JP2001323229A - 粘着テープ用基材フィルムおよびそれを用いた粘着テープ - Google Patents

粘着テープ用基材フィルムおよびそれを用いた粘着テープ

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JP2001323229A JP2000147772A JP2000147772A JP2001323229A JP 2001323229 A JP2001323229 A JP 2001323229A JP 2000147772 A JP2000147772 A JP 2000147772A JP 2000147772 A JP2000147772 A JP 2000147772A JP 2001323229 A JP2001323229 A JP 2001323229A
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film
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resin
pressure
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Hidekazu Mikami
英一 三上
Koji Narita
光司 成田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、柔軟性、曲面への追従性、引張強度、
開口性、耐ブロッキング性、粘着剤塗工適性に優れた粘
着テープ用基材フィルムおよびそれを用いた粘着テープ
に関する。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂を主成分とするフィ
ルムであり、該フィルムの90℃でのクリープコンプラ
イアンスが10〜70GPa-1であることを特徴とする
粘着テープ用基材フィルムおよびそれを用いた粘着テー
プである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、柔軟性、
曲面への追従性、引張強度、開口性、耐ブロッキング
性、粘着剤塗工適性に優れた粘着テープ用基材フィルム
およびそれを用いた粘着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着テープ用基材に使われる材質
としては、軟質塩化ビニル樹脂が挙げられる。軟質塩化
ビニル樹脂は柔軟性、耐候性、透明性などに優れている
ため様々な用途に用いられている。しかしながら、軟質
塩化ビニル樹脂のように塩素を含む軟質塩化ビニル樹脂
は、焼却処理時に酸性雨の原因となる塩化水素ガスや人
体に猛毒なダイオキシン等の有害物質が発生する恐れが
あり、環境を汚染する原因となっているといわれてい
る。そのため近年、社会的に、軟質塩化ビニル樹脂の使
用を回避する傾向にある。また、軟質塩化ビニル樹脂に
添加される可塑剤がフィルム表面や接触する素材へ移行
し外観を悪くしたり、臭気を発したりする。
【0003】軟質塩化ビニル樹脂の代替としては、ポリ
オレフィン系樹脂が検討され、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレンなどが挙げられ、片面に凹凸を施したポリ
オレフィン系樹脂フィルムを粘着テープ用基材フィルム
として用いる方法(特開平10−298504号公
報)、延伸したポリプロピレンフィルムやポリプロピレ
ンと他のプラスチックフィルムを積層したフィルムを粘
着テープ用基材フィルムとして用いる方法(特開平11
−199835号公報)が開示されている。
【0004】ポリエチレンを粘着テープ用基材として用
いる場合、柔軟性や透明性には優れているが、耐熱性に
劣るため、粘着剤塗工時の乾燥工程による加熱のため、
フィルム自体が伸びてしまったり、乾燥工程後、熱収縮
などを起こす。そのためポリエチレンに粘着剤層を設け
る場合には、別途剥離紙などに粘着剤を塗工乾燥して、
粘着剤層を転写する方式が取られる。したがって余計な
工程や剥離紙などが必要になり、フィルム自体に直接粘
着剤を塗工乾燥する場合に比べコストがかかる。さらに
は、ポリエチレン自体の耐熱性不足により粘着テープの
使用温度範囲が制限される。
【0005】一方、ポリプロピレンを粘着テープ用基材
として用いる場合、耐熱性に優れているため、フィルム
自体への粘着剤の塗工乾燥は可能であるが、フィルム自
体の剛性が高く柔軟性に劣るため、曲面への追従性に乏
しく、突起物などに粘着テープを貼り付けにくい。
【0006】ポリエチレン、ポリプロピレンを単独で使
うのでなく、これらポリマーにエチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−ブテン共重合体等のゴムを添加して
柔軟性を付与する方法(特開平7−90091号公報、
特開平7−276589号公報等)が開示されている。
しかしながら、これらの方法ではエチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−ブテン共重合体などの自己粘着性
のため、アンチブロッキング剤を加えないと、製造時の
開口性が悪く、また製膜後の巻取でブロッキング現象が
起こりやすくなる。
【0007】上記の方法以外にも、ポリエチレンフィル
ムにアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、ニ
トロセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂より選ばれる厚
み0.5〜20μmの樹脂層を積層することにより、粘
着剤塗工時の乾燥工程での加熱によるフィルムの変形を
軽減する方法(特開平10−7996号公報)が開示さ
れている。しかしながらこの方法では、ポリエチレン層
に、耐熱性を付与するための樹脂層を積層する工程が必
要になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような理由によ
り、本発明は軟質塩化ビニル樹脂並み、またはそれ以上
の柔軟性、曲面追従性、引張強度に優れ、製膜時の開口
性が良好で、製膜後の巻取でブロッキング現象を起こさ
ず、フィルム製膜後に耐熱性を付与するための樹脂層を
積層する必要もなく、さらには粘着剤層を設ける際、剥
離紙等を用いて粘着剤を転写するのではなく、フィルム
に直接粘着剤を塗工でき、乾燥工程での加熱によるフィ
ルムの伸びが小さく、乾燥工程後の熱収縮も小さい粘着
テープ用基材フィルムおよびそれを用いた粘着テープを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意研究を行った結果、下記の構成の粘着テープ用基
材フィルムを見出したのである。 (1)ポリプロピレン系樹脂を主成分とするフィルムで
あり、該フィルムの90℃でのクリープコンプライアン
スが10〜70GPa-1であることを特徴とする粘着テ
ープ用基材フィルムである。 (2)前記フィルムが、少なくともコア層の両面にスキ
ン層を有する3層構造である(1)記載の粘着テープ用
基材フィルムである。 (3)コア層が、ポリプロピレン系樹脂に、エチレン、
プロピレン、ブテンから選ばれた少なくとも2以上のモ
ノマーからなる共重合体が配合された熱可塑性ポリオレ
フィン系樹脂からなる(2)記載の粘着テープ用基材フ
ィルムである。 (4)スキン層が、ポリオレフィン系樹脂組成物である
(2)又は(3)記載の粘着テープ用基材フィルムであ
る。 (5)前記フィルムの引張弾性率が50〜500MPa
である(1)〜(4)のいずれか一つに記載の粘着テー
プ用基材フィルムである。 (6)前記フィルムの厚さが20〜150μmである
(1)〜(5)のいずれか一つに記載の粘着テープ用基
材フィルムである。 (7)前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載された
粘着テープ用基材フィルムの片面に、粘着剤層が設けら
れた粘着テープである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
を主成分とするフィルムであり、該フィルムの90℃で
のクリープコンプライアンスが10〜70GPa-1、好
ましくは10〜60GPa-1、更に好ましくは10〜5
0GPa-1であることを特徴とする粘着テープ用基材フ
ィルムである。90℃でのクリープコンプライアンスと
は、温度90℃の雰囲気下で、幅10mm、厚さ100
μmの試料に対し、100gfの荷重を30分間かけた
ときのひずみから、30℃でのひずみを差し引き、これ
を応力で除した値をいう。因みに90℃でのクリープコ
ンプライアンスが10GPa-1より小さい場合、フィル
ムの剛性が高くなり、柔軟性が劣るため、曲面追従性が
悪い。一方、90℃でのクリープコンプライアンスが7
0GPa-1より大きい場合には、粘着剤塗工時の乾燥工
程における加熱によるフィルムの変形が大きくなる。曲
面追従性とは、粘着剤塗工したフィルムを曲面や突起部
に貼り付けた場合に、フィルムの剛性による反発力によ
り貼り付けた面から剥がれないとき、曲面追従性が良好
であるという。
【0011】ポリプロピレン系樹脂を主成分とするフィ
ルムで、上記の物性を満足すれば特に限定するものでは
なく、例えば単層でも構わないが、少なくとも3層構造
の積層フィルムが好ましく、例えばスキン層/コア層/
スキン層の構成が好ましい。
【0012】特に、コア層がポリプロピレン系樹脂に、
エチレン、プロピレン、ブテンから選ばれた少なくとも
2以上のモノマーからなる共重合体が配合された熱可塑
性ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、該コア
層の両面に形成されるスキン層は、ポリオレフィン系樹
脂組成物からなることが好ましい。
【0013】コア層に使用するポリプロピレン系樹脂と
は、ポリプロピレンのホモポリマーは勿論のこと、エチ
レン、ブテン、4−メチルペンテンなどで代表されるα
−オレフィン類、スチレンで代表される芳香族系オレフ
ィン類や、ブタジエンで代表されるジエン類等のポリプ
ロピレンと共重合可能なモノマーとプロピレンとの共重
合体で、共重合体の共重合の成分と量は制限されない。
【0014】コア層は、前記ポリプロピレン系樹脂に、
エチレン、プロピレン、ブチレンのうち少なくとも2以
上のモノマーからなる共重合体をブレンドアロイ、もし
くはリアクターアロイ等の方法でブレンド配合した熱可
塑性ポリオレフィン系樹脂を使用する。ブレンドアロイ
の例としては、宇部興産社製の“CAP”、リアクター
アロイの例としては、レキセン社製の“FPO”、モン
テル・エスディーケイ・サンライズ社製の“キャタロ
イ”等が挙げられる。ただしこれに限られるものではな
い。
【0015】またコア層には、フェニレンジアミン、ヒ
ンダードフェノールなどの酸化防止剤、グリセリンモノ
エステル、エトキシル化アミンなどの帯電防止剤、ベン
ゾトリアゾールなどの紫外線吸収剤等の添加剤が添加さ
れていても良い。
【0016】スキン層は、コア層表面の自己粘着性によ
るブロッキング現象を回避するために設けるものであ
る。従ってコア層の成分とは異なる成分で構成される。
スキン層に使用されるポリオレフィン系樹脂組成物と
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの
ホモポリマー、またはこれらの共重合体である。スキン
層には、必要に応じて、シリカ、タルク、ケイソウ土、
有機顔料などのアンチブロッキング剤、エルカ酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの滑
剤、フェニレンジアミン、ヒンダードフェノールなどの
酸化防止剤、グリセリンモノエステル、エトキシル化ア
ミンなどの帯電防止剤、ベンゾトリアゾールなどの紫外
線吸収剤等が添加されていても良い。
【0017】なお、コア層とスキン層の間に必要に応じ
て層を形成しても良い。また、本発明中のスキン層表面
には、粘着剤のアンカリングを良好にするために、コロ
ナ処理を行うことが好ましい。コロナ処理後のぬれ指数
が、35dyne/cm以上になるようにコロナ処理を
行うことがより好ましい。
【0018】更に、本発明者等は引張試験による弾性率
と、フィルムやシートの曲げ剛性を測定するループステ
ィフネステスター(東洋精機社製)による曲げ剛性を鋭
意検討の結果、上記クリープコンプライアンスの値を満
足していても、引張弾性率が500MPaより大きい場
合には、曲げ剛性が大きく、曲面追従性が悪くなる傾向
にあることを見出した。粘着テープ用基材フィルムの引
張弾性率が、50MPaより小さい場合には粘着剤塗工
時の乾燥工程における加熱によるフィルムの変形が大き
くなる。500MPaより大きい場合には、フィルムの
剛性が高くなり、柔軟性が劣るため、曲面追従性が悪
い。従って、粘着テープ用基材フィルムの引張弾性率は
50〜500MPaが好ましく、より好ましくは100
〜450MPa、更に好ましくは150〜400MPa
である。
【0019】さらに、弾性率が500MPa以下でもフ
ィルム厚さが150μmを超える場合には、厚さによる
フィルム自体の剛性のため曲面追従性が悪くなる傾向が
あることを見出した。粘着テープ用基材フィルムの厚さ
が、20μmより小さい場合には、基材フィルムの断面
積が小さいため、引張荷重に対し破断しやすくなる。そ
のため粘着テープとして使用する場合にその引張強度の
低さのため粘着テープとして利用しづらい。150μm
より大きい場合には、フィルムの剛性が高くなり、柔軟
性が劣るため、曲面追従性が悪くなる傾向にある。従っ
て、粘着テープ用基材フィルムの厚みは20〜150μ
mが好ましく、より好ましくは30〜140μm程度、
更に好ましくは40〜130μm程度である。
【0020】本発明の粘着テープ用基材フィルムに粘着
剤塗工する際の粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリ
ル系粘着剤などが挙げられる。粘着剤には適宜架橋剤や
粘着付与剤などが配合される。剥離剤としては、有機系
剥離剤、シリコン系剥離剤などが挙げられる。これら粘
着剤の塗工装置としては、通常の塗工機、例えばナイフ
コーター、ロールコーター、コンマコーター、バーコー
ター、グラビアコーターなどによって塗工することが出
来る。また剥離剤の塗工装置としては、グラビアコータ
ー、バーコーター、ロールコーターなどが挙げられる。
塗工量は粘着剤に関しては10〜30g/m2が好まし
く、剥離剤に関しては0.2〜2g/m2が好ましい。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、もちろん本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではない。なお各種物性および評価は以下に示
す方法で実施した。
【0022】実施例1 「粘着テープ用基材フィルムの製造」円形ダイによる空
冷式多層インフレーション法により、スキン層/コア層
/スキン層の三層構造の、厚み100μmの粘着テープ
用基材フィルムを製膜した。ダイスの温度を220℃と
した。各層の厚さは、スキン層一層で15μm、コア層
70μmである。コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹
脂として、密度が0.88g/cm3、メルトフローレ
ート(MFR)が0.45g/10minの熱可塑性ポ
リオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエチレン−プロ
ピレン共重合体をブレンドしたもの、商品名:KS−3
53P、モンテル・エスディーケイ・サンライズ社製)
を用いた。また、スキン層用樹脂として、密度が0.9
2g/cm3、MFRが0.85g/10minの線状
低密度ポリエチレン(LLDPE)(商品名:AF33
1S、日本ポリオレフィン社製)を用いた。
【0023】「粘着テープの製造」この粘着テープ用基
材フィルムの片面に剥離剤層を、さらにその他面に粘着
剤層を設けるために塗工を行った。剥離剤層は、有機系
剥離剤(ピーロイル1010、一方社油脂社製)を塗工
量0.1g/m2となるようにバーコーターで塗工し
た。粘着剤層は、天然ゴム20重量部、粘着付与樹脂
(YSレジン700、ヤスハラケミカル社製)を20重
量部、トルエン60重量部からなる組成物を、塗工量2
0g/m2になるようにナイフコーターで塗工した。こ
のとき乾燥工程での温度は90℃であった。
【0024】実施例2 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂として、密度が
0.88g/cm3、MFRが0.45g/10min
の熱可塑性ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体をブレンドしたもの、商品
名:KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サン
ライズ社製)と、密度が0.90g/cm3、MFRが
2.5g/minのポリプロピレン(商品名:RF13
42、グランドポリマー社製)を各々50重量部ずつ、
ブレンドしたものを用いた。スキン層用樹脂としてLL
DPE(商品名:AF331S、JPO社製)を用い
て、円形ダイによる空冷式多層インフレーション法によ
りフィルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とし
た。各層の厚さは、スキン層一層で15μm、コア層7
0μmである。成形した三層積層100μmフィルムの
各種物性および評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0025】実施例3 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂として、密度が
0.88g/cm3、MFRが0.45g/10min
の熱可塑性ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体をブレンドしたもの、商品
名:KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サン
ライズ社製)を用いた。スキン層用樹脂としてLLDP
E(商品名:AF331S、JPO社製)を用いて、円
形ダイによる空冷式多層インフレーション法によりフィ
ルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とした。各層
の厚さは、スキン層一層で5μm、コア層20μmであ
る。成形した三層積層30μmフィルムの各種物性およ
び評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0026】実施例4 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂として、密度が
0.88g/cm3、MFRが0.45g/10min
の熱可塑性ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体をブレンドしたもの、商品
名:KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サン
ライズ社製)を用いた。スキン層用樹脂としてLLDP
E(商品名:AF331S、JPO社製)を用いて、円
形ダイによる空冷式多層インフレーション法によりフィ
ルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とした。各層
の厚さは、スキン層一層で35μm、コア層70μmで
ある。成形した三層積層140μmフィルムの各種物性
および評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0027】比較例1 コア層用熱可塑性ポリオレフィン樹脂として、密度が
0.90g/cm3、MFRが2.5g/10minの
ポリプロピレン(商品名:RF1342、グランドポリ
マー社製)、スキン層用樹脂としてLLDPE(商品
名:AF331S、日本ポリオレフィン社製)を用い
て、円形ダイによる空冷式多層インフレーション法によ
りフィルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とし
た。各層の厚さは、スキン層一層で5μm、コア層90
μmである。成形した三層積層100μmフィルムの各
種物性および評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0028】比較例2 コア層用熱可塑性ポリオレフィン樹脂として、密度が
0.924g/cm3、MFRが1.0g/10min
の低密度ポリエチレン(LDPE)(商品名:JF33
0N、JPO社製)を用い、スキン層用樹脂としてLL
DPE(商品名:AF331S、日本ポリオレフィン社
製)を用いて、円形ダイによる空冷式多層インフレーシ
ョン法によりフィルムを製膜した。ダイスの温度を22
0℃とした。各層の厚さは、スキン層一層で15μm、
コア層70μmである。成形した三層積層100μmフ
ィルムの各種物性および評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0029】比較例3 軟質ポリ塩化ビニル樹脂を使用したフィルムとして、ア
キレス社製の単層100μmのポリ塩化ビニルフィルム
を用いた。このフィルムの各種物性および評価を表1に
示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0030】実施例5 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂として、密度が
0.88g/cm3、MFRが0.45g/10min
の熱可塑性ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体をブレンドしたもの、商品
名:KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サン
ライズ社製)を用いた。スキン層用樹脂としてLLDP
E(商品名:AF331S、JPO社製)を用いて、円
形ダイによる空冷式多層インフレーション法によりフィ
ルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とした。各層
の厚さは、スキン層一層で1μm、コア層8μmであ
る。成形した三層積層10μmフィルムの各種物性およ
び評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0031】実施例6 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂として、密度が
0.88g/cm3、MFRが0.45g/10min
の熱可塑性ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体をブレンドしたもの、商品
名:KS−353P、モンテル・エスディーケイ・サン
ライズ社製)を用いた。スキン層用樹脂としてLLDP
E(商品名:AF331S、JPO社製)を用いて、円
形ダイによる空冷式多層インフレーション法によりフィ
ルムを製膜した。ダイスの温度を220℃とした。各層
の厚さは、スキン層一層で30μm、コア層100μm
である。成形した三層積層160μmフィルムの各種物
性および評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0032】実施例7 コア層用熱可塑性ポリオレフィン系樹脂として、密度が
0.89g/cm3、MFRが0.80g/10min
の熱可塑性ポリオレフィン(ポリプロピレン系樹脂にエ
チレン−プロピレン共重合体をブレンドしたもの、商品
名:KS−021P、モンテル・エスディーケイ・サン
ライズ社製)を用いた。耐ブロッキング性を付与するた
め、タルクを樹脂100重量部に対し、0.5重量部添
加した。円形ダイによる空冷式単層インフレーション法
により厚さが100μmになるようにフィルムを製膜し
た。ダイスの温度を220℃とした。成形した100μ
mフィルムの各種物性および評価を表1に示す。 「粘着テープの製造」実施例1と同様にして粘着テープ
を得た。
【0033】得られた粘着テープ用基材フィルムの物性
および評価と、得られた粘着テープの評価を下記の基準
で行い、その結果を表1に示した。
【0034】(1)クリープコンプライアンス 得られたフィルムを10mm幅にし、熱機械測定装置
(DMS6100、セイコーインスツルメンツ社製)を
用いて、温度90℃の雰囲気下で、フィルムの厚さ10
0μmあたり100gfの割合で荷重を30分間かけた
ときのひずみから、30℃でのひずみを差し引き、これ
を応力で除した値をいう。
【0035】(2)引張弾性率 得られたフィルムを、JIS K−7127に従って求
めた。 (3)引張強度 得られたフィルムを、JIS K−7127に従って求
めた。
【0036】(4)開口性 空冷多層インフレーション法により成形したフィルムを
手で引き裂いて、開けば良好、開きにくい場合を不良と
した。
【0037】(5)耐ブロッキング性 得られたフィルムを50mm×50mmの正方形に切
り、これを2枚重ねあわせ試料とする。試料は5組作成
する。この試料を60mm×60mmの押さえ板に挟み
込み2kgのおもりをのせ、温度40±1℃、湿度70
±2%RHの条件で1日、および、温度50±1℃、湿
度制限なしの条件で3日間放置する。その試料を手では
がして、はがれた場合を良好、はがれない場合を不良と
する。
【0038】(6)熱変形性 粘着剤塗工の際、乾燥工程で基材フィルムが伸びが殆ど
なかった場合を良好、フィルムが伸びてしまった場合を
不良とする。
【0039】(7)曲面追従性 得られた粘着テープを100φの金属版に貼着し、温度
23℃、湿度65%RHの条件で放置した後、粘着テー
プ端部に浮きが生じなかったものを良好、浮き上がった
ものを不良とし、製造工程で熱変形により、粘着テープ
が得られなかったものを不能とした。
【0040】
【表1】
【0041】表1より実施例で得られた粘着テープ用基
材フィルムおよびそれを用いた粘着テープは、比較例1
〜3で得られたものより耐熱性、柔軟性、曲面への追従
性、引張強度、開口性、耐ブロッキング性に優れてい
る。なお、実施例5は、フィルムの厚さが10μmと薄
いため、引張強度が不十分であり、また、実施例6はフ
ィルムの厚みが160μmと厚いため、曲面追従性が劣
るので、いずれも用途によっては使用できない場合があ
る。
【0042】
【発明の効果】本発明により、軟質塩化ビニル樹脂並
み、またはそれ以上の耐熱性、柔軟性、曲面への追従
性、引張強度、開口性、耐ブロッキング性に優れ、軟質
塩化ビニル樹脂のように可塑剤を使用していないため可
塑剤のフィルム表面への移行による外観の悪化がなく、
可塑剤の臭気の問題がない粘着テープ用基材フィルムお
よびそれを用いた粘着テープが得られ、その産業上、極
めて有用なものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AF13Y AH19 BC01 4F100 AK03B AK03C AK07 AK25G AK62B AK62C AK63 AK64 AK64A AK66A AK66B AK66C AL05 AN02G AR00D BA01 BA03 BA04 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA15 CB05 EH20 EH46 GB90 JA20 JB16A JJ03 JK02 JK07 JK13 JK17 JL00 JL13D YY00 4J002 BB052 BB121 BB141 BB142 BB151 BB152 GF00 4J004 AA05 AA10 AB01 CA04 CB03 CC03 CD08 CE01 DA04 DA05 DB01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂を主成分とするフィ
    ルムであり、該フィルムの90℃でのクリープコンプラ
    イアンスが10〜70GPa-1であることを特徴とする
    粘着テープ用基材フィルム。
  2. 【請求項2】前記フィルムが、少なくともコア層の両面
    にスキン層を有する3層構造である請求項1記載の粘着
    テープ用基材フィルム。
  3. 【請求項3】コア層が、ポリプロピレン系樹脂に、エチ
    レン、プロピレン、ブテンから選ばれた少なくとも2以
    上のモノマーからなる共重合体が配合された熱可塑性ポ
    リオレフィン系樹脂からなる請求項2記載の粘着テープ
    用基材フィルム。
  4. 【請求項4】スキン層が、ポリオレフィン系樹脂組成物
    である請求項2又は3記載の粘着テープ用基材フィル
    ム。
  5. 【請求項5】前記フィルムの引張弾性率が50〜500
    MPaである請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着
    テープ用基材フィルム。
  6. 【請求項6】前記フィルムの厚さが20〜150μmで
    ある請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着テープ用
    基材フィルム。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一項に記載された
    粘着テープ用基材フィルムの片面に、粘着剤層が設けら
    れた粘着テープ。
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