JP5811917B2 - スタータ制御装置 - Google Patents

スタータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5811917B2
JP5811917B2 JP2012069589A JP2012069589A JP5811917B2 JP 5811917 B2 JP5811917 B2 JP 5811917B2 JP 2012069589 A JP2012069589 A JP 2012069589A JP 2012069589 A JP2012069589 A JP 2012069589A JP 5811917 B2 JP5811917 B2 JP 5811917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starter
engine
voltage
energization path
monitor signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012069589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199908A (ja
Inventor
啓介 土田
啓介 土田
良太 中村
良太 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012069589A priority Critical patent/JP5811917B2/ja
Publication of JP2013199908A publication Critical patent/JP2013199908A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5811917B2 publication Critical patent/JP5811917B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

本発明は、車両のエンジン(内燃機関)を始動のためにクランキングするスタータの制御装置に関する。
近年、車両(自動車)においては、所定の自動停止条件が成立するとエンジンを自動的に停止させ、その後、所定の自動始動条件が成立するとエンジンを自動的に始動(いわば再始動)させるエンジン自動停止始動システム(一般にはアイドルストップ(またはアイドリングストップ)システムと呼ばれる)を備えたものが実用化されている。
そして、アイドルストップシステムを備えた車両(以下、アイドルストップシステム搭載車両という)においては、バッテリからスタータを動作させるための電気負荷への通電経路を、並列的に2組設けることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
一方の通電経路は、アイドルストップシステム用ではなく、車両の運転者がエンジンを始動させるために行う始動用操作に応じて、エンジンを始動させるユーザ始動時に、前記電気負荷へ通電してスタータを動作させるユーザ始動用の通電経路である。
そして、他方の通電経路が、アイドルストップシステム用であり、自動停止させたエンジンを自動的に始動させる自動始動時に、前記電気負荷へ通電してスタータを動作させる自動始動用の通電経路である。
尚、ユーザ始動用の通電経路を自動始動用の通電経路と別にして設けるのは、一般に、ユーザ始動用の通電経路を連通させるためのスイッチ手段を、マイコンによらずにオンさせるように構成することで、マイコンがリセットされてしまう程にバッテリ電圧が低下してしまい易いユーザ始動時において、エンジンを確実に始動させることができるようにするためである。
特開2010−90874号公報
ところで、アイドルストップシステム搭載車両においては、ユーザ始動用の通電経路が正常に機能しなくなってしまうと、運転者が始動用操作を行っても、スタータを動作させることができないため、エンジンを始動させることができず、延いては、車両を動かすことができなくなってしまう。
そこで、本発明は、運転者が始動用操作を行った場合にユーザ始動用の通電経路が正常に機能しなくてもエンジンを始動させることができるようにすることを、二次的故障を招くことなく実現することを目的としている。
本発明のスタータ制御装置が用いられる車両には、スタータと、第1スイッチ手段と、第2スイッチ手段と、自動停止手段とが備えられている。
スタータは、電気負荷に通電されることで動作して、車両のエンジンを始動させるために該エンジンをクランキングする。
そして、第1スイッチ手段は、車両の運転者がエンジンを始動させるための始動用操作を行った場合に、車両のバッテリから前記電気負荷に通電するための第1通電経路を連通することにより、前記電気負荷に通電してスタータを動作させる。
尚、始動用操作とは、運転者がエンジンを始動させるために行う手動の操作であり、例えば、イグニッションキーシリンダに挿入した車両のキーを捻ってスタート位置にする操作や、エンジン始動用のプッシュスイッチ(ボタン部が押されるとオンするスイッチ)をオンする操作などである。
また、第2スイッチ手段は、駆動信号が与えられると、車両のバッテリから前記電気負荷に通電するための通電経路であって、第1通電経路とは別の第2通電経路を連通することにより、前記電気負荷に通電してスタータを動作させる。
一方、自動停止手段は、エンジンの運転中に所定の自動停止条件が成立すると、エンジンを停止させる。
そして、本発明のスタータ制御装置は、自動停止手段によりエンジンが停止された後、エンジンを自動的に始動させるための自動始動条件が成立すると、第2スイッチ手段に駆動信号を与えることにより、スタータを動作させてエンジンを始動させるが、更に、第1判定手段と、第2判定手段と、補助駆動手段とを備えている。
第1判定手段は、車両の運転者が始動用操作を行ったことを検知すると、スタータが動作したか否かを判定する。
そして、その第1判定手段によりスタータが動作しないと判定されると、第2判定手段が、バッテリから前記電気負荷に通電するための通電経路のうち、第2スイッチ手段よりも前記電気負荷側の通電経路がグランド電位にショートしているか否かを判定する。
そして更に、その第2判定手段により前記通電経路がグランド電位にショートしていないと判定された場合に、補助駆動手段が、第2スイッチ手段に駆動信号を与えることにより、スタータを動作させてエンジンを始動させる。
このようなスタータ制御装置によれば、運転者が始動用操作を行った場合に、ユーザ始動用の通電経路である第1通電経路が正常に機能しなくても(つまり、第1通電経路が連通せずにスタータが動作しなくても)、第2スイッチ手段に自動始動用の通電経路である第2通電経路を連通させて、スタータを動作させることができる。よって、エンジンを始動させることができる。
また、補助駆動手段は、第2判定手段により、第2スイッチ手段よりも電気負荷側の通電経路(以下、スイッチ下流側経路という)がグランド電位にショート(以下、地絡ともいう)していると判定された場合には、第2スイッチ手段に駆動信号を与えない(つまり、第2スイッチ手段に第2通電経路を連通させない)。
このため、「スイッチ下流側経路が地絡している状態で第2スイッチ手段により第2通電経路が連通されて、バッテリから地絡地点までの通電経路に過大な電流が流れてしまい、その通電経路や第2スイッチ手段にダメージを与えてしまう」という不具合を、未然に防ぐことができる。
つまり、対比例として、第2判定手段を設けずに、第1判定手段によりスタータが動作しないと判定されると即座に補助駆動手段が第2スイッチ手段に駆動信号を与える、というように構成したとする。しかし、そのような構成では、スイッチ下流側経路に地絡が生じていた場合に、バッテリから地絡地点までの通電経路における何れかの箇所(第2スイッチ手段を含む)が過大電流で溶断してしまったり、通電経路を成す配線の被覆が過大電流による発熱で溶けてしまったり、といった二次的故障を引き起こしてしまう可能性がある。これに対して、本発明のスタータ制御装置によれば、そのような過大電流による二次的故障を招くことがない。
実施形態のスタータECUと、それの周辺機器とを表す構成図である。 アイドルストップECUが行う自動停止制御処理を表すフローチャートである。 アイドルストップECUが行う自動始動制御処理を表すフローチャートである。 配線L1〜L4の状態とモニタ信号MH,MLとの関係を表す説明図である。 スタータECUのマイコンが行う自動始動処理を表すフローチャートである。 スタータECUのマイコンが行う異常検出処理を表すフローチャートである。 異常検出処理の中で実行される異常時処理を表すフローチャートである。
以下に、本発明が適用された実施形態のスタータ制御装置としての電子制御装置(以下、スタータECUという)について説明する。
図1に示す本実施形態のスタータECU11は、エンジン13の自動停止及び自動再始動が実施されるアイドルストップシステム搭載車両において、エンジン13を始動させるためのスタータ15を制御する装置である。尚、ここでは、車両の変速機は自動変速機であるものとして説明する。
スタータ15は、エンジン13をクランキングさせる動力源となるモータ(スタータモータ)17と、モータ17により回転駆動されるピニオンギヤ19と、電源としてのバッテリ20からモータ17への通電経路に設けられたスイッチ21と、ピニオンギヤ19をエンジン13のリングギヤ14に噛み合う噛合位置に突出させると共に、スイッチ21をオンさせるためのソレノイド23とを備えている。尚、ソレノイドのコイルのことを、ソレノイドと称している。
ソレノイド23の一端はグランドラインに接続されている。そして、スタータ15においては、ソレノイド23の他端(上流側)に、バッテリ20のプラス端子の電圧であるバッテリ電圧VB(本実施形態では約12V)が印加されて該ソレノイド23に通電されると、そのソレノイド23の電磁力により、ピニオンギヤ19が当該スタータ15の外方向に突出してリングギヤ14との噛合位置に到達すると共に、スイッチ21がオンして(詳しくは、スイッチ21の一対の接点21a,21bが短絡して)、バッテリ20からモータ17への通電経路が連通する。すると、ピニオンギヤ19がリングギヤ14に噛み合った状態でモータ17が通電されることとなり、そのモータ17の回転力がピニオンギヤ19を介してリングギヤ14に伝わって、エンジン13がクランキングされる。
このように、スタータ15は、電気負荷としてのソレノイド23に通電されることで動作する(即ち、エンジン13をクランキングする)。一方、ソレノイド23に通電されなければ、スタータ15に備えられたバネなどの付勢部材(図示省略)の力により、ピニオンギヤ19はリングギヤ14と噛み合わない初期位置(図1に示す位置)に戻ると共に、スイッチ21もオフする。
また、車両において、スタータECU11の外部には、オンすることでソレノイド23の上流側にバッテリ電圧VBを印加して該ソレノイド23に電流を流すスイッチ手段として、2つのリレー25,27が、並列に設けられている。
具体的に説明すると、リレー25は、コイル25aと一対の接点25b,25cを備えている。そして、バッテリ20のプラス端子に一端が接続されたヒューズ29の他端に、コイル25aの一端と、一方の接点25bとが接続されており、他方の接点25cは、ソレノイド23の上流側に接続されている。更に、コイル25aのヒューズ29側とは反対側である下流側は、スタータECU11の端子31に接続されている。
このため、コイル25aの下流側がスタータECU11により接地されて該コイル25aに電流が流れると、一対の接点25b,25cが短絡して(即ち、リレー25がオンして)、バッテリ20からヒューズ29を介してソレノイド23に通電するための通電経路が連通する。
すると、ソレノイド23に通電されてスタータ15が動作する。そして、スタータ15が動作してエンジン13がクランキングされると、エンジン13を制御する他の電子制御装置(以下、エンジンECUという)が、エンジン13のクランク軸の回転を検出して、エンジン13に対する燃料噴射と点火とを行うこととなり、その結果、エンジン13が完爆状態(即ち、始動が完了した運転状態であり、いわゆるエンジン13がかかった状態)になる。尚、エンジン13がディーゼルエンジンであれば、点火は行われず、燃料噴射だけが行われる。また、エンジン13の制御もスタータECU11が行うようになっていても良い。
また、リレー25と同様に、リレー27も、コイル27aと一対の接点27b,27cを備えている。そして、バッテリ20のプラス端子に一端が接続されたヒューズ33の他端に、コイル27aの一端と、一方の接点27bとが接続されており、他方の接点27cは、ソレノイド23の上流側に接続されている。更に、コイル27aのヒューズ33側とは反対側である下流側は、スタータECU11の端子35に接続されている。このため、コイル27aの下流側がスタータECU11により接地されて該コイル27aに電流が流れると、一対の接点27b,27cが短絡して(即ち、リレー27がオンして)、バッテリ20からヒューズ33を介してソレノイド23に通電するための通電経路が連通する。
また更に、リレー27からソレノイド23へ至るまでの通電経路には、モニタ信号線37の一端が接続されており、そのモニタ信号線37の他端は、スタータECU11の端子39に接続されている。
ここで、本実施形態では、ソレノイド23の上流側に一端が接続された通電経路用の配線が、分岐点P1でリレー25側とリレー27側とに分岐しており、モニタ信号線37の一端は、その分岐点P1よりもリレー27側の配線上に接続されている。
そして、リレー27と分岐点P1とを結ぶ配線と、モニタ信号線37の一端との、接続点を「P2」とすると、本実施形態では、ヒューズ33と、ヒューズ33の下流側からリレー27の接点27bまでの配線43と、リレー27の接点27cから接続点P2までの配線L3と、接続点P2から分岐点P1までの配線L4とが、リレー27によって連通される単独の通電経路である。
また、ヒューズ29と、ヒューズ29の下流側からリレー25の接点25bまでの配線41と、リレー25の接点25cから分岐点P1までの配線L2とが、リレー25によって連通される単独の通電経路である。
そして、分岐点P1からソレノイド23までの配線L1は、2つのリレー25,27に共通の通電経路である。
尚、モニタ信号線37の一端は、例えば、分岐点P1や、配線L1における何れかの地点に接続されていても良い。
一方、スタータECU11には、車両の運転者がエンジン13を始動させるための始動用操作を行うとアクティブレベル(本実施形態ではハイ)になるユーザ始動信号が、他の信号出力用装置45から入力される。
始動用操作としては、例えば、イグニッションキーシリンダに挿入した車両のキーをスタート位置に捻る操作や、エンジン始動用のプッシュスイッチをオンする操作がある。そして、前者の場合、信号出力用装置45は、例えば、イグニッションキーシリンダに取り付けられたイグニッションキースイッチである。つまり、イグニッションキースイッチでは、車両のキーがスタート位置に操作されると、特定の端子がバッテリ20のプラス端子に接続されるため、その特定の端子から、ユーザ始動信号としてのバッテリ電圧VBが出力されることとなる。一方、後者の場合、信号出力用装置45は、上記プッシュスイッチがオンされたことを検知すると、アクティブレベルのユーザ始動信号を出力する装置である。
また、スタータECU11には、エンジン13の自動停止及び自動再始動を制御する他の電子制御装置(以下、アイドルストップECUという)47からの再始動信号が入力される。その再始動信号は、アイドルストップECU47が、エンジン13を自動的に停止させた後、エンジン13を自動的に再始動させるときに出力する信号である。
ここで、アイドルストップECU47が行う処理の内容について説明する。
アイドルストップECU47は、エンジン13の運転中(運転状態になっているとき)において、アイドルストップ制御のための処理の1つとして、図2に示す自動停止制御処理を、例えば一定時間毎に実行する。
そして、図2に示すように、アイドルストップECU47は、自動停止制御処理を開始すると、S102にて、所定の自動停止条件が成立したか否かを判定し、自動停止条件が成立していないと判定した場合には、そのまま当該自動停止制御処理を終了するが、自動停止条件が成立したと判定した場合には、S104に進む。尚、自動停止条件の一例を挙げると、例えば、下記の全条件が満たされていることである。車速が所定値以下である。ブレーキペダルが踏まれている。アクセルペダルが踏まれていない。
S104では、エンジンECUに、エンジン停止指令を与えて、エンジン13への燃料噴射を停止させたり、エンジン13への吸気供給経路を遮断させることにより、エンジン13を自動的に停止させ、その後、当該自動停止制御処理を終了する。そして、このようにエンジン13が自動停止された状態が、アイドルストップ中である。
また、アイドルストップECU47は、アイドルストップ中において、アイドルストップ制御のための処理の1つとして、図3に示す自動始動制御処理を、例えば一定時間毎に実行する。
そして、図3に示すように、アイドルストップECU47は、自動始動制御処理を開始すると、S106にて、所定の自動始動条件が成立したか否かを判定し、自動始動条件が成立していないと判定した場合には、そのまま当該自動始動制御処理を終了するが、自動始動条件が成立したと判定した場合には、S108に進む。尚、自動始動条件の一例を挙げると、例えば、下記の何れかの条件がある。ブレーキペダルが放された。アクセルペダルが踏まれた。
S108では、エンジン13を自動的に再始動させるための処理として、当該スタータECU11へ前述の再始動信号を出力する。そして、その後、この自動始動制御処理を終了する。
このように、アイドルストップECU47からの再始動信号は、自動始動条件が成立したことを、スタータECU11に知らせるための信号である。
図1に戻り、スタータECU11には、クランクセンサ49からエンジン13のクランク軸の回転に応じて出力されるクランク信号も入力される。更に、スタータECU11には、バッテリ電圧VBが、バッテリモニタ信号として入力される。
尚、スタータECU11は、車両におけるイグニッション系電源ラインにバッテリ電圧VBが供給されている場合(いわゆるイグニッションオンの場合)に、そのイグニッション系電源ラインからの電力で動作する。
次に、スタータECU11の構成について説明する。
スタータECU11は、スタータ15を制御するための各種処理を実行するマイコン51と、当該スタータECU11に入力される前述の各種信号をマイコン51に入力させる入力回路53と、端子31とグランドラインとの間に2つの出力端子が接続されたトランジスタT1と、端子31とグランドラインとの間に接続されたプルダウン用の抵抗55と、端子35とグランドラインとの間に2つの出力端子が接続されたトランジスタT2と、端子35とグランドラインとの間に接続されたプルダウン用の抵抗56と、を備えている。
抵抗55,56の抵抗値は、リレー25,27のコイル25a,27aの抵抗値(例えば数Ω〜数十Ω)と比較して十分に大きい値(例えば1000倍以上の値)に設定されている。このため、抵抗55,56を介してコイル25a,27aに電流が流れても、その電流は無視できる程に小さく、リレー25,27がオンしてしまうことはない。
また、本実施形態において、トランジスタT1,T2は、例えばNチャネル型のMOSFETである。そして、トランジスタT1は、それのドレインとソースが、端子31とグランドラインとの間に接続されており、同様に、トランジスタT2は、それのドレインとソースが、端子35とグランドラインとの間に接続されている。
ここで、トランジスタT1のゲートには、前述した信号出力用装置45からのユーザ始動信号が、抵抗57を介して、駆動信号として入力される。
このため、車両の運転者が前述の始動用操作を行って、信号出力用装置45からのユーザ始動信号がハイになると、トランジスタT1がオンする。すると、そのトランジスタT1を介してリレー25のコイル25aに電流(駆動電流)が流れることにより、リレー25がオンして、スタータ15が動作し、前述の如くエンジン13が始動される。このように運転者の始動用操作に応じてエンジン13を始動させる場合が、ユーザ始動時である。これに対して、アイドルストップ中に自動始動条件が成立してエンジン13を自動的に再始動させる場合が、自動始動時である。
また、スタータECU11において、トランジスタT2は、マイコン51からの駆動信号によってオンオフされるようになっている。そして、マイコン51がトランジスタT2をオンさせれば、そのトランジスタT2を介してリレー27のコイル27aに電流(駆動電流)が流れ、リレー27がオンして、スタータ15が動作することとなる。
尚、本実施形態では、トランジスタT1と、リレー25と、そのリレー25によって連通される通電経路(ヒューズ29、配線41及び配線L2からなる通電経路)とが、ユーザ始動時においてソレノイド23に通電するためのユーザ始動用通電回路になっている。そして、リレー25によって連通される通電経路(ヒューズ29、配線41及び配線L2からなる通電経路)は、ユーザ始動用の通電経路である。また、トランジスタT2と、リレー27と、そのリレー27によって連通される通電経路(ヒューズ33、配線43、配線L3及び配線L4からなる通電経路)とが、自動始動時においてソレノイド23に通電するための自動始動用通電回路になっている。そして、リレー27によって連通される通電経路(ヒューズ33、配線43、配線L3及び配線L4からなる通電経路)は、自動始動用の通電経路である。
更に、スタータECU11は、2つのモニタ回路59,61と、ソレノイド23への通電経路の異常を検出するための異常検出回路63とを備えている。
モニタ回路59は、トランジスタT1のドレイン電圧(端子31の電圧でもある)Vo1と、バッテリ電圧VBを抵抗(図示省略)で分圧して生成される判定電圧(本実施形態では、例えばバッテリ電圧VBを1/2にした電圧)Vjとを大小比較して、ドレイン電圧Vo1が判定電圧Vjよりも大きければ、マイコン51へ出力するモニタ信号M1をハイにし、ドレイン電圧Vo1が判定電圧Vj以下であれば、モニタ信号M1をローにする。このため、トランジスタT1がオフしていれば、モニタ信号M1はハイになり、トランジスタT1がオンすれば、モニタ信号M1はローになる。
同様に、モニタ回路61は、トランジスタT2のドレイン電圧(端子35の電圧でもある)Vo2と、上記判定電圧Vjとを大小比較して、ドレイン電圧Vo2が判定電圧Vjよりも大きければ、マイコン51へ出力するモニタ信号M2をハイにし、ドレイン電圧Vo2が判定電圧Vj以下であれば、モニタ信号M2をローにする。このため、トランジスタT2がオフしていれば、モニタ信号M2はハイになり、トランジスタT2がオンすれば、モニタ信号M2はローになる。
異常検出回路63は、一端が当該スタータECU11内におけるバッテリ電圧VBのライン64に接続され、他端が端子39に接続されたプルアップ用の抵抗65と、上記バッテリ電圧VBのライン64に一方の出力端子が接続されたテスト用のトランジスタT3と、そのトランジスタT3の他方の出力端子に一端が接続され、他端が端子39に接続されたテスト時プルアップ用の抵抗67と、端子39に非反転入力端子(+端子)が接続された第1比較器69及び第2比較器71と、を備えている。
本実施形態において、トランジスタT3は、例えばNチャネル型のMOSFETである。そして、トランジスタT3は、マイコン51からの駆動信号に応じて、図示しない駆動回路によりオンオフされるようになっている。
また、第1比較器69の反転入力端子(−端子)には、バッテリ電圧VBよりも小さい第1閾値電圧Vt1が入力され、第2比較器71の反転入力端子には、第1閾値電圧Vt1よりも小さい第2閾値電圧Vt2が入力されている。尚、第1閾値電圧Vt1と第2閾値電圧Vt2との各々は、バッテリ電圧VBを抵抗(図示省略)で分圧することにより生成される。
そして、第1比較器69は、端子39の電圧(モニタ信号線37の電圧でもある)Vmと第1閾値電圧Vt1とを大小比較して、「Vm>Vt1」であれば、当該第1比較器69の出力をハイにし、「Vm≦Vt1」であれば、当該第1比較器69の出力をローにする。また、第2比較器71は、端子39の電圧Vmと第2閾値電圧Vt2とを大小比較して、「Vm>Vt2」であれば、当該第2比較器71の出力をハイにし、「Vm≦Vt2」であれば、当該第2比較器71の出力をローにする。そして更に、このような第1比較器69の出力が、マイコン51にモニタ信号MHとして入力され、第2比較器71の出力が、マイコン51にモニタ信号MLとして入力される。
次に、抵抗65,67の抵抗値と、第1閾値電圧Vt1及び第2閾値電圧Vt2とについて説明する。
抵抗65は、端子39がオープン状態になった場合でも、その端子39の電圧Vmであって、第1比較器69及び第2比較器71の非反転入力端子に入力される電圧Vmが、不定になってしまわないようにするために設けられている。
そして、抵抗65の抵抗値RUは、ソレノイド23の抵抗値RL(本実施形態では例えば1Ω)と比較して十分に大きい値(本実施形態では例えば1000倍以上の2.4kΩ)に設定されている。このため、抵抗65を介してソレノイド23に電流が流れても、その電流は無視できる程に小さく、スタータ15が動作してしまうことはない。つまり、ピニオンギヤ19が噛合位置に移動したりスイッチ21がオンしたりすることはない。
一方、抵抗67は、マイコン51によってトランジスタT3がオンされることにより、バッテリ電圧VBのライン64と端子39(延いてはモニタ信号線37)との間に接続される。また、マイコン51は、ソレノイド23への通電経路の異常を検出する時に、トランジスタT3をオンするようになっている。
そして、抵抗67の抵抗値RTは、当該抵抗67とソレノイド23とでバッテリ電圧VBを分圧した電圧が、0Vと明確に区別可能な程に大きくなり、且つ、トランジスタT3がオンされた場合に当該抵抗67を介してソレノイド23に流れる電流が、スタータ15を動作させることが可能な電流(本実施形態では例えば3A)よりも小さくなる抵抗値に設定されている。例えば、本実施形態では、バッテリ電圧VBが想定最大値の18Vになった場合でも、抵抗67を介してソレノイド23に流れる電流が3A未満となるように、抵抗67の抵抗値RTは6Ωに設定している。
抵抗65,67の抵抗値RU,RTが上記のように設定されているため、トランジスタT3がオフしている場合に、リレー25,27が両方共にオフしていれば、端子39の電圧Vmは概ね0Vになる。
また、リレー25,27の何れかがオンしていれば、トランジスタT3のオンオフに拘わらず、端子39の電圧Vmはバッテリ電圧VBになる。
一方、トランジスタT3がオンしている場合に、リレー25,27が両方共にオフしていれば、端子39の電圧Vmは、抵抗67とソレノイド23とでバッテリ電圧VBを分圧した電圧(=VB×RL/(RT+RL))になり、本実施形態では「VB/7」になる。
また、トランジスタT3がオンしていて、リレー25,27が両方共にオフしていても、配線L1〜L4における何れかの部分がグランド電位にショートしていれば、端子39の電圧Vmは、「VB/7」とならずに0Vになる。
また、トランジスタT3がオンしていて、リレー25,27が両方共にオフしていても、配線L1と配線L4との何れかが断線していれば、端子39の電圧Vmは、「VB/7」とならずにバッテリ電圧VBになる。
そして、本実施形態では、第1比較器69及び第2比較器71により、端子39の電圧Vmが0Vと「VB/7」とバッテリ電圧VBとの何れであるかを識別できるように、第1閾値電圧Vt1と第2閾値電圧Vt2とを設定している。
即ち、第1閾値電圧Vt1は、「VB/7」とバッテリ電圧VBとの間の電圧であって、例えば、バッテリ電圧の半分の電圧(=VB/2)に設定している。また、第2閾値電圧Vt2は、0Vと「VB/7」との間の電圧であって、例えば、「VB/7」の半分の電圧(=VB/14)に設定している。
このため、トランジスタT3がオフしている場合に、リレー25,27が両方共にオフしていれば、端子39の電圧Vmが0Vになるため、モニタ信号MHとモニタ信号MLは両方共にローになる。
また、リレー25,27の何れかがオンしていれば、トランジスタT3のオンオフに拘わらず、端子39の電圧Vmがバッテリ電圧VBになるため、モニタ信号MHとモニタ信号MLは両方共にハイになる。
また、トランジスタT3がオンしており、且つ、リレー25,27が両方共にオフしている場合について説明すると、モニタ信号MHとモニタ信号MLは、配線L1〜L4の状態に応じて、図4に示す通りになる。尚、「地絡」とはグランド電位(=0V)へのショートを意味している。
つまり、配線L1〜L4が正常ならば、端子39の電圧Vmは、「VB/7」になるため、モニタ信号MHはローで、モニタ信号MLはハイになる。
そして、配線L2と配線L3との何れかが断線しても、端子39の電圧Vmは、正常時の「VB/7」と同じであるため、モニタ信号MHはローで、モニタ信号MLはハイになる。
また、配線L1と配線L4との何れかが断線すると、端子39がソレノイド23と接続されず、端子39の電圧Vmがバッテリ電圧VBになるため、モニタ信号MHとモニタ信号MLは両方共にハイになる。
また、配線L1〜L4における何れの部分が地絡すると、端子39の電圧Vmは0Vになるため、モニタ信号MHとモニタ信号MLは両方共にローになる。
一方更に、スタータECU11は、トランジスタT1を強制的にオフさせるためのトランジスタT4を備えている。本実施形態において、トランジスタT4は、例えばNPNトランジスタであり、そのトランジスタT4のコレクタとエミッタが、トランジスタT1のゲートとグランドラインとの間に接続されている。そして、トランジスタT4は、マイコン51からの駆動信号によってオンするようになっている。
このため、当該スタータECU11にユーザ始動信号が入力されている場合でも、マイコン51によってトランジスタT4がオンされると、トランジスタT1はオフして、リレー25もオフすることとなる。
次に、マイコン51が行う処理の内容について説明する。
マイコン51は、図5の自動始動処理を、例えば一定時間毎に実行する。
図5に示すように、マイコン51は、自動始動処理を開始すると、S110にて、アイドルストップECU47からの再始動信号が入力されたか否かを判定し、再始動信号が入力されていなければ、そのまま当該自動始動処理を終了する。
また、S110にて、再始動信号が入力されたと判定した場合には、アイドルストップ中に自動始動条件が成立したと判断して、S120に進む。
そして、S120では、自動始動用通電回路によってエンジン13を始動させるための処理を行う。
具体的には、まず、トランジスタT2への駆動信号をアクティブレベル(本実施形態ではハイ)にして該トランジスタT2をオンさせることにより、スタータ15を動作させる。そして、前述のクランク信号から算出されるエンジン回転数に基づいて、エンジン13が完爆状態になったか否かを判定し、エンジン13が完爆状態になったと判定するとトランジスタT2をオフさせる。尚、トランジスタT2をオンさせてから所定の制限時間以内にエンジン13が完爆状態にならなかった場合にも、トランジスタT2をオフさせる。
そして、このようなS120の処理により、アイドルストップ中のエンジン13が自動的に再始動されることとなり、マイコン51は、このS120の処理を行った後、当該自動始動処理を終了する。
尚、マイコン51は、例えば、リレー25,27が両方共にオフされているエンジン13の運転中において、トランジスタT3を一時的にオンすると共に、そのトランジスタT3をオンした状態で、モニタ信号MH,MLを読み取る。そして、マイコン51は、「モニタ信号MHがロー、且つ、モニタ信号MLがハイ」でなければ、配線L1または配線L4が断線しているか、あるいは、配線L1〜L4が何れかの部分で地絡していると判断して(図4参照)、アイドルストップECUにアイドルストップ禁止指令を出力するようになっている。そして、アイドルストップECUは、そのアイドルストップ禁止指令を受けると、エンジン13の自動停止を行わないようになっている。このため、マイコン51が図5の自動始動処理を実行する場合には、配線L1,L4が断線していないことと、配線L1〜L4が地絡していないこととが事前に確認されていることととなり、例えば配線L3が断線していなければ、エンジン13を自動的に始動させることができる。
また、マイコン51は、図6の異常検出処理も、例えば一定時間毎に実行する。
図6に示すように、マイコン51は、異常検出処理を開始すると、S210にて、信号出力用装置45からのユーザ始動信号がハイであるか否かを判定し、ユーザ始動信号がハイでなければ、当該異常検出処理を終了する。
また、S210にて、ユーザ始動信号がハイであると判定した場合には、S220に進む。このため、S220以降の処理は、ユーザ始動時に行われることとなる。
まずS220では、モニタ回路59からのモニタ信号M1がローであるか否かを判定し、モニタ信号M1がローであれば、トランジスタT1がユーザ始動信号によって正常にオンしていると判断し、次のS230に進む。
S230では、異常検出回路63からのモニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にハイであるか否かを判定し、モニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にハイであれば、リレー25が正常にオンしていると判断して、S240に進む。尚、この時点において、トランジスタT3はオフされているため、モニタ信号MH,MLは、両方共にハイと両方共にローとの、何れかになる。
S240では、クランク信号に、エンジン13のクランキングに伴うレベル変化エッジが発生したか否かを判定し、クランク信号にレベル変化エッジが発生したと判定した場合には、スタータ15が正常に動作していると仮の判断をして、S250に進む。
S250では、更に念のために、バッテリモニタ信号を監視して、そのバッテリモニタ信号に、スタータ15の動作に伴う電圧変動が発生したか否かを判定する。そして、バッテリモニタ信号に電圧変動が発生したと判定した場合には、スタータ15が動作していると最終的に判断して、当該異常検出処理を終了する。
一方、上記S220にて、モニタ信号M1がローではない(ハイである)と判定した場合には、本来ならばオンするはずのトランジスタT1がオンしていない(つまり、オフ故障している)と考えられるため、スタータ15が動作していないと判断して、S260に進む。
また、上記S230にて、モニタ信号MHとモニタ信号MLとの少なくとも一方がハイではないと判定した場合(実際には、モニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にローである場合)にも、スタータ15が動作していないと判断して、S260に移行する。尚、この場合には、リレー25にオフ故障(オンしない故障)が生じているか、配線L2が断線している可能性がある。
また、上記S240にて、クランク信号にレベル変化エッジが発生していないと判定した場合、あるいは、上記S250にて、バッテリモニタ信号に電圧変動が発生していないと判定した場合にも、スタータ15が動作していないと判断して、S260に移行する。尚、これらの場合には、配線L1が断線しているか、スタータ15自体が故障している可能性がある。
このため、トランジスタT1及びリレー25を含むユーザ始動用通電回路によってスタータ15が動作しない場合には、S260に移行することとなる。
そして、マイコン51は、S260にて、図7に示す異常時処理を行う。
図7に示すように、マイコン51が異常時処理を開始すると、まずS310にて、モニタ回路61からのモニタ信号M2がハイであるか否かを判定し、モニタ信号M2がハイであれば、トランジスタT2及びリレー27のコイル27aが正常であると判断して、次のS320に進む。尚、この時点において、トランジスタT2は、正常ならばオフしている。
そして、S320では、トランジスタT4をオンし、続くS330にて、トランジスタT3をオンする。
尚、S320でトランジスタT4をオンするのは、リレー25がオンしているのにスタータ15が動作しなくて、当該異常時処理へ進んだ可能性があるためであり、リレー25がオフであることを確定させた上で、図4に示したモニタ信号MH,MLの組み合わせから、配線L1〜L4の状態を判別できるようにするためである。
そして、次のS340にて、モニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にハイであるか否かを判定し、モニタ信号MHとモニタ信号MLとの少なくとも一方がハイでなければ、S350に進む。
S350では、モニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にローであるか否かを判定し、モニタ信号MHとモニタ信号MLとの少なくとも一方がローでなければ、S360に進む。尚、異常検出回路63の構成上、モニタ信号MHがハイであるのにモニタ信号MLがローであるという組み合わせは、あり得ないことから、S360に進むのは、モニタ信号MHがローでモニタ信号MLがハイの場合である。そして、この場合には、図4に示すように、配線L2と配線L3との何れかが断線している可能性が0ではないものの、配線L1〜L4は正常である可能性が高い。
そして、S360では、トランジスタT4をオフし、次のS370にて、トランジスタT3をオフする。
次にS380にて、前述した図5のS120と同じ処理(即ち、自動始動用通電回路によってエンジン13を始動させるための処理)を行うことにより、エンジン13を始動させる。つまり、ユーザ始動時であるが、トランジスタT2をオンして、リレー27をオンさせることにより、スタータ15を動作させてエンジン13を始動させる。
その後、S390に進み、車両の運転者に対して異常の発生を警告するための異常警告処理を行う。なぜなら、S380の処理でエンジン13を始動することができても、ユーザ始動用通電回路によってエンジン13を始動させることができない、という異常が生じていることに変わりはないからである。
尚、異常警告処理としては、例えば、始動システムに異常があることを示す警告ランプを点灯させる処理や、異常警告用のブザーを鳴らす処理や、表示装置に「始動システムに異常があります。ディーラで点検を受けて下さい。」といった警告メッセージを表示する処理などが考えられる。
そして、マイコン51は、その後、当該異常時処理を終了する。すると、図6の異常検出処理も終了することとなる。
一方、上記S340にて、モニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にハイであると判定した場合には、配線L1または配線L4が断線していると判断して(図4参照)、S400に進む。そして、S400では、トランジスタT4をオフし、次のS410にて、トランジスタT3をオフする。そして更に、次のS420にて、S390と同様の異常警告処理を行った後、当該異常時処理を終了する。
つまり、配線L1または配線L4が断線している場合には、リレー27をオンさせたとしても、スタータ15を動作させることはできないため、リレー27をオンさせることなく、異常警告処理を行う。
また、上記S350にて、モニタ信号MHとモニタ信号MLが両方共にローであると判定した場合には、配線L1〜L4における何れの部分が地絡していると判断し(図4参照)、この場合にも、S400に進む。
つまり、配線L1〜L4の何れかの部分が地絡している場合に、リレー27をオンさせてしまうと、バッテリ20から地絡地点までの通電経路における何れかの箇所(例えば、ヒューズ33)が過大電流で溶断してしまったり、通電経路を成す配線の被覆が過大電流による発熱で溶けてしまったり、といった二次的故障を引き起こしてしまう可能性がある。このため、S350で配線L1〜L4に地絡が発生していると判定した場合には、リレー27をオンさせることなく、異常警告処理を行い、その後、当該異常時処理(延いては図6の異常検出処理)を終了する。
尚、異常検出回路63の構成上、モニタ信号MHがハイであればモニタ信号MLもハイになるはずであり、モニタ信号MLがローであればモニタ信号MHもローになるはずである。このため、S340では、モニタ信号MHがハイであるか否かを判定し、S350では、モニタ信号MLがローであるか否かを判定するようにしても良い。また、このようなことは、図6のS230についても同様である。
一方、上記S350で「NO」と判定してS360に進む場合(即ち、モニタ信号MHがローでモニタ信号MLがハイの場合)は、前述したように、配線L2と配線L3との何れかが断線している可能性もある。配線L2,L3の断線と正常とを区別することができないからである。
しかし、配線L2が断線していたとしても、リレー27によって連通される通電経路であって、ヒューズ33、配線43、配線L3及び配線L4からなる自動始動用の通電経路は正常であるため、S380の処理により、自動始動用通電回路を用いてスタータ15を動作させることができる。また、配線L3が断線していた場合には、リレー27をオンさせても、スタータ15を動作させることはできないが、故障が地絡ではないため、前述の二次的故障を引き起こしてしまうことはない。よって、S380の処理を行ってみる価値はある。
以上のようなスタータECU11によれば、運転者の始動用操作に応じてエンジン13を始動させるユーザ始動時において、トランジスタT1がオフ故障していたり、リレー25がオフ故障していたり、配線L2が断線していたりして、ユーザ始動用の通電経路が連通せずにスタータ15が動作しなくても(図6のS220:NOまたはS230:NO)、自動始動用通電回路の方のリレー27をオンして自動始動用の通電経路を連通させることにより(図7のS380)、スタータ15を動作させることができる。よって、エンジン13を始動させることができる。しかも、図7のS350の判定処理により、配線L1〜L4における何れの部分が地絡していると判定した場合には(S350:NO)、リレー27をオンさせないため、前述したような二次的故障の発生を防ぐことができる。
また、スタータECU11では、テスト用のトランジスタT3をオンさせることにより、バッテリ電圧VBのライン64とモニタ信号線37との間にプルアップ用の抵抗67を接続するようになっている。つまり、抵抗67の接続と非接続とを、トランジスタT3のオンオフによって切り替えることができるようになっている。そして、図6の処理にてスタータ15が動作していないと判定して、ソレノイド23への通電経路の異常を検出する時に、トランジスタT3をオンさせ(図7のS330)、その状態で、第2比較器71により、モニタ信号線37の電圧Vmと前述の第2閾値電圧Vt2とを大小比較するようになっている。そして、第2比較器71からのモニタ信号MLが、「Vm≦Vt2」を示すローであれば(図7のS350:YES)、リレー27よりもソレノイド23側の通電経路(配線L1〜L4のどこか)が地絡していると判定するようになっている。
このため、抵抗67の抵抗値RTを、当該抵抗67を介してソレノイド23に流れる電流Iaが、スタータ15を動作させることが可能な電流Ibよりも小さくなる範囲で、できるだけ小さい値に設定して、地絡の検出精度を上げることができる。
つまり、通電経路の地絡と正常とを区別して検出するためには、地絡発生時のモニタ信号線37の電圧Vm(=0V)と、正常時のモニタ信号線37の電圧Vm(ちなみに本実施形態では「VB/7」)とに、差が生じるようにする必要があり、その差が大きいほど、地絡の検出精度が向上する(即ち、地絡と正常との区別がし易い)。そして、その差は、抵抗67の抵抗値RTを小さく設定するほど大きくなる。よって、抵抗67の抵抗値RTは、「Ia<Ib」を満たす範囲で、できるだけ小さい値にする方が、地絡の検出精度が向上する。
ここで、もし、抵抗67が、バッテリ電圧VBのライン64とモニタ信号線37との間に、常時接続されているとすると、その抵抗67を介してソレノイド23に電流が常時流れることになるため、無駄な電力を消費してしまう。このため、その抵抗67の抵抗値RTは小さくすることができず、延いては、地絡の検出精度を上げることができない。
これに対して、本実施形態のスタータECU11では、ソレノイド23への通電経路の異常を検出する時にトランジスタT3をオンさせて、抵抗67を有効化するようになっているため、抵抗67の抵抗値RTを、「Ia<Ib」を満たす範囲で、できるだけ小さい値にすることができる。つまり、地絡の検出精度を向上させることと、無駄な電力の消費を防止することとを、両立させることができる。
尚、本実施形態では、トランジスタT2をオンしてリレー27のコイル27aに流す電流(リレー27の駆動電流)が、第2スイッチ手段に与える駆動信号の一例に相当している。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、配線L1,L4の断線を検出しないのであれば、異常検出回路63から第1比較器69を削除することができる。そして、その場合、図6のS230では、第2比較器71からのモニタ信号MLがハイであるか否かを判定すれば良く、また、図7の異常時処理からはS340を削除すると共に、図7のS350では、モニタ信号MLがローであるか否かを判定すれば良い。
一方、図7の異常時処理においては、S350で「NO」と判定した場合に、クランク信号に前述のレベル変化エッジが発生しているか否かの判定処理や、バッテリモニタ信号に前述の電圧変動が発生しているか否かの判定処理などを行うことにより、スタータ15が動作していないことを再確認し、スタータ15が動作していると判定した場合には、異常と判断して、S400に移行するように変形しても良い。
また、図2及び図3の処理(即ち、アイドルストップ制御のための処理)を、スタータECU11のマイコン51が行うようになっていても良い。
また、制御対象のスタータは、ピニオンギヤ19をリングギヤ14との噛合位置に移動させるためのソレノイドと、モータ17を動作させるためのソレノイドとを、別々に備えたスタータであって、ピニオンギヤ19を噛合位置に移動させることと、モータ17を動作させることとを、独立して行うことのできるスタータであっても良い。そして、その場合には、2つのソレノイドの各々について、前述した実施形態と同様の回路構成及び処理を適用すれば良い。
11…スタータECU、13…エンジン、15…スタータ、20…バッテリ、23…ソレノイド、25,27…リレー、29,33…ヒューズ、37…モニタ信号線、41,43,L1〜L4…配線、47…アイドルストップECU、51…マイコン、67…抵抗、71…第2比較器、T3…テスト用のトランジスタ

Claims (3)

  1. 電気負荷(23)に通電されることで動作して、車両のエンジン(13)を始動させるために該エンジンをクランキングするスタータ(15)と、
    前記車両の運転者が前記エンジンを始動させるための始動用操作を行った場合に、前記車両のバッテリ(20)から前記電気負荷に通電するための第1通電経路(29,41,L2)を連通することにより、前記電気負荷に通電して前記スタータを動作させる第1スイッチ手段(25)と、
    駆動信号が与えられると、前記車両のバッテリから前記電気負荷に通電するための通電経路であって、前記第1通電経路とは別の第2通電経路(33,43,L3,L4)を連通することにより、前記電気負荷に通電して前記スタータを動作させる第2スイッチ手段(27)と、
    前記エンジンの運転中に所定の自動停止条件が成立すると前記エンジンを停止させる自動停止手段(47)と、
    を備えた前記車両に用いられ、
    前記自動停止手段により前記エンジンが停止された後、前記エンジンを自動的に始動させるための自動始動条件が成立すると、前記第2スイッチ手段に前記駆動信号を与えることにより、前記スタータを動作させて前記エンジンを始動させるスタータ制御装置(11)において、
    前記車両の運転者が前記始動用操作を行ったことを検知すると、前記スタータが動作したか否かを判定する第1判定手段(51,S210〜S250)と、
    前記第1判定手段により前記スタータが動作しないと判定された場合に、前記バッテリから前記電気負荷に通電するための通電経路のうち、前記第2スイッチ手段よりも前記電気負荷側の通電経路(L1,L2,L3,L4)がグランド電位にショートしているか否かを判定する第2判定手段(51,T3,67,71,S330,S350)と、
    前記第2判定手段により前記通電経路がグランド電位にショートしていないと判定された場合に、前記第2スイッチ手段に前記駆動信号を与えることにより、前記スタータを動作させて前記エンジンを始動させ、前記第2判定手段により前記通電経路がグランド電位にショートしていると判定された場合には、前記第2スイッチ手段に前記駆動信号を与えずに前記スタータを動作させない補助駆動手段(51,S380)と、
    を備えることを特徴とするスタータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のスタータ制御装置において、
    前記第2判定手段は、
    オンすることで、所定電圧のライン(64)と、前記第2スイッチ手段よりも前記電気負荷側の通電経路に一端が接続されたモニタ信号線(37)との間に、抵抗(67)を接続するテスト用スイッチ(T3)を備え、
    更に、前記第2判定手段は、
    前記第1判定手段により前記スタータが動作しないと判定された場合に、前記テスト用スイッチをオンさせ、その状態で、前記モニタ信号線の電圧(Vm)と、前記抵抗と前記電気負荷とで前記所定電圧を分圧した電圧よりも低い閾値電圧(Vt2)とを大小比較し、前記モニタ信号の電圧が前記閾値電圧以下ならば、前記第2スイッチ手段よりも前記電気負荷側の通電経路がグランド電位にショートしていると判定すること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のスタータ制御装置において、
    前記抵抗の抵抗値は、
    前記テスト用スイッチがオンされた場合に当該抵抗を介して前記電気負荷に流れる電流が、前記スタータを動作させることが可能な電流よりも小さくなる抵抗値に設定されていること、
    を特徴とするスタータ制御装置。
JP2012069589A 2012-03-26 2012-03-26 スタータ制御装置 Active JP5811917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012069589A JP5811917B2 (ja) 2012-03-26 2012-03-26 スタータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012069589A JP5811917B2 (ja) 2012-03-26 2012-03-26 スタータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013199908A JP2013199908A (ja) 2013-10-03
JP5811917B2 true JP5811917B2 (ja) 2015-11-11

Family

ID=49520327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012069589A Active JP5811917B2 (ja) 2012-03-26 2012-03-26 スタータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5811917B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3028049B1 (fr) * 2014-11-04 2016-12-09 Continental Automotive France Procede de diagnostic d'un defaut a la masse d'un organe de demarrage / arret d'un vehicule automobile
JP6091566B1 (ja) * 2015-09-01 2017-03-08 三菱電機株式会社 車載電気負荷の給電制御装置及びその制御方法
JP7106219B2 (ja) * 2018-11-29 2022-07-26 ダイハツ工業株式会社 車両用制御装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4376215B2 (ja) * 2005-08-05 2009-12-02 株式会社デンソー エンジン始動装置およびエンジン始動方法
JP4983785B2 (ja) * 2008-12-19 2012-07-25 株式会社デンソー 電子制御装置
JP5573227B2 (ja) * 2010-03-01 2014-08-20 株式会社デンソー スタータ制御装置
JP5464163B2 (ja) * 2011-03-25 2014-04-09 株式会社デンソー スタータ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013199908A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8689758B2 (en) Starter control apparatus
US8498772B2 (en) Control apparatus and method for a vehicle having idle stop function
JP5338845B2 (ja) スタータ制御装置の異常検出装置
JP5464163B2 (ja) スタータ制御装置
JP4258420B2 (ja) エンジン始動制御装置
JP5218496B2 (ja) スタータ制御装置
JP5141612B2 (ja) エンジン始動制御装置
JP5129075B2 (ja) エンジン始動装置
JP5418470B2 (ja) スタータの制御装置
JP5811917B2 (ja) スタータ制御装置
JP4984163B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP2013104347A (ja) 電子制御装置
US9086043B2 (en) Controller for engine starter
JP5533916B2 (ja) スタータ制御装置
JP2007291989A (ja) 負荷駆動系の異常診断装置
JP2002118959A (ja) 自動車の始動システム
US20190170079A1 (en) Control device of fuel pump
JP2012183901A (ja) 車両用電源装置
JP5278485B2 (ja) アイドリングストップ制御装置
JP2008111343A (ja) エンジン始動装置
US9291140B2 (en) Method and device for activating a starter, which is controllable by a driver unit, for an internal combustion engine of a motor vehicle
JP6455350B2 (ja) スタータ制御装置及びスタータ制御方法
JPH0868820A (ja) 電気機器の断線検出装置
JP2015155658A (ja) エンジン制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150907

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5811917

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250