JP2003170870A - 自動車の車体組立方法および車体組立装置 - Google Patents

自動車の車体組立方法および車体組立装置

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JP2003170870A JP2002134937A JP2002134937A JP2003170870A JP 2003170870 A JP2003170870 A JP 2003170870A JP 2002134937 A JP2002134937 A JP 2002134937A JP 2002134937 A JP2002134937 A JP 2002134937A JP 2003170870 A JP2003170870 A JP 2003170870A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボディサイドの外側での治具の錯綜化を回避
し、そのボディサイドの外側から汎用溶接ロボットにて
仮打ちできるようにする。 【解決手段】 ボディサイドBsの上部の位置決めを司
る治具として、天井部設置式の二つのボディサイド上部
位置決め治具10,11を設ける。これらの治具10,
11は車種毎に専用化されており、前側の治具10はボ
ディサイドBsの上部の前側部分の位置決めを、後側の
治具11はボディサイドBsの上部の後側部分の位置決
めをそれぞれ司る。これらの治具10,11の入れ替え
に備えてリフタ13,14と入れ替えロボット25,2
6があり、仮打ちすべき車種に応じて作業位置Q1とス
トレージ位置エリアである治具受け台23,24との間
でその入れ替えを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車体組立
方法および車体組立装置に関し、特に自動車のボディメ
イン構成要素であるフロアメインと左右のボディサイド
およびルーフレール等の相対位置決めを行って溶接によ
る仮打ちを施すのに好適な車体組立方法および車体組立
装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】複数の車
種の車体を共通のラインで組み立てるいわゆる混流生産
形態の車体組立ラインのうち、車体の骨格となるフロア
メインと左右のボディサイドおよびルーフレール等の相
対位置決めを行って仮打ちするボディメイン仮打ち工程
では、例えば特公平8−15876号公報および特公平
8−15877号公報に示されているように、フロア側
およびボディサイド側共に直交3軸のロボットの如き形
態をなすNCタイプのロケート治具を複数用意してお
き、前工程から仮組み状態で搬送されてくるボディメイ
ン構成要素の該当する位置に上記ロケート治具のゲージ
やクランプ装置を移動させて、ボディメイン構成要素同
士の相対位置決めを行うようになっている。
【0003】しかしながら、ロケート装置がある程度の
汎用性を有していたとしても、そのロケート装置のスト
ロークやゲージ形状の制約のために、車種間でパネル造
形(形状)が著しく異なるような場合にはその対応が困
難となるほか、多数のロケート装置を具備しているため
に設備費の高騰を招くことになる。
【0004】特にボディサイド側に着目した場合、その
ボディサイドの両側には上記ロケート装置を取り付ける
ための大きなフレームが位置しており、同時にこのフレ
ームに取り付けられた一部のロケート装置に上記ゲージ
類に代えて小型のスポット溶接ガンを持たせて溶接によ
る仮打ちまでも行うようになっているため、スポット溶
接ガンがトランス別置きの小型特殊ガンとならざるを得
ず、溶接能力の上で制約を伴うほか、上記ゲージ類やス
ポット溶接ガンとの併存のためにそのボディサイド部の
外側に位置している上記フレームの錯綜化が著しく、例
えば汎用型の溶接ロボットを併用したい場合でもそのロ
ボットの配置スペースおよびロボットアームのアプロー
チに必要な空間を確保することができず、真の意味での
混流生産形態を達成することができなくなる。
【0005】さらに、ボディサイドの上部やルーフ側に
ついても上記ロケート装置によるゲージ位置決め方式を
基本としているため、特に背高車を生産したい場合に高
さ方向でのストローク不足等のためにその対応が困難と
なる。
【0006】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、ボディサイドの上部やルーフレール等の位
置決めは天井部設置で且つ前後で独立した専用治具で行
うようにすることで、相対的にボディサイド側での治具
の錯綜化を回避しつつ同ボディサイドの外側から汎用の
溶接ロボットがアプローチできるようにして、もってパ
ネル造形が著しく異なるような車体までも無理なく組み
立てることができるようにした車体組立方法と車体組立
装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、自動車のボディメイン構成要素であるフロアメイン
と左右のボディサイドおよびルーフレールそれぞれの位
置決めを行いながら各ボディメイン構成要素同士の相対
位置決めを行って溶接による仮打ちを施すにあたり、上
記フロアメインそのものの位置決めと、そのフロアメイ
ンとボディサイド下部との相対位置決めは、床面側より
立設された三次元汎用ロケート装置によって行う一方、
上記ボディサイドおよびルーフレールそれぞれの位置決
めと、ボディサイド上部とルーフレールとの相対位置決
めは、天井部に設置されて車体前後方向で相互に独立し
ているとともに車種に応じてその入れ替えが可能な前後
二つのボディサイド上部位置決め治具によって行う車体
組立方法であることを特徴としている。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明を車体組立装置としてとらえたもので
あって、床面側より立設されて、上記フロアメインその
ものの位置決めと、そのフロアメインとボディサイド下
部との相対位置決めを司る三次元汎用ロケート装置と、
天井部に設置されて車体前後方向で相互に独立している
とともに車種に応じてその入れ替えが可能であって、上
記ボディサイドおよびルーフレールそれぞれの位置決め
と、ボディサイド上部とルーフレールとの相対位置決め
を司る前後二つのボディサイド上部位置決め治具と、を
備えているこことを特徴としている。
【0009】上記仮打ちの対象となるフロアメインとボ
ディサイドおよびルーフレール以外にリアパーセルシェ
ルフ等が含まれていてもよい。
【0010】ここで、ボディメインの母体となるフロア
メインに着目した場合、フロアメイン自体は車種の相違
による形状変化が比較的少ない部位であり、このフロア
メインを位置決め支持するにあたって、例えば直交3軸
の動作自由度を有し且つ先端にはクランプ機能付きのロ
ケートピンを持たせた三次元汎用ロケート装置を使用す
ればその汎用化が可能である。
【0011】同時に、ボディサイドのうちいわゆるウエ
ストラインよりも下側の部分では、治具を当てる部位の
断面形状は車種の違いにかかわらず比較的類似してお
り、上記と同様に三次元汎用ロケート装置を用いればそ
の汎用化が可能である。
【0012】その一方、ルーフ部を含むボディサイドの
上部側(いわゆるウエストラインよりも上側の部分)で
は、車種の違いに基づく造形の上でパネルの形状が大き
く異なり、高い柔軟性が要求されることになる。
【0013】例えば、基本車種(例えば、セダン系)と
その派生車種(例えば、クーペ系やワゴン系)とを比較
した場合、ルーフ部を含むボディサイド上部のうち前側
は比較的形状の差異が少ないものの、基本車種と派生車
種との相違ゆえに後側は著しく形状が異なることが多
い。この場合に、上記ボディサイド上部を一つの治具に
て位置決めしようとすると、車種の切り換えの際にはそ
の治具全体を入れ替える必要があり好ましくない。
【0014】そこで、請求項1,4に記載の発明では、
ボディサイドの上部側の位置決めを司る治具について、
比較的車種の違いによる形状変化の少ない前側部分の位
置決めを司る前側の治具と、車種の違いによる形状変化
の大きな後側の位置決めを司る後側の治具とを相互に独
立させたことで、特に後側の治具についてこれを積極的
に入れ替えることで複数車種の切り換えに柔軟に対応で
き、特に背高車への対応およびパネル造形が大きく異な
る車種への対応が容易に行えるようになる。その上、上
記のようにボディサイド上部の位置決めを天井部設置の
治具に行わせることで、相対的にボディサイドの外側に
配置されることになる治具が減り、その錯綜化が回避さ
れてスペース的な余裕が生まれることになる。そこで、
ボディサイドの外側に例えば汎用型の溶接ロボットを配
置して、この溶接ロボットをもって所定打点の仮打ちを
行わせることができるようになる。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1の記載
を前提として、上記前後二つのボディサイド上部位置決
め治具は単一もしくは複数車種毎に専用化されていると
ともに、各車種のものが実際の作業位置の近くのストレ
ージエリアにストレージされていて、組立対象となる車
種に応じて上記作業位置とストレージエリアとの間でそ
の入れ替えが行われるようになっていることを特徴とし
ている。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、上記請求
項2に記載の発明を車体組立装置としてとらえたもので
あって、前後二つのボディサイド上部位置決め治具は単
一もしくは複数車種毎に専用化されているとともに、各
車種のものが実際の作業位置の近くのストレージエリア
にストレージされていて、さらに組立対象となる車種に
応じて上記作業位置とストレージエリアとの間で各ボデ
ィサイド上部位置決め治具の入れ替え作業を行う治具入
れ替え手段が設けられていることを特徴としている。
【0017】この場合、比較的車種の違いによるパネル
形状の変化の少ない前側の治具については他の車種との
共通性を持たせることが可能であり、したがって、請求
項3に記載のように、ボディサイド上部のうち車種の相
違に基づく造形上の形状変化の少ない前側の位置決め作
業を司る前側のボディサイド上部位置決め治具の総数
は、ボディサイド上部のうち前側に比べ造形上の形状変
化の大きな後側の位置決め作業を司る後側のボディサイ
ド上部位置決め治具の総数よりも少なくても所期の目的
は達成できることになる。
【0018】したがって、これらの請求項2,3および
請求項5に記載の発明では、前後二つのボディサイド上
部位置決め治具を必要車種分だけストレージさせてその
入れ替えを行ったとしても、天井部設置方式であるため
に、スペース的な不利益を伴うことがなくなる。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項5の記載
を前提として、上記作業位置とストレージエリアとの間
にはボディサイド上部位置決め治具の入れ替え待機位置
と入れ替え直前位置がそれぞれに設定されていて、上記
治具入れ替え手段は、ストレージエリアと入れ替え待機
位置との間でボディサイド上部位置決め治具の入れ替え
を行う一次入れ替え手段と、入れ替え待機位置と入れ替
え直前位置との間でボディサイド上部位置決め治具の入
れ替えを行う二次入れ替え手段と、入れ替え直前位置と
作業位置との間でボディサイド上部位置決め治具の入れ
替えを行う最終入れ替え手段とを備えていることを特徴
としている。
【0020】この場合、請求項7に記載のように、入れ
替え待機位置と入れ替え直前位置とは同一平面上に設定
されているとともに、入れ替え直前位置の真下に作業位
置が設定されていることが治具の入れ替えをスムーズに
行う上で望ましくい。
【0021】また同様の理由から、請求項8に記載のよ
うに、二次入れ替え手段は、ボディサイド上部位置決め
治具を搭載して入れ替え待機位置と入れ替え直前位置と
の間を往復移動する搬送台車をもって構成されているこ
とが望ましく、同時に請求項10に記載のように、最終
入れ替え手段は、ボディサイド上部位置決め治具を把持
して入れ替え直前位置と作業位置との間でその入れ替え
を行うリフタをもって構成されていることが望ましい。
【0022】この場合、搬送台車を走行駆動させる手段
としては、例えば搬送台車の側部にラックを配設してお
き、これに噛み合う定位置固定式のピニオンを回転駆動
させることで搬送台車の走行移動を行うものとする。
【0023】さらに、請求項9に記載のように、入れ替
え直前位置の両側にそれぞれ入れ替え待機位置が設定さ
れている一方、搬送台車はボディサイド上部位置決め治
具を個別に搭載可能な二つの治具搭載エリアを有してい
るとともに、一方の治具搭載エリアが入れ替え直前位置
にある時には他方の治具搭載エリアが左右いずれか一方
の入れ替え待機位置に位置するように設定されていて、
左右の入れ替え待機位置に対して搬送台車が交互に走行
移動するようになっていることが、ボディサイド上部位
置決め治具による作業位置での実際の作業と並行して次
の治具の準備を迅速に行う上でより望ましい。
【0024】したがって、これらの請求項6〜10に記
載の発明では、ストレージエリアと入れ替え待機位置と
の間でのボディサイド上部位置決め治具の入れ替えと、
入れ替え待機位置と入れ替え直前位置との間でのボディ
サイド上部位置決め治具の入れ替え、および入れ替え直
前位置と作業位置との間でのボディサイド上部位置決め
治具の入れ替えが含まれることにより、実際の作業位置
にあるボディサイド上部位置決め治具による位置決め作
業と並行して、次の車種のボディメインの組み立てに備
えてその次の車種のボディサイド上部位置決め治具の準
備を行えることになる。
【0025】請求項11に記載の発明は、請求項10の
記載を前提として、搬送台車の治具搭載エリアにはボデ
ィサイド上部位置決め治具を位置決め支持する治具キャ
ッチャーが設けられていて、そのボディサイド上部位置
決め治具を搭載した搬送台車が入れ替え待機位置から入
れ替え直前位置に走行移動する過程で同時にそのボディ
サイド上部位置決め治具がリフタ側の治具把持手段と機
械的に係合する一方、上記治具キャッチャーが解放動作
するのを条件にそのボディサイド上部位置決め治具が搬
送台車からリフタ側の治具把持手段に移載され、さらに
リフタの治具把持手段が下降動作することによってボデ
ィサイド上部位置決め治具が作業位置に位置決めされる
ようになっていることを特徴としている。
【0026】この場合、請求項12に記載のように、ボ
ディサイド上部位置決め治具が作業位置に位置決めされ
た状態では、そのボディサイド上部位置決め治具とリフ
タ側の治具把持手段との機械的係合状態が維持されるよ
うになっている一方、その機械的係合部には、作業位置
側の基準部材を基準として位置決めされたボディサイド
上部位置決め治具と治具把持手段との相対位置誤差を許
容するフローティング自由度が予め設定されていること
が、リフタ側の治具把持手段と作業位置との間でのボデ
ィサイド上部位置決め治具の受け渡しを迅速且つスムー
ズに行う上でより望ましい。
【0027】また、搬送台車の治具搭載エリアを通して
リフタの治具把持手段を昇降動作させるためには、請求
項13に記載のように、治具キャッチャーはボディサイ
ド上部位置決め治具を位置決め支持する一方で治具位置
決め位置と退避位置との間で変位可能な治具支持部材を
備えていて、入れ替え直前位置には上記治具支持部材を
解放動作させて退避位置にロックするロック機構が設け
られていることが望ましい。
【0028】したがって、これら請求項11〜13に記
載の発明では、搬送台車が入れ替え待機位置と入れ替え
直前位置との間を走行移動する過程で、その搬送台車と
リフタ側の治具把持手段との間で自律的にボディサイド
上部位置決め治具の受け渡しが行われることになり、治
具キャッチャーがそれまで支持していたボディサイド上
部位置決め治具を解放するのを条件に、直ちにそのボデ
ィサイド上部位置決め治具を治具把持手段ごと作業位置
に降下,投入することが可能となる。
【0029】この場合、請求項12に記載のように、ボ
ディサイド上部位置決め治具が作業位置に位置決めされ
た状態でもなおもその治具と治具把持手段との機械的係
合が維持されていると、実質的に作業位置と治具把持手
段との間でのボディサイド上部位置決め治具の受け渡し
が不要となることから、作業終了後の治具の取り出し操
作がより迅速且つスムーズに行われるようになる。その
上、特に請求項12に記載の発明では、作業位置側の基
準部材を基準として位置決めされたボディサイド上部位
置決め治具と治具把持手段との相対位置誤差を許容する
フローティング自由度が予め設定されていることから、
作業位置側でのボディサイド上部位置決め治具の位置決
め精度にその治具と治具把持手段との相対位置誤差等が
影響することがなくなる。
【0030】請求項14に記載の発明は、請求項11〜
13のいずれかの記載を前提として、リフタの治具把持
手段とそれに移載されることになるボディサイド上部位
置決め治具のうち相互に対向する部分には、ボディサイ
ド上部位置決め治具側で必要とする流体エネルギーや電
力を供給するためのカプラが個別に設けられていて、可
動側となる治具把持手段側のカプラは、その治具把持手
段に付設されてカプラ同士の脱着操作を司るカプラ脱着
機構の可動部分にフローティング可能に支持されている
ことを特徴としている。
【0031】したがって、この請求項14に記載の発明
では、ボディサイド上部位置決め治具や治具把持手段の
精度誤差等の影響を受けることなしに、ボディサイド上
部位置決め治具側で必要とする流体エネルギーや電力を
確実に供給することができるようになる。
【0032】請求項15に記載の発明は、請求項8〜1
4のいずれかの記載を前提として、レールとこのレール
にスライド可能に案内支持されたスライダとをもって構
成される一対の直動軸受を互いに平行に配置するととも
に、これら一対の直動軸受に搬送台車を走行可能に案内
支持させ、搬送台車の一端部を一方の直動軸受のスライ
ダに対しレールと平行なヒンジピンを介して揺動可能に
連結する一方、搬送台車の他端部を他方の直動軸受のス
ライダに対しフローティング可能に連結したことを特徴
としている。
【0033】この場合、上記フローティング可能な構造
として、請求項16に記載のように、搬送台車の他端部
を他方の直動軸受のスライダに対し上下動可能で且つ台
車走行方向と直角な平面内で傾動変位可能に連結するこ
とがその動作安定性を確保する上で望ましく、より具体
的には、請求項17に記載のように走行台車の他端部を
他方の直動軸受のスライダに対しフローティング機構を
介して連結し、このフローティング機構は、走行台車の
他端部を他方の直動軸受のスライダに対し上下動可能に
弾性支持している一方、走行台車の他端部を台車走行方
向と直角な平面内で傾動変位可能に支持する球面軸受を
備えていることが望ましい。
【0034】ここで、請求項15〜17に記載の発明で
は、先にも述べたように直動軸受を個別に支えている架
台等のレール支持部材同士の対向間隙(搬送台車の治具
搭載エリア)を通してリフタの治具把持手段が昇降動作
することになるので、レール支持部材の両端部以外では
そのレール支持部材同士がその台車走行ストロークのど
の位置においても相互に連結されていないことになる。
そのために、直動軸受全体を支えている構造体全体とし
ての堅牢性もしくは剛性が不足気味になることは否め
ず、例えば直動軸受相互間の相対位置精度、平行度およ
び平面度等が必ずしも十分ではないことになる。
【0035】その一方、搬送台車の一端部が一方の直動
軸受のスライダに対しレールと平行なヒンジピンを介し
て揺動可能に連結され、また搬送台車の他端部が他方の
直動軸受のスライダに対し上下動可能で且つ台車走行方
向と直角な平面内で傾動変位可能に連結されていて実質
的にフローティング構造となっている。したがって、上
記のように例えば直動軸受相互間の相対位置精度、平行
度および平面度が必ずしも十分ではない場合であって
も、それらの誤差は各スライダと台車との間の相対自由
度によって吸収されて、直動軸受を用いた搬送台車の案
内装置として本来の機能を十分に発揮できるようにな
る。
【0036】請求項18に記載の発明は、自動車のボデ
ィメイン構成要素であるフロアメインと左右のボディサ
イドおよびルーフレールそれぞれの一時的な相対位置決
めを行って仮組みする工程と、上記ボディメイン構成要
素それぞれの位置決めを行いながら各ボディメイン構成
要素同士の相対位置決めを行って溶接による仮打ちを施
す工程と、上記仮打ち後のボディメインに対して溶接に
よる増打ちを施す工程と、を含み、各工程間でのボディ
メイン構成要素の搬送は、フロアメインを位置決めクラ
ンプするロケート機能とクランプ機能とを備えたパレッ
トに搭載して行うようになっていて、上記仮打ち工程で
は、床面側より立設された三次元汎用ロケート装置によ
りフロアメインを含むボディメイン構成要素をリフトア
ップさせて位置決めして、そのボディメイン構成要素を
上記パレットから切り離した状態で仮打ち作業を行う一
方、上記増打ち工程では、パレットをパレット位置決め
治具にて位置決めして、そのパレットに位置決めクラン
プされたままのボディメインに対し増打ち作業を施すこ
とを特徴としている。
【0037】この種の車体の搬送形態としては、大きく
分けてパレット方式と称されるものとスキット方式と称
されるものとがある。前者は、例えばフロアメインを母
体とするボディメインを多数のゲージとクランプ装置と
を用いてパレットに堅固に固定し、仮打ちおよび増打ち
の各溶接組立工程ではボディメインをパレットから切り
離すことなく、パレットそのものを所定の治具にて位置
決めして溶接を施すものであり、各溶接組立工程にはパ
レット位置決め治具さえあれば高精度な車***置決め治
具を必要としないという利点がある反面、逆にパレット
そのものが大型且つ複雑化するという欠点がある。ま
た、後者は、バー状のスキットにボディメインを安定し
て支持することができる程度の最小限のゲージを具備さ
せる一方、各溶接組立工程には直交3軸の動作自由度を
もつロボットの如き形態の複数の汎用ロケート治具を設
けるとともに、その先端にクランプ機能を有するロケー
トピンを設け、各溶接組立工程ではスキットによって搬
送されてきたボディメインを上記汎用ロケート治具にて
リフトアップして位置決めクランプした上で溶接等を施
すものであり、スキットそのものは非常に簡素なものと
なる反面、すべての溶接組立工程にはそれぞれに多数の
汎用ロケート治具を設ける必要があるため、各溶接組立
工程の設備が複雑且つ高価なものとならざるを得ない。
【0038】上記請求項18に記載の発明は、先に述べ
たパレット方式とスキット方式の中間的な位置付けのも
のを狙ったものであり、パレットには車体を安定して支
持するのに必要な最小限のゲージとクランプ装置とを設
けてあることから、仮打ち工程ではパレットによって搬
送されてきたボディメインを上記汎用ロケート治具にて
リフトアップして位置決めクランプした上で溶接を施す
一方、上記仮打ちをもって既に車体精度が確定した後の
増打ち工程では、パレットをパレット位置決め治具にて
位置決めして、そのパレットに位置決めクランプされた
ままのボディメインに対し増打ち作業を施すことにな
る。したがって、少なくとも増打ち工程では、パレット
位置決め治具されあれば車***置決め用の汎用ロケート
治具は必要としないことになる。
【0039】
【発明の効果】請求項1,4に記載の発明によれば、ボ
ディサイド下部とフロアメインは床面設置の三次元汎用
ロケート装置によって、ルーフレール等を含むボディサ
イド上部は天井部設置の前後分割タイプの入れ替え可能
な専用治具によってそれぞれ位置決めした上で仮打ちを
施すようにしたことから、特にボディサイド上部の後側
が車種の違いによるパネル造形変化が著しい場合や背高
車を生産するような場合であっても、容易に対応するこ
とが可能となり、真の意味での混流生産形態を実現でき
る。また、天井部設置の前後分割タイプの入れ替え可能
な専用治具の採用によって、相対的にボディサイド側で
の治具の錯綜化を回避できることから、そのボディサイ
ド側に汎用の溶接ロボットを配置して溶接作業を行うこ
とができるようになり、作業効率が大幅に向上する。
【0040】請求項2,5に記載の発明によれば、天井
部設置の前後分割タイプの専用治具は作業位置とスレー
ジエリアとの間でその入れ替えが行われることから、請
求項1,4に記載の発明と同様の効果に加えて、少なく
とも天井部よりも下方側での設備の錯綜化を招くことな
く、多車種のものを予め用意しておくことができ、より
多くの車種の組み立てに対応できるようになって、設備
の汎用性が一段と高くなる。
【0041】請求項3に記載の発明によれば、天井部設
置の前後分割タイプの専用治具のうち前側のものは、ボ
ディサイド上部の該当部位が比較的車種によるパネル造
形変化が少ない点を考慮して、その数を後側の専用治具
よりも少なくしたものであり、請求項2に記載の発明と
同様の効果に加えて、設備としての汎用性を保ちながら
専用治具の総数を減らすことができる利点がある。
【0042】請求項6に記載の発明によれば、ストレー
ジエリアと入れ替え待機位置との間のほか、入れ替え待
機位置と入れ替え直前位置との間ならびにその入れ替え
直前位置と作業位置との間で順次専用治具の入れ替えが
行われるようになっているため、請求項5に記載の発明
と同様の効果に加えて、実際の作業位置での位置決め作
業と並行して、入れ替え待機位置とストレージエリアと
の間で次の車種に備えての専用治具の準備を行えること
になり、設備稼働率が向上する。
【0043】特に請求項7に記載の発明のように、入れ
替え待機位置と入れ替え直前位置とは同一平面上に設定
されていて、その入れ替え直前位置の真下に作業位置が
設定されていたり、あるいは請求項8に記載の発明のよ
うに、入れ替え待機位置と入れ替え直前位置との間での
治具の入れ替えを司る二次入れ替え手段がそれらの間を
往復移動する搬送台車をもって構成されていると、専用
治具の入れ替えがより迅速且つスムーズに行われる利点
がある。
【0044】また、請求項9に記載の発明によれば、上
記入れ替え直前位置の両側にそれぞれ入れ替え待機位置
が設定されているとともに、搬送台車の一方の治具搭載
エリアが入れ替え直前位置にある時には他方の治具搭載
エリアが左右いずれか一方の入れ替え待機位置に位置す
るように設定されていて、しかも左右の入れ替え待機位
置に対して搬送台車が交互に走行移動するようになって
いるので、請求項8に記載の発明と同様の効果に加え
て、作業位置での実際の作業と並行して次の治具の入れ
替え準備をより迅速且つスムーズに行うことができ、ロ
スタイムの短縮化に伴い治具入れ替えのサイクルタイム
を一段と短縮できる効果がある。
【0045】請求項10に記載の発明によれば、入れ替
え直前位置と作業位置との間での治具の入れ替えを司る
最終入れ替え手段がリフタをもって構成されているた
め、請求項7〜9のいずれかに記載の発明と同様の効果
に加えて、両位置の間での治具の入れ替えを一段と迅速
且つスムーズに行える効果がある。
【0046】請求項11に記載の発明によれば、ボディ
サイド上部位置決め治具を搭載した搬送台車が入れ替え
待機位置から入れ替え直前位置に走行移動する過程で自
律的に治具がリフタ側の治具把持手段と機械的に係合す
る一方、搬送台車の治具搭載エリアに設けた治具キャッ
チャーが解放動作するのを条件にその治具が搬送台車か
らリフタ側の治具把持手段に移載され、さらにリフタの
治具把持手段が下降動作することによって治具が作業位
置に位置決めされるようになっているので、一連の治具
の受け渡しによる入れ替え作業が一段と迅速且つスムー
ズに行える効果がある。
【0047】特に請求項12に記載の発明によれば、ボ
ディサイド上部位置決め治具が作業位置に位置決めされ
た状態では、その治具とリフタ側の治具把持手段との機
械的係合状態が維持されるようになっていて、しかもそ
の機械的係合部には、治具と治具把持手段との相対位置
誤差を許容するフローティング自由度が予め設定されて
いるため、治具把持手段と治具との間の相対位置誤差等
の影響を受けることなく、あくまで作業位置側の基準部
材を基準として治具を正確に位置決めできる効果があ
る。
【0048】請求項13に記載の発明によれば、入れ替
え直前位置には治具キャッチャーの治具支持部材を解放
動作させて退避位置にロックするロック機構が設けられ
ているため、請求項11または12に記載の発明と同様
の効果に加えて、その入れ替え直前位置における搬送台
車とリフタの治具把持手段との間での治具の受け渡しが
機械的に正確に行われる利点がある。
【0049】請求項14に記載の発明によれば、リフタ
の治具把持手段とボディサイド上部位置決め治具に個別
に設けたカプラ同士の脱着がカプラ脱着手段によって行
われるようになっていて、しかも一方のカプラはカプラ
脱着機構の可動部分にフローティング可能に支持されて
いるため、請求項11〜13のいずれかに記載の発明と
同様の効果に加えて、治具把持手段や治具そのものの位
置誤差等の影響を受けることなしに治具側で必要とする
流体エネルギーや電力を確実且つ安定して供給すること
ができる効果がある。
【0050】請求項15に記載の発明によれば、一対の
直動軸受の一部を形成しているスライダと搬送台車との
間に積極的に所定の相対自由度を持たせた構造としたた
め、各直動軸受を支えている支持体同士を相互に連結す
ることができずにその対向間隙がいわゆるオープン構造
となっていて、例えば直動軸受相互間の相対位置精度、
平行度および平面度が必ずしも十分ではない場合であっ
ても、それらの相対位置誤差を上記の相対自由度をもっ
て吸収することができるから、上記直動軸受を案内機構
として用いて搬送台車をスムーズに且つ安定して走行さ
せることができるようになる。
【0051】特に請求項16,17に記載の発明によれ
ば、機械的な単純な構成のもとで所期の目的を達成でき
る利点がある。
【0052】請求項18に記載の発明によれば、仮打ち
工程では、パレットによって搬送されてきたボディメイ
ンを三次元汎用ロケート装置で位置決めして仮打ち作業
を行う一方、増打ち工程では、パレットをパレット位置
決め治具にて位置決めして、そのパレットに位置決めク
ランプされたままのボディメインに対し増打ち作業を施
すことになるため、仮打ち工程では、ボディメイン構成
要素間の相対位置決めに際してパレット相互間の精度ば
らつきの影響を受けることがなくなるほか、増打ち工程
では複雑且つ高価な三次元汎用ロケート装置を用意する
必要がなくなり、設備の簡素化と低廉化に寄与できる効
果がある。
【0053】
【発明の実施の形態】図1〜5は本発明の好ましい実施
の形態を示す図であり、ボディメイン仮打ち工程におけ
る車体組立設備の全体構成を示している。より詳しく
は、図1は車体組立設備全体の斜視図を、図2は図1の
右側面説明図を、図3は図1の平面説明図を、図4は図
1を前方側から見た正面説明図を、図5は図1の要部の
拡大斜視図をそれぞれ示している。
【0054】最初に、本実施の形態における組み立て方
法の基本思想について説明すると、従来ではボディサイ
ドそのものの位置決めとそのボディサイドと相手側部品
との相対位置決めを司る治具類がボディサイドの外側に
集中配置されていたのに対して、本実施の形態では、図
6に示すようにボディサイドBsを下部側(いわゆるウ
エストラインよりも下側の部分)と上部側(ウエストラ
インよりも上側の部分)とに分け、ボディサイド下部側
での位置決め部位P1の相対位置決め等は従来と同様に
そのボディサイドBsの外側に配置される治具によって
行うものの、ルーフ部を含むボディサイド上部側での位
置決め部位P2の相対位置決め等についてはそのボディ
サイドBsの外側に配置される治具によらずに、別途天
井部に設置した前後二つの治具によって行うようにした
ことに特徴がある。その結果として、ボディサイドBs
の外側での治具類の集中化もしくは錯綜化が回避され
て、そのボディサイドBsの外側から溶接ロボットをア
プローチさせて必要な仮打ち作業を行うことができるよ
うになる。
【0055】より詳しくは、図6に示すように、ボディ
メイン構成要素の相互関係に着目した場合、ボディメイ
ンBmの母体となるフロアメインFm自体は車種の相違
による形状変化が比較的少ない部位であり、このフロア
メインFmを位置決め支持するにあたって、例えば直交
3軸の動作自由度を有し且つ先端にはクランプ機能付き
のロケートピンを持たせた三次元汎用ロケート装置を使
用すればその汎用化が可能である。
【0056】同時に、ボディサイドBsのうちいわゆる
ウエストラインよりも下側の部分では、治具を当てる部
位の断面形状は車種の違いにかかわらず比較的類似して
おり、上記と同様に三次元汎用ロケート装置を用いれば
その汎用化が可能である。
【0057】その一方、ルーフ部を含むボディサイドB
sの上部側(いわゆるウエストラインよりも上側の部
分)では、車種の違いに基づく造形の上でパネル形状変
化が大きく、高い柔軟性が要求されることになる。例え
ば、セダン系を基本車種としてその派生車種であるクー
ペ系やワゴン系とを比較した場合、ルーフ部を含むボデ
ィサイドBsの上部側のうち前側は比較的形状の差異が
少ないものの、基本車種と派生車種との相違ゆえに後側
は著しく形状が異なることが多い。
【0058】そこで、本実施の形態では、ボディサイド
Bsの上部側の位置決めを司る治具について、比較的車
種の違いによるパネル形状変化の少ない前側の部位を受
け持つ前側の治具と、車種の違いによる形状変化の大き
な後側の部位を受け持つ後側の治具とを相互に独立さ
せ、特に後側の治具についてこれを積極的に入れ替える
ことで複数車種の切り換えに柔軟に対応できるようにし
たものである。
【0059】図1,2,5のほか図6に示すように、ボ
ディメインBmは前工程にてフロアメインFmを母体と
して左右のボディサイドBsやルーフレールR等のボデ
ィメイン構成要素が互いに仮組みされた状態で図7,8
に示すパレットPに位置決めクランプされた状態でボデ
ィメイン仮打ち工程Sに搬送されてくる(なお、図7,
8ではフロアメインFmのみ図示してある)。そして、
そのパレットPはボディメイン仮打ち工程Sにあるパレ
ット位置決め装置1によって位置決めされる。なお、上
記の仮組み状態とは、ボディメイン構成要素同士が互い
に一時的な相対位置決めがなされてはいても、それぞれ
の構成要素が最終的な相対位置決めに必要な相対自由度
を有している状態をいう。
【0060】上記パレットPは、図7,8に示すよう
に、形状受けとしてボディメインBmのうちフロアメイ
ンFmの各部を安定的に支持するための複数のゲージ
2,2…のほか、クランプ機能付きのロケートピンユニ
ット3やクランプ装置4を備えていて、複数のゲージ2
で支えているボディメインBmをロケートピンユニット
3にて位置決めしながら、そのロケートピンユニット3
が持つクランプ機能とクランプ装置4とによって堅固に
クランプするようになっている。なお、上記ロケートピ
ンユニット3のクランプ機能やクランプ装置4はアクチ
ュエータを有しておらず、例えばそれらに個別に付帯し
ている操作ねじを外部の操作手段にて回転操作すること
によりクランプ,アンクランプが行われるようになって
おり、同時にパレット走行中は上記クランプ状態を自己
保持するようになっている。
【0061】図1〜3および図4,5において、ボディ
メイン仮打ち工程Sの床面には、パレット位置決め装置
1をはさんでその両側に複数のフロアメイン位置決め用
の三次元汎用ロケート治具5が立設されている。これら
の三次元汎用ロケート治具5は、例えば図9に示すよう
に直交3軸の動作自由度をもつ直交座標型のロボットの
如き形態のロケータ本体6の先端にクランプ機能を有す
るロケートピンユニット7を持たせたものである。な
お、上記ロケートピンユニット7に類似したものが例え
ば特許第2745841号公報に記載されている。そし
て、仮組み状態のボディメイン構成要素を搭載したパレ
ットPがボディメイン仮打ち工程Sに搬入されてきてそ
のパレットPが位置決めされると、パレットP側のクラ
ンプ装置4によるボディメイン構成要素のクランプ状態
が解除され、それに代わってボディメイン仮打ち工程S
のフロアメイン位置決め用の各三次元汎用ロケート治具
5が作動して各車種に応じた位置にロケートピンユニッ
ト7を移動させ、ボディメイン構成要素のうちフロアメ
インFmを支持点としてこれをリフトアップさせながら
所定高さ位置に位置決めしてクランプすることになる。
つまり、ボディメイン仮打ち工程Sでの仮打ち作業の際
にはボディメイン構成要素はパレットPから一旦切り離
されることになる。
【0062】また、ボディメイン仮打ち工程Sにおける
フロアメイン位置決め用の三次元ロケート治具5の外側
には、ボディサイド下部位置決め用の複数の三次元汎用
ロケート治具8が配置されている。これらのボディサイ
ド下部位置決め用の三次元汎用ロケート治具8もまたフ
ロアメインFm用のものと同様に、直交3軸の動作自由
度をもつ直交座標型のロボットの如き形態のロケータ本
体の先端に形状受けとしての各種ゲージやクランプ装置
を持たせたもので、ボディサイドBsそのものの三次元
的な位置決め機能とともにそのボディサイドBsとフロ
アメインFmとの相対位置決め機能を有している。すな
わち、これらのボディサイド下部位置決め用の三次元汎
用ロケート治具8は、フロアメインFm用の三次元汎用
ロケート治具5によって位置決めクランプされたボディ
メイン構成要素のうちボディサイドBsの下部にアプロ
ーチして、ボディサイドBsそのものの三次元的な位置
決めクランプと、そのボディサイドBsとフロアメイン
Fmとの相対位置決めを行うようになっている。
【0063】さらに、上記ボディサイド下部位置決め用
の三次元汎用ロケート治具8の外側には特に図1に示す
ように汎用型の複数の溶接ロボット9が配置されてい
る。これらの溶接ロボット9は上記ボディサイド下部位
置決め用の三次元汎用ロケート治具8の間からボディメ
インBs側に対しアプローチして、相対位置決め完了後
のボディメイン構成要素同士の接合部に対して仮打ちと
してスポット溶接を施すものである。
【0064】上記ボディメイン仮打ち工程Sにおけるボ
ディメインBmの上方空間には、特に図2,5から明ら
かなように天井部設置タイプの治具として車体前後方向
で相互に独立した前後二つのボディサイド上部位置決め
治具10,11が配置されている。これらのボディサイ
ド上部位置決め治具10,11は単一もしくは複数車種
毎に専用化されていて、後述するように仮打ち対象とな
るボディメインBmの車種に応じてその入れ替えが可能
となっている。
【0065】ここで、図10は図3に示す平面図のうち
ボディサイド上部位置決め治具10,11に関する部分
のみを模式的に描いたものであって、同図から明らかな
ように前後二つのボディサイド上部位置決め治具10,
11が配置される位置をそれぞれ作業位置Q1とすると
ともに、その作業位置Q1の真上位置を入れ替え直前位
置Qnとすると、入れ替え直前位置Qnに搬入された前
後二つのボディサイド上部位置決め治具10,11の両
側にはその入れ替え直前位置Qnと同一平面上に各一対
の入れ替え待機位置Q12,Q22それぞれが設定され
ていて、さらにボディサイド上部位置決め治具10,1
1の前後にはストレージエリアWとしてボディサイド上
部位置決め治具10,11のための複数の治具受け台2
3または24がそれぞれ配置されている。
【0066】より詳しくは、図1,2,4のほか図11
〜13に示すように、ボディメイン仮打ち工程Sには車
両前後方向に伸びる一対の架台31とは別にこれらの架
台31を跨ぐようにして車幅方向に伸びる架台12がそ
の床面から立設されており、この架台12上には図11
に示すように共に治具入れ替え手段の一部である二次入
れ替え手段として機能する前後二つの台車スライド装置
32,33と同じく最終入れ替え手段として機能する前
後二つのリフタ13,14が搭載されている。各台車ス
ライド装置32,33は、図10に示すようにように前
後二つのボディサイド上部位置決め治具10,11を作
業位置Q1の真上位置に相当する入れ替え直前位置Qn
とその両側の入れ替え待機位置Q12またはQ22との
間で入れ替える機能を有する一方、リフタ13,14は
上下方向において共に上記入れ替え直前位置位置Qnお
よび作業位置Q1に対応する位置に設置されているため
に、入れ替え直前位置Qnと作業位置Q1との間で前後
二つのボディサイド上部位置決め治具10,11を入れ
替える機能を有している。
【0067】台車スライド装置32,33は、図11の
ほか図14,15に示すように治具搭載エリアとして車
幅方向に並設されている左右一対の枠状の台車フレーム
34をスペーサ35にて互いに連結して一対の搬送台車
36,37とするとともに、前後一対の搬送台車36,
37を架台12上において車幅方向にスライド可能すな
わち図15のストロークStのもとで走行移動可能に支
持させたものであって、各搬送台車36,37は入れ替
え直前位置Qnとその両側の入れ替え待機位置Q12,
Q22との間を個別に且つ交互に往復移動すなわちシフ
ト移動可能となっている。すなわち、架台12上には、
後述するように各搬送台車36,37について前側から
順に三組ずつの比較的長尺な直動軸受(LMガイドもし
くはリニアガイドとも称される)38〜40および41
〜43が配置されていて、これらの直動軸受38〜43
にて案内されるかたちで各搬送台車36,37が走行移
動するようになっている。
【0068】前側の搬送台車36は前側のボディサイド
上部位置決め治具10の入れ替え専用のものとして、ま
た後側の搬送台車37は後側のボディサイド上部位置決
め治具11の入れ替え専用のものとしてそれぞれ独立し
ていて、前側の搬送台車36の各台車フレーム34には
前側のボディサイド上部位置決め治具10が、また後側
の搬送台車37の各台車フレーム34には後側のボディ
サイド上部位置決め治具11がそれぞれ個別に搭載され
た上で後述する治具キャッチャー110にて位置決め支
持されるようになっている。そして、各搬送台車36,
37共にその搬送台車36または37を形成している左
右いずれか一方の台車フレーム34が入れ替え直線位置
Qnに位置しているときには、他方の台車フレーム34
は必ず左右の入れ替え待機位置Q12,Q12もしくは
Q22,Q22のうちのいずれか一方に位置するように
設定されている。
【0069】ここで、各搬送台車36,37の治具搭載
エリアを形成している枠状の各台車フレーム34は、支
持すべき各ボディサイド上部位置決め治具10,11の
外形形状よりも一回り大きく形成されていて、後述する
ように入れ替え直前位置Qnからその下方の作業位置Q
1までそのボディサイド上部位置決め治具10,11を
移載する際には、台車フレーム34の枠内を通してその
移載作業が行われるようになっている。したがって、図
10にも示すように、各搬送台車36,37のシフト移
動に応じて、入れ替え直前位置Qnとその両側の入れ替
え待機位置Q12,Q22との間で前後二つのボディサ
イド上部位置決め治具10,11の入れ替えが行われ、
同様にして後述するリフタ13,14の昇降動作に応じ
て入れ替え直前位置Qnと作業位置Q1との間での前後
二つのボディサイド上部位置決め治具10,11の入れ
替えが行われることになる。なお、台車スライド装置3
2,33および搬送台車36,37の詳細は後述する。
【0070】前後一対のリフタ13,14は、図2,5
および図12,13に示すように所定ストロークのもと
で昇動作する治具把持手段としての治具チェンジャー4
4または45をその先端部に備えていて、治具チェンジ
ャー44,45が最上昇位置(上昇限位置)にある状態
で、搬送台車(台車フレーム34)36,37に搭載さ
れたボディサイド上部位置決め治具10または11が入
れ替え直前位置Qnに搬入されてくると、ボディサイド
上部位置決め治具10または11は搬送台車36,37
に搭載されたままの状態でありながらも自律的に該当す
るリフタ13または14の治具チェンジャー44または
45の一部と機械的に係合してその治具チェンジャー4
4,45にも支持された状態となり、次いで後述するよ
うに搬送台車36,37側の治具キャッチャー110
(図14参照)がボディサイド上部位置決め治具10ま
たは11を解放すれば、リフタ13,14はそれらのボ
ディサイド上部位置決め治具10または11をそのまま
作業位置Q1まで下降させることが可能となっている。
【0071】すなわち、前側の一方のリフタ13はその
先端の治具チェンジャー44に前側のボディサイド上部
位置決め治具10を、他方のリフタ14は同じくその先
端の治具チェンジャー45に後側のボディサイド上部位
置決め治具11をそれぞれ着脱可能に支持していて、通
常の組立作業時は各ボディサイド上部位置決め治具1
0,11を中央部の作業位置Q1に架台31側のロケー
トピン46(図12,13および図40,41参照)を
基準部材として位置決めした状態で待機している。な
お、リフタ13,14の詳細についても後述する。
【0072】前側のボディサイド上部位置決め治具10
は、例えば図16,17に示すようにリフタ13により
最下降位置(下降限位置)まで投入されたとき、すなわ
ち入れ替え直前位置Qnからその下方の作業位置Q1に
投入されたときに架台31側にロケートピン46(図4
0,41参照)を基準に位置決め支持されるようになっ
ていて、図17にも示すように略矩枠形状をなす治具本
体16の下面四隅部には上記ロケートピン46に嵌合す
るロケートスリーブ47が設けられているほか、治具本
体16から下方に延長された補助枠48には例えばエア
シリンダをアクチュエータとし且つクランプ機能付きの
複数のロケートピンユニット17,49やクランプ装置
18,50が吊り下げ支持されている。そして、ボディ
サイドBsの上部すなわちルーフに近い部分や仮組み状
態にあるルールレールR等をそれぞれ位置決めクランプ
するとともに、それらボディサイドBsとルーフレール
R等との相対位置決めを行うようになっている。
【0073】より詳しくは、ロケートピンユニット17
は図18,19に示すように、エアシリンダ51の作動
により首振り旋回するスイングアーム52がブラケット
53に設けられていて、そのスイングアーム52の先端
にはエアシリンダ54の作動によりクランプ,アンクラ
ンプ動作するクランプ爪55付きのロケートピン56が
装着されている。そして、図18の実線位置までスイン
グアーム52がスイング動作した上でロケートピン56
をフロントルーフレールRのロケート穴に挿入してその
ロケートピン56を基準に位置決めした上でクランプ爪
55にてクランプすることになる。
【0074】また、図16に示す他のロケートピンユニ
ット49については、図18,19に示したものと比べ
た場合にスイングアーム52によるスイング自由度を有
していないもののそれ以外の構成は基本的に図18,1
9に示したものと同様であって、ルーフレールレインフ
ォースやルーフレインフォースセンター等を位置決めク
ランプする機能を有している。
【0075】一方、クランプ装置18については、図2
0〜22に示すようにエアシリンダ57駆動の相互に独
立した一対のスイング式のクランプレバー58,59を
備えており、例えばボディサイドアウタW1とルーフサ
イドレールR1とを圧締するようにしてクランプする機
能を有している。
【0076】また、もう一方のクランプ装置50につい
ては、図23〜25に示すようにエアシリンダ60駆動
の相互に独立したスイング式の合計三つのクランプレバ
ー61〜63を備えており、上記と同様にして例えばボ
ディサイドアウタW1とルーフサイドレールR1とを圧
締するようにしてクランプする機能を有している。
【0077】さらに、図16,17に示すボディサイド
上部位置決め治具10における治具本体16の上面中央
部にはカプラ64が設けられているほか、その両側には
断面略T字状のフック65が各一対ずつ装着されてい
る。カプラ64は、ロケートピンユニット17,49や
クランプ装置18,50等のアクチュエータであるエア
シリンダに圧縮空気を供給するためのコネクタのほか、
治具本体16に付帯している各種電子機器に電力を供給
したりあるいは各種センサの信号の授受を行うためのコ
ネクタを集約したものであって、後述するように作業位
置Q1に投入されるべきボディサイド上部位置決め治具
10が入れ替え直前位置Qnにて搬送台車36からリフ
タ13の治具チェンジャー44に移載された段階でリフ
タ13側のカプラ151とカプラ合わせ面66をもって
結合されるようになっている(図44参照)。フック6
5は、ボディサイド上部位置決め治具10が入れ替え直
前位置Qnに搬入された際に後述するリフタ13側の治
具チェンジャー44との機械的結合部となるものであっ
て、図16に示すように搬送台車36に支持されたボデ
ィサイド上部位置決め治具10が入れ替え待機位置Q1
2から入れ替え直前位置Qnに搬入される過程で、その
フック65がリフタ13側の治具チェンジャー44のフ
ック用レール152に自律的に入り込んで案内支持され
るようになっている。
【0078】他方、後側のボディサイド上部位置決め治
具11もまた前側のものと基本的に同じ構成となってい
て、例えば図26,27に示すように治具本体19の下
側の補助枠68に支持されたエアシリンダ駆動の複数の
クランプ装置20をもってボディサイドBsの位置決め
クランプとリアピラーに対する相対位置決めを行うよう
になっている。なお、この後側のボディサイド上部位置
決め治具11に付帯することになるロケートスリーブ4
7やカプラ64あるいはフック65等については前側の
ボディサイド上部位置決め治具10側のものと全く同様
である。
【0079】クランプ装置20は、図28〜30に示す
ようにエアシリンダ69にてスイング駆動されるスイン
グフレーム70に、同じくエアシリンダ71にてスイン
グ駆動される左右一対のクランプレバー72,73を装
着したもので、例えば上記のようにボディサイドアウタ
W1とリアピラーインナP2との相対位置決めを行うよ
うになっている。
【0080】図2〜4のほか図12に示すように、上記
架台12の前後には延長架台21,22がそれぞれに設
けられている。前側の延長架台21にはストレージエリ
アWとして合計8台の治具受け台23,23…が設けら
れていて、それぞれの治具受け台23,23…に合計8
種類の前側のボディサイド上部位置決め治具10,10
…がストレージ可能となっている(図10参照)。同様
に、後側の延長架台22はストレージエリアWとして合
計8台の治具受け台24,24…が設けられていて、そ
れぞれの治具受け台24,24…に合計8種類の後側の
ボディサイド上部位置決め治具11,11…がストレー
ジ可能となっている。
【0081】各ストレージエリアWとしての治具受け台
23,24の近傍には、治具入れ替え手段の一部である
一次入れ替え手段として、車幅方向に走行移動可能な入
れ替えロボット25または26がそれぞれに配置されて
いて、前側の入れ替えロボット25はロボット25自体
の自由度と上記走行自由度とを併用することで、前側の
ストレージエリアWである治具受け台23,23…と入
れ替え待機位置Q12,Q12のいずれかとの間で前側
のボディサイド上部位置決め治具10の入れ替えを行う
ようになっているとともに、後側の入れ替えロボット2
6は同様に後側のストレージエリアWである治具受け台
24,24…と入れ替え待機位置Q22,Q22のいず
れかとの間で後側のボディサイド上部位置決め治具11
の入れ替えを行うようになっている。
【0082】ここで、例えば後側のボディサイド上部位
置決め治具11の入れ替えについて詳細に説明すると、
合計8車種分の個々のボディサイド上部位置決め治具1
1,11…のストレージ位置は個々の受け台24,24
…の番号をもって予め定められており、今仮りにいずれ
かの車種のボディサイド上部位置決め治具11が作業位
置Q1に位置しているものとすれば、後側のストレージ
エリアWである治具受け台24,24…には治具一台分
の空きがあり、なおかつ作業位置Q1といずれか一方の
入れ替え待機位置Q22に跨るように搬送台車37が位
置してはいても、入れ替え直前位置Qnおよび双方の入
れ替え待機位置Q22,Q22ともにボディサイド上部
位置決め治具11は在席しておらずに空いていることに
なる。
【0083】すなわち、左右一対の台車フレーム34,
34をもって形成されている搬送台車37のうち作業位
置Q1にあるボディサイド上部位置決め治具11を先に
支持していた一方の台車フレーム34がなおも入れ替え
直前位置Qnに待機していることから、他方の台車フレ
ーム34は入れ替え直前位置Q1の両側の入れ替え待機
位置Q22,Q22のいずれか一方に必ず位置している
ことになる。なお、先にも述べたように一対の台車フレ
ーム34,34からなる搬送台車37はストロークSt
(図15参照)のもとで往動と復動とを繰り返すもので
あるから、一方の台車フレーム34が入れ替え直前位置
Qnにあるとき他方の台車フレーム34が入れ替え待機
位置Q22,Q22のうちのどちら側に位置するかは制
御系によって予め把握されている。
【0084】そこで、上位の生産指示装置から後側の入
れ替えロボット26に対して、次に仮打ちを行うべきボ
ディメインBmの車種情報を与えると、入れ替えロボッ
ト26はストレージエリアである治具受け台24,24
…のなかからその次に使用するボディサイド上部位置決
め治具11,11…のいずれかを選択して搬送台車37
のうち入れ替え待機位置Q22,Q22のいずれかに位
置している台車フレーム34に移載して位置決め支持さ
せる。
【0085】この後、現時点でボディメイン仮打ち工程
Sに位置しているボディメインBmの仮打ち作業が終了
すると、リフタ14はそれまで作業位置Q1にて作業を
行っていた後側のボディサイド上部位置決め治具11を
リフトアップさせた上で、入れ替え直前位置Qnにて搬
送台車37のうちその位置で待機している台車フレーム
34に移載して位置決め支持させる。ただし、そのボデ
ィサイド上部位置決め治具11が台車フレーム34に移
載された状態においても、なおもボディサイド上部位置
決め治具11はリフタ14の治具チェンジャー45にも
支持されている。これにより、搬送台車37の各台車フ
レーム34,34には、使用済みのボディサイド上部位
置決め治具11と次に使用されるべきボディサイド上部
位置決め治具11が共に支持されたことになる。なお、
リフタ14の詳細については後述する。
【0086】続いて、搬送台車37が入れ替え待機位置
Q22,Q22のうち空いているいずかか一方の位置Q
22まで走行移動すると、その走行移動に伴って使用済
みのボディサイド上部位置決め治具11がリフタ14の
治具チェンジャー45から自律的に解放される一方、代
わって次に使用すべきボディサイド上部位置決め治具1
1がリフタ14の治具チェンジャー45に自律的且つ機
械的に係合してこれに支持されるようになる。これによ
って、それまで入れ替え直前位置Qnにあった使用済み
のボディサイド上部位置決め治具11が一方の入れ替え
待機位置Q22に払い出される一方で、他方の入れ替え
待機位置Q22で待機していたボディサイド上部位置決
め治具11が入れ替え直前位置Qnに搬入されて位置決
めされることになる。そして、リフタ14は新たに搬入
されたボディサイド上部位置決め治具11をその入れ替
え直前位置Qnからその下方の作業位置Q1まで投入す
ることになる。
【0087】こうしてボディサイド上部位置決め治具1
1の入れ替えが完了すれば、次の車種のボディメインB
mの搬入を待って直ちにそのボディメインBmの位置決
め作業に移行することができる。同時に、上記作業と並
行して、その前に使用されて入れ替え待機位置Q22で
待機しているボディサイド上部位置決め治具11を入れ
替えロボット26によってストレージエリアWである特
定の治具受け台24に戻す作業が行われることになる。
このような治具入れ替え作業は、前側のボディサイド上
部位置決め治具10についても基本的には同様に行われ
る。
【0088】ここで、上記ボディサイド上部位置決め治
具10,11を前側と後側とで相互に独立させているの
は、ルーフ部を含むボディサイドBsの上部側では、車
種の違いに基づく造形の上でパネル形状変化が大きく、
高い柔軟性が要求されるためである。すなわち、セダン
系を基本車種としてその派生車種であるクーペ系やワゴ
ン系とを比較した場合、ルーフ部を含むボディサイドB
sの上部側のうち前側は比較的形状の差異が少ないもの
の、基本車種と派生車種との相違ゆえに後側は著しく形
状が異なることが多く、上記ボディサイドBsの上部を
一つの治具にて位置決めしようとすると、車種の切り換
えの際にはその大きな治具全体を入れ替える必要がある
からである。
【0089】したがって、本実施の形態では、上記のよ
うに前後ともにボディサイド上部位置決め治具10,1
1としてそれぞれ最大8種類のものをストレージできる
構成となっているが、実際には先に述べたように前側の
ボディサイド上部位置決め治具10については複数車種
に共用できることが多いことから、一般的には後側のボ
ディサイド上部位置決め治具11のストレージ総数より
も前側のボディサイド上部位置決め治具10のストレー
ジ総数の方が少なくても混流生産形態に十分に対応可能
である。
【0090】次に、上記のような車体組立装置の主要な
構成要素である台車スライド装置32,33や搬送台車
36,37およびリフタ13,14等の構造を詳細に説
明する。
【0091】図11のほか図14,15に示すように、
ボディメイン仮打ち工程Sにおける架台12は組立対象
となるボディメインの車幅方向(ボディメイン搬送方向
と直交方向)に伸びる平行な三本のビーム80,81,
82を備えており、各ビーム80〜82にはそれぞれ二
本ずつの長尺な直動軸受38〜43を敷設してある。そ
して、図14における前側三本の直動軸受38〜40は
前側のボディサイド上部位置決め治具10用の搬送台車
36のスライド案内部として、後側三本の直動軸受41
〜43は後側のボディサイド上部位置決め治具11用の
搬送台車37のスライド案内部としてそれぞれ機能する
ようになっている。なお、図14は基本的に左右対称の
配置となっていて、左右の同一相当部分には同一符号を
付してあるる。
【0092】各直動軸受38〜40は、図33にも示す
ように断面略I型状の各ビーム80〜82に固定された
長尺なガイドレール(ガイドウェイ)83とこのガイド
レール83にスライド可能に案内支持された複数のスラ
イダ84とをもって構成されていて、前側三本の直動軸
受38〜40に付帯するスライダ84は前側の搬送台車
36(台車フレーム34)に、後側三本の直動軸受41
〜43に付帯するスライダ84は後側の搬送台車37
(台車フレーム34)にそれぞれ連結してある。そし
て、中央部の二本の直動軸受40,41は前側と後側の
搬送台車36または37ごとに相互に独立してはいて
も、前側二本の直動軸受38,39のスライダ84,8
4同士および後側二本の直動軸受42,43のスライダ
84,84同士は図33に示すように連結板85をもっ
て相互に連結されていて、互いに一体のものとして機能
するようになっている。
【0093】図31〜33は図14,15における前側
の搬送台車36の詳細を示しており、ビーム80の側部
に補助レール86が固定されていて、この補助レール8
6の上に前側二本の直動軸受38,39のガイドレール
83が固定されている。図33において、直動軸受3
8,39のスライダ84,84同士を連結している連結
板85と台車フレーム34の前端部との間には、一対の
ヒンジブラケット87,88同士を台車走行方向と平行
なヒンジピン89にて連結してなる複数のヒンジ90が
介装されていて、一方のヒンジブラケット87は連結板
85に、他方のヒンジブラケット88は搬送台車36側
の台車フレーム34にそれぞれ連結されている。これに
より、三本の直動軸受38〜40をスライド案内部とし
て走行可能な前側の搬送台車36には、ヒンジピン89
を回転中心とする回転もしくは揺動自由度を持たせてあ
る。
【0094】これに対して後側の直動軸受40側では、
搬送台車36(台車フレーム34)の後端部との間に複
数のフローティング機構91を介装してある。このフロ
ーティング機構91は、図34,35に示すように先端
に半球状部92を有するピン93を台車フレーム34側
から下方に向けて突設する一方、上記半球状部92を遊
嵌的に収容する半割り状のホルダー94をベースプレー
ト95とともに直動軸受40のスライダ84に固定した
ものである。ホルダー94内部には半球状部92と球面
接触する凹状の球面プレート95を設けて球面軸受96
とするとともに、同じくホルダー94内部にはピン93
を下方に付勢する圧縮コイルスプリング97をワッシャ
ー98とともに設けて、半球状部92を球面プレート9
5に圧接させている。
【0095】これにより、ピン93は直動軸受40のス
ライダ84に対して上下動可能に弾性支持されながら図
34の矢印D方向に傾動もしくは揺動変位可能な構造と
なっており、その結果として、搬送台車36全体として
は少なくとも直動軸受40側で上下動可能であると同時
にヒンジピン89を回転中心として傾動もしくは揺動変
位可能すなわち台車走行方向と直角な平面内で傾動変位
可能ないわゆるフローティング可能な構造となってい
る。なお、ホルダー94内の圧縮コイルスプリング97
は、上記のようなフローティング自由度を具備させなが
らもその自由度の中立位置に自律的に復帰させるための
リターンスプリングを兼ねている。
【0096】図33に示す連結板85の上には台車走行
方向に伸びる補助ビーム99を介して同じく台車走行方
向に伸びるラック100が固定されていて、それに隣接
してビーム80上には前側の搬送台車36の走行駆動機
構101が配置されている。この走行駆動機構101
は、ビーム80上のブラケット102に正逆転可能な駆
動モータ103を直立姿勢にて搭載するとともに、その
ブラケット102にモータ回転軸104と平行な従動軸
105を軸受支持させたもので、従動軸105の上端に
はドリブンプーリ106を、従動軸105の下端にはラ
ック100に噛み合うピニオン107をそれぞれ装着し
てある。また、モータ回転軸104にはドライブプーリ
108を装着するとともに、そのドライブプーリ108
とドリブンプーリ106との間にはタイミングベルト1
09を巻き掛けてある。したがって、駆動モータ103
の起動によりピニオン107を定位置にて回転駆動させ
ることでラック100との噛み合いのために搬送台車3
6が所定ストロークStのもとで走行移動することにな
る。
【0097】ここで、このような前側の搬送台車36に
関する直動軸受38〜40や台車そのものあるいは走行
駆動機構101等の構造は図14,15示す後側の搬送
台車37についても基本的に同様の構造となっている。
【0098】また、各搬送台車36,37のスライドス
トロークが比較的大きいにもかかわらずそのスライド案
内機構として上記のような直動軸受(LMガイドもしく
はリニアガイド等の名称で一般に市販されているもの)
38〜43を採用しているのは、直動軸受38〜43自
体が直線運動を行う移動物体の案内にボールまたはころ
を用いた直動転がり案内機構であることから、台車走行
時の騒音や振動の発生がきわめて少ないだけでなく、摩
擦力が小さく且つスティックスリップ現象がないことか
ら、停止位置での正確な位置決めを行える等の特長があ
るからである。
【0099】その一方、上記車体組立装置の特殊性とし
て搬送台車36,37の走行方向とリフタ13,14の
昇降方向とが交差するかたちとなることから、各直動軸
受38〜43を支えているビーム80〜82はその長手
方向の両端以外では全く連結されておらず、例えば前側
の搬送台車36についてみれば、前側の二本の直動軸受
38,39と後側の直動軸受40におけるガイドレール
84,84同士は全く連結されることなくその対向間隙
は完全なるオープン構造となっている。そのため、直動
軸受38〜40同士の相対位置精度例えば平行度や平面
度が必ずしも十分でない可能性があるものの、上記のよ
うに直動軸受38〜40に対する搬送台車36自体の支
持形態をいわゆるフローティング構造とすることで直動
軸38〜40受同士の相対位置誤差を吸収して、搬送台
車36の走行安定性を確保できるようになる。
【0100】図36〜38には上記前側の搬送台車36
の詳細を示す。図31,33のほか図36〜38に示す
ように、搬送台車36は先に述べたように前側のボディ
サイド上部位置決め治具10を位置決め支持するための
枠状の二つの台車フレーム34,34をスペーサ35を
介して相互に連結したもので、各台車フレーム34の対
向二辺部にはボディサイド上部位置決め治具10を直接
的に位置決め支持するための各一対のトグル式の治具キ
ャッチャー110が設けられている。
【0101】治具キャッチャー110は、台車フレーム
34上のブラケット111にヒンジピン112を介して
回転可能に支持された治具支持部材としての略ベルクラ
ンク状の支持アーム113と、同じくブラケット111
に回転可能に支持された長尺な同期シャフト114と、
この同期シャフト114にキー結合をもって同軸一体に
結合されたリンク115と、上記支持アーム113とリ
ンク115とを相互に連結している中間リンク116
と、図39に示すように同期シャフト114の長手方向
両端部にキー結合をもって同軸一体に形成されたカムフ
ォロアレバー117と、そのカムフォロアレバー117
に回転自在に装着されたカムフォロアローラ118とを
もって形成されている。
【0102】支持アーム113の先端には台車フレーム
34側の着座パッド119を受容する着座シート120
が固定されていて、両者の接触によるセルフロケート機
能もしくはセンタリング機能をもってボディサイド上部
位置決め治具10の治具本体16が位置決め支持され
る。そして、支持アーム113は図38に実線で示す治
具位置決め位置Y1と退避位置Y2との間で回転変位す
るようになっていて、上記のように隣接する治具キャッ
チャー110,110同士が単一の同期シャフト114
を互いに共有しているために、隣接する治具キャッチャ
ー110,110同士の支持アーム113の動きが互い
に同期するようになっている。
【0103】ブラケット111側の張り出し部121と
リンク115との間には引っ張りコイルスプリング12
2が張設されていて、このコイルスプリング122は支
持アーム113を図38に示す治具位置決め位置Y1側
に向けて常時付勢している。そして、この付勢力のため
にカムフォロアレバー117に外力が加わらない状態で
は同図に示すように中間リンク116がブラケット11
1の端面のストッパ部123に当接していて、リンク1
15と中間リンク116とがほぼ一直線状に揃いながら
支持アーム113は治具位置決め位置Y1で待機してい
ることになる。
【0104】より詳しくは、図38において、リンク1
15およびカムフォロアレバー117の回転中心である
同期シャフト114の軸心を通る軸線L1を基準とした
場合に、リンク115と中間リンク116の連結点であ
るピン124および中間リンク116と支持アーム11
3の連結点であるピン125が共に所定量αだけ軸線L
1よりも支持アーム113の回転中心(ピン112)寄
りに位置していていわゆる死点を越えた状態にあること
から、支持アーム113に前側のボディサイド上部位置
決め治具10が位置決め載置されてその全重量が作用し
たとしても、少なくとも支持アーム113を退避位置Y
2側に回転変位させることは不可能であって、図38の
状態を自己保持するように設定されている。これに対し
て、図39に示すように後述するロック機構131の操
作カム134にてカムフォロアローラ118付きのカム
フォロアレバー117を押し下げたときには、図38に
仮想線で示すように支持アーム113を退避位置Y2ま
で回転させてその位置に自己保持することができるよう
になっている。
【0105】一方、図14,15および図31に示すよ
うに入れ替え直前位置Qnの両側にはビーム80,82
間に跨るようにして補助架台130が設けられていて、
この補助架台130には図36〜38に示した治具キャ
ッチャー110の支持アーム113を治具位置決め位置
Y1から退避位置Y2まで退避させてその退避位置Y2
にロックするロック機構131が個別に設けられてい
る。このロック機構131は、図36,37に示すよう
にブラケット132にクレビス型の駆動シリンダ133
を鉛直姿勢にて配置するとともに、その下方に駆動シリ
ンダ133のピストンに連結されてそれとともに昇降駆
動される略コ字状の操作カム134を設けたもので、図
36に示すようにリフタ13側の治具チェンジャー44
のフック用レール152に治具10側のフック65が入
り込むのと並行して、図38,39に示すように各治具
キャッチャー110におけるカムフォロアレバー117
の先端のカムフォロアローラ118がその操作カム13
4のコ字状空間に入り込むようになっている。そして、
後述するように入れ替え直前位置Qnに搬入されたボデ
ィサイド上部位置決め治具10がリフタ13にて支持さ
れたことを条件に図38,39に示すように操作カム1
34を下降させてカムフォロアレバー117を押し下げ
操作したときには、各治具キャッチャー110の支持ア
ーム113を治具位置決め位置Y1から退避位置Y2ま
で退避動作させて、各支持アーム113からボディサイ
ド上部位置決め治具10を解放することが可能となって
いる。
【0106】なお、上記搬送台車36およびロック機構
131等の構造は後側の搬送台車37に関する部分につ
いても全く同様である。
【0107】図40〜43には入れ替え直前位置Qnと
作業位置Q1との間で前側のボディサイド上部位置決め
治具10の入れ替えを行う最終入れ替え手段としてのリ
フタ13の詳細を示す。すなわち、図40〜43は図
2,12および図16に示すリフタ13の詳細を示して
いる。
【0108】図40〜43に示すように、補助架台13
0にクロスビーム140を介して設けられたリフタ13
はその下端に治具グリッパもしくは治具把持手段として
機能する略矩形フレーム状の治具チェンジャー44が一
対のガイドポスト141と同じく一対のエアシリンダ等
のアシストシリンダ142を介して昇降可能に吊り下げ
支持されている(ただし、図41では片方のアシストシ
リンダ142のみ図示してある)。そして、搬送台車3
6が走行することになる入れ替え待機位置Q12と入れ
替え直前位置Qnとの間での入れ替え作業時には、治具
チェンジャー44は入れ替え直前位置Qnに相当する最
上昇位置で待機している。
【0109】各ガイドポスト141には長手方向に沿っ
てラック143が固定されていて、このラック143に
噛み合うピニオン144がドライブシャフト145上に
同軸一体に設けられている。ドライブシャフト145は
複数の軸受によって回転可能に支持されていて、その一
端にはドリブンプーリ146が固定されているととも
に、駆動モータ147のモータ回転軸にもドライブプー
リ148が固定されていて、それら両プーリ148,1
46間にタイミングベルト149が巻き掛けられてい
る。これにより、駆動モータ147によるピニオン14
4の正逆転駆動とアシストシリンダ142の伸縮作動に
応じて治具チェンジャー44が入れ替え直前位置(最上
昇位置)Qnと作業位置(最下降位置)Q1との間で昇
降動作するようになっている。
【0110】また、治具チェンジャー44の下面中央部
にはカプラ脱着機構150に支持された円形のカプラ1
51が設けられているほか、その両側には台車走行方向
に沿って比較的長尺なフック用レール152が装着され
ている。カプラ151は、先にも述べたように治具チェ
ンジャー44に支持された前側のボディサイド上部位置
決め治具10におけるロケートピン17やクランプ装置
18等(図16,17参照)のアクチュエータに圧縮空
気を供給するためのコネクタのほか、治具本体16に付
帯している各種電子機器に電力を供給したりあるいは各
種センサの信号の授受を行うためのコネクタを集約した
ものであって、図44〜46に示すようにカプラ脱着機
構150の円形のチャック153の爪部154に直径方
向および上下方向に所定の隙間を持たせた状態でいわゆ
るフローティング可能にもしくはフローティング自由度
を持たせた状態で装着されている。
【0111】カプラ脱着機構150は、治具チェンジャ
ー44上のアーチ状のフレーム155にガイドロッド1
56付きの脱着シリンダ157を装着するとともに、そ
れらのピストンロッド158およびガイドロッド156
の先端にチャック153を連結したものである。そし
て、図40,41に示すように入れ替え直前位置Qnに
搬送台車10上のボディサイド上部位置決め治具(作業
位置Q1に投入されるべきボディサイド上部位置決め治
具)10が正しく位置決めされた状態、すなわち同図に
示すように治具チェンジャー44側のフック用レール1
52にボディサイド上部位置決め治具10側のフック6
5が案内支持された状態でチャック153を下降させる
と、ボディサイド上部位置決め治具10側のカプラ64
と治具チェンジャー44側のカプラ151とがカプラ合
わせ面66をもって結合される。これにより、先に述べ
た給電系および空圧供給系等のコネクタ同士が互いに嵌
合結合されて治具10側で必要とする電力や圧縮空気の
供給ができるようになっている。なお、図44に示すよ
うに治具チェンジャー44側のフック用レール152に
治具10側のフック65が案内支持された状態であって
も、先に述べた搬送台車36側の治具キャッチャー11
0がボディサイド上部位置決め治具10を解放しないか
ぎりはフック用レール152とフック65との間には上
下および左右方向に所定の遊びが確保されている。
【0112】この後、図36,40に示したロック機構
131が作動してそれぞれの治具キャッチャー110の
支持アーム113(図38参照)を退避位置Y2まで回
転させてロックすると、この時点で初めてボディサイド
上部位置決め治具10が治具キャッチャー110から解
放されて治具チェンジャー44側のフック用レール15
2とフック65との係合のみによって支持された状態と
なる。そして、リフタ13の治具チェンジャー44が所
定ストロークだけ下降すると、図40,41に示したよ
うに架台31上の作業位置Q1にあるロケートピン46
に対して治具本体16側の四隅のロケートスリーブ47
が嵌合して、このロケートピン46を基準としてボディ
サイド上部位置決め治具10が作業位置Q1に位置決め
されることになる。
【0113】この時、図44に示したようにロケートピ
ン46を基準としてボディサイド上部位置決め治具10
が作業位置Q1に位置決めされたとしてもフック用レー
ル152とフック65とは係合したままではあるもの
の、そのフック用レール152とフック65との間に所
定の隙間が確保されていわゆる浮動状態となるように予
め設定してあるため、ボディサイド上部位置決め治具1
0がリフタ13の精度の影響を受けることがなく、ロケ
ートピン46を基準として作業位置Q1に機械的に正確
に位置決めされることになる。
【0114】なお、以上のような前側のリフタ13の構
造は後側のリフタ14についても同様である。
【0115】以上のように構成された車体組立装置によ
れば、図7,8に示したパレットPに位置決め支持され
た仮組み状態のボディメインBmがそのパレットPとと
もに前工程からボディメイン仮打ち工程Sに搬入されて
くると、最初にパレット位置決め装置1が作動して、そ
のパレットPを位置決めする。パレットPが位置決めさ
れると、そのパレットPに付帯しているクランプ装置4
等によるボディメインBmのクランプ状態が解除され
る。
【0116】続いて、パレット位置決め装置1の両側で
待機している複数のフロアメイン用の三次元汎用ロケー
ト治具5(図9参照)が作動して、そのロケートピンユ
ニット7にてフロアメインFmを支持部としてボディメ
インBm全体をリフトアップしながら所定高さ位置に位
置決め支持する。これにより、ボディメインBmはパレ
ットPから一旦切り離される。そして、各三次元汎用ロ
ケート治具5は上記ロケートピンユニット7に内蔵され
ているクランプ機能を使ってボディメインBmをクラン
プする。
【0117】さらに、ボディサイド用の左右の三次元汎
用ロケート治具8が作動して、複数のゲージやクランプ
装置によりボディサイドBsの下部そのものを位置決め
しながらそのボディサイドBsの下部とフロアメインF
mとの相対位置決めを行う。
【0118】同時に、作業位置Q1に位置している前後
二つのボディサイド上部位置決め用治具10,11が作
動して、図16,17および図26,27に示したよう
に治具10,11に付帯している複数のロケートピン1
7,49やクランプ装置18,20,50によりボディ
サイドBsの上部そのものを位置決めしながらそのボデ
ィサイドBsの上部と複数のルーフレールR等との相対
位置決めを行う。
【0119】ここで、前後二つのボディサイド上部位置
決め用治具10,11による位置決め作業が行われてい
る過程では、先に述べたように前後のストレージエリア
Wとしての治具受け台23または24と入れ替え待機位
置Q12またはQ22との間で、使用済みのボディサイ
ド上部位置決め用治具10,11および次に使用するボ
ディサイド上部位置決め用治具10,11との入れ替え
が行われる。
【0120】こうして、フロアメインFmや左右のボデ
ィサイドBsを主要素とするボディメイン構成要素相互
間の相対位置決めが完了すると、上記ボディサイド用の
三次元汎用ロケート治具8の外側で待機している複数の
溶接ロボット9が作動して、それらの三次元汎用ロケー
ト治具8,8の間からロボットアーム先端のスポット溶
接ガンをボディサイドBs側にアプローチして、ボディ
メイン構成要素同士の接合部にいわゆる仮打ちとして必
要数のスポット溶接を施す。必要数のスポット溶接が完
了すれば、ボディメインBmとしての一応の精度は確定
したことになる。
【0121】仮打ちとしての必要数のスポット溶接が完
了すると、前後二つのボディサイド上部位置決め用治具
10,11やボディサイド用の三次元汎用ロケート治具
8がそれぞれボディメインBmを開放して退避動作する
一方、それに続いてフロアメイン用の三次元汎用ロケー
ト治具5が先ずアンクランプ状態となり、さらに低速で
ボディメインBmを下降させることでそのボディメイン
Bmが再びその下方で待機しているパレットPに移載さ
れて位置決めされる。仮打ち後のボディメインBmがパ
レットPに移載されると、そのパレットP側のクランプ
装置等が作動して、ボディメインBmを再び位置決めク
ランプ状態とする。
【0122】ボディメインBmがパレットPに位置決め
クランプされると、そのパレットPは従来と同様に後工
程の増打ち工程に搬送される。増打ち工程では、ボディ
メインBmを位置決め支持しているパレットPを上記と
同様のパレット位置決め装置にて位置決めし、ボディメ
インBmをパレットPから切り離すことなくそのままの
状態で溶接ロボットにて増打ちとして必要数のスポット
溶接を施すことになる。なお、この増打ち作業は周知の
ように打点数が多いために、通常は数工程に分けて行わ
れる。
【0123】このように増打ち工程では、ボディメイン
BmをパレットPから切り離すことなく溶接作業を行う
ために、上記ボディメイン仮打ち工程Sのように高機能
な三次元汎用ロケート装置を付帯させる必要がなくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態としてボディメイ
ン仮打打ち工程の全体構成を示す斜視図。
【図2】図1に示すボディメイン仮打打ち工程の構成を
示す右側面説明図。
【図3】同じく図1に示すボディメイン仮打ち工程の平
面説明図。
【図4】同じくボディメイン仮打ち工程の正面説明図。
【図5】図1に示すボディメイン仮打ち工程の要部拡大
斜視図。
【図6】本発明の組み立て方法の基本概念を示す分解斜
視図。
【図7】ボディメイン搬送用のパレットの側面図。
【図8】図7の正面図。
【図9】フロアメイン位置決め用の三次元汎用ロケート
治具の概略構成を示す斜視図。
【図10】図1,2におけるボディサイド上部位置決め
治具の入れ替えに関与する部分を模式化した概略平面説
明図。
【図11】図1の要部平面図。
【図12】図11の右側面図。
【図13】図11の正面図。
【図14】図11の要部拡大図。
【図15】図14の左側面説明図。
【図16】前側のボディサイド上部位置決め用治具の詳
細を示す側面説明図。
【図17】同じく前側のボディサイド上部位置決め用治
具の正面説明図。
【図18】図16に示すロケートピンユニットの詳細を
示す拡大図。
【図19】図18の側面図。
【図20】図16に示すクランプ装置の拡大図。
【図21】図20の側面図。
【図22】図21の平面図。
【図23】図16に示す別のクランプ装置の拡大図。
【図24】図23の側面図。
【図25】図24の平面図。
【図26】後側のボディサイド上部位置決め用治具の詳
細を示す側面説明図。
【図27】同じく後側のボディサイド上部位置決め用治
具の正面説明図。
【図28】図26に示すクランプ装置の拡大図。
【図29】図28のF方向矢視図。
【図30】図28の平面図。
【図31】図14の要部拡大図。
【図32】図31の左側面図。
【図33】図31のM−M線に沿う拡大断面図。
【図34】図33に示すフローティング機構の拡大断面
図。
【図35】図34の平面説明図。
【図36】図31のN−N線に沿う拡大断面図。
【図37】図36の平面図。
【図38】図36,37に示す治具キャッチャーの拡大
側面図。
【図39】図38の要部説明図。
【図40】図12に示す前側のリフタの拡大図。
【図41】図40の側面図。
【図42】図41の平面図。
【図43】図40のJ−J線に沿う矢視図。
【図44】図40に示す治具チェンジャーの要部拡大
図。
【図45】図44の側面図。
【図46】図44の平面図。
【符号の説明】
5…フロアメイン位置決め用の三次元汎用ロケート治具 8…ボディサイド下部位置決め用の三次元汎用ロケート
治具 9…溶接ロボット 10…前側のボディサイド上部位置決め治具 11…後側のボディサイド上部位置決め治具 13,14…リフタ(治具入れ替え手段,最終入れ替え
手段) 23,24…治具受け台 25,26…入れ替えロボット(治具入れ替え手段,一
次入れ替え手段) 32,33…台車スライド装置(治具入れ替え手段,二
次入れ替え手段) 34…台車フレーム(治具搭載エリア) 36,37…搬送台車 38〜43…直動軸受 44,45…治具チェンジャー(治具把持手段) 46…ロケートピン(基準部材) 47…ロケートスリーブ 64…治具側のカプラ 65…フック 66…カプラ合わせ面 83…ガイドレール 84…スライダ 89…ヒンジピン 90…ヒンジ 91…フローティング機構 96…球面軸受 97…圧縮コイルスプリング 110…治具キャッチャー 113…支持アーム(治具支持部材) 131…ロック機構 150…カプラ脱着機構 151…治具チェンジャー側のカプラ 152…フック用レール Bm…ボディメイン Bs…ボディサイド(ボディメイン構成要素) Fm…フロアメイン(ボディメイン構成要素) P…パレット Q1…作業位置 Q12,Q22…入れ替え待機位置 Qn…入れ替え直前位置 R…ルーフレール(ボディメイン構成要素) W…ストレージエリア Y1…治具位置決め位置 Y2…退避位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 公宏 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 市川 智弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3C030 BD06 CC01 DA01 DA27 DA28 DA31 DA34 DA36 DA37 3D114 AA04 BA01 CA06 DA17 EA02

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のボディメイン構成要素であるフ
    ロアメインと左右のボディサイドおよびルーフレールそ
    れぞれの位置決めを行いながら各ボディメイン構成要素
    同士の相対位置決めを行って溶接による仮打ちを施すに
    あたり、 上記フロアメインそのものの位置決めと、そのフロアメ
    インとボディサイド下部との相対位置決めは、床面側よ
    り立設された三次元汎用ロケート装置によって行う一
    方、 上記ボディサイドおよびルーフレールそれぞれの位置決
    めと、ボディサイド上部とルーフレールとの相対位置決
    めは、天井部に設置されて車体前後方向で相互に独立し
    ているとともに車種に応じてその入れ替えが可能な前後
    二つのボディサイド上部位置決め治具によって行うこと
    を特徴とする自動車の車体組立方法。
  2. 【請求項2】 上記前後二つのボディサイド上部位置決
    め治具は単一もしくは複数車種毎に専用化されていると
    ともに、各車種のものが実際の作業位置の近くのストレ
    ージエリアにストレージされていて、組立対象となる車
    種に応じて上記作業位置とストレージエリアとの間でそ
    の入れ替えが行われるようになっていることを特徴とす
    る請求項1に記載の自動車の車体組立方法。
  3. 【請求項3】 車種の相違に基づく造形上の形状変化の
    少ない車体前部の位置決め作業を司る前側のボディサイ
    ド上部位置決め治具の総数は、車体前部に比べ造形上の
    形状変化の大きな車体後部の位置決め作業を司る後側の
    ボディサイド上部位置決め治具の総数よりも少なくなっ
    ていることを特徴とする請求項2に記載の自動車の車体
    組立方法。
  4. 【請求項4】 自動車のボディメイン構成要素であるフ
    ロアメインと左右のボディサイドおよびルーフレールそ
    れぞれの位置決めを行いながら各ボディメイン構成要素
    同士の相対位置決めを行って溶接による仮打ちを施す装
    置であって、 床面側より立設されて、上記フロアメインそのものの位
    置決めと、そのフロアメインとボディサイド下部との相
    対位置決めを司る三次元汎用ロケート装置と、天井部に
    設置されて車体前後方向で相互に独立しているとともに
    車種に応じてその入れ替えが可能となっていて、上記ボ
    ディサイドおよびルーフレールそれぞれの位置決めと、
    ボディサイド上部とルーフレールとの相対位置決めを司
    る前後二つのボディサイド上部位置決め治具と、 を備えているこことを特徴とする自動車の車体組立装
    置。
  5. 【請求項5】 上記前後二つのボディサイド上部位置決
    め治具は単一もしくは複数車種毎に専用化されていると
    ともに、各車種のものが実際の作業位置の近くのストレ
    ージエリアにストレージされていて、 さらに組立対象となる車種に応じて上記作業位置とスト
    レージエリアとの間で各ボディサイド上部位置決め治具
    の入れ替え作業を行う治具入れ替え手段が設けられてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の自動車の車体組立
    方装置。
  6. 【請求項6】 上記作業位置とストレージエリアとの間
    にはボディサイド上部位置決め治具の入れ替え待機位置
    と入れ替え直前位置がそれぞれに設定されていて、 上記治具入れ替え手段は、 ストレージエリアと入れ替え待機位置との間でボディサ
    イド上部位置決め治具の入れ替えを行う一次入れ替え手
    段と、 入れ替え待機位置と入れ替え直前位置との間でボディサ
    イド上部位置決め治具の入れ替えを行う二次入れ替え手
    段と、 入れ替え直前位置と作業位置との間でボディサイド上部
    位置決め治具の入れ替えを行う最終入れ替え手段と、 を備えていることを特徴とする請求項5に記載の自動車
    の車体組立装置。
  7. 【請求項7】 上記入れ替え待機位置と入れ替え直前位
    置とは同一平面上に設定されているとともに、入れ替え
    直前位置の真下に作業位置が設定されていることを特徴
    とする請求項6に記載の自動車の車体組立装置。
  8. 【請求項8】 上記二次入れ替え手段は、ボディサイド
    上部位置決め治具を搭載して入れ替え待機位置と入れ替
    え直前位置との間を往復移動する搬送台車をもって構成
    されていることを特徴とする請求項7に記載の自動車の
    車体組立方装置。
  9. 【請求項9】 上記入れ替え直前位置の両側にそれぞれ
    入れ替え待機位置が設定されている一方、 搬送台車はボディサイド上部位置決め治具を個別に搭載
    可能な二つの治具搭載エリアを有しているとともに、一
    方の治具搭載エリアが入れ替え直前位置にある時には他
    方の治具搭載エリアが左右いずれか一方の入れ替え待機
    位置に位置するように設定されていて、左右の入れ替え
    待機位置に対して搬送台車が交互に走行移動するように
    なっていることを特徴とする請求項8に記載の自動車の
    車体組立装置。
  10. 【請求項10】 上記最終入れ替え手段は、ボディサイ
    ド上部位置決め治具を把持して入れ替え直前位置と作業
    位置との間でその入れ替えを行うリフタをもって構成さ
    れていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記
    載の自動車の車体組立装置。
  11. 【請求項11】 上記搬送台車の治具搭載エリアにはボ
    ディサイド上部位置決め治具を位置決め支持する治具キ
    ャッチャーが設けられていて、 そのボディサイド上部位置決め治具を搭載した搬送台車
    が入れ替え待機位置から入れ替え直前位置に走行移動す
    る過程で同時にそのボディサイド上部位置決め治具がリ
    フタ側の治具把持手段と機械的に係合する一方、上記治
    具キャッチャーが解放動作するのを条件にそのボディサ
    イド上部位置決め治具が搬送台車からリフタ側の治具把
    持手段に移載され、 さらにリフタの治具把持手段が下降動作することによっ
    てボディサイド上部位置決め治具が作業位置に位置決め
    されるようになっていることを特徴とする請求項10に
    記載の自動車の車体組立装置。
  12. 【請求項12】 上記ボディサイド上部位置決め治具が
    作業位置に位置決めされた状態では、そのボディサイド
    上部位置決め治具とリフタ側の治具把持手段との機械的
    係合状態が維持されるようになっている一方、 その機械的係合部には、作業位置側の基準部材を基準と
    して位置決めされたボディサイド上部位置決め治具と治
    具把持手段との相対位置誤差を許容するフローティング
    自由度が予め設定されていることを特徴とする請求項1
    1に記載の自動車の車体組立装置。
  13. 【請求項13】 上記治具キャッチャーはボディサイド
    上部位置決め治具を位置決め支持する一方で治具位置決
    め位置と退避位置との間で変位可能な治具支持部材を備
    えていて、 入れ替え直前位置には上記治具支持部材を解放動作させ
    て退避位置にロックするロック機構が設けられているこ
    とを特徴とする請求項11または12に記載の自動車の
    車体組立装置。
  14. 【請求項14】 上記リフタの治具把持手段とそれに移
    載されることになるボディサイド上部位置決め治具のう
    ち相互に対向する部分には、ボディサイド上部位置決め
    治具側で必要とする流体エネルギーや電力を供給するた
    めのカプラが個別に設けられていて、 可動側となる治具把持手段側のカプラは、その治具把持
    手段に付設されてカプラ同士の脱着操作を司るカプラ脱
    着機構の可動部分にフローティング可能に支持されてい
    ることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載
    の自動車の車体組立装置。
  15. 【請求項15】 レールとこのレールにスライド可能に
    案内支持されたスライダとをもって構成される一対の直
    動軸受を互いに平行に配置するとともに、 これら一対の直動軸受に搬送台車を走行可能に案内支持
    させ、 搬送台車の一端部を一方の直動軸受のスライダに対しレ
    ールと平行なヒンジピンを介して揺動可能に連結する一
    方、 搬送台車の他端部を他方の直動軸受のスライダに対しフ
    ローティング可能に連結したことを特徴とする請求項8
    〜14のいずれかに記載の自動車の車体組立装置。
  16. 【請求項16】 上記フローティング可能な構造とし
    て、搬送台車の他端部を他方の直動軸受のスライダに対
    し上下動可能で且つ台車走行方向と直角な平面内で傾動
    変位可能に連結したことを特徴とする請求項15に記載
    の自動車の車体組立装置。
  17. 【請求項17】 走行台車の他端部を他方の直動軸受の
    スライダに対しフローティング機構を介して連結し、 このフローティング機構は、 走行台車の他端部を他方の直動軸受のスライダに対し上
    下動可能に弾性支持している一方、 走行台車の他端部を台車走行方向と直角な平面内で傾動
    変位可能に支持する球面軸受を備えていることを特徴と
    する請求項16に記載の自動車の車体組立装置。
  18. 【請求項18】 自動車のボディメイン構成要素である
    フロアメインと左右のボディサイドおよびルーフレール
    それぞれの一時的な相対位置決めを行って仮組みする工
    程と、 上記ボディメイン構成要素それぞれの位置決めを行いな
    がら各ボディメイン構成要素同士の相対位置決めを行っ
    て溶接による仮打ちを施す工程と、 上記仮打ち後のボディメインに対して溶接による増打ち
    を施す工程と、 を含み、 各工程間でのボディメイン構成要素の搬送は、フロアメ
    インを位置決めクランプするロケート機能とクランプ機
    能とを備えたパレットに搭載して行うようになってい
    て、 上記仮打ち工程では、床面側より立設された三次元汎用
    ロケート装置によりフロアメインを含むボディメイン構
    成要素をリフトアップさせて位置決めして、そのボディ
    メイン構成要素を上記パレットから切り離した状態で仮
    打ち作業を行う一方、 上記増打ち工程では、パレットをパレット位置決め治具
    にて位置決めして、そのパレットに位置決めクランプさ
    れたままのボディメインに対し増打ち作業を施すことを
    特徴とする自動車の車体組立方法。
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