JP2006241446A - ポリエステルフィルム、及びその製造方法、ならびにその用途 - Google Patents
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Abstract
押出成形で製膜でき、且つ経済性に優れた光学的等方性ポリエステルフィルム、その製造方法、および、該ポリエステルフィルムを用いた位相差フィルム、偏光板保護フィルム、光拡散シート、レンズシート、反射防止フィルム、光情報記録媒体などの光学部材を提供する。
【解決手段】
ジカルボン酸単位とジオール単位とを含み、該ジオール単位の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステルを溶融押出法によって製膜したポリエステルフィルムであって、波長550nmにおける面内レターデーションが20nm以下であるポリエステルフィルム。前記ポリエステルフィルムは押出成形で容易に製膜できる経済性に優れた光学的等方性ポリエステルフィルムである。前記ポリエステルフィルムは、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、光拡散シート、レンズシート、反射防止フィルム、光情報記録媒体などの光学部材、光学製品の製造に有用である。
【選択図】 無し
Description
近年、パソコン、テレビ、携帯電話、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム、液晶プロジェクター、時計などの表示装置として液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの需要が急速に伸びている。
位相差フィルムは、光学的等方性フィルムを延伸し、複屈折性を発現させて得られる。
位相差フィルムは、光学補償により液晶表示装置等の画像表示装置におけるコントラスト向上や、視野角範囲の拡大を実現する重要な部材である。位相差フィルムを形成する樹脂としては、一般的に、ポリカーボネート(以下、PC)、トリアセチルセルロース(以下、TAC)、シクロオレフィンポリマー(以下、COP)等のエンジニアリングプラスチック樹脂が挙げられる。位相差フィルムは、これらの樹脂を流延法や溶融押出法によりフィルム化し、得られた原反フィルムを延伸して所望のレターデーションを発現させることにより製造している。
偏光板保護フィルムは、光学等方性フィルムを利用して得られる。
液晶表示装置は、消費電力の小さい省スペース画像表示装置として年々用途が広がっている。従来、画像の視野角依存性が大きいことが液晶表示装置の大きな欠点であったが、近年VAモード、IPSモード等の高視野角液晶モードが実用化されており、テレビ等の高視野角が要求される分野においても液晶表示装置の需要が急速に拡大しつつある。液晶表示装置は、液晶セル、配向膜、偏光板、位相差フィルム、視野拡大フィルム及びバックライトから構成され、液晶表示装置に用いられる偏光板に対しても品質及び生産性の更なる向上が求められている。
レンズシートは、光学等方性フィルムを基材として得られる。
近年、カラー液晶表示装置は携帯用ノートパソコン、デスクトップパソコンの液晶モニター、液晶テレビあるいはカーナビゲーションのモニター、携帯電話のモニター等として種々の分野で広く使用されている。液晶自体は自発光素子ではないため、バックライトと言われる背面から光を当てる装置が用いられている。バックライトは蛍光管、導光板、反射シート、プリズムシート等から構成されている。プリズムシートは、導光板の光出射面上に配置され、バックライトの光学的な効率を改善して輝度を向上させる。例えば、プリズムシートは、樹脂フィルムの上に断面が三角形のプリズム列を並列に並べた光学素子を形成することにより得られる。樹脂フィルム表面に、同心円状のフレネルレンズ部を有する光学素子を形成したレンズシート(フレネルレンズシート)も用いられることがある。また、樹脂フィルム表面に、複数のシリンドリカルレンズ列を並列に形成したレンチキュラーレンズ部を有する光学素子を形成したレンズシート(レンチキュラーレンズシート)が用いられる場合もある。プリズムシート、フレネルレンズシートおよびレンチキュラーレンズシートはレンズシートと総称される。
光拡散フィルムは、光学等方性フィルムを基材として得られる。
従来、ポリエチレンテレフタレート延伸フィルム(以下、PET延伸フィルム)は、その優れた機械的強度、耐熱性および高温での寸法安定性を生かし、液晶表示ディスプレイの光拡散フィルムの基材として用いられている。
反射防止フィルムは、光学等方性フィルムを基材として得られる。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム、液晶プロジェクター、時計などの画像表示装置として液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイなどのフラットパネルディスプレイの需要が急速に伸びている。これらの画像表示装置においては、外光の映り込みによる視認性低下を抑えるため、画像表示装置の最外層などに反射防止フィルムを設置することが行われている。
TAC基材は、結合酢酸量(酢化度)60〜62%のTACと可塑剤をメチレンクロライド/メタノール混合溶剤に溶解して得た溶液を連続的に流延し、次いで溶剤を蒸発させることからなる溶液流延法により得られる。しかしながら、この溶液流延法は、溶解工程や乾燥工程に長時間や多量のエネルギーが必要であり、高コストや環境問題の原因となっている(特許文献19参照)。また、TACフィルムに反射防止層をコーティングする際、TACフィルムが切れやすいため、連続式巻取りコーティングが困難であり、枚葉式コーティングする必要があり、生産性に劣る(非特許文献5参照)。
光情報記録媒体は、光学等方性フィルムを保護層として得られる。
近年、光情報記録媒体の高密度化が進み、例えばブルーレイディスクのような超高密度光ディスクが実現されつつある。ブルーレイディスクは,直径120mmのディスクに、単層記録で23GB(giga byte)以上、2層記録で47GB以上の大容量データを記録することができる。ブルーレイディスクは、記録再生波長405nm程度、開口数0.85程度の光学系を用い、ディスク上のグルーブのトラックピッチを0.32μm程度とすることにより高密度化を実現している。この大きな開口数のためピックアップレンズと情報記録再生層(以下、単に「記録層」ともいう)との距離が現行のDVDディスクと比べて非常に近く、記録層を保護する保護層の厚みは100μmと非常に薄いことが要求されている。また、情報の再生にはレーザー光の偏光を使用するため、保護層には光学的等方性が求められている。通常、保護層は、透明接着剤層と光学的等方性フィルムから成り、該光学的等方性フィルムを安価に製造することが強く求められている。
[1]ポリエステル
本発明で使用するポリエステルは環状アセタール骨格を有するジオール単位を含む。前記環状アセタール骨格を有するジオール単位は一般式(1):
(一般式(1)において、R1およびR2は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す)、または、一般式(2):
(一般式(2)において、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜10の脂肪族炭化水素基、炭素数が3〜10の脂環式炭化水素基、及び炭素数が6〜10の芳香族炭化水素基からなる群から選ばれる炭化水素基を表す)で表されるジオールに由来するジオール単位であることが好ましい。
ポリエステルのフィルム化の方法は、溶融押出法、流延法などが挙げられるが、経済性とフィルムの性能のバランスから溶融押出法が好ましい。
本発明者らは、種々検討の結果、Tダイ内で溶融ポリマーが剪断応力を受けることによって生じる分子配向(MD方向の配向が支配的)、引取によって生じる押出方向への分子配向(MD方向)、Tダイから吐出した溶融樹脂がエアーギャップ間で徐冷される過程の樹脂熱による配向緩和(主にMD方向の配向緩和)、冷却ロール上でフィルムが冷却される際に起こる熱収縮が冷却ロールにより拘束されるために生じる残留応力による分子配向(TD方向の配向が支配的)等の配向の程度を相殺させることにより、成形歪みを低減できることを見いだした。すなわち、押出温度200〜300℃、エアーギャップ0.1〜100mm、引き取り速度0.2〜100m/分の条件下で押出成形し、かつ冷却ロール温度をポリエステルのガラス転移温度−30℃〜ポリエステルのガラス転移温度+30℃とすることで成形歪みを極めて小さくすることができる。
ポリエステルフィルムの厚み斑は、平均厚みをTとすると、0.9T〜1.1Tの範囲にあることが好ましい。より好ましくは0.93T〜1.07Tであり、さらに好ましくは0.97T〜1.03Tである。押出し方向(MD)の厚み斑を低減する方法としては、特に制限されないが、押出し機にベントを設ける、押出機とダイの間にギヤポンプを設けて樹脂の吐出量を一定にする、あるいは冷却ロールの駆動にサーボモータや遊星ギヤを使用して駆動を一定にするなどの方法がよく用いられる。押出し方向に垂直な幅方向(TD)の厚み斑を低減する方法としては、特に制限されないが、ダイのリップ隙間を熱変位式、サーボモータ式、空気圧式、圧電素子式などによって調整する方法を用いることができる。
ポリエステルフィルムの欠点やフィッシュアイの少ないものが求められている場合、特に制限されないが、金網フィルターや焼結金属フィルターを用いてゲルなどの異物を取り除くことにより、欠点やフィッシュアイを低減することができる。これらのフィルターは押出し機とダイの間に設けられ、異物を除去しながらフィルムを製造する。またフィルム成形する環境をクリーンにしたり、フィルムに保護フィルムを貼付してもよい。
本発明の位相差フィルムは、前記ポリエステルフィルムを原反フィルムとし、これを延伸して得たフィルム(延伸ポリエステルフィルム、延伸原反フィルムと記載することもある)からなるフィルム層を有する。前記ポリエステルフィルムを用いることにより、該フィルム層の面内レターデーションおよび/またはNz係数((nx−nz)/(nx−ny)、但し、nx、nyおよびnzは前記と同様)を任意の数値範囲に制御することができる。なお、Nz係数は波長に依存するので、以下、波長λ(nm)におけるNz係数をNz[λ]と表記する。
一軸延伸の場合は、Nz[550]が約1であるフィルム層を得ることができる。逐次および同時二軸延伸の場合は、Nz[550]が1〜∞のフィルム層を得ることができる。例えば、STNモード液晶に好適に用いられる位相差フィルムには、一軸延伸によって得られた、Nz[550]が略1で、かつ面内レターデーションRe[550]が100〜500nmのフィルム層が用いられる。また、VA(Vertical Alignment)モード液晶に好適に用いられる位相差フィルムには、逐次または同時二軸延伸によって得られた、Nz[550]が1を超えて∞までの範囲で、かつ面内レターデーションRe[550]が0〜200nmのフィルム層が用いられる。反射・半透過形液晶に使用される円偏光板や、タッチパネルの内部ITOガラス基板での反射光を遮るための円偏光板は、広帯域なλ/4板である必要がある。波長550nmにおけるλ/2板とλ/4板のそれぞれの光軸を傾けて偏光板に積層することにより広帯域な円偏光板にすることが可能である(特開平10−068816号公報参照)。このようなλ/2板とλ/4板は、一軸延伸によって製造することが可能である。
延伸倍率は、ボーイング現象を発現させないよう、MD方向及び/又はTD方向のそれぞれに、1を超えて2倍以下が好ましく、より好ましくは1を超えて1.5倍以下、さらに好ましくは1を超えて1.2倍以下である。
延伸温度は、ポリエステルのガラス転移温度から融点までの範囲とする。延伸温度が高かければ高いほど、同一延伸倍率で、レターデーションを低くすることができる。よって、ボーイング現象が発現しない程度の低い延伸倍率で、延伸温度を変えて所望のレターデーションに制御することが好ましい。同時二軸延伸の場合は、延伸方向によって温度を変えることが出来ないので、延伸方向により延伸倍率を変えることで所望のレターデーションを得ることが可能である。
接着剤又は粘着剤としては、ポリビニルアルコール系ポリマー;アクリル系ポリマー;シリコーン系ポリマー;ポリイソシアネート;ポリオレフィン;ポリエステル;ポリエーテル;塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー;合成ゴム;またはこれらのポリマーに極性基を導入した変性物などの適当なポリマーをベースポリマーとする接着剤又は粘着剤が用いられる。接着剤又は粘着剤には、耐久性や接着性等を向上するため、本発明の効果を損なわない範囲内でその他のポリマー、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、架橋剤、フィラー等の公知の添加剤を含有することができる。接着剤又は粘着剤を前記フィルム層上に塗布する方法としては、コーターヘッド等の従来公知の方法を用いることができ、均一な接着剤層又は粘着剤層が形成される方法であれば特に限定されるものではない。また、上記成分から成り、市販されている基材なしの高透明接着剤転写テープ(フィルム状の接着剤層又は粘着剤層の両側に剥離フィルムが貼られたもので、例えば、ポラテクノ社製Pressure Senstive Adhesive AD-20、住友スリーエム(株)製の基材なし高透明接着剤転写テープ8141などが挙げられる)を用いて接着剤層又は粘着剤層を構成することも可能である。接着剤層および粘着剤層の厚みは5〜50μmであるのが好ましい。
上記したように、本発明のポリエステル原反フィルムを延伸することにより任意の大きさのレターデーションを有するフィルム層が得られる。フィルム層は任意の角度で積層することができる。今日、液晶には様々なモードがあるが、このようにして得られた本発明の多層構造を有する位相差フィルムは、STN液晶セルだけでなく、任意の液晶セルに応用することが可能である。
ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素とヨウ化カリウムを含む水溶液に浸漬し、次いでホウ酸とヨウ化カリウムを含む水溶液に浸漬し、一軸延伸して偏光板(厚み:好ましくは50〜200μm)を作製する。次いで、偏光板の一方の表面に、トリアセチルセルロース(TAC)シート(厚み:好ましくは40〜80μm)を接着剤又は粘着剤を介して積層し、偏光板のもう一方の表面に、前記フィルム層を接着剤又は粘着剤を介して積層する。このようにして、偏光板の保護層として前記フィルム層を偏光板と一体化することが出来る。接着剤層又は粘着剤層は、上記と同様に形成することが出来る。
前記フィルム層を偏光板の保護層として用いる場合、前記フィルム層の40℃、90%RHでの透湿度は5〜500g/(m2・24hr)であることが好ましく、より好ましくは8〜400g/(m2・24hr)、更に好ましくは10〜300g/(m2・24hr)である。40℃、90%RHでの透湿度が500g/(m2・24hr)を超えると、高温多湿の条件下において、偏光板保護フィルムを通過した外部の水分が偏光板に浸透し偏光板としての性能が低下したり、偏光板に反りが発生する恐れがある。また、ヨウ素とヨウ化カリウム水溶液に浸漬した際にポリビニルアルコールフィルム中に取り込まれた水分を偏光板保護層を通して適度に蒸発させる必要があり、偏光板保護層には適度な透湿度が要求される。
本発明の偏光板は、該ポリエステルフィルム(未延伸)からなるなるフィルム層および偏光膜を含む。
本発明のレンズシートは、前記ポリエステルフィルム(未延伸)からなるフィルム層、及び該フィルム層の少なくとも一方の表面に形成された光学素子を含む。
光学素子の第二の態様として、複数のシリンドリカルレンズ列が並列に形成されてなるレンチキュラーレンズ部が挙げられる。このような光学素子を有するレンズシートはレンチキュラーレンズシートとして用いられ、液晶表示装置の縦方向にシリンドリカルレンズが並ぶように配置される。これにより、バックライト光をディスプレイ左右方向にさらに拡散することができ、ディスプレイの左右方向の視野角を制御することが可能になる。シリンドリカルレンズの焦点距離が長いと左右方向の視野角は小さくなり、焦点距離が短いと拡大される。
光学素子の第三の態様として、同心円状のフレネルレンズ形状に形成されたフレネルレンズ部が挙げられる。このような光学素子を有するレンズシートはフレネルレンズシートとして用いられ、ディスプレイの視野角を制限し、輝度を向上するために用いられる。
また、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシートまたはプリズムシートとを表裏一体化してもよい。例えば、フィルム層の両面にそれぞれの光学素子を形成することにより作製される。
成分(A)としては、例えば、脂肪族モノ(メタ)アクリレート、脂環族モノ(メタ)アクリレート、芳香族モノ(メタ)アクリレート、芳香族ジ(メタ)アクリレート、脂環族ジ(メタ)アクリレート、脂肪族ジ(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂がその光学特性の観点から好ましい。
本発明の光拡散フィルムは、前記ポリエステルフィルム(未延伸)からなるフィルム層、および拡散ビーズおよびバインダー樹脂からなる光拡散層を含む。
図4に示すように、本発明の光拡散フィルムは、前記ポリエステルフィルムからなるフィルム層、および拡散ビーズおよび該拡散ビーズを固定するバインダー樹脂から成る光拡散層から構成される。光拡散層は拡散ビーズ等をバインダー樹脂中に分散させたものである。
拡散ビーズとしては、公知のもの、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニール樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の物質からなるビーズが挙げられる。ビーズの平均粒径は好ましくは1〜50μmである。拡散ビーズ含有量は、光拡散層の20〜90重量%が好ましい。20重量%未満では光が均一に拡散されず、90重量%を超えると密着性が得られない。
光拡散層は、ローラー塗り、ロールコーター、スプレー塗装、静電塗装などにより、フィルム層にバインダー樹脂と拡散ビーズを塗布して設けることができる。光拡散層の厚さは好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1.5〜10μm、特に好ましくは2〜6μmである。
フィルム層の少なくともどちらか一方の表面をマット処理してもよい。また、溶融Tダイ押出する際に、ポリエステルにアクリルビーズを練り込み分散させて押出することにより光拡散フィルムを製造することもできる。
本発明の反射防止フィルムは、前記ポリエステルフィルム(未延伸)からなるフィルム層および該フィルム層の少なくとも一方の表面に形成された反射防止層を含む。
本発明の光情報記録媒体は、順に積層された、前記ポリエステルフィルム(未延伸)からなるフィルム層、透明接着剤層、記録層、反射層および基材からなる。
(1)環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合
1H−NMR測定結果から算出した。測定装置は日本電子(株)製JNM−AL400を用い、400MHzで測定した。溶媒には重クロロホルムを用いた。
島津製作所製DSC/TA−50WSを使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中昇温速度20℃/minで測定した。得られたDSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した点の温度をガラス転移温度とした。
ポリエステル0.5gをフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、濾過後、25℃まで冷却して測定試料を調製した。装置は(株)柴山科学機械製作所製、毛細管粘度計自動測定装置SS−300−L1を用い、温度25℃で測定を行った。
(株)東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ 1Cを用いて測定した。キャピラリの径は1mm、長さは10mmであり、測定条件は測定温度240℃、予熱時間3分、せん断速度100sec−1であった。
(5)厚さ
ソニーマグネスケール(株)製、デジタルマイクロメーターM−30を用いて測定した。
日本分光(株)製分光エリプソメーター、商品名:M−220の3次元屈折率測定プログラムを用いてレターデーションの遅相軸周りの入射角依存性を測定した。入射角0°のレターデーションを面内レターデーションReとした。面内レターデーションReの大きさは、同一試料でも測定波長に依存するので、測定波長をλ(nm)とした場合の面内レターデーションをRe[λ]と表記した。
JIS−K−7105、ASTM D1003に準じて測定した。フィルムを48時間調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。使用した測定装置は、日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)である。
LYSSY AG ZLLIKON社製「L80−4005L」を用いて、JIS−K−7129に記載の方法に従い、温湿度条件40℃、90%RHで測定した。
JIS−K7133に準じて測定した。フィルムに、50mm間隔で線を縦横3本ずつ引き、所定温度の熱風乾燥機内に30分間保存した後、寸法変化率を次式により算出した。なお、表中押し出し方向をMD方向、押し出し方向と直角の方向をTD方向と記載する。
寸法変化率(%)={(La−Lb)/La}×100
La:保存前の線の間隔(50mm)
Lb:保存後の線の間隔
〔ポリエステルの製造〕
充填塔式精留塔、分縮器、全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置、窒素導入管を備えた150リットルのポリエステル製造装置に表1に記載の原料モノマーを仕込んだ。ジカルボン酸成分に対して0.03モル%の酢酸マンガン四水和物の存在下、窒素雰囲気下で215℃迄昇温してエステル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率が90%以上になった後、ジカルボン酸成分に対して、0.02モル%の酸化アンチモン(III)と0.06モル%のリン酸トリメチルを加え、徐々に昇温、減圧し、最終的に270℃、0.1kPa以下で重縮合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステルを製造した。評価結果を表1に示す。
(1)ポリエチレンテレフタレート:日本ユニペット(株)製、RT543C(表中PETと略記)
(2)ポリカーボネート:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ユーピロン E−2000(表中PCと略記)
〔ポリエステルフィルムの製造〕
リーフディスク型ポリマーフィルター(目開き5μm、直径4インチ、8枚)及び300mm幅のコートハンガー型Tダイを取り付けた真空ベント付き単軸押出機(スクリュー径32mmφ)、冷却ロール(熱媒により温度調節可能)、引取ロール及び巻取機(張力調整可能)よりなるフィルム製造設備を用いた。製造例1〜4のポリエステルを用い、押出機シリンダー温度250℃、ポリマーフィルター温度250℃、Tダイ温度250℃、冷却ロール温度81〜88℃、Tダイリップ開度0.7mm、エアーギャップ20mm、吐出速度9kg/h、スクリュー回転数55rpm、引取速度4m/分の条件で厚みがおよそ100μmのフィルムを製造した。評価結果を表2に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
冷却ロール温度を70℃(樹脂のガラス転移温度−34℃)に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートの溶融押出を行い、厚みがおよそ100μmのフィルムを製造した。製造中、フィルムとロールとの密着性が悪く、フィルムが部分的に膨れ、外観欠陥が生じた。評価結果を表3に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
冷却ロール温度を137℃(樹脂のガラス転移温度+33℃)に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートの溶融押出を行い、厚みがおよそ100μmのフィルムを製造した。製造中、フィルムとロールとの密着性が良すぎて過度の密着と剥離との繰り返しにより、フィルムに剥がれマークが発生した。評価結果を表3に示す。
〔ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造〕
シリンダー温度を220〜275℃、ダイ温度265℃で溶融押出を行った。押出した溶融樹脂は70℃に設定した冷却ロールで冷却し、厚みがおよそ100μmのフィルムを製造した。評価結果を表3に示す。
〔ポリカーボネートフィルムの製造〕
シリンダー温度を220〜260℃、ダイ温度255℃に変更する以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂は130℃に設定した冷却ロールで冷却し、厚みがおよそ100μmのフィルムを製造した。評価結果を表3に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
ギアポンプ及び550mm幅のコートハンガー型Tダイを取り付けた真空ベント付き単軸押出機(スクリュー径50mmφ)、冷却ロール(熱媒により温度調節可能)、引取ロール及び巻取機(張力調整可能)よりなるフィルム製造設備を用いた。製造例1のポリエステルを用い、押出機シリンダー温度240℃、ポリマーフィルター温度240℃、ギアポンプ温度240℃、Tダイ温度を240℃、冷却ロール温度80〜92℃、Tダイリップ開度0.5mm、エアーギャップ15mm、吐出速度30kg/h、スクリュー回転数55rpm、引取速度12m/分の条件で厚みがおよそ100μmのフィルムを製造した。評価結果を表4に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
冷却ロール温度を80℃に固定し、引取速度を30m/分または10m/分に変更する以外は実施例5と同様にして製造例1のポリエステルの溶融押出を行い、厚みが38μm、120μmのフィルムを製造した。評価結果を表4に示す。
製造例番号 製造例1 製造例2 製造例3 製造例4
モノマー仕込量(モル)
ジカルボン酸成分(モル)
DMT 201.8 174.6 275.9 208.0
NDCM 0.0 0.0 14.5 0.0
ジオール成分(モル)
SPG 62.6 80.3 17.6 0.0
EG 341.1 356.2 508.4 330.7
DOG 0.0 0.0 0.0 43.7
ポリエステルの評価結果
環状アセタール骨格を有するジオール単位の割合(モル%)
31 46 5 19
ガラス転移温度(℃) 104 113 90 89
極限粘度(dl/g) 0.70 0.66 0.67 0.73
溶融粘度(Pa・s) 2150 2950 1860 2100
DMT:ジメチルテレフタレート
NDCM:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル
EG:エチレングリコール
SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン
DOG:5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン
実施例番号 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
樹脂 製造例1 製造例2 製造例3 製造例4
樹脂ガラス転移温度(℃) 104 113 90 89
冷却ロール温度(℃) 81 88 80 85
フィルムの評価結果
厚さ(μm) 98 101 103 105
面内レターデーション
Re[550](nm) 12 10 18 14
全光線透過率(%) 92 92 91 92
ヘイズ(%) 0.4 0.5 0.4 0.5
比較例番号 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4
樹脂 製造例1 製造例1 PET PC
樹脂ガラス転移温度(℃) 104 104 80 145
冷却ロール温度(℃) 70 137 70 130
フィルムの評価結果
厚さ(μm) 97 103 109 103
面内レターデーション
Re[550](nm) 32 45 23 28
全光線透過率(%) 91 92 92 90
ヘイズ(%) 0.4 0.4 1.3 0.4
実施例番号 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 実施例9
樹脂 製造例1 製造例1 製造例1 製造例1 製造例1
樹脂ガラス転移温度(℃)104 104 104 104 104
冷却ロール温度(℃) 80 90 92 80 80
引取速度(m/分) 12 12 12 30 10
フィルムの評価結果
厚さ(μm) 99 101 102 38 120
面内レターデーション
Re[550](nm) 10 1 4 19 4
全光線透過率(%) 92 92 92 92 92
ヘイズ(%) 0.4 0.4 0.4 0.3 0.4
〔位相差フィルムの評価方法〕
(1)Nz係数、厚み方向レターデーションRth([(nx+ny)/2−nz]×d、但しdはフィルム厚)の算出
分光エリプソメーターにより、フィルム面内遅相軸まわりのレターデーションの入射角依存性を測定した。この測定結果、延伸フィルムの厚みおよび樹脂平均屈折率から、延伸フィルムの屈折率楕円体の主軸の長さ、すなわち主屈折率nx、ny、nzを算出した。算出は、シャープ技法通巻85号(2004年4月)『GRP方式広視野角LCD技術』に記載の光学フィルム中の屈折率楕円体モデルによるレターデーションの入射角依存性の解析解による特性曲線と測定値のフィッティングにより行った。算出した主屈折率nx、ny、nzとフィルム厚みdから、上記式にてNz係数と厚み方向レターデーションRthを求めた。Nz係数およびRthは測定波長に依存するので、測定波長λ(nm)におけるNz係数、厚み方向レターデーションをNz[λ]、Rth[λ]と表記した。
図1に波長550nmにおけるポリエステル原反フィルムの遅相軸まわりのレターデーション入射角依存性の分光エリプソメーターによる実測値(点線)と上記モデルによる理論カーブ(実線)を示す。
〔ポリエステル原反フィルムの製造〕
真空ベントと幅550mmコートハンガーダイを有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ)を用い、シリンダー温度220〜240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hの条件で製造例1のポリエステルの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂を96℃の第1ロール、60℃の第2ロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み80μm、幅480mmのポリエステル原反フィルムを製造した。評価結果を表5、図1に示す。
〔位相差フィルム(延伸フィルム)の製造〕
ポリエステル原反フィルムを、延伸倍率=1.5倍、延伸速度=30mm/分、延伸温度=製造例1のポリエステルのガラス転移温度+7.57℃の条件で延伸機にて一軸延伸し位相差フィルム1を製造した。評価結果を表6に示す。Nz[550]、面内レターデーションRe[550]と厚み方向レターデーションRth[550]は、ポリエステル原反フィルムと同様に算出した。
〔位相差フィルム(延伸フィルム)の製造〕
延伸温度をガラス転移温度+17.57℃にした以外は実施例8と同様にして、位相差フィルム2を製造した。評価結果を表6に示す。
〔位相差フィルム(延伸フィルム)の製造〕
延伸温度をガラス転移温度+27.57℃高い温度にした以外は実施例10と同様にして、位相差フィルム3を製造した。評価結果を表6に示す。
図2にポリエステル原反フィルム、および実施例10〜12の延伸フィルムのRe[550]×Nz[550]とRe[550]で定義される平面上での楕円体の位置を示す。
図2から分かるように、一軸延伸フィルムでは、Nz[550]が略1であり、延伸温度が低いほど面内レターデーションRe[550]が増大することが分かる。
〔多層位相差フィルム〕
2枚の位相差フィルム2を、アクリル系接着剤[住友スリーエム(株)、DP−8005クリア]を介し、かつ、遅相軸を120°ずらして重ね、これをローラーを用いて圧着して多層構造を有する位相差フィルムを製造した。
〔位相差フィルム/保護層〕
実施例13の多層構造を有する位相差フィルムに、保護層として製造例5と同様の方法で得た厚み80μmのポリエステル原反フィルムを、アクリル系接着剤[住友スリーエム(株)、DP−8005クリア]を介して積層し、光学的等方性保護層が積層された位相差フィルムを製造した。
〔位相差フィルム/偏光膜〕
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム[(株)クラレ、クラレビニロン#7500]をチャックに装着し、ヨウ素0.2g/Lとヨウ化カリウム60g/Lを含む30℃の水溶液に240秒浸漬した。次いで、ホウ酸70g/Lとヨウ化カリウム30g/Lを含む30℃の水溶液に浸漬し、6.0倍に一軸延伸しながら5分間ホウ酸処理を行った。最後に、室温で24時間乾燥して偏光膜を作製した。この偏光膜に、アクリル系接着剤[住友スリーエム(株)、DP−8005クリア]を介して、厚み40μmのトリアセチルセルロース(TAC)シートをローラーを用いて積層した。もう一方の面に、同アクリル系接着剤を用いて位相差フィルム1を偏光膜の光吸収軸と位相差フィルムの遅相軸をずらしてローラーにより積層一体化した。
厚み40μmのトリアセチルセルロース(TAC)シートの代わりに、製造例5のポリエステル原反フィルムを積層した以外は実施例13と同様にして、偏光板を積層一体化した位相差フィルムを製造した。このように偏光板の両側の保護層と位相差フィルムを同一ポリエステル(製造例1のポリエステル)から形成すると、吸湿による反りを抑える効果がある。
〔位相差フィルム/接着層又は粘着層/剥離性シート〕
実施例14の位相差フィルムの保護層と反対側に、厚み25μmのアクリル系高透明接着剤転写テープ(住友スリーエム(株)、基材なし高透明接着剤転写テープ8141)をローラーを用いて積層した。
樹脂 製造例1
原反フィルムの評価結果
厚さ(μm) 80
Nz[550] 14.97
面内レターデーションRe[550](nm) 1.6
厚み方向レターデーションRth[550](nm) 23.16
透湿度(g/m2/24hr) 88
全光線透過率(%) 92
ヘイズ(%) 0.4
実施例番号 実施例10 実施例11 実施例12
原反フィルム 製造例5 製造例5 製造例5
延伸フィルムの評価結果
延伸温度ΔT(℃)※ +7.57 +17.57 +27.57
延伸倍率(倍) 1.5 1.5 1.5
延伸速度(mm/分) 30 30 30
厚さ(μm) 50 50 50
Nz[550] 1.09 1.14 1.20
面内レターデーションRe[550](nm) 590.7 284.1 118.2
厚み方向レターデーション
Rth[550](nm) 351.4 182.0 83.2
※ ガラス転移温度との差
(1)光漏れ試験
10cm×10cmの偏光板を2枚切り出し、温度80℃、相対湿度90%の環境に100時間放置して試験片を作製した。試験片をクロスニコルに配置し、色温度5000Kのライトボックスに入れ、目視により光漏れの有無を観察した。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
真空ベントと幅550mmコートハンガーダイを有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ)を用い、シリンダー温度240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hの条件で製造例1のポリエステルの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂を96℃の第1ロール、60℃の第2ロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み76μm、幅480mmのポリエステル原反フィルムを製造した。評価結果を表7に示す。
〔偏光板の作製〕
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム[(株)クラレ、クラレビニロン#7500]をチャックに装着し、ヨウ素0.2g/Lとヨウ化カリウム60g/Lを含む30℃の水溶液に240秒浸漬した。次いで、ホウ酸70g/Lとヨウ化カリウム30g/Lを含む30℃の水溶液に浸漬し、6.0倍に一軸延伸しながら5分間ホウ酸処理を行った。最後に、室温で24時間乾燥して偏光膜を作製した。次いでアクリル系接着剤[住友スリーエム(株)、DP−8005クリア]を介して、偏光膜と上記ポリエステルフィルムとを張り合わせ偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表7に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
吐出速度を55kg/hに、シリンダー温度及びダイ温度を250℃に変更した以外は実施例18と同様にしてポリエステル原反フィルムを製造した。厚みは152μm、幅497mmであった。評価結果を表7に示す。
〔偏光板の作製〕
上記ポリエステルフィルムを用い、実施例18と同様にして偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表7に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
第1ロール温度を94℃に変更した以外は実施例18と同様にしてポリエステル原反フィルムを製造した。フィルムの厚みは74μm、幅479mmであった。評価結果を表7に示す。
〔偏光板の作製〕
上記ポリエステルフィルムを用い、実施例18と同様にして偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表7に示す。
〔ポリエステルフィルムの製造〕
押出機のシリンダー温度及びダイ温度を245℃に変更した以外は実施例18と同様にしてポリエステル原反フィルムを製造した。フィルムの厚みは74μm、幅482mmであった。評価結果を表7に示す。
〔偏光板の作製〕
上記ポリエステルフィルムを用い、実施例18と同様にして偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表7に示す。
〔PCフィルムの製造〕
三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名「ユーピロンE−2000R」(表中PCと略記)を用い、シリンダー温度を290℃に、ダイ温度を290℃に、第1ロールの温度を130℃に変更した以外は実施例18と同様に溶融押出を行った。得られたフィルムの厚みは75μm、幅476mmであった。評価結果を表8に示す。
〔偏光板の作製〕
上記フィルムを用い実施例18と同様にして偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表8に示す。
〔PETフィルムの製造〕
日本ユニペット社製、RT543C(表中PETと略記)を用い、シリンダー温度及びダイ温度を270℃に、第1ロールの温度を70℃に変更した以外は実施例18と同様に溶融押出を行った。得られたフィルムの厚みは75μm、幅476mmであった。評価結果を表8に示す。
〔偏光板の作製〕
上記フィルムを用い実施例18と同様にして偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表8に示す。
〔TACキャストフィルム〕
富士写真フィルム社製、商品名「フジタッククリア」(表中TACと略記)をそのまま用いた。評価結果を表8に示す。
〔偏光板の作製〕
上記フィルムを用い実施例18と同様にして偏光板を得た。光漏れ試験の結果を表8に示す。
実施例番号 実施例18 実施例19 実施例20 実施例21
樹脂 製造例1 製造例1 製造例1 製造例1
製造法 溶融押出 溶融押出 溶融押出 溶融押出
フィルムの評価結果
膜厚(μm) 76 152 74 74
膜厚むら(μm) ±1.3 ±1.6 ±1.4 ±1.4
膜厚むら(%) ±1.7 ±1.1 ±1.9 ±1.9
面内レターデーション
Re[550](nm) 1.9 2.9 3.7 4.6
全光線透過率(%) 92 92 92 92
ヘイズ(%) 0.3 0.4 0.3 0.3
透湿度(g/(m2・24hr)) 88 48 85 90
偏光板の評価
光漏れ なし なし なし なし
実施例番号 比較例5 比較例6 比較例7
樹脂 PC PET TAC
製造法 溶融押出 溶融押出 溶媒流延
フィルムの評価結果
膜厚(μm) 75 73 80
膜厚むら(μm) ±5.0 ±4.2 ±2.1
膜厚むら(%) ±6.7 ±5.6 ±2.6
面内レターデーション
Re[550](nm) 25.1 26.2 4.8
全光線透過率(%) 90 92 92
ヘイズ(%) 0.5 1.2 0.2
透湿度(g/(m2・24hr)) 51 9 516
偏光板の評価
光漏れ あり あり なし
〔ポリエステルフィルムの製造、評価〕
真空ベントと幅550mmコートハンガーダイを有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ)を用い、シリンダー温度220〜240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hの条件で製造例2のポリエステルの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂をTg−10℃に設定した第1ロールと60℃に設定した第2ロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み100μm、幅長さ480mmのポリエステルフィルムを製造した。評価結果を表9に示す。
JIS2804準拠の黄銅製の3mm×300mm×400mmの板に、頂角65°、断面が二等辺三角形のプリズム列を50μmピッチで平行に切削して光学素子パターン(プリズムパターン)を形成し、ガニゼンメッキを施してレンズ型を作製した。レンズ型に、アクリル系紫外線硬化性モノマー混合液を適量注入後、適当な大きさにカットしたポリエステルフィルムをロールで加圧しながら重ね合わせた。次いでポリエステルフィルム上方に配置した照射強度80w/cmの6.4kwの紫外線ランプ(ウエスタンクオーツ社製)3本から紫外線を45秒間照射して樹脂を硬化させた後、レンズ型から取り出してプリズムシートを得た。評価結果を表9に示す。なおアクリル系紫外線硬化性モノマー混合液は以下の組成である。
日立化成社製FA−321M・・・50重量%
日本化薬社製KAYARADR−604・・・20重量%
大阪有機化学社製ビスコート#192・・・30重量%
メルク社製ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤)・・・1.5重量部
(上記FA−321M、KAYARADR−604およびビスコート#192はラジカル重合が可能なモノマー又はオリゴマー(A)に相当し、ダロキュア1173は活性エネルギー線感応触媒(B)に相当する。)
〔レンチキュラーレンズシートの製造、評価〕
JIS2804準拠の黄銅製の3mm×300mm×400mmの板に、断面の曲率半径0.5mmの円弧列を0.2mmピッチで平行に切削して、複数の平行なシリンドリカルレンズ列からなるレンチキュラーレンズ部を形成し、ガニゼンメッキを施してレンズ型を作製した。レンズ型に、アクリル系紫外線硬化性モノマー混合液を適量注入後、適当な大きさにカットしたポリエステルフィルムをロールで加圧しながら重ね合わせた。次いでポリエステルフィルム上方に配置した照射強度80w/cmの6.4kwの紫外線ランプ(ウエスタンクオーツ社製)3本から紫外線を45秒間照射して樹脂を硬化させた後、レンズ型から取り出してレンチキュラーレンズシートを得た。なおアクリル系紫外線硬化性モノマー混合液はプリズムシートの製造と同様である。
〔フレネルレンズシートの製造、評価〕
JIS2804準拠の黄銅製の3mm×300mm×400mmの板に、焦点距離300mm、フレネル輪帯ピッチ0.5mmの同心円状のフレネルレンズからなるフレネルレンズ部を形成し、ガニゼンメッキを施してレンズ型を作製した。レンズ型に、アクリル系紫外線硬化性モノマー混合液を適量注入後、適当な大きさにカットしたポリエステルフィルムをロールで加圧しながら重ね合わせた。次いでポリエステルフィルム上方に配置した照射強度80w/cmの6.4kwの紫外線ランプ(ウエスタンクオーツ社製)3本から紫外線を45秒間照射して樹脂を硬化させた後、レンズ型から取り出してフレネルレンズシートを得た。なおアクリル系紫外線硬化性モノマー混合液はプリズムシートの製造と同様である。
〔フレネルレンズ部/レンチキュラーレンズ部シートの製造、評価〕
上記フレネルレンズシートの製造と同様にしてポリエステルフィルムの表面にフレネルレンズ部を形成した後、他方の表面に、上記レンチキュラーレンズシートの製造と同様にしてレンチキュラーレンズ部を形成し、一方の表面にフレネルレンズ部を、他方の表面にレンチキュラーレンズ部を有するシートを製造した。
〔フレネルレンズ部/プリズム列シートの製造、評価〕
上記フレネルレンズシートの製造と同様にしてポリエステルフィルムの表面にフレネルレンズ部を形成した後、他方の表面に、上記プリズムシートの製造と同様にして二等辺三角形のプリズム列を形成し、一方の表面にフレネルレンズ部を、もう一方の表面にプリズム列を有するシートを製造した。
実施例番号 実施例22 実施例23
ポリエステルフィルムの評価結果
全光線透過率(%) 92 92
ヘイズ(%) 0.2 0.3
面内レターデーションRe[550](nm) 2.0 1.9
レンズシートの評価結果
寸法変化率(80℃、%) 0.0 0.0
(100℃、%) 0.0 0.0
(120℃、%) 0.5 0.0
〔ポリエステルフィルムの製造〕
真空ベントと幅550mmコートハンガーダイを有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ)を用い、シリンダー温度220〜240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hの条件で製造例2のポリエステルの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂をTg−10℃に設定した第1ロールと60℃に設定した第2ロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み100μm、幅長さ480mmのポリエステルフィルムを製造した。評価結果を表10に示す。
光拡散層を構成するバインダー樹脂として紫外線硬化型樹脂(日本化薬製DPHA、屈折率1.51)66重量%、硬化開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー184)4重量%、および、拡散ビーズとしてアクリルビーズ(積水化成品工業MBX-12、平均粒子径12μm、屈折率1.49)30重量%を混合した後、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(3/7質量比)を加えて固形分24%になるように調整した。この組成物を、ポリエステルフィルム上に、乾燥膜厚が6.0μmになるように塗布し、乾燥した。次いで、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、積算照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ光拡散フイルムを作製した。
樹脂 製造例1
フィルムの評価結果
厚さ(μm) 80
120℃、30分寸法変化(%) 0
面内レターデーションRe[550](nm) 1.5
全光線透過率(%) 92
ヘイズ(%) 0.4
〔ポリエステルフィルムの製造、評価〕
真空ベントと幅550mmコートハンガーダイを有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ)を用い、シリンダー温度220〜240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hの条件で製造例2のポリエステルの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂をTg−10℃に設定した第1ロールと60℃に設定した第2ロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み100μm、幅長さ480mmのポリエステルフィルムを製造した。評価結果を表11に示す。
(ポリエステルフィルムへのハードコート層コーティング)
上記で得たポリエステルフィルム上にデソライトZ7501(JSR株式会社製)を乾燥後の厚みが5μmになるように塗布し、紫外線硬化した。
(反射防止層コーティング)
次いでハードコート層上にフッ化マグネシウムを電子ビーム加熱式蒸着法にて厚みが100nmになるようにコーティングを行い、反射防止フィルムを得た。評価結果を表11に示す。
実施例番号 実施例25 実施例26
全光線透過率(%) 92 92
ヘイズ(%) 0.2 0.3
面内レターデーションRe[550](nm) 1.8
反射防止フィルムの評価結果
寸法変化率(80℃、%) 0.0 0.0
(100℃、%) 0.0 0.0
〔ポリエステルフィルムの製造〕
真空ベントと幅550mmコートハンガーダイを有する単軸押出機(スクリュー径50mmφ)を用い、シリンダー温度220〜240℃、ダイ温度240℃、吐出速度30kg/hの条件で製造例1のポリエステルの溶融押出を行った。押出した溶融樹脂を96℃に設定した第1ロールと60℃に設定した第2ロールで冷却し、12m/分で引き取り、厚み80μm、幅長さ480mmのポリエステルフィルムを製造した。評価結果を表12に示す。
射出成形により形成した厚み1.1mmのポリカーボネート樹脂円形基板上にスパッタリング法により薄膜(反射層および記録層)を製膜した。反射膜としてAgを、記録層として、ZiS−SiO2誘電体膜/Ge−Sb−Te記録膜/ZiS−SiO2誘電体膜の順番で成膜した。成膜後、レーザー光照射による熱処理で膜を全面結晶化し初期化した。
次いで、ポリエステルフィルムに高透明接着剤転写テープから透明接着剤をロールラミネーターを用いて転写し、得られた積層体を外径119.4mmφ、内径22.5mmφの同心円ドーナツ状に打ち抜いた。得られた透明性接着剤付きポリエステルフィルムを、記録層上にロールラミネーターにより貼り付け、光情報記録媒体を製造した。その際に、ポリエステルフィルムと透明性接着剤層の合計厚みが100μm(±2μm)となるように考慮した。ポリエステルフィルムの厚みは80μm、透明性接着剤層の厚みは20μmであった。このようにして製造した光情報記録媒体をシャープ(株)製ブルーレイディスクレコーダー“BD−HD100”で記録再生した結果、良好な記録再生が行われていることを記録再生画像の目視観察で確認した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、アクリル系接着剤(住友スリーエム(株)、DP−8005クリア)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、アクリル変性一液型湿気硬化型接着剤(コニシ株式会社製、商品名:ボンドサイレックス「クリアー」)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、酢酸系一液型湿気硬化型接着剤(信越化学工業株式会社製,商品名:KE−41−T)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、ウレタン系一液湿気硬化型接着剤(三井武田ケミカル株式会社製,商品名:タケネートM631N)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、アクリル系無溶剤電子線硬化型接着剤(ナガセケムテックス株式会社製,商品名:DA−314)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、エポキシ系無溶剤紫外線硬化型接着剤(Norland Products製,商品名:Norland Optical Adhesive 81)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ポリエステルフィルムに透明性接着剤からなる高透明接着剤転写テープをロールラミネーターによりラミネートする代わりに、アクリル系接着剤(コニシ株式会社製,商品名:コニーボンド)をコーターヘッドからポリエステルフィルム上に塗布した以外は実施例27と同様にして、光情報記録媒体を製造した。
ソニー製録画用ブルーレイディスクBF23GBの保護層から透明接着剤層を除き、得られたフィルムのレターデーションを評価した。結果を図7に示す。該フィルムの吸収スペクトルをATRFT−IR法によって測定したところ、PC樹脂製であった。
本発明の光学的等方性ポリエステルフィルムは、光学的透明性に優れ、かつ、複屈折を起因するレターデーションが小さい。特に、ブルーレイディスクでは、波長405nmにおける垂直入射での面内レターデーションRe[405]が5nm以下であることが特に望ましい。図7から分かるように、Re[405]は、比較例8では3.97nmであるのに対して、実施例27では1.94nmであった。
なお、実施例27の最大入射角±60°(ピックアップ光学系の開口数0.85から換算)の範囲の波長405nmにおけるレターデーションは、20nm以下であり、比較例8の40nm以下よりも小さく、好ましい。以上説明した通り、ポリエステルフィルムの複屈折が原因で発生する入射レーザー光の偏波面の変化は問題ない程度であるので、本発明のポリエステルフィルムはブルーレイディスクの保護層の構成材料として好ましく用いられる。
実施例番号 実施例27 比較例8
樹脂 製造例1 PC
フィルムの評価結果
厚さ(μm) 80 80
面内レターデーションRe[405](nm) 1.94 3.97
±60°斜め入射レターデーション(nm) 20以下 40以下
全光線透過率(%) 92 −
ヘイズ(%) 0.4 −
Claims (29)
- ジカルボン酸単位とジオール単位とを含み、該ジオール単位の1〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステルを溶融押出法によって製膜したポリエステルフィルムであって、波長550nmにおける面内レターデーションが20nm以下であるポリエステルフィルム。
- 環状アセタール骨格を有するジオール単位が、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンまたは5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンに由来する請求項2記載のポリエステルフィルム。
- 環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれる1種以上のジオールに由来する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ジカルボン酸単位が、テレフタル酸、イソフタル酸、および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれる1種以上のジカルボン酸に由来する請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルを溶融押出しして溶融フィルムにする工程、該溶融フィルムを冷却ロールに接触させて冷却固化させる工程を含む膜厚1〜500μmのポリエステルフィルムの製造方法であって、該溶融押出工程を押出温度200〜300℃、エアーギャップ100mm以下、引き取り速度0.2〜100m/分の条件下で行い、冷却ロール温度をポリエステルのガラス転移温度−30℃〜ポリエステルのガラス転移温度+30℃の範囲に調整する請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルムの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム、または、請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルムから得た延伸フィルムからなるフィルム層を有する光学部材。
- 面内レターデーションおよび/またはNz係数を制御した、前記延伸フィルムからなるフィルム層を有する位相差フィルムである請求項7に記載の光学部材。
- 前記フィルム層を2枚以上積層した多層構造を有する請求項8に記載の光学部材。
- 前記フィルム層の少なくとも片面に光学等方性保護層が積層されている請求項8または9記載の光学部材。
- 前記光学等方性保護層が、請求項7記載のポリエステルフィルムからなるフィルム層を有する請求項10に記載の光学部材
- 前記フィルム層に偏光板を積層一体化した請求項8〜11のいずれかに記載の光学部材。
- 前記フィルム層の少なくとも片面に接着剤層又は粘着剤層を介して剥離性シートが積層されている請求項8〜12のいずれかに記載の光学部材。
- 40℃、90%RHでの透湿度が10〜300g/(m2・24hr)である、前記ポリエステルフィルムからなるフィルム層および偏光膜から構成される偏光板である請求項7に記載の光学部材。
- 前記ポリエステルフィルムの波長550nmにおける面内レターデーションが5nm以下である請求項14に記載の光学部材。
- 前記ポリエステルフィルムの膜厚が200μm以下であり、膜厚の最大と最小の差が平均膜厚の2%以下である請求項14または15に記載の光学部材。
- 前記ポリエステルフィルムの全光線透過率が90%以上、ヘイズが1%以下である請求項14〜16のいずれかに記載の光学部材。
- 前記ポリエステルフィルムから成るフィルム層、および拡散ビーズおよびバインダー樹脂からなる光拡散層から構成される光拡散フィルムである請求項7に記載の光学部材。
- 前記バインダー樹脂が、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂および紫外線硬化型樹脂からなる群から選ばれた一種以上の樹脂からなる請求項18に記載の光学部材。
- 前記拡散ビーズが、ガラス、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニール樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種からなる請求項18または19に記載の光学部材。
- 前記ポリエステルフィルムから成るフィルム層、及び該フィルム層の少なくとも一方の表面に形成された光学素子からなるレンズシートである請求項7に記載の光学部材。
- 光学素子が活性エネルギー線硬化性樹脂で形成された請求項21に記載の光学部材。
- 光学素子が、並列に形成された、断面が三角形状の複数のプリズム列からなるプリズム部を有する請求項21または22に記載の光学部材。
- 光学素子が、並列に形成された、複数のシリンドリカルレンズ列からなるレンチキュラーレンズ部を有する請求項21または22に記載の光学部材。
- 光学素子が、同心円状のフレネルレンズ形状に形成されてなるフレネルレンズ部を有する請求項21または22に記載の光学部材。
- 前記ポリエステルフィルムから成るフィルム層、および該フィルム層に積層された反射防止層からなる反射防止フィルムである請求項7に記載の光学部材。
- 順に積層された、前記ポリエステルフィルムから成るフィルム層、透明性接着剤層、記録層、反射層および基材からなる光情報記録媒体である請求項7に記載の光学部材。
- 前記フィルム層の厚みと透明性接着剤層の厚みの合計が98〜102μmである請求項27に記載の光学部材。
- 前記フィルム層の波長405nmにおける面内レターデーションが5nm以下である請求項27または28に記載の光学部材。
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