JP2002170284A - 光情報担体及びその製造方法 - Google Patents

光情報担体及びその製造方法

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JP2002170284A
JP2002170284A JP2000360278A JP2000360278A JP2002170284A JP 2002170284 A JP2002170284 A JP 2002170284A JP 2000360278 A JP2000360278 A JP 2000360278A JP 2000360278 A JP2000360278 A JP 2000360278A JP 2002170284 A JP2002170284 A JP 2002170284A
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sheet
light
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Takeo Kojima
竹夫 小島
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報信号の転写に優れた特性を有する光硬化
性シート有する光情報担体を提供する。 【解決手段】 情報信号4a,4bが転写された光硬化
性シート5を有する光情報担体において、前記光硬化性
シートは、ニッケル板に幅が20mmの光硬化性シート
を貼って紫外線照射を行った後、引っ張り速度が300
mm/分の条件での180°ピール試験値が800g以
下となるような光硬化性シートとする。これにより、情
報信号の転写に優れた特性を有する光硬化性シート有す
る光情報担体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクや光カ
ードのような光情報担体に係わり、特に、光ディスク用
の情報信号を転写する時の光硬化性シートを用いた光情
報担体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CD(コンパクト・ディスク)やDVD
(ディジタル・バーサタイル・ディスク)に代表される
光ディスクは目覚しい勢いで家庭に浸透している。ま
た、最近ではCDやDVDと同サイズのディスクに20
GB以上の容量を持たせたい要求が高まってきており、
開発は記録密度の高密度化へと進んでいる。記録密度の
高密度化は、レーザ光の波長を短くすることや光学ピッ
クアップの記録・再生時の光を照射するための対物レン
ズの開口数(以下、NAとも記す)を大きくして記録・
再生光のスポット径を小さくすることで可能である。こ
の対物レンズのNAを大きくすると、再生光が照射され
てこれが通過する光ディスクの入射面側の基板の厚みを
薄くする必要がある。これは、光学ピックアップの光軸
に対してディスク面が垂直からずれる角度(チルト角)
の許容量が小さくなるためであり、このチルト角により
光学収差が生じ、再生信号品質の劣化を招くためであ
る。従って、基板の厚さを薄くしてチルト角に対する信
号品質劣化の量を可能な限り小さくするようにしてい
る。また、ディスクの入射面層の厚みむらも同様の理由
で小さくする必要がある。例えばレーザ波長が780n
m、NAが0.45のCDの入射面側の厚みは約1.2
mmm、厚みむらは200μm以下であるのに対して、
レーザ波長が650nm、NAが0.6で記録容量がC
Dの6〜8倍であるDVDは厚みが約0.6mm、厚み
むらが60μm以下である。また、一例として400n
m付近の波長でNAが0.7以上の組み合わせによる2
0GB程度の次世代型高密度光ディスクになると入射面
側の厚みは約0.1mm、厚みむらは6μm以下と小さ
な値にする必要がある。
【0003】一方、これらの光ディスクはその用途によ
り再生専用型や追記型、書き換え可能型などがある。そ
して、従来のCDやDVDの光ディスクの製造方法は一
般に知られている射出成形法で行われている。この射出
成形法とはピット状または溝状の情報信号の母型である
スタンパーを射出成形機の金型に付け、溶融した樹脂を
この金型のキャビティー内に入れた後に冷却して樹脂を
固化させることにより情報信号を転写し、光ディスク用
基板を得る方法である。その後、この基板の情報信号面
上に目的により反射膜や記録膜をスパッタ等により成膜
し、更にその上に保護膜やレーベル印刷を行って光ディ
スクとする。
【0004】ところで、入射面層が約0.1mm厚の高
密度光ディスクの場合、射出成形法でこの基板の情報信
号を形成するのは厚みが薄いため困難である。そこで、
従来からも研究開発の手段に使われてきた2P法や光硬
化性シート法などを用いた情報信号形成法を通常の生産
用として各社が採用するようになってきた。この方法の
概要を説明すると、上記2P法はスタンパー上に液状の
光硬化性樹脂を塗布し、その上に光透過性基板を載せて
上記光硬化性樹脂を延伸させた後、光透過性基板上から
光を照射することによりこの光硬化性樹脂を固化し、そ
して、スタンパーと光硬化性樹脂との間を剥がすことに
より光透過性基板上に情報信号を得る方法である。ま
た、上記光硬化性シート法は、常温でシート状をしてお
り、同様に光を照射することにより完全硬化するシート
を用いる方法であり、スタンパー上に上記光硬化性シー
トを貼り更にその上に光透過性基板を貼った状態で加圧
することで情報信号を光硬化性シートに転写し、その後
透過性基板側から光を照射することにより光硬化性シー
トを完全固化し、スタンパーと光硬化性シートとの間を
剥がすことで情報信号を得る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した情
報信号の転写方法の内、量産に適しているのは後述する
ように光硬化性シートを用いた方法である。また、この
光硬化性シートを用いた情報信号の転写方法については
種々開示されている。しかしながら、例えば特開平7−
334866号公報に開示されている方法では、厚みむ
らや光線透過率等の性質に対しては次世代高密度光ディ
スクに対して、またスタンパーとの離型性に対しては、
それぞれ従来品を含めて十分に対応が取れていないこと
が分かった。また、この公報の技術では、未硬化シート
の粘度は3500〜400000ポイズが最適であると
されているが、光硬化性シートを使っての貼り合せ作業
ではシートを傾けて使用することから、粘度が3500
ポイズでは僅かな時間に光硬化性シートの粘着剤が移動
して厚みむらになる欠点を有していた。一方、粘度が4
00000ポイズでは信号を転写するのに大きな圧力が
必要であり、そのため大掛かりな設備が必要となるばか
りか、高密度化により情報信号の凹凸も小さくなり、こ
のような高粘度では良好な転写も得られにくくなるとい
う欠点を有している。更に、次世代高密度光ディスクの
記録再生用として使うレーザの波長は400nm付近で
あるが、光硬化性シートの光線透過率も400nm付近
で急激に低下する特徴を持っており、この光線透過率の
低下も欠点の1つであった。更にまた、母型である情報
信号を形成したスタンパーに光硬化性シートを貼りその
上に光透過性基板を貼った後、これに光を照射してシー
トを固化しスタンパーと光硬化性シートとの間を剥がす
ことにより情報信号を転写するが、この光硬化性シート
の種類によっては剥れない時や剥れてもシート表面にひ
び割れが起き、情報信号もひび割れにより破壊や変形等
の転写不良が発生する場合がある、という欠点があっ
た。
【0006】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は、情報信号の転写に優れた特性を有する光硬化性シ
ート有する光情報担体及びその製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
情報信号が転写された光硬化性シートを有する光情報担
体において、前記光硬化性シートは、ニッケル板に幅が
20mmの光硬化性シートを貼って紫外線照射を行った
後、引っ張り速度が300mm/分の条件での180°
ピール試験値が800g以下となるような光硬化性シー
トであることを特徴とする光情報担体である。このよう
な光硬化性シートを用いることにより、スタンパーから
情報信号を迅速に且つ安定的に転写することが可能にな
り、光情報担体の量産性を向上させることが可能とな
る。請求項2に係る発明は、光硬化性シートと光透過性
基材とが一体となったシート部材の光硬化性シート面に
情報信号が形成されており、その情報信号面上には反射
膜が成膜されており、この反射膜と光情報担体用基板が
接着剤により貼り合わされて成り、前記情報信号を再生
する時の再生光の入射面は前記光透過性基材側から行う
ようにしたことを特徴とする光情報担体である。
【0008】請求項3に係る発明は、光硬化性シートと
光透過性基材とが一体となったシート部材の光硬化性シ
ート面に第1の情報信号が形成されており、その第1の
情報信号面上には半透明膜が成膜されており、第2の情
報信号が形成された光情報担体用基板の第2の情報信号
面に反射膜が成膜されており、前記第1及び第2の情報
信号面同士を対向させて光透過性接着剤により貼り合わ
されて成り、前記第1及び第2の情報信号を再生する時
の再生光の入射面は前記光透過性基材側から行うように
したことを特徴とする光情報担体である。請求項4に係
る発明は、情報信号が形成された光硬化性シートの情報
信号面には反射膜が成膜されており、その反対面には光
透過性シートが貼られており、前記光硬化性シートと前
記光透過性シートの厚みの和は光情報担体用基板より薄
くなされており、前記反射膜と前記光情報担体用基板が
接着剤により貼り合わされて成り、前記情報信号を再生
する時の再生光の入射面は前記光透過性シート側から行
うようにしたことを特徴とする光情報担体である。
【0009】請求項5に係る発明は、第1の情報信号が
形成された光硬化性シートの情報信号面には半透明膜が
成膜されており、その反対面には光透過性シートが貼ら
れており、前記光硬化性シートと前記光透過性シートの
厚みの和は第2の情報信号を形成した光情報担体用基板
より薄くなされており、その第2の情報信号面に反射膜
が成膜されており、前記第1及び第2の情報信号面同士
を対向させて光透過性接着剤により貼り合わされて成
り、前記第1及び第2の情報信号を再生する時の再生光
の入射面は前記光透過性シート側から行うようにしたこ
とを特徴とする光情報担体である。請求項6に係る発明
は、上述した光硬化性シートを有する光情報担体の製造
方法であって、光硬化性シートを情報信号の形成された
スタンパーにローラ加圧して前記情報信号を転写するこ
とにより前記情報信号の形成された光硬化シートを形成
する工程を含むことを特徴とする光情報担体の製造方法
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光情報担体
及びその製造方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述
する。本実施例では、光情報担体として光ディスクを例
にとって説明する。まず、本発明では、光情報担体に用
いる光硬化性シートとしては、スタンパーからの情報信
号の転写を迅速に且つ確実に行うために、次のような特
性を有する光硬化性シートを用いる。すなわち、このよ
うな光硬化性シートは、ニッケル板に幅が20mmの光
硬化性シートを貼って紫外線照射を行った後、引っ張り
速度が300mm/分の条件での180°ピール試験値
が800g以下となるような光硬化性シートである。
【0011】まず、この種の光硬化性シートは、粘度が
高く常温では半固形状をしたシートであって一見固形物
のように見えるが、低加圧で変形し、紫外線や電子線等
の光を当てることにより完全硬化する。シート状になっ
ているため液体の光硬化性樹脂より取り扱い易い。ま
た、2P法による情報信号の形成は高転写性が得られる
等のディスクの開発段階でのメリットがある一方、気泡
や異物の挟み込みによる空気層が発生し易く、酸素忌避
性により空気層の周りの液体の光硬化性樹脂は未硬化や
半硬化状態となり易く、全面に渡って完全な転写を得る
のは難しい。それに比べ図1に示すように保護シート1
2が接合されている光硬化性シート5をカールした状態
でスタンパー3の外周端から徐々に内周に向かってゴム
ローラ11等で押し当てることにより気泡の混入を防ぐ
ことができる。また、ゴムローラ11で押し当てた後、
減圧雰囲気中や加熱雰囲気中でスタンパー3と光硬化性
シート5を加圧することにより、例え僅かな気泡が混入
した場合でも完全に脱気することが可能であり、液体の
光硬化性樹脂を用いた転写より量産に適している。
【0012】スタンパー3と光硬化性シート5を貼り合
せる方法は上記以外に図2に示す方法がある。詳述する
と、スタンパー3の情報信号4が形成されている情報信
号面の上部に一定の張力で張られている光硬化性シート
5を設置し(図2(a)参照)、スタンパー3の外周端
より上記光硬化性シート5を接合しつつゴムローラ11
で押し当てる。押し当てられた側の光硬化性シート5
(A側)はスタンパー3の情報信号面のレベルと同等か
それより低くし、これから押し当てられる側の光硬化性
シート5(B側)はそのレベルより高くしておくことに
より気泡の混入を防ぐことができる(図2(b)参
照)。また、図3に示すように一部に球面形状を有する
大き目のゴムパッド18を用いてスタンパー3の中心か
ら外に向かって徐々に押し当てることにより気泡の混入
を防ぐことができる。更には図4に示すようにスタンパ
ー3を斜めにした状態でスタンパー3の外周端を光硬化
性シート5に押し当て、両者の接触面積が広くなるに従
ってスタンパー3を徐々に図中、水平になるようにして
接合すれば、両者間への気泡の混入を防ぐことができ
る。これら図1〜図4に示した方法を実行する時にエア
ーや窒素をスタンパー3の面や光硬化性シート5の面に
吹きかけながら行うようにすれば、塵等の異物を挟み込
むことも少なくなる。更に、イオナイザー等の除電も併
せて行えば、異物挟み込み防止の効果を更に上げること
ができる。また、この時のスタンパー3はマグネットク
ランプや減圧吸着による方法で平坦に保持する。
【0013】光硬化性シート5の形態としては、シート
単体で構成している場合や、基材の片面もしくは両面に
保護シートとが一体に接合したタイプがある。通常は光
硬化性シートが単体であれば両面に、基材が片面に付い
ていれば反対面、それぞれポリエチレンやポリプロピレ
ン等でできた保護シート12(厚み10μm〜100μm
程度)が形成されており、使用時にこの保護シート12
を剥がして使う。また、光を照射することにより粘着性
や接着性が増加するタイプや、逆に減少するタイプのも
のもある。用途は、合せガラス用の中間膜や電子材料部
品、太陽電池用封止膜、ウェハ用のダイシングテープな
どが一般に知られている。このような光硬化性シート全
てが高密度成形用として使えるわけではない。その理由
を述べると光硬化性シートは片面或いは両面に情報信号
を形成し、記録・再生光が通るため機械特性や光学特性
が要求されるためである。
【0014】以下具体的に述べると、その1つが粘度で
ある。先に示した公報では、光硬化性シートの粘度は、
3500〜400000ポイズとされているが、粘度が
3500ポイズでは厚みむらが大きくなり、特に、次世
代の高密度光ディスクで要求される数値、例えば6μm
以下に歩留まり良く入れるのは困難である。また、次世
代高密度光ディスク(一例ではピット幅0.2μm、深
さ30nm、ピット長さ0.2μm、トラックピッチ
0.4μm)では、CD(ピット幅0.8μm、深さ1
20nm、ピット長さ1μm、トラックピッチ1.6μ
m)やDVD(ピット幅0.4μm、深さ100nm、
ピット長さ0.4μm、トラックピッチ0.74μm)
の情報信号に比べ、それぞれの仕様が更に小さくなって
いる。例えばCDと高密度光ディスクの転写時間を同じ
にした時の転写に必要な圧力を比べた場合、粘性体なの
で密度は2乗で影響し、深さは比例するので密度は16
倍、深さは1/3倍になり、CD信号を転写するのに要
していた圧力の13倍の圧力が必要になる。よって、粘
度400000ポイズの光硬化性シートを用いて高密度
の情報信号を転写するには大きな圧力が必要であり、大
掛かりな設備が必要である。従って、粘性の低い光硬化
性シートを用いて粘性係数を下げることで転写時の圧力
を下げる対策が必要であり、後述する実験結果から次世
代の高密度光ディスクの厚みむらや転写性を考慮した場
合の光硬化性シートの粘度は、好ましくは5000〜1
00000ポイズであり、更に好ましくは8000〜5
0000ポイズであることが分かった。
【0015】また、特性の1つに光線透過率が上げられ
る。光ディスクはレーザ光を情報信号面に当て、その戻
り光(反射光)の情報を読み取る方式である。よって、
その戻り光が弱いと記録再生が不安定になる。また、有
機色素や相変化媒体を使った光ディスクや光磁気ディス
クのような記録型光ディスクの場合は、記録時に大きな
レーザパワーが必要であるが、光線透過率が下がるよう
な入射面層素材を用いると記録パワーが減少して記録が
できない場合も起こりうる。一般的に、光ディスクに求
められる光線透過率は、一例では70%以上と言われて
おり、好ましくは80%以上と言われている。また、C
DやDVDに使われているレーザ波長は600nm以上
のものであったが次世代の高密度光ディスクでは波長4
00nm付近のレーザを使用する。一方、光硬化性シー
トの多くは波長400nm付近で急激に光線透過率が下
がる。例えば波長が400nm、NAが0.7以上、入
射面層の厚みが0.1mmの次世代型の高密度光ディス
クシステムの場合、入射面層を光硬化性シート単体で構
成すると、光線透過率の低下が考えられる。この光線透
過率は厚みと一定の関係にあり、例えば100μm厚で
光線透過率が50%の物は、厚みが50μmになれば光
線透過率は約71%になり、厚みが30μmになれば光
線透過率は約81%になり、このように厚みが薄くなる
に従って光線透過率は高くなることから、次世代の高密
度光ディスクの入射面層の構成は光硬化性シートと光透
過性シートとを組合せることにより高光線透過率の入射
面層が得られる。即ち光硬化性シートの片面に情報信号
を転写し、その反対面には光透過性シートを貼り合せた
構成で入射面層は光透過性シート側から行う。貼り合せ
には光硬化性シートの持つ粘着性や接着性を利用しても
良いし、接着力が弱い場合には光硬性接着剤のような透
過型接着剤で貼り合せても良い。
【0016】また、次世代の高密度光ディスクはレンズ
のNAが大きくなったことによる収差の影響が大になる
ため、入射面層の厚みむらを小さくする必要が有り、一
例としては6μm以下と言われている。この値は上述し
た光硬化性シートに光透過性シートを貼り合せて構成し
た入射面層でも可能であるが、更に好適なのは光透過性
基材と一体になった光硬化性シートを入射面層として用
いることにより厚みむらを更に小さくできる。これは光
硬化性シートと光透過性基材が一緒になった状態で平行
なロール間を強制的に通すことにより、厚みむらの少な
い一体型のシート部材になるようにして作製しているた
めである。光透過性シートや光透過性基材として好適な
のは、ポリカーボネートシート、アクリルシート、塩化
ビニールシート、非晶質ポリオレフィン系シート等が上
げられる。
【0017】光硬化性シートと光透過性シートとの組合
せでも、一体型の光硬化性シートと光透過性基材との組
み合わせでも、光硬化性シートの厚みは再生光の400
nmの波長に対する光線透過率を考慮すると、好ましく
は50μm以下であり、更に好ましくは30μm以下で
ある。尚、下限の数値は光硬化性シート単体であれば強
度的にシートが構成される最小厚みの10μm程度であ
り、光透過性基材と一体とした時は良好な転写ができる
最小厚みになり、例えばCDの情報信号の深さは120
nm程度であるが、その5〜10倍の厚みであれば良好
な転写ができることからすると、一体型の光硬化性シー
トは最小1μm程度基材に付いていれば良い。また図5
に示すように、光透過性基材13の光硬化性シート5が
付く面の表面粗れが、例えば最大表面荒さ(Ra)が1
μmもあるような大きな場合でも、これらが一緒にロー
ル間を通ることにより光硬化性シートが光透過性基材の
粗れの細部まで入り込むために気泡等の発生はなく、表
面粗れによる透過光の減少も無くすことができる。また
この場合でも図5中の光硬化性シート5の厚さHが転写
する情報信号の深さの5〜10倍の厚みであれば良好な
転写ができる。更に、別に考慮しなくてはならない要件
として、光硬化性シート5と光透過性基材13との再生
波長における光の屈折収差がある。光透過性基材13と
光硬化性シート5の屈折率差が大きいとその境界での反
射量が大きくなり、透過光の減少だけでなくノイズが増
大する等の悪影響が発生する。そこで、この光透過性基
材13と光硬化性シート5の屈折率差は0.3以下とな
るように設定する。これによれば、波長400nmのレ
ーザを用いた高密度光ディスクに於いても記録再生上の
悪影響が発生しないことが実験的に証明されている。
【0018】次に粘着力や接着力について述べる。例え
ば図1に示すように情報信号の母型であるスタンパー3
の情報信号面上に保護シート12の付いた光硬化性シー
ト5をゴムローラ11で加圧して情報信号を転写しなが
ら貼り合せた後、保護シート12を取り去り、その代わ
りにCDやDVDを製造する時は光透過性基板を載せ、
次世代型の高密度光ディスクを製造する時は光透過性シ
ート等を載せ、更に圧力を加えてから光を照射すること
により光硬化性シートを完全固化すると共に情報信号を
固め、その後、光硬化性シート5をスタンパー3より剥
がす。尚、シート5を剥がす方法は、光透過性基板の時
は基板を反らすようにしながら基板外周部より剥がし、
次世代型の高密度光ディスクの時は、同様に外周端より
光透過性シートに折れ目が入らないようにしながら剥が
す。更に、スタンパー3を固定しているテーブル等に離
型を促進するためのエアーや窒素等の気体を吹き出させ
るような構造にして剥離時にスタンパーと光硬化性シー
トとの間に気体を吹き込んで剥がすようにしてもよい。
この時、両者間の粘着力や接着力が強いと、剥がす時に
光硬化性シート5がスタンパー3から剥れなかったり、
光硬化性シート5の表面にひび割れが入って情報信号も
ひび割れにより破壊や変形等の転写不良が発生する場合
もある。このように、高密度光ディスクの場合は、光透
過性シートが薄いのでこれが伸びて信号列の真円からの
ズレが大きくなり、シートそのものが切れたりすること
から、この粘着性や接着性は光硬化性シートを情報信号
転写用に使う時の重要なポイントになる。
【0019】光硬化性シートは上述したようにその目的
により紫外線や電子線等の光を当てることにより粘着性
や接着性を増加させるタイプもあれば変化しないタイ
プ、更には粘着性や接着性を減少するタイプ等がある。
この粘着力(接着力)と情報信号のひび割れ等の転写不
良の関係を調べたテストでは、粘着力が800g以下の
場合にはひび割れが発生しないで良好な転写を行えるこ
とが分かった。この測定方法は粘着テープ・粘着シート
試験方法を定義しているJIS Z0237の中で粘着
試験方法のうち各社が採用している一般的な粘着試験方
法である180°ピール試験方法を参考に行った。
【0020】この試験方法を具体的に述べると、スタン
パーと同じ材質のニッケル板に幅20mmの光硬化性シ
ートを貼ってゴムローラで加圧し、これに紫外線照射を
行った後、光硬化性シートを180°で折り返し、引っ
張り速度300mm/分の時の引き剥がし力を粘着力
(接着力)とした。粘着力のコントロールに関しては、
例えば光硬化性シート作製時に離型材を配合したり、ス
タンパーの情報信号面上に離型処理を行うことによりス
タンパーと光硬化性シートの粘着力や接着力を下げるこ
とが可能である。また、ウェハのダイシングテープのよ
うに光を照射することにより粘着力や接着力を下げるよ
うな構造にした光硬化性シートを用いることにより可能
である。このように、光を照射することにより粘着力が
下がるようにした光硬化性シートは、光照射により三次
元網状化し得る分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を
少なくとも2個以上有する低分子量化合物からなる粘着
剤をベースにしている。尚、引き剥がし力試験の条件は
一例であり例えば被着体(スタンパー)に対し直角に剥
がす方法もあるし、引っ張り速度もJISに規定された
速度で行ったものを一例して挙げただけであり、これに
限定したものではなく、あくまでも光を照射して光硬化
性シートを固化した後、スタンパーから剥がした光硬化
性シート表面のひび割れによる情報信号の破壊や変形の
有無と光硬化性シートの照射後の粘着力や接着力の関係
を表現するための一方法である。
【0021】更に、次世代型の高密度光ディスクの形態
について述べる。従来の技術でも説明しているように、
次世代型の高密度光ディスクの入射面層は約0.1mm
なので、これを従来の射出成形法で形成するのは困難で
ある。一方、高密度光ディスクの総厚を考えると、取り
扱い上からCDやDVDと同じ1.2mmが望ましい。
よって、次世代の高密度光ディスクの一形態としては例
えば入射面層の厚みが0.1mmの場合には基板は1.
1mmになる。即ち入射面層の厚みは基板より薄くな
る。尚、後述する実施例では再生専用型(ROM型)の
光ディスクについて述べているが、本発明はこれに限定
したものではなく、例えば案内溝やアドレスピット等の
情報信号上に記録層として有機色素を塗布し、その上に
冷却層としてアルミニウム膜等を設けた1度だけ記録が
可能な追記型光ディスクや、同様の情報信号上に透明材
料からなる下引き層、相変化膜を媒体とした記録層、透
明材料からなる上引き層、冷却層としてアルミニウム膜
等を設けて何度でも書き換え可能な相変化型光ディス
ク、または一度だけ書換可能な相変化型ディスク、更に
同様の情報信号上に磁気光学効果を有する記録磁性層を
設けて何度でも書き換え可能な光磁気型ディスク等の記
録層を1層のみ有する単層構成のみならず、中間層を得
て膜構成を対象型にした2層の記録層を有する2層構成
にした形態の光ディスクにも適用可能である。更に、本
発明は光ディスクに限定したものではなく、カード状を
した光カードや光ディスク等の外径を長方形状に加工し
た孔のあいたカード等にも適用可能である。
【0022】<実施例1>以下、本発明に係わる具体的
な実施例を図6、図7、図8及び表1を参照して詳述す
る。図6は一般的な180°ピール試験法を説明するた
めの概略図、図7は粘着力(接着力)の異なる各種の光
硬化性シ−トを用いてDVDの情報信号を転写する方法
を説明する為の概略図、図8は光硬化性シートにより情
報信号を形成したDVD型光ディスクの一形態を示す概
略図である。また、表1は各種の光硬化性シートの付着
力と光ディスクにした時の光硬化性シート表面の観察結
果(ひび割れ状態及び情報信号の破壊や変形状態)及び
再生結果を示す。初めに、光硬化性シートの付着力(粘
着力または接着力を以下付着力と記載)の測定方法とし
て、前述したように粘着シートなどの粘着力を測定する
時に使われる180°ピール試験法で行った。この方法
を図6を用いて詳述する。被着体1に一定幅の測定用シ
ート2を一定の加圧で貼り、貼り合せ方向に対して測定
シートを180°に折り返し、これを一定の速度で剥が
す時の引き剥がし力を粘着力とする方法である。この方
法はJIS Z0237に定義されており、被着体はS
US304(ステンレススチール)を使用することにな
っているが、本実施例ではより現実に近づけるためにス
タンパーと同じ材質であるニッケル板とした。また、加
圧力は光硬化性シートの粘度などで転写が異なるため、
それぞれ転写に適した圧力とした。具体的に述べると厚
みが0.3mmのニッケル板に幅が20mmにした光硬
化性シートをゴムローラで圧力を加えて貼り、これに紫
外線照射を行った後、引っ張り速度300mm/分で1
80°ピール試験を行い、その時の引き剥がし力を付着
力として測定した。尚、照射条件も光硬化性シートによ
り異なる為、それぞれ適した条件とした。上述した方法
でサンプルA〜Gの各種の光硬化性シートの付着力を測
定し、その結果を表1に示す。
【0023】また、表1に示す付着力の異なる光硬化性
シートを用いて母型であるスタンパーから情報信号を転
写した。その方法を図7を用いて詳述する。ここでは情
報信号にはDVD−ROM信号を用いた。スタンパー3
の情報信号4を有する情報信号面上に厚みが約50μmの
光硬化性シート5を、図1に示したようにスタンパー3
の外周端からゴムローラ11で加圧しながら貼り合せ
た。更に、保護シート12を取り取り去り、その上に外
径が120mm、内径が15mm、厚みが0.55mm
の光透過性基板(光情報担体用基板)6を貼り合せた。
その後、減圧雰囲気中や加熱雰囲気中で加圧し、スタン
パー3と光硬化性シート5との間及び光硬化性シート5
と光透過性基板6との間の脱気をそれぞれ完全に行っ
た。その後、光透過性基板6側から図示しない紫外線照
射を行った後、スタンパー3と光硬化性シート5との間
を剥がしてシート5に情報信号4を転写した。尚、光硬
化性シート5は基板6と同サイズに内外周を加工したも
のを使用したが、貼り合せた後にカットしても良い。
【0024】この光硬化性シート5の情報信号4の面に
アルミニウムの反射膜7をスパッタにより成膜し、外径
が120mm、厚みが約0.6mmのダミー板8に情報
信号4の面を内側にして接着剤9で貼り合せ、図8に示
すDVD型光ディスク20を得た。ここで、上記スパッ
タをする前の情報信号4を顕微鏡等で観察し、ひび割れ
による情報信号の破壊や変形等の表面状態を調べたの
で、その結果と付着力が異なる各種の光ディスクの再生
結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】この表1より明らかなように付着力が90
0g以上の場合にはサンプルE〜Gにて示すように、ひ
び割れが発生して情報信号の破壊や変形等が見られた。
また、再生結果も付着力が900g以上の場合には、ブ
ロックノイズが出る等の悪化が出始め、特に、1200
g以上の場合には、再生できなかった。これに対して、
付着力が800g以下の場合には、サンプルA〜Dに示
すように、ひび割れもなく、また、再生結果も良好であ
った。従って、付着力は800g以下に設定するのが好
ましいことが判明した。尚、情報信号4の転写は光硬化
性シート5を光透過性基板6に貼り合せてからスタンパ
ー3の情報信号4に貼り合せても良い。また、ダミー板
8はポリカーボネート樹脂を用いて射出成形により作製
したが、情報信号を成形する必要が無く、再生光も通す
必要が無いため強度的に同程度以上なら市販の塩化ビニ
ル樹脂、スチロール樹脂、アクリル樹脂などのプラスチ
ック板やガラス板、金属板等を使うようにしてもよい。
【0027】<実施例2>以下、実施例2〜実施例5を
用いて光硬化性シートを用いた次世代型の高密度光ディ
スクの形態を述べる。初めに第一の形態である本発明の
具体的実施例について図9、図10を参照して詳述す
る。図9は母型であるスタンパー上の情報信号を光硬化
性シートに転写する方法を説明するための概略図、図1
0は本発明の高密度光ディスクの2層構造の一形態を示
した概略図である。図9に示すシートの基本的構成は図
7に示す場合と同じである。まず、先に光ディスクの形
態を説明すると、この光ディスク21は、光硬化性シー
ト5と光透過性基材13が一体となったシート部材の光
硬化性シート5の面に第1の情報信号4aが形成されて
おり、その上面(図中においては下面)には半透明膜1
4が成膜されたシート部材と、第2の情報信号4bが形
成された基板15の情報信号4bの面上に反射膜7が成
膜されており、上記第1及び第2の情報信号面同士を対
向させて光透過性接着剤16により貼り合わされて成っ
ている。上記第1及び第2の2つの情報信号を再生する
時の入射面層は光透過性基材13側から行う。
【0028】以下この光ディスク21の製造方法につい
て詳述すると、まず、スタンパー3の第1の情報信号4
aの面上に、光硬化性シート5と光透過性基材13とが
一体となったシート部材を、その光硬化性シート5を下
にして図1に示すようにスタンパー3の外周端からゴム
ローラで加圧しながら貼り合せた。この場合、図1に示
す保護シート12の変わりに光透過性基材13を用いる
ことになるが、光透過性基材13を保護する目的で光透
過性基材13の上に保護シート12を粘着剤等により貼
り合せた3層(実際は保護シートが両面に付くので4層
構造になる)構造にしたシートであれば、入射面層とな
る光透過性基材13をゴムローラに直接当てないので汚
れや傷付き対策になるため更に良い。その後、減圧雰囲
気中や加熱雰囲気中で加圧し、スタンパー3と光硬化性
シート5との間の脱気を完全に行った。その後、図示し
ない紫外線照射を光透過性基材13側から行った後、ス
タンパー3と光硬化性シート5との間を剥がし、光硬化
性シート5上に第1の情報信号4aを転写した。尚、本
実施例に用いた一体となった光硬化性シート5と光透過
性基材13は、ダイシングテープ(リンテック社製)用
のものであり、光硬化性シート5の厚さは20μm、光
透過性基材13の厚さは80μmであり、波長が400
nm時の光線透過率は86%、付着力は20gの特徴を
持ったシートである。また、シートは信号転写後、後述
する射出成形基板と同じ大きさの内周が15mm、外周
が120mmにカットしたが、予めカットしたものを用
いても良い。更に、厚みむらは3μmであった。この光
硬化性シート5上の第1の情報信号4a面上に銀の半透
明膜14をスパッタにより成膜した。
【0029】また、別工程で射出成形法により第2の情
報信号4bを形成した基板15を作製する。これを詳述
すると、この基板15はシリンダー温度が380℃で溶
融した光ディスクグレードのポリカーボネート樹脂を第
2の情報信号4bの母型であるスタンパーが付いた金型
(金型設定温度115℃)内に入れ、冷却によりポリカ
ーボネート樹脂を固化し、外径が120mm、内径が1
5mm、厚みが1.1mmの第2の情報信号4b入りの
基板15を作製した。その後、この第2の情報信号4b
面上にスパッタによりアルミニウムの反射膜7を成膜し
た。このように形成された上記光硬化シート5の一体物
と基板15とを、それぞれの第1の情報信号4aと第2
の情報信号4bとを対向させて、その間に紫外線硬化型
の透過性接着剤16を介在させてスピン貼り合せ法で貼
り合せ、高密度2層型光ディスク21を得た。尚、この
時の中間層(接着剤の厚み)は30μmであった。ま
た、透過性接着剤16の変わりに透過性の粘着シート
(日東電工社製)を用いても良い。これは予め厚みむら
が少なくなるように作られているため、中間層の厚みむ
らを小さくできる効果がある。また、基板15の内径よ
り、光硬化性シート5と光透過性基材13とが一体とな
ったシート部材(一体物)の内径を大きくし、外径は基
板15より小さくすることで取り扱いによるシートの剥
れを防止できる効果がある。更に、基板15はポリカー
ボネート樹脂により作製したが基板15は光を通す必要
が無いため、情報信号4bの転写が良好で強度的に同程
度以上なら他の樹脂を用いても良い。
【0030】<実施例3>図11は本発明の高密度光デ
ィスクの一形態を示す概略図である。この光ディスク2
2の形態を説明すると、この光ディスク22において
は、光硬化性シート5と光透過性基材13とが一体とな
ったシート部材の光硬化性シート5の面に情報信号4が
形成されており、その上には反射膜7が成膜されてい
る。このシート部材の反射膜7の面と基板8(情報信号
無し)とが接着剤9により貼り合わされて成っている。
この光ディスク22において、情報信号4を再生する時
の入射面層は光透過性基材13側から行う。このディス
クの製造方法について以下詳述すると、実施例2と同様
のシート及び方法により、光硬化性シート5と光透過性
基材13とが一体となったシート部材の光硬化性シート
5の面に情報信号4を設け、基板8と同サイズにカット
した。その情報信号4の面上にアルミニウムの反射膜7
をスパッタにより成膜した。そして、射出成形により内
径が15mm、外径が120mm、厚みが1.1mmの
ポリカーボネート基板8(情報信号無しのもの)を作製
し、この基板8に、上記光硬化性シート5と光透過性基
材13とが一体となったシート部材の情報信号4の面を
基板8側にして紫外線硬化型接着剤9でスピン貼り合せ
法により貼り合せ、高密度光ディスク22を得た。この
時の接着層は5μmであった。また、入射面層を形成す
る、光硬化性シート5と光透過性基材13とが一体とな
ったシート部材の厚みむらは3μmであった。
【0031】尚、実施例2と同様に基板8の内径より、
光硬化性シート5と光透過性基材13とが一体となった
シート部材の内径を大きくし、外径は基板8より小さく
することで取り扱いによるシートの剥れを防止できる効
果がある。また、本実施例では基板8はポリカーボネー
ト樹脂により作製したが、基板8は情報信号を入れる必
要が無く、また光を通す必要が無いため、強度的に同程
度以上なら他の射出成形用樹脂に限らず市販のプラスチ
ック板を用いても良い。
【0032】<実施例4>図12は本発明の高密度光デ
ィスクの2層構造の一形態を示す概略図である。この光
ディスク23の形態について説明すると、この光ディス
ク23においては、第1の情報信号4aが形成された光
硬化性シート5の情報信号4aの面には半透明膜14が
成膜されており、その反対面には光透過性シート17が
貼られている。また、第2の情報信号4bが形成された
基板15の情報信号4bの面上に反射膜7が成膜されて
いる。そして、上記第1及び第2の情報信号面同士を対
向させて光透過性接着剤16により貼り合わされて成っ
ている。この光ディスク23においては、第1及び第2
の2つの情報信号を再生する時の入射面層は光透過性シ
ート17側から行う。この光ディスク23の製造方法に
ついて以下詳述すると、実施例2と同様にスタンパー3
の第1の情報信号4aの面上に図1に示すように保護シ
ート12が形成された単体の光硬化性シート5をスタン
パー3の外周端からゴムローラ11により加圧しながら
貼り合せた。次に、保護シート12を取り去り、同様の
方法で光硬化性シート5上に光透過性シート17を貼り
合せた。その後、減圧雰囲気中や加熱雰囲気中で加圧
し、スタンパー3と光硬化性シート5との間及び光硬化
性シート5と光透過性シート17との間の脱気を完全に
行った。その後、図示しない紫外線照射を光透過性シー
ト17側から行った後、スタンパー3と光硬化性シート
5との間を剥がして光硬化性シート5上に第1の情報信
号4aを転写した。
【0033】尚、本実施例に用いた単体の光硬化性シー
ト5(日立化成社製、厚み50μm)と光透過性シート
17(ポリカーボネートシート、厚み50μm)とを貼
り合せたシート部材の波長400nmの光に対する光線
透過率は78%であり、また、この光硬化性シート5の
付着力は550gであった。また、光硬化性シート5と
光透過性シート17とを先に貼り合せてからスタンパー
3に光硬化性シート5を載せて情報信号4aを転写して
も良い。更に、光硬化性シート5の接着力(粘着力)が
弱い場合は光透過性接着剤等で光透過性シート17と貼
り合せても良い。また、シートは信号転写後、後述する
射出成形基板と同じ大きさの内周が15mm、外周が1
20mmにカットしたが、予めカットしたものを用いて
も良い。この光硬化性シート5上の第1の情報信号4a
の面上に銀の半透明膜14をスパッタにより成膜した。
【0034】また、実施例2と同様に射出成形法により
第2の情報信号4bを形成した基板15を別途作製し、
第2の情報信号4b面上にスパッタによりアルミニウム
の反射膜7を成膜した。
【0035】このように形成された上記光硬化シート5
の一体物と基板15とを、それぞれの第1の情報信号4
aと第2の情報信号4bとを対向させて、その間に紫外
線硬化型の透過性接着剤16を介在させてスピン貼り合
せ法で貼り合せ、高密度2層型光ディスク23を得た。
このディスク23の入射面層を形成する、光硬化性シー
ト5と光透過性シート17とが一体となったシート部材
の厚みむらは5μmであった。尚、実施例2と同様に透
過性の粘着シートを用いれば中間層の厚みむらを小さく
できる効果がある。また、基板15の内径より光硬化性
シート5と光透過性シート17の内径を大きくし、外径
は基板15より小さくすることで取り扱いによるシート
の剥れを防止できる効果がある。更に、光硬化性シート
5の内径より光透過性シート17の内径を大きくし、外
径は光硬化性シート5より小さくすることで剥れ防止の
更なる効果がある。一方、基板15はポリカーボネート
樹脂により作製したが基板5は光を通す必要が無いた
め、転写性が良好で強度的に同程度以上なら他の樹脂を
用いても良い。
【0036】<実施例5>図13は本発明の高密度光デ
ィスクの一形態を示す概略図である。この光ディスク2
4の形態を述べると、この光ディスク24においては、
情報信号4が形成された光硬化性シート5の情報信号4
の面には反射膜7が成膜されており、その反対面には光
透過性シート17が貼られており、反射膜7の面と基板
8(情報信号無し)とが接着剤9により貼り合わされて
成っている。この光ディスク24において、情報信号を
再生する時の入射面層は光透過性シート17側から行
う。この光ディスク24の製造方法について、以下詳述
すると、まず、実施例4と同様のシート及び方法で光硬
化性シート5の片面に情報信号4を設け、その反対面に
光透過性シート17を貼り合せたシート部材を得た。こ
のシート部材の情報信号4の面上にアルミニウムの反射
膜7をスパッタにより成膜した。そして、実施例3と同
様に射出成形により内径が15mm、外径が120m
m、厚みが1.1mmのポリカーボネート製の基板8
(情報信号無しのもの)を作製し、この基板8に、光硬
化性シート5と光透過性シート17とが一体となったシ
ート部材を、その情報信号4の面を基板8側にして紫外
線硬化型接着剤9を介在させてスピン貼り合せ法により
貼り合せ、高密度光ディスク24を得た。この光ディス
ク24の入射面層を形成する、光硬化性シート5と光透
過性シート17とが一体化されたシート部材の厚みむら
は5μmであった。
【0037】尚、シートは射出成形基板と同じ大きさの
内周が15mm、外周が120mmにカットしたが、基
板8の内径より光硬化性シート5と光透過性シート17
とが一体化されたシート部材の内径を大きくし、外径は
基板8より小さくすることで取り扱いによるシートの剥
れを防止できる効果がある。更に、光硬化性シート5の
内径より光透過性シート17の内径を大きくし、外径は
光硬化性シート5より小さくすることで剥れ防止の更な
る効果がある。また、本実施例では基板8はポリカーボ
ネート樹脂により作製したが、基板8は情報信号を入れ
る必要が無く、また光を通す必要が無いため、強度的に
同程度以上なら他の射出成形用樹脂に限らず市販のプラ
スチック板を用いても良い。尚、上記各実施例では信号
形成面にアルミニウムの反射膜や銀の半透明膜を成膜
し、直ぐに貼り合わせを行っているが、製造工程の都合
から情報信号を保護する目的で反射膜上或いは半透明膜
上に紫外線硬化樹脂等の保護膜を塗布する場合もある。
また図10〜図13に示した次世代の高密度光ディスク
の一形態の入射面層、すなわち図10、図11では光透
過性基材13の表面側、図12、図13では光透過性シ
ート17の表面側には傷付き防止膜や帯電防止膜を設け
ても良い。また、形成方法に関しては、傷付き防止膜の
場合は紫外線硬化樹脂の硬化後の表面硬度が鉛筆硬度で
2H以上のものをスピナーにより、効果が得られる1〜
10μmの厚みで設けても良い。また、この紫外線硬化
樹脂の中に帯電防止剤を入れれば帯電防止効果が得られ
る。更には、光透過化性基材13や光透過性シート17
作製時に傷付き防止膜や帯電防止膜を設けても良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光情報担
体及びその製造方法によれば、次のように優れた作用効
果を発揮することができる。本発明のような光硬化性シ
ートを用いることにより、スタンパーから情報信号を迅
速に且つ安定的に転写することが可能になり、光情報担
体の量産性を向上させることができる。従って、量産性
に優れた従来型の光ディスク及び次世代型の高密度光デ
ィスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンパーに透過性シートを貼り合せる1方法
を説明するための概略図である。
【図2】スタンパーに透過性シートを貼り合せる1方法
を説明するための概略図である。
【図3】スタンパーに透過性シートを貼り合せる1方法
を説明するための概略図である。
【図4】スタンパーに透過性シートを貼り合せる1方法
を説明するための概略図である。
【図5】光透過性基材の面粗れが大きかった時にその緩
和方法を説明するための概略図である。
【図6】180°ピール試験法を説明するための概略図
である。
【図7】光硬化性シ−トを用いてDVDの情報信号を転
写する方法を説明するための概略図である。
【図8】本発明の光硬化性シートを用いて作製したDV
D型単層光ディスクの概略図である。
【図9】光硬化性シ−トを用いて次世代の高密度光ディ
スクの情報信号を転写する方法を説明するための概略図
である。
【図10】本発明の光硬化性シートを用いた次世代の高
密度光ディスクの一形態を示した概略図である。
【図11】本発明の光硬化性シートを用いた次世代の高
密度光ディスクの一形態を示した概略図である。
【図12】本発明の光硬化性シートを用いた次世代の高
密度光ディスクの一形態を示した概略図である。
【図13】本発明の光硬化性シートを用いた次世代の高
密度光ディスクの一形態を示した概略図である。
【符号の説明】
3…スタンパー 、4,4a,4b…情報信号、5…光
硬化性シート、6…透過性基板(光情報担体用基板)、
7…反射膜、9…接着剤、12…保護シート、13…光
透過性基材、14…半透明膜、15…情報信号付き基
板、16…光透過性接着剤、17…光透過性シート、2
0,21,22,23,24…光ディスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/26 531 G11B 7/26 531 Fターム(参考) 5D029 HA06 JB02 JB06 JB13 JC04 KB06 MA17 MA33 MA42 RA02 RA04 RA12 5D121 AA01 AA05 AA06 AA07 DD06 DD13 DD18 EE26 EE28 FF03 FF11 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報信号が転写された光硬化性シートを
    有する光情報担体において、前記光硬化性シートは、ニ
    ッケル板に幅が20mmの光硬化性シートを貼って紫外
    線照射を行った後、引っ張り速度が300mm/分の条
    件での180°ピール試験値が800g以下となるよう
    な光硬化性シートであることを特徴とする光情報担体。
  2. 【請求項2】 光硬化性シートと光透過性基材とが一体
    となったシート部材の光硬化性シート面に情報信号が形
    成されており、その情報信号面上には反射膜が成膜され
    ており、この反射膜と光情報担体用基板が接着剤により
    貼り合わされて成り、前記情報信号を再生する時の再生
    光の入射面は前記光透過性基材側から行うようにしたこ
    とを特徴とする光情報担体。
  3. 【請求項3】 光硬化性シートと光透過性基材とが一体
    となったシート部材の光硬化性シート面に第1の情報信
    号が形成されており、その第1の情報信号面上には半透
    明膜が成膜されており、第2の情報信号が形成された光
    情報担体用基板の第2の情報信号面に反射膜が成膜され
    ており、前記第1及び第2の情報信号面同士を対向させ
    て光透過性接着剤により貼り合わされて成り、前記第1
    及び第2の情報信号を再生する時の再生光の入射面は前
    記光透過性基材側から行うようにしたことを特徴とする
    光情報担体。
  4. 【請求項4】 情報信号が形成された光硬化性シートの
    情報信号面には反射膜が成膜されており、その反対面に
    は光透過性シートが貼られており、前記光硬化性シート
    と前記光透過性シートの厚みの和は光情報担体用基板よ
    り薄くなされており、前記反射膜と前記光情報担体用基
    板が接着剤により貼り合わされて成り、前記情報信号を
    再生する時の再生光の入射面は前記光透過性シート側か
    ら行うようにしたことを特徴とする光情報担体。
  5. 【請求項5】 第1の情報信号が形成された光硬化性シ
    ートの情報信号面には半透明膜が成膜されており、その
    反対面には光透過性シートが貼られており、前記光硬化
    性シートと前記光透過性シートの厚みの和は第2の情報
    信号を形成した光情報担体用基板より薄くなされてお
    り、その第2の情報信号面に反射膜が成膜されており、
    前記第1及び第2の情報信号面同士を対向させて光透過
    性接着剤により貼り合わされて成り、前記第1及び第2
    の情報信号を再生する時の再生光の入射面は前記光透過
    性シート側から行うようにしたことを特徴とする光情報
    担体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5に規定された、情報信号
    の形成された光硬化性シートを有する光情報担体の製造
    方法であって、光硬化性シートを情報信号の形成された
    スタンパーにローラ加圧して前記情報信号を転写するこ
    とにより前記情報信号の形成された光硬化シートを形成
    する工程を含むことを特徴とする光情報担体の製造方
    法。
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