JP5875454B2 - 逐次二軸延伸多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、二軸延伸多層フィルムに関し、詳しくは、耐摩耗性、耐ピンホール性に優れ、且つ優れたガスバリア性、スリップ性、引張弾性率を有する包装用フィルムに好適な二軸延伸多層フィルムに関する。
二軸延伸されたポリプロピレンフィルムは、その優れた透明性や剛性等から様々な包装材料で使用されている。
通常、ポリプロピレン系二軸延伸フィルムは、その表面物性を補足するため、各種の添加剤を配合して、帯電防止性やブロッキング防止を図ることが行われる。また、食品包装材料で使用される場合には、各種内容物を保護する目的で使用されることが多い。ポリプロピレン系二軸延伸フィルムは防湿性に優れているため、内容物の湿り防止で使われることが多いが、酸化劣化を防ぐ目的で、さらにポリ塩化ビニリデン樹脂が積層使用されている。
ポリ塩化ビニリデン樹脂をポリプロピレン系二軸延伸フィルム等の熱可塑性フィルムに積層あるいは被覆する方法は多く提案されている。例えば、特許文献1には、ポリプロピレン樹脂フィルムに塩化ビニリデン共重合体を被覆したフィルムで縦横とも10%以下の熱収縮率を有するフィルムの発明が、また特許文献2には、ポリオレフィン支持体上にヒートシール層、他面側にプライマー皮膜層を介してポリ塩化ビニリデン樹脂層を有する延伸ヒートシール性多層構造体が開示されている。さらに、特許文献3では、二軸延伸フィルムの持つ弱点である耐摩擦性を改善する方法として、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を含む組成物から得られる中間層の両面に、プロピレン重合体の表面層が積層され、表面層の少なくとも片面に塩化ビニリデン重合体層が積層された二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムが提案されている。
しかしながら、これらの多層フィルムでは、引張弾性率が劣るという不具合があった。
特開昭57−20346号公報 特許第2944192号公報 特開2004−17333号公報
本発明の目的は、上記課題に鑑み、耐摩擦性、耐ピンホール性に優れ、且つガスバリア性、スリップ性、引張弾性率を有する包装用材料に好適な二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、二軸延伸多層フィルムのスキン層(第1の層)に、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を用い、さらに、第1の層と反対側のスキン層(第2の層)に、メタロセン触媒を用いて重合された特定のプロピレン・エチレンランダム共重合体と特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を、それぞれ特定の割合で使用することにより、耐摩擦性、耐ピンホール性を改善できることを見出し、これらの知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の二軸延伸多層フィルムを提供する。
[1]ポリプロピレン系樹脂で構成された中間層と、中間層の片方の面に形成されたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体からなる第1の層と、前記中間層の他の片面に形成された第2の層とで構成された二軸延伸多層フィルムであって、
第2の層は、下記の条件を満たす、(2a)プロピレン・エチレンランダム共重合体と(2b)エチレン・α−オレフィン共重合体を、(2a)と(2b)の合計100重量部に対して、(2a)を85重量部以上〜97重量部以下、(2b)を3重量部以上〜15重量部以下含有することを特徴とする二軸延伸多層フィルム。
(2a)プロピレン・エチレンランダム共重合体:
メタロセン触媒により製造された、メルトフローレート(230℃、21.18N荷重)が1〜20g/10分、密度が0.890〜0.905g/cm、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5のプロピレン・エチレンランダム共重合体。
(2b)エチレン・α−オレフィン共重合体:
メルトフローレート(190℃、21.18N荷重)が1〜10g/10分、密度が0.910〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体。
[2]前記第1の層上に、接着剤層を介して熱接着層を有する上記[1]に記載の二軸延伸多層フィルム。
[3]ポリ塩化ビニリデン樹脂層を前記第1の層上に有する上記[1]に記載の二軸延伸多層フィルム。
[4]ポリ塩化ビニリデン樹脂層の上に、接着剤層を介して熱接着層を有する上記[3]に記載の二軸延伸多層フィルム。
本発明の二軸延伸多層フィルムは、耐摩擦性、耐ピンホール性に優れ、且つガスバリア性、スリップ性、引張弾性率を有することから、包装用材料として極めて有用なフィルムである。
本発明の二軸延伸フィルムに使用されている第2の層には、メタロセン触媒により製造された、MFRが1〜20g/10分、密度が0.890〜0.905g/cm、Mw/Mnが1.5〜3.5のプロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)と、MFRが1〜10g/10分、密度が0.910〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体(2b)を、(2a)と(2b)の合計100重量部に対して、(2a)を85〜97重量部、(2b)を3〜15重量部含有することで、透明性、スリップ性及び引張弾性率に優れた二軸延伸多層フィルムとすることができ、耐摩擦性、耐ピンホール性、ガスバリア性に優れた包装用材料として極めて有用な多層フィルムとすることができる。
本発明の二軸延伸多層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂の中間層と、中間層の片面にプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体からなる第1の層と、他の片面に形成された第2の層とで構成された二軸延伸多層フィルムであって、
第2の層が、前記(2a)プロピレン・エチレンランダム共重合体と前記(2b)エチレン・α−オレフィン共重合体を、(2a)と(2b)の合計100重量部に対して、(2a)を85〜97重量部、(2b)を3〜15重量部含有することを特徴とする。
以下、本発明の二軸延伸多層フィルムの各層の構成成分、層構成等について、詳細に説明する。
[中間層用樹脂]
本発明の二軸延伸多層フィルムの中間層に用いられるポリプロピレン系樹脂(A)としては、プロピレン単独重合体、或いは過半重合割合のプロピレンと他のα−オレフィン(エチレン、ブテン、ヘキセン、4−メチルペンテン、オクテン等)、不飽和カルボン酸又はその誘導体(アクリル酸、無水マレイン酸等)、芳香族ビニル単量体(スチレン等)等とのランダム、ブロック又はグラフト共重合体である。
このようなポリプロピレン系樹脂(A)は、結晶性プロピレン系重合体が好ましく、そのアイソタクチックインデックス(I.I.)は、好ましくは40重量%以上、中でも60重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。従って、プロピレン単独重合体を使用することが最も好ましいが、その場合にはアイソタクチックインデックスが90重量%以上、中でも95重量%以上がフィルムの腰の強さの観点から好適である。また、ポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、21.18N荷重で測定)は、好ましくは0.5〜10g/10分、より好ましくは1〜5g/10分、特には1〜4g/10分のものが好ましい。これら結晶性ポリプロピレン系樹脂は単独でも、或いは複数種類の重合体の混合物としても使用することもできる。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、チーグラー触媒で製造されたものでも、メタロセン触媒で製造されたものでもよいが、チーグラー触媒によって得られたポリプロピレン系樹脂は、分子量分布が広いため溶融張力が高いので、フィルム成形性に優れているので好ましい。
チーグラー触媒としては、通常、高立体規則性触媒が用いられる。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、更に各種の電子供与体及び電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルを組み合わせた触媒、及び、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体を接触させた担持型触媒等を例示することができる。
また、この中間層には、上記ポリプロピレン系樹脂(A)を主成分として、その他の配合剤を本発明の効果を損わない範囲の量で、配合することができる。そのような配合剤の例として、エチレン系重合体、ブテン系重合体、石油樹脂、テルペン樹脂、スチレン系樹脂等の炭化水素重合体(それらの水添物も含む)等の他の熱可塑性重合体を挙げることができる。
さらに、ポリプロピレン系樹脂(A)には、酸化防止剤や耐候剤等の安定剤、加工助剤、着色剤等、ポリオレフィン系樹脂に配合することができる各種の添加剤を含んでもよい。
[第1の層用樹脂]
中間層の片方の面に形成される第1の層(以下、「第1層」ともいう。)は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)からなる。
第1層に用いるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)としては、過半重合割合のプロピレンと他のα−オレフィンとのランダム共重合体である。
コモノマーとしてのα−オレフィンは、好ましくは炭素数2〜20のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル1−ペンテンなどのプロピレン以外のα−オレフィン、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物等からなる選択される。これらのコモノマーは、二種以上共重合されていてもよい。コモノマーは、エチレン及び/又は1−ブテンであるのが好ましく、最も好ましいのはエチレンである。コモノマーとして用いられるα−オレフィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2種類以上用いた多元系共重合体も好ましいものとして含まれる。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)のMFR(230℃、21.18N荷重で測定)は、好ましくは1〜20g/10分であり、より好ましくは2〜15g/10分、さらに好ましくは3〜10g/10分であり、特には4〜10g/10分、最も好ましくは5超〜10g/10分のものが好ましい。上記範囲を外れると、均一な厚みの層を形成することが困難となりやすい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)は、125〜150℃に融解ピーク温度(Tm)を少なくとも1つ有するものが好ましい。125〜150℃に融解ピーク温度(Tm)を有さずに125℃未満に融解ピーク温度を少なくとも1つある場合は、縦延伸工程でロールにべたつき外観不良が発生しやすく、融解ピーク温度全てが150℃を超えると後記するポリ塩化ビニリデン樹脂の密着強度が低下する。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)の融解ピーク温度は、製造に用いる触媒や重合条件により変化するが、基本的にはエチレン含量により制御され、また市販の共重合体から選択してもよく、また、異なるα−オレフィン含有量の共重合体またはプロピレン単独重合体をブレンドすることによって調整する方法等が採用される。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)は、チーグラー触媒で製造されたものでも、メタロセン触媒で製造されたものでもよいが、チーグラー触媒によって得られたポリプロピレン系樹脂は、分子量分布が広いため溶融張力が高いので、フィルム成形性に優れているので好ましい。
チーグラー触媒としては、通常、高立体規則性触媒が用いられる。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、更に各種の電子供与体及び電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルを組み合わせた触媒、及び、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体を接触させた担持型触媒等を例示することができる。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)には、その他の配合剤を、本発明の効果を損わない範囲の量で、配合することができる。そのような配合剤の例として、酸化防止剤や耐候剤等の安定剤、加工助剤、着色剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を挙げることができる。
[第2の層用樹脂]
前記中間層の他方の面に形成される第2の層(以下、「第2層」ともいう。)は、プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(2b)を含有する。
[プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)]
プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)は、メタロセン触媒により重合されたものであることが必要である。
メタロセン触媒としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、助触媒、必要により有機金属化合物と、担体等の各触媒成分を含む触媒である。メタロセン触媒は公知であり、各種のものを使用することができる。
例えば、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等のメタロセン化合物と、メチルアルモキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物若しくはN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のホウ素化合物若しくはイオン交換性層状珪酸塩等のメタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒と、必要に応じ使用するトリエチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物とからなる触媒が挙げられる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体の重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるバルク法、溶液法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を採用することができる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)のMFR(230℃、21.18N荷重で測定)は1〜20g/10分である。この範囲を外れると、均一な厚みの層を形成することが困難となる。プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)のMFRは、特に2〜10g/10分のものが好ましい。
また、プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)の密度は0.890〜0.905g/cmである。この範囲を外れるとフィルムの透明性が悪化する。プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)の密度は、好ましくは0.892〜0.903g/cmである。
メタロセン触媒により製造されたプロピレン・エチレンランダム共重合体は、市販されており、これらの中から適宜選択して使用することもできる。市販品としては、日本ポリプロ(株)製の商品名「ウィンテック」等が挙げられる。
プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)には、その他の配合剤を、本発明の効果を損わない範囲の量で、配合することができる。そのような配合剤の例として、酸化防止剤や耐候剤等の安定剤、加工助剤、着色剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を挙げることができる。
[エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)]
第2の層が含有するエチレン・α−オレフィン共重合体(2b)は、エチレンから誘導される構成単位を主成分とするエチレン・α−オレフィン共重合体である。エチレン由来単位の割合は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.9重量%以下である。
コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくは炭素数が3〜20、より好ましくは4〜12、特に好ましくは6〜10の1−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を好ましく挙げることができる。かかるエチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等を好ましく挙げることができる。
また、コモノマーとして用いられるα−オレフィンは1種類に限られず、ターポリマーのように2種類以上を用いた多元系共重合体も好ましいものとして含まれる。その具体例としては、エチレン・プロピレン・1−ブテン3元共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン3元共重合体等が好ましく挙げられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)のMFR(190℃、21.18N荷重で測定)は、1〜10g/10分の範囲にあることが必要である。この範囲を外れると、均一な厚みの層を形成することが困難となる。エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)のMFRは、2〜8g/10分のものが好ましく、2.5〜6g/10分のものがより好ましい。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)の密度は0.910〜0.930g/cmである。このような範囲を外れるとフィルムの透明性が悪化しやすくなる。エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)の密度は、好ましくは0.915〜0.925g/cmである。
エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)は、チーグラー触媒で製造されたものでも、メタロセン触媒で製造されたものでもよいが、チーグラー触媒によって得られたものが好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)には、その他の配合剤を、本発明の効果を損わない範囲の量で、配合することができる。そのような配合剤の例として、酸化防止剤や耐候剤等の安定剤、加工助剤、着色剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を挙げることができる。
[第2層における(2a)(2b)の割合]
プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)及びエチレン・α−オレフィン共重合体(2b)の第2層に占める割合は、(2a)と(2b)の合計100重量部に対して、(2a)を85〜97重量部、(2b)を3〜15重量部である。エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)が3質量部未満であると摩擦ピンホール性が悪化し、15質量部を超えると透明性が悪化する。
[ポリ塩化ビニリデン樹脂]
本発明の二軸延伸多層フィルムの前記第1層の上には、ポリ塩化ビニリデン樹脂層を設けることが好ましい。
ポリ塩化ビニリデン樹脂層に用いられるポリ塩化ビニリデン樹脂は、塩化ビニリデンの単独重合体若しくは共重合体である。これら重合体の中でも塩化ビニリデン含有量が好ましくは50〜98モル%の範囲、より好ましくは75〜96モル%の範囲にある塩化ビニリデン共重合体が、成膜性、ガスバリア性のバランスに優れているので好ましい。
塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の具体例として、例えば塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸等のうち一種または二種以上を選択して用いることができる。中でも製膜性の点から塩化ビニル、アクリル酸エステルが好ましく用いられる。
また、ポリ塩化ビニリデン樹脂は、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
またポリ塩化ビニリデン樹脂には熱安定剤や光安定剤、滑剤等添加剤を適宜添加して用いることもできる。ポリ塩化ビニリデン樹脂は通常、エマルジョン或いは溶液として用いられる。
[二軸延伸多層フィルムの製造]
本発明の二軸延伸多層フィルムは、前記ポリプロピレン系樹脂又はこれを主成分としてなる中間層の片面に前記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)からなる第1の層を形成し、中間層の他の面に前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)とエチレン・α−オレフィン共重合体(2b)からなる第2の層を積層し、これを延伸することによって製造される。
この第1層用樹脂および第2層用樹脂を中間層のポリプロピレン系樹脂へ積層する方法としては、例えば、中間層のポリプロピレン系樹脂の両面に、第1層用樹脂および第2層用樹脂を溶融共押出することによってシート状となし、これらを二軸延伸する方法が、両樹脂を容易に、均一に、かつ薄く積層できることから好ましい。しかし、未延伸又は一軸延伸した中間層シートに該表面層用組成物を溶融押出し被覆した後、二軸延伸又は基材層の延伸方向と直角方向に一軸延伸する方法も採用することができる。
上記二軸延伸のうち、まず縦延伸については、ロール周速差を利用して行うことができる。すなわち、90℃〜150℃、好ましくは110〜140℃で3〜8倍、好ましくは4〜6倍に延伸し、引き続いて横方向にテンターオーブン中で、3〜12倍、好ましくは6〜11倍に延伸する。2次加工時の熱収縮防止のため、横延伸に引き続き140〜170℃の熱セットをするのが望ましい。
中間層のポリプロピレン系樹脂には、酸化防止剤や耐候剤等の安定剤、加工助剤、着色剤等の添加剤を含んでもよいが、透明性やラミネート強度の点から、ブロッキング防止剤及び/又は帯電防止剤を含有しないのが好ましい。
中間層の厚みは、例えば3〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μm、特に好ましくは12〜25μmである。
第1の層の表面は、表面処理されているのが好ましい。表面処理としては、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理などが利用でき、コロナ放電処理が好ましい。フィルムを延伸する場合、表面処理は、フィルムの延伸処理に先立って行ってもよいが、延伸後に行うのが好ましい。
第1の層の表面張力は、好ましくは36mN/m以上、より好ましくは37〜55mN/m、さらに好ましくは38〜50mN/m、特に好ましくは38〜45mN/mである。
第1の層の厚みは、好ましくは0.6μm以上、より好ましくは0.8〜30μm、さらに好ましくは1〜10μm、特に好ましくは1.5〜5μmである。第1の層の厚みが0.6μm未満である二軸延伸フィルムの場合、厚みが不安定になりやすく、他のガスバリア層との接着性が低下しやすくなるとともに、外観不良が発生しやすい。
第2の層の表面は表面処理してもよいが、表面処理しないのが好ましい。第2の層の表面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、より好ましくは20〜38mN/m、さらに好ましくは20〜36mN/m、特に好ましくは25〜35mN/mである。
また、第2の層の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1.5〜10μmである。
本発明の二軸延伸多層フィルムにおいて、中間層と、第1の層及び第2の層(合計厚み)との厚みの比は、好ましくは、中間層/[第1層と第2層の合計]が1/1〜50/1、より好ましくは2/1〜30/1、さらに好ましくは3/1〜10/1である。
また、第1の層と第2の層との厚みの比は、好ましくは、第1層/第2層で10/1〜1/10、より好ましくは5/1〜1/5、さらに好ましくは3/1〜1/3である。
本発明の二軸延伸多層フィルムの好ましい実施態様として、二軸延伸多層フィルムの第1の層側に、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)層をガスバリア性の層として積層した多層フィルムが挙げられる。このようなポリ塩化ビニリデン樹脂層の形成方法としては、二軸延伸多層フィルムの形成後、例えば、必要に応じて溶媒に溶解あるいは分散して塗布液としたポリ塩化ビニリデン樹脂を、第1の層の表面に塗布する方法等により形成できる。
ポリ塩化ビニリデン樹脂層の厚みは、特に限定されず、所望する酸素ガスバリア性等により、適宜設定すればよい。さらに、ガスバリア性の層を複数有する場合は、ガスバリア層同士の間にアンカー層を有していても良い。
[熱接着層]
さらに、本発明の二軸延伸多層フィルムには、熱接着層(シーラント層ともいう。)を積層して使用することもできる。
熱接着層に用いられるものとしては、例えばヒートシール性を有する無延伸ポリプロピレン系樹脂(CPP)や無延伸ポリエチレン系樹脂フィルムなどが挙げられる。
このような熱接着層を、二軸延伸多層フィルムの第1の層側に直接、または、第1の層上にあるガスバリア層側に接着剤層を介して積層することにより、両面にヒートシール性を有し、軽量で、ガスバリア層の基材との密着性にも優れた包装フィルムを得ることができる。熱接着層の厚さは、5μm以上が好ましく、150μm以下が好ましい。
熱接着層の積層方法としては、一般的には、押出ラミネート法が行われているが、ドライラミネート法、ポリサンドラミネート法、タンデムラミネート法などでもよく、特に制限されない。
熱接着層(シーラント層ともいう。)を、接着剤層を介して積層する場合に使用する接着剤としては、特に制限はなく、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系等の接着剤が挙げられ、この中でもポリウレタン系接着剤が好ましい。乾燥後の接着剤層の厚さは、0.01μm以上が好ましく、5μm以下が好ましい。
以下、本発明を実施例に従って具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
実施例、比較例で用いた測定・評価法、樹脂材料は以下の通りである。
1.樹脂物性の測定方法
(1)MFR:
中間層用のポリプロピレン系樹脂(A)、第1層用のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)、第2層用のプロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)のMFRは、JIS K6921−2:付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
また、第2層用のエチレン・α−オレフィン共重合体(2b)のMFRはJIS K6922−2:付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して測定した。
(2)密度:
プロピレン・エチレンランダム共重合体(2a)の密度は、JIS K6921−2:付属書(23℃)に準拠して密度勾配管法で測定した。
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(2b)の密度は、JIS K6922−2:付属書(23℃)に準拠して密度勾配管法で測定した。
(3)融解ピーク温度:
示差走査型熱量計(セイコーインスツルメンツ(株)製DSC)を用い、サンプル量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度Tmを測定した。
(4)Mw/Mn:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は次の測定条件により算出した。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN社製 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工(株)製AD806M/S 3本(カラムの較正は東ソー(株)製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。
また、試料の分子量はポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数はα=0.723、logK=−3.967であり、ポリプロピレンはα=0.78、logK=−3.987である。)
測定温度:140℃
濃度:20mg/10mL
注入量:0.2ml
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/分
(5)HAZE(ヘイズ):
JIS K7105に準拠して測定した。
(6)引張弾性率:
原反フィルム成形時の引取り方向をMD、引取り方向と垂直方向をTDとして、ISO R1184に準拠して測定した。
(7)スリップ性:
ASTM D−1894に準拠して、第2層面同士の静摩擦係数(μs)を測定した。
(8)摩擦ピンホール:
ポリ塩化ビニリデン層上に熱接着層が積層されたラミネートフィルムを一定の大きさに切り出し、二軸延伸多層フィルム側にボールペンを設置し、荷重100gをかけた。その上で、ダンボール紙を下敷きに、振幅30mm、速度5000mm/分で振動させ、ダンボール紙に印字されるまでの回数を読み取った。測定には神東科学(株)製表面性測定器「HEIDON−14D」を使用した。
測定は10回行い、その平均値を算出し、摩擦ピンホールの測定値とした。
(9)突き刺し強度:
オリエンテック(株)製万能材料試験機「テンシロンRTC−1210」の先端に、直径0.5mmの丸頭の針を設置し、下側に設置されたラミネートフィルムに対して、上部より50mm/分の速度で突いた際の強度を測定した。測定は無延伸フィルム積層側から突いて実施した。
(10)ガスバリア性:
MOCON社製酸素透過率測定装置「OX−TRAN2/20」を使用し、温度20℃、湿度80%RH条件にて酸素ガス透過度の測定を行った。
水蒸気透過度については、MOCON社製水蒸気透過率測定装置「PERMATRAN−W」にて、温度40℃、湿度90%RH条件にて測定を実施した。
2.使用樹脂
<第1層用プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体>
日本ポリプロ(株)社製「ノバテックPP FW4B」
プロピレン−エチレン−ブテン共重合体(チーグラー触媒による)
MFR=7.0g/10分
Tm=137℃
以下、「PP1」と称する。
<第2層用プロピレン・エチレンランダム共重合体>
日本ポリプロ(株)社製「ウィンテック WFW4」
プロピレン−エチレン共重合体(メタロセン触媒による)
MFR=7.0g/10分
密度=0.900g/cm
Mw/Mn=2.8
以下、「PP2」と称する。
<中間層用ポリプロピレン系樹脂>
日本ポリプロ(株)社製「ノバテックPP FL203D」
プロピレン単独重合体(チーグラー触媒による)
MFR=3.0g/10分
密度=0.905g/cm
Mw/Mn=5.5
以下、「PP3」と称する。
<エチレン・α−オレフィン共重合体>
・日本ポリエチレン(株)社製「カーネル KF380」
エチレン−1−ヘキセン共重合体(メタロセン触媒による)
MFR=4.0g/10分
密度=0.918g/cm
以下、「PE1」と称する。
・日本ポリエチレン(株)社製「ノバテックLD LF580」
低密度ポリエチレン
MFR=4.0g/10分
密度=0.930g/cm
以下、「PE2」と称する。
・日本ポリエチレン(株)社製「カーネル KF360T」
エチレン−1−ヘキセン共重合体(メタロセン触媒による)
MFR=3.5g/10分
密度=0.898g/cm
以下、「PE3」と称する。
・日本ポリエチレン(株)社製「ノバテックLL SF941」
ヘキセン共重合直鎖状低密度ポリエチレン
MFR=2.0g/10分
密度=0.936g/cm
以下、「PE4」と称する。
<実施例1>
(二軸延伸複層フィルムの製造)
第1層用樹脂としてPP1を用い、第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ97/3の重量比率でブレンドした樹脂を用いた。第1層および第2層樹脂にはブロッキング防止剤として綜研化学(株)製ポリメタアクリル酸メチル系架橋アクリル微粒子「MX180TA」を1000ppm配合した。
中間層用ポリプロピレン系樹脂(PP3)と第1層用樹脂と第2層用樹脂組成物を各々個別に3台の押出機に投入し、3層の全厚20μmの延伸フィルムにした時の第1層厚みが1μm、第2層厚みが2μmとなるようにTダイから共押出しし、冷却ロールで急冷することにより、厚さ約1mmのシートを得、このシートをテンター式逐次二軸延伸装置にて120℃で縦方向に5倍、引き続きテンター炉内で160℃に予熱をかけた後158℃で横方向に9倍の延伸倍率で延伸し、5%緩和させつつ158℃で熱セットをかけて、フィルム全厚さ20μm、第1層厚みが1μm、第2層厚みが2μmの二軸延伸多層フィルムを得た。得られたフィルムの第1層面に41dyn/cmとなるようコロナ放電処理を施した。
得られたフィルムのHAZE・引張弾性率・スリップ性の値を表1に示した。
(PVDCコート)
得られた二軸延伸多層フィルムのコロナ処理面に、ウレタン系接着剤(三井化学(株)製商品名「タケラックA3210/タケネートA3070」)を酢酸エチル溶媒に6%濃度になるように溶解し、グラビアコーターにて乾燥後の塗布量が0.2g/mになるように塗布し、100℃で乾燥した。
さらに、トルエン/THF=1/2(重量比)の混合溶液に塩化ビニリデン系樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製商品名「サランレジンF216」)を15重量%に溶解し、グラビアコーターにて、乾燥時の塗布量が2g/mとなるように塗布を行い、100℃で乾燥し、ポリ塩化ビニリデン樹脂を第1層側に積層したフィルムを得た。
(熱接着層の積層)
ウレタン系接着剤(三井化学(株)製商品名「タケラックA−969V」、固形分70%)5gに対して、硬化剤(三井化学(株)製商品名「タケネートA−5」、固形分80%)1.67g、さらに酢酸エチルを7.13g配合し攪拌した。これを乾燥時塗布量が3g・mとなるように二軸延伸多層フィルムのポリ塩化ビニリデン積層面に塗布し、80℃で1分間乾燥を行った後、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製、品番P1128、厚み30μm)を圧着した上で、40℃にて1日間エージング処理を実施し、熱接着層を積層したラミネートフィルムを得た。
得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表1に示した。
<実施例2>
第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ95/5の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表1に示した。
<実施例3>
第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ90/10の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表1に示した。
<実施例4>
第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ85/15の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表1に示した。
<実施例5>
第2層用樹脂としてPP2とPE2をそれぞれ90/10の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表1に示した。
Figure 0005875454
<比較例1>
第2層用樹脂としてPP3を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例2>
第2層用樹脂としてPP2を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例3>
第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ80/20の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例4>
第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ70/30の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例5>
第2層用樹脂としてPP2とPE1をそれぞれ60/40の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例6>
第2層用樹脂としてPP2とPE3をそれぞれ90/10の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例7>
第2層用樹脂としてPP2とPE4をそれぞれ90/10の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
<比較例8>
第2層用樹脂としてPP2とPE2をそれぞれ80/20の重量比率でブレンドした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして作成した。得られたラミネートフィルムの摩擦ピンホール・突き刺し強度・酸素透過度・水蒸気透過度の値を表2に示した。
Figure 0005875454
表1から明らかなように、実施例では、透明性、引張弾性率、スリップ性、耐摩擦性、ガスバリア性のいずれについても良好な結果を示している。これに対して、表2から明らかなように、比較例1、2では、耐摩擦性が十分でない。比較例3、4、5では、透明性及びスリップ性が充分でない。比較例6、7、8では、透明性が充分でないことが分かる。
本発明の二軸延伸多層フィルムは、耐摩擦性、耐ピンホール性に優れ、且つガスバリア性、スリップ性、引張弾性率を有することから、包装用材料として極めて有用であり、産業上の利用性は高い。

Claims (5)

  1. ポリプロピレン系樹脂で構成された中間層と、中間層の片方の面に形成されたプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体からなる第1の層と、前記中間層の他の片面に形成された第2の層とで構成された逐次二軸延伸多層フィルムであって、
    第2の層は、下記の条件を満たす、(2a)プロピレン・エチレンランダム共重合体と(2b)エチレン・α−オレフィン共重合体を、(2a)と(2b)の合計100重量部に対して、(2a)を85重量部以上〜97重量部以下、(2b)を3重量部以上〜15重量部以下含有することを特徴とする逐次二軸延伸多層フィルム。
    (2a)プロピレン・エチレンランダム共重合体:
    メタロセン触媒により製造された、メルトフローレート(230℃、21.18N荷重)が1〜20g/10分、密度が0.890〜0.905g/cm、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5のプロピレン・エチレンランダム共重合体。
    (2b)エチレン・α−オレフィン共重合体:
    メルトフローレート(190℃、21.18N荷重)が1〜10g/10分、密度が0.910〜0.930g/cmのエチレン・α−オレフィン共重合体。
  2. 前記中間層に、直接接して前記第1の層と前記第2の層がそれぞれ積層されている請求項1に記載の逐次二軸延伸多層フィルム。
  3. 前記第1の層上に、接着剤層を介して熱接着層を有する請求項1又は2に記載の逐次二軸延伸多層フィルム。
  4. ポリ塩化ビニリデン樹脂層を前記第1の層上に有する請求項1又は2に記載の逐次二軸延伸多層フィルム。
  5. ポリ塩化ビニリデン樹脂層の上に、接着剤層を介して熱接着層を有する請求項4に記載の逐次二軸延伸多層フィルム。
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