このような構成により、冷却ファンから遠心/旋回方向に吹き出された冷却風を少ない開口から効率的に排出し、且つ、エンジンルーム130からの騒音の増大を防止するようにしている。
実開平3−83324号公報 特開2001−193102号公報 「部品カタログ 320C 320C L 油圧ショベル」,新キャタピラ三菱,2002年9月,XJBP7843−01,p.32
しかしながら、上述した従来技術には、以下のような課題がある。
つまり、図20に示す従来技術では、上述した図14に示す従来技術と同様に、上記の冷却風通路132,134の排出口132a,134aはエンジンルーム上面に設けられているため、これらの排出口132a,134aからは鉛直上方に向けて騒音が発せられてしまう。建設機械から発せられる騒音を抑制することは例えば作業場所を遮蔽物により囲うなどすれば可能であるが、鉛直上方に発せられる騒音に対しこのような遮蔽物を設けることは大掛かりな作業が必要となり現実的ではなく、また、水平方向に発せられる騒音の一部や鉛直上方に発せられる騒音は主に地面などにより吸収されるが、鉛直上方に発せられる騒音に対してはこのような吸収物がないためその伝播範囲が極めて広い。
また、フィンガーガードは、一般的に多数のスポークを縦及び/又は横に所定の間隔をあけて配列することにより形成されているため、冷却風がフィンガーガードを通過する際にこれらの多数のスポークと接触する結果、大きな風切り音が発生し、また、冷却風の圧力損失を引き起こすといった課題がある。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、騒音を低減でき、また、冷却風の圧力損失を低減できるようにした、建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明の建設機械の冷却ファン用フィンガーガードは、建設機械のエンジンルームに収容され、クーリングユニットに冷却風を流通させるための冷却ファンを蓋うようにして設けられた、建設機械の冷却ファン用フィンガーガードであって、少なくとも冷却ファンの外周を蓋う部位が、非通気性の素材により形成され、上記の冷却ファンの外周を蓋う部位に、所定位置に開口が形成されたことを特徴としている。
請求項2記載の本発明の建設機械の冷却ファン用フィンガーガードは、請求項1記載の建設機械の冷却ファン用フィンガーガードにおいて、該クーリングユニットと該冷却ファンとの間に設置されるシュラウドと一体に構成されたことを特徴としている。
請求項3記載の本発明の建設機械の冷却装置は、エンジンルームの内部に形成される冷却風通路と、該エンジンルーム内に設置され冷却風を流通させる冷却ファンと、該エンジンルーム内に該冷却ファンよりもファン軸流方向上流側に設置されるクーリングユニットとをそなえて構成された、建設機械の冷却装置において、請求項1又は2記載のフィンガーガードと、該エンジンルームが内部に形成される機体壁面に対し該冷却ファンの外周に形成された冷却風の排出口とをそなえ、該フィンガーガードの開口が、該排出口と対向するように配置されたことを特徴としている。
請求項4記載の本発明の建設機械の冷却装置は、請求項3記載の建設機械の冷却装置において、上記の冷却風の排出口が、該エンジンルームの機体後方のカウンタウェイトの壁面に形成されたことを特徴としている。
請求項5記載の本発明の建設機械の冷却装置は、請求項3又は4記載の建設機械の冷却装置において、上記の冷却風の排出口が、該エンジンルームの天井壁に形成されたことを特徴としている。
本発明によれば、フィンガーガードにおける少なくとも冷却ファンの外周を蓋う部位が、非通気性の素材により形成され、この冷却ファンの外周を蓋う部位に、所定位置に開口が形成されているので、複数のスポークを短い間隔で配列して構成される従来の一般的なフィンガーガードにおいて冷却風がスポークを通過する際に発生していた風切り音を抑制でき、ひいては建設機械から発生する騒音を大幅に低減でき、また、上記の従来の一般的なフィンガーガードにおいてはスポークが冷却風の流通抵抗となっていたが、これが抑制され、冷却風の圧力損失を軽減できる利点がある。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
なお、図1〜図13の各図において、図中の矢印Xは建設機械の前後方向(以下、エンジンルーム幅方向ともいう)を示し、図中の矢印Yは建設機械の左右方向(以下、ファン軸流方向ともいう)を示す。
また、以下の実施形態では、本発明を建設機械として油圧ショベルに適用した例を説明する。
(1)第1実施形態
本発明の第1実施形態としてのフィンガーガード及び冷却装置が適用される建設機械について図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかる建設機械の全体構成を示す模式的な斜視図である。
建設機械は、下部走行体1と、下部走行体1の上側に旋回可能に配設された上部旋回体2と、上部旋回体2に設けられ種々の作業を行なう作業装置3の3つの部分で構成されている。このうち上部旋回体2には、その機体後方にカウンタウェイト2Aが配置され、カウンタウェイト2Aの機体前方にはエンジンルーム2Bが配置されている。上部旋回体2の上壁(以下、エンジンルーム天井壁ともいう)22には開閉可能なエンジンフード50が取り付けられており、このエンジンフード50を開くことにより現れるメンテナンス口22aから、エンジンルーム2B内のエンジンなどをメンテナンスできるようになっている。図1では、エンジンフード50がメンテナンス口22aを開いた開姿勢となっている。
次いで、図2及び図3を参照して本発明の第1実施形態としてのエンジンルーム2Bの構造について説明する。図2及び図3はエンジンルーム2Bの構造を示す図であって、図2はその正面視による(機体前方からの見た)模式的な断面図、図3(a)は図2の模式的なB1−B1断面図、図3(b)は図2の模式的なB2−B2断面図である。
エンジンルーム2Bには、エンジン26がそのクランク軸を機体左右方向Yに向けて設置されており、図2中でエンジン26の右側に軸流式の冷却ファン25が配設されている。この冷却ファン25は、その軸流方向が機体左右方向Yに一致するような姿勢で設置されており、エンジンルーム天井壁(上壁)22に形成された導入開口22aから外気を吸入し、この外気を、冷却風として、エンジンルーム2Bの内部空間により形成される冷却風通路に流通させるようになっている。
ここでは、冷却ファン25は、図2において左側となるような方向に冷却風を送りだすようになっており、矢印Dで示すように、ファン軸流方向上流側から見て時計回りに回転するようになっている。なお、ここでは、冷却ファン25はエンジンクランク軸に機械的に連結されたエンジン駆動式であるが、これに限定されず、油圧駆動式でも良い。
冷却ファン25の軸流方向上流側〔図2中で右側〕には、クーリングパッケージ24が設置され、また、エンジン26のファン軸流方向下流側〔図2中で左側〕には、エンジンクランク軸に機械的に連結された油圧ポンプ27が設置されている。
クーリングパッケージ24は、ラジエータやオイルクーラなどのコア(クーリングユニット)24aや、これらのコア24aが支持されエンジンルーム2Bの床面(下部壁面)に固定されたフレーム24bや、コア24aと冷却ファン25との間に設置され上記フレーム24bに支持されるシュラウド24cとをそなえて構成される。
また、シュラウド24cの背面(ファン軸流方向下流の面)には、冷却ファン25のファン軸流方向下流側を覆うフィンガーガード30が固定されており、冷却ファン25から吐出された冷却風は、後述するように、このフィンガーガード30により案内されてカウンタウェイト2Aに設けられた風路40へと送られ機外へと排出されるようになっている。
以下、図4及び図5を参照してフィンガーガード30及び風路40について説明する。図4は、フィンガーガードの構造を示す模式的な斜視図、図5はカウンタウェイト2Aに設けられた風路の構造を示す図であって、エンジンルームを形成する壁の一部を破断して示す模式的な斜視図である。
カウンタウェイトに設けられた風路40は、主路41と複数の枝路42〜44とをそなえている。主路41は水平方向に延びる水平部と鉛直方向に延びる鉛直部とをそなえている。水平部の一端は、メインエンジンルーム2Bbに開口して風路入口41aとなり、冷却ファン25の外周(=ファン軸流方向について同位置)且つ冷却ファン25の上端に位置設定され、また、水平部の他端は鉛直部の上端に接続されている。そして、鉛直部は下方に貫通し機外へと開口している。上記枝路42〜44は、上下方向に複数並設され、それぞれ、主路41aの上記鉛直部から水平方向に延びてカウンタウェイト2Aの機体後方へと貫通している。
フィンガーガード30は、冷却ファン25を遠心方向に対し覆うような側面(冷却ファン25の外周を覆う部位)31及び冷却ファン25をファン軸流方向下流側に対し覆うような背面32をそなえ、側面31及び背面32は何れも非通気性の素材(ここでは板材)により形成されている。側面31には所定位置に開口33が形成されており、この開口33は、上記のカウンタウェイト2Aに設けられた風路40の入口41aに対し間隔をあけて対向配置されている。
ここで、『非通気性の素材』とは、ミクロ的な意味で穴のない完全に通気性のない素材をいうのではなく、網目状のものや穴の形成されたパネル材のようなものを除いた素材を意味し、冷却風を案内するのに十分に通気性が低い素材をいう。
さて、フィンガーガード30は、別の言い方をすると、冷却ファン25が収容されるファン収容部30Aと、先端に上記開口33が形成された吐出部30Bとをそなえて構成されている。
ファン収容部30Aは、冷却ファン25の回転中心線CFを中心とした軸長の短い円筒のような形状であり、中央には、冷却ファン25に接続されるエンジン26のクランクシャフトを挿通するための穴部32aが設けられている。
吐出部30Bは、ファン収容部30Aの側面上端からカウンタウェイト風路入口41aに向けて水平方向に延設され、冷却ファン25からの冷却風を上記のカウンタウェイト2Aの風路入口41aに向けて案内するようになっている。
また、吐出部30Bは、冷却風を、冷却ファン25の回転中心線CFを中心とする円の接線方向に向けて案内するようになっている。即ち、吐出部30Bは、冷却ファン25から旋回方向に吐出された冷却風を、冷却風の進行方向に沿ってカウンタウェイト2Aの風路入口41aに向けて流通させるようになっている。なお、吐出部30Bは、四辺形の横断面(流路断面)形状を有し、冷却風の流通方向下流側に行くにしたがって、その流路断面積が漸増する形状となっている。
ここでは、吐出部先端の開口33と、カウンタウェイト2Aの風路入口41aとの間には隙間があけられているが、吐出部30Bを図3〜図5に示す例よりも延長して、風路入口41aに接続するようにしても良い。
また、主路41をなくし風路(枝路42〜44)を図3〜図5に示す例よりもエンジンルーム2B側に延長して、風路42〜44をエンジンルーム2Bに直接且つ個別に開口させる構成としても良い。この場合は、図3〜図5に示す例よりも吐出部30Bから吐出される冷却風の範囲が下方に広がるように吐出部30Bの形状を設定するのが、最下の風路44から冷却風を滑らかに排出できるので好ましい。
再び図2及び図3(a),(b)を参照して説明すると、冷却ファン25を作動させることにより、外気が上記導入口22aからエンジンルーム2B(冷却風通路)へ冷却風として取り込まれ、この冷却風が、クーリングパッケージ24を通過する際に冷却水及び油圧ポンプ27の作動油を冷却するようになっている。そして、クーリングパッケージ24を通過し冷却ファンから吐出された冷却風は、従来技術で説明したように一般的にクーリングパッケージ24における圧力損失が大きいため旋回/半径方向に流れるようになり、また、冷却ファン25のファン翼の回転方向が、矢印Dで示すように、ファン軸流方向上流側から見て時計回りに設定されているため、冷却風は、特に天井面(上壁面)近傍において矢印C1で示すようにカウンタウェイト2Aに向けて強く流れるようになる。
これを利用し、カウンタウェイト2Aに向けて冷却風が強く流れる箇所(つまり、冷却ファン25の外周であって天井面の近傍)にファインガーガード30の吐出部30B及びカウンタウェイト風路入口(エンジンルーム2Bが内部に形成される機体壁面であるカウンタウェイト機体前方面に形成された冷却風の排出口)41aを対向するように配置することにより、冷却風を効率よく(低い圧力損失で)排出できるようにしているのである。そして、カウンタウェイト風路40に流入した冷却風は、図3(b)に示すように枝路42〜44を介して矢印C2〜C4で示すように機体後方へと排出され、或いは、主路41を介して矢印C5で示すように機体下方へと排出されるようになっている。
このように、本実施形態の冷却装置が、導入口22a,エンジンルーム2B(機体21内の空間即ち室2Ba,2Bb,2Bcであり、カウンタウェイト2Aなどの壁面により形成される内部空間),クーリングパッケージ24,冷却ファン25,フィンガーガード30及びカウンタウェイト2Aの風路40をそなえて構成されている。
なお、エンジンルーム2Bに流入した冷却風の一部は、僅かではあるが、エンジン26と油圧ポンプ27との連結部27aと、メインエンジンルーム2Bbとポンプルーム2Bcとの仕切り壁28との隙間を通ってポンプルーム2Bcに流入する。このため、ポンプルーム2Bcに面して機体本体壁面21の下面23にメッシュ状の排出口23bが補助的に設けられており、これらの開口23bから冷却風が機外へと排出されるようになっている。
本発明の第1実施形態の建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び冷却装置は、上述したように構成されており、図2及び図3(a),(b)にブロック矢印で示すように冷却風が機外に排出される。
つまり、冷却ファン25から旋回/半径方向に吐出された冷却風は、冷却ファン25の外周に位置するフィンガーガード吐出部30Bさらには風路40を介して機外下方又は機外側方に案内され排出される。
上述した従来技術では、騒音が、エンジンルーム上面に形成された冷却風の排出開口から鉛直上方に発せられるため、広い範囲に騒音が広がってしまう。これに対し、本実施形態では、エンジンルーム床面23において機外へと開口するカウンタウェイト風路40から冷却風を効率良く排出できる。この結果、エンジンルーム2Bの天井面22の冷却風の排出口を不要にできる(或いはエンジンルーム2Bの天井面に設ける冷却風排出口の開口面積を従来よりも低減できる)ので、エンジン音や、冷却風がファン翼やクーリングパッケージ24を通過する際に発生する風切り音(以下、「風切り音など」という)が機外へ鉛直上方に発せられるのを大幅に抑制できるようになる。鉛直下方や水平方向へと伝播する騒音は、地面により吸収されるようになるので、鉛直上方に発せられるのに較べ、騒音の伝播範囲(伝播する距離及び伝播する方向)を狭めることができるようになる。
さらには、従来の一般的なフィンガーガードは、複数のスポークを縦及び/又は横に所定の間隔をあけて配列することにより形成されていたため、冷却風がスポークを通過する際に風切り音が発生し、また、スポークが冷却風の流通を阻害していた。
これに対し、本フィンガーガード30は、面積の大きな開口33から冷却風が排出されるので、冷却風の圧力損失が低減される。さらには、冷却風がスポークを通過する際の風切り音の発生そのものが抑制され、また、冷却ファン25が板材よりなるフィンガーガード30により略密閉されるので、冷却ファン25の回転により発生する風切り音のフィンガーガード外部への漏洩ひいては機外への漏洩が抑制される。また、エンジン26は、機体前方に対し、フィンガーガード30より遮蔽されることとなるので、エンジン音の機外への漏洩も抑制されるようになる。
また、風切り音などはフィンガーガード30や風路40内を伝わる際に、フィンガーガード30や風路40を形成する壁面に吸収され減衰されるので、この点でも騒音を低減できる。
さらに、上述したように、冷却ファン25から旋回/半径方向に吐出された冷却風は、冷却ファン25の外周に位置するフィンガーガード吐出部30Bを介して直ぐに風路40に流入し、この風路40により案内され機外へと排出されるので、冷却風の排圧を比較的低くすることができ、この点でも冷却風の排出効率を向上させることができる。
さらに、このように冷却風の排出効率が向上することから、天井面22の排出口に限らずエンジンルーム2Bを内部空間として形成する機体壁面21に設ける排出口の開口面積の合計を比較的少なくすることができ、一層、風切り音などの外部への漏洩の、即ち騒音を抑制することが可能となり、又は、冷却風の背圧を比較的低くできることから冷却ファン25の仕様を下げてコストダウンを図ることができる。或いは、冷却風の排出効率が向上することから、同じ仕様の冷却ファン25を使用してもその風量を増大することが可能となり、熱交換面積の少ない(コンパクトな)クーリングパッケージ24を採用することも可能となる。
そして、従来技術では、エンジンルームの天井面の外側に冷却風を排出するためのダクトが設けられていたため、このダクトにより、エンジンルーム前方にある運転席4からは、その機体後方への視界の一部が遮られていたが、本実施形態では、上述したように良好な冷却風の排出効率が得られることから、かかるエンジンルームの天井面外側のダクトを不要にでき、エンジンルームの前方に配置された運転席4からの視界を良好なものにできる。
また、クーリングパッケージ24を通過後の比較的温度の高い冷却風は、エンジンルーム2Bの天井面に設けられた冷却風の導入口22aから比較的離隔した位置にあるカウンタウェイト2Aの風路40の排出口から、上記導入口22aに対し反対方向に(上記導入口22aからさらに離隔する方向に)排出されるので、上部旋回体の旋回中においても上記のクーリングパッケージ24通過後の比較的温度の高い冷却風が再び上記導入口22aから吸入されてしまうことを防止できる。この結果、クーリングパッケージ24の冷却効果を向上させることができる。
(2)第2実施形態
本発明の第2実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置について図6〜図10を参照して説明する。図6〜図10は本発明の第2実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置について示す図であって、図6はフィンガーガードの構成を示す模式的な斜視図、図7はカウンタウェイトに設けられた風路の構造を示す図であってエンジンルームを形成する外壁面の一部を破断して示す模式的な斜視図、図8はエンジンフードの構造を一部を破断して示す模式的な斜視図、図9は上部旋回体及びエンジンフードの構造を示す模式的な斜視図、図10は冷却ファンのフィンガーガード及び建設機械の冷却装置の構成を示す図であって、(a)はエンジンルームの正面視による模式的な断面図、(b)は(a)のB3−B3断面図である。なお、上記第1実施形態で既に説明した部品については同一の符号を付しその説明を省略する。
本発明の第2実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置は、さらにエンジンルーム上壁面から冷却風を排出できるようになっている点で、第1実施形態と異なる。
具体的には、フィンガーガード30′は、図6及び図7に示すように構成されており、上記図4及び図5に示す第1実施形態のフィンガーガード30に較べ、ファン回転方向上流側(図6中右側)が上方に向け延長されるとともに、上壁部を外された構成となっている。つまり、突出部30Bのカウンタウェイト2Aに向きあう側に形成された開口33に加えて、エンジンルーム幅方向Xに長い開口34が設けられている。この開口34は、後述する上方のエンジンフード50´(図6及び図7では省略)の連通口54に対し間隔をあけて対向配置されている。
また、エンジンフード50´は、図8に示すように構成され、平板形状の底部プレート52と、底部プレート52の上側に取り付けられた膨出プレート51とをそなえて構成される。
底部プレート52は、図示しないヒンジを介して上壁22に取り付けられており、このヒンジが取り付けられた一辺側(ここでは機体後方側の辺)を中心として、水平姿勢となってメンテナンス口22aを塞ぐ閉姿勢と、起立姿勢となってメンテナンス口22aを開く開姿勢(図9における姿勢)との間で上下に揺動可能に構成されている。
また、底部プレート52は、膨出プレート51のファン軸流方向上流側の壁面51dに対して隙間54をあけて膨出プレート51に組みつけられており、この隙間54が、膨出プレート51と底部プレート52との間に形成される風路53(これについては後述する)とメインエンジンルーム2Ba内とを連通させる連通口として機能するようになっている。この連通口54は、エンジンルーム幅方向Xに長いスリット形状とされ、冷却ファン25の上方に位置設定されており、フィンガーガード30の上部開口34に対向配置されている。
膨出プレート51は、エンジンルーム幅方向Xについては底部プレート52と略同じ長さに設定されエンジンルーム幅方向Xの両端縁を底部プレート52のエンジンルーム幅方向Xの両端縁に一致させるようにして底部プレート52に固定される。
膨出プレート51は、略台形の断面を有し略箱型形状の輪郭を有した形状とされ、長方形の主面51aと、この主面51aの周縁を囲む4つ壁面51b〜51eとからなり、主面51aが底部プレート52と平行な姿勢となるように底部プレート52に組付けられる。また、ファン軸流方向下流側の面51bには、円形の排出口51baがエンジンルーム幅方向Xに沿って複数並設され、ファン旋回流方向下流側の面51eには、円形の排出口51eaがファン軸流方向Yに沿って複数並設されている。
そして、エンジンフード50′がメンテナンス口22aを塞ぐ閉姿勢においては、膨出プレート51の主面51aと底部プレート52との間の上記空間53が、上記連通口54を入口とするとともに上記の膨出プレート51に形成された排出口51ba,51eaを出口とする冷却風の風路として機能するようになっている。つまり、上記連通口54は、エンジンルーム2Bが内部に形成される機体壁面の一部である底部プレート52に対し冷却ファン外周に配置された冷却風の排出口として機能するのである。
この他の構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
本発明の第2実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置はこのように構成されており、図10(a),(b)に示すように冷却風の流通が行なわれ、冷却ファン25から半径/旋回方向に吐出された冷却風は、矢印C1〜C5で示すようにカウンタウェイト2Aに設けられた風路40を介して機外へと排出されるのに加え、矢印C6〜C9で示すようにエンジンフード50´の膨出プレート51と底部プレート52との間に形成された風路53を介してり機外へと排出されるようになる。
本建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる他、以下のような効果が得られる。
つまり、エンジンフード50′により形成される風路53により案内され機外へと排出される冷却風は、水平方向に偏向されて排出されるようになり、また、上記水平姿勢の風路53を介して外部へと漏洩するエンジン音なども破線の矢印N1で示すように水平方向に伝播するようになる。このため、作業場所を遮蔽物により囲うなどすれば、建設機械から水平方向に発せられる騒音の広がりを抑制できる。
さらに、この風路53内を矢印N1で示すように伝わるエンジン音などは、風路53を形成する膨出プレート51及び底部プレート52に吸収され減衰される。
加えて、エンジン音などの一部は、破線の矢印N2で示すように底部プレート52及び膨出プレート51を透過するが、この際、底部プレート52及び膨出プレート51により減衰される。つまり、矢印N2で示すように機外に伝播するエンジン音などは、機外に対し底部プレート52及び膨出プレート51の二つの壁面により遮蔽され減衰されるのである。
なお、エンジンフードを図8に示す構成に代えて、図11に示すように構成しても良い。このエンジンフード50″は、平板形状且つ四辺形状のものであり、排気開口部56が設けられている。この排気開口部56は、フィンガーガード30′の上部開口34に面するように(つまりファン翼15aの上方に位置するように)配置されている。この排気開口部56は、エンジンルーム幅方向Xに長いスリット形状の開口56aが、ファン軸流方向Yに沿って複数並べられて形成されている。
上記の通り、カウンタウェイト2Aには機体下方へ冷却風を排出するための風路40が設けられており、このフード50″の排気開口部56は、冷却風の排出に主体的に寄与するカウンタウェイト風路40に対し補佐的なものであり、その開口面積は、騒音の機外への漏洩を上記の図15及び図20に示す従来建設機械よりも低減できる範囲とされる。
また、フィンガーガード30′を上方に延長して、その上部開口34を、エンジンフード50´の連通口54又はエンジンフード50″の排気開口部56に接続するように構成しても良い。
(3)第3実施形態
本発明の第3実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置について図12を参照して説明する。図12はフィンガーガードの構成を示す模式的な斜視図である。
本実施形態は、図2及び図3に示す第1実施形態に対し、シュラウド24c及びフィンガーガード30に代えて、シュラウドと一体型のフィンガーガード60が使用される。このフィンガーガード60は、ラジエータやオイルクーラなどのコア24aをフロア面(機体下壁のエンジンルーム内側面)に固定すべく上記フロア面に立設されたフレーム24bに支持されている。また、フィンガーガード60は、コア24a側が開放された略箱型の輪郭を有した形状となっており、コア24aとの間で冷却ファン25を略密閉する形状となっている。
具体的には、フィンガーガード60は、冷却ファン25のファン軸流方向下流側に位置し中央にエンジンクランクシャフトが挿通されるシャフト穴61aを有する四辺形の主壁61と、冷却ファン25の外周を囲う4つの周壁62〜65とをそなえて構成されており、各壁61〜65はそれぞれ通気性のない板材により形成されている。
そして、カウンタウェイト2A(図2参照)に向かい合う周壁63の上部には開口66が形成されており。この開口66は、冷却ファン25の外周に配置され、且つ、カウンタウェイト2Aの風路入口41a(図3参照)に対向配置されている。
この他の構成は上記第1実施形態と同様なので省略する。
本発明の第3実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置はこのように構成されているので、上記第1実施形態の同様の効果が得られる他、フィンガーガードとシュラウドとが一体に構成されることから、構成を簡素化でき、製造費を削減できる利点がある。
(4)第4実施形態
本発明の第4実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置について図13を参照して説明する。なお、上記第3実施形態で既に説明した部品については同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態は、図10に示す第2実施形態に対し、シュラウド24c及びフィンガーガード30′に代えて、シュラウドと一体型のフィンガーガード60′が使用される。
また、本実施形態のフィンガーガード60´は、上記図12に示す第3実施形態のフィンガーガード60に対し、周壁63に形成された開口66に加え、上壁62にエンジンルーム幅方向Xに長い開口67が形成されている点で異なる。この開口67は、冷却ファン25の外周に配置され、周壁63の開口66と連続的に形成されている。
エンジンフードの構成など、この他の構成は、上記第2実施形態と同様なのでその説明を省略する。
本発明の第4実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置はこのように構成されているので、上記第2実施形態の同様の効果が得られる他、フィンガーガードとシュラウドとが一体に構成されることから、構成を簡素化でき、製造費を削減できる利点がある。
(3)その他
本発明の建設機械の建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、上記各実施形態では、冷却ファン25の回転方向が、例えば図3(b)中に矢印Dで示すように、冷却風流れ方向上流側から見て時計回りに設定され、矢印C1で示すように冷却ファン25の上部回転位相において冷却ファン25からカウンタウェイト2Aに向けて冷却風が強く流れることから、カウンタウェイト2Aに設けられる風路入口41aを、天井壁22の近傍に設ける構成としたが、風路入口41aの位置は天井壁近傍に限定されるものではない。
例えば、冷却ファン25の回転方向が、上記実施形態とは逆に、冷却風流れ方向上流側から見て反時計回りに設定されている場合には、冷却ファン25の下部回転位相において冷却ファン25からカウンタウェイト2Aに向けて冷却風が強く流れることから、カウンタウェイト2Aの風路入口41aを、床23の近傍に設けるのが好ましい。
また、上記各実施形態のフィンガーガード30,30´,60,60´では、その全体を非通気性の素材により構成したが、冷却風は冷却ファン25から主に旋回/半径方向に(旋回方向又は半径方向に)吐出されるので、少なくとも冷却ファン25の外周に位置する部位を非通気性の素材により構成すれば良い。例えば図4のフィンガーガード30に対し、側面31を板材により構成し、背面32を、指先を差し込めない程度の間隔をあけて上下左右に配列された複数のスポークにより構成しても良い。
本発明の第1実施形態にかかる建設機械の全体構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置の構成を示す、エンジンルームの正面視による模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置の構成を示す図であって、(a)は図2のB1−B1断面図、(b)は図2のB2−B2断面図である。 本発明の第1実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガードの構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかるカウンタウェイトに設けられた風路の構造を示す図であって、エンジンルームを形成する外壁面の一部を破断して示す模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガードの構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかるカウンタウェイトに設けられた風路の構造を示す図であって、エンジンルームを形成する外壁面の一部を破断して示す模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかるエンジンフードの構造を一部を破断して示す模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる上部旋回体及びエンジンフードの構造を示す模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガード及び建設機械の冷却装置の構成を示す図であって、(a)はエンジンルームの正面視による模式的な断面図、(b)は(a)のB3−B3断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる建設機械のエンジンフードの変形例の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第3実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガードの構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第4実施形態としての建設機械の冷却ファン用フィンガーガードの構成を示す模式的な斜視図である。 従来の建設機械の全体構成を示す模式的な斜視図である。 従来の建設機械のエンジンルームの内部構成を示す図であって機体前方から見たエンジンルームの模式的な断面図である。 建設機械の冷却装置におけるエンジンルーム内の広ささとクーリングパッケージの厚さとの関係を説明するため図であって、(a)はエンジンルーム内が比較的狭い場合の模式図、(b)はエンジンルーム内が比較的広い場合の模式図である。 一般的な軸流形式の冷却ファンの性能曲線を示す模式図である。 (a),(b)は上流側の圧力損失が比較的小さかった場合の冷却ファン前後の冷却風の流れをベクトルにより示す模式図である。 (a),(b)は上流側の圧力損失が比較的大きかった場合の冷却ファン前後の冷却風の流れをベクトルにより示す模式図である。 従来の建設機械の冷却装置の構成を示す模式的な斜視図である。
符号の説明
1 下部走行体
2 上部旋回体
2A カウンタウェイト
2B エンジンルーム
2Ba ラジエータルーム
2Bb メインエンジンルーム
2Bc ポンプルーム
3 作業装置
21 機体本体
22 機体本体上壁(天井壁)
23 機体本体下壁
22a メンテナンス口
22c エンジンルーム導入開口
24 クーリングパッケージ
24a コア(クーリングユニット)
24c シュラウド
25 冷却ファン
26 エンジン
27 エンジンポンプ
30,30´,60,60´ フィンガーガード
32,33,66,67 フィンガーガードの開口
40、42,43,44 カウンタウェイトに設けられた風路
41a 風路の入口

Claims (5)

  1. 建設機械のエンジンルームに収容され、クーリングユニットに冷却風を流通させるための冷却ファンを覆うように設けられた、建設機械の冷却ファン用フィンガーガードであって、
    少なくとも冷却ファンの外周を蓋う部位が、非通気性の素材により形成され、
    上記の冷却ファンの外周を蓋う部位に、所定位置に開口が形成された
    ことを特徴とする、建設機械の冷却ファン用フィンガーガード。
  2. 該クーリングユニットと該冷却ファンとの間に設置されるシュラウドと一体に構成された
    ことを特徴とする、請求項1記載の建設機械の冷却ファン用フィンガーガード。
  3. エンジンルームの内部に形成される冷却風通路と、該エンジンルーム内に設置され冷却風を流通させる冷却ファンと、該エンジンルーム内に該冷却ファンよりもファン軸流方向上流側に設置されるクーリングユニットとをそなえて構成された、建設機械の冷却装置において、
    請求項1又は2記載のフィンガーガードと、
    該エンジンルームが内部に形成される機体壁面に対し該冷却ファンの外周に形成された冷却風の排出口とをそなえ、
    該フィンガーガードの開口が、該排出口と対向するように配置された
    ことを特徴とする、建設機械の冷却装置。
  4. 上記の冷却風の排出口が、該エンジンルームの機体後方のカウンタウェイトの壁面に形成された
    ことを特徴とする、請求項3記載の建設機械の冷却装置。
  5. 上記の冷却風の排出口が、該エンジンルームの天井壁に形成された
    ことを特徴とする、請求項3又は4記載の建設機械の冷却装置。
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