JP2004084655A - エンジン始動制御装置 - Google Patents

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唐見 昌宏
Mitsuaki Kondou
近藤 充晃
Toru Itabashi
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Abstract

【課題】安価で信頼性が高いエンジン始動制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンを制御する2つの各ECU(電子制御装置)11,12が、スタータスイッチ7のオン/オフ状態等に基づきスタータモータ1を択一的に制御する装置において、各ECU11,12には、スタータモータ1へ電力を供給する1つのスタータリレー5のコイルLに通電して該リレー5をオンさせるためのスイッチング素子13と、他のECUからの駆動禁止信号が端子STCIに入力されると、上記素子13を強制的にオフさせる比較器59等からなる回路と、端子STCOから他のECUへ上記駆動禁止信号を出力するためのトランジスタ53等からなる回路とが設けられている。そして、本装置では、スタータモータ1を制御する番のECUに異常が生じると、他方のECUが、そのECUに駆動禁止信号を出力した上で、以後、スタータモータ1の制御を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの始動を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンの始動を制御する装置の構成として、図6に示すように、エンジンを制御する電子制御装置(ECU)100に、スタータモータ1へバッテリ3からの動作電力を供給するスタータリレー5をオン/オフさせるためのスイッチング素子13を設け、その電子制御装置100が、スタータスイッチ7のオン/オフを示すスタータスイッチ信号Sg1などに応じて、上記スイッチング素子13を駆動することにより、スタータモータ1を電気的に制御するものが知られている。
【0003】
具体的に説明すると、まず、電子制御装置100の外部において、スタータモータ1のマイナス側端子は、バッテリ3のマイナス端子の電位である接地電位(=0V)に常時接続されており、スタータモータ1のプラス側端子は、スタータリレー5の接点を介して、バッテリ3のプラス端子に接続されるようになっている。よって、スタータリレー5のコイルLに電流が流されて、該スタータリレー5がオンする(即ち、スタータリレー5の接点が短絡する)と、スタータモータ1にバッテリ3からの電力が供給されて該スタータモータ1が動作し、その結果、エンジンが始動のためにクランキングされることとなる。
【0004】
また、スタータスイッチ7の一方の端子が、バッテリ3のプラス端子に接続されており、そのスタータスイッチ7の他方の端子が、電子制御装置100においてスタータスイッチ信号Sg1を入力するために設けられた入力端子STSWに接続されている。
【0005】
また更に、スタータリレー5のコイルLの一端は、接地電位に常時接続されており、そのコイルLの他端は、電子制御装置100においてコイルLへの通電が行われているか否かを示す故障検出用のモニタ信号Sg2を入力するために設けられた入力端子STAと、ニュートラルスイッチ9の一方の端子とに接続されている。
【0006】
そして、ニュートラルスイッチ9のコイルL側とは反対側の端子は、電子制御装置100においてニュートラルスイッチ9のオン/オフを示すニュートラルスイッチ信号Sg3を入力するために設けられた入力端子NSWと、電子制御装置100においてスタータリレー5のコイルLに電流を流すために設けられた出力端子STARとに接続されている。
【0007】
尚、図6は、オートマチックトランスミッションを搭載した車両の場合の構成例を表しており、ニュートラルスイッチ9は、そのオートマチックトランスミッションのシフト位置が、ニュートラル位置(N)かパーキング位置(P)の場合にオンするものである。
【0008】
一方、電子制御装置100は、エンジンを制御するための各種処理を行うマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)21と、入力端子STSWを接地電位にプルダウンする抵抗23と、入力端子STAを接地電位にプルダウンする抵抗25と、入力端子NSWにカソードが接続された電流回り込み防止用のダイオード27と、そのダイオード27のアノード側をバッテリ電圧VB(バッテリ3のプラス端子の電圧であり、通常、約12V)にプルアップする抵抗29とを備えている。尚、抵抗29の抵抗値は、スタータリレー5のコイルLの抵抗値よりも十分に大きい値(例えば10倍以上の値)に設定されている。
【0009】
また、電子制御装置100は、入力端子STSWの電圧(即ち、スタータスイッチ信号Sg1)を所定のしきい値電圧Vsよりも大きいか否かでハイレベル(この例では5V)とローレベル(この例では0V)との何れかを示す二値信号b1に変換し、その二値信号b1をマイコン21に入力させる入力バッファ31と、入力端子STAの電圧(即ち、コイルLへの通電/非通電を示すモニタ信号Sg2)を上記しきい値電圧Vsよりも大きいか否かでハイレベルとローレベルとの何れかを示す二値信号b2に変換し、その二値信号b2をマイコン21に入力させる入力バッファ33と、ダイオード27のアノードの電圧(即ち、ニュートラルスイッチ信号Sg3に相当する電圧)を上記しきい値電圧Vsよりも大きいか否かでハイレベルとローレベルとの何れかを示す二値信号b3に変換し、その二値信号b3をマイコン21に入力させる入力バッファ35と、マイコン21が正常に動作しているか否かを該マイコン21から定期的に出力されるはずのウォッチドッグパルスなどに基づき監視する監視マイコン37とを備えている。
【0010】
そして更に、電子制御装置100は、出力端子STARにカソードが接続された回り込み防止用のダイオード39と、そのダイオード39のアノードにドレインが接続され、ソースがバッテリ電圧VBに接続されたPチャネルMOSFETからなるスイッチング素子13と、アノードが接地電位に接続され、カソードがダイオード39のアノードとスイッチング素子13のドレインとに接続されたフライバックエネルギー吸収用のダイオード41と、マイコン21からスイッチング素子13(延いてはスタータリレー5)を駆動するために出力される駆動信号Sdを抵抗43を介して入力し、その駆動信号Sdがローレベルの場合には、スイッチング素子13のゲートにバッテリ電圧VBを供給して該スイッチング素子13をオフさせ、上記駆動信号Sdがハイレベルの場合には、スイッチング素子13のゲートを0Vにして該スイッチング素子13をオンさせる反転回路45とを備えている。
【0011】
このような電子制御装置100においては、スタータスイッチ7がオフされていれば、入力端子STSWに入力されるスタータスイッチ信号Sg1が0Vとなって、バッファ31からマイコン21に入力される二値信号b1もローレベルとしての0Vとなるが、スタータスイッチ7がオンされると、上記入力端子STSWに入力されるスタータスイッチ信号Sg1がバッテリ電圧VBとなって、バッファ31からマイコン21に入力される二値信号b1がハイレベルとしての5Vになる。
【0012】
また、スタータリレー5のコイルLに電流が流れていなければ、入力端子STAに入力されるモニタ信号Sg2が0Vとなって、バッファ33からマイコン21に入力される二値信号b2もローレベル(=0V)となるが、当該電子制御装置100の出力端子STARからニュートラルスイッチ9を介してスタータリレー5のコイルLに電流が流されている場合には、上記入力端子STAに入力されるモニタ信号Sg2がほぼバッテリ電圧VBとなって、バッファ33からマイコン21に入力される二値信号b2がハイレベル(=5V)となる。
【0013】
また更に、スイッチング素子13がオフされて出力端子STARからバッテリ電圧VBが出力されておらず、且つ、ニュートラルスイッチ9がオンされている場合には、入力端子NSWに入力されるニュートラルスイッチ信号Sg3がほぼ0V(詳しくは、バッテリ電圧VBを抵抗29とコイルLとで分圧した電圧)となって、バッファ35からマイコン21に入力される二値信号b3がローレベル(=0V)となり、スイッチング素子13がオンされて出力端子STARからバッテリ電圧VBが出力されるか、或いは、ニュートラルスイッチ9がオフされている場合には、ニュートラルスイッチ信号Sg3がほぼバッテリ電圧VBとなって、バッファ35からマイコン21に入力される二値信号b3がハイレベル(=5V)となる。
【0014】
このため、電子制御装置100において、マイコン21は、バッファ31からの二値信号b1がハイレベルになると、スタータスイッチ7がオンされたと判断して、バッファ35からの二値信号b3がローレベルであるか否かを判定し、その二値信号b3がローレベルならば、ニュートラルスイッチ9がオンである(つまり、シフト位置が、エンジンを始動しても良いと許可されているニュートラル位置かパーキング位置である)ことから、スイッチング素子13に対する駆動信号Sdを、エンジンがかかるとみなされる所定時間だけハイレベルにして該スイッチング素子13をオンさせる。
【0015】
すると、スイッチング素子13、ダイオード39、出力端子STAR、及びニュートラルスイッチ9を介して、スタータリレー5のコイルLに電流が流れ、その結果、スタータリレー5がオンしてスタータモータ1が作動し、エンジンが始動されることとなる。
【0016】
また、マイコン21は、駆動信号Sdをハイレベルにしてスイッチング素子13をオンさせているのに、バッファ33からの二値信号b2がローレベルであるとか、駆動信号Sdをローレベルにしてスイッチング素子13をオフさせているのに、バッファ33からの二値信号b2がハイレベルである、といった矛盾を検出した場合には、異常と判断して、所定のフェイルセーフ処理を実施する。
【0017】
また更に、この例において、スイッチング素子13には、当該スイッチング素子13に流れる電流(ソース−ドレイン間電流)が過電流と判定されるべき所定値に達すると、過電流検出信号Skを出力する検出部13aが備えられている。そして、マイコン21は、スイッチング素子13から上記過電流検出信号Skが出力されると、駆動信号Sdをローレベルにして、スイッチング素子13を過電流から保護するようになっている。
【0018】
一方、近年、一部の車両においては、信頼性を向上させるために、エンジンを複数の電子制御装置で制御することが行われている。例えば、V型12気筒エンジンを制御するシステムの場合、左右の各バンクに配列された6気筒毎に電子制御装置を設け、その各電子制御装置が自分に分担された6気筒を制御することで、合計12気筒の制御が行われる、といった構成が採られている。そして、このような構成によれば、何れかの電子制御装置が故障して、一方のバンクの6気筒が制御できなくなっても、他の電子制御装置により残りの6気筒の制御はできるため、車両の十分な走行性能を確保することができる。
【0019】
尚、図6を用いて説明したエンジン始動制御用の構成及び手順と、エンジンを複数の電子制御装置で制御することは、車両において通常行われる一般的なものであり、公知・公用の技術に該当するので、特に先行技術文献は開示しない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンを複数の電子制御装置で制御するシステムの場合、1つの電子制御装置でスタータモータを制御するように構成すると、その電子制御装置が故障しただけで、エンジンを始動することができなくなってしまう。
【0021】
そこで、各電子制御装置がスタータモータを制御できるようにするために、各電子制御装置毎にスタータリレーを設けることが考えられる。しかし、そのようにすると、部品点数が多くなってしまい、延いては、システムが煩雑化してコストアップを招いてしまう。
【0022】
一方、図6に示した従来のエンジン始動制御装置においては、エンジンの始動を制御するためのスイッチング素子13が1つであるため、そのスイッチング素子13に対する駆動信号Sdを出力する制御回路(図6の例ではマイコン21)や、スイッチング素子13そのものが故障した場合に、スタータモータ1を制御することが不可能になるという問題もあった。
【0023】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、安価で信頼性が高いエンジン始動制御装置を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のエンジン始動制御装置は、エンジンの始動を制御可能な複数の制御手段と、1つのスタータリレーとを備えており、そのスタータリレーがオンされると、エンジンを始動させるためのスタータモータに電力が供給されて該スタータモータが動作し、エンジンがクランキングされる。
【0025】
そして、このエンジン始動制御装置において、各制御手段には、上記1つのスタータリレーのコイルへの通電/非通電を切り替えて該スタータリレーをオン/オフさせるためのスイッチング手段が夫々設けられており、各制御手段のうちの何れかが、その制御手段に設けられているスイッチング手段により上記1つのスタータリレーのコイルへの通電/非通電を制御して、エンジンの始動を択一的に制御するようになっている。
【0026】
このような請求項1のエンジン始動制御装置によれば、何れかの制御手段が故障(例えば、その制御手段に設けられたスイッチング手段や、そのスイッチング手段に対する駆動信号を出力する制御回路等が故障)したとしても、他の制御手段によってスタータモータを制御(換言すれば、エンジンの始動を制御)することができ、しかも、そのようなバックアップ機能を、各制御手段毎にスタータリレーを設けることなく実現することができる。よって、信頼性が高いエンジンの始動制御を、システムの煩雑化を招くことなく安価に実現することができる。
【0027】
次に、請求項2に記載のエンジン始動制御装置では、請求項1のエンジン始動制御装置において、各制御手段は、他の制御手段がスタータリレーのコイルへの通電を行うのを、強制的に阻止可能に構成されている。
このような請求項2のエンジン始動制御装置によれば、何れかの制御手段において、スタータリレーのコイル(以下、スタータリレーコイルともいう)へ通電したままになる異常が生じたとしても、その制御手段によるスタータリレーコイルへの通電を、他の正常な制御手段によって阻止することができる。よって、そのような異常が生じた場合でも、スタータモータを正常な制御手段によって確実に制御することができる。
【0028】
ところで、請求項2のエンジン始動制御装置は、具体的には、請求項3に記載のように構成することができる。
即ち、各制御手段に、他の制御手段からの駆動禁止信号が入力されると、当該制御手段のスイッチング手段を強制的にスタータリレーのコイルへ通電しない方のオフ状態にさせる駆動禁止手段と、他の制御手段へ前記駆動禁止信号を出力するための信号出力手段とを設ければ良い。
【0029】
そして、このように構成すれば、何れかの制御手段において、スイッチング手段をオン/オフさせる制御部に異常が生じ、そのスイッチング手段に対する駆動信号が該スイッチング手段をオン状態(スタータリレーコイルへ通電する方の状態)にさせるレベルで固定されてしまったとしても、その異常が生じた制御手段へ、他の正常な制御手段から駆動禁止信号を出力することで、スタータリレーのコイルに通電されたままになってしまうのを阻止することができる。よって、何れかの制御手段においてスイッチング手段をオン/オフさせる制御部に異常が生じた場合でも、スタータモータを正常な制御手段によって確実に制御することができる。
【0030】
次に、請求項4に記載のエンジン始動制御装置では、請求項1のエンジン始動制御装置において、各制御手段は、前記スイッチング手段として、電源の高電位側とスタータリレーのコイルの一端とを連通又は遮断する上流側スイッチング手段と、電源の低電位側とスタータリレーのコイルの他端とを連通又は遮断する下流側スイッチング手段との、2つのスイッチング手段を夫々備えている。
【0031】
そして、このような請求項4のエンジン始動制御装置によれば、例えば、何れかの制御手段の上流側スイッチング手段と、その制御手段あるいは他の制御手段の下流側スイッチング手段とのうちの、一方をオンさせたままにして、他方をオン/オフさせることにより、スタータリレーコイルへの通電/非通電(延いては、スタータリレーのオン/オフ)を制御することができるが、特に、そのオン/オフさせる方のスイッチング手段がオンしたままの状態で故障(いわゆるショート故障)しても、その場合には、それまで常時オンさせていた方のスイッチング手段をオン/オフさせることで、スタータリレーのオン/オフを引き続き制御することができる。このため、スイッチング手段のショート故障に対するフェイルセーフ性を向上させることができる。
【0032】
次に、請求項5に記載のエンジン始動制御装置では、請求項4のエンジン始動制御装置において、各制御手段には、スタータリレーのコイルの上記一端に接続される上流側出力端子と、スタータリレーのコイルの上記他端に接続される下流側出力端子と、上流側スイッチング手段のオン時に導通する該上流側スイッチング手段の2つの端子のうちで、電源の高電位側に接続された方とは反対側の端子(以下、電流出力端子という)と前記上流側出力端子との間に、上流側スイッチング手段から上流側出力端子への電流方向を順方向として接続された上流側ダイオードと、上流側スイッチング手段の電流出力端子から上流側ダイオードのアノードへ至る配線と電源の低電位側との間に接続されたプルダウン用抵抗と、下流側スイッチング手段のオン時に導通する該下流側スイッチング手段の2つの端子のうちで、電源の低電位側に接続された方とは反対側の端子(以下、電流引込端子という)と前記下流側出力端子との間に、下流側出力端子から下流側スイッチング手段への電流方向を順方向として接続された下流側ダイオードと、その下流側ダイオードのカソードから下流側スイッチング手段の電流引込端子へ至る配線と電源の高電位側との間に接続されたプルアップ用抵抗と、が夫々設けられている。
【0033】
このような請求項5のエンジン始動制御装置によれば、各制御手段のスイッチング手段についての故障判定を、他の制御手段のスイッチング手段のオン/オフ状態に関わらず正確に実施することができる。
つまり、複数の制御手段のうちの何れか1つを特定制御手段と称することにすると、その特定制御手段では、仮に他の制御手段の上流側スイッチング手段がオンされていても、そのオンされた上流側スイッチング手段から当該特定制御手段におけるプルダウン用抵抗へ電流が流れ込んでしまうことが、上流側ダイオードによって防止される。このため、特定制御手段では、他の制御手段の上流側スイッチング手段のオン/オフ状態に関わらず、上流側スイッチング手段がオフであれば、その上流側スイッチング手段の電流出力端子に接続された配線の電圧(即ち、その上流側スイッチング手段の電流出力端子から上流側ダイオードのアノードへ至る配線の電圧であり、以下、上流側モニタ電圧という)が、プルダウン用抵抗によって電源の低電位側の電圧となり、また、上流側スイッチング手段がオンであれば、上記上流側モニタ電圧が、電源の高電位側の電圧となる。
【0034】
よって、各制御手段では、例えば「上流側スイッチング手段を駆動した(オンさせた)にも関わらず上記上流側モニタ電圧が所定の判定電圧よりも低ければ、その上流側スイッチング手段がオープン故障(オンしない故障)していると判定し、逆に、上流側スイッチング手段を駆動していない(オフさせている)にも関わらず上記上流側モニタ電圧が所定の判定電圧よりも高ければ、その上流側スイッチング手段がショート故障していると判定する」といった故障判定を、他の制御手段の上流側スイッチング手段のオン/オフ状態に影響されずに実施することができる。
【0035】
また、特定制御手段では、仮に他の制御手段の下流側スイッチング手段がオンされていても、そのオンされた下流側スイッチング手段へ当該特定制御手段におけるプルアップ用抵抗から電流が流れ出てしまうことが、下流側ダイオードによって防止される。このため、特定制御手段では、他の制御手段の下流側スイッチング手段のオン/オフ状態に関わらず、下流側スイッチング手段がオフであれば、その下流側スイッチング手段の電流引込端子に接続された配線の電圧(即ち、下流側ダイオードのカソードからその下流側スイッチング手段の電流引込端子へ至る配線の電圧であり、以下、下流側モニタ電圧という)が、プルアップ用抵抗によって電源の高電位側の電圧となり、また、下流側スイッチング手段がオンであれば、上記下流側モニタ電圧が、電源の低電位側の電圧となる。
【0036】
よって、各制御手段では、例えば「下流側スイッチング手段を駆動したにも関わらず上記下流側モニタ電圧が所定の判定電圧よりも高ければ、その下流側スイッチング手段がオープン故障していると判定し、逆に、下流側スイッチング手段を駆動していないにも関わらず上記下流側モニタ電圧が所定の判定電圧よりも低ければ、その下流側スイッチング手段がショート故障していると判定する」といった故障判定を、他の制御手段の下流側スイッチング手段のオン/オフ状態に影響されずに実施することができる。
【0037】
そして更に、請求項5のエンジン始動制御装置によれば、実際にスタータリレーを制御する前に上流側スイッチング手段と下流側スイッチング手段とを別々に駆動してみて、その際の上流側モニタ電圧と下流側モニタ電圧から、各スイッチング手段の故障を事前に検出することができるようになる。このため、たとえ何れかのスイッチング手段が故障していても、実際にスタータリレーを制御するときには、直ちに正常なスイッチング手段によってスタータリレーを制御できるように構成することが可能となる。
【0038】
そこで、例えば請求項6に記載のエンジン始動制御装置では、請求項5のエンジン始動制御装置において、事前検査手段を設けている。
そして、この事前検査手段は、各制御手段のスイッチング手段のうち、次回のエンジン始動制御時に使用される予定の上流側スイッチング手段と下流側スイッチング手段とを、そのエンジン始動制御時が到来する前にそれぞれ別々に駆動して、その駆動した上流側スイッチング手段の電流出力端子に接続された前記配線の電圧(上流側モニタ電圧)に基づき該上流側スイッチング手段が正常にオンするか否かを判定すると共に、その駆動した下流側スイッチング手段の電流引込端子に接続された前記配線の電圧(下流側モニタ電圧)に基づき該下流側スイッチング手段が正常にオンするか否かを判定する。
【0039】
そして更に、請求項6のエンジン始動制御装置は、上記の事前検査手段によって正常にオンしないと判定されたスイッチング手段(故障スイッチング手段)があった場合には、その故障スイッチング手段の代わりに、該故障スイッチング手段が設けられている制御手段とは別の制御手段に設けられている上流側スイッチング手段及び下流側スイッチング手段のうち、スタータリレーのコイルに対して故障スイッチング手段と同じ側に設けられているスイッチング手段(即ち、故障スイッチング手段が上流側スイッチング手段であれば、上流側スイッチング手段であり、故障スイッチング手段が下流側スイッチング手段であれば、下流側スイッチング手段である)を使用して、エンジンの始動を制御するように構成されている。
【0040】
このような請求項6のエンジン始動制御装置によれば、何れかのスイッチング手段がオープン故障していても、実際にスタータリレーを制御するときには、タイムラグを発生させることなく、直ちに正常なスイッチング手段によってスタータリレーを制御することができ、始動性の悪化を招くことがない。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施形態のエンジン始動制御装置について、図面を用いて説明する。
まず図1は、第1実施形態のエンジン始動制御装置の構成を表す構成図である。尚、図1において、図6に示したものと同じ構成要素及び信号については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0042】
図1に示すように、本第1実施形態のエンジン始動制御装置は、V型エンジン(ここでは、例えば12気筒エンジンとする)が搭載された車両に用いられるものであり、そのエンジンを制御する2つの電子制御装置(以下、ECUという)11,12と、1つのスタータリレー5と、スタータスイッチ7及びニュートラルスイッチ9とによって構成されている。
【0043】
ここで、各ECU11,12は、「従来の技術」の欄で述べたように、V型12気筒エンジンの各バンクの6気筒毎に対応して設けられ、その各6気筒毎について、燃料噴射や点火などを制御するものであり、図示しないイグニッションスイッチがオンされてバッテリ電圧VBが動作電源として供給されると動作を開始する。
【0044】
そして、図1ではECU11の内部構成しか示していないが、両ECU11,12は、同じハードウェア構成を有している。
そして更に、各ECU11,12は、図6に示したECU100と比較すると、ハードウェア面において、下記の(1−1)〜(1−4)の点が異なっている。
【0045】
(1−1):まず、各ECU11,12には、自己のスイッチング素子13をマイコン21からの駆動信号Sdに拘わらず強制的にオフさせるための駆動禁止信号を、外部から入力するための入力端子STCIと、他のECUへ上記駆動禁止信号を出力するための出力端子STCOとが、追加して設けられている。
【0046】
(1−2):そして、各ECU11,12には、上記駆動禁止信号を出力するための信号出力手段として、出力端子STCOに一端が接続された電流制限用の抵抗51と、その抵抗51の他端にコレクタが接続されると共に、エミッタが接地電位に接続され、更に、マイコン21から出力される駆動禁止指令信号Scがベースに供給されるNPNトランジスタ53とが、追加して設けられている。
【0047】
(1−3):更に、各ECU11,12には、入力端子STCIに入力される他のECUからの駆動禁止信号に応じて自己のスイッチング素子13を強制的にオフさせる駆動禁止手段として、入力端子STCIをバッテリ電圧VBにプルアップする抵抗55と、その抵抗55と入力端子STCIとの接続点に一端が接続された入力保護用の抵抗57と、その抵抗57の他端に非反転入力端子(+端子)が接続されると共に、バッテリ電圧VBのほぼ1/2であるしきい値電圧Vthが反転入力端子(−端子)に入力された比較器59と、比較器59の非反転入力端子と接地電位との間に接続されたノイズ除去用のコンデンサ61と、比較器59の出力端子をハイレベルに相当する5Vにプルアップする抵抗63と、比較器59の出力端子にカソードが接続され、抵抗43と反転回路45との接続点にアノードが接続された回り込み防止用のダイオード65とが、追加して設けられている。尚、比較器59の出力端子は、オープンコレクタタイプのものである。
【0048】
そして、本第1実施形態のエンジン始動制御装置では、ECU11の出力端子STCOとECU12の入力端子STCIとが接続され、同様に、ECU12の出力端子STCOとECU11の入力端子STCIとが接続されている。
また、スタータモータ1と、バッテリ3と、スタータリレー5と、スタータスイッチ7と、ニュートラルスイッチ9と、ECU11との接続状態は、図6に示した従来例と同様であるが、本第1実施形態においては、更に、両ECU11,12の入力端子STSW同士と、入力端子STA同士と、入力端子NSW同士と、出力端子STAR同士とが、夫々接続されている。
【0049】
このため、両ECU11,12の各々は、図6のECU100について説明したのと同様の手順で、エンジンの始動を制御することができる。
(1−4):ECU11,12は、通信線69によって互いに接続されている。そして、各ECU11,12には、その各ECU11,12のマイコン21同士が上記通信線69を介して通信するため、及び、各ECU11,12の監視マイコン37での判断結果(即ち、そのECUのマイコン21が正常に動作しているか否か)を、他のECUのマイコン21へ上記通信線69を介して定期的に通知するための通信回路67が備えられている。
【0050】
次に、以上のようなハードウェア構成のエンジン始動制御装置の作用について説明する。
まず、本第1実施形態のエンジン始動制御装置においては、例えばイグニッションスイッチのオンに伴いECU11,12が動作を開始した時毎(或いは、エンジン始動のためにスタータスイッチ7がオンされた時毎)に、各ECU11,12のうちで、エンジンの始動制御を実施するマスタのECUと、そのマスタECUの動作を監視して異常の発生を検知すると、自らがマスタECUに代わって始動制御を行うバックアップ機能用のスレーブECUとが、予め決められた順序で(本実施形態では交互に)切り替わるようになっている。これは、エンジンの始動時毎にその始動を制御するマスタECUが切り替わることで、両ECU11,12のハードウェアを均等に使用することができ、延いては、システム全体の故障率を低下させることができるからである。尚、マスタECUとスレーブECUとが切り替わる頻度としては、エンジンが所定回数だけ始動される毎や、ある時間毎でも良い。
【0051】
そして、スタータスイッチ7がオンされると、各ECU11,12のうちで、マスタECUのマイコン21が、図6のECU100について説明したのと同様の手順でエンジンの始動制御を行う。
つまり、マスタECUのマイコン21は、バッファ31からの二値信号b1がハイレベルになると、スタータスイッチ7がオンされたと判断して、バッファ35からの二値信号b3がローレベルであるか否かを判定し、その二値信号b3がローレベルならば、ニュートラルスイッチ9がオンであることから、スタータモータ1を動作させるべき始動条件が成立していると判断して、エンジンがかかるとみなされる所定時間Tsの間、駆動信号Sdをハイレベルにしてスイッチング素子13をオンさせ、これにより、スタータリレー5をオンさせて、スタータモータ1によりエンジンを始動(クランキング)させる。尚、各ECU11,12には同じ信号が入力されているため、始動条件が成立したか否かは、スレーブECUのマイコン21でも同様に判断される。
【0052】
ここで、ECU11がマスタECUであり、ECU12がスレーブECUであるものとして説明すると、スレーブECUとなったECU12のマイコン21は、通常は、駆動禁止指令信号Scの出力レベルをローレベルにして、トランジスタ53をオフさせることにより、出力端子STCOからマスタECU11の入力端子STCIへの駆動禁止信号を、無効レベルである方のハイレベル(=バッテリ電圧VB)にするが、マスタECU11に異常が生じていることを検知すると、駆動禁止指令信号Scの出力レベルをハイレベルにして、トランジスタ53をオンさせることにより、出力端子STCOからマスタECU11の入力端子STCIへの駆動禁止信号を、有効レベルである方のローレベル(=ほぼ0V)にする。
【0053】
尚、本実施形態においては、前述したように、各ECU11,12の監視マイコン37での判断結果(マイコン21が正常に動作しているか否か)が、他のECUのマイコン21へ定期的に通知されるようになっている。このため、スレーブECU12のマイコン21は、マスタECU11の監視マイコン37での判断結果により、マスタECU11のマイコン21にプログラム暴走などが生じたことを検知すると、マスタECU11に異常が生じていると判断して、そのECU11への駆動禁止信号をローレベルにする。また、スレーブECU12のマイコン21は、バッファ33からの二値信号b2が上記所定時間Tsよりも長い判定時間Th(>Ts)以上ハイレベルであること(即ち、スタータリレー5のコイルLへの通電が判定時間Th以上続いていること)を検知した場合や、前述の始動条件が成立しているにも拘わらず、バッファ33からの二値信号b2がローレベルであること(即ち、スタータリレー5のコイルLへの通電が行われないこと)を検知した場合にも、マスタECU11に異常が生じていると判断して、そのECU11への駆動禁止信号をローレベルにする。
【0054】
すると、マスタECU11においては、比較器59の非反転入力端子への入力電圧が、しきい値電圧Vthよりも小さくなり、比較器59が抵抗43側から電流を引き込んで反転回路45の入力レベルを強制的にローレベルにするため、マイコン21からの駆動信号Sdがハイレベルであっても、スイッチング素子13は強制的にオフされることとなる。
【0055】
そして、スレーブECU12のマイコン21は、上記のようにマスタECU11への駆動禁止信号をローレベルにすることで、そのECU11がスイッチング素子13によってスタータリレー5のコイルLへ通電するのを強制的に阻止し、その後は、ECU11の代わりに、当該スレーブECU12のスイッチング素子13を用いて、スタータスイッチ7及びニュートラルスイッチ9のオン/オフ状態等に基づきスタータモータ1を制御する。
【0056】
尚、本第1実施形態では、各ECU11,12が複数の制御手段の各々に相当し、また、その各ECU11,12に設けられたスイッチング素子(PチャネルMOSFET)13がスイッチング手段に相当している。
以上のような本第1実施形態のエンジン始動制御装置では、複数の各ECU11,12に、1つのスタータリレー5をオン/オフさせるためのスイッチング素子13が夫々設けられており、その各ECU11,12のうちの何れかが、そのECUに設けられているスイッチング素子13によりスタータリレー5のコイルLへの通電/非通電を制御して、エンジンの始動を択一的に制御するようになっている。
【0057】
このため、ECU11,12の何れかが故障(例えば、そのECUのスイッチング素子13や、そのスイッチング素子13に対する駆動信号Sdを出力する制御部としてのマイコン21が故障)したとしても、他の正常なECUによってスタータモータ1を制御することができ、しかも、そのようなバックアップ機能を、各ECU11,12毎にスタータリレーを設けることなく実現することができる。よって、信頼性が高いエンジンの始動制御を、システムの煩雑化を招くことなく安価に実現することができる。
【0058】
また特に、本第1実施形態のエンジン始動制御装置では、ECU11,12の何れかにおいて、マイコン21にプログラム暴走などの異常が生じてしまい、マイコン21からスイッチング素子13への駆動信号Sdがハイレベルのままになったとしても、その異常が生じたECUへ他の正常なECUから駆動禁止信号を出力することで、スタータリレー5のコイルLに通電されたままになってしまうのを阻止することができる。よって、何れかのECUにおけるマイコン21の異常によりスタータモータ1が動作したままになってしまうことを防止して、スタータモータ1を正常なECUによって確実に制御することができる。
【0059】
次に、第2実施形態のエンジン始動制御装置について、図2を用いて説明する。尚、図2において、図1及び図6に示したものと同じ構成要素及び信号については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
図2に示すように、本第2実施形態のエンジン始動制御装置は、図1に示した第1実施形態のエンジン始動制御装置と比較すると、ECU11,12に代えて、ECU15,16を備えている。
【0060】
そして、各ECU15,16は、図1のECU11,12と比較すると、ハードウェア面において、下記の(2−1)〜(2−3)の点が異なっている。尚、各ECU15,16は、第1実施形態のECU11,12と同様に、V型12気筒エンジンの6気筒毎について、燃料噴射や点火などを制御するものである。そして、図2ではECU15の内部構成しか示していないが、両ECU15,16は、同じハードウェア構成を有している。
【0061】
(2−1):まず、本第2実施形態においては、スタータリレー5のコイルLのニュートラルスイッチ9側とは反対側の端部(以下、コイルLの下流側という)が、接地電位に常時接続されておらず、各ECU15,16に設けられた下流側出力端子STAR−に接続されている。
【0062】
尚、このため、本第2実施形態では、ニュートラルスイッチ9のコイルL側とは反対側の端子に接続される各ECU15,16の出力端子(図1のSTARに相当)を、改めて、上流側出力端子STAR+と呼ぶことにする。
(2−2):また、各ECU15,16には、駆動禁止信号を入出力するための端子STCI,STCOが設けられていない。
【0063】
(2−3):また更に、各ECU15,16には、抵抗51及びNPNトランジスタ53からなる信号出力手段と、抵抗55,57,63、比較器59、コンデンサ61、及びダイオード65からなる駆動禁止手段とが設けられておらず、その代わりに、下流側出力端子STAR−にドレインが接続され、ソースが接地電位に接続されたNチャネルMOSFETからなるスイッチング素子14が設けられている。そして、そのスイッチング素子14は、マイコン21からの下流側駆動信号SdLがハイレベルの時にオンして、下流側出力端子STAR−(即ち、コイルLの下流側)を接地電位に接続する。
【0064】
尚、本第2実施形態では、ニュートラルスイッチ9がオンの時に電源の高電位側であるバッテリ電圧VBとコイルLの一端とを連通又は遮断するスイッチング素子13が、上流側スイッチング手段に相当しており、そのスイッチング素子13を駆動するためにマイコン21から出力される駆動信号(図1のSdに相当)を、改めて、上流側駆動信号SdHと呼ぶことにする。そして、本第2実施形態では、スイッチング素子14が、電源の低電位側である接地電位とコイルLの他端(下流側)とを連通又は遮断する下流側スイッチング手段に相当している。
【0065】
つまり、本第2実施形態では、各ECU15,16に、駆動禁止信号の入出力端子STCI,STCOを設ける代わりに、スタータリレーコイルLの下流側と接地電位との接続を開閉するスイッチング素子14を設けるようにしている。
次に、以上のようなハードウェア構成の本第2実施形態のエンジン始動制御装置の作用について説明する。尚、ここでは、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0066】
まず、イグニッションスイッチのオンに伴い各ECU15,16が動作を開始すると、そのECU15,16のうち、マスタECUでは、マイコン21が、上流側駆動信号SdHと下流側駆動信号SdLとをローレベルにして、スイッチング素子13とスイッチング素子14とを両方共にオフさせる。また、スレーブECUでは、マイコン21が、上流側駆動信号SdHをローレベルにしてスイッチング素子13をオフさせると共に、下流側駆動信号SdLをハイレベルにしてスイッチング素子14をオンさせる。つまり、各ECU15,16が動作を開始した直後では、スレーブECUのスイッチング素子14だけがオンされている。
【0067】
そして、ECU15,16のうち、マスタECUのマイコン21は、スタータモータ1を動作させるべき始動条件が成立したと判断すると、エンジンがかかるとみなされる所定時間Tsの間、上流側駆動信号SdHをハイレベルにしてスイッチング素子13をオンさせる。
【0068】
このため、例えばECU15がマスタECUであり、ECU16がスレーブECUであるものとすると、始動条件が成立したならば、「ECU15内のバッテリ電圧VBライン→ECU15のスイッチング素子13→ECU15の上流側出力端子STAR+→ニュートラルスイッチ9→コイルL→ECU16の下流側出力端子STAR−→ECU16のスイッチング素子14→ECU16内の接地電位ライン」の経路で電流が流れて、スタータリレー5がオンされることとなる。
【0069】
ここで、スレーブECUのマイコン21は、バッファ33からの二値信号b2が上記所定時間Tsよりも長い判定時間Th(>Ts)以上ハイレベルであること(即ち、スタータリレー5のコイルLへの通電が判定時間Th以上続いていること)を検知すると、マスタECUのスイッチング素子13がショート故障(オン状態のままで故障)していると判断して、それまでオンさせていた当該スレーブECUのスイッチング素子14をオフさせる。これにより、スタータモータ1が動作したままになることが防止される。
【0070】
そして、以後は、そのスレーブECUのマイコン21が、当該ECUのスイッチング素子14をオン/オフさせることで、スタータモータ1を制御する。つまり、この場合には、マスタECUの上流側のスイッチング素子13がショート故障しているため、スレーブECUの下流側のスイッチング素子14をオン/オフさせることで、エンジンの始動を制御するのである。尚、この場合、スレーブECUのマイコン21は、バッファ31からの二値信号b1に基づきスタータスイッチのオンを検知すると、エンジンがかかるとみなされる所定時間Tsの間、下流側のスイッチング素子14をオンさせる、といった動作により、エンジンを始動させる。また、この場合、マスタECUのスイッチング素子13がショート故障しているため、スレーブECUのマイコン21は、下流側のスイッチング素子14をオンさせる前に、バッファ33からの二値信号b2がハイレベルであることを確認することで、ニュートラルスイッチ9がオンであることの事前確認を実施できるが、仮にそのような事前確認を実施しなくても、元々、スタータリレー5のコイルLにはニュートラルスイッチ9がオンされていない限り電流が流れないため問題はない。
【0071】
また、スレーブECUのマイコン21は、始動条件が成立しているにも拘わらず、バッファ33からの二値信号b2がローレベルであること(即ち、スタータリレー5のコイルLへの通電が行われないこと)を検知した場合には、マスタECUのスイッチング素子13がオンされない異常(マスタECUにおけるスイッチング素子13自身のオープン故障やマイコン21の異常)が生じていると判断し、以後は、当該スレーブECUのスイッチング素子13をオン/オフさせることで、スタータモータ1を制御する。
【0072】
一方、スレーブECUにおいて、スイッチング素子14がオンされない異常(スイッチング素子14自身のオープン故障やマイコン21の異常)が生じた場合には、マスタECUのマイコン21が、当該マスタECUのスイッチング素子14をオンさせた上で、スタータモータ1を制御する。
【0073】
以上のような本第2実施形態のエンジン始動制御装置によっても、ECU15,16の何れかに故障が生じた場合に、他の正常なECUによってスタータモータ1を制御することができ、しかも、そのようなバックアップ機能を、各ECU15,16毎にスタータリレーを設けることなく実現することができる。よって、信頼性が高いエンジンの始動制御を、システムの煩雑化を招くことなく安価に実現することができる。
【0074】
また特に、本第2実施形態のエンジン始動制御装置では、ECU15,16の何れかにおいて、上流側のスイッチング素子13がショート故障しても、他の正常な方のECUにおける下流側のスイッチング素子14をオフさせることで、スタータリレー5のコイルLへ通電されたままになるのを阻止することができ、以後は、その正常なECUのスイッチング素子14をオン/オフさせることで、スタータモータ1を引き続き制御することができる。よって、スイッチング素子のショート故障に対するフェイルセーフ性を向上させることができる。
【0075】
次に、第3実施形態のエンジン始動制御装置について説明する。
まず図3は、第3実施形態のエンジン始動制御装置を表す構成図である。尚、図3において、図1、図2及び図6に示したものと同じ構成要素及び信号については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0076】
図3に示すように、本第3実施形態のエンジン始動制御装置は、図2に示した第2実施形態のエンジン始動制御装置と比較すると、ECU15,16に代えて、ECU17,18を備えている。
そして、各ECU17,18は、図2のECU17,18と比較すると、ハードウェア面において、下記の(3−1)及び(3−2)の点が異なっている。尚、各ECU17,18も、第1及び第2実施形態のECUと同様に、V型12気筒エンジンの6気筒毎について、燃料噴射や点火などを制御するものである。そして、図3ではECU17の内部構成しか示していないが、両ECU17,18は、同じハードウェア構成を有している。
【0077】
(3−1):まず、各ECU17,18には、上流側のスイッチング素子(以下、上流側スイッチング素子ともいう)13のドレイン(電流出力端子に相当)からダイオード39のアノードへ至る配線70と接地電位との間に接続されたプルダウン用抵抗71と、配線70の電圧を所定の判定電圧Vj(0<Vj<VB)よりも大きいか否かでハイレベル(=5V)とローレベル(=0V)との何れかを示す二値の上流側モニタ信号SmHに変換し、その信号SmHをマイコン21に入力させる入力バッファ73とが追加されている。
【0078】
(3−2):そして更に、各ECU17,18には、下流側のスイッチング素子(以下、下流側スイッチング素子ともいう)14のドレイン(電流引込端子に相当)と下流側出力端子STAR−との間に、下流側出力端子STAR−から下流側スイッチング手段14への電流方向を順方向として接続されたダイオード75と、そのダイオード75のカソードから下流側スイッチング手段14のドレインへ至る配線74とバッテリ電圧VBとの間に接続されたプルアップ用抵抗77と、配線74の電圧を判定電圧Vj(0<Vj<VB)よりも大きいか否かでハイレベルとローレベルとの何れかを示す二値の下流側モニタ信号SmLに変換し、その信号SmLをマイコン21に入力させる入力バッファ79とが追加されている。
【0079】
そして、上記(3−1)及び(3−2)の構成により、各ECU17,18のスイッチング素子13,14についての故障判定を、他のECUのスイッチング素子13,14のオン/オフ状態に関わらず正確に実施することができる。
つまり、例えばECU17では、仮にECU18の上流側スイッチング素子13がオンされていても、そのオンされた上流側スイッチング素子13から当該ECU17のプルダウン用抵抗71へ電流が流れ込んでしまうことが、ダイオード39によって防止される。このため、例えばECU17では、ECU18の上流側スイッチング素子13のオン/オフ状態に関わらず、上流側スイッチング素子13がオフであれば、配線70の電圧がプルダウン用抵抗71によって0Vとなり、また、上流側スイッチング素子13がオンであれば、配線70の電圧がほぼバッテリ電圧VBとなる。
【0080】
よって、各ECU17,18のマイコン21は、「上流側スイッチング素子13を駆動したにも関わらず入力バッファ73からの上流側モニタ信号SmHがローレベルであれば、その上流側スイッチング素子13がオープン故障していると判定し、逆に、上流側スイッチング素子13を駆動していないにも関わらず入力バッファ73からの上流側モニタ信号SmHがハイレベルであれば、その上流側スイッチング素子13がショート故障していると判定する」といった故障判定を、他のECUの上流側スイッチング素子13のオン/オフ状態に影響されずに実施することができる。
【0081】
また、例えばECU17では、仮にECU18の下流側スイッチング素子14がオンされていても、そのオンされた下流側スイッチング素子14へ当該ECU17のプルアップ用抵抗77から電流が流れ出てしまうことが、ダイオード75によって防止される。このため、例えばECU17では、ECU18の下流側スイッチング素子14のオン/オフ状態に関わらず、下流側スイッチング素子14がオフであれば、配線74の電圧がプルアップ用抵抗77によってバッテリ電圧VBとなり、また、下流側スイッチング素子14がオンであれば、配線74の電圧がほぼ0Vとなる。
【0082】
よって、各ECU17,18のマイコン21は、「下流側スイッチング素子14を駆動したにも関わらず入力バッファ79からの下流側モニタ信号SmLがハイレベルであれば、その下流側スイッチング素子14がオープン故障していると判定し、逆に、下流側スイッチング素子14を駆動していないにも関わらず入力バッファ79からの下流側モニタ信号SmLがローレベルであれば、その下流側スイッチング手段14がショート故障していると判定する」といった故障判定を、他のECUの下流側スイッチング素子14のオン/オフ状態に影響されずに実施することができる。
【0083】
尚、本第3実施形態では、ダイオード39が上流側ダイオードに相当し、ダイオード75が下流側ダイオードに相当している。
次に、以上のようなハードウェア構成の本第3実施形態のエンジン始動制御装置の動作について説明する。
【0084】
まず、本第3実施形態のエンジン始動制御装置においても、各ECU17,18は、第1及び第2実施形態と同様に、マスタECUとスレーブECUとに切り替わるようになっている。
また、本第3実施形態において、各ECU17,18は、イグニッションスイッチがオフされても、全ての処理を終えるまでは、車両に設けられた給電用リレーを介して動作電源としてのバッテリ電圧VBが供給され続けるようになっている。つまり、各ECU17,18は、イグニッションスイッチがオフされたことをイグニッションスイッチ信号(図示省略)に基づき検知すると、必要な処理を終えてから、自己に対応する給電用リレーをオフさせて、動作を停止するようになっている。
【0085】
次に、本第3実施形態においては、イグニッションスイッチのオンに伴いECU17,18が動作を開始すると、その両ECU17,18では、マイコン21が、初期化処理として、上流側駆動信号SdHと下流側駆動信号SdLとをローレベルにし、スイッチング素子13,14を両方共にオフさせる。
【0086】
そして、ECU17,18のうち、マスタECUでは、マイコン21が、入力バッファ31からの二値信号b1に基づきスタータスイッチ7がオンされたことを検知すると、少なくともエンジンがかかるとみなされる所定時間Tsの間、下流側駆動信号SdLをハイレベルにして下流側スイッチング素子14をオンさせる。そして更に、マスタECUのマイコン21は、下流側スイッチング素子14をオンさせた直後に入力バッファ35からの二値信号b3がローレベルであれば、ニュートラルスイッチ9がオンであることから、スタータモータ1を動作させるべき始動条件が成立していると判断して、上記所定時間Tsの間、上流側駆動信号SdHをハイレベルにして上流側スイッチング素子13をオンさせ、これにより、スタータリレー5をオンさせて、スタータモータ1によりエンジンを始動させる。
【0087】
このため、例えばECU17がマスタECUであるものとすると、始動条件が成立したならば、「ECU17内のバッテリ電圧VBライン→ECU17のスイッチング素子13→ECU17のダイオード39→ECU17の上流側出力端子STAR+→ニュートラルスイッチ9→コイルL→ECU17の下流側出力端子STAR−→ECU17のダイオード75→ECU17のスイッチング素子14→ECU17内の接地電位ライン」の経路で電流が流れて、スタータリレー5がオンされることとなる。
【0088】
一方、スレーブECUのマイコン21は、マスタECUとの通信により、そのマスタECUのマイコン21に異常が生じたことを検知すると、次回の動作開始時から、上記マスタECUのマイコン21と同じ動作により自分のECUのスイッチング素子17,18を駆動してエンジンの始動を制御する。
【0089】
次に、本第3実施形態に特有のフェイルセーフ機能について、図4及び図5を用い説明する。
まず、ECU17,18のうちで、次回の動作時にマスタECUとなる予定のECU(以下、マスタ予定ECUという)のマイコン21は、イグニッションスイッチがオフされたことを検知すると、図4(A)に示す検査処理を実行し、その後、自分のECU(以下、自ECUという)に対応する給電用リレーをオフさせて動作を停止する。
【0090】
ここで、マスタ予定ECUのマイコン21が、図4(A)の検査処理を開始すると、まずS110にて、上流側スイッチング素子13が正常にオンするか否かをチェックする。具体的には、図5(A),(B)の2段目及び4段目に示すように、上流側駆動信号SdHを一定時間だけハイレベルにして上流側スイッチング素子13を駆動し、その際に、入力バッファ73からの上流側モニタ信号SmHがハイレベルであれば正常と判定するが、上流側モニタ信号SmHがローレベルであれば、上流側スイッチング素子13がオープン故障していると判定する。
【0091】
そして、続くS120にて、今度は、下流側スイッチング素子14が正常にオンするか否かをチェックする。具体的には、図5(A),(B)の5段目及び7段目に示すように、下流側駆動信号SdLを一定時間だけハイレベルにして下流側スイッチング素子14を駆動し、その際に、入力バッファ79からの下流側モニタ信号SmLがローレベルであれば正常と判定するが、下流側モニタ信号SmLがハイレベルであれば、下流側スイッチング素子14がオープン故障していると判定する。
【0092】
尚、図5(A)は、下流側スイッチング素子14が正常で、上流側スイッチング素子13がオープン故障している場合を表しており、図5(B)は、上流側スイッチング素子13が正常で、下流側スイッチング素子14がオープン故障している場合を表している。
【0093】
次に、S130にて、上記S110又はS120の動作チェックによりオープン故障が検出されたか否かを判定し、オープン故障があったならば、故障の内容(即ち、当該ECUにおいて、上流側スイッチング素子13と下流側スイッチング素子14との何れがオープン故障しているか)を示すオープン故障通知を、次回の動作時にスレーブECUとなる予定のECU(以下、スレーブ予定ECUという)へ通信線69を介して送信し、その後、当該処理を終了する。すると、そのオープン故障通知は、スレーブ予定ECUのマイコン21に受信されることとなる。また、上記S130にて、オープン故障が検出されなかったと判定した場合には、そのまま当該処理を終了する。
【0094】
尚、本第3実施形態では、この図4(A)の検査処理が、事前検査手段としての処理に相当している。
一方、スレーブ予定ECUのマイコン21は、イグニッションスイッチのオンに伴い動作を開始すると(尚、この時点で、スレーブ予定ECUはスレーブECUであり、マスタ予定ECUはマスタECUである)、図4(B)に示すように、前回の動作中に他のECU(即ち、現在のマスタECU)からのオープン故障通知を受信しているか否かを判定する(S210)。
【0095】
そして、オープン故障通知を受信していなければ(S210:NO)、そのまま次の処理(エンジン制御用の各種処理)を実行するが、オープン故障通知を受信していたならば(S210:YES)、そのオープン故障通知が示すスイッチング素子(即ち、オープン故障しているスイッチング素子)と同じ側の当該ECUにおけるスイッチング素子(つまり、マスタECUから故障を通知されたスイッチング素子が上流側スイッチング素子13であれば、自ECUの上流側スイッチング素子13であり、故障を通知されたスイッチング素子が下流側スイッチング素子14であれば、自ECUの下流側スイッチング素子14である)を、マスタECUに代わってスタータスイッチのオン時に制御するバックアップ処理を行う(S220)。
【0096】
ここで、このバックアップ処理は、下記(a)及び(b)の手順で行われる。(a)まず、マスタECUからオープン故障を通知されたスイッチング素子が上流側スイッチング素子13であった場合、スレーブECUのマイコン21は、マスタECUのマイコン21が本来実施するのと同じ手順で、自ECU(スレーブECU)の上流側スイッチング素子13を制御する。
【0097】
即ち、スレーブECUのマイコン21は、スタータスイッチのオンを検知した直後に、入力バッファ35からの二値信号b3がローレベルであれば、ニュートラルスイッチ9がオンであることから、始動条件が成立していると判断して、所定時間Tsの間、上流側駆動信号SdHをハイレベルにして上流側スイッチング素子13をオンさせ、これにより、スタータリレー5をオンさせて、スタータモータ1によりエンジンを始動させる。尚、この場合、マスタECU側のマイコン21は、スタータスイッチのオンを検知すると、正常時と同様に、下流側スイッチング素子14を所定時間Tsの間オンさせる。
【0098】
よって、この場合には、図5(A)に示すように、スタータスイッチがオンされると(スタータスイッチ信号Sg1がハイになると)、スレーブECUの上流側スイッチング素子13とマスタECUの下流側スイッチング素子14とがオンされることにより、スタータリレー5のコイルLに通電されてエンジンが始動されることとなる。
【0099】
(b)次に、マスタECUからオープン故障を通知されたスイッチング素子が下流側スイッチング素子14であった場合、スレーブECUのマイコン21は、マスタECUのマイコン21が本来実施するのと同じ手順で、自ECU(スレーブECU)の下流側スイッチング素子14を制御する。
【0100】
即ち、スレーブECUのマイコン21は、スタータスイッチのオンを検知すると、下流側スイッチング素子14を定時間Tsの間オンさせる。尚、この場合、マスタECUのマイコン21は、スタータスイッチのオンを検知すると、正常時と同様に、入力バッファ35からの二値信号b3がローレベルであれば、始動条件が成立していると判断して、当該マスタECUの上流側スイッチング素子13を所定時間Tsの間オンさせる。
【0101】
よって、この場合には、図5(B)に示すように、スタータスイッチがオンされると、マスタECUの上流側スイッチング素子13とスレーブECUの下流側スイッチング素子14とがオンされることにより、スタータリレー5のコイルLに通電されてエンジンが始動されることとなる。
【0102】
以上のような本第3実施形態のエンジン始動制御装置によれば、各ECU17,18における何れかのスイッチング素子がオープン故障していても、実際にスタータリレー5を制御するときには、タイムラグを発生させることなく、直ちに正常なスイッチング素子によってスタータリレー5を制御することができる。よって、始動性が悪化することがない。
【0103】
尚、図4(A)の検査処理は、マスタECUのマイコンが、イグニッションスイッチのオンに伴い動作を開始した直後に実行するようにしても良い。但し、この場合、その検査処理を、イグニッションスイッチがオンされてからスタータスイッチ7がオンされると見なされる最短時間以内に実行しなければ、スタータリレー5の制御に遅れが生じる可能性がある。よって、図4(A)の検査処理は、ECUの動作終了直前や動作中に実行するようにした方が、時間的に余裕が出来るという点で有利であり、特に、上記第3実施形態の如くECUの動作終了直前に実行すれば、より最新の状態を検査できるという点で一層有利である。
【0104】
また、上記第3実施形態において、スイッチング素子13に内蔵された検出部13aが、そのスイッチング素子13のドレイン電圧(=配線70の電圧)を入力バッファ73と同様の手法で二値の信号に変換して出力すると共に、そのスイッチング素子13に流れる電流が過電流と判定されるべき所定値に達すると、該スイッチング素子13を断続的にオン/オフさせる過電流保護機能を有した回路であったならば、入力バッファ73を削除して、そのスイッチング素子13の検出部13aからの信号Skを、上流側モニタ信号SmHとして用いることができる。つまり、この場合、スイッチング素子13の検出部13aからの信号Skは、スイッチング素子13に過電流が流れた場合には、上記断続的なオン/オフによって所定周波数のパルス信号となるが、正常時には、前述した入力バッファ73からの上流側モニタ信号SmHと同様に、スイッチング素子13がオンであればハイレベルとなり、スイッチング素子13がオフであればローレベルとなるからである。
【0105】
一方、上記各実施形では、制御手段としてのECUが2つであったが、ECUの数は3つ以上であっても良い。
例えば、図1の第1実施形態において、ECUが3以上であるN個存在するならば、以下のように構成すれば良い。
【0106】
まず、各ECUに、他の各ECUからの駆動禁止信号を夫々入力するための「N−1」個の入力端子STCIと、他の各ECUへ駆動禁止信号を夫々出力するための「N−1」個の出力端子STCOとを設ける。そして、その各端子を相互に接続する。
【0107】
また、各ECUは、上記「N−1」個の入力端子STCIの何れかに他のECUからの駆動禁止信号が入力されると、スイッチング素子13が強制的にオフされるように構成する。
そして更に、この場合、N個のECUのうちの何れか2つが、第1実施形態で述べたマスタECUとスレーブECUとの各々になると共に、例えばイグニッションスイッチのオンに伴い各ECUが動作を開始した時毎に、そのマスタECUとスレーブECUとが他のECUに切り替わるように構成すれば良い。
【0108】
また、図2の第2実施形態において、ECU15,16と同様のECUが3以上であるN個存在するか、或いは、図3の第3実施形態において、ECU17,18と同様のECUが3以上であるN個存在するならば、以下のように構成すれば良い。
【0109】
まず、この場合も、各ECUの上流側出力端子STAR+を互いに接続すると共に、各ECUの下流側出力端子STAR−を互いに接続することとなる。
そして、N個のECUのうちの何れか2つが、第2実施形態或いは第3実施形態で述べたマスタECUとスレーブECUとの各々になると共に、それ以外のECUは、自分のスイッチング素子13,14をオフしたままにし、更に、例えばイグニッションスイッチのオンに伴い各ECUが動作を開始した時毎に、マスタECUとスレーブECUとが他のECUに切り替わるように構成すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエンジン始動制御装置を表す構成図である。
【図2】第2実施形態のエンジン始動制御装置を表す構成図である。
【図3】第3実施形態のエンジン始動制御装置を表す構成図である。
【図4】第3実施形態のエンジン始動制御装置で実行される処理の内容を表すフローチャートである。
【図5】第3実施形態のエンジン始動制御装置の作用を表すタイムチャートである。
【図6】従来のエンジン始動制御装置を表す構成図である。
【符号の説明】
1…スタータモータ、3…バッテリ、5…スタータリレー、L…コイル、7…スタータスイッチ、9…ニュートラルスイッチ、11,12,15〜18…電子制御装置(ECU)、13…スイッチング素子(PチャネルMOSFET)、14…スイッチング素子(NチャネルMOSFET)、21…マイコン、23,25,29,43,51,55,57,63,71,77…抵抗、27,39,41,65,75…ダイオード、31,33,35,73,79…入力バッファ、37…監視マイコン、45…反転回路、53…NPNトランジスタ、59…比較器、61…コンデンサ、67…通信回路、69…通信線、70,74…配線

Claims (6)

  1. エンジンの始動を制御可能な複数の制御手段と、
    前記エンジンを始動させるためのスタータモータにオンすることで電力を供給する1つのスタータリレーとを備え、
    前記各制御手段には、前記スタータリレーのコイルへの通電/非通電を切り替えて該スタータリレーをオン/オフさせるためのスイッチング手段が夫々設けられており、
    更に、前記各制御手段のうちの何れかが、その制御手段に設けられている前記スイッチング手段により前記コイルへの通電/非通電を制御して、前記エンジンの始動を択一的に制御すること、
    を特徴とするエンジン始動制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン始動制御装置において、
    前記各制御手段は、他の制御手段が前記コイルへの通電を行うのを強制的に阻止可能に構成されていること、
    を特徴とするエンジン始動制御装置。
  3. 請求項2に記載のエンジン始動制御装置において、
    前記各制御手段は、他の制御手段からの駆動禁止信号が入力されると、当該制御手段の前記スイッチング手段を強制的に前記コイルへ通電しない方のオフ状態にさせる駆動禁止手段と、他の制御手段へ前記駆動禁止信号を出力するための信号出力手段とを備えていること、
    を特徴とするエンジン始動制御装置。
  4. 請求項1に記載のエンジン始動制御装置において、
    前記各制御手段は、
    前記スイッチング手段として、電源の高電位側と前記コイルの一端とを連通又は遮断する上流側スイッチング手段と、前記電源の低電位側と前記コイルの他端とを連通又は遮断する下流側スイッチング手段との、2つのスイッチング手段を夫々備えていること、
    を特徴とするエンジン始動制御装置。
  5. 請求項4に記載のエンジン始動制御装置において、
    前記各制御手段には、
    前記コイルの一端に接続される上流側出力端子と、
    前記コイルの他端に接続される下流側出力端子と、
    前記上流側スイッチング手段のオン時に導通する該上流側スイッチング手段の2つの端子のうちで、前記電源の高電位側に接続された方とは反対側の端子(以下、電流出力端子という)と前記上流側出力端子との間に、前記上流側スイッチング手段から前記上流側出力端子への電流方向を順方向として接続された上流側ダイオードと、
    前記上流側スイッチング手段の電流出力端子から前記上流側ダイオードのアノードへ至る配線と前記電源の低電位側との間に接続されたプルダウン用抵抗と、前記下流側スイッチング手段のオン時に導通する該下流側スイッチング手段の2つの端子のうちで、前記電源の低電位側に接続された方とは反対側の端子(以下、電流引込端子という)と前記下流側出力端子との間に、前記下流側出力端子から前記下流側スイッチング手段への電流方向を順方向として接続された下流側ダイオードと、
    前記下流側ダイオードのカソードから前記下流側スイッチング手段の電流引込端子へ至る配線と前記電源の高電位側との間に接続されたプルアップ用抵抗と、
    が夫々設けられていること、
    を特徴とするエンジン始動制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジン始動制御装置において、
    前記各制御手段のスイッチング手段のうち、次回のエンジン始動制御時に使用される予定の上流側スイッチング手段と下流側スイッチング手段とを、そのエンジン始動制御時が到来する前にそれぞれ別々に駆動して、その駆動した上流側スイッチング手段の電流出力端子に接続された前記配線の電圧に基づき該上流側スイッチング手段が正常にオンするか否かを判定すると共に、その駆動した下流側スイッチング手段の電流引込端子に接続された前記配線の電圧に基づき該下流側スイッチング手段が正常にオンするか否かを判定する事前検査手段を備え、
    該事前検査手段により正常にオンしないと判定されたスイッチング手段(以下、故障スイッチング手段という)があった場合には、その故障スイッチング手段の代わりに、該故障スイッチング手段が設けられている制御手段とは別の制御手段に設けられている上流側スイッチング手段及び下流側スイッチング手段のうち、前記コイルに対して前記故障スイッチング手段と同じ側に設けられているスイッチング手段を使用して、前記エンジンの始動を制御するように構成されていること、
    を特徴とするエンジン始動制御装置。
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