JPH07124602A - Ｚ型鋼矢板用粗形鋼片の圧延方法 - Google Patents
Ｚ型鋼矢板用粗形鋼片の圧延方法Info
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- JPH07124602A JPH07124602A JP27531593A JP27531593A JPH07124602A JP H07124602 A JPH07124602 A JP H07124602A JP 27531593 A JP27531593 A JP 27531593A JP 27531593 A JP27531593 A JP 27531593A JP H07124602 A JPH07124602 A JP H07124602A
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B1/00—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
- B21B1/08—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
- B21B1/082—Piling sections having lateral edges specially adapted for interlocking with each other in order to build a wall
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 矩形断面鋼片を素材としてＺ型鋼矢板用の非
対称粗形鋼片を圧延するに際して、分塊圧延を経ること
なく、ブレークダウン圧延のみで疵、噛出し、捩じれ等
の不具合なく、且つ圧延前の素材の加熱は１回だけで省
エネルギー、省工程を達成する。 【構成】 孔底部の中心から偏った位置に頂角θ1 の山
形突起Ｐ1 を有するロール孔型Ｋ１で鋼片の短片を割り
込み、続いて頂角θ2 の山形突起Ｐ2 を有する孔型Ｋ２
で更に割り広げ、孔底が凹状に湾曲したボックス孔型Ｋ
３で短片側を内側に湾曲させ、上下・左右非対称のＫ４
孔型で整形圧延する。
対称粗形鋼片を圧延するに際して、分塊圧延を経ること
なく、ブレークダウン圧延のみで疵、噛出し、捩じれ等
の不具合なく、且つ圧延前の素材の加熱は１回だけで省
エネルギー、省工程を達成する。 【構成】 孔底部の中心から偏った位置に頂角θ1 の山
形突起Ｐ1 を有するロール孔型Ｋ１で鋼片の短片を割り
込み、続いて頂角θ2 の山形突起Ｐ2 を有する孔型Ｋ２
で更に割り広げ、孔底が凹状に湾曲したボックス孔型Ｋ
３で短片側を内側に湾曲させ、上下・左右非対称のＫ４
孔型で整形圧延する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はＺ型鋼矢板の素材として
用いる上下・左右非対称の粗形鋼片を矩形断面鋼片から
圧延する方法に関する。
用いる上下・左右非対称の粗形鋼片を矩形断面鋼片から
圧延する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】Ｚ型鋼矢板は周知のとおり、単位質量が
軽く断面係数が大きい特徴を有し、水深の深い岸壁や深
い掘削の土留め壁等に使用される形鋼である。ところが
上下・左右の断面形状が非対称な独特な製品形状である
ため、対称断面の例えばＨ形鋼、Ｉ形鋼、Ｕ型鋼矢板等
に比較して圧延造形には困難が伴う。従来の圧延による
Ｚ型鋼矢板の製造手段は、特に粗造形工程に供する素材
の種類によって次の二つの造形手段がある。
軽く断面係数が大きい特徴を有し、水深の深い岸壁や深
い掘削の土留め壁等に使用される形鋼である。ところが
上下・左右の断面形状が非対称な独特な製品形状である
ため、対称断面の例えばＨ形鋼、Ｉ形鋼、Ｕ型鋼矢板等
に比較して圧延造形には困難が伴う。従来の圧延による
Ｚ型鋼矢板の製造手段は、特に粗造形工程に供する素材
の種類によって次の二つの造形手段がある。
【０００３】 矩形断面の連続鋳造スラブを分塊圧延
によってドッグボーン状の粗形鋼片、上下・左右断面形
状が非対称なＺ型粗形鋼片に粗造形した後、ブレークダ
ウン圧延機によって粗圧延し、続いて孔型ロールを形成
した中間圧延機および仕上圧延機で製造する手段。
によってドッグボーン状の粗形鋼片、上下・左右断面形
状が非対称なＺ型粗形鋼片に粗造形した後、ブレークダ
ウン圧延機によって粗圧延し、続いて孔型ロールを形成
した中間圧延機および仕上圧延機で製造する手段。
【０００４】 連続鋳造によるＨ型断面鋳片を、前記
と同様にブレークダウン圧延機によって粗圧延し、孔
型ロールを形成した中間圧延機および仕上圧延機で製造
する手段。
と同様にブレークダウン圧延機によって粗圧延し、孔
型ロールを形成した中間圧延機および仕上圧延機で製造
する手段。
【０００５】以下、上記、の従来手段をさらに詳細
に説明し、その問題点について述べる。
に説明し、その問題点について述べる。
【０００６】の手段は、図５に示すように矩形断面の
連続鋳造スラブ１を分塊圧延工程で、先ず上下・左右対
称な断面のドックボーン状の粗形鋼片２とし、続いて上
下・左右断面形状が非対称なＺ型粗形鋼片３に粗造形す
る。この造形過程での問題は、ドックボーン状の粗形鋼
片２をＺ型粗形鋼片３に造形する際に、各フランジ部２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄの圧下量が異なるため各部に伸び
の差が発生し、被圧延材に捩じれ・曲がり等が生じて圧
延が不安定となることである。また、ドッグボーン状の
粗形鋼片２のフランジ厚とＺ型粗形鋼片３のフランジ厚
との差が大きいため、Ｚ型粗形鋼片３のフランジ内側３
ａにはスリ下げ現象によるラップ疵が発生し、これが最
終製品に割れ疵として残留することがある。このため、
従来は分塊圧延後のＺ型粗形鋼片３を一旦冷却して疵手
入れを行い、ブレークダウン圧延前に再加熱して最終製
品まで圧延していた。
連続鋳造スラブ１を分塊圧延工程で、先ず上下・左右対
称な断面のドックボーン状の粗形鋼片２とし、続いて上
下・左右断面形状が非対称なＺ型粗形鋼片３に粗造形す
る。この造形過程での問題は、ドックボーン状の粗形鋼
片２をＺ型粗形鋼片３に造形する際に、各フランジ部２
ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄの圧下量が異なるため各部に伸び
の差が発生し、被圧延材に捩じれ・曲がり等が生じて圧
延が不安定となることである。また、ドッグボーン状の
粗形鋼片２のフランジ厚とＺ型粗形鋼片３のフランジ厚
との差が大きいため、Ｚ型粗形鋼片３のフランジ内側３
ａにはスリ下げ現象によるラップ疵が発生し、これが最
終製品に割れ疵として残留することがある。このため、
従来は分塊圧延後のＺ型粗形鋼片３を一旦冷却して疵手
入れを行い、ブレークダウン圧延前に再加熱して最終製
品まで圧延していた。
【０００７】次に、の連続鋳造によるＨ型断面鋳片を
素材としてＺ型粗形鋼片を圧延する手段は、例えば特公
昭５９−１９７６５号公報の技術がある。この圧延方法
は、上下・左右対称形のＨ型断面鋳片のウエブとの間に
空所を形成しフランジ先端に対応する溝を有する孔型で
フランジ先端のみを圧延し、同時に両フランジを拡開さ
せてフランジ外側面を湾曲圧延した後、圧延材を転回し
て両フランジ外側面を軽圧下による幅出し圧延するもの
である。この圧延方法は従来の分塊圧延による鋼塊から
の造形に比較して、ロール孔型の改削および圧延方法の
変更だけで、圧延能率、歩留りの向上、疵発生の減少が
図られる効果を奏する。しかしながら、この手段はＨ型
断面鋳片を素材とするために、連続鋳造時にはＨ型断面
専用の鋳型を必要とする。また、分塊圧延前には鋳片の
加熱が必要で、更に分塊圧延後には再度加熱して製品圧
延工程に供する必要がある。
素材としてＺ型粗形鋼片を圧延する手段は、例えば特公
昭５９−１９７６５号公報の技術がある。この圧延方法
は、上下・左右対称形のＨ型断面鋳片のウエブとの間に
空所を形成しフランジ先端に対応する溝を有する孔型で
フランジ先端のみを圧延し、同時に両フランジを拡開さ
せてフランジ外側面を湾曲圧延した後、圧延材を転回し
て両フランジ外側面を軽圧下による幅出し圧延するもの
である。この圧延方法は従来の分塊圧延による鋼塊から
の造形に比較して、ロール孔型の改削および圧延方法の
変更だけで、圧延能率、歩留りの向上、疵発生の減少が
図られる効果を奏する。しかしながら、この手段はＨ型
断面鋳片を素材とするために、連続鋳造時にはＨ型断面
専用の鋳型を必要とする。また、分塊圧延前には鋳片の
加熱が必要で、更に分塊圧延後には再度加熱して製品圧
延工程に供する必要がある。
【０００８】即ち、上記、の従来技術はいずれも分
塊圧延前の加熱と製品圧延前の加熱との２ヒート加熱が
必要であり、熱経済的には問題があった。
塊圧延前の加熱と製品圧延前の加熱との２ヒート加熱が
必要であり、熱経済的には問題があった。
【０００９】なお、特公平１−１８８０１号公報に偏平
鋼片から非対称粗形鋼片を製造する手段が示されている
が、左右対称・上下非対称の溝形鋼用粗形鋼片の製造を
目的としたもので、この従来技術に示された孔型ロール
構成では本発明が対象とする、上下および左右とも非対
称なＺ型鋼矢板用の粗形鋼片製造には適用できなかっ
た。
鋼片から非対称粗形鋼片を製造する手段が示されている
が、左右対称・上下非対称の溝形鋼用粗形鋼片の製造を
目的としたもので、この従来技術に示された孔型ロール
構成では本発明が対象とする、上下および左右とも非対
称なＺ型鋼矢板用の粗形鋼片製造には適用できなかっ
た。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳造が容易
でＨ形鋼素材としても共用可能な一般的な矩形断面スラ
ブを素材として、分塊工程を経ることなく圧延工場の粗
圧延機（ブレークダウン圧延機）のみで圧延時の疵、噛
出し、圧延時の捩じれ等の不具合を解消し、且つ粗圧延
前だけの加熱、いわゆる１ヒート圧延を可能とする上下
・左右非対称のＺ型粗形鋼片の粗圧延方法を提供するも
のである。
でＨ形鋼素材としても共用可能な一般的な矩形断面スラ
ブを素材として、分塊工程を経ることなく圧延工場の粗
圧延機（ブレークダウン圧延機）のみで圧延時の疵、噛
出し、圧延時の捩じれ等の不具合を解消し、且つ粗圧延
前だけの加熱、いわゆる１ヒート圧延を可能とする上下
・左右非対称のＺ型粗形鋼片の粗圧延方法を提供するも
のである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、複数の
孔型を有する上下一対の孔型ロールを用いて矩形断面鋼
片からＺ型鋼矢板用の非対称粗形鋼片を圧延する方法で
あって、前記孔型ロールの孔底部の中心から左右いずれ
かに偏った位置に山形突起を設けた第１の割り込み孔型
で前記矩形鋼片の短辺を割り込み圧延し、ついで前記山
形突起の頂角より大きい頂角の山形突起を設けた第２の
割り広げ孔型で前記短辺を更に割り広げ、続いて、孔型
底部が凹状に湾曲して形成された第３のボックス孔型に
よって前記短辺を内側に湾曲させ、しかるのちに上下お
よび左右非対称の第４の整形孔型で整形圧延するＺ型鋼
矢板用粗形鋼片の製造方法にある。
孔型を有する上下一対の孔型ロールを用いて矩形断面鋼
片からＺ型鋼矢板用の非対称粗形鋼片を圧延する方法で
あって、前記孔型ロールの孔底部の中心から左右いずれ
かに偏った位置に山形突起を設けた第１の割り込み孔型
で前記矩形鋼片の短辺を割り込み圧延し、ついで前記山
形突起の頂角より大きい頂角の山形突起を設けた第２の
割り広げ孔型で前記短辺を更に割り広げ、続いて、孔型
底部が凹状に湾曲して形成された第３のボックス孔型に
よって前記短辺を内側に湾曲させ、しかるのちに上下お
よび左右非対称の第４の整形孔型で整形圧延するＺ型鋼
矢板用粗形鋼片の製造方法にある。
【００１２】
【作用】以下、本発明の作用を詳細に説明する。
【００１３】図４は本発明を実施する圧延工程の配置例
であり、加熱炉４、粗圧延機（ブレークダウン圧延機）
５、第１中間圧延機６ａおよび第２中間圧延機６ｂおよ
び仕上圧延機７からなる。即ち装置配列としてはＺ型鋼
矢板のみならずＨ形鋼、Ｉ形鋼あるいはＵ型鋼矢板等を
共通な装置で製造する一般的な形鋼圧延工程である。
であり、加熱炉４、粗圧延機（ブレークダウン圧延機）
５、第１中間圧延機６ａおよび第２中間圧延機６ｂおよ
び仕上圧延機７からなる。即ち装置配列としてはＺ型鋼
矢板のみならずＨ形鋼、Ｉ形鋼あるいはＵ型鋼矢板等を
共通な装置で製造する一般的な形鋼圧延工程である。
【００１４】図１（ａ）は本発明が対象とする粗圧延機
５の孔型ロールの配列、（ｂ）は第１中間圧延機６ａ、
（ｃ）は第２中間圧延機６ｂ，（ｄ）は仕上圧延機７そ
れぞれのロール孔型を示す。なお、図１（ｂ）、
（ｃ）、（ｄ）の各ロールの孔型は従来の上下一対のロ
ールにクローズ孔型を刻設したもので、以下では詳細な
説明は省略する。
５の孔型ロールの配列、（ｂ）は第１中間圧延機６ａ、
（ｃ）は第２中間圧延機６ｂ，（ｄ）は仕上圧延機７そ
れぞれのロール孔型を示す。なお、図１（ｂ）、
（ｃ）、（ｄ）の各ロールの孔型は従来の上下一対のロ
ールにクローズ孔型を刻設したもので、以下では詳細な
説明は省略する。
【００１５】図１（ａ）の孔型において、Ｋ１は第１の
割り込み孔型であり、上下ロールの孔底部の中心から左
右いずれかに偏った位置に頂角θ1 の山形突起Ｐ1 が形
成されている。図２（ａ）は割り込み孔型Ｋ１の詳細な
説明図であり、ｈ1 は山形突起Ｐ1 の高さを示し、山形
突起Ｐ1 の頂点を通る垂線Ｑは孔底部の幅Ｗの中心に対
して、孔底部の左側面からＷ／２−α、右側面からはＷ
／２＋αの位置に偏って配置させている。この偏心量α
はスラブ素材厚みの約３〜８％の範囲で設定すればよ
く、スラブ厚が２５０ｍｍの場合では１０ｍｍ程度が好
ましい。偏心量αがスラブ素材厚みの３％未満では、Ｋ
１孔型で造形される被圧延材の左右のフランジ厚差が小
さく、本発明が目的とする非対称の中間鋼片としては充
分な形状が得られないためであり、一方、偏心量αがス
ラブ素材厚みの８％を超えると、左右のフランジ厚差が
大きくなって後述する整形孔型Ｋ４での圧延において捩
じれが生じ圧延を継続できないためである。
割り込み孔型であり、上下ロールの孔底部の中心から左
右いずれかに偏った位置に頂角θ1 の山形突起Ｐ1 が形
成されている。図２（ａ）は割り込み孔型Ｋ１の詳細な
説明図であり、ｈ1 は山形突起Ｐ1 の高さを示し、山形
突起Ｐ1 の頂点を通る垂線Ｑは孔底部の幅Ｗの中心に対
して、孔底部の左側面からＷ／２−α、右側面からはＷ
／２＋αの位置に偏って配置させている。この偏心量α
はスラブ素材厚みの約３〜８％の範囲で設定すればよ
く、スラブ厚が２５０ｍｍの場合では１０ｍｍ程度が好
ましい。偏心量αがスラブ素材厚みの３％未満では、Ｋ
１孔型で造形される被圧延材の左右のフランジ厚差が小
さく、本発明が目的とする非対称の中間鋼片としては充
分な形状が得られないためであり、一方、偏心量αがス
ラブ素材厚みの８％を超えると、左右のフランジ厚差が
大きくなって後述する整形孔型Ｋ４での圧延において捩
じれが生じ圧延を継続できないためである。
【００１６】Ｋ２は第２の割り広げ孔型であり、孔底部
の幅は前記Ｋ１孔型よりも広く且つ、頂角θ2 はＫ１孔
型よりも大きく、さらに山形突起Ｐ2 の高さｈ2 はＫ１
孔型よりも低く形成されている。図２（ｂ）はこの割り
広げ孔型Ｋ２の詳細を示し、山形突起Ｐ2 の左右方向の
位置は孔底部の幅Ｗ1 のほぼ中央に設けている。
の幅は前記Ｋ１孔型よりも広く且つ、頂角θ2 はＫ１孔
型よりも大きく、さらに山形突起Ｐ2 の高さｈ2 はＫ１
孔型よりも低く形成されている。図２（ｂ）はこの割り
広げ孔型Ｋ２の詳細を示し、山形突起Ｐ2 の左右方向の
位置は孔底部の幅Ｗ1 のほぼ中央に設けている。
【００１７】Ｋ３は孔型底部が凹状に湾曲して形成され
た第３のボックス孔型で、図２（ｃ）はその詳細図であ
り、平坦な孔底部Ｒ１とその両側は適度な傾斜を付与し
たテーパ部Ｒ２から形成されている。Ｋ４は上下および
左右対称の第４の整形孔型である。
た第３のボックス孔型で、図２（ｃ）はその詳細図であ
り、平坦な孔底部Ｒ１とその両側は適度な傾斜を付与し
たテーパ部Ｒ２から形成されている。Ｋ４は上下および
左右対称の第４の整形孔型である。
【００１８】以上の構成の粗圧延機５の孔型ロールによ
って、粗造形する手段を図３に基づいて説明する。な
お、図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）の被圧延材の
断面形状はＫ１、Ｋ２、Ｋ３、Ｋ４各孔型での仕上がり
形状を示す。
って、粗造形する手段を図３に基づいて説明する。な
お、図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）の被圧延材の
断面形状はＫ１、Ｋ２、Ｋ３、Ｋ４各孔型での仕上がり
形状を示す。
【００１９】図３（ａ）において、矩形断面鋼片の短片
を先ず第１の割り込み孔型Ｋ１で圧下し、短片にスリッ
トを形成させつつ、複数回の割り込み圧延を行うが、こ
の過程では矩形断面鋼片の上下短片はスリット部だけ深
さを増し、鋼片の幅方向中心部における高さＨ0 （中央
ウエブ高さ）は小さくなるが、鋼片の上下端部間の幅Ｈ
（ウエブ高さ）と、鋼片幅方向の中心部の厚さｔ（ウエ
ブ厚さ）は当初の矩形断面鋼片の寸法に対して殆ど変化
しない。次に、第２の割り広げ孔型Ｋ２により複数回の
圧下を行って前記短辺を更に割り広げるが、図３（ｂ）
に示すとおり、この圧延工程では割り広げ圧延と共にエ
ッジング圧延も行うため、中央ウエブ高さＨ0 およびウ
エブ高さＨとも減少する。なお、この工程でも中心部の
ウエブ厚さｔは殆ど変化しない。
を先ず第１の割り込み孔型Ｋ１で圧下し、短片にスリッ
トを形成させつつ、複数回の割り込み圧延を行うが、こ
の過程では矩形断面鋼片の上下短片はスリット部だけ深
さを増し、鋼片の幅方向中心部における高さＨ0 （中央
ウエブ高さ）は小さくなるが、鋼片の上下端部間の幅Ｈ
（ウエブ高さ）と、鋼片幅方向の中心部の厚さｔ（ウエ
ブ厚さ）は当初の矩形断面鋼片の寸法に対して殆ど変化
しない。次に、第２の割り広げ孔型Ｋ２により複数回の
圧下を行って前記短辺を更に割り広げるが、図３（ｂ）
に示すとおり、この圧延工程では割り広げ圧延と共にエ
ッジング圧延も行うため、中央ウエブ高さＨ0 およびウ
エブ高さＨとも減少する。なお、この工程でも中心部の
ウエブ厚さｔは殆ど変化しない。
【００２０】続いて、第３のボックス孔型Ｋ３によって
前記短片に残存していた窪み部を消去して、フラット状
にすると共に、鋼片の短片側の左右側部を孔型のテーパ
部Ｒ２で圧下して内側に湾曲させ、次の整形孔型Ｋ４の
側壁テーパとほぼ同等になるように形成する。このボッ
クス孔型Ｋ３に圧延工程では図３（ｃ）に示すように、
中央ウエブ高さＨ0 およびウエブ高さＨとも更に圧減さ
れるが、中心部のウエブ厚さｔは殆ど変化しない。
前記短片に残存していた窪み部を消去して、フラット状
にすると共に、鋼片の短片側の左右側部を孔型のテーパ
部Ｒ２で圧下して内側に湾曲させ、次の整形孔型Ｋ４の
側壁テーパとほぼ同等になるように形成する。このボッ
クス孔型Ｋ３に圧延工程では図３（ｃ）に示すように、
中央ウエブ高さＨ0 およびウエブ高さＨとも更に圧減さ
れるが、中心部のウエブ厚さｔは殆ど変化しない。
【００２１】整形孔型Ｋ４では被圧延材の姿勢を９０度
回転させ、鋼片の厚み（ウエブ厚み）を減少させ、被圧
延材の各部が整形孔型Ｋ４に充満するまで複数回の圧下
を行うが、図３（ｄ）に示すとおり、この工程では中央
ウエブ高さＨ0 およびウエブ高さＨとも殆ど変化せず、
ウエブ厚みｔのみ減少する。
回転させ、鋼片の厚み（ウエブ厚み）を減少させ、被圧
延材の各部が整形孔型Ｋ４に充満するまで複数回の圧下
を行うが、図３（ｄ）に示すとおり、この工程では中央
ウエブ高さＨ0 およびウエブ高さＨとも殆ど変化せず、
ウエブ厚みｔのみ減少する。
【００２２】以上の粗圧延によって得られたＺ型の粗形
鋼片は、以下、第１中間圧延機６ａ、第２中間圧延機６
ｂおよび仕上圧延機７によって最終製品まで圧延する。
鋼片は、以下、第１中間圧延機６ａ、第２中間圧延機６
ｂおよび仕上圧延機７によって最終製品まで圧延する。
【００２３】
【実施例】表１は本発明によるＺ型鋼矢板用の粗圧延の
パススケジュール例であり、最終製品のＦＳＰ−Ｚ４５
型（本発明人の呼称する製品名：図６に示すＺ型鋼矢板
の有効幅４００ｍｍ、高さ３７０ｍｍ、断面係数が１ｍ
当たり４，５００ｃｍ3 ／ｍ）に適用するためのもので
ある。なお、使用したスラブ素材の寸法は幅１０００ｍ
ｍ、厚み２５０ｍｍである。
パススケジュール例であり、最終製品のＦＳＰ−Ｚ４５
型（本発明人の呼称する製品名：図６に示すＺ型鋼矢板
の有効幅４００ｍｍ、高さ３７０ｍｍ、断面係数が１ｍ
当たり４，５００ｃｍ3 ／ｍ）に適用するためのもので
ある。なお、使用したスラブ素材の寸法は幅１０００ｍ
ｍ、厚み２５０ｍｍである。
【００２４】また、第１の割り込み孔型Ｋ１の山形突起
Ｐ1 の頂角θ1 は６０°、頂角θ1の高さｈ1 は１２０
ｍｍ、また孔型Ｋ２の山形突起Ｐ2 の頂角θ2 は９０
°、頂角θ2 の高さｈ2 は７０ｍｍとした。この粗圧延
によって得られたＺ型粗形鋼片には、疵および噛出し等
は発生せず、また圧延中の捩じれ、曲がり等の不具合は
全く生じなかった。最終製品の形状、品質においても何
ら問題がなかったのは勿論である。
Ｐ1 の頂角θ1 は６０°、頂角θ1の高さｈ1 は１２０
ｍｍ、また孔型Ｋ２の山形突起Ｐ2 の頂角θ2 は９０
°、頂角θ2 の高さｈ2 は７０ｍｍとした。この粗圧延
によって得られたＺ型粗形鋼片には、疵および噛出し等
は発生せず、また圧延中の捩じれ、曲がり等の不具合は
全く生じなかった。最終製品の形状、品質においても何
ら問題がなかったのは勿論である。
【００２５】
【表１】
【００２６】
【発明の効果】本発明のＺ型鋼矢板用粗形鋼片圧延方法
の最も顕著な効果は、粗圧延前にスラブを加熱するだけ
の、いわゆる１ヒート圧延が可能となるため、鋼片加熱
燃料の節減は極めて大きい。また、素材にＺ型鋼矢板用
専用のＨ型の連続鋳造鋳片を使用することなく、一般的
な矩形断面の連続鋳造スラブを用いるので、他の形鋼と
素材の共用化の効果および従来の粗圧延機（ブレークダ
ウン圧延機）の孔型を変更するのみでよいので、格別な
装置または改造費用を必要としない。さらに、粗圧延時
のスリ下げ現象によるラップ疵の発生は皆無となり、製
品歩留りは格段に向上した。
の最も顕著な効果は、粗圧延前にスラブを加熱するだけ
の、いわゆる１ヒート圧延が可能となるため、鋼片加熱
燃料の節減は極めて大きい。また、素材にＺ型鋼矢板用
専用のＨ型の連続鋳造鋳片を使用することなく、一般的
な矩形断面の連続鋳造スラブを用いるので、他の形鋼と
素材の共用化の効果および従来の粗圧延機（ブレークダ
ウン圧延機）の孔型を変更するのみでよいので、格別な
装置または改造費用を必要としない。さらに、粗圧延時
のスリ下げ現象によるラップ疵の発生は皆無となり、製
品歩留りは格段に向上した。
【図１】（ａ）：本発明法が対象とする粗圧延機の孔型
ロールの配列を示す略図。 （ｂ）：第１中間圧延機の孔型ロールの配列を示す略
図。 （ｃ）：第２中間圧延機の孔型ロールの配列を示す略
図。 （ｄ）：仕上圧延機の孔型ロールの配列を示す略図。
ロールの配列を示す略図。 （ｂ）：第１中間圧延機の孔型ロールの配列を示す略
図。 （ｃ）：第２中間圧延機の孔型ロールの配列を示す略
図。 （ｄ）：仕上圧延機の孔型ロールの配列を示す略図。
【図２】（ａ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ
１、Ｋ２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。 （ｂ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。 （ｃ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。 （ｄ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。
１、Ｋ２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。 （ｂ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。 （ｃ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。 （ｄ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型の略図。
【図３】（ａ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ
１、Ｋ２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面
略図。 （ｂ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面略図。 （ｃ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面略図。 （ｄ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面略図。
１、Ｋ２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面
略図。 （ｂ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面略図。 （ｃ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面略図。 （ｄ）：本発明法が対象とする孔型ロールのＫ１、Ｋ
２、Ｋ３、Ｋ４各孔型で圧延した被圧延材の断面略図。
【図４】本発明法を実施する圧延工程の略図。
【図５】従来の矩形断面スラブからＺ型鋼矢板用粗形鋼
片を造形する場合の圧延材の断面を示す略図。
片を造形する場合の圧延材の断面を示す略図。
【図６】Ｚ型鋼矢板の断面略図。
１…連続鋳造スラブ ２…粗形鋼片 ３…Ｚ型粗形鋼片 ４…加熱炉 ５…粗圧延機 ６ａ，６ｂ…中
間圧延機 ７…仕上圧延機
間圧延機 ７…仕上圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明賀孝仁 北九州市戸畑区飛幡町１番１号 新日本製 鐵株式会社八幡製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項１】 複数の孔型を有する上下一対の孔型ロー
ルを用いて矩形断面鋼片からＺ型鋼矢板用の非対称粗形
鋼片を圧延する方法であって、前記孔型ロールの孔底部
の中心から左右いずれかに偏った位置に山形突起を設け
た第１の割り込み孔型で前記矩形鋼片の短辺を割り込み
圧延し、ついで前記山形突起の頂角より大きい頂角の山
形突起を設けた第２の割り広げ孔型で前記短辺を更に割
り広げ、続いて、孔型底部が凹状に湾曲して形成された
第３のボックス孔型によって前記短辺を内側に湾曲さ
せ、しかるのちに上下および左右非対称の第４の整形孔
型で整形圧延することを特徴とするＺ型鋼矢用粗形鋼片
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27531593A JPH07124602A (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | Ｚ型鋼矢板用粗形鋼片の圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27531593A JPH07124602A (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | Ｚ型鋼矢板用粗形鋼片の圧延方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07124602A true JPH07124602A (ja) | 1995-05-16 |
Family
ID=17553738
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27531593A Withdrawn JPH07124602A (ja) | 1993-11-04 | 1993-11-04 | Ｚ型鋼矢板用粗形鋼片の圧延方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07124602A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001081642A1 (fr) * | 2000-04-24 | 2001-11-01 | Kawasaki Steel Corporation | Acier de forme lineaire presentant d'excellentes caracteristiques de fatigue au niveau des joints, et procede de production correspondant |
| CN104264668A (zh) * | 2014-09-19 | 2015-01-07 | 河海大学 | X形模型桩的桩模及其制作方法 |
| CN104364024A (zh) * | 2012-04-02 | 2015-02-18 | 安赛乐米塔尔研发有限公司 | 用于热轧z形截面板桩的方法 |
| CN106938277A (zh) * | 2016-01-01 | 2017-07-11 | 天津欧神科技有限公司 | 一种z型钢带的生产方法 |
-
1993
- 1993-11-04 JP JP27531593A patent/JPH07124602A/ja not_active Withdrawn
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