JP2002337282A - 梨地状フィルム - Google Patents

梨地状フィルム

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JP2002337282A
JP2002337282A JP2001151802A JP2001151802A JP2002337282A JP 2002337282 A JP2002337282 A JP 2002337282A JP 2001151802 A JP2001151802 A JP 2001151802A JP 2001151802 A JP2001151802 A JP 2001151802A JP 2002337282 A JP2002337282 A JP 2002337282A
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Hidekazu Mikami
英一 三上
Koji Narita
光司 成田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質塩化ビニル樹脂の代替として、ポリオレ
フィン系樹脂を主成分とし、エンボスロール、マットロ
ールや、サンドブラスト等の加工を施さずに梨地状表面
が得られ、かつ耐熱性、柔軟性、開口性、耐ブロッキン
グ性、印刷適性等に優れた梨地状フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレン系樹脂を主成分とする芯材
層の少なくとも一方の面に表面層を有してなり、前記表
面層が、ポリプロピレン系樹脂とポリオレフィン系エラ
ストマーとを主成分とし、かつ結晶化度が40%以下で
あるポリオレフィン系樹脂からなる梨地状フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、梨地状フィルムに
関するものである。更に詳しくは、ポリオレフィン系樹
脂を主成分とし、柔軟性、耐ブロッキング性、印刷適性
に優れ、広告、ラベル、文具、デスク用マット、カバ
ー、包装、粘着テープ基材などの用途に好適な梨地状フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】汎用樹脂として知られる軟質塩化ビニル
樹脂は、柔軟性、耐候性、透明性などに優れているため
様々な用途に用いられている。しかしながら、軟質塩化
ビニル樹脂のように塩素を含む軟質塩化ビニル樹脂は、
焼却処理時に酸性雨の原因となる塩化水素ガスや人体に
猛毒なダイオキシン等の有害物質が発生する恐れがあ
り、環境を汚染する原因となっているといわれている。
また、軟質塩化ビニル樹脂に添加される可塑剤がフィル
ム表面や接触する素材へ移行し外観を悪くしたり、臭気
を発したりする。さらに可塑剤の人体への影響が、社会
的に問題になっており、そのため近年、軟質塩化ビニル
樹脂の使用を回避する傾向にある。
【0003】軟質塩化ビニル樹脂の代替としては、ポリ
オレフィン系樹脂が検討されており、例えば、梨地状表
面を有したフィルムとして、ポリプロピレン系樹脂から
なる表面層とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーか
らなる基材との積層シートが特開平10−211676
号公報に開示され、またポリエチレンの積層フィルムの
表面にマットロールを用いて梨地加工を施した自動包装
用フィルムが特開平9−309187に開示されてい
る。
【0004】フィルムに美粧性や艶消し効果を与えるた
め、梨地状表面を形成する方法として、従来から、フィ
ルム成形時にエンボスロールやマットロールにフィルム
表面を押し当てて凹凸を与えたり、サンドブラスト法で
凹凸を与える方法が行われているが、工程が複雑になっ
たり、艶消しをするために別工程が必要になるため、コ
ストが高くなっていた。
【0005】前記のような表面加工を施すことなく、梨
地状のフィルム表面を得る方法として、例えば、ポリマ
ーブレンドを利用して梨地面又はエンボス面を形成する
方法(特開平7−132961号公報)や、ポリオレフ
ィン系樹脂ブレンド物の積層体を2軸延伸してマット調
複合フィルムを得る方法(特開平10−86299号公
報)等が提案されている。しかしながら、通常のポリプ
ロピレンとポリエチレンをブレンドした樹脂をフィルム
にすると、非相溶のためヘイズが高く、艶消しフィルム
ができるが、表面がやや荒れたものとなり、美しい外観
が得られず、印刷適性も不十分となる。また、積層体を
延伸する方法では、マット調の外観は得られるが、フィ
ルムの弾性率が上がり、柔軟性に劣る傾向がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、環境
への悪影響が懸念されている軟質塩化ビニル樹脂の代替
として、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし、エンボス
ロール、マットロールやサンドブラスト等の加工を施さ
ずに梨地状表面が得られ、かつ耐熱性、柔軟性、開口
性、耐ブロッキング性、印刷適性等に優れた梨地状フィ
ルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意研究を行った結果、下記の構成の梨地状フィルム
を見出したのである。 (1)ポリエチレン系樹脂を主成分とする芯材層の少な
くとも一方の面に表面層を有してなり、前記表面層が、
ポリプロピレン系樹脂とポリオレフィン系エラストマー
とを主成分とし、かつ結晶化度が40%以下であるポリ
オレフィン系樹脂からなる梨地状フィルム。 (2)フィルムの、JIS K−7136に基づく表面
ヘイズが50%以上であり、かつJIS K−7113
に基づく引張弾性率が200MPa以下である(1)に
記載された梨地状フィルム。 (3)芯材層のポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、及びエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体より選ばれる少なくとも一種である(1)
又は(2)に記載された梨地状フィルム。 (4)JIS K−6768に基づくフィルム表面の、
ぬれ指数が36dyne/cm以上である(1)〜
(3)のいずれかに記載された梨地状フィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の梨地状フィルムは、ポリ
エチレン系樹脂を主成分とする芯材層の少なくとも一方
の面に表面層を有してなり、この表面層がポリプロピレ
ン系樹脂とポリオレフィン系エラストマーとを主成分す
るポリオレフィン系樹脂からなる梨地状フィルムであ
り、更に表面層は芯材層の両表面に形成してもよく、ま
た芯材層として適宜2層以上積層されたフィルム基材を
用いることも勿論可能である。
【0009】本発明の表面層に用いられるポリオレフィ
ン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂にポリオレフィン系
エラストマーがブレンドされたものであり、微細に分散
したブレンドアロイやリアクターアロイ等も含む。その
結晶化度は40%以下であることが必要であり、好まし
くは0〜35%の範囲である。結晶化度が40%を越え
ると内部ヘイズが高くなり、表面ヘイズが低くなるため
艶消し感がなくなり、梨地状の表面が得られなくなる。
さらに、印刷適性、柔軟性が低下する。
【0010】前記表面層中のポリプロピレン系樹脂とし
ては、プロピレンのホモポリマーは勿論のこと、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなど
で代表されるα−オレフィン類、スチレンで代表される
芳香族系オレフィン類や、ブタジエンで代表されるジエ
ン類等のプロピレンと共重合可能なモノマーとプロピレ
ンとの共重合体等が例示され、共重合体の共重合の成分
と量は制限されない。
【0011】また、表面層中のポリオレフィン系エラス
トマーとは、少なくとも2種類以上のα−オレフィンの
共重合体であり、例えば、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペ
ンテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン
共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン
−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重
合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等が挙げ
られるが、これらに限られるものではない。
【0012】前述のように、本発明の表面層のポリオレ
フィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂とポリオ
レフィン系エラストマーとのブレンド物が使用され、特
にブレンドアロイもしくはリアクターアロイ等の方法に
よって得られた樹脂が好ましい。これらのブレンド方法
で得られたポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系
樹脂の海の中に、ポリオレフィン系エラストマーの島が
非常に細かく分散した構造をとっており、フィルム成形
した場合には、艶消しの美しい外観が得られ、梨地状と
なる。
【0013】ブレンドアロイの例としては、宇部興産社
製の“CAP”、リアクターアロイの例としては、レキ
セン社製の“FPO”、モンテル・エスディーケイ・サ
ンライズ社製の“キャタロイ”等が挙げられる。ただし
これらに限られるものではない。
【0014】本発明中の表面層には、実用上不具合が生
じない限り、フェニレンジアミン、ヒンダードフェノー
ルなどの酸化防止剤、グリセリンモノエステル、エトキ
シル化アミンなどの帯電防止剤、ベンゾトリアゾールな
どの紫外線吸収剤等が添加されていてもよい。
【0015】本発明中のポリオレフィン系樹脂は、耐ブ
ロッキング性に関し、室温下はもちろん、例えば50
℃、90%RHの高温多湿下でも良好である。さらに耐
ブロッキング性を向上させたり、手触り感等を変えるた
めに、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、ケイソウ土な
どの無機顔料、ポリメチルメタクリレートなどの有機顔
料などを加えてもよい。また、これらの目的のために加
えられる無機顔料および有機顔料はこれらに限られるも
のではない。
【0016】本発明の梨地状フィルムの表面ヘイズは5
0%以上が好ましく、上限は100%である。表面ヘイ
ズが50%未満の場合には、見た目が艶消しでなくな
り、梨地状の外観が低下する傾向があり、さらには、表
面の適度な凹凸が不足して耐ブロッキング性に劣り、手
触り感も不満足なものになる場合がある。本発明でいう
表面ヘイズとは、全ヘイズから内部ヘイズを差し引いた
値であり、JIS K−7136に基づくものである。
【0017】本発明の梨地状フィルムの引張弾性率は、
200MPa以下が好ましく、10〜200MPaがよ
り好ましく、20〜200MPaが特に好ましい。引張
弾性率が200MPaを越えると、剛性が高くなり、広
告、ラベル、文具、デスク用マット、カバー、包装、粘
着テープ基材などの用途において、柔軟性が不十分とな
り、曲面追従性が劣る傾向がある。一方、引張弾性率が
過度に低い場合には、フィルムのこしがないことによる
ハンドリングの悪さが問題になる場合がある。なお、本
発明の引張弾性率は、JIS K−7113に基づくも
のである。
【0018】本発明中の芯材層はポリエチレン系樹脂を
主成分とするもので、積層フィルムに柔軟性を付与する
ことを目的としており、コスト的にも有利である。ポリ
エチレン系樹脂としては、エチレンのホモポリマーは勿
論のこと、プロピレン、ブテン、ペンテン等のα−オレ
フィンや、酢酸ビニルなどのエチレンと共重合可能なモ
ノマーとエチレンとの共重合体等が例示される。またエ
チレンとα−オレフィンの共重合体としては、線状低密
度ポリエチレンも含まれる。
【0019】芯材層のポリエチレン系樹脂として、好ま
しくは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等の少なくとも1種
から選択される。低密度ポリエチレン、或は線状低密度
ポリエチレンの密度は、0.925g/cm以下が好
ましく、0.922g/cm以下がより好ましく、
0.920g/cm以下が特に好ましい。エチレン−
酢酸ビニル共重合体としては、フィルム用途に用いられ
るものものが柔軟性に優れ、芯材層として極めて好適で
あり、メルトフローレート(MFR)は、0.1〜4.
0g/10min程度が好ましい。
【0020】本発明の芯材層には、実用上不具合が生じ
ない限り、フェニレンジアミン、ヒンダードフェノール
などの酸化防止剤、グリセリンモノエステル、エトキシ
ル化アミンなどの帯電防止剤、ベンゾトリアゾールなど
の紫外線吸収剤等の添加剤が添加されていてもよい。
【0021】本発明の梨地状フィルムの全厚さは、一般
には10〜1000μm程度であり、好ましくは15〜
900μm、より好ましくは20〜800μmである。
例えば、表面層/芯材層/表面層の3層構成の場合に
は、各層の厚さ比は、好ましくは5/90/5〜45/
10/45の範囲であり、より好ましくは10/80/
10〜40/20/40の範囲である。層構成について
は、3層構成に限られるものではなく、4層以上の構成
であってもよく、芯材層が2層以上積層されていてもよ
い。例えば、積層フィルムのカール防止のためには、表
面層及び芯材層など各層の収縮力等を考慮して、各層の
厚さが適宜配分される。さらに好ましくは、芯材層の両
表面層において、ポリオレフィン系樹脂の中でも同種類
の樹脂が使用され、カールコントロールも容易となる。
【0022】本発明の梨地状フィルムは、例えばTダイ
法、空冷式インフレーション法、水冷式インフレーショ
ン法など公知の成形法によって成形されるが、これらに
限られるものではない。また多層フィルムの場合の積層
方法としては、特に制限はなく、ドライラミネート法や
ウェットラミネート法、溶融押出ラミネート法、溶融共
押出法等の公知の方法で積層されるが、溶融共押出法が
好ましく、Tダイ法や空冷インフレーション法、及び水
冷インフレーション法等から適宜選択してよい。
【0023】本発明の梨地状フィルムには、表面の印刷
適性を良好にするために、コロナ処理、プラズマ処理、
火炎処理などの処理を行うことが好ましく、この時、フ
ィルムの表面のぬれ指数は、好ましくは36dyne/
cm以上になるように調整される。なお、本発明におい
て、ぬれ指数はJIS K−6768に準じて測定され
る値である。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではない。
【0025】実施例1 芯材層用樹脂として、密度が0.912g/cm、M
FRが2.0g/10minの線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)(商品名:FV203、住友化学社製)
を用い、また表面層用樹脂として、密度が0.89g/
cm、メルトフローレート(MFR)が2.5g/1
0min、結晶化度が24.3%のポリオレフィン系樹
脂(商品名:KS−221P、モンテル・エスディーケ
イ・サンライズ社製、ポリプロピレン系樹脂にエチレン
−プロピレン共重合体をブレンドしたもの)を用いた。
フィルム成形は、円形ダイによる空冷式多層インフレー
ション法により、ダイの温度を220℃に設定し、フィ
ルムの全厚みが100μmになるように、芯材層の両面
に表面層を形成した。各層の厚さは、表面層が各々15
μm、芯材層が70μmであった。更にこのフィルム表
面に、ぬれ指数が40dyne/cmとなるようにコロ
ナ処理を施して、梨地状3層フィルムを得た。
【0026】実施例2 芯材層用樹脂として、密度が0.912g/cm、M
FRが2.0g/10minの線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)(商品名:FV203、住友化学社製)
を用い、また表面層用樹脂として、密度が0.89g/
cm、MFRが0.8g/10min、結晶化度が1
7.2%のポリオレフィン系樹脂(商品名:KS−02
1P、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製、ポ
リプロピレン系樹脂にエチレン−プロピレン共重合体を
ブレンドしたもの)を用いた。フィルム成形は、円形ダ
イによる空冷式多層インフレーション法により、ダイの
温度を220℃に設定して、フィルムの全厚みが150
μmになるように、芯材層の両面に表面層を形成した。
各層の厚さは、表面層が各々25μm、芯材層が100
μmであった。更にこのフィルム表面に、ぬれ指数が4
0dyne/cmとなるようにコロナ処理を施して、梨
地状3層フィルムを得た。
【0027】実施例3 芯材層用樹脂として、密度が0.912g/cm、M
FRが2.0g/10minの線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)(商品名:FV203、住友化学社製)
を用い、また、表面層用樹脂として、密度が0.89g
/cm、MFRが2.5g/10min、結晶化度が
24.3%のポリオレフィン系樹脂(商品名:KS−2
21P、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製)
を用いた。フィルム成形は、Tダイによる多層押出キャ
スト法により、ダイの温度を220℃に設定して、フィ
ルムの全厚みが800μmになるように、芯材層の両面
に表面層を形成した。各層の厚さは、表面層が各々12
0μm、芯材層が560μmであった。更にこのフィル
ム表面に、ぬれ指数が40dyne/cmとなるように
コロナ処理を施して、梨地状3層フィルムを得た。
【0028】比較例1 芯材層用樹脂として、密度が0.912g/cm、M
FRが2.0g/10minの線状低密度ポリエチレン
(LLDPE)(商品名:FV203、住友化学社製)
を用い、また表面層用ポリオレフィン系樹脂として、密
度が0.90g/cm、MFRが2.5g/10mi
n、結晶化度が48.9%のポリプロピレン(商品名:
RF1342、グランドポリマー社製)を用いた。フィ
ルム成型は、円形ダイによる空冷式多層インフレーショ
ン法により、ダイの温度を220℃に設定して、フィル
ムの全厚みが100μmになるように、芯材層の両面に
表面層を形成した。各層の厚さは、表面層が各々15μ
m、芯材層が70μmであった。更にこのフィルム表面
に、ぬれ指数が40dyne/cmとなるようにコロナ
処理を施して、3層フィルムを得た。
【0029】比較例2 芯材層用樹脂として、密度が0.90g/cm、MF
Rが2.0g/10minのポリプロピレン(商品名:
RF1342、グランドポリマー社製)を用い、また表
面層用樹脂として、密度が0.89g/cm、MFR
が2.5g/10min、結晶化度が24.3%のポリ
オレフィン系樹脂(商品名:KS−221P、モンテル
・エスディーケイ・サンライズ社製)を用いた。フィル
ム成形は、円形ダイによる空冷式多層インフレーション
法により、ダイの温度を220℃に設定して、フィルム
の全厚みが100μmになるように、芯材層の両面に表
面層を形成した。各層の厚さは、表面層が各々15μ
m、芯材層が70μmであった。更にこのフィルム表面
に、ぬれ指数が40dyne/cmとなるようにコロナ
処理を施して、3層フィルムを得た。
【0030】評価テスト 上記の各実施例及び比較例で使用した樹脂、及び得られ
たフィルムの物性、或は品質等の評価を下記基準で行
い、その結果を表1に示した。
【0031】(1)結晶化度 DSC(示差走査熱量測定)により昇温速度10℃/分
で40℃から200℃まで昇温し、融解熱を求めた。ポ
リプロピレン完全結晶の融解熱を164J/gとし、求
めた融解熱を完全結晶の融解熱で除した値を結晶化度と
した。
【0032】(2)表面ヘイズ JIS K−7136に準拠して、全ヘイズを測定し、
内部ヘイズはフィルム表面に市販の流動パラフィンを塗
布して測定した。全ヘイズと内部ヘイズの差を表面ヘイ
ズとした。
【0033】(3)艶消し性評価 フィルムの表面を目視にて、艶消し性がある場合を良好
“○”、艶消し性がない場合を不良“×”とした。
【0034】(4)引張弾性率 得られたフィルムを、JIS K−7113に準拠して
測定した。
【0035】(5)耐ブロッキング性 得られたフィルムを50mm×50mmの正方形に切
り、これを2枚重ねあわせて試料とする。試料は5組作
成する。この試料を60mm×60mmの押さえ板に挟
み込み2kgのおもりをのせ、(1)温度40±1℃、
湿度70±2%RHの条件で1日、および、(2)温度
50±1℃、湿度制限なしの条件で3日間放置する。そ
の試料を手ではがして、はがれた場合を良好“○”、は
がれない場合を不良“×”とする。
【0036】(6)印刷適性 石川島産業株式会社製RI−1型印刷試験機を用いて、
紫外線硬化型インクを光学濃度が1.8±0.2の範囲
になるようにべた印刷し、紫外線照射により硬化処理後
に目視にてむらの有無を評価した。ムラの無い物を良好
“○”、ムラのあるものを不良“×”をした。その後、
ニチバン製セロテープにて180°剥離により、インク
密着性を評価した。インク剥離が全くないものを良好
“○”、インク剥離が生じたものを不良“×”とした。
【0037】(7)カール評価 A4サイズのフィルムサンプルを使用して、フィルムを
設置する平面に対してフィルムの凸カール面側が接触す
るように水平な面上に置き、カールの状況を目視観察し
た。その結果、各実施例及び比較例で得られたフィルム
について、何れも4隅の最大高さが10mm以下であ
り、カールは殆ど認められなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明により、軟質塩化ビニル樹脂の代
替として、ポリオレフィン系樹脂を用い、エンボスロー
ル、マットロールや、サンドブラスト等の加工を施さず
に、容易に梨地状表面が形成され、柔軟性、耐ブロッキ
ング性、印刷適性等に優れ、カールの殆どない梨地状フ
ィルムを得ることが可能となり、産業上極めて有用なも
のである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03A AK03C AK06B AK07A AK07C AK63B AK64 AK68B AL05A AL05C AL09A AL09C BA03 BA06 BA10A BA10C EH20 EJ55 GB15 GB90 JA11A JA11C JK17 JL00 YY00A YY00C 4J002 BB05X BB12W BB14W BB15W BB15X BB17W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂を主成分とする芯材
    層の少なくとも一方の面に表面層を有してなり、前記表
    面層が、ポリプロピレン系樹脂とポリオレフィン系エラ
    ストマーとを主成分とし、かつ結晶化度が40%以下で
    あるポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする梨
    地状フィルム。
  2. 【請求項2】 前記フィルムの、JIS K−7136
    に基づく表面ヘイズが50%以上であり、かつJIS
    K−7113に基づく引張弾性率が200MPa以下で
    ある請求項1記載の梨地状フィルム。
  3. 【請求項3】 前記芯材層のポリエチレン系樹脂が、低
    密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、及びエチ
    レン−酢酸ビニル共重合体より選ばれる少なくとも一種
    である請求項1又は2記載の梨地状フィルム。
  4. 【請求項4】 前記フィルム表面の、JIS K−67
    68に基づくぬれ指数が36dyne/cm以上である
    請求項1〜3のいずれかに記載の梨地状フィルム。
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