JP2000160039A - 円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物 - Google Patents

円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物

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JP2000160039A
JP2000160039A JP11270964A JP27096499A JP2000160039A JP 2000160039 A JP2000160039 A JP 2000160039A JP 11270964 A JP11270964 A JP 11270964A JP 27096499 A JP27096499 A JP 27096499A JP 2000160039 A JP2000160039 A JP 2000160039A
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liquid crystalline
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resin composition
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JP11270964A
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English (en)
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Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Koji Tachikawa
浩司 立川
Yoshiki Makabe
芳樹 真壁
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、真円性、エポキシ接着性、ウエルド
強度が改良された円形構造部を有する成形品用液晶性樹
脂組成物の取得を課題とする。 【解決手段】 スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以
上の熱可塑性樹脂(A)0.5重量%以上40重量%未
満と液晶性樹脂(B)99.5重量%以下60重量%超
とからなる液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品であ
って、円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性、真円性、
エポキシ接着性、ウエルド強度が改良された円形構造部
を有する成形品用液晶性樹脂組成物およびそれからなる
円形構造部を有する成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂などの熱可塑性樹脂
は、その優れた諸特性を生かし、射出成形材料として機
械機構部品、電気電子部品、自動車部品などの幅広い分
野に利用されている。これら自動車部品、電気部品には
その機能の必要上、それ自身が円筒・円柱状であった
り、円筒・円柱等の断面が円形である構造部を有する成
形品の形で使用されるものが存在する。こうした断面が
円形である構造部は他の部品との接合部に用いるか、あ
るいはギヤーなどの部品のハウジング、コイルボビン等
に用いられることが多く、例えば液体用タンクの円形注
液口とそのキャップのようにプラスチック部品とプラス
チック部品をはめ込みや内部でギヤーが回転するあるい
はコイル線を均一に巻く等のために、これらの円形部に
は高い円形の精度、すなわち真円性を有することが要求
される。また、環境問題などから、部品の軽量化が要求
され、部品の高効率化のために薄肉化が要求されるよう
になってきており、そのため材料の流動性向上が望まれ
るようになってきた。
【0003】このような理由から、薄肉で熱可塑性樹脂
の成形品にも高い円形精度、すなわち真円性が要求され
ることが多くなってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
代表される熱可塑性樹脂では、流動性が十分とは言え
ず、また、成形時の収縮が大きく、このためいわゆる断
面が円形である構造部を持った成形品において、その円
形構造部が高い真円性を持つ成形品を得ることは困難で
あった。
【0005】本発明は上記の問題を解決し、流動性、真
円性を改良し、さらに液晶性樹脂の弱点であるウエルド
強度あるいはコイルボビン用途に必要とされるエポキシ
接着性が改良された円形構造部を有する成形品用液晶性
樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は(1)スチレン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた
1種以上の熱可塑性樹脂(A)0.5〜40重量%未満
と液晶性樹脂(B)99.5〜60重量%超とからなる
液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品であって、円形
構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物、(2)
(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対してさ
らに充填材を0.5〜300重量部含有してなる上記
(1)記載の円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組
成物、(3)熱可塑性樹脂(A)がポリフェニレンエー
テル系樹脂であることを特徴とする上記(1)または
(2)記載の円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組
成物、(4)熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂であ
ることを特徴とする上記(1)または(2)記載の円形
構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物、(5)上記
(1)〜(4)のいずれか記載の円形構造部を有する成
形品用液晶性樹脂組成物からなる成形品であって、該成
形品が円形構造部を有する液晶性樹脂成形品、(6)上
記(5)記載の成形品が自動車部品用途である液晶性樹
脂成形品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる熱可塑性樹脂
(A)としてはスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以
上のものである。
【0008】スチレン系樹脂はスチレン及び/またはそ
の誘導体から生成した単位を含有するものである。
【0009】スチレン、その誘導体(これらを総称して
芳香族ビニル系単量体と称する場合がある)から生成し
た単位の具体例としては、下記構造単位のものが挙げら
れる。
【0010】
【化1】
【0011】R3〜R7は、水素、塩素等のハロゲン、炭
素数1〜10の脂肪族基、芳香族基、脂環式、スルホニ
ル基、ニトロ基などの基を示し、これらはそれぞれ同じ
であっても異なっていてもよい。
【0012】R3〜R7の具体例としては、水素、塩素、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブ
チル、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、クロルメ
チル、シアノメチル、シアノメトキシ、エトキシ、フェ
ノキシ、ニトロなどの基が挙げられ、これらはそれぞれ
同じであっても異なっていてもよい。
【0013】スチレン、その誘導体の好ましい例とし
て、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどが挙
げられるが、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。また、これらを併用することもできる。
【0014】スチレン系樹脂としては、スチレン系
(共)重合体、ゴム強化スチレン(共)重合体が挙げら
れる。スチレン系(共)重合体としては芳香族ビニル系
単量体の1種または2種以上を重合した重合体、芳香族
ビニル系単量体の1種または2種以上とそれと共重合可
能な単量体の1種または2種以上を共重合した共重合体
が挙げられる。ゴム強化スチレン(共)重合体として
は、ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または
2種以上をグラフト重合したゴム強化グラフト重合体、
ゴム質重合体に芳香族ビニル系単量体の1種または2種
以上とそれと共重合可能な単量体の1種または2種以上
をグラフト共重合したグラフト共重合体が挙げられる。
【0015】上記芳香族ビニル系単量体と共重合可能な
単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、シアン
化ビニルなどが挙げられる。
【0016】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げ
られるが、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0017】上記ゴム状重合体としては、ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)な
どのジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリ
ル系ゴムおよびエチレン−プロピレン−非共役ジエン三
元共重合体ゴム(EPDM)などのポリオレフィン系ゴ
ムが挙げられ、なかでもポリブタジエン、エチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)
が好ましく用いられる。
【0018】ゴム強化スチレン系(共)重合体を更に詳
しく説明すると、ゴム状重合体(a)に芳香族ビニル化
合物(b)から選ばれる少なくとも一種、またはそれと
共単量体であるメタクリル酸エステル(c)およびシア
ン化ビニル化合物(d)から選ばれる少なくとも1種と
がグラフト重合したグラフト共重合体(重合体
(i))、あるいは重合体(i)と芳香族ビニル化合物
(b)、メタクリル酸エステル(c)等から選ばれる少
なくとも1種のビニル化合物とシアン化ビニル化合物
(d)が重合した共重合体(重合体(ii))とを配合
した樹脂などである。
【0019】重合体(i)として、(a)に対して
(b)と(c)および/または(d)とをグラフト重合
する場合、ゴム状重合体(a)の共重合量は5〜80重
量%が好適である。グラフト成分中、芳香族ビニル化合
物(b)、メタクリル酸エステル(c)などから選ばれ
るビニル化合物の1種または2種以上の合計が50〜9
7重量%であり、シアン化ビニル化合物(d)が3〜5
0重量%が好ましい。
【0020】重合体(i)の重合方法は特に限定され
ず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合および塊
状−懸濁重合などの公知の方法を用いることができる。
【0021】一方、重合体(ii)中のシアン化ビニル
化合物(d)の共重合量としては3〜50重量%が適当
である。
【0022】重合体(ii)の重合方法は特に限定され
ず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合および塊
状−懸濁重合などの公知の方法を用いることができる。
【0023】ゴム状重合体を共重合させたスチレン系樹
脂は重合体(i)を必須成分とし、重合体(ii)を任
意の割合で配合して用いることができる。
【0024】本発明において好ましいスチレン系樹脂と
しては、PS(ポリスチレン)等のスチレン系重合体、
HIPS(高衝撃ポリスチレン)等のゴム強化スチレン
系重合体、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合
体)等のスチレン系共重合体、AES(アクリロニトリ
ル/エチレン・プロピレン・非共役ジエンゴム/スチレ
ン共重合体)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン
/スチレン共重合体)、MBS(メタクリル酸メチル/
ブタジエン/スチレン共重合体)などのゴム強化(共)
重合体等が挙げられ、なかでも特にPS(ポリスチレ
ン)等のスチレン系重合体、AS(アクリロニトリル/
スチレン共重合体)等のスチレン系共重合体、ABS
(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)
が好ましい。
【0025】ポリカーボネート系樹脂としては、カーボ
ネート結合を有し、芳香族二価フェノール系化合物とホ
スゲンまたは炭酸ジエステルなどとを反応させることに
より得られる芳香族ホモまたはコポリカーボネート樹脂
等が挙げられ、該芳香族ホモまたはコポリカーボネート
樹脂は、メチレンクロライド中1.0g/dlの濃度で
20℃で測定した対数粘度が0.2〜3.0dl/g、
特に0.3〜1.5dl/gの範囲ものが好ましく用い
られる。ここで二価フェノール系化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使
用でき、これら単独あるいは混合物として使用すること
ができる。
【0026】ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、
下記繰返し単位を有する熱可塑性樹脂が挙げられ、クロ
ロホルム中、30℃で測定した固有粘度が0.01〜
0.80dl/gの重合体が好ましく用いられる。
【0027】
【化2】
【0028】R8〜R11 は、水素、ハロゲン、炭素数1
〜10の脂肪族基、芳香族基、脂環式、スルホニル基、
ニトロ基などの基が挙げられ、これらはそれぞれ同じで
あっても異なっていてもよい。
【0029】R8〜R11 の具体例としては、水素、塩
素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリ
ル、ブチル、フェニル、ベンジル、メチルベンジル、ク
ロルメチル、シアノメチル、シアノメトキシ、エトキ
シ、フェノキシ、ニトロなどの基が挙げられ、これらは
それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0030】具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェ
ノール/2,4,6−トリメチルフェノール共重合体、
2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチル
フェノール共重合体などが挙げられる。
【0031】また、(A)熱可塑性樹脂は2種以上を併
用してもよく、具体的には、ABSとポリカーボネート
の組み合わせ、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン
または耐衝撃ポリスチレンの組み合わせなどを挙げるこ
とができる。また、その他特性例えば耐薬品性等を付与
させるために熱可塑性樹脂(A)の一部(通常、(A)
成分の85重量%以下、好ましくは70重量%以下、特
に好ましくは50重量%以下)を結晶性の熱可塑性樹脂
に置き換えることが可能であり、このような結晶性の熱
可塑性樹脂としては例えばポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリカーボネート
とポリブチレンテレフタレートの組み合わせ、ポリカー
ボネートとポリエチレンテレフタレートの組み合わせ、
ポリフェニレンエーテルとナイロン6の組み合わせ、ポ
リフェニレンエーテルとナイロン66の組み合わせなど
が挙げられる。
【0032】本発明の液晶性樹脂(B)とは、溶融時に
異方性溶融相を形成し得るポリマーであり、液晶性ポリ
エステル、液晶性ポリエステルアミド、液晶性ポリカー
ボネート、液晶性ポリエステルエラストマーなどが挙げ
られ、なかでも分子鎖中にエステル結合を有するものが
好ましく、特に液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステ
ルアミドなどが好ましく用いられる。
【0033】本発明に好ましく使用できる液晶性樹脂
(B)は芳香族オキシカルボニル単位としてp−ヒドロ
キシ安息香酸からなる構造単位を含む液晶性ポリエステ
ルであり、また、エチレンジオキシ単位を必須成分とす
る液晶性ポリエステルも好ましく使用できる。さらに好
ましくは下記構造単位(I) 、(III) 、(IV)からなるポリ
エステルあるいは(I) 、(II)、(III) 、(IV)の構造単位
からなるポリエステルであり、最も好ましいのは(I) 、
(II)、(III) 、(IV)の構造単位からなるポリエステルで
ある。
【0034】
【化3】
【0035】(ただし式中のR1
【0036】
【化4】
【0037】から選ばれた一種以上の基を示し、R2
【0038】
【化5】
【0039】から選ばれた一種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示す。) なお、構造単位(II)および(III) の合計と構造単位(IV)
は実質的に等モルであることが望ましい。
【0040】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4
´−ジヒドロキシビフェニル、3,3´,5,5´−テ
トラメチル−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、ハイ
ドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
び4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ば
れた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した
構造単位を、構造単位(III) はエチレングリコールから
生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボン酸、1,2−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4´−ジカルボ
ン酸および4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸
から選ばれた芳香族ジカルボン酸から生成した一種以上
の構造単位を各々示す。これらのうちR1
【0041】
【化6】
【0042】であり、R2
【0043】
【化7】
【0044】であるものが特に好ましい。
【0045】上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)
の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮
させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0046】すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(II
I)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)
および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合
計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜93モ
ル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位
(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が
好ましく、60〜7モル%がより好ましい。また、構造
単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましく
は75/25〜95/5であり、より好ましくは78/
22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位
(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが
好ましい。
【0047】一方、上記構造単位(II) を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および
(III)の合計に対して40〜90モル%であることが
好ましく、60〜88モル%であることが特に好まし
く、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モ
ルであることが好ましい。
【0048】また液晶性ポリエステルアミドとしては、
上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールか
ら生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性
溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0049】なお、上記好ましく用いることができる液
晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記
構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジ
フェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボ
ン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカ
ルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’
−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキ
シ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香
族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸など
を液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめ
ることができる。
【0050】本発明で使用する液晶性樹脂(B)は、ペ
ンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが
可能である。その際、0.1g/dlの濃度で60℃で
測定した値で0.5〜15.0dl/gが好ましく、
1.0〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0051】また、本発明における液晶性樹脂(B)の
溶融粘度は0.5〜500Pa・sが好ましく、特に1〜2
50Pa・sがより好ましい。また、流動性により優れた組
成物を得ようとする場合には、溶融粘度を50Pa・s以下
とすることが好ましい。
【0052】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0053】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
m1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0054】本発明の特性をより発現するために特に限
定されないが、好ましくは融点が180〜380℃、よ
り好ましくは210〜350℃である。
【0055】本発明において使用する上記液晶性ポリエ
ステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエス
テルの重縮合法に準じて製造できる。
【0056】例えば、上記液晶ポリエステルの製造にお
いて、次の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセ
トキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族
ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性
ポリエステルを製造する方法。 (2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒド
ロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒド
ロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無
水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化し
た後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを
製造する方法。 (3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよ
び4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン
などの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香
族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール
重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを
反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重
縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。 (5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する
方法。
【0057】液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒
でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネー
ト、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチ
モン、金属マグネシウムなどの金属化合物を使用するこ
ともできる。
【0058】本発明で用いるスチレン系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選
ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)と液晶性樹脂
(B)の配合比は、良流動性でかつ成形品のウエルド強
度および真円性などの効果を同時に発揮する観点から、
(A)と(B)の合計に対し、(A)0.5重量%以上
40重量%未満、(B)99.5重量%以下60重量%
超、好ましくは(A)3〜35重量%、(B)97〜6
5重量%、より好ましくは(A)5〜30重量%、
(B)95〜70重量%、さらに好ましくは(A)5〜
20重量%、(B)95〜80重量%である。
【0059】また、液晶性樹脂(B)中における熱可塑
性樹脂(A)の分散状態については特に規定されない
が、優れた流動性およびエポキシ接着強度などの諸特性
を効率よく発現するためには、粒子の長径を測定した数
平均分散径が、好ましくは1μm以上、より好ましくは
1〜10μm、さらに好ましくは3〜8μmである。液
晶性樹脂の数平均分散径が上記の範囲内の時に本組成物
における最大の効果を発現する。
【0060】液晶性樹脂(B)中の熱可塑性樹脂(A)
の数平均分散径の測定方法は、組成物の配向方向に切削
して得られたコア層部分の切片を電子透過型顕微鏡(T
EM)により観察・写真撮影し、分散粒子100個の平
均値をそれぞれ数平均分散径として求めた。なお、分散
粒子径は長径方向で測定するものとする。
【0061】本発明において円形構造部を有する成形品
用液晶性樹脂組成物の機械強度その他の特性を付与する
ために充填剤を使用することが可能であり、特に限定さ
れるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状など
非繊維状の充填剤を使用することができる。具体的には
例えば、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、
ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金
属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊
維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊
維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化
ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカ
ー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウム
ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカーなどの繊維状、ウィ
スカー状充填剤、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、
炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラ
スマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラ
ステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシ
ウム、グラファイトなどの粉状、粒状あるいは板状の充
填剤が挙げられる。上記充填剤中、ガラス繊維が好まし
く使用される。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化
用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイ
プや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファ
イバーなどから選択して用いることができる。また、上
記の充填剤は2種以上を併用して使用することもでき
る。なお、本発明に使用する上記の充填剤はその表面を
公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面
処理剤で処理して用いることもできる。
【0062】また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル
共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0063】上記の充填剤の添加量は(A)成分と
(B)成分の合計100重量部に対し、通常、0.5〜
300重量部が好ましく、より好ましくは10〜250
重量部、特に好ましくは20〜150重量部である。
【0064】さらに、本発明の円形構造部を有する成形
品用液晶性樹脂組成物には、酸化防止剤および熱安定剤
(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホス
ファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤
(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリ
アゾール、ベンゾフェノンなど)、亜リン酸塩、次亜リ
ン酸塩などの着色防止剤、滑剤、染料(たとえばニグロ
シンなど)および顔料(たとえば硫化カドミウム、フタ
ロシアニンなど)を含む着色剤、滑剤および離型剤(モ
ンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエス
テル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリ
エチレンワックスなど)、導電剤あるいは着色剤として
カーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(例えば
ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテ
ル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メ
ラミンおよびシアヌール酸またはその塩、赤燐など)、
難燃助剤、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹
脂)、帯電防止剤などの通常の添加剤、他の重合体(ポ
リアミド、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、
等)を添加して、所定の特性をさらに付与することがで
きる。
【0065】また、更なる特性改良の必要性に応じて無
水マレイン酸などによる酸変性オレフィン系重合体、エ
チレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共
重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/
メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/酢酸ビニ
ル/メタクリル酸グリシジル共重合体およびエチレン/
プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体などのオレフ
ィン系共重合体、ポリエステルポリエーテルエラストマ
ー、ポリエステルポリエステルエラストマー等のエラス
トマーから選ばれる1種または2種以上の混合物を添加
して所定の特性をさらに付与することができる。
【0066】本発明の円形構造部を有する成形品用液晶
性樹脂組成物は通常公知の方法で製造される。例えば、
スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹
脂(A)および液晶性樹脂(B)成分中、その他の必要
な添加剤および充填材を予備混合して、またはせずに押
出機などに供給して十分溶融混練することにより調製さ
れる。また、充填材を添加する場合、充填材の繊維長を
コントロールするために好ましくは、スチレン系樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂から選ばれた1種以上の熱可塑性樹脂(A)、液晶性
樹脂(B)および添加剤を押出機の元から投入し、充填
材をサイドフィーダーを用いて押出機へ供給することに
より調整される。
【0067】かくして得られる液晶性樹脂組成物は、流
動性、真円性、エポキシ接着性、ウエルド強度に優れる
ため、円形構造部を有する成形品に特に適する。本発明
において円形構造部を有する成形品は、成形品の少なく
とも一部に円形構造部を有するものであり、例えば、成
形品を輪切りにした場合に円形部が存在したり、成形品
自体が円筒形、円柱形、あるいはキャップ等の取付口で
ある。
【0068】また、成形品を成形するにあたっての成形
方法は通常の成形方法(射出成形、押出成形、ブロー成
形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)に
より、三次元成形品、容器パイプなど円形構造部を有す
る成形品に加工することができ、特にその優れた流動性
を生かし、1.0mm以下の薄肉部を有する成形品に好
ましく適用できる。 なかでも射出成形品用途に特に好
適であり、各種機械機構部品、電気電子部品、特に自動
車部品の中で円形構造部を有する部品に好適である。
【0069】かくして得られる成形品は、円形構造部を
有するものであれば、各種ギヤー、各種ケース、センサ
ー、LEDランプ、コネクター、ソケット、用紙用分離
爪、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、
コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振
子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チ
ューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォ
ン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュー
ル、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FD
Dキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーター
ブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュータ
ー関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部
品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器
部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザ
ーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、
照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター
部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、
事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、
電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部
品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸
受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプ
ライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼
鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械
関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーター
コネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポ
テンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バ
ルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーイ
ンテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、
燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレター
メインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセ
ンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポ
ジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサ
ー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサ
ー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フロー
コントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシ
ュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべ
イン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュタ
ー、スタータースィッチ、スターターリレー、トランス
ミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャー
ノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気
弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナ
ル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ラン
プソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、
ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイル
フィルター、パワーシートギヤハウジング、イグニッシ
ョンコイル部品、イグニッションパイプ、点火装置ケー
スなどの自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用
である。特に真円度を要求されるイグニッションパイプ
および内部に機構部品等を納めるギヤハウジングや真円
性の他にエポキシ接着性を要求されるイグニッションコ
イル部品等の自動車成形品用途に有用である。
【0070】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるも
のではない。 参考例1 LCP1:p−ヒドロキシ安息香酸11.05kg、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.40kg、テレ
フタル酸1.25kg、固有粘度が約0.6dl/gのポリ
エチレンテレフタレート2.40kgおよび無水酢酸1
0.67kgを圧力容器に仕込み、重合を行った結果、
芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオ
キシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.
5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量から
なる融点314℃、25Pa・s(324℃、オリフィス
0.5φ×10mm、ずり速度1,000(1/秒))の
ペレットを得た。
【0071】各評価については、次に述べる方法にした
がって測定した。 (1)流動性 下記成形機を用いて、射出速度99%、射出圧力500
kgf/cm2の条件で0.5mm厚×12.7mm巾
の試験片の流動長(棒流動長)を測定した。 (2) 真円度 外径20mmφ×内径16mmφ×長さ30mmの円筒
型成形品を成形し、三次元測定器(ミツトヨ製)により
真円度を測定した。真円度は端から10mmの位置の断
面の内円及び外円を測定することにより代表し、測定点
数は24点とした。すなわち、実測円上の24点を真円
で近似し、その真円からの外側への最大偏差及び内側へ
の最大偏差の和を真円度とした。真円度の単位はmmで
あり、この値が小さいほど真円性が良好であることを示
す。 (3)エポキシ接着強度 ASTM 1号引張試験片を成形した後、2等分し、接
着面積が50mm2となるようにスペーサ(厚さ1.8
〜2.2mm)およびエポキシ樹脂(長瀬チバ(株)
製、2液型エポキシ樹脂、XNR5002を、XNR5
002)を挟んで固定し硬化させた。このサンプルを歪
み速度1mm/分、支点間距離80mmの条件で引張強
度を測定し、強度の最大値を接着面積で割った値をエポ
キシ接着強度とした。 (4)ウエルド強度 ASTM 1号(厚み1mm)の成形品について成形品
の両端にゲートを有している成形品(成形品中心部にウ
エルド(樹脂会合部)あり)と成形品の片側にゲートを
有している成形品(ウエルドなし)を成形し、ASTM
D790に従い、ウエルドあり、なしの成形品の曲げ
強度を測定し、曲げウエルド強度保持率((ウエルドあ
りの曲げ強度/ウエルドなしの曲げ強度)×100
(%))を測定した。 (5)分散径 液晶性ポリエステル(B)中の熱可塑性樹脂(A)の数
平均分散径は、ASTM D790に従って作成した1
/8インチ曲げ試験片の中心部を流れ方向に切削して得
られた切片を電子透過型顕微鏡(TEM)により観察・
写真撮影し、分散粒子100個の平均値をそれぞれ数平
均分散径として求めた。なお、分散粒子径は長径方向で
測定した。 実施例1〜7、比較例1 表1に示した割合で日本製鋼所製TEX30型2軸押出
機を用いて熱可塑性樹脂(A)、液晶性ポリエステル
(B)をドライブレンドし、元から供給し、ガラス繊維
(9μm径、3mm長)を樹脂成分100重量部に対し
表1で示した量をサイドフィーダーから供給し、表1に
示すシリンダー温度で溶融混練してペレットとした。こ
のペレットを東芝IS55EPN射出成形機(東芝機械
(株)製)に供し、シリンダー温度を表1に示すシリン
ダー温度として、金型温度80℃の条件で各評価項目ご
との方法で試験片を成形した。
【0072】実施例7についてのみ熱可塑性樹脂
(A)、液晶性ポリエステル(B)をドライブレンド
し、元から供給し、ガラス繊維(9μm径、3mm長)
を樹脂成分100重量部に対し表1で示した量をサイド
フィーダーから供給し、330℃のシリンダー温度で溶
融混練してペレットとした。成形以降の操作は、上記と
同様に行った。
【0073】表1からも明らかなように本発明の組成物
は比較例に比べ、流動性、真円性に優れ、かつエポキシ
接着性、ウエルド強度に優れていることがわかる。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明の液晶性樹脂組成物は、流動性、
真円性、エポキシ接着性、ウエルド強度が均衡して優れ
ていることから円形構造部を有する成形品用途に好適な
材料である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
    脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれた1種以
    上の熱可塑性樹脂(A)0.5重量%以上40重量%未
    満と液晶性樹脂(B)99.5重量%以下60重量%超
    とからなる液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品であ
    って、円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分と(B)成分の合計100重量
    部に対してさらに充填材を0.5〜300重量部含有し
    てなる請求項1記載の円形構造部を有する成形品用液晶
    性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂(A)がポリフェニレンエー
    テル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2の
    いずれか記載の円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載の
    円形構造部を有する成形品用液晶性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか記載の円形構造部
    を有する成形品用液晶性樹脂組成物からなる成形品であ
    って、該成形品が円形構造部を有する液晶性樹脂成形
    品。
  6. 【請求項6】請求項5記載の成形品が自動車部品用途で
    ある液晶性樹脂成形品。
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