JP2003192806A - ポリエステル系シート - Google Patents
ポリエステル系シートInfo
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Abstract
を有し、かつ透明性、二次加工性に優れたポリエステル
系シートを提供すること。 【解決手段】 ジオール構成単位とジカルボン酸構成単
位とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール
構成単位の10〜60モル%が環状アセタール骨格を有
するジオール単位であり、前記ジカルボン酸構成単位の
50〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸
単位であることを特徴とするポリエステル系シートであ
る。
Description
とジカルボン酸構成単位を有するポリエステル樹脂であ
って、前記ジオール構成単位の10〜60モル%が環状
アセタール骨格を有するジオール単位であり、ジカルボ
ン酸構成単位の50〜100モル%が2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸単位であるポリエステル樹脂を成形して
得られるポリエステル系シートに関し、詳しくは耐熱
性、透明性及び二次加工性に優れており、エクステリア
用途や食品用途などの素材として有用なポリエステル系
シート、及び該シートを成形して得られるポリエステル
系成形体に関する。
るポリエステル樹脂は、透明性、機械特性、耐薬品性等
の各種物性に優れているため、繊維、包装フィルム、食
品容器、医療用容器などの素材として、幅広く使用され
ている。これらの用途の中でも、近年、食品に向けた用
途は、小型飲料用ボトル、ブリスターパック等の真空成
形品、カップ状の射出成形品など、拡大傾向にある。
トは、ガラス転移温度が約80℃と低いため、上記食品
に向けた用途の中でも、高温での殺菌、内容物の高温充
填、電子レンジによる調理などの操作を施されることが
想定される加熱用食品容器の素材として用いるには耐熱
性が不足する。これに対して、金型内で結晶化させるこ
とによって、耐熱性を向上させた結晶性のポリエチレン
テレフタレートが提案されているが、上記結晶化により
白化するため、透明性に劣ったものとなる。
従来、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、
ポリアリレート、ポリプロピレンなどの樹脂が用いられ
てきた。しかしながら、ポリエチレンナフタレートでは
耐熱性がやや不足するとともに、シートから容器を成形
する際に白化が生ずるという問題点がある。一方、ポリ
カーボネート、ポリアリレートはモノマーなどの低分子
化合物が環境や人体に及ぼす影響が懸念されるといった
問題点があり、近年食品用途への利用は急激に減少して
いる。また、ポリプロピレンは、内容物の視認に必要な
透明性を有しておらず、蓋材などには利用できなかっ
た。
如き状況に鑑み、加熱用食品容器に用いることのできる
耐熱性を有し、且つ透明性、二次加工性に優れたポリエ
ステル系シートを提供することにある。
した結果、ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位と
を有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール構成
単位の10〜60モル%が環状アセタール骨格を有する
ジオール単位であり、前記ジカルボン酸構成単位の50
〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位
であるポリエステル樹脂を成形して得られるポリエステ
ル系シートが、加熱用食品容器に用いることのできる耐
熱性を有し、且つ透明性、二次加工性に優れることを見
出し、本発明に到達した。
する。本発明のポリエステル樹脂は、ジオール構成単位
(ジオール成分に由来する構成単位)とジカルボン酸構
成単位(ジカルボン酸成分に由来する構成単位)とを有
し、前記ジオール構成単位の10〜60モル%が環状ア
セタール骨格を有するジオール単位(環状アセタール骨
格を有するジオールに由来する構成単位)であり、ジカ
ルボン酸構成単位の50〜100モル%が2,6−ナフ
タレンジカルボン酸単位(2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸に由来する構成単位)であることを必須要件とす
る。該環状アセタール骨格を有するジオールとしては、
一般式(1):
(1)と(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立し
て、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の
脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群
から選ばれる有機基、好ましくはメチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性
体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基を表
す。R3は炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜
10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基から
なる群から選ばれる有機基、好ましくはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性
体、例えばイソプロピル基、イソブチル基を表す。一般
式(1)及び(2)の化合物としては、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン又
は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチ
ル−2−ヒドロキシエチル)1,3−ジオキサン等が特
に好ましい。
セタール骨格を有するジオール以外のジオールとして
は、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリ
メチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族ジオール類、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリ
コール等のポリエーテル化合物類、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,
3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカ
ヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナ
フタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレン
ジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノ
ール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノ
ール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロド
デカンジメタノール等の脂環式ジオール類、4,4’−
(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビ
スフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロ
ヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、
4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノール
S)等ビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキ
レンオキシド付加物、ヒドロキノン、レゾルシン、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物及び
芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物
等が例示できる。これらの化合物の中では特にエチレン
グリコールが好ましい。
2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸と
しては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジ
カルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシ
クロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及び
これらのエステル化物、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
が例示できる。
酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル化物を使用す
ると耐熱性を向上することができ好適である。
リエステル樹脂は、環状アセタール骨格を有するジオー
ル単位を10〜60モル%有することを必須とする。環
状アセタール骨格を有するジオール単位を前記の範囲と
することにより、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が
上昇し、結晶性が低下する。さらに、ポリエステル樹脂
のガラス転移温度の上昇により、本発明のポリエステル
系シートの耐熱性が向上し、ポリエステル樹脂の結晶性
の低下により、本発明のポリエステル系シートの加熱処
理時あるいは二次加工時の白化が抑制される。尚、環状
アセタール骨格を有するジオール単位が10モル%以上
の場合には、本発明のポリエステル系シートは充分な耐
熱性、二次加工性が得られ、60モル%以下の場合に十
分な耐衝撃性が得られる。
いるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸構成単位中に
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モ
ル%有する。この範囲とすることによって、充分な耐熱
性と機械特性が得られる。
なポリエステル樹脂は、ジオール構成単位中に、環状ア
セタール骨格を有するジオール単位を10〜60モル
%、及びエチレングリコール単位を40〜90モル%含
むジオール構成単位と、ジカルボン酸構成単位中に、
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位50〜100モル
%と2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の他の芳香族
ジカルボン酸単位0〜50モル%を含むジカルボン酸構
成単位からなるポリエステル樹脂である。上記構成をと
ることにより、本発明のポリエステル系シートは耐熱
性、透明性、二次加工性、機械的性能に特に優れたもの
となる。
る方法は特に制限はなく、従来公知の方法を適用するこ
とができる。例えばエステル交換法、直接エステル化法
等の溶融重合法、又は溶液重合法等を挙げることができ
る。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防
止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤
等も従来既知のものを用いることが出来る。
度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタン
との質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定
値)は0.3〜1.5dl/gであることが好ましく、
より好ましくは0.5〜1.2dl/gである。極限粘
度が上記0.3dl/g以上の場合に充分な機械強度が
発現し、上記1.5dl/g以下の場合に良好な成形性
が得られる。
ガラス転移温度は、示差走査型熱量計で測定されるガラ
ス転移温度(Tgm:DSC曲線の転移前後における基
線の差の1/2だけ変化した温度)で120℃以上であ
ることが好ましく、より好ましくは130℃以上であ
る。ガラス転移温度が120℃以上の場合に本発明のポ
リエステル系シートあるいはポリエステル系成形体の十
分な耐熱性が得られる。
示差走査型熱量計で測定される降温時の結晶化発熱ピー
クが4J/g以下であることが好ましく、より好ましく
は2J/g以下である。結晶化発熱ピークが4J/g以
下の場合に本発明のポリエステル系シートの結晶性が高
くなりすぎず、二次成形時に白化を生ずるのを防止する
ことができる。
リエステル樹脂を押出し成形、カレンダー成形など従来
既知の方法で製造できる。更には共押出法、共押出ラミ
ネート法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等の
公知の積層化技術を用いて、多層シートとすることがで
きる。またこれらの積層化のために樹脂間に適した接着
剤、あるいは接着性樹脂を用いることもできる。
は酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、
活剤、繊維状もしくは板状無機強化剤などの各種添加
剤、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リオレフィン、エラストマーなどの樹脂を適宜添加して
も良い。
過率は、厚さ0.8mmのシートをASTM D100
3に基づき測定される値で、好ましくは87%以上であ
る。全光線透過率が87%以上の場合の場合、視認性が
十分となり、実用的価値が向上する。
熱性は、0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅
方向を横として、縦、横100mmの正方形試験片を切
り出し、この試験片をオーブン内で30分加熱し、加熱
後の縦及び横方向の収縮率が5%を越えない最高温度
(以下「耐熱温度」という)で評価した場合に、この耐
熱温度が110℃以上であることが好ましく、さらに1
20℃以上であることがより好ましい。該耐熱温度が1
10℃以上の場合、電子レンジによる加熱や、熱水など
の処理による変形を防止することができる。
途により異なり、例えば、食品容器向けシート等では
0.1〜0.9mm、建材、商品ディスプレイ用等の厚
物シートでは1mm以上の厚みで使用される。
途では例えば、自動販売機電照板、ショーケース、屋外
看板、カーポート等のエクステリア用途、各種産業機械
カバー、風防、間仕切り板等に使用することができる。
また、食品用途として、例えば、殺菌、滅菌が必要とさ
れる透明容器、耐熱透明飲料用カップ、惣菜トレー、再
加熱を要する容器、蓋材、電子レンジ関連部品等が挙げ
られる。その他の分野では、クリアケース/クリアボッ
クス(折り曲げ加工成形品)、自動車アクセサリー、半
導体装置治工具用素材、電灯カバー、ブリスター、赤道
直下を越えるような輸出製品等が挙げられる。
ポリエステル系シートを圧空成形法、真空成形法、プラ
グアシスト成形法等従来既知の方法で成形することによ
り得られる。従来、ポリエチレンナフタレート(PE
N)のシートを上記の方法で成形した場合には、得られ
る成形体は白化することがあったが、本発明のポリエス
テル系シートは二次加工性に優れるため白化せず、透明
な成形体が得られる。
90℃の熱水を充填して蓋をした後、当該成形体を90
℃の熱水中に30分間浸漬処理したときの容積収縮率が
1%以下であり、同様の処理を97℃の熱水を使用して
行ったときの容積収縮率が2%以下であることが好まし
い。このような耐熱性を有するものは、高温での殺菌、
内容物の高温充填、電子レンジによる調理などの操作を
施されることが想定される加熱用食品容器の素材として
好適に用いることができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
造例、比較製造例で得られたポリエステル樹脂の評価方
法は以下の通りである。 (1)ガラス転移温度 ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgm)は(株)
島津製作所製、示差走査型熱量計(DSC/TA−50
WS)を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密
封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中昇
温速度20℃/minで測定し、DSC曲線の転移前後
における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転
移温度とした。
後、280℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速
度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から測定し
た。
ノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶
媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、濾過後、
25℃まで冷却して調製した。装置は(株)柴山科学機
械製作所製、毛細管粘度計自動測定装置(SS−300
−L1)を用い、温度25℃で測定を行った。
例1〜6及び比較例1〜3で得られたポリエステル系シ
ートの評価方法は以下の通りである。 (1)耐熱性 0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅方向を横
として、縦、横100mmの正方形試験片を切り出し、
この試験片をオーブン内で30分加熱し、加熱後の縦及
び横方向の収縮率が5%を越えない最高温度を耐熱温度
とした。
1003に準じて0.8mm厚のシートを測定した。使
用した測定装置は、日本電色工業社製「曇価測定装置
(型式:COH−300A)」である。
に準じて測定した。0.8mm厚のシートを48時間調
湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。
使用した測定装置は、日本電色工業社製「曇価測定装置
(型式:COH−300A)」である。
として、縦、横100mmの正方形試験片を切り出し測
定試料とした。測定装置は、パーカーコーポレーション
社製「落錘衝撃測定試験機」を用い、錘の形状は直径2
cmの半球、衝撃エネルギーは470Jで落錘衝撃破断
強度の測定を行った。
例7〜12及び比較例4〜6におけるポリエステル成形
体の評価方法は以下の通りである。 (1)成形性 成形した成形体の形状及び透明性について外観により判
断した。成形体を20個成形したうち、金型形状通りに
成形されており、屈曲部分に白化が生じず、透明性も有
しているものの個数で評価した。
ぞれ充填し、成形体のフランジ部に蓋材をヒートシール
した後、熱水と同じ温度である90℃と97℃の熱水中
にそれぞれ30分間浸漬後、成形体の容量を測定し、容
量保持率を計算した。計算式を以下に示す。 容量保持率(%)=[(熱水処理後容量)/(熱水充填
前容量)]×100
ステル樹脂の合成) 第1表に原料モノマーとして記載するジカルボン酸成分
とジオール成分をモル比1:1になるよう加えた後、更
に当該ジオールと等モルのエチレングリコールを加え、
更にジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四
水和物0.03モルを添加して、窒素雰囲気下で200
℃迄昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの
留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカル
ボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)
0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モル
を加え、昇温と減圧を徐々に行い、エチレングリコール
を留出させながら、最終的に280℃、0.1kPa以
下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応
を終了し、ポリエステル樹脂を得た。評価結果を第1表
に示す。
ジメチル *2 DMT ; テレフタル酸ジメチル *3 SPG ; 3,9−ビス(1,1−ジメチル
−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5.5〕ウンデカン *4 EG ; エチレングリコール *5 DOG ; 5−メチロール−5−エチル−2
−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3
−ジオキサン
リエステル樹脂を用いて65mm押出機にて押出し、単
層ダイスを用いて、シート厚み約0.8mmの単層シー
トを製造した。実施例6ではイソフタル酸10モル%変
性ポリエチレンテレフタレートをコア層原料に、製造例
1のポリエステル樹脂をスキン層原料として多層シート
を製造した。製造方法はコア層原料を65mm押出機を
用いて押出し、一方、スキン層原料を30mm押出機を
用いて押出し、マルチマニホールドタイプのダイを用い
て2種3層の多層シート(多層シート厚み:約0.8m
m、スキン層厚み:約100μm)を作成した。評価結
果を第2表に示す。
系シートを圧縮成形(熱成形)してフランジ部を有する
成形体を作成した。各種評価は以下に示す方法によって
行った。結果を第3表に示す。
性、透明性及び二次成形性に優れており、エクステリア
用途や食品用途などの有用な素材として用いることがで
き、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (8)
- 【請求項1】 ジオール構成単位とジカルボン酸構成単
位とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール
構成単位の10〜60モル%が環状アセタール骨格を有
するジオール単位であり、前記ジカルボン酸構成単位の
50〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸
単位であるポリエステル樹脂を成形して得られるポリエ
ステル系シート。 - 【請求項2】 環状アセタール骨格を有するジオールが
一般式(1): 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜
10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭
素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機
基を表す。)又は一般式(2): 【化2】 (式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜1
0の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素
数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基
を表す。)で表される請求項1に記載のポリエステル系
シート。 - 【請求項3】 環状アセタール骨格を有するジオールが
3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチ
ル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕
ウンデカン、又は5−メチロール−5−エチル−2−
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3−
ジオキサンである請求項2に記載のポリエステル系シー
ト。 - 【請求項4】 前記ジオール構成単位が環状アセタール
骨格を有するジオール単位10〜60モル%とエチレン
グリコール単位40〜90モル%を含み、かつ前記ジカ
ルボン酸構成単位が2,6−ナフタレンジカルボン酸単
位50〜100モル%と2,6−ナフタレンジカルボン
酸以外の他の芳香族ジカルボン酸単位0〜50モル%を
含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
ポリエステル系シート。 - 【請求項5】 前記ポリエステル樹脂が、下記の(1)
〜(3)に記載する物性を有することを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系シート。 (1)極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラ
クロロエタンとの質量比が6:4の混合溶媒を用いた2
5℃での測定値)が0.3〜1.5dl/gである。 (2)示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が
120℃以上である。 (3)示差走査型熱量計で測定される降温時の結晶化発
熱ピークが4J/g以下である。 - 【請求項6】 下記の(1)及び(2)に記載する物性
を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載のポリエステル系シート。 (1)厚さ0.8mmのシートの全光線透過率が87%
以上である。 (2)0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅方
向を横として、縦、横100mmの正方形試験片を切り
出し、この試験片をオーブン内で30分加熱したとき、
加熱後の縦及び横方向の収縮率が5%を越えない最高温
度が110℃以上である。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエ
ステル系シートを成形して得られるポリエステル系成形
体。 - 【請求項8】 前記ポリエステル系成形体の内部に90
℃の熱水を充填して蓋をした後、当該成形体を90℃の
熱水中に30分間浸漬処理したときの容積収縮率が1%
以下であり、同様の処理を97℃の熱水を使用して行っ
たときの容積収縮率が2%以下である請求項7に記載の
ポリエステル系成形体。
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