JP2003192806A - ポリエステル系シート - Google Patents

ポリエステル系シート

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JP2003192806A
JP2003192806A JP2001391958A JP2001391958A JP2003192806A JP 2003192806 A JP2003192806 A JP 2003192806A JP 2001391958 A JP2001391958 A JP 2001391958A JP 2001391958 A JP2001391958 A JP 2001391958A JP 2003192806 A JP2003192806 A JP 2003192806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱用食品容器に用いることのできる耐熱性
を有し、かつ透明性、二次加工性に優れたポリエステル
系シートを提供すること。 【解決手段】 ジオール構成単位とジカルボン酸構成単
位とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール
構成単位の10〜60モル%が環状アセタール骨格を有
するジオール単位であり、前記ジカルボン酸構成単位の
50〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸
単位であることを特徴とするポリエステル系シートであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジオール構成単位
とジカルボン酸構成単位を有するポリエステル樹脂であ
って、前記ジオール構成単位の10〜60モル%が環状
アセタール骨格を有するジオール単位であり、ジカルボ
ン酸構成単位の50〜100モル%が2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸単位であるポリエステル樹脂を成形して
得られるポリエステル系シートに関し、詳しくは耐熱
性、透明性及び二次加工性に優れており、エクステリア
用途や食品用途などの素材として有用なポリエステル系
シート、及び該シートを成形して得られるポリエステル
系成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステル樹脂は、透明性、機械特性、耐薬品性等
の各種物性に優れているため、繊維、包装フィルム、食
品容器、医療用容器などの素材として、幅広く使用され
ている。これらの用途の中でも、近年、食品に向けた用
途は、小型飲料用ボトル、ブリスターパック等の真空成
形品、カップ状の射出成形品など、拡大傾向にある。
【0003】しかしながら、ポリエチレンテレフタレー
トは、ガラス転移温度が約80℃と低いため、上記食品
に向けた用途の中でも、高温での殺菌、内容物の高温充
填、電子レンジによる調理などの操作を施されることが
想定される加熱用食品容器の素材として用いるには耐熱
性が不足する。これに対して、金型内で結晶化させるこ
とによって、耐熱性を向上させた結晶性のポリエチレン
テレフタレートが提案されているが、上記結晶化により
白化するため、透明性に劣ったものとなる。
【0004】また、上記加熱用食品容器の素材としては
従来、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、
ポリアリレート、ポリプロピレンなどの樹脂が用いられ
てきた。しかしながら、ポリエチレンナフタレートでは
耐熱性がやや不足するとともに、シートから容器を成形
する際に白化が生ずるという問題点がある。一方、ポリ
カーボネート、ポリアリレートはモノマーなどの低分子
化合物が環境や人体に及ぼす影響が懸念されるといった
問題点があり、近年食品用途への利用は急激に減少して
いる。また、ポリプロピレンは、内容物の視認に必要な
透明性を有しておらず、蓋材などには利用できなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記の
如き状況に鑑み、加熱用食品容器に用いることのできる
耐熱性を有し、且つ透明性、二次加工性に優れたポリエ
ステル系シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位と
を有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール構成
単位の10〜60モル%が環状アセタール骨格を有する
ジオール単位であり、前記ジカルボン酸構成単位の50
〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸単位
であるポリエステル樹脂を成形して得られるポリエステ
ル系シートが、加熱用食品容器に用いることのできる耐
熱性を有し、且つ透明性、二次加工性に優れることを見
出し、本発明に到達した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のポリエステル樹脂は、ジオール構成単位
(ジオール成分に由来する構成単位)とジカルボン酸構
成単位(ジカルボン酸成分に由来する構成単位)とを有
し、前記ジオール構成単位の10〜60モル%が環状ア
セタール骨格を有するジオール単位(環状アセタール骨
格を有するジオールに由来する構成単位)であり、ジカ
ルボン酸構成単位の50〜100モル%が2,6−ナフ
タレンジカルボン酸単位(2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸に由来する構成単位)であることを必須要件とす
る。該環状アセタール骨格を有するジオールとしては、
一般式(1):
【0008】
【化3】
【0009】又は一般式(2):
【化4】
【0010】で表される化合物が好ましい。一般式
(1)と(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立し
て、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の
脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群
から選ばれる有機基、好ましくはメチレン基、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性
体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基を表
す。R3は炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜
10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基から
なる群から選ばれる有機基、好ましくはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性
体、例えばイソプロピル基、イソブチル基を表す。一般
式(1)及び(2)の化合物としては、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)2,4,
8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン又
は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチ
ル−2−ヒドロキシエチル)1,3−ジオキサン等が特
に好ましい。
【0011】本発明に用いるポリエステル樹脂の環状ア
セタール骨格を有するジオール以外のジオールとして
は、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリ
メチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族ジオール類、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリ
コール等のポリエーテル化合物類、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,
3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカ
ヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナ
フタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレン
ジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノ
ール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノ
ール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロド
デカンジメタノール等の脂環式ジオール類、4,4’−
(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビ
スフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロ
ヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、
4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノール
S)等ビスフェノール類及びビスフェノール類のアルキ
レンオキシド付加物、ヒドロキノン、レゾルシン、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物及び
芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物
等が例示できる。これらの化合物の中では特にエチレン
グリコールが好ましい。
【0012】また、本発明に用いるポリエステル樹脂の
2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸と
しては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジ
カルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシ
クロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及び
これらのエステル化物、テレフタル酸、イソフタル酸、
フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
が例示できる。
【0013】上記ジカルボン酸の中でも、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル化物を使用す
ると耐熱性を向上することができ好適である。
【0014】本発明のポリエステル系シートに用いるポ
リエステル樹脂は、環状アセタール骨格を有するジオー
ル単位を10〜60モル%有することを必須とする。環
状アセタール骨格を有するジオール単位を前記の範囲と
することにより、ポリエステル樹脂のガラス転移温度が
上昇し、結晶性が低下する。さらに、ポリエステル樹脂
のガラス転移温度の上昇により、本発明のポリエステル
系シートの耐熱性が向上し、ポリエステル樹脂の結晶性
の低下により、本発明のポリエステル系シートの加熱処
理時あるいは二次加工時の白化が抑制される。尚、環状
アセタール骨格を有するジオール単位が10モル%以上
の場合には、本発明のポリエステル系シートは充分な耐
熱性、二次加工性が得られ、60モル%以下の場合に十
分な耐衝撃性が得られる。
【0015】また、本発明のポリエステル系シートに用
いるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸構成単位中に
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モ
ル%有する。この範囲とすることによって、充分な耐熱
性と機械特性が得られる。
【0016】本発明のポリエステル系シートに特に好適
なポリエステル樹脂は、ジオール構成単位中に、環状ア
セタール骨格を有するジオール単位を10〜60モル
%、及びエチレングリコール単位を40〜90モル%含
むジオール構成単位と、ジカルボン酸構成単位中に、
2,6−ナフタレンジカルボン酸単位50〜100モル
%と2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の他の芳香族
ジカルボン酸単位0〜50モル%を含むジカルボン酸構
成単位からなるポリエステル樹脂である。上記構成をと
ることにより、本発明のポリエステル系シートは耐熱
性、透明性、二次加工性、機械的性能に特に優れたもの
となる。
【0017】本発明に用いるポリエステル樹脂を製造す
る方法は特に制限はなく、従来公知の方法を適用するこ
とができる。例えばエステル交換法、直接エステル化法
等の溶融重合法、又は溶液重合法等を挙げることができ
る。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防
止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤
等も従来既知のものを用いることが出来る。
【0018】本発明に用いるポリエステル樹脂の極限粘
度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタン
との質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定
値)は0.3〜1.5dl/gであることが好ましく、
より好ましくは0.5〜1.2dl/gである。極限粘
度が上記0.3dl/g以上の場合に充分な機械強度が
発現し、上記1.5dl/g以下の場合に良好な成形性
が得られる。
【0019】また、本発明に用いるポリエステル樹脂の
ガラス転移温度は、示差走査型熱量計で測定されるガラ
ス転移温度(Tgm:DSC曲線の転移前後における基
線の差の1/2だけ変化した温度)で120℃以上であ
ることが好ましく、より好ましくは130℃以上であ
る。ガラス転移温度が120℃以上の場合に本発明のポ
リエステル系シートあるいはポリエステル系成形体の十
分な耐熱性が得られる。
【0020】更に、本発明に用いるポリエステル樹脂は
示差走査型熱量計で測定される降温時の結晶化発熱ピー
クが4J/g以下であることが好ましく、より好ましく
は2J/g以下である。結晶化発熱ピークが4J/g以
下の場合に本発明のポリエステル系シートの結晶性が高
くなりすぎず、二次成形時に白化を生ずるのを防止する
ことができる。
【0021】本発明のポリエステル系シートは所定のポ
リエステル樹脂を押出し成形、カレンダー成形など従来
既知の方法で製造できる。更には共押出法、共押出ラミ
ネート法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等の
公知の積層化技術を用いて、多層シートとすることがで
きる。またこれらの積層化のために樹脂間に適した接着
剤、あるいは接着性樹脂を用いることもできる。
【0022】本発明のポリエステル系シートの製造時に
は酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、
活剤、繊維状もしくは板状無機強化剤などの各種添加
剤、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リオレフィン、エラストマーなどの樹脂を適宜添加して
も良い。
【0023】本発明のポリエステル系シートの全光線透
過率は、厚さ0.8mmのシートをASTM D100
3に基づき測定される値で、好ましくは87%以上であ
る。全光線透過率が87%以上の場合の場合、視認性が
十分となり、実用的価値が向上する。
【0024】また、本発明のポリエステル系シートの耐
熱性は、0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅
方向を横として、縦、横100mmの正方形試験片を切
り出し、この試験片をオーブン内で30分加熱し、加熱
後の縦及び横方向の収縮率が5%を越えない最高温度
(以下「耐熱温度」という)で評価した場合に、この耐
熱温度が110℃以上であることが好ましく、さらに1
20℃以上であることがより好ましい。該耐熱温度が1
10℃以上の場合、電子レンジによる加熱や、熱水など
の処理による変形を防止することができる。
【0025】本発明のポリエステル系シートの厚さは用
途により異なり、例えば、食品容器向けシート等では
0.1〜0.9mm、建材、商品ディスプレイ用等の厚
物シートでは1mm以上の厚みで使用される。
【0026】本発明のポリエステル系シートは、建材用
途では例えば、自動販売機電照板、ショーケース、屋外
看板、カーポート等のエクステリア用途、各種産業機械
カバー、風防、間仕切り板等に使用することができる。
また、食品用途として、例えば、殺菌、滅菌が必要とさ
れる透明容器、耐熱透明飲料用カップ、惣菜トレー、再
加熱を要する容器、蓋材、電子レンジ関連部品等が挙げ
られる。その他の分野では、クリアケース/クリアボッ
クス(折り曲げ加工成形品)、自動車アクセサリー、半
導体装置治工具用素材、電灯カバー、ブリスター、赤道
直下を越えるような輸出製品等が挙げられる。
【0027】本発明のポリエステル系成形体は本発明の
ポリエステル系シートを圧空成形法、真空成形法、プラ
グアシスト成形法等従来既知の方法で成形することによ
り得られる。従来、ポリエチレンナフタレート(PE
N)のシートを上記の方法で成形した場合には、得られ
る成形体は白化することがあったが、本発明のポリエス
テル系シートは二次加工性に優れるため白化せず、透明
な成形体が得られる。
【0028】また、前記ポリエステル系成形体の内部に
90℃の熱水を充填して蓋をした後、当該成形体を90
℃の熱水中に30分間浸漬処理したときの容積収縮率が
1%以下であり、同様の処理を97℃の熱水を使用して
行ったときの容積収縮率が2%以下であることが好まし
い。このような耐熱性を有するものは、高温での殺菌、
内容物の高温充填、電子レンジによる調理などの操作を
施されることが想定される加熱用食品容器の素材として
好適に用いることができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
【0030】〔ポリエステル樹脂の評価方法〕下記の製
造例、比較製造例で得られたポリエステル樹脂の評価方
法は以下の通りである。 (1)ガラス転移温度 ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgm)は(株)
島津製作所製、示差走査型熱量計(DSC/TA−50
WS)を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密
封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中昇
温速度20℃/minで測定し、DSC曲線の転移前後
における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転
移温度とした。
【0031】(2)降温時結晶化発熱ピーク 降温時結晶化発熱ピークは、上記ガラス転移温度を測定
後、280℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速
度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から測定し
た。
【0032】(3)極限粘度 極限粘度測定の試料はポリエステル樹脂0.5gをフェ
ノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶
媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、濾過後、
25℃まで冷却して調製した。装置は(株)柴山科学機
械製作所製、毛細管粘度計自動測定装置(SS−300
−L1)を用い、温度25℃で測定を行った。
【0033】〔ポリエステル系シートの評価方法〕実施
例1〜6及び比較例1〜3で得られたポリエステル系シ
ートの評価方法は以下の通りである。 (1)耐熱性 0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅方向を横
として、縦、横100mmの正方形試験片を切り出し、
この試験片をオーブン内で30分加熱し、加熱後の縦及
び横方向の収縮率が5%を越えない最高温度を耐熱温度
とした。
【0034】(2)全光線透過率 全光線透過率は、JIS−K−7105、ASTM D
1003に準じて0.8mm厚のシートを測定した。使
用した測定装置は、日本電色工業社製「曇価測定装置
(型式:COH−300A)」である。
【0035】(3)曇価(ヘイズ) 曇価は、JIS−K−7105、ASTM D1003
に準じて測定した。0.8mm厚のシートを48時間調
湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。
使用した測定装置は、日本電色工業社製「曇価測定装置
(型式:COH−300A)」である。
【0036】(4)耐衝撃性 0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅方向を横
として、縦、横100mmの正方形試験片を切り出し測
定試料とした。測定装置は、パーカーコーポレーション
社製「落錘衝撃測定試験機」を用い、錘の形状は直径2
cmの半球、衝撃エネルギーは470Jで落錘衝撃破断
強度の測定を行った。
【0037】〔ポリエステル系成形体の評価方法〕実施
例7〜12及び比較例4〜6におけるポリエステル成形
体の評価方法は以下の通りである。 (1)成形性 成形した成形体の形状及び透明性について外観により判
断した。成形体を20個成形したうち、金型形状通りに
成形されており、屈曲部分に白化が生じず、透明性も有
しているものの個数で評価した。
【0038】(2)耐熱水性 ポリエステル系成形体中に90℃と97℃の熱水をそれ
ぞれ充填し、成形体のフランジ部に蓋材をヒートシール
した後、熱水と同じ温度である90℃と97℃の熱水中
にそれぞれ30分間浸漬後、成形体の容量を測定し、容
量保持率を計算した。計算式を以下に示す。 容量保持率(%)=[(熱水処理後容量)/(熱水充填
前容量)]×100
【0039】製造例1〜5、比較製造例1〜3(ポリエ
ステル樹脂の合成) 第1表に原料モノマーとして記載するジカルボン酸成分
とジオール成分をモル比1:1になるよう加えた後、更
に当該ジオールと等モルのエチレングリコールを加え、
更にジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四
水和物0.03モルを添加して、窒素雰囲気下で200
℃迄昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの
留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカル
ボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)
0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モル
を加え、昇温と減圧を徐々に行い、エチレングリコール
を留出させながら、最終的に280℃、0.1kPa以
下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応
を終了し、ポリエステル樹脂を得た。評価結果を第1表
に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 *1 NDCM ; 2,6−ナフタレンジカルボン酸
ジメチル *2 DMT ; テレフタル酸ジメチル *3 SPG ; 3,9−ビス(1,1−ジメチル
−2−ヒドロキシエチル)2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5.5〕ウンデカン *4 EG ; エチレングリコール *5 DOG ; 5−メチロール−5−エチル−2
−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3
−ジオキサン
【0042】実施例1〜6、比較例1〜3 実施例1〜5及び比較例1〜3では、第2表に記載のポ
リエステル樹脂を用いて65mm押出機にて押出し、単
層ダイスを用いて、シート厚み約0.8mmの単層シー
トを製造した。実施例6ではイソフタル酸10モル%変
性ポリエチレンテレフタレートをコア層原料に、製造例
1のポリエステル樹脂をスキン層原料として多層シート
を製造した。製造方法はコア層原料を65mm押出機を
用いて押出し、一方、スキン層原料を30mm押出機を
用いて押出し、マルチマニホールドタイプのダイを用い
て2種3層の多層シート(多層シート厚み:約0.8m
m、スキン層厚み:約100μm)を作成した。評価結
果を第2表に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】実施例7〜12、比較例4〜6 実施例1〜6及び比較例1〜3で製造したポリエステル
系シートを圧縮成形(熱成形)してフランジ部を有する
成形体を作成した。各種評価は以下に示す方法によって
行った。結果を第3表に示す。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】本発明のポリエステル系シートは、耐熱
性、透明性及び二次成形性に優れており、エクステリア
用途や食品用途などの有用な素材として用いることがで
き、本発明の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 章二郎 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA44X AA45X AA46X AF30Y AF45Y AF54Y AF61Y AH03 AH04 AH05 AH07 AH12 AH17 BA01 BB04 BB06 BC01 4J029 AA03 AC01 AC02 AD01 AD07 AD08 AD10 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA08 BA10 BB04A BB05A BB12A BB13A BC04A BC05A BD00 BD07A BD09A BD10 BE05A BF09 BF24 BF25 BF30 BH02 CA02 CA04 CA05 CB06A CB06B CB10A CC03A CC05A CD03 CD07 DB13 HA01 HB01 JB171 JC581 JE181 JF471 JF541

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジオール構成単位とジカルボン酸構成単
    位とを有するポリエステル樹脂であって、前記ジオール
    構成単位の10〜60モル%が環状アセタール骨格を有
    するジオール単位であり、前記ジカルボン酸構成単位の
    50〜100モル%が2,6−ナフタレンジカルボン酸
    単位であるポリエステル樹脂を成形して得られるポリエ
    ステル系シート。
  2. 【請求項2】 環状アセタール骨格を有するジオールが
    一般式(1): 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜
    10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭
    素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機
    基を表す。)又は一般式(2): 【化2】 (式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜1
    0の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素
    数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基
    を表す。)で表される請求項1に記載のポリエステル系
    シート。
  3. 【請求項3】 環状アセタール骨格を有するジオールが
    3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチ
    ル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕
    ウンデカン、又は5−メチロール−5−エチル−2−
    (1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)1,3−
    ジオキサンである請求項2に記載のポリエステル系シー
    ト。
  4. 【請求項4】 前記ジオール構成単位が環状アセタール
    骨格を有するジオール単位10〜60モル%とエチレン
    グリコール単位40〜90モル%を含み、かつ前記ジカ
    ルボン酸構成単位が2,6−ナフタレンジカルボン酸単
    位50〜100モル%と2,6−ナフタレンジカルボン
    酸以外の他の芳香族ジカルボン酸単位0〜50モル%を
    含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    ポリエステル系シート。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステル樹脂が、下記の(1)
    〜(3)に記載する物性を有することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系シート。 (1)極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラ
    クロロエタンとの質量比が6:4の混合溶媒を用いた2
    5℃での測定値)が0.3〜1.5dl/gである。 (2)示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が
    120℃以上である。 (3)示差走査型熱量計で測定される降温時の結晶化発
    熱ピークが4J/g以下である。
  6. 【請求項6】 下記の(1)及び(2)に記載する物性
    を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のポリエステル系シート。 (1)厚さ0.8mmのシートの全光線透過率が87%
    以上である。 (2)0.8mm厚のシートから、押出方向を縦、幅方
    向を横として、縦、横100mmの正方形試験片を切り
    出し、この試験片をオーブン内で30分加熱したとき、
    加熱後の縦及び横方向の収縮率が5%を越えない最高温
    度が110℃以上である。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のポリエ
    ステル系シートを成形して得られるポリエステル系成形
    体。
  8. 【請求項8】 前記ポリエステル系成形体の内部に90
    ℃の熱水を充填して蓋をした後、当該成形体を90℃の
    熱水中に30分間浸漬処理したときの容積収縮率が1%
    以下であり、同様の処理を97℃の熱水を使用して行っ
    たときの容積収縮率が2%以下である請求項7に記載の
    ポリエステル系成形体。
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JP2006077070A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 熱間充填用ポリエステル樹脂構造体
JP2006241446A (ja) * 2005-02-02 2006-09-14 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリエステルフィルム、及びその製造方法、ならびにその用途
WO2010098111A1 (ja) * 2009-02-25 2010-09-02 富士フイルム株式会社 ポリエステル樹脂、並びに、これを用いた光学材料、フィルムおよび画像表示装置

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