JP2019108165A - 成形容器用積層体、成形容器および包装体、ならびに成形容器および包装体の製造方法 - Google Patents

成形容器用積層体、成形容器および包装体、ならびに成形容器および包装体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属箔層および外側樹脂フィルム層を備えた積層体を成形してなる容器として、外観が良好なマット調の外表面を有するものを安価に提供する。【解決手段】成形容器用積層体10は、金属箔層11と、金属箔層の両面のうち容器の外側となる面に積層されている単層または複数層の外側樹脂フィルム層12とを備えている。単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層のものが、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系エラストマーとを主成分とする樹脂組成物からなる。外側樹脂層の外表面の光沢度が0.5〜30%である。【選択図】図1

Description

この発明は、食品等を密封包装するための成形容器の材料として用いられる積層体、同積層体を成形してなる成形容器、および内容物が充填された同成形容器に蓋を施してなる包装体に関し、より詳細には、マット調の外表面を有する成形容器用積層体、成形容器および包装体に関する。また、この発明は、マット調の外表面を有する成形容器および包装体の製造方法に関する。
例えば水羊羹、ゼリー、離乳食、介護用食品等を長期保存可能に包装するための容器として、アルミニウム箔等よりなる金属箔層と、金属箔層の両面のうち容器の外側となる面に積層されている単層または複数層の外側樹脂フィルム層とを備えた積層体を、カップ状に成形してなる成形容器が知られている(下記の特許文献1等参照)。
ここで、包装分野においては、外観に高級感を持たせるために、マット調(艶消し)の外表面を有する容器が使用される場合がある。
例えば、下記の特許文献2には、エンボス加工されたポリプロピレン樹脂フィルムを使用して、マット調の外表面を有する文具用ファイル等を製作することが開示されている。
また、下記の特許文献3には、最外層にマット調の外表面を有するハードコート層を形成した成型用ハードコートフィルムが開示されている。
特開平6−345123号公報 特開平5−320376号公報 特開2011−148301号公報
しかしながら、上記特許文献2のようなエンボス加工フィルムによって外側樹脂フィルム層が構成された積層体をカップ状に成形すると、成形時にエンボス加工フィルムが延ばされてマット調の外表面に斑が生じ、外観が損なわれるおそれがあった。また、エンボス加工フィルムを使用すると、コストが嵩むという問題があった。
また、上記特許文献3のようなマット調のコート層を有するフィルムによって外側樹脂フィルム層が構成された積層体をカップ状に成形した場合、コート層にクラックが発生する、或いは、コート層が剥がれるという問題があった。加えて、マット調のコート層を形成する場合も、コストが嵩むという問題があった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、金属箔層および外側樹脂フィルム層を備えた積層体を成形してなる容器として、外観が良好なマット調の外表面を有するものを安価に提供することを目的としている。
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
1)金属箔層と、金属箔層の両面のうち容器の外側となる面に積層されている単層または複数層の外側樹脂フィルム層とを備えている成形容器用積層体であって、
単層の外側樹脂フィルム層、または、複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層のものが、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系エラストマーとを主成分とする樹脂組成物からなり、
外側樹脂フィルム層の外表面の光沢度が0.5〜30%である、成形容器用積層体。
2)金属箔層と外側樹脂フィルム層との間に印刷層が全面的もしくは部分的に形成されるか、または、外側樹脂フィルム層に着色成分が添加されることによって、外側樹脂フィルム層の外表面に所定の表示または装飾が表れている、上記1)の成形容器用積層体。
3)上記1)または2)の成形容器用積層体をカップ状に成形してなり、開口周縁にフランジを有している、成形容器。
4)内容物が充填された上記3)の成形容器のフランジに、成形容器の開口を覆うように蓋が接合されてなる、包装体。
5)上記3)の成形容器を製造する方法であって、
上記1)または2)の成形容器用積層体をカップ状に成形する工程と、
前記工程によって得られた成形容器を、単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理する工程とを含んでいる、成形容器の製造方法。
6)上記4)の包装体を製造する方法であって、
内容物が充填された上記3)の成形容器のフランジに、成形容器の開口を覆うように蓋を接合する工程と、
前記工程によって得られた包装体を、単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理する工程とを含んでいる、包装体の製造方法。
7)包装体を加熱処理する工程を、レトルト殺菌処理によって行う、上記6)の包装体の製造方法。
上記1)の成形容器用積層体にあっては、単層の外側樹脂フィルム層、または、複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層のものが、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系エラストマーとを主成分とする樹脂組成物からなり、外側樹脂フィルム層の外表面の光沢度が0.5〜30%となされているので、同積層体を成形してなる成形容器は、その外表面がマット調となる。そして、上記1)の積層体の場合、エンボス加工フィルムによって外側樹脂フィルム層の外表面が構成された積層体のように、成形時に延ばされて外表面に斑が生じることがなく、また、マット調のコート層を有するフィルムによって外側樹脂フィルム層の外表面が構成された積層体のように、コート層にクラックが発生したり、コート層が剥がれたりすることもない上、コストもかからない。
従って、上記1)の成形容器用積層体によれば、外観が良好なマット調の外表面を有する成形容器が安価に得られる。
ここで、「光沢度」は、JIS Z8741−1997(鏡面光沢度−測定方法、方法3(入射角度60度))に準拠して測定したものである。
上記2)の成形容器用積層体によれば、金属箔層と外側樹脂フィルム層との間に印刷層が全面的または部分的に形成されるか、または、外側樹脂フィルム層に着色成分が添加されることによって、外側樹脂フィルム層の外表面に所定の表示または装飾が表れているので、同積層体を成形してなる成形容器がより優れた外観のものとなる。
上記3)の成形容器によれば、外観が良好なマット調の外表面を有するものであるので、高級感を持たせることができる。
上記4)の包装体によれば、外観が良好なマット調の外表面を有する容器によって、高級感を持たせることができる。
上記5)の成形容器の製造方法によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、上記1)または2)の成形容器用積層体をカップ状に成形した場合、得られた成形容器の外表面の一部、具体的には、例えば同外表面における底壁と周壁との境界のコーナー部分が白濁し、金属箔層の表面の金属色や印刷層の表示が隠れて見えなくなり、外観が損なわれることがある。その原因としては、上記積層体を成形することにより、単層の外側樹脂フィルム層、または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層のものにおいて、ポリオレフィン樹脂(例えば、ブロックポリプロピレン樹脂)のマトリックスとオレフィン系エラストマー(例えば、エチレン−プロピレン共重合体からなるエラストマー)との界面にボイド(空隙)が生成し、樹脂部分とボイドとの屈折率の差によって、成形容器の外表面の一部、特に、成形容器の外表面のうち成形による変形の度合いが大きいコーナー部分が白濁して見えるものと考えられる。
そこで、上記のように、成形容器を、単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理したところ、同層の内部に生成されたボイドが消失して、白濁がなくなった。
従って、上記5)の成形容器の製造方法によれば、全体の外観が良好なマット調の外表面を有する成形容器が確実に得られる。
ここで、「軟化点」は、JIS−K7206:2016(測定条件A50)に準拠して測定した「ビカット軟化点」である。
上記6)の包装体の製造方法によれば、成形容器の外表面の一部に白濁が生じている場合であっても、包装体を、単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理することにより、白濁を消失させることができるので、全体の外観が良好なマット調の外表面を有する成形容器を備えた包装体が確実に得られる。
上記7)の包装体の製造方法によれば、包装体を加熱処理する工程を、レトルト殺菌処理によって行うので、工程数を増やすことなく、成形容器の外表面に生じた白濁を消失させることができ、効率的である。
この発明の実施形態に係る成形容器用積層体の層構造を示す部分拡大断面図である。 この発明の実施形態に係る包装体の製造方法を工程順に示す垂直断面図である。 同方法によって製造された包装体の斜視図である。
この発明の実施形態を、図1〜図3を参照して、以下に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る成形容器用積層体の層構造を示したものである。図示の積層体(10)は、金属箔層(11)と、金属箔層(11)の両面のうち容器(2)の外側となる面に積層されている外側樹脂フィルム層(12)とを備えている。また、この実施形態の積層体(10)は、金属箔層(11)の両面のうち容器(2)の内側となる面に積層されている内側樹脂層(13)を備えている。
金属箔層(11)を構成する金属箔としては、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス鋼箔、銅箔などを使用することができるが、好適にはアルミニウム箔が用いられる。アルミニウム箔の場合、純アルミニウム箔、アルミニウム合金箔のいずれでもよく、また、軟質、硬質のいずれでもよいが、例えば、鉄の含有量が0.3〜1.5質量%であるJIS H4160で分類されるA8000系(特に、A8079HやA8021H)の焼鈍処理済の軟質材(O材)であれば、成形性に優れているので、好適に用いることができる。
金属箔層(11)の片面または両面には、必要に応じて、化成処理などの下地処理を行う。具体的には、例えば、脱脂処理を行った金属箔の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)〜3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施して、皮膜を形成する。
上記化成処理により金属箔層(11)表面に形成される皮膜は、クロム付着量(片面当たり)を0.1mg/m〜50mg/mとするのが好ましく、特に、2mg/m〜20mg/mとするのが好ましい。
金属箔層(11)の厚みは、30〜200μmとするのが好ましく、50〜150μmとするのがより好ましい。上記範囲とすることによって、充分なバリア性と成形加工性を得ることができる。
外側樹脂フィルム層(12)は、単層または複数層となされる(図1では、単層として示されている)。
成形容器(2)の外表面を構成する層、すなわち、単層の外側樹脂フィルム層(12)、または、複数層の外側樹脂フィルム層(12)のうち最外層のものは、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系エラストマーとを主成分とする樹脂組成物からなる。そして、上記の層によって構成される外側樹脂フィルム層(12)の外表面(12a)は、光沢度(グロス値)が0.5〜30%となされている。上記の樹脂組成物において、ポリオレフィン樹脂としては、ブロックポリプロピレン樹脂(PP−B)、ホモポリプロピレン樹脂(PP−H)、ランダムポリプロピレン樹脂(PP−R)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)等が挙げられる。また、オレフィン系エラストマーとしては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等が挙げられる。エチレン以外のモノマーについては、含有量が5〜40質量%で、融点が90℃未満となる。また、上記の層は、融点が135℃以上のポリオレフィン成分を含んでいてもよい。さらに、上記の層には、成形容器(2)の外表面の光沢度を調整するために、必要に応じて、有機、無機の微粒子充填剤を添加してもよい。
外側樹脂フィルム層(12)が複数層である場合、最外層以外の層は、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、MXDナイロン等のポリアミド樹脂(PA)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル樹脂(PEs)等よりなる。
外側樹脂フィルム層(12)の厚みは、5〜100μmとするのが好ましく、15〜80μmがより好ましい。
外側樹脂フィルム層(12)には、適度な深さの成形容器(2)を得るために、滑剤を添加してもよい。また、滑剤の添加に代えて若しくはそれに加えて、成形時に積層体(10)の表面にシリコーンオイル、菜種油等の潤滑オイルを塗布してもよい。
金属箔層(11)と外側樹脂フィルム層(12)との積層は、接着剤層(14)を介して、ドライラミネート法により行われる。接着剤層(14)には、例えば、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤やポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤が用いられる。
外側樹脂フィルム層(12)の内表面には、グラビア印刷等によって、印刷層(15)が全面的または部分的に形成されている。この印刷層(15)により、成形容器(2)の外表面に、所定の表示または装飾が表れる。印刷層(15)は、特に限定されないが、マット調の外表面(12a)を強調して高級感を持たせる意味では、地色を黒等の濃色とするのが好ましい。
なお、印刷層(15)に代えて、外側樹脂フィルム層(12)に顔料等の着色成分を添加してもよい。
内側樹脂層(13)は、容器(2)の内面(フランジ部(23)の上面を含む)を構成するものであって、例えば、熱融着性を有するポリプロピレン樹脂(PP)フィルムやポリエチレン樹脂(PE)フィルム等の汎用性フィルム、または、これらを貼り合わせた複合シートによって構成される。
内側樹脂層(13)を構成するフィルムまたは複合シートの厚みは、100〜500μmとするのが好ましく、200〜400μmがより好ましい。
金属箔層(11)と内側樹脂層(13)を構成するフィルムまたは複合シートとの積層は、接着剤層(16)を介してドライラミネート法により行われる。接着剤層(16)には、例えば、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤やポリエーテル−ポリウレタン樹脂系接着剤が用いられる。
また、内側樹脂層(13)は、上記フィルムまたは複合シートに代えて、エポキシ樹脂やシェラック樹脂等のコート層により形成されていてもよい。
図2は、食品等の内容物を、上記積層体から成形された成形容器と蓋とを用いて密封包装してなる包装体の製造方法を工程順に示したものである。
まず、上記の積層体(10)を所定の形状・寸法にカットして、これをカップ状に成形する。積層体(10)の成形は、深絞り成形や張出し成形等の冷間成形により行われる。こうして、図2(a)に示すような成形容器(2)が得られる。
成形容器(2)は、底壁(21)と、底壁(21)の周縁から立ち上がった周壁(22)と、周壁(22)の上端縁から径方向外方にのびた水平環状のフランジ(23)とを備えている。
ここで、成形後の成形容器(2)の外表面には、その一部、特に、底壁(21)と周壁(22)との境界のコーナー部分が白濁し、金属箔層(11)の表面色や印刷層(15)の表示が隠れて見えなくなっていることがある。これは、積層体(10)を成形することにより、単層の外側樹脂フィルム層(12)、または複数層の外側樹脂フィルム層(12)のうち最外層のものにおいて、ポリオレフィン樹脂のマトリックスとオレフィン系エラストマーとの界面にボイド(空隙)が生成し、そのため、樹脂部分とボイドとの屈折率の差によって、成形容器(2)の外表面のうち成形による変形の度合いが大きいコーナー部分が白濁して見えるものと考えられる。
次いで、図2(b)に示すように、成形容器(2)に食品等の内容物(C)を充填した後、成形容器(2)のフランジ(23)の上面に、蓋(3)の下面の周縁部を熱融着する。
ここで、蓋(3)は、例えば、アルミニウム箔等よりなる金属箔層と、ポリプロピレン樹脂(PP)フィルムやポリエチレン樹脂(PE)フィルム等よりなりかつ金属箔層の下面に積層されている熱融着性樹脂フィルム層と、ポリエステル樹脂(PS)フィルムやポリアミド樹脂(PA)フィルム等よりなりかつ金属箔層の上面に積層されている外側樹脂フィルム層とを備えたものとすることができる。また、蓋(3)には、その外周縁の一部に、成形容器(2)のフランジ(23)よりも外方に突出するように、開封用タブ(31)が一体に形成されている(図3参照)。
成形容器(2)のフランジ(23)に蓋(3)を熱融着する手段は、特に限定されないが、例えばフランジ(23)の上面に蓋(3)の下面周縁部を重ね合わせ、これら重合部分を、所定温度(例えば180℃程度)に加熱された熱板によって、所定圧力を加えながら所定時間加熱することにより行われる。
次いで、上記工程で得られた包装体(4)を、レトルト殺菌装置(5)内に導入し、レトルト殺菌処理を行う。このレトルト殺菌処理工程は、成形容器(2)の外表面の一部に生じた白濁を消失させるための加熱処理工程を兼ねている。
この工程における包装体(4)の加熱温度は、積層体(10)の単層の外側樹脂フィルム層(12)、または複数層の外側樹脂フィルム層(12)のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度とする。より好ましくは、加熱温度は、前記樹脂の軟化点以上かつ融解点未満の温度とする。加熱温度を前記樹脂の軟化点以上の温度とすることで、成形による積層体(10)のひずみが緩和されて、ボイドが埋まりやすくなる。また、加熱温度を前記樹脂の融解点未満の温度とすることで、加熱後も成形容器(2)の形状を保つことができる。具体的には、約80℃以上、好ましくは約100〜180℃となされる。加熱時間は、5分〜3時間程度となされる。
なお、加熱処理工程は、レトルト殺菌処理によるもの以外でも勿論よく、例えば、オーブンによる加熱処理や、温水への浸漬処理等によっても行うことができる。レトルト殺菌処理以外の加熱処理の場合、包装体(4)となされる前の工程において、成形容器(2)のみを加熱処理するようにしてもよい。
図3は、レトルト殺菌処理後の包装体(4)を示すものである。成形容器(4)の外表面のうちコーナー部分等に生じていた白濁は消失している。これは、レトルト殺菌処理により成形容器(2)が十分に加熱されることによって、成形による積層体(10)のひずみが緩和され、ボイドが埋まったからであると考えられる。
こうして、包装体(4)は、全体の外観が良好なマット調の外表面を有する成形容器(2)を備えたものとなされ、需要者に対して高級感をもたらしうるものである。
次に、この発明の実施例について説明する。但し、この発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
金属箔層として、JIS H4160で分類されたA8021H−Oよりなり、両面にポリアクリル酸、三価クロム化合物、水およびアルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って、クロム付着量が10mg/mとなるように化成処理を施した厚さ120μmのアルミニウム箔を用意した。外側樹脂フィルム層として、厚さ50μmの単層の無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)を用意し、その片面の全体に、グラビア印刷機を用いて、黒色インキ(DICグラフィックス社製、品名:パナシアCVL−SP特墨805)による無地の印刷層を形成した。また、内側樹脂層として、厚さ300μmの高密度ポリエチレン樹脂フィルム(HDPE)とポリプロピレン樹脂フィルム(PP)の複合シート(層比:50μm/250μm)を用意した。
上記無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)には、樹脂組成物としてブロックポリプロピレン樹脂(PP−B)にエチレン−ブテン−1共重合体ラバーを10質量%添加したものを使用した(軟化点=97℃)。
そして、アルミニウム箔の片面に、無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)を、印刷層が内側となるように、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートするとともに、アルミニウム箔の他面に、前記複合シートを、ポリプロピレン樹脂フィルム側が内側となるように、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートし、40℃の環境下で5日間養生することにより、成形容器用積層体を作製した。
次に、上記の成形容器用積層体を所定形状にカットしてなるブランクの両面に微量のシロキサンを塗布しておいてから、雄型および雌型からなる金型を用いて深絞り加工することにより、フランジを有する丸型カップ状の容器(底径52mmφ、開口径65mmφ、高さ30mm、フランジ幅8mm)を作製した。
一方、JIS H4160で分類されたA1N30H-Oよりなる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に、外側樹脂層として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルムを、二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートするとともに、アルミニウム箔の他面に、熱融着性樹脂層として厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルムを二液硬化型のポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートし、40℃の環境下で5日間養生することにより、蓋用積層体を作製した。
得られた積層体をフランジに合わせて所要の形状およびサイズにカットすることにより、開封用タブ付きの蓋を作製した。
上記の容器に70mlの水を入れてから、容器のフランジ上面に、上記蓋を直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルム面が接するように重ね、これらの重合面に、200℃に加熱したドーナツ状の熱板(外径90mmφ、内径74mmφ)を、150kgfの加圧力で3秒間押し当てることにより、ヒートシール(熱融着)を行った。
こうして、実施例1の包装体を得た。
<比較例1>
成形容器用積層体の外側樹脂フィルム層として、ランダムポリプロピレン樹脂(PP−R)フィルム、ブロックポリプロピレン樹脂(PP−B)フィルム、およびランダムポリプロピレン樹脂(PP−R)フィルムをこの順番で積層してなる厚さ30μmの3層構造の無延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(CPP)を使用し、その他は、実施例1と同じ要領で包装体を作製し、これを比較例1とした。
実施例1および比較例1の包装体について、容器の外表面の光沢度を光沢度測定器(BYKガードナー社製 マイクロトリグロスS)により測定したところ、実施例1では6%、比較例1では100%であった。
また、実施例1および比較例1の包装体の成形容器の外観を目視で観察した。実施例1では、成形容器の外表面のうち底壁と周壁との境界のコーナー部分に強い白化が見られた。一方、比較例1では、成形容器の外表面に白化は見られなかった。
次に、実施例1の包装体を、恒温恒湿オーブン(エスペック株式会社製 PL−1J型)により、加熱温度100℃で60分間加熱処理した後、オーブンから取り出して成形容器の外表面を目視で観察したところ、コーナー部分の白化は、幾分残っていたが、大部分は消失した。
また、実施例1の包装体を、レトルト殺菌処理装置(日阪製作所製 RCS−40RTGN)により、加熱温度120℃で30分間加熱処理した後、同装置から取り出して成形容器の外表面を目視で観察したところ、コーナー部分の白化は完全に消失した。
この発明は、食品等を密封包装するためのものであって外観が良好なマット調の外表面を有する成形容器について、好適に使用することができる。
(2):成形容器
(23):フランジ
(3):蓋
(4):包装体
(5):レトルト殺菌処理装置
(10):成形容器用積層体
(11):金属箔層
(12):外側樹脂フィルム層
(12a):外側樹脂フィルム層の外表面
(15):印刷層
(C):内容物

Claims (7)

  1. 金属箔層と、金属箔層の両面のうち容器の外側となる面に積層されている単層または複数層の外側樹脂フィルム層とを備えている成形容器用積層体であって、
    単層の外側樹脂フィルム層、または、複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層のものが、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系エラストマーとを主成分とする樹脂組成物からなり、
    外側樹脂フィルム層の外表面の光沢度が0.5〜30%である、成形容器用積層体。
  2. 金属箔層と外側樹脂フィルム層との間に印刷層が全面的もしくは部分的に形成されるか、または、外側樹脂フィルム層に着色成分が添加されることによって、外側樹脂フィルム層の外表面に所定の表示または装飾が表れている、請求項1記載の成形容器用積層体。
  3. 請求項1または2記載の成形容器用積層体をカップ状に成形してなり、開口周縁にフランジを有している、成形容器。
  4. 内容物が充填された請求項3の成形容器のフランジに、成形容器の開口を覆うように蓋が接合されてなる、包装体。
  5. 請求項3記載の成形容器を製造する方法であって、
    請求項1または2記載の成形容器用積層体をカップ状に成形する工程と、
    前記工程によって得られた成形容器を、単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理する工程とを含んでいる、成形容器の製造方法。
  6. 請求項4記載の包装体を製造する方法であって、
    内容物が充填された請求項3記載の成形容器のフランジに、成形容器の開口を覆うように蓋を接合する工程と、
    前記工程によって得られた包装体を、単層の外側樹脂フィルム層または複数層の外側樹脂フィルム層のうち最外層の樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理する工程とを含んでいる、包装体の製造方法。
  7. 包装体を加熱処理する工程を、レトルト殺菌処理によって行う、請求項6記載の包装体の製造方法。
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