JP2004182756A - ポリエステルシートおよびその成形品 - Google Patents

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Shuji Ishiwatari
修二 石渡
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
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Abstract

【課題】加工後、または成形後に良好な透明性および耐熱性を有し、かつ優れた耐酸素透過性を有するポリエステルシートおよびその成形品を提供すること。
【解決手段】動的粘弾性のtanδピークトップ温度が60℃以上、ピークトップ値が0.15〜0.50、厚さ200μmでの初期ヘイズ値が20%以下、80℃で30分熱処理した後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以下および20℃における酸素透過度が3.0×10 mol/m・s・Pa以下であるポリエステルシートおよびその成形品。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルシートおよびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレ−トに代表されるポリエステル樹脂は、機械特性、耐薬品性、透明性、ガスバリヤー性等に優れるとともに、環境ホルモン等の有害物質を排出する恐れがなく環境、人体への安全性も高いことから、衣料、食品、医療等の種々の分野において幅広く利用されている。その中でも特に、食品分野においては、小型飲料用ボトルをはじめとして、ブリスターパックやカップ等、ポリエステル樹脂を成形して得られる食品容器が急速に普及している。
【0003】
ところで、食品容器では、内容物の高温殺菌や、内容物の高温充填を行うためには80℃以上、電子レンジで使用する場合には140℃程度の耐熱温度が必要である。しかしながら、従来のポリエステル樹脂からなる食品容器の耐熱温度は50〜65℃程度と低く、このため、高温充填が困難となり、食品の製造工程が複雑化するという問題があり、ポリエステル樹脂の用途が限定されていた。
【0004】
そこで、従来からポリエステル樹脂の耐熱性向上を目的として研究が行われてきている。
【0005】
例えば、特許文献1には、成形時の金型温度をガラス転移温度以上とし、金型内で結晶化させることによりポリエステル樹脂からなる耐熱容器を製造する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、金型内で結晶化させる必要があるため、成形サイクルが長く成形効率が低くなるとともに、結晶化による白化が著しく、さらに成形条件によって耐熱性が変化するため、所望の耐熱性を有する耐熱容器を安定して製造することが困難である。
【0007】
なお、上記用途に使用されるその他の樹脂としてはポリスチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。しかし、ポリスチレンは、モノマーやダイマー等低分子量物の環境・人体への影響が懸念され、耐熱性についても十分ではなく、また、食品容器としたときの、商品陳列時の積み重ね荷重にも耐えうるだけの十分な強度を有していないという問題点がある。ポリプロピレンについてはガスバリヤー性が不十分なことがあり、そのため内容物を長期保存したい場合には適さず、またポリスチレンと同様、耐熱性についても十分ではないという問題点がある。そこで、衛生性やガスバリヤー性に優れたポリエステル樹脂の耐熱性改良を図ることが望ましい。
【0008】
【特許文献1】
特開昭59−5019号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、加工後、または成形後に良好な透明性および耐熱性を有し、かつ優れた耐酸素透過性を有するポリエステルシートおよびその成形品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、動的粘弾性のtanδピークトップ温度が60℃以上、ピークトップ値が0.15〜0.50、厚さ200μmでの初期ヘイズ値が20%以下、80℃で30分熱処理した後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以下および20℃における酸素透過度が3.0×10 mol/m・s・Pa以下であるポリエステルシートおよびその成形品にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルシートの動的粘弾性のtanδピークトップ温度は60℃以上である。より好ましくは65℃以上であり、さらに好ましくは68℃以上である。動的粘弾性のtanδピークトップの温度が60℃未満であると、透明性が不十分になることがある。
【0012】
本発明のポリエステルシートの動的粘弾性のおよびピークトップ値は0.15〜0.50の範囲にある。より好ましくは0.25〜0.45の範囲であり、さらに好ましくは0.35〜0.45の範囲である。ピークトップ値が、0.15未満であると透明性が不足かつ成形性が劣り、0.50を超えると成形性が劣る。
【0013】
本発明のポリエステルシートの厚さ200μmでの初期ヘイズ値は20%以下である。初期ヘイズは、10%以下が好ましく、さらに好ましくは5%である。初期ヘイズが20%を超えると容器とした時の内容物視認性が劣る。
【0014】
本発明のポリエステルシートの80℃で30分熱処理後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理後のヘイズ値の変化は20%以下である。また、ヘイズ値の変化は10%以下が好ましく、さらに好ましくは5%である。このヘイズ値の変化が20%を超えると、電子レンジ加熱後等熱処理後の透明性が劣る。
【0015】
本発明のポリエステルシートの20℃における酸素透過度は3.0×10 mol/ m・s・Pa以下である。酸素透過度は、より好ましくは2.0×10 mol/ m・s・Pa以下である。酸素透過度が3.0×10 mol/ m・s・Pa以下であれば、容器とした時に内容物の酸素による劣化が著しく小さくなり,賞味期限の延長が可能になる。
【0016】
本発明に使用されるポリエステル樹脂のジカルボン酸成分の例としては、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のベンゼン環もしくはナフタレン環に直接カルボシキル基を2つ有している芳香族ジカルボン酸、その他p−(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−ジカルボキシフェニ−ル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニ−ル)エタンあるいはこれらのメチル、エチル、プロピル等のアルキルエステルが挙げられる。
【0017】
本発明に使用されるポリエステル樹脂のグリコール成分の例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ−ル、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ビスフェノ−ルAエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0018】
本発明に使用されるポリエステル樹脂の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸をジカルボン酸成分とし、テトラメチレングリコール、ポリエーテルグリコールをグリコール成分するポリエステル樹脂が挙げられ、他のポリエステル樹脂との混合物して使用されることもある。
【0019】
本発明に使用されるポリエステル樹脂の重合は、公知のエステル交換法やエステル化法の重合方法によって製造される。エステル交換法では、テトラメチレングリコ−ル等の全グリコール成分が、テレフタル酸のエステル形成性誘導体等の、全酸成分に対してモル比で1.2〜1.6倍となるように反応容器内に仕込み、単位モノマー中の炭素数が2以上であるポリエーテルグリコールおよび、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン等の酸化安定剤を添加し、テトラブトキシチタン等の触媒の存在下で150〜220℃まで徐々に加熱して十分にエステル交換反応を行った後、−0.7kPa以下の減圧下で230〜260℃に加熱し、2〜5時間縮合重合した後、ストランド状で水槽中に吐出し、ストランドカッターにてチップ状にカットしたものを速やかに乾燥してチップに付着した水分を取り除くことによって、本発明に使用されるポリエステル樹脂を得ることができる。
【0020】
また、エステル化法では、テトラメチレングリコ−ル等の全グリコール成分が、テレフタル酸等の全酸成分に対してモル比で1.2〜1.6倍となるように反応容器内に仕込み、単位モノマー中の炭素数が2以上であるポリエーテルグリコールおよび、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン等の酸化安定剤を添加し、窒素で加圧した状態で徐々に150〜220℃まで加熱して十分にエステル化反応を行った後、−0.7kPa以下の減圧下で230〜260℃に加熱し、2〜5時間縮合重合した後、ストランド状で水槽中に吐出し、ストランドカッターにてチップ状にカットしたものを速やかに乾燥してチップに付着した水分を取り除くことによって、本発明に使用されるポリエステル樹脂を得ることができる。
【0021】
本発明に使用されるポリエステル樹脂を製造する際に使用されるその他の触媒は、エステル交換触媒として酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等が挙げられ、重合触媒として三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、チタンテトラブトキシド、ジブチルスズオキシド等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppmの範囲で添加される。
【0022】
本発明のポリエステルシートまたは成形品は、公知の手法により製造される。
【0023】
ポリエステルシートは、押出法やカレンダー法などにより製造され、例えば押出法ではポリエステル樹脂単独や2種以上のポリエステル樹脂のドライブレンド物、またはこれらを押出機により溶融混練した後チップ化した樹脂組成物を、ギヤポンプ、Tダイ、冷却用チルロール、巻き取り装置を備えた押出機に投入し、一般的な条件にて製膜することで得ることができる。本発明のポリエステルシートは、単層、多層どちらでも良く、シール性、耐衝撃性等を改良した樹脂を表層に使用することもできる。膜厚は特に限られるものではないが、20μm〜1mm程度の範囲で実用的に使用される。また、成形品は、ポリエステルシートを公知の方法にて真空、圧空、プレス成形するなどして得ることができる。
【0024】
本発明のポリエステル成形品の動的粘弾性のtanδピークトップが60以上、ピークトップ値が0.15〜0.40、80℃で30分熱処理後の収縮率が2%以下、140℃で30分熱処理後の収縮率が5%以下および20℃における酸素透過度は3.0×10 mol/ m・s・Pa以下であることが好ましい。
【0025】
ポリエステル成形品の動的粘弾性のtanδピークトップが60未満の場合には、耐熱性が劣る。ポリエステル成形品の動的粘弾性のtanδのピークトップ値が0.15未満の場合は、透明性が悪くなり、0.4を超えると耐熱性が劣る。80℃で30分熱処理後の収縮率が2%を超える場合には、耐熱性が劣る。同様に、140℃で30分熱処理後の収縮率が5%を超える場合には、耐熱性が劣る。また、酸素透過度が3.0×10 mol/ m・s・Pa以下であれば、容器とした時に内容物の酸素による劣化が著しく小さくなり,賞味期限の延長が可能になる。
【0026】
さらに本発明のポリエステルシートには、必要に応じて酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、繊維状および板状無機強化剤等の添加剤ならびにポリカ−ボネ−ト、ポリメチルメタクリレ−ト、ポリオレフィン樹脂等、他の成分を配合することができる。
【0027】
本発明のポリエステル成形品は、内容物の高温殺菌や内容物の高温充填、電子レンジでの使用が可能で、品質保持期限が延長可能な食品容器として好適である。
【0028】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0029】
【実施例】
ポリエステル樹脂(1)
ジメチルテレフタレート(以下DMTとする)95モル部、ジメチルイソフタレート5モル部((以下DMI)とテトラメチレングリコ−ル(以下BDO)137.6モル部、ポリテトラメチレングリコール(Mw:1000 ;以下PTMG)を2.4モル部、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.50質量%となるように添加し、220℃となったところでテトラブトキシチタンを対酸成分に対して600ppm(1.5質量%BDO溶液)を精留塔および攪拌装置を備えた反応容器に入れ、攪拌を行いながら220℃まで徐々に昇温した。留出するメタノールを系外に排出しながらエステル交換反応を行った後、重縮合反応容器に移し真空度−0.2kPa以下、245℃で3時間縮合重合を行い所定の攪拌トルクに至ったところで、ストランド状で水槽中に吐出したものを、ストランドカッターにてチップ化し、これを所定の温度、時間にて乾燥してポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 1.04dl/gであった。
【0030】
ポリエステル樹脂(2)
DMT90モル部、DMI10モル部、BDO138.8モル部、PTMG1.2モル部、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.25質量%とした以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 0.98dl/gであった。
【0031】
ポリエステル樹脂(3)
DMT70モル部、DMI30モル部、BDO138.8モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(2)と同様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 0.97dl/gであった。
【0032】
ポリエステル樹脂(4)
DMT87モル部、DMI13モル部、BDO131.9モル部、PTMG9.1モル部、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー1.50質量%とした以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 1.14dl/gであった。
【0033】
ポリエステル樹脂(5)
DMT100モル部、DMIを添加せず、BDO140モル部、PTMGを添加せず、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを添加せずとした以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ1.01dl/gであった。
【0034】
ポリエステル樹脂(6)
DMT95モル部、DMI5モル部、BDO138.8モル部、TMG1.2モル部、トラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.25質量%とした以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 1.15dl/gであった。
【0035】
ポリエステル樹脂(7)
DMT100モル部、DMIを添加せず、BDO133.8モル部、CHDM5モル部、PTMG1.2モル部、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを対ポリマー0.25質量%とした以外は、ポリエステル樹脂(1)と同様にしてポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 1.09dl/gであった。
【0036】
ポリエステル樹脂(8)
テレフタル酸(以下TPA)84モル部、イソフタル酸(以下IPA)16モル部、エチレングリコ−ル(以下EG)150モル部を精留塔および攪拌装置を備えた反応容器に入れ、攪拌を行いながら窒素で加圧した状態で徐々に260℃まで昇温した。留出する水を系外に排出しながらエステル化を行い、重縮合反応容器に移した後、正リン酸を対酸成分にして30ppm(10質量%EG溶液)添加した。5分経過後、重合触媒として3酸化アンチモンを対酸成分にして350ppm(1.5質量%EG溶液)添加し、重縮合反応容器に移し真空度−0.2kPa以下、285℃で3時間縮合重合を行い所定の攪拌トルクに至ったところで、ストランド状で水槽中に吐出したものを、ストランドカッターにてチップ化し、これを所定の温度、時間にて乾燥してポリエステル樹脂を得た。これについて、固有粘度を測定したところ 0.77dl/gであった。
【0037】
ポリエステル樹脂(9)
TPA100モル部、IPAを添加せず、EG137モル部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDM) 13モル部とした以外はポリエステル樹脂(8)と同様にして行った。これについて、固有粘度を測定したところ 0.76dl/gであった。
【0038】
ポリエステル樹脂(10)
TPA100モル部、IPAを添加せず、EG135モル部、ネオペンチルグリコール(以下NPG) 15モル部とした以外はポリエステル樹脂(8)と同様にして行った。これについて、固有粘度を測定したところ 0.78dl/gであった。
【0039】
ポリエステル樹脂(11)
TPA100モル部、IPAを添加せず、EG150モル部とした以外はポリエステル樹脂(8)と同様にして行った。これについて、固有粘度を測定したところ 0.78dl/gであった。
【0040】
ポリエステル樹脂(12)
TPA100モル部、IPAを添加せず、EG134モル部、CHDM16モル部とした以外はポリエステル樹脂(8)と同様にして行った。これについて、固有粘度を測定したところ 0.77dl/gであった。
【0041】
表1に、ポリエステル(1)〜(12)の組成および固有粘度を示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004182756
(実施例1)
ポリエステル樹脂(1)を、押出製膜機(サーモプラスチック工業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温度250℃、チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0043】
さらにこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度75℃、金型温度140℃で、上部径63mm、底部径41mm、高さ20mmのカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0044】
(実施例2)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(1)/ポリエステル樹脂(8)(60質量%/40質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0045】
さらにこのシートを、実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0046】
(実施例3)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(1)/ポリエステル樹脂(9)(70質量%/30質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0047】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0048】
(実施例4)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(2)/ポリエステル樹脂(10)(70質量%/30質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0049】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0050】
(実施例5)
イーストマンケミカル社製PETG#6763からのシート層に対して、実施例2のシート層が1/4になるように比率を調整した押出製膜機(サーモプラスチック工業(株)、40mm単軸押出機)にて樹脂温250℃、チルロール温度25℃にて製膜し、厚さ200μmのポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0051】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0052】
(実施例6)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(6)/ポリエステル樹脂(8)(60質量%/40質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0053】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0054】
(実施例7)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(6)/ポリエステル樹脂(12)(60質量%/40質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0055】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0056】
(実施例8)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(7)/ポリエステル樹脂(12)(60質量%/40質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0057】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0058】
(実施例9)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(7)/ポリエステル樹脂(8)(60質量%/40質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートの熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度が小さく良好であった。
【0059】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。この成形品は、熱処理後の収縮および酸素透過度ともに小さく良好であった。
【0060】
(比較例1)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(5)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の変化は小さく良好であったが、tanδピークトップ値が低かった。
【0061】
さらにこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度50℃とした以外は実施例1と同様にしてカップ形状の成形品の成形を試みたが、伸度不足のため良好な成形品を得ることはできなかった。
【0062】
(比較例2)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(5)/ポリエステル樹脂(11)(60質量%/40質量%)を用いたことおよび樹脂温280℃としたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートのtanδピークトップ値が高く、ヘイズ値は処理後の変化が大きかった。
【0063】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形を試みたが金型離型せず、金型温度を下げても良好な成形品を得ることはできなかった。
【0064】
(比較例3)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(1)/ポリエステル樹脂(8)(30質量%/70質量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートのtanδピークトップ値が高く、シート熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度ともに大きかった。
【0065】
さらにこのシートを真空成形機にて、シート加熱温度80℃とした以外は実施例1と同様にしてカップ形状の成形品を得た。成形品は熱処理後の収縮が極めて大きく,容器として用をなすものではなかった。
【0066】
(比較例4)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(3)/ポリエステル樹脂(8)(60質量%/40質量%)を用いたことおよびチルロール温度を5℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートのtanδピークトップ値が高く、シート熱処理後のヘイズ値の増加および酸素透過度ともに大きかった。
【0067】
さらにこのシートを実施例1と同様にしてカップ形状の成形を試みたが金型離型せず、金型温度を下げても良好な成形品を得ることはできなかった。
【0068】
(比較例5)
ポリエステル樹脂(1)の代わりにポリエステル樹脂(4)/ポリエステル樹脂(8)(70質量%/30質量%)を用いたことおよびチルロール温度を5℃とした以外は実施例1と同様にして、ポリエステルシートを得た。シートのヘイズ値は処理後の増加は小さく良好であったが、tanδピークトップ値が低かった。
【0069】
さらにこのシートを、実施例1と同様にしてカップ形状の成形を試みたが金型離型せず、金型温度を下げても良好な成形品を得ることはできなかった。
【0070】
表2に実施例および比較例の評価結果を示す。
【0071】
【表2】
Figure 2004182756
[評価項目、評価方法]
以下に、評価項目および評価方法について説明する。
【0072】
(樹脂組成分析)
各ポリエステル樹脂について熱分解クロマトグラフィ−、およびアルカリ分解物についての高速液体クロマトグラフィ−により、樹脂組成について分析を行った結果を表1に示した。
【0073】
(動的粘弾性)
JIS K7244−4に準拠し、セイコー電子工業(株)製DMS200を用いて、ポリエステルシート(膜厚200μm)または成形品底部を幅5mm、長さ40mmに切り出した試験片について、調温、調湿の後、10Hz、毎分2℃の昇温速度にて、0℃から160℃まで測定を行い、得られたチャートよりtanδのピークトップ値およびその温度を読みとった。
【0074】
(初期ヘイズ値、ヘイズ値の増加)
JIS K7105に準拠し、調温、調湿の後、23℃において、初期値、80℃で30分熱処理後および140℃で30分熱処理後のポリエステルシート(膜厚200μm)についてヘイズ値の測定を行った。
【0075】
初期ヘイズ値は10%以下であったものを良好な透明性を有していると判定した。
【0076】
また、80℃で30分熱処理後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化を算出し、下記の判定基準に基づいて判定を行った。
【0077】
判定基準
○ : 80℃で30分熱処理後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以下であった。
【0078】
× : 80℃で30分熱処理後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%より大きかった。
【0079】
(収縮率)
熱処理前のポリエステル成形品と、80℃で30分熱処理後と140℃で30分熱処理後のポリエステル成形品について、それぞれ、調温、調湿の後、23℃において、水を完全に充填した時の容量を処理前後について測定し、下記式に基づいて、収縮率を算出した。
【0080】
「収縮率」= (「熱処理前の容量」 −「熱処理後の容量」) / 「熱処理前の容量」 × 100・・・(1)
80℃での熱処理後については収縮率2%以下、140℃の熱処理後については収縮率5%以下であったものを耐熱性が良好であると判定した。
【0081】
(酸素透過度)
JIS K7126に準拠し、Mocon社製酸素透過度測定装置を用いて,ポリエステルシート(膜厚200μm)または成形品底部を切り出した試験片について、調温、調湿の後、23℃において測定を行った。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、良好な成形性を有し、成形後に良好な透明性を有および耐熱性を有するポリエステルシート、およびポリエステル成形品を提供することができる。
【0083】
本発明のポリエステル成形品は、内容物の高温殺菌や内容物の高温充填、電子レンジでの使用が可能で、品質保持期限が延長可能な食品容器として好適である。

Claims (3)

  1. 動的粘弾性のtanδピークトップ温度が60℃以上、ピークトップ値が0.15〜0.50、厚さ200μmでの初期ヘイズ値が20%以下、80℃で30分熱処理した後のヘイズ値に対する140℃で30分熱処理した後のヘイズ値の変化が20%以下および20℃における酸素透過度が3.0×10 mol/m・s・Pa以下であるポリエステルシート。
  2. 請求項1記載のポリエステルシートを熱成形して得られるポリエステル成形品であって、動的粘弾性のtanδピークトップが60以上、ピークトップ値が0.15〜0.40、80℃で30分熱処理後の収縮率が2%以下、140℃で30分熱処理後の収縮率が5%以下およびおよび20℃における酸素透過度が3.0×10 mol/m・s・Pa以下であることを特徴とするポリエステル成形品。
  3. 請求項2記載のポリエステル成形品である食品用容器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006306452A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Toyo Seikan Kaisha Ltd レトルト対応性に優れたポリエステル樹脂容器及びその製造方法
WO2008044280A1 (fr) * 2006-10-06 2008-04-17 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. Récipient en résine polyester d'excellente compatibilité en autoclave et son procédé de production
JP2018083630A (ja) * 2016-11-21 2018-05-31 東洋製罐株式会社 ポリエステル製延伸ブロー成形容器及びその製造方法

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