JP2005088027A - H形鋼の粗圧延方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウェブ高あるいはフランジ幅の大きなH形鋼を特別に大きな素材断面や設備を使用することなく効率的かつ安定的に製造する。
【解決手段】 孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、被圧延材のフランジ内面から接触を開始し、接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)に基づき、被圧延材と孔型の形状を決定しウェブ内法拡幅圧延を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、H形鋼の粗圧延方法に関し、特に、800×300mmを越えるようなウェブ高あるいはフランジ幅の大型H形鋼を、特別に大きな素材断面や設備を使用することなく効率的かつ安定的に製造するH形鋼の粗圧延方法に関する。
熱間圧延によるシニアサイズのH形鋼の製造工程は、例えば図5に示すように、二重式粗圧延機31(以下、「粗圧延機」と称する)、一対の上下水平ロールと一対の左右竪ロールを有する第1粗ユニバーサル圧延機32と、この第1粗ユニバーサル圧延機32に近接して配設されたエッジャー圧延機33からなる第1粗ユニバーサル圧延機群、さらに第2粗ユニバーサル圧延機34とこの第2粗ユニバーサル圧延機34に近接して配設されたエッジャー圧延機35からなる第2粗ユニバーサル圧延機群、および仕上げユニバーサル圧延機36により構成された圧延装置列により圧延成形される。
H形鋼の素材としては、一般に連続鋳造で製造されるスラブやビームブランクなどが用いられる。スラブを素材とした場合、粗圧延機31には、図6のように、スラブ幅方向に圧下を行うエッジング孔型311〜313と、ウェブ厚の圧下を行う造形孔型314を配置し、まず孔型の中央部に突起を有するエッジング孔型311〜313により順次、スラブの短辺部を上下から複数パスで圧下してフランジ幅を生成させてドッグボーン鋼片37を成形する。この際、ウェブ内法Hiが製品の内幅にほぼ等しいか多少小さくなるようなウェブ外法Hoまで圧下される。また、このドッグボーン鋼片37のフランジ幅、すなわち、第3エッジング孔型313の孔底幅Bは、造形孔型314とユニバーサル圧延機群でのフランジの変形量を考慮して決定される。
次に、このドッグボーン鋼片37を90°ないしは270°転回し、ウェブ厚の圧下とフランジ形状の整形を行う。ここで、造形孔型314の内幅Wiと外幅Woは、ドッグボーン鋼片37のウェブ内法Hiおよびウェブ外法Hoとほぼ等しく構成されており、孔型フランジ部深さdは製品のウェブ面からフランジ先端までの長さ(以下、「フランジ脚長」と称する)にほぼ等しく構成されている。この造形孔型314により複数パスで圧下を行い、ウェブ厚twに対するフランジ厚tfの比tf/twおよびフランジ脚長Lが製品の厚み比およびフランジ脚長にほぼ近い粗形鋼片38に成形する。
こうして得られた粗形鋼片38を第1および第2粗ユニバーサル圧延機群において、粗ユニバーサル圧延機でウェブとフランジの圧下率をほぼバランスさせた状態で厚み圧下を行うとともに、エッジャー圧延機でフランジ幅圧下を行いフランジ幅と先端形状の整形を行う。そしてほぼ製品寸法にまで整形された被圧延材に対し、仕上げユニバーサル圧延機36でフランジをウェブに対して直角にし、厚みを最終寸法に仕上げる。
このように、H形鋼の製品シリーズに応じて、H形鋼の主要な部位の概略寸法は、ほとんど粗圧延機31で決定され、造形孔型での変形特性からドッグボーン鋼片37の断面寸法もおのずとほぼ決まってしまう。エッジング圧延で成形できるフランジ幅は、スラブ幅方向の圧下量、すなわちスラブ幅とエッジング圧延終了のウェブ外法の差でほぼ決まり、エッジング圧延で必要なフランジ幅を成形できるようにスラブ幅が決定される。
近年、建築物の高層化、大スパン化に伴い、これまでよりウェブ高やフランジ幅の大きなH形鋼に対するニーズが高まっているが、このようなH形鋼を製造するためには、前述の理由から一層大きなスラブ幅が必要となる。また、製品寸法に対応した粗圧延機1の各孔型の寸法が大きくなり、必要な孔型数を配置するためのロール胴長が大きくなる。
例えば、ウェブ高さ1000mm、フランジ幅400mmのH形鋼を、上記圧延方法で製造圧延するためには、スラブ幅が1800mm以上、粗圧延機のロール胴長が3300mm以上必要となり、現状の一般的な設備では、ロールリフト量やロール胴長が制約となり、設備改造が必要となる。これに対して、分塊ミルを必要したり、粗圧延を途中まで行った後、粗圧延機のロールを組み替え、再加熱して製品まで圧延する、いわゆる2ヒート圧延も可能であるが、生産性や燃料原単位の低下、ロール数の増加によるコスト高やエネルギーロスが大きな問題となる。このように、限られた素材断面とロール胴長と孔型数の中でウェブ高やフランジ幅の大きいH形鋼を製造することが困難であった。
こうした課題に対し、特許文献1では、図7に示すようなウェブ部を相互に共用した3つ以上の造形孔型でウェブ厚を圧下することなくウェブ高さ拡大を行う圧延方法が提案されている。
また、特許文献2では、1種類の粗圧延ロールで、広範囲の大きさの大型H形鋼用粗形鋼片を造り分けるため、粗圧延素材あるいは連続鋳造ビームブランクを図8のようなフランジ相当部の一部分を共用した複数の孔型を有するロールに挿通し、フランジ形状の調整とウェブ厚の圧下を行った後、ウェブ高さの拡大あるいは、ウェブ高さの縮小、フランジ幅の圧下のうち、少なくとも一つを行う圧延方法が提案されている。
特許第2534223号公報 特開2000−271601号公報 特公昭55−30921号公報 特許第1555108号公報
しかし、本発明者らが、実験でこれらのウェブ内法の拡幅圧延法について詳細に調べたところ、単に被圧延材のウェブ内法よりも大きな内幅の孔型に挿通してウェブ高さを大きく拡大するだけでは、次のような理由で拡幅量に制限を受け十分に大きな拡幅ができない。すなわち、実際の被圧延材には上下左右のフランジ形状やウェブ高さ方向のウェブ厚の分布が非対称であったり、孔型も常にロール軸方向に対して対称な状態で配置することは困難であるために、圧延に非対称性が生じ、被圧延材が左右非対称に拡幅されたり、ミルの入側や出側で左右に曲がることがしばしばある。そして、場合によっては、左右の拡幅量に大きく差が生じて拡幅が大きい側に折れ込み疵を発生させたり、図9のようにサイドガイド8の拘束がなくなった瞬間に被圧延材6の尾端が大きく曲がり、フランジを孔型7のコーナーR部で押しつぶして圧延が不能となったり、最悪の場合には、ロールに大きな損傷を与えてしまう。
前者に対しては、フランジ先端内側から孔型のコーナーRを接触させてウェブ内法を拡幅圧延する場合に、安定してセンタリングできる条件が特許文献3に開示されている。ただし、従来一般的である比較的ウェブ高さやフランジ幅が小さなH形鋼を対象としており,本発明で対象とするような大型のH形鋼の場合、フランジ先端付近から材料が接触すると、噛み込み角が大きくなり噛み込みが困難となったり、長手方向の両端部に折れ込み疵を発生させたり、フランジ幅の減少が大きくなりフランジ幅の大きな製品が製造できないといった問題がある。
後者に対しては、フランジ内側と孔型との接触の有無の違いはあるものの、特許文献4にあるように、尾端の拡幅を先に行い、途中で噛み戻し圧延を行った後、先端から全長にわたる拡幅圧延を行う方法の適用が考えられる。しかし、この方法では1回の拡幅を行うのに要するパス回数が増えるだけでなく、ロール開度を大きく変更するために時間ロスが発生して温度低下につながる。また、圧延の非対称性は根本的には解消されず疵発生の問題は解消できない。
上記特許文献2に記載された技術では、第1孔型でフランジ形状とウェブ厚の圧下を行い、形状を整えるという配慮はあるものの、粗圧延素材に対して配置されたウェブ内法拡幅用孔型は1つであり、実施例ではウェブ内法拡幅量は100mm程度である。そのため、大きなウェブ高さの製品を製造するためには、予め大きな断面のビームブランクやスラブを使用する必要がある。この場合も、スラブを素材とすると粗圧延機のロールリフト制約で分塊ミルが必要となったり、ロール胴長制約で2ヒート圧延になるなどの問題がある。
本発明者らは、1孔型あたり被圧延材のフランジ厚の1/2以上に相当するような大きなウェブ内法拡幅を行う際に、これらの非対称な拡幅条件に対する圧延の安定性について詳細に検討した。その結果、特許文献3に示された圧延条件でウェブ内法拡幅圧延を行っても、非対称な拡幅に起因した上記問題は発生した。
そのため、孔型形状を各種変更して実験を行ったところ、拡幅圧延の安定性を確保するためには、図1に示すように接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離Dと、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離Cの関係を被圧延材の形状と拡幅量から適正条件にする必要があることが明らかとなった。
そこで、本発明は1孔型あたり被圧延材のフランジ厚の1/2以上に相当する大きなウェブ内法拡幅を行う際にも、通材の安定性を確保し、現状、使用が限られたスラブ幅やビームブランク断面および圧延設備の中で、効率的かつ安価に大きな断面の製品を製造する粗圧延方法を提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するために鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載された通りの下記内容である。
1)孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、被圧延材のフランジ内面から接触を開始し、接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)に基づいて、被圧延材と孔型の形状を決定することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
2)孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、被圧延材と孔型の形状に関して、被圧延材のフランジ内面から接触を開始し、接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)とが、下記(1)式を満足するように圧延することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
C/(ΔW/2)≦f(D/F)・・・(1)
ここに、C:被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離、
ΔW:ウェブ内法の拡幅量、
D:接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離、
F:ウェブ面からフランジ先端までの距離、
f:D/Fに関して単調増加の関数
3)接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)との関係を、拡幅圧延時の被圧延材の最大ウェブ厚みによって決めることを特徴とする1)または2)に記載のH形鋼の粗圧延方法。
この発明により、同一ロールから多サイズの圧延材を造り分けることができる。
4)前記孔型における接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と当該孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)とが所定の関係になるように、ウェブ内法を拡幅する当該孔型の直前の孔型において、複数パスで少なくともウェブの両端部を圧延することを特徴とする1)乃至3)のいずれか1項に記載のH形鋼の粗圧延方法。
本発明によれば、特別に大きな素材断面や設備を使用することなく、ウェブ高さとフランジ幅が大きなH形鋼を効率的かつ安定的に製造することができ、産業上有用な著しい効果を奏する。
図1に示すように胴幅Wrを有する孔型2で被圧延材1のウェブ内法Wmを拡幅する場合を例にして説明する。本発明では噛み込み性を良好にしフランジ幅の大きな減少を抑制するためフランジ内面から孔型が接触開始するようにする。ここで、接触開始状態の圧延方向に垂直な断面におけるフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離をD、被圧延材とロール隙に設定した孔型を重ね合わせた状態での圧延方向に垂直な断面におけるフランジ外面と孔型該側面との距離をCとする。Cの値がフランジ幅方向に変化する場合、ここでは最小値を使用する。
噛み込み状態では被圧延材は孔型の内壁と接触し誘導されるため、距離Dは圧延の左右方向へのズレに対する安定性に影響し、Dが大きいほどセンタリング性が高い。距離Cは拡幅の左右のズレや被圧延材の入側入射角の左右方向へのズレに対して、被圧延材が所定量以上ずれることを抑制する作用と関係が深い。特に、拡幅量が大きい場合や、フランジ脚長が小さくDが十分でない場合などについては、Cを小さくすることが効果的である。
しかし、拡幅量が大きい場合にCを小さくしすぎると、ウェブ内法拡幅量に対してウェブ外法の拡がり量に十分な余裕がなく、フランジ肉量の大幅な減少を招いたり、孔型に過充満となりフランジ内側のコーナーR部に折れ込み疵や、フランジ外側に噛み出し疵を発生させてしまう。ここで、被圧延材のフランジ内面とウェブ圧下面の延長線の交点間距離をウェブ内法Wr、孔型の内面とウェブ圧下面の延長線の交点間距離を胴幅Wmとし、ウェブ内法拡幅量をΔW=Wr−Wmと定義すると、ΔWとCの関係で適正領域が決定される。
また、フランジ脚長をFとすると、ロール隙が同じ場合、Dが同じでもフランジ脚長Fが小さいほど噛み込み角度が小さくなり、センタリング性が高くなる。
これらのことから、次式の関係を満たすように、拡幅圧延時における被圧延材の形状と孔型形状を決定すれば、拡幅圧延において図9のようにフランジを押しつぶすことを防止でき、通材の安定性を確保しつつ良好な状態で大きなウェブ内法の拡幅圧延が可能となる。
C/(ΔW/2)≦f(D/F) ・・(1)
ここに、C:被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離、
ΔW:ウェブ内法の拡幅量、
D:接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離、
F:ウェブ面からフランジ先端までの距離、
f:D/Fに関して単調増加の関数である。
単調増加の関数とは、D/Fがとりうる範囲で単調増加であればよく、例えば、一次式や二次式あるいは多項式、指数関数などで、特に形式に限定されるものではない。一方、疵の問題からC/(ΔW/2)>0.5とすることが好ましく、フランジ内側から接触を開始し、フランジを過度に圧下するのを抑制して、センタリング性を維持するためにはD/F>0.25とすることが好ましい。
なお、ウェブ内法拡幅に対する安定性はウェブ厚によって異なり、拡幅に対する孔型の幾何学的条件が同じでも、ウェブ厚が大きいほど、ウェブがその幅方向に広がりにくいことや、拡幅に必要なウェブ面積が大きいためフランジからのメタルフローが大きくなることなどから、前述のフランジの押しつぶしが発生しやすくなる。すなわち、上記(1)式はウェブ内法拡幅圧延時のウェブ厚の関数でもある。通常、製品サイズに応じてブレークダウン圧延後の被圧延材のウェブ厚を調整しており、そのため、ウェブ内法拡幅圧延時のウェブ厚もサイズによって異なり,製品のフランジ厚/ウェブ厚の比が小さいサイズほどウェブ内法拡幅圧延時のウェブ厚が大きくなる傾向がある。したがって,同一ロールで製造する厚みサイズ構成の中で、拡幅圧延時の最大ウェブ厚に対して、(1)式を求め、孔型形状を決定することになる。
大型のH形鋼を現状限られた素材と設備から製造する場合、複数の孔型を用いて拡幅圧延すればより。その場合、例えば、図3のように2つの孔型21,22を用いてウェブ内法を拡幅圧延する場合には、各孔型での拡幅条件が上記(1)式を満たすように孔型形状を設計すればよく、3つ以上の場合も同様である。
2つ以上の拡幅孔型で圧延する場合、拡幅圧延の第1パスではフランジ内面はほぼ孔型形状に沿って拡幅されるが、例えば図4のように少なくともウェブ両端部を圧下できる拡幅孔型により複数パスで圧延すると、被圧延材のウェブ内法とウェブ外法がさらに拡がり、次の拡幅孔型で圧延する際にDが大きくなり、Cが小さくなるので、(1)式から拡幅圧延の安定性により有利な条件となる。もちろん、ウェブを全面にわたって圧延しても効果があるが、両端だけを圧下する場合の方が長手方向への延伸が生じにくく、ウェブ高さ方向へのメタルフローがより多く生じる。特に、配置できる孔型数やロール胴長の制約で孔型の幾何学的な拡幅条件では上記関係を満たせない場合に効果的である。
フランジ幅340mm〜520mm、ウェブ厚50mm〜100mmの被圧延材を、1孔型あたりウェブ内法拡幅量70mm〜130mmの条件で圧延を行った。ここには、複数孔型で拡幅圧延した条件も含まれている。圧延条件と通材の安定性の関係を整理したところ、図2のグラフのようになった。拡幅条件は孔型形状および型取りから計算した。図中の○の条件では安定的にウェブ内法の拡幅圧延が行えたが、×の条件では尾端で図9のようなフランジ押しつぶしや折れ込み疵が発生し、圧延の続行が不可能であった。この場合の圧延安定限界を回帰式で求めると、次の関係式で与えられる。
C/(ΔW/2)≦13×(D/F)3+0.55 ・・(2)
ここで示した条件は、一般的な製品厚みサイズ構成(フランジ厚/ウェブ厚の比が1.2〜2.4程度)について、粗圧延後に生成されるフランジ厚から最大ウェブ厚を算出し、この条件において安定領域を表すものである。すなわち、拡幅圧延時の最大ウェブ厚がこれよりも小さい場合には、(2)式よりも圧延安定領域が広がる。
また、図2でフランジ押しつぶしが発生した条件で、直前の拡幅孔型において複数パスでウェブ両端部を圧下したところ、ウェブ内法が5mm広がったため、図2のD/Fが0.03増加し、安定的に拡幅を行うことができた。
本発明によるH形鋼のウェブ内法拡幅圧延方法の説明図である。 本発明による拡幅安定条件の説明図である。 複数孔型でウェブ内法拡幅圧延を行う場合の粗圧延機の孔型図である。 本発明の複数パスでのウェブ圧下による変形の説明図である。 従来の代表的な圧延装置列を示す図である。 従来のH形鋼の粗圧延方法についての説明図である。 従来のウェブ内法拡幅圧延方法における粗圧延機の孔型図である。 ウェブ高やフランジ幅の異なるH形鋼を造り分ける粗圧延機の孔型図である。 ウェブ内法拡幅圧延時における被圧延材の曲がりによる通材の不安定状態の説明図である。
符号の説明
1 被圧延材
2 孔型
6 被圧延材
7 孔型
8 サイドガイド
21,22 孔型
31 二重式粗圧延機(粗圧延機)
32 第1粗ユニバーサル圧延機
33 エッジャー圧延機
34 第2粗ユニバーサル圧延機
35 エッジャー圧延機
36 仕上げユニバーサル圧延機
37 ドッグボーン鋼片
38 粗形鋼片
311〜313 エッジング孔型
314 造形孔型

Claims (4)

  1. 孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、被圧延材のフランジ内面から接触を開始し、接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)に基づいて、被圧延材と孔型の形状を決定することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
  2. 孔型によりウェブ内法を拡幅圧延するH形鋼の粗圧延方法において、被圧延材と孔型の形状に関して、被圧延材のフランジ内面から接触を開始し、接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)とが、下記(1)式を満足するように圧延することを特徴とするH形鋼の粗圧延方法。
    C/(ΔW/2)≦f(D/F)・・・(1)
    ここに、C:被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離、
    ΔW:ウェブ内法の拡幅量、
    D:接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離、
    F:ウェブ面からフランジ先端までの距離、
    f:D/Fに関して単調増加の関数
  3. 接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)離との関係を、拡幅圧延時の被圧延材の最大ウェブ厚みによって決めることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のH形鋼の粗圧延方法。
  4. 前記孔型における接触開始状態でのフランジ先端から孔型ウェブ圧下面までの距離(D)と、被圧延材と当該孔型を重ね合わせた状態でのフランジ外面と孔型外側面との距離(C)とが所定の関係になるように、ウェブ内法を拡幅する当該孔型の直前の孔型において、複数パスで少なくともウェブの両端部を圧延することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のH形鋼の粗圧延方法。
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