JP2001357568A - 光学記録媒体の製造方法 - Google Patents

光学記録媒体の製造方法

Info

Publication number
JP2001357568A
JP2001357568A JP2000176591A JP2000176591A JP2001357568A JP 2001357568 A JP2001357568 A JP 2001357568A JP 2000176591 A JP2000176591 A JP 2000176591A JP 2000176591 A JP2000176591 A JP 2000176591A JP 2001357568 A JP2001357568 A JP 2001357568A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
substrate
protective film
light
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000176591A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kikuchi
稔 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2000176591A priority Critical patent/JP2001357568A/ja
Publication of JP2001357568A publication Critical patent/JP2001357568A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズの高NA化に対応でき、均一な膜
厚、小複屈折、かつ汚れが少なく良好な透明性を有する
光透過層を形成する。 【解決手段】 センターホール1bを有するレプリカ基
板1a上に情報信号部1cを設けてディスク基板1を製
造する。ディスク基板1上に紫外線硬化型樹脂10を供
給する。光透過性シート2aに保護フィルム2bをラミ
ネートして構成したシート2の光透過性シート2a側
を、ディスク基板1の主面に対向させ、樹脂10を介し
てディスク基板1上に載置する。ディスク基板1とシー
ト2とを回転させて、これらの間に樹脂10を行き渡ら
せる。シート2を介して、樹脂10に紫外線を照射し硬
化させる。保護フィルム2bを、回転時にシート中心位
置出しピン14と貫通孔2cとの隙間から噴出して保護
フィルム2b上で硬化した樹脂10とともに、シート2
から剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学記録媒体の
製造方法に関し、特に、ディスク基板上の光透過層を光
透過性シートを用いて構成した光学記録媒体に適用して
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野において、光学情
報記録方式に関するさまざまな研究、開発が進められて
いる。この光学情報記録方式は、非接触で記録および/
または再生を行うことができるとともに、磁気記録方式
に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であるという
利点を有している。また、この光学情報記録方式は、再
生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれのメモリ
形態に対応可能であるという、さらなる利点をも有す
る。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可能とす
る方式として、産業用から民生用まで幅広い用途への適
用が考えられている。
【0003】その中でも、特に再生専用型のメモリ形態
に対応した光ディスクである、ディジタルオーディオデ
ィスク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは広く普
及している。
【0004】ディジタルオーディオディスクなどの光デ
ィスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸
パターンが形成された透明基板の光ディスク基板上にア
ルミニウム(Al)膜などの金属薄膜よりなる反射膜が
形成され、さらにこの反射膜を大気中の水分(H
2O)、酸素(O2)から保護するための保護膜が反射膜
上に形成された構成を有する。そして、この光ディスク
における情報信号の再生時には、光ディスク基板側から
凹凸パターンに向けてレーザ光などの再生光を照射し、
この再生光による入射光と戻り光との反射率の差によっ
て情報信号を検出する。
【0005】そして、このような光ディスクを製造する
際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有する
光ディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、
光ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成す
る。次に、さらにその上層に紫外線硬化型樹脂を塗布す
ることにより保護膜を形成する。
【0006】さて、上述したような光学情報記録方式に
おいては、近年、さらなる高記録密度化が要求されてい
る。そして、この高記録密度化の要求に対応するため
に、光学ピックアップの再生光の照射時に用いられる対
物レンズの開口数(NA)を大きくすることによって、
再生光のスポット径の小径化を図る技術が提案された。
従来のディジタルオーディオディスクの再生時に用いら
れる対物レンズのNAが0.45であるのに対し、この
従来のディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録
容量を有するDVD(Digital Versatile Disc)などの
光学式ビデオディスクの再生時に用いられる対物レンズ
のNAを0.60程度として、スポット径の小径化を図
る。
【0007】このような対物レンズにおける高NA化を
進めていくと、照射される再生光を透過させるために、
光学記録媒体におけるディスク基板を薄くする必要が生
じる。これは、光学ピックアップの光軸に対してディス
ク面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さ
くなるためであり、このチルト角がディスク基板の厚さ
による収差や複屈折の影響を受け易いためである。した
がって、ディスク基板を薄くすることによって、チルト
角がなるべく小さくなるようにする。例えば、上述した
ディジタルオーディオディスクにおいては、基板の厚さ
は1.2mm程度とされている。これに対し、DVDな
どのディジタルオーディオディスクの6〜8倍の記録容
量を有する光学式ビデオディスクにおいては、基板の厚
さは0.6mm程度とされている。
【0008】ところが、今後のさらなる高記録密度化の
要求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要にな
る。そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部
とし、この情報信号部上に、反射膜と光を透過する薄膜
である光透過層とを順次積層し、光透過層側から再生光
を照射することにより情報信号の再生を行うように構成
された光学記録媒体が提案されている。光透過層側から
再生光を照射して情報信号の再生を行うようにした光学
記録媒体においては、光透過層の薄膜化を図ることによ
って対物レンズの高NA化に対応することができる。
【0009】ところが、この光透過層の薄膜化を行う
と、光ディスクの製造において一般的に用いられてい
る、熱可塑性樹脂を用いた射出成形法による光透過層の
形成が困難になる。すなわち、従来の技術において、複
屈折を小さく保ちつつ、良好な透明性が維持された、
0.1mm程度の光透過層を形成することは、非常に困
難を極める。
【0010】そこで、光透過層を紫外線硬化型樹脂によ
り形成する方法が考案された。しかしながら、光透過層
を紫外線硬化型樹脂により形成する際に、光透過層を基
板表面において均一な膜厚にすることは非常に困難であ
る。そのため、情報信号の再生を安定して行うことが難
しくなってしまう。
【0011】また、膜厚が0.1mmで、熱可塑性樹脂
からなるシートを、接着剤を用いたローラー圧着により
基板表面に貼り付けることにより、光透過層を形成する
方法も考えられた。ところが、圧着時のシートの変形や
接着剤の読み出し面側へのはみ出しが発生してしまい、
やはり、光透過層を均一な膜厚に形成することは困難で
あり、さらに情報信号の再生を安定して行うことは、よ
り困難になってしまう。
【0012】そこで、これらの問題に対処するために、
紫外線硬化型樹脂と光透過性シートとを用いて光透過層
を形成する方法が提案された(特開平10−28368
3号公報)。
【0013】すなわち、まず、基板の一主面上に紫外線
硬化型樹脂を供給する。次に、この紫外線硬化型樹脂上
にレーザ光を透過可能に構成された光透過性シートを載
置する。次に、紫外線硬化型樹脂を介して積層された基
板と光透過性シートとを面内方向に回転させることによ
り、紫外線硬化型樹脂を基板と光透過性シートとの間に
行き渡らせる。紫外線硬化型樹脂が行き渡った段階で、
この樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより、基
板と光透過性シートとを接着させる。以上により、硬化
した紫外線硬化型樹脂と光透過性シートとからなる光透
過層が形成される。
【0014】このようにして形成された光透過層は、再
生時に用いられる対物レンズの高NA化に対応可能であ
るという利点を有する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が上述の方法を採用して光学記録媒体に光透過層を形
成したところ、紫外線硬化型樹脂が光透過性シートの内
径に生じる隙間から上に噴出してしまい、光透過性シー
トを汚してしまうという問題があることを知見した。こ
のような光透過性シートの汚れは、光透過層におけると
透明性を損なうことになり、良品の光ディスクの製造の
妨げとなる。そのため、光透過性シート上に紫外線硬化
型樹脂などの接着用の樹脂が付着しないようにする技術
の開発が急務となった。
【0016】したがって、この発明の目的は、対物レン
ズの高NA化に対応させつつ、均一な膜厚で、複屈折を
小さく保ち、汚れが少なく、良好な透明性を有する光透
過層が設けられた光学記録媒体を製造することができる
光学記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、基板の一主面上に、情報信号を記録可
能および/または再生可能に構成された情報信号部と、
基板に対して情報信号部が存在する側に情報信号の記録
および/または再生に用いられるレーザ光を透過可能に
構成された光透過層とが設けられた光学記録媒体の製造
方法において、光透過層が光透過性シートと光透過性を
有する接着層とからなり、光透過性シートの基板に接着
させる面とは反対側の面に保護フィルムが設けられたシ
ートを用い、基板上に接着層を構成する第1の接着剤を
供給する供給工程と、シートにおける光透過性シート側
を、第1の接着剤を介して基板表面に接着する接着工程
と、第1の接着剤の硬化後、シートから保護フィルムを
剥離する剥離工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0018】この発明において、光透過性シートと保護
フィルムとの剥離を効率よく行い、光学記録媒体におけ
る十分な生産性を確保するために、典型的には、保護フ
ィルムと光透過性シートとが第2の接着剤を介して互い
に接着されてシートが構成され、剥離工程において、保
護フィルムと光透過性シートとの間の接着力に比して、
保護フィルムとの接着力が大きい第3の接着剤を、保護
フィルムの露出面に付着させて、剥離を行うようにす
る。また、この発明において、生産性をより向上させる
ために、好適には、第3の接着剤が少なくとも一面に被
着されたフィルムを用い、このフィルムの第3の接着剤
が被着された面を保護フィルムの露出面に接着させ、フ
ィルムをシートの面に対して90°以上180°以下の
角度に引くことにより、保護フィルムをシートから剥離
させるようにする。なお、フィルムを引く方向は、光透
過性シートの表面と、この表面近傍におけるフィルムの
第3の接着剤が被着された面とがなす角度で規定される
方向である。
【0019】この発明において、典型的には、第1の接
着剤は、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬
化型樹脂からなるが、その他の紫外線硬化型樹脂を用い
ることが可能である。具体的には、第1の接着剤とし
て、アクリレート系、チオール系、エポキシ系、シリコ
ン系などの紫外線硬化樹脂を用いることが可能である。
そして、第1の接着剤として紫外線硬化型樹脂を用いる
場合には、典型的には、少なくとも第1の接着剤に紫外
線を照射することにより、第1の接着剤を硬化させ、好
適には、紫外線を、フィルムを介して第1の接着剤に照
射することにより、この第1の接着剤を硬化させるよう
にする。また、この発明において、第1の接着剤の材料
として選択された材料においては、好適な硬化方法を選
択するようにする。また、この発明において、第1の接
着剤として紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、その粘
度は、典型的には、0.005Pa・s以上1.0Pa
・s以下であり、好適には、0.02Pa・s以上0.
2Pa・s以下から選ばれる。
【0020】この発明において、典型的には、基板上に
第1の接着剤を塗布した後、基板上に第1の接着剤を介
してシートを載置する。また、この発明において、第1
の接着剤に用いられる材料は、典型的には、紫外線硬化
樹脂であるが、その他の材料を用いることも可能であ
る。
【0021】この発明において、典型的には、基板が平
面円環形状を有するとともに、シートが平面円環形状を
有する。そして、この発明において、光透過性シートを
有する光透過層を形成するために、典型的には、基板上
に、第1の接着剤を塗布した後、この第1の接着剤を介
してシートを載置する。また、この発明において、第1
の接着剤を硬化させた後に基板からシートが剥離しない
ようにするために、好適には、平面円環形状を有するシ
ートの内径を、平面円環形状を有する基板の内径より大
きく構成するとともに、平面円環形状を有するシートの
外径を、平面円環形状を有する基板の外径より小さく構
成する。また、この発明において、基板とシートとの間
に第1の接着剤を隙間なく行き渡らせるために、好適に
は、基板上に接着剤を介してシートを載置した後、基板
およびシートを、平面円環形状の面に対して垂直で、か
つ平面円環形状における中心の軸の周りを回転させるよ
うにする。このようにシートおよび基板を第1の接着剤
を介して回転(自転)させることにより、第1の接着剤
に生じる遠心力により、第1の接着剤を基板とシートと
の間に隙間なく行き渡らせることができる。
【0022】この発明において、製造される光学記録媒
体における反りや歪みを最小限にするために、好適に
は、光透過性シートは、基板に用いられる材料と同種の
材料から構成される。また、光透過性シートの厚さは、
典型的には、基板の厚さより小さくなるように構成さ
れ、具体的には、30μm以上150μm以下から選ば
れる。また、この発明において、典型的には、基板およ
び光透過性シートは、光透過性を有する熱可塑性樹脂か
らなり、具体的には、ポリカーボネート(PC)やシク
ロオレフィンポリマーなどの低吸水性の樹脂が用いられ
る。なお、基板に用いられる材料としては、例えばアル
ミニウム(Al)などの金属からなる基板や、ガラス基
板、あるいは、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフ
タレートなどの樹脂からなる基板を用いることも可能で
ある。
【0023】この発明において、典型的には、保護フィ
ルムはポリエチレン系樹脂からなり、具体的には、ポリ
エチレンからなる。
【0024】この発明において、典型的には、光透過性
シートは、少なくとも情報信号の記録/再生に用いられ
る、GaN系半導体レーザ(発光波長400nm帯、青
色発光)、ZnSe系半導体レーザ(発光波長500n
m帯、緑色)、またはAlGaInP系半導体レーザ
(発光波長635〜680nm程度、赤色)などから照
射されるレーザ光を、透光可能な非磁性材料からなり、
具体的には、ポリカーボネートなどの、光透過性を有す
る熱可塑性樹脂からなる。また、この発明において、好
適には、保護フィルムは、ポリエチレンフィルムからな
り、具体的には、このポリエチレンフィルムの少なくと
も一面に第2の粘着剤が被着されている。また、この第
2の粘着剤が被着された面を光透過性シートの一面に接
着させることにより、基板上に載置されるシートが製造
される。
【0025】この発明において、好適には、基板とシー
トとを接着する接着工程の後、剥離工程の前に、基板に
おけるシートが接着された一主面と反対側の他主面上に
硬化可能な樹脂を供給する工程と、この硬化可能な樹脂
上に光透過性を有するシートを載置する工程と、硬化可
能な樹脂を介して積層された基板とシートとを面内方向
に回転させて硬化可能な樹脂を基板とシートとの間に行
き渡らせる工程と、硬化可能な樹脂を硬化させることに
より基板とシートとを接着させる工程とをさらに有し、
これによって、基板の両面にシートを接着させるように
しても良い。また、このとき、硬化可能な樹脂として
は、典型的には紫外線硬化型樹脂が用いられる。
【0026】この発明は、好適には、2個のレンズを直
列に組み合わせることによりNAを0.85程度にまで
高めた対物レンズを用いて、情報の記録を行うように構
成された、DVR(Digital Video Recording system)な
どの光透過層を有する光学記録媒体に適用することがで
き、発光波長が650nm程度の半導体レーザを用い
た、いわゆるDVR−redや、発光波長が400nm
程度の半導体レーザを用いた、いわゆるDVR−blu
eなどの光学記録媒体に適用することが可能である。
【0027】上述のように構成されたこの発明による光
学記録媒体の製造方法によれば、光透過性シートにおけ
る基板に接着させる面とは反対側の面に保護フィルムが
設けられたシートを用いて、基板上に第1の接着剤を供
給する供給工程と、シートにおける光透過性シート側
を、第1の接着剤を介して基板表面に接着する接着工程
と、第1の接着剤の硬化後、シートから保護フィルムを
剥離する剥離工程とを有していることにより、第1の接
着剤が基板とシートとの間から漏れたり噴出したりした
場合であっても、第1の接着剤の硬化後、保護フィルム
を剥離させた段階で、漏れたり噴出したりした第1の接
着剤を除去することができるため、光透過層表面に第1
の接着剤による汚れが付着するのを防止することができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0029】まず、この発明の一実施形態による光学記
録媒体における光透過層の形成方法について説明する。
図1に、この光透過層の形成が行われる状態のディスク
基板を示す。
【0030】この一実施形態による光透過層の形成方法
においては、まず、図1に示すように、光透過層の形成
が行われるディスク基板1を用意する。このディスク基
板1は、レプリカ基板1aの中心部にセンターホール1
bが形成されており、凹凸が形成された一主面上に情報
信号部1cが設けられている。
【0031】レプリカ基板1aは、所定のスタンパを用
いた射出成形法により作製されたものである。このレプ
リカ基板1aの厚さは、例えば0.6〜1.2mmであ
る。また、レプリカ基板1aの材料としては、例えばポ
リカーボネートやシクロオレフィンポリマー(例えば、
ゼオネックス(登録商標))などの低吸水性の樹脂が用
いられる。なお、レプリカ基板1aとして、例えばAl
などの金属からなる基板や、ガラス基板、あるいは、ポ
リオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリエチレンテレフタレートなどの樹
脂からなる基板を用いることも可能である。また、レプ
リカ基板1aの一主面に形成された凹凸部上に、記録膜
や反射膜などが製膜されており、これにより情報信号部
1cが形成されている。この情報信号部1cは、反射
膜、光磁気材料からなる膜、相変化材料からなる膜、ま
たは有機色素膜などからなる。これらのうち、反射膜の
材料としては、例えばAlなどが用いられる。具体的に
は、最終製品としての光ディスクが再生専用(ROM(R
ead Only Memory))の光ディスクである場合、情報信号
部1cは、例えばAlなどからなる反射層を少なくとも
有する単層膜または積層膜から構成される。他方、最終
製品としての光ディスクが書換可能型光ディスクである
場合には、情報信号部1cは、光磁気材料からなる膜や
相変化材料からなる膜を少なくとも有する、単層膜また
は積層膜から構成され、追記型光ディスクの場合には、
有機色素材料からなる膜を少なくとも有する単層膜もし
くは積層膜から構成される。
【0032】ここで、この一実施形態によるディスク基
板1は、具体的には、レプリカ基板1aとして、例え
ば、厚さが1.1mmで円盤状のPC基板を用い、この
PC基板の直径(外径)を例えば120mm、センター
ホール1bの開口径(内口径)を例えば15mmとす
る。また、情報信号部1cとして、膜厚が100nmの
Al合金からなる反射層上に、膜厚が18nmの、硫化
亜鉛(ZnS)と酸化シリコン(SiO2)との混合物
(ZnS−SiO2)からなる第1の誘電体層、膜厚が
24nmのGeSbTe合金層からなる相変化記録層、
および膜厚が100nmの、ZnS−SiO2からなる
第2の誘電体層を順次積層した積層膜が用いられる。
【0033】次に、この一実施形態による光透過層の形
成に用いられるシートについて説明する。図2に、この
一実施形態によるシート2を示す。
【0034】図2に示すように、この一実施形態に用い
られるシート2は、光透過性シート2aの一主面に保護
フィルム2bがラミネートされて構成されている。ま
た、シート2は、ディスク基板1と同様に、平面円環状
に打ち抜かれて形成された構造を有するとともに、その
中心に貫通孔2cが形成されている。ここで、このシー
ト2の寸法において、シート2の直径(外径)は、レプ
リカ基板1aの外径より小さく、例えば119mmと
し、貫通孔2cの径(内孔径)は、センターホール1b
の内口径より大きく、例えば40mmとする。
【0035】また、シート2における光透過性シート2
aは、例えば、少なくとも紫外線を透光可能な光学特性
を満足した光透過性を有する熱可塑性樹脂からなる。こ
の熱可塑性樹脂は、具体的には、例えばPCや、または
ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)
などのメタクリル樹脂である。また、光透過性シート2
aの厚さは、例えば95μmである。この光透過性シー
ト2aの厚さは、後述する光透過層の膜厚を考慮して決
定される。
【0036】また、シート2における保護フィルム2b
は、例えばポリエチレンフィルムからなる。そして、こ
のポリエチレンフィルムの少なくとも一方の面に接着剤
が塗布、被着されて構成されている。光透過性シート2
aと保護フィルム2bとは、この接着剤からなる層を介
して、互いに接着されている。そして、この接着剤層
は、光透過性シート2aとの接着力に比して、保護フィ
ルム2bとの接着力が大きい接着材料からなる。したが
って、光透過性シート2aと保護フィルム2bとの剥離
は、接着剤層と光透過性シート2aとの界面における剥
離となる。
【0037】次に、上述のようにして構成されたシート
2の製造方法について説明する。図3に、このシート2
の製造に用いられるシート製造装置を示す。
【0038】図3に示すように、この一実施形態による
シート製造装置3は、光透過性シート巻き出しローラー
4、保護フィルム巻き出しローラー5、圧着ローラー6
a、6b、打ち抜き装置7、ローラー8およびシート巻
き取りローラー9を有して構成されている。
【0039】光透過性シート巻き出しローラー4は、光
透過性シート2aを巻き取り可能に構成されている。こ
の光透過性シート巻き出しローラー4は、ロール状の光
透過性シート2aを送り出すためのものである。また、
保護フィルム巻き出しローラー5は、少なくとも光透過
性シート2aと接する側の一面に粘着剤が被着された保
護フィルム2bを巻き取り可能に構成されている。この
保護フィルム巻き出しローラー5は、ロール状の保護フ
ィルム2bを送り出すためのものである。また、圧着ロ
ーラー6a、6bは、それぞれ光透過性シート2aおよ
び保護フィルム2bの側に設けられており、それらの光
透過性シート2aと保護フィルム2bとを接着剤を介し
て圧着させるためのものである。また、打ち抜き装置7
は、互いに圧着された光透過性シート2aと保護フィル
ム2bとを、ディスク基板1とほぼ同様の平面円環状に
打ち抜くためのものであるとともに、打ち抜いた平面円
環状のシート2を回収するためのものである。また、シ
ート巻き取りローラー8は、打ち抜かれたシートの残分
を回収するためのものであり、光透過性シート巻き出し
ローラー4や保護フィルム巻き出しローラー5における
と同様に、シートを巻き取り可能に構成されている。ま
た、打ち抜き装置7とシート巻き取りローラー8との間
には、ローラー9が設置されている。このローラー9
は、例えばアイドルローラーであり、シート2の走行路
を所定の走行路に設定し、シート2に所定の張力を発生
させるためのものである。
【0040】次に、以上のように構成されたシート製造
装置3を用いたシートの製造方法について説明する。
【0041】すなわち、図3に示すように、まず、光透
過性シート2aを光透過性シート巻き出しローラー4か
ら送り出すとともに、保護フィルム2bを保護フィルム
巻き出しローラー5から送り出す。次に、光透過性シー
ト2aおよび保護フィルム2bを、圧着ローラー6a、
6bの間に挟み込ませるように走行させ、これらの光透
過性シート2aおよび保護フィルム2bを、接着剤を介
して圧着ローラー6a、6bにより圧着させ、ラミネー
トする。次に、互いに接着された光透過性シート2aお
よび保護フィルム2bからなるシート2を間欠的に走行
させる。その後、打ち抜き装置7において、シート2を
平面円環状に打ち抜く。残分の余白のシート2は、ロー
ラー9を介してシート巻き取りローラー8により巻き取
られ、打ち抜かれたシート2は、打ち抜き装置7に回収
される。
【0042】次に、以上のようにして製造されたシート
2を用いた光透過層の形成方法について説明する。図4
〜図10に、この一実施形態による光透過層の形成工程
を示す。
【0043】まず、図4に示すように、ディスク基板1
の情報信号部1cが形成された一主面上に、紫外線硬化
型樹脂10を供給し、塗布する。紫外線硬化型樹脂10
の供給は、紫外線硬化型樹脂供給部11のノズル口か
ら、ディスク基板1の内周側に、例えば平面円環状にな
るようにして行われる。このとき、紫外線硬化型樹脂1
0としては、粘度が0.02〜0.2Pa・s(20〜
200cps)のものを使用するのが好ましく、この一
実施形態においては、例えば0.1Pa・s(100c
ps)の粘度のものが用いられる。
【0044】次に、図5に示すように、ディスク基板1
のセンターホール1bと、シート2の中心の貫通孔2c
との位置合わせを行った後、紫外線硬化型樹脂10が供
給されたディスク基板1の一主面上に、平面円環状のシ
ート2を載置する。
【0045】すなわち、図5の詳細な図である図6に示
すように、まず、ディスク基板1をターンテーブル12
上に載置する。ここで、このターンテーブル12は、デ
ィスク基板1を載置可能に構成されているとともに、中
心に回転軸12aを有し、この回転軸12aを中心とし
て、ディスク基板1を面内方向に回転可能に構成されて
いる。また、ターンテーブル12上には、ディスク基板
1を載置する際の位置あわせに用いられる基板位置出し
ピン13が設けられている。なお、この基板位置出しピ
ン13は、ディスク基板1の内径(センターホール1b
の径)よりも細い径の軸部とされており、その内部に永
久磁石(図示せず)が埋設されているとともに、その上
部には、後述するシート中心位置出しピンに嵌め合わせ
可能な先端部13aが設けられている。そして、ディス
ク基板1をターンテーブル12上に載置する際には、基
板位置出しピン13にセンターホール1bを嵌め合わせ
るようにして行う。
【0046】次に、シート2の位置合わせを行うための
シート中心位置出しピン14を用意する。このシート中
心位置出しピン14は、例えば強磁性体からなり、基板
位置出しピン13の先端部13aに嵌め合わせ可能な凹
部14aが設けられている。また、このシート中心位置
出しピン14は、永久磁石が設けられた吸着アーム(図
示せず)により、基板位置出しピン13に脱着可能に構
成されている。このシート中心位置出しピン14は、シ
ート2の内径に嵌め合わせ可能に構成され、ディスク基
板1のセンターホール1bとシート2の貫通孔2cとの
位置合わせを行うためのものである。そして、ディスク
基板1をターンテーブル12上に載置した後、シート中
心位置出しピン14の凹部14aと基板位置出しピン1
3の先端部13aとを嵌め合わせる。これにより、シー
ト中心位置出しピン14が、基板位置出しピン13に埋
設された永久磁石により、凹部14aと先端部13aと
が嵌め合わされた状態で、基板位置出しピン13に吸着
固定される。
【0047】そして、ディスク基板1を、基板位置出し
ピン13に嵌め合わせてターンテーブル12上に載置
し、さらにシート中心位置出しピン14を基板位置出し
ピン13に吸着固定させた状態において、シート2を、
その貫通孔2cをシート中心位置出しピン14の外周部
に嵌め合わせる。これにより、ディスク基板1とシート
2との位置合わせが行われつつ、ディスク基板1上に紫
外線硬化型樹脂10を介してシート2が重ね合わされ、
載置される。
【0048】次に、図7に示すように、ディスク基板1
およびシート2を、回転軸12aを中心として面内方向
(図7中矢印方向)に回転させる。これにより、ディス
ク基板1上の紫外線硬化型樹脂10がディスク基板1と
シート2との間に行き渡る。また、余分な紫外線硬化型
樹脂10は振り切られる。ここで、これらのディスク基
板1とシート2の回転速度は、50〜116.7s
-1(3000〜7000rpm)の範囲内から選ばれ、
この一実施形態においては、例えば83.3s-1(50
00rpm)である。また、回転時間は、5〜60sの
範囲内から選ばれ、この一実施形態においては、例えば
20sである。なお、このディスク基板1のシート2が
接着された側とは反対側の面に紫外線硬化樹脂10を供
給して、紫外線硬化型樹脂10からなる保護層(図示せ
ず)を形成する場合、この保護膜を形成する紫外線硬化
型樹脂においても面内方向の回転により余分な紫外線硬
化型樹脂10が振り切られて均一に塗布され、均一な厚
さの保護膜(図示せず)が形成される。
【0049】次に、図8に示すように、紫外線を発光可
能に構成されているとともに、この紫外線をディスク基
板1に照射可能に構成された紫外線光源15の照射範囲
内に、ディスク基板1を載置する。このとき、ディスク
基板1は、そのシート2の接着された側が紫外線光源1
5の設置側に対向するように配置される。その後、紫外
線を、紫外線光源15からシート2を介して、ディスク
基板1の一主面上の紫外線硬化型樹脂10に照射する。
このときの積算強度は例えば500mJ/cm 2とす
る。この紫外線の照射により、ディスク基板1とシート
2との間において、紫外線硬化型樹脂10が硬化し、接
着層としての紫外線硬化型樹脂層10aが形成される。
【0050】以上により、図9に示すように、ディスク
基板1表面の情報信号部1cの上層に、紫外線硬化型樹
脂層10aを介して、シート2の光透過性シート2aが
接着される。
【0051】このとき、図6に示す紫外線硬化型樹脂1
0の塗布位置(供給位置)が最適な位置よりも外周側に
なった場合、ディスク基板1とシート2との界面に気泡
が入る可能性がある。そこで、紫外線硬化型樹脂10の
塗布位置を最適な位置よりも内周側にする。これによっ
て、気泡の混入を防ぐことができる。ところが、紫外線
硬化型樹脂10の塗布位置を内周側にすると、シート中
心位置出しピン14とシート2の貫通孔2cとの隙間か
ら、紫外線硬化型樹脂10が上方に噴出する。噴出し漏
れ出た紫外線硬化型樹脂10は、保護フィルム2b上に
付着し、紫外線が照射されて硬化する。
【0052】次に、図10に示すように、保護フィルム
2bにおけるディスク基板1に接着される面とは反対側
の主面に、保護フィルム2bと光透過性シート2aとの
間の粘着力より大きい粘着力を有する粘着剤が被着され
た粘着シート(図示せず)を接着させる。ここで、この
粘着シートにおける保護フィルム2bとの間の粘着力
は、例えば9.8×10-1N/20mm(100gf/
20mm)(180°剥離強度)である。そして、この
粘着シートをディスク基板1の面に対して、例えば18
0°の方向に引き剥がすように引く。これにより、保護
フィルム2bがシート2から剥離される。このとき、保
護フィルム2は、硬化した紫外線硬化型樹脂10が付着
した状態で剥離されるので、光透過性シート2aの露出
面において、紫外線硬化型樹脂10による汚れを防止す
ることができる。
【0053】以上により、図11に示すように、レプリ
カ基板1aの一主面上に、情報信号部1c、および紫外
線硬化型樹脂層10aと光透過性シート2aとからなる
光透過層16が設けられた光ディスクが製造される。
【0054】以上説明したように、この一実施形態によ
る光学記録媒体の製造方法によれば、一主面に情報信号
部1cが設けられたディスク基板1上に紫外線硬化型樹
脂10を供給し、この紫外線硬化型樹脂10を介して、
光透過性シート2aと保護フィルム2bとが順次積層さ
れたシート2を載置した後、ディスク基板1とシート2
とを、それらの間に紫外線硬化型樹脂10を挟んで回転
させ、さらに紫外線硬化型樹脂10を硬化させて、ディ
スク基板1とシート2とを接着した後、シート2から保
護フィルム2bを剥離させるようにしていることによ
り、ディスク基板1とシート2との間への気泡の混入を
防ぐことを目的として紫外線硬化型樹脂10の塗布位置
を内側に設定した場合などのように、ディスク基板1と
シート2との回転時に、シート2の貫通孔2cとシート
中心位置出しピン14との隙間から上方に向けて紫外線
硬化型樹脂10が噴出した場合であっても、噴出した紫
外線硬化型樹脂10は、後に剥離される保護フィルム2
b上に飛散した後に硬化する。そのため、接着用樹脂が
光透過性シート2aの表面に付着することがなく、これ
により、光透過性シート2a表面において、紫外線硬化
型樹脂10による汚れを防止することができる。また、
光透過層16を、光透過性シート2aと紫外線硬化型樹
脂層10aとにより構成していることにより、薄型化さ
れ、小複屈折、透明性良好で、かつ、厚さも均一な光透
過層16を有し、対物レンズの高NA化に十分対応可能
な光学記録媒体を得ることができる。
【0055】また、この一実施形態においては、紫外線
硬化型樹脂10を介して積層されたディスク基板1とシ
ート2とを面内方向に回転させて紫外線硬化型樹脂10
をディスク基板1とシート2との間に行き渡らせるた
め、圧着などを行う必要がなく、均一な厚さの光透過層
を短時間で容易に形成することができるので、生産性の
向上を図ることができる。そして、このような均一な膜
厚の光透過層を有する光記録媒体においては、安定した
再生特性が得られる。さらには、非常に薄い接着層が形
成されることとなるため、レプリカ基板1aの初期の反
りや経時変化による変形が抑えられ、長時間にわたって
安定した特性を確保することができる。
【0056】以上、この発明の一実施形態について具体
的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定
されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各
種の変形が可能である。
【0057】例えば、上述の一実施形態において挙げた
数値、材料、光ディスクの構成はあくまでも例に過ぎ
ず、必要に応じてこれと異なる数値、材料、光ディスク
の構成を用いてもよい。
【0058】また、例えば上述の一実施形態において
は、シート2の製造において、打ち抜き装置7により保
護フィルム2a側から平面円環状のシートを打ち抜くよ
うにしているが、この打ち抜き装置7により光透過性シ
ート7の側から打ち抜くようにしても良い。また、上述
の一実施形態においては、打ち抜かれた平面円環状のシ
ート2を打ち抜き装置7を用いて回収するようにしてい
るが、打ち抜かれたシート2を他の回収装置を用いて回
収することも可能である。
【0059】また、上述の一実施形態においては、この
発明を、光透過層を有する光ディスクに適用するように
しているが、光磁気記録再生を採用した光ハードディス
クや、リムーバブル光ハードディスクに適用することも
可能である。
【0060】また、例えば上述の一実施形態において、
シート2をディスク基板1の一主面に接着した後、必要
に応じて、ディスク基板1の他主面、すなわちレプリカ
基板1aの光透過性シート2aおよび保護フィルム2b
が設けられていない側の主面に、上述の一実施形態にお
けると同様にして、紫外線硬化型樹脂10を供給し、こ
の紫外線硬化型樹脂10を介して、シート2の光透過性
シート2a側をディスク基板1の他主面に接着させた
後、回転させ、さらに保護フィルム2bを剥離させるこ
とにより、ディスク基板1の他主面上に光透過層を形成
することも可能である。
【0061】また、上述の一実施形態においては、情報
信号部が基板に形成されている例について述べたが、こ
の情報信号部は、シートの基板との対向面に形成されて
いても何等問題ない。さらに、シートを複数枚の薄膜に
より構成し、最外層とされる薄膜に凹凸を形成して情報
信号部を形成することも可能である。
【0062】また、上述の一実施形態においては、さら
に、ディスク基板1とシート2とを接着した後、ディス
ク基板1のシート2が接着された主面と反対側の主面上
に紫外線硬化型樹脂10を供給し、この紫外線硬化型樹
脂10上にシート2を載置し、紫外線硬化型樹脂10を
介して積層されたディスク基板1とシート2とを面内方
向に回転させて紫外線硬化型樹脂10をディスク基板1
とシート2との間に行き渡らせ、紫外線硬化型樹脂10
に紫外線を照射し硬化させて、ディスク基板1とシート
2との間を接着するようにすれば、ディスク基板1の表
裏両面に光透過性シート2aが接着される構造の光学記
録媒体を容易に製造することができる。さらに、この際
に、レプリカ基板1aの相対向する表裏両面に凹凸を形
成し、さらにこれらの両面に情報信号部1cを形成する
ようにすれば、両面において、記録および/または再生
可能な光学記録媒体を得ることができる。
【0063】また、この場合において、情報信号部1c
を、ディスク基板1ではなく、シート2に形成すること
も可能である。さらには、ディスク基板1の一主面にの
み情報信号部1cを形成しておき、この上層にシート2
を接着し、ディスク基板1における、このシート2が接
着された側とは反対側の他主面に接着する第2のシート
を、ディスク基板1の他主面に情報信号部が形成された
シートとし、この第2のシートをディスク基板1の他主
面に接着することも可能である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光透過性シートの一面に保護フィルムが設けられた
シートを用い、基板の一主面上に接着剤を供給する供給
工程と、シートにおける光透過性シート側を、接着剤を
介して基板表面に接着する接着工程と、接着剤の硬化
後、シートから保護フィルムを剥離する剥離工程とを有
していることにより、接着剤が基板とシートとの間から
漏れたり噴出したりした場合であっても、保護フィルム
を剥離させた段階で、漏れた接着剤もともに剥離される
ので、光透過層表面の接着剤による汚れを防止すること
ができるとともに、記録/再生時に用いられる対物レン
ズの高NA化に対応可能で、小複屈折、透明性良好で均
一な膜厚の光透過層を有する光学記録媒体を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による、光透過層が形成
されるディスク基板を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施形態による光透過層の形成に
用いられるシートを示す断面図である。
【図3】この発明の一実施形態によるシート製造装置を
示す略線図である。
【図4】この発明の一実施形態による紫外線硬化型樹脂
の供給工程を説明するための略線図である。
【図5】この発明の一実施形態によるディスク基板とシ
ートとの接着工程を説明するための略線図である。
【図6】この発明の一実施形態によるディスク基板とシ
ートとの接着工程を説明するための断面図である。
【図7】この発明の一実施形態によるディスク基板とシ
ートとの接着工程を説明するための略線図である。
【図8】この発明の一実施形態による紫外線硬化型樹脂
の硬化工程を説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態による保護フィルムの剥
離工程が行われるディスク基板およびシートを示す断面
図である。
【図10】この発明の一実施形態による保護フィルムの
剥離工程を説明するための略線図である。
【図11】この発明の一実施形態による製造方法により
製造される光ディスクを示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ディスク基板、1a・・・レプリカ基板、1b
・・・センターホール、1c・・・情報信号部、2・・
・シート、2a・・・光透過性シート、2b・・・保護
フィルム、2c・・・貫通孔、3・・・シート製造装
置、4・・・光透過性シート巻き出しローラー、5・・
・保護フィルム巻き出しローラー、6a、6b・・・圧
着ローラー、7・・・打ち抜き装置、8・・・シート巻
き取りローラー、9・・・ローラー、10・・・紫外線
硬化型樹脂、10a・・・紫外線硬化型樹脂層、11・
・・紫外線硬化型樹脂供給部、12・・・ターンテーブ
ル、12a・・・回転軸、13・・・基板位置出しピ
ン、13a・・・先端部、14・・・シート中心位置出
しピン、14a・・・凹部、15・・・紫外線光源、1
6・・・光透過層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一主面上に、情報信号を記録可能
    および/または再生可能に構成された情報信号部と、上
    記基板に対して上記情報信号部が存在する側に上記情報
    信号の記録および/または再生に用いられるレーザ光を
    透過可能に構成された光透過層とが設けられた光学記録
    媒体の製造方法において、 上記光透過層が光透過性シートと光透過性を有する接着
    層とからなり、 上記光透過性シートの上記基板に接着させる面とは反対
    側の面に保護フィルムが設けられたシートを用い、 上記基板上に上記接着層を構成する第1の接着剤を供給
    する供給工程と、 上記シートにおける上記光透過性シート側を、上記第1
    の接着剤を介して上記基板表面に接着する接着工程と、 上記第1の接着剤の硬化後、上記シートから上記保護フ
    ィルムを剥離する剥離工程とを有することを特徴とする
    光学記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記保護フィルムと上記光透過性シート
    とが第2の接着剤を介して互いに接着されて上記シート
    が構成され、上記剥離工程において、上記保護フィルム
    と上記光透過性シートとの間の接着力に比して、上記保
    護フィルムとの接着力が大きい第3の接着剤を、上記保
    護フィルムの露出面に付着させて、上記剥離を行うよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一面に上記第3の接着剤が被
    着されたフィルムを用い、上記第3の接着剤が被着され
    た面を上記保護フィルムの露出面に接着させ、上記フィ
    ルムを上記シートの面に対して90°以上180°以下
    の方向に引くことにより、上記保護フィルムを上記シー
    トから剥離させるようにしたことを特徴とする請求項2
    記載の光学記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記基板が平面円環形状を有するととも
    に、上記シートが平面円環形状を有することを特徴とす
    る請求項1記載の光学記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記基板上に、上記第1の接着剤を介し
    て上記シートを載置した後、上記基板および上記シート
    を、上記平面円環形状の面に対して垂直な方向で、かつ
    上記平面円環形状における中心の軸の周りを回転させる
    ようにしたことを特徴とする請求項4記載の光学記録媒
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記シートの内径が上記基板の内径より
    大きく構成されているとともに、上記シートの外径が上
    記基板の外径より小さく構成されていることを特徴とす
    る請求項4記載の光学記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1の接着剤が紫外線硬化型樹脂か
    らなることを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 上記基板および上記光透過性シートが、
    光透過性を有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とす
    る請求項1記載の光学記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記保護フィルムがポリエチレン系樹脂
    からなることを特徴とする請求項1記載の光学記録媒体
    の製造方法。
JP2000176591A 2000-06-13 2000-06-13 光学記録媒体の製造方法 Pending JP2001357568A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176591A JP2001357568A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 光学記録媒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176591A JP2001357568A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 光学記録媒体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001357568A true JP2001357568A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18678301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000176591A Pending JP2001357568A (ja) 2000-06-13 2000-06-13 光学記録媒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001357568A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6786393B2 (en) * 2001-02-05 2004-09-07 Japan Synchrotron Radiation Research Institute Pinhole disk laminate and a process for producing the same
KR100469272B1 (ko) * 2002-11-19 2005-02-02 엘지전자 주식회사 고밀도 기록 매체의 보호층 제조 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6786393B2 (en) * 2001-02-05 2004-09-07 Japan Synchrotron Radiation Research Institute Pinhole disk laminate and a process for producing the same
KR100469272B1 (ko) * 2002-11-19 2005-02-02 엘지전자 주식회사 고밀도 기록 매체의 보호층 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6743320B2 (en) Method and apparatus of optical information recording medium, and optical information recording medium
KR100952067B1 (ko) 광학 기록매체
JP2005353282A (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録媒体の製造方法
JP2002008269A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法
JP2002170279A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法、ならびに射出成形装置
US6404730B2 (en) Optical disk having a groove and a projection for combining two disk members
JPH10283683A (ja) 光記録媒体及びその製造方法
JP2003203402A (ja) 光情報記録媒体の製造方法、および光情報記録媒体
JP2003091868A (ja) 光ディスク及びその製造方法。
JP4616914B2 (ja) 多層光記録媒体の製造方法
JP2001357568A (ja) 光学記録媒体の製造方法
JP2000298879A (ja) 光記録媒体
JP2002170284A (ja) 光情報担体及びその製造方法
JP4284888B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2001357569A (ja) 光学記録媒体の製造方法および光学記録媒体の製造装置
US6941572B2 (en) Optical information recording medium and optical information recording/reproduction apparatus
JP2002288895A (ja) 光記録媒体の製造方法
JP2001351272A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法、ならびに射出成形装置
WO2004036570A1 (ja) 光情報記録媒体とその製造方法、製造装置
JP2003242694A (ja) 光学記録媒体の製造方法
JP2003217195A (ja) 光記録媒体の製造方法およびその製造装置
JP2003317334A (ja) 光ディスク及びその製造方法
JP4890488B2 (ja) 光情報記録媒体の製造方法及び光情報記録媒体の製造装置
JP2004055018A (ja) 光学記録媒体およびその修理方法
JP2002150610A (ja) 情報記録担体及び情報記録担体の製造方法