JP2005272810A - 芳香族液晶ポリエステルおよびそのフィルムならびにそれらの用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下式(I)、(II)、(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位からなり、これら(I)〜(IV)の合計に対して(I)が40〜74.8モル%、(II)が12.5〜30モル%、(III)が12.5〜30モル%および(IV)が0.2〜15モル%であり、かつ(III)および(IV)のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たす芳香族液晶ポリエステル。
(ここで、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に1,4−フェニレン、またはパラ位でつながるフェニレン数2以上の二価の残基から選ばれる基である。)
【選択図】 なし
Description
〔1〕下式(I)、(II)、(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位からなり、これら(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して(I)の繰り返し構造単位が40〜74.8モル%、(II)の繰り返し構造単位が12.5〜30モル%、(III)の繰り返し構造単位が12.5〜30モル%および(IV)の繰り返し構造単位が0.2〜15モル%であり、かつ(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たす芳香族液晶ポリエステルを提供するものであり、
(ここで、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に1,4−フェニレン、またはパラ位でつながるフェニレン数2以上の二価の残基から選ばれる基である。)
〔2〕前記の〔1〕に記載の芳香族液晶ポリエステルを溶融成形して得られる芳香族液晶ポリエステルフィルムを提供するものであり、
〔3〕前記の〔2〕に記載の芳香族液晶ポリエステルフィルムからなる絶縁層と金属層とを含む積層体を提供するものであり、
〔4〕前記の〔1〕に記載の芳香族液晶ポリエステル100重量部と充填剤10〜400重量部とを含む芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物を提供するものであり、
〔5〕前記の〔4〕に記載の芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られる成形体を提供するものである。
(ここで、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に1,4−フェニレン、またはパラ位でつながるフェニレン数2以上の二価の残基から選ばれる基である。)
さらに好ましくは前記の式(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して(I)の繰り返し構造単位が50〜58モル%、(II)の繰り返し構造単位が20〜25モル%、(III)の繰り返し構造単位が20〜25モル%および(IV)の繰り返し構造単位が2〜10モル%であり、かつ(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.6を満足するものが挙げられる。
(I)の繰り返し構造単位が40モル%未満では、芳香族液晶ポリエステルが溶融時に光学的異方性を示さない傾向があり、74.8モル%を超えると、芳香族液晶ポリエステルの溶融時の粘度が上昇し加工性が低下する傾向がある。また、(II)の繰り返し構造単位が30モル%を超えると、芳香族液晶ポリエステルが溶融時に光学的異方性を示さない傾向があり、12.5モル%未満であると芳香族液晶ポリエステルの溶融時の粘度が上昇し加工性が低下する傾向がある。また、(III)の繰り返し構造単位が30モル%を超えると、芳香族液晶ポリエステルが溶融時に光学的異方性を示さない傾向があり、12.5モル%未満であると芳香族液晶ポリエステルの溶融時の粘度が上昇し加工性が低下する傾向がある。また、(IV)の繰り返し構造単位が12モル%を超えたり、0.5モル%未満であると芳香族液晶ポリエステルの誘電損失が大きくなる傾向がある。さらに、(III)/{(III)+(IV)}の値が0.5未満では、芳香族液晶ポリエステルの誘電損失が大きくなる傾向がある。
芳香族ジオールのエステル形成性誘導体としては、カルボン酸類とのエステルであって、エステル交換反応によりポリエステルを生成するような誘導体となっているものが挙げられる。
これらの中で、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルが、得られる芳香族液晶ポリエステルの耐熱性が高められるためさらに好ましい。
これらの中で、テレフタル酸が芳香族液晶ポリエステルの耐熱性が高められ、かつフィルム加工時における溶融状態での張力が向上し、成形性が優れるため好ましい。
本発明の芳香族液晶ポリエステルの原料のうち、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとのモル比は、85/100〜100/85の範囲にすることが好ましい。
この範囲内であれば、得られる芳香族液晶ポリエステルの重合度が上がり、該芳香族液晶ポリエステルから得られる成形体の機械的強度が向上するので好ましい。
この様な2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および芳香族ジオールのフェノール性水酸基をアシル化する際に用いる脂肪酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸等が挙げられる。これらは2種類以上を混合して用いてもよい。
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物等でアシル化したもの、2,6-ナフタレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のカルボキシル基とを、エステル交換する工程により得ることができる。
次にこのエステル交換反応について説明する。
該窒素原子を2個以上含む複素環状化合物を用いた芳香族液晶ポリエステルの製造方法としては、特開2002−146003号公報に記載の方法が推奨される。
とりわけ、芳香族液晶ポリエステルの熱安定性の点から、反応温度300〜350℃で30分〜30時間反応させることが好ましく、反応温度300〜340℃で30分〜20時間反応させることがさらに好ましい。
Tダイのスリット間隔は、0.1〜2mmが好ましい。
本発明の芳香族液晶ポリエステルを環状スリットのダイを備えた溶融混練押し出し機に供給して、シリンダー設定温度を、通常、200〜400℃程度、好ましくは230〜380℃程度で溶融混練を行って、押し出し機の環状スリットから筒状の芳香族ポリエステルフィルムを上方または下方へ押し出す。環状スリットの間隔は、通常、0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環状スリットの直径は、通常、20〜1000mm、好ましくは25〜600mmである。
ブローアップ比(最終チューブ径と初期径の比)は、通常、1.5〜10である。
MD延伸倍率は、通常、1.5〜40であり、この範囲内であると厚さが均一でしわのない高強度の芳香族液晶ポリエステルフィルムを得る傾向にあることから好ましい。
膨張延伸させたフィルムは、空冷または水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取る。
インフレーション成膜に際しては、芳香族液晶ポリエステルの組成に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することが好ましい。
このようにして得られた芳香族液晶ポリエステルフィルムの厚みは、製膜性や機械特性の観点から、通常、0.5〜500μmであり、取り扱い性の観点から1〜100μmであることが好ましい。
フィラーとしては、例えば、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、スチレン樹脂などの有機系フィラー、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、カオリン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなどの無機フィラーなどが挙げられる。
添加剤としては、例えば、カップリング剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などが挙げられる。
本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムに金属層を積層することにより、芳香族液晶ポリエステルフィルムからなる絶縁層と金属層とからなる積層体を得ることができる。
(1)芳香族液晶ポリエステルフィルムを加熱圧着により金属箔に貼付する方法、
(2)芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔とを接着剤により貼付する方法、
(3)芳香族液晶ポリエステルフィルムに金属層を蒸着により形成する方法
等が挙げられる。
また、該積層体には、高強度発現の目的で、必要に応じて、熱処理を行ってもよい。
この芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物は上記の芳香族液晶ポリエステルと充填剤を含むものである。
ここで、上記の芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物に使用する充填剤としては、例えば、ミルドガラスファイバー、チョップドガラスファイバー等のガラス繊維、ガラスビーズ、中空ガラス球、ガラス粉末、マイカ、タルク、クレー、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウム、ウォラスナイト、炭酸カルシウム(重質、軽質、膠質等)、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸ソーダ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、けい酸カルシウム、けい砂、けい石、石英、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄グラファイト、モリブデン、アスベスト、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、炭素繊維、カーボンブラック、ホワイトカーボン、けいそう土、ベントナイト、セリサイト、シラス、黒鉛等の無機充填剤;チタン酸カリウムウイスカー、アルミナウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、炭化けい素ウイスカ、窒化けい素ウイスカ等の金属または非金属系ウイスカ類等が挙げられる。中でもガラス繊維、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭素繊維等が好適である。上記芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物には、上記の充填剤を2種類以上組み合わせて使用してもよい。
表面処理剤としてはシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ボラン系カップリング剤等の反応性カップリング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の潤滑剤等が挙げられる。
芳香族液晶ポリエステル、充填剤および添加剤等を乳鉢、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダー等を用いて予備混合した後、上記の同様に、添加、溶融混練、成形する方法、
芳香族液晶ポリエステル、充填剤および添加剤等を反応容器中に添加し混合する方法、
成形機中に芳香族液晶ポリエステル、充填剤および添加剤等を供給し、溶融混合しながら成形する方法等が挙げられる。
[流動開始温度測定法]
フローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて試料量約2gを内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターに充填させる。9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下において昇温速度4℃/分で芳香族ポリエステルをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度を流動開始温度とした。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸940.90g(5.0モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル512.08g(2.75モル、0.25モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸497.24g(2.3モル)、テレフタル酸33.23g(0.2モル)、無水酢酸1179.14(11.5モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.198gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌し、触媒である1−メチルイミダゾール5.94gをさらに添加した。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、273℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸940.90g(5.0モル)、ハイドロキノン302.80g(2.75モル、0.25モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸497.24g(2.3モル)、テレフタル酸33.23g(0.2モル)、無水酢酸1232.74(12.08モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で2時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、277℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、326℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸940.90g(5.0モル)、ハイドロキノン302.80g(2.75モル、0.25モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸432.38g(2.0モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1232.74(12.08モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で2時間15分保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、264℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で5時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、338℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰に使用
。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸443.19g(2.05モル)、テレフタル酸33.23g(0.2モル)、無水酢酸1226.87(12.1モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で3時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、282℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、349℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ハイドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87(11.9モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で3時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、261℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、330℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1129.08g(6.0モル)、ハイドロキノン242.24g(2.2モル、0.2モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸389.14g(1.8モル)、テレフタル酸33.23g(0.2モル)、無水酢酸1221.00(11.96モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で3時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、272℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、347℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1129.08g(6.0モル)、ハイドロキノン242.24g(2.2モル、0.2モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸324.29g(1.5モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1221.00(11.96モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で1時間15分保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、263℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、334℃であった。
実施例1と同様の反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 409g(2.2モル)、テレフタル酸 274g(1.65モル)、イソフタル酸91g(0.55モル)及び無水酢酸 1235g(12.1モル)を仕込んだ。室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
その後、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら3時間30分かけて305℃まで昇温した。同温度で1時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、255℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から290℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、336℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸987.95g(5.25モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル486.47g(2.612モル、0.237モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸513.45g(2.375モル)、無水酢酸1174.04(11.5モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.194gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌し、触媒である1−メチルイミダゾール5.83gをさらに添加した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で2時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、273℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から325℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、349℃であった。
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル460.87g(2.475モル、0.225モル過剰に使用。)、2,6−ナフタレンジカルボン酸486.43g(2.25モル)、無水酢酸1174.04(11.5モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.194gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌し、触媒である1−メチルイミダゾール5.82gをさらに添加した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間30分かけて昇温した。同温度で2時間保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、芳香族液晶ポリエステルの粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
この粉末(芳香族液晶ポリエステル)についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、273℃であった。
得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から325℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族液晶ポリエステル)をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、352℃であった。
得られたフィルムのそれぞれについて、誘電率、誘電損失をヒューレットパッカード(株)製インピーダンス・マテリアルアナライザーにより測定した。
得られたフィルムのそれぞれについて、280℃のH60Aハンダ(スズ60%、鉛40)に120秒浸漬し、フィルムの耐発泡性(ブリスター)を調べた。発泡が見られない場合を○とした。
実施例1〜7及び比較例1〜3の条件及び結果について、表1に取りまとめた。
POB:p―ヒドロキシ安息香酸
BON:2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸
DOD:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
HQ:ハイドロキノン
NDCA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
NI:1−メチルイミダゾール
Claims (6)
- 下式(I)、(II)、(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位からなり、これら(I)〜(IV)の繰り返し構造単位の合計に対して(I)の繰り返し構造単位が40〜74.8モル%、(II)の繰り返し構造単位が12.5〜30モル%、(III)の繰り返し構造単位が12.5〜30モル%および(IV)の繰り返し構造単位が0.2〜15モル%であり、かつ(III)および(IV)で表される繰り返し構造単位のモル比が(III)/{(III)+(IV)}≧0.5の関係を満たす芳香族液晶ポリエステル。
(ここで、Ar1およびAr2はそれぞれ独立に1,4−フェニレン、またはパラ位でつながるフェニレン数2以上の二価の残基から選ばれる基である。) - 芳香族液晶ポリエステルの流動開始温度が300〜400℃の範囲である請求項1に記載の芳香族液晶ポリエステル。
- 請求項1または2のいずれかに記載の芳香族液晶ポリエステルを溶融成形して得られる芳香族液晶ポリエステルフィルム。
- 請求項3に記載の芳香族液晶ポリエステルフィルムからなる絶縁層と金属層とを含む積層体。
- 請求項1または2のいずれかに記載の芳香族液晶ポリエステル100重量部と充填剤10〜400重量部とを含む芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項5に記載の芳香族液晶ポリエステル樹脂組成物を射出成形して得られる成形体。
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