JP4439778B2 - 熱収縮フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は環状アセタール骨格を有するジオール及び/又は環状アセタール骨格を有するジカルボン酸、炭素数2〜10のアルキレンジオール、芳香族ジカルボン酸を共重合したポリエステル樹脂を用いた、低温収縮性、耐ピンホール性、耐衝撃性、透明性が良好な熱収縮フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱収縮フィルムは従来、熱による収縮率の大きい、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンからなる延伸フィルムが主に使用され、容器、瓶、缶棒状物などの被覆、保護あるいは結束に広く用いられている。
【0003】
近年これに対して、安全衛生性、耐薬品性などの面から、ポリエステル系の熱収縮フィルムが要望されている。しかし汎用ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある)の熱収縮フィルムは耐ピンホール性、耐衝撃性、耐熱水性、耐熱性に劣るため、種々の変性PETが提案されている。例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールで変性されたPET(特開昭57−42726号公報)やネオペンチルグリコールで変性されたPET(特公昭63−156833号公報)等が開示されているが、これらの熱収縮フィルムはPETの熱収縮フィルムに比べて耐衝撃性は改善されたものの、耐ピンホール性や、熱水処理により白化するなど耐熱水性、耐熱性が不十分であるという問題があった。
【0004】
また2,6−ナフタレンジカルボン酸で変性されたPETからなる熱収縮フィルムが提案されている(例えば特開2001−26659号公報)が、この熱収縮フィルムはPETに比べ耐衝撃性、耐熱水性、耐熱性は改善されたものの、70〜100℃といった比較的低い温度領域での収縮性が悪く、使用条件に制限があり、更には樹脂が高価であるという問題があった。また、耐ピンホール性の優れたポリエステル系熱収縮フィルムは提案されていない。
【0005】
このように低温収縮性、耐ピンホール性、耐衝撃性、透明性をバランス良く兼ね備えたポリエステル系熱収縮フィルムはこれまで提案されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の従来技術の問題点に鑑み、低温収縮性、耐ピンホール性、耐衝撃性、透明性に優れた熱収縮フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述の目的を達成するために鋭意検討の結果、環状アセタール骨格を有するジオール及び/又は環状アセタール骨格を有するジカルボン酸、炭素数2〜10のアルキレンジオール、芳香族ジカルボン酸を共重合したポリエステル樹脂から得られる熱収縮フィルムが、優れた低温収縮性、耐ピンホール性、耐衝撃性、透明性を有することを見い出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち、本発明は、環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位を1〜50モル%含むジカルボン酸構成単位及び/又は環状アセタール骨格を有するジオール単位を1〜50モル%含むジオール構成単位を有し、ジカルボン酸構成単位の50〜99モル%が芳香族ジカルボン酸単位であり、ジオール構成単位の50〜99モル%が炭素数2〜10のアルキレンジオール単位であり、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒中25℃で測定した極限粘度が0.3〜1.5dl/gであり、示差走査型熱量計で測定したガラス転移温度が60℃以上85℃未満であるポリエステル樹脂を用いてなる熱収縮フィルムを提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリエステル樹脂は、環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位(環状アセタール骨格を有するジカルボン酸に由来する構成単位)を1〜50モル%含むジカルボン酸構成単位及び/又は環状アセタール骨格を有するジオール単位(環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位)を1〜50モル%含むジオール構成単位、炭素数2〜10のアルキレンジオール単位、及び芳香族ジカルボン酸単位を含むポリエステル樹脂である。ジカルボン酸構成単位は脂肪族ジカルボン酸単位を、ジオール構成単位は後述するポリエーテル化合物類、脂環式ジオール類、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等に由来する構成単位を更に含んでいてもよい。
【0010】
本発明に用いられる環状アセタール骨格を有するジオールとしては一般式(1):
【化5】
Figure 0004439778
又は一般式(2):
【化6】
Figure 0004439778
で表される化合物が好ましい。一般式(1)と(2)において、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基を表す。R3は炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピル基、イソブチル基を表す。一般式(1)及び(2)の化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
【0011】
環状アセタール骨格を有するジカルボン酸としては、一般式(3):
【化7】
Figure 0004439778
又は一般式(4):
【化8】
Figure 0004439778
で表される化合物が好ましい。一般式(3)及び(4)において、R3は前記と同様であり、R4及びR5はそれぞれ独立して炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基を表す。R6およびR7はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基、好ましくは水素原子あるいはメチル基を表す。一般式(3)及び(4)の化合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−カルボキシ−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
【0012】
本発明に用いられるポリエステル樹脂は、環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位及び/又は環状アセタール骨格単位を有するジオールを導入することにより、ガラス転移温度が上昇する。また同時に熱収縮フィルムに可とう性が付与され、屈曲時の耐ピンホール性、耐衝撃性をも向上することが見出された。
【0013】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の環状アセタール骨格を有するジオール単位、又は環状アセタール骨格を有するジカルボン酸単位の含有割合は、それぞれジオール構成単位、ジカルボン酸構成単位の1〜50モル%であり、好ましくは5〜40モル%、更に好ましくは10〜30モル%である。1モル%未満では熱収縮フィルムへの可とう性の付与が十分得られないことがあり、屈曲時の耐ピンホール性、耐衝撃性の向上効果が十分ではないことがあり好ましくない。また、50モル%を越えると70〜100℃といった比較的低い温度領域での収縮性が悪くなることがあり、好ましくない。
【0014】
本発明に用いられる環状アセタール骨格を有するジオール以外のジオールとしては、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物等が例示できる。
【0015】
本発明において、環状アセタール骨格を有するジオール以外のジオールとして、炭素数2〜10のアルキレンジオールを用いるのが好ましい。炭素数2〜10のアルキレンジオールとしては、特に制限は無いが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等が例示できる。本発明に用いられるポリエステル樹脂の機械的性能、経済性等の面から特にエチレングリコールが好ましい。ジオール構成単位中のエチレングリコール単位の割合を好ましくは10〜98モル%、より好ましくは30〜80モル%、特に好ましくは50〜80モル%とすることで上記効果は一層顕著になる。また、本発明に用いられるポリエステル樹脂のジオール構成単位は、1,4−ブタンジオール単位を含むのが好ましい。1,4−ブタンジオール単位を含むことで熱収縮フィルムに低温収縮性が付与される。ジオール構成単位の1,4−ブタンジオール単位の割合は好ましくは1〜40モル%であり、より好ましくは5〜35モル%、特に好ましくは10〜30モル%である。1モル%未満では熱収縮フィルムへの低温収縮性の改善効果が十分でないことがあり、40モル%を超えると、熱収縮フィルムの耐熱性を損なったり、保管時に熱収縮フィルムが自然に収縮してしまうことがあり好ましくない。なお、エチレングリコール単位、1,4−ブタンジオール単位、及びその他の炭素数2〜10のアルキレングリコール単位の合計は、ジオール構成単位の50〜99モル%である。
【0016】
また本発明に用いられる環状アセタール骨格を有するジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。本発明に用いられるポリエステル樹脂の機械的性能の面から芳香族ジカルボン酸及びこのエステル形成性誘導体が好ましく、特にテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。ジカルボン酸構成単位中に占める芳香族ジカルボン酸単位の割合は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。上記割合とすることにより、本発明に用いられるポリエステル樹脂は耐熱性、機械的性能がより優れたものとなる。
【0017】
本発明に用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度は60℃以上85℃未満、好ましくは65℃以上80℃以下である。ガラス転移温度が60℃未満では熱収縮フィルムの保管中に自然に収縮してしまうことがあり好ましくない。また、ガラス転移温度が85℃以上では比較的低い温度での収縮性が損なわれることがあり好ましくない。
【0018】
本発明に用いられるポリエステル樹脂の極限粘度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比が6:4の混合溶媒中25℃で測定)は好ましくは0.3〜1.5dl/gの範囲であり、より好ましくは0.5〜1.2dl/g、更に好ましくは0.6〜1.0dl/gの範囲である。0.3未満ではフィルムの強度が不十分となることがあり、1.5を越えると成形性が劣ることがあり好ましくない。
【0019】
本発明に用いられるポリエステル樹脂には本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類やトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコール、安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を原料モノマーとして用いることもできる。
【0020】
更に用途に応じて各種の成形助剤や添加剤、例えばフィラー、着色剤、補強剤、表面平滑剤、レベリング剤、硬化反応促進剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、可塑剤、酸化防止剤、増量剤、つや消し剤、乾燥調節剤、帯電防止剤、沈降防止剤、界面活性剤、流れ改良剤、乾燥油、ワックス類、熱可塑性オリゴマー等を含むこともできる。
【0021】
本発明で用いられるポリエステル樹脂を製造する方法に特に制限はなく、従来公知の方法を適用することが出来る。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法または溶液重合法を挙げることが出来る。エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、また重合に用いる重合触媒、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従来既知のものを用いることが出来る。エステル交換触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエステル化触媒として、マンガン、コバルト、亜鉛、チタン、カルシウム等の化合物、またエーテル化防止剤としてアミン化合物等が例示される。重縮合触媒としてはゲルマニウム、アンチモン、スズ、チタン等の化合物が例示される。また熱安定剤としてリン酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸等の各種リン化合物を加えることも有効である。その他光安定剤、耐電防止剤、滑剤、酸化防止剤、離型剤等を加えても良い。また、直接エステル化法において、スラリー性改善のために水を加えても良い。
【0022】
本発明の熱収縮フィルムを得る方法としては特に制限されるものではないが、押し出し成形やカレンダー成形等の公知の方法でフィルムを製膜し、一方向に1.1〜7倍、好ましくは2〜6倍、特に好ましくは2.5〜5倍に延伸し、該方向と直角方向にそれぞれ1.1〜7倍、好ましくは2〜6倍、特に好ましくは2.5〜5倍に延伸する。前者は熱収縮率を得るための延伸であり、後者は最初の一方向に延伸されたフィルムの耐衝撃性や引き裂き抵抗性を改善するのに有効である。
【0023】
フィルムの延伸手段としては、ロール延伸、長間隙延伸、テンター延伸などの方法が適用でき、また、延伸時の形状においてもフラット状、チューブ状等の方法が適用できる。更に、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、一軸延伸あるいはこれらの組み合わせなどで行われる。このようにして作製した延伸フィルムに寸法安定性を付与するために30〜150℃の加熱ゾーンを1〜30秒通し、熱処理を行ってもよい。また、熱処理の際、最高70%の伸長をかけても良い。特に収縮方向に伸長し、直角方向に緩和させるのが好ましい。
【0024】
本発明の熱収縮フィルムは70〜100℃といった比較的低い温度領域での収縮性に優れ、70℃における熱収縮率が20%以上、100℃における熱収縮率が40%以上である。
【0025】
本発明の熱収縮フィルムは熱収縮後の耐ピンホール性が良好であり、屈曲試験後のピンホールの数が5.0個/m2以下である。屈曲試験後のピンホールの数が5.0個/m2以下であることにより、輸送時に加わる摩擦や外力でフィルムが破けて、外観不良を引き起こすことを防ぐことができる。
【0026】
本発明の熱収縮フィルムは熱収縮後の耐衝撃性が良好であり、衝撃穴あけ試験での衝撃強度が4000kg・cm/cm以上である。衝撃穴あけ試験での衝撃強度が4000kg・cm/cm以上であることにより、輸送時に加わる摩擦や外力でフィルムが破けて、外観不良を引き起こすことを防ぐことができる。
【0027】
本発明の熱収縮フィルムは、熱収縮後の厚さ15μmのフィルムのヘーズが3%以下である。熱収縮後のヘーズが3%以下であることにより、外観を美しく保つことができる。
【0028】
本発明の熱収縮フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、1〜600μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜400μm、更に好ましくは10〜200μmである。
【0029】
本発明の熱収縮フィルムは容器、ガラス瓶、プラスチックボトル、缶、パイプ等棒状物、蛍光管、コンデンサー等の電気・電子部品等の被覆用として、特にこれらのキャップ、肩部、胴部の一部又は全部を被覆し、表示、保護、結束、商品価値向上を目的として用いられるフィルム用途に適している。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
【0031】
1.樹脂の評価
(1)極限粘度
混合溶媒(質量比:フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=6/4)を用いて25℃恒温下で測定した。
(2)ガラス転移温度
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は島津製作所製DSC/TA−50WSを使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中昇温速度20℃/minで測定し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転移温度とした。
【0032】
2.熱収縮フィルムの評価
(1)熱収縮性
熱収縮フィルムに、50mm間隔に線を縦横3本ずつ引き、所定温度の温水中に無荷重で30秒間入れ、収縮率を次式により算出した。なお、表中押し出し方向をMD方向、押し出し方向と直角の方向をTD方向と記載する。
収縮率(%)={(La−Lb)/La}×100
La:熱収縮前の線の間隔(50mm)
Lb:熱収縮後の線の間隔
(2)衝撃穴あけ試験での衝撃強度
97℃の温水中に無荷重で30秒間入れて熱収縮させた後のフィルムをJISP813、ASTM D781に準じて測定した。測定機器は、東洋精機(株)製パンクチャー テスターを使用した。測定回数は5回、測定条件は、温度23℃、相対湿度50%で行った。
(3)耐ピンホール性
97℃の温水中に無荷重で30秒間入れて熱収縮させた後のフィルムを理学工業(株)製ゲルボーフレックスで、200回屈曲させた後、ゲルボーフレックスの軸方向を測定方向としてピンホールテスター(微弱電流測定法)でピンホールの数を測定した。測定回数は5回、測定電圧は1.0kVで行った。
(4)ヘーズ
厚さ15μmのフィルムを、97℃の温水中に無荷重で30秒間入れて熱収縮させた後、JIS−K−7105、ASTM D1003に準じて測定した。測定装置は、日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)を使用した。
【0033】
実施例1〜5、比較例1〜4
[樹脂の合成]
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、攪拌翼、加熱装置、窒素導入管を備えた150リットル(L)のポリエステル製造装置に表1〜3に記載の量のモノマーを仕込み、酢酸マンガン四水和物をジカルボン酸成分に対して0.03モル%加え、常圧、窒素雰囲気下で昇温した。200℃まで昇温し、エステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率を90モル%以上とした後、ジカルボン酸成分に対して0.02モル%の三酸化アンチモンと0.06モル%のリン酸トリメチルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に270〜300℃、0.1kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応物の粘度が上昇し、適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂を得た。
【0034】
[熱収縮フィルムの作製]
得られたポリエステル樹脂を押し出し成形により、シリンダー温度250〜280℃、ダイ温度250〜280℃、ロール温度75〜80℃の条件で、厚さ約0.2mmの未延伸シートを作製した。次に該未延伸シートをガラス転移温度より10〜20℃高い温度で3.6×3.6倍に同時二軸延伸を行い、厚さ15μmの二軸延伸フィルムを得た。
これらの結果を表1〜3に示す。
【0035】
尚、表中の略記の意味は下記の通りである。
DMT:テレフタル酸ジメチル
DMI:イソフタル酸ジメチル
NDCM:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル
SPD:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン
DOD:5−カルボキシ−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−カルボキシキシエチル)−1,3−ジオキサン
EG:エチレングリコール
BD:1,4−ブタンジオール
SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン
DOG:5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン
【0036】
Figure 0004439778
【0037】
Figure 0004439778
【0038】
Figure 0004439778
【0039】
【発明の効果】
本発明で用いられる樹脂から得られる熱収縮フィルムは低温収縮性、耐ピンホール性、耐衝撃性、透明性など、優れた性能を兼ね備えており本発明の工業的意義は大きい。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)または一般式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来する単位を1〜50モル%含むジオール構成単位を有し、ジオール構成単位の50〜99モル%が炭素数2〜10のアルキレンジオール単位であり、ジオール構成単位の1〜40モル%が1,4―ブタンジオールに由来する単位であり、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来する単位であり、フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの質量比6:4の混合溶媒中25℃で測定した極限粘度が0.3〜1.5dl/gであり、示差走査型熱量計で測定したガラス転移温度が60℃以上85℃未満であるポリエステル樹脂を用いてなる、70℃、30秒の熱処理での収縮率が20%以上であり、かつ100℃、30秒の熱処理での収縮率が40%以上である熱収縮フィルム。
    Figure 0004439778
    (式中、RおよびRはそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
    Figure 0004439778
    (式中、Rは前記と同様であり、Rは炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
  2. ジオール構成単位のうち、環状アセタール骨格を有するジオールに由来する単位と1,4−ブタンジオールに由来する単位以外が炭素数2〜10のアルキレンジオールに由来する単位である、請求項1記載の熱収縮フィルム。
  3. 環状アセタール骨格を有するジオールが3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンである請求項1または2に記載の熱収縮フィルム。
  4. 芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1の化合物である請求項1ないし3のいずれかに記載の熱収縮フィルム。
  5. アルキレンジオールがエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1の化合物である請求項2ないし4のいずれかに記載の熱収縮フィルム。
  6. 下記の(1)ないし(3)の物性を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の熱収縮フィルム。
    (1)熱収縮後の屈曲試験後のピンホールの数が5.0個/m2 以下。
    (2)熱収縮後の衝撃穴あけ試験での衝撃強度が4000kg・cm/cm以上。
    (3)熱収縮後の厚さ1.5μmのフィルムのHAZEが3%以下。
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