JP2002043046A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロースター部を備え、かつ排気の風を再び吸
気口から吸入しない構成の据え置き型の誘導加熱調理器
を実現することを目的とする。 【解決手段】 吸気口１１にルーバー３５を設け、ルー
バー３５を本体背面よりも外側に突出させ、かつルーバ
ー３５の開口部はロースターが位置する方向には向けな
い構成とすることで、排気を再吸入しにくくし、内部へ
の水の侵入を防止する構成の据え置き型誘導加熱調理
器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はロースターを備える
キッチン等への据え置き型の誘導加熱調理器に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の誘導加熱調理器の構成は、
図１１の斜視図に示すように、キッチンにあるキャビネ
ット１の上に載置されて使用するものである。本体外郭
天面と前面を除く外郭近傍は、キッチンのキャビネット
１によって囲まれている。前記誘導加熱調理器は、箱状
の本体２の外郭底面に本体２を支持する脚部３を有し、
外郭天面にはトッププレート４が設けられ、前記トップ
プレート４の下部に、１組の誘導加熱コイル５、６を略
対称形左右に設置し、その下方前側に冷却ファン７，
８、下方後側に駆動回路基板９，１０を備え、前記誘導
加熱コイル５，６と個々に対応している。冷却ファン
７，８の下部に吸気口１１，１２を有している。そし
て、本体背面に排気口１３を設ける構成としている。

【０００３】個々の誘導加熱コイル５，６および駆動回
路基板９，１０が個々の冷却ファン７，８によって冷却
されるので非常に効率的に本体内の冷却が実現できるも
のであった。また、本体内の冷却風の流れを図１２の概
略図に示す。本体底面に設けられた吸気口１１，１２か
ら脚３によって確保されたキャビネット１と本体底面の
空間より外気を吸入する（吸気風の流れ：１４）。吸気
口１１，１２より吸入された外気は誘導加熱コイル５，
６および駆動回路基板９，１０を冷却して（本体内部の
冷却風の流れ：１５）、本体背面に設けられた排気口１
３より外部へ排出される（本体冷却風の排気の流れ：１
６）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしこのような構成
の誘導加熱調理器は、２個の誘導加熱コイル５，６およ
び駆動回路基板９，１０に対して、２個の冷却ファン
７，８が必要になるためコスト的にも高くなり、また、
キャビネット１上に設置して使用するためキッチンの壁
面に本体背面に設けられた排気口１３から排出された風
が当たり、その一部は底面の吸気口１１、１２に回り込
み、比較的高温の排気を吸気口１１、１２から再吸入し
てしまい、冷却性能に影響を与えてしまう。また、本体
２にはロースター機能が付いておらず、キッチンでロー
スター調理を行う場合、ロースター機能を備えた別の調
理器が必要となり、そのために調理スペースを確保しな
ければいけなかった。

【０００５】その上、本体底面前方に誘導加熱コイル
５，６および駆動回路基板９，１０の冷却に必要な外気
を取り込む吸気口１１，１２を設けているため、現構成
のままではロースターを設置することができず、さら
に、キッチンに設置するための本体の幅および高さ寸法
が決まっているので、構成上十分な庫内広さのロースタ
ーを備えた誘導加熱調理器を提供することは困難であっ
た。本発明はこれら上記課題を解決することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、本体内に誘導加熱コイルと駆動回路と冷却
ファンを備えたものにおいて、本体内に十分な広さを有
するロースターを具備すると共に、吸気口の位置および
形状を改良することにより冷却性能の効率を向上させ、
かつ溢水対策および騒音低減の効果を備えた据え置き型
の誘導加熱調理器を提供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
本体を支持する脚部と、天面に設けられた被加熱調理器
具を載置するトッププレートと、前記トッププレートの
下部に設けられた複数の誘導加熱コイルと、前記複数の
誘導加熱コイルより下方にあるロースターと、通電を制
御する駆動回路と、前記駆動回路を冷却するための冷却
ファンとを有し、前記ロースターが位置する側の本体上
面にロースター排気口と本体冷却用の冷却風を排出する
排気口を設け、前記各排気口から熱気及び煙が排出され
る排気方向と本体背面に設けられた吸気口から吸引する
吸気方向が同一方向ではなく、本体背面に設けた吸気口
にルーバーを設けると共に、前記ルーバーを本体背面よ
りも外側に突出させ、かつルーバーの開口部はロースタ
ーが位置する方向には向けない誘導加熱調理器とするこ
とで、各々の排気口から排出される熱気及び煙を吸気口
に設けたルーバーにより再吸入し難くし、新鮮な外気を
スムーズに吸引することができ、冷却性能をさらに上げ
ることができる。また、トッププレートに載置した調理
容器から液体がこぼれ、天面から背面へと垂れてくる液
体や本体背面と対向する壁に勢い良く水がかかったとき
に生じる壁面からの液体の跳ね返りによる内部への侵入
を防止することができる。また、ルーバーが遮音壁の役
目を果たすため調理中に使用者が感じる騒音を低減する
ことができる。その他、背面を何らかの理由で対向する
壁面に近接して設置された場合、ルーバーの突出部によ
って確保された空間により吸気口は完全に遮蔽されるこ
となく使用することができるため、吸気口を全て遮蔽さ
れて機器内の駆動回路の温度上昇により、すぐに壊れて
しまうこともない。

【０００８】本発明の請求項２記載の発明は、本体背面
の吸気口に設けたルーバーの開口部を本体背面よりも内
側に突出させ、かつ開口部を上方に向けた構成とするこ
とで、請求項１記載の発明の効果よりも本体内部への液
体の侵入をより確実に防止することができ、開口面積も
大きく取ることができる。また、背面の吸気口部に突出
部がないため外観上もすっきりしている。

【０００９】本発明の請求項３記載の発明は、本体を支
持する脚部と、天面に被加熱調理器具を載置するトップ
プレートと、前記トッププレートの下部に設けられた複
数の誘導加熱コイルと、前記複数の誘導加熱コイルより
下方に設けられたロースターと、通電を制御する駆動回
路と、前記駆動回路と本体背面との間に本体内部を冷却
するための冷却ファンとを有し、前記ロースターが位置
する側の本体上面にロースター排気口と本体冷却用の冷
却風を排出する排気口を設け、前記ロースターが位置す
る側とは反対側の本体背面に本体冷却用の第１の吸気口
を設け、本体外郭底面後方に第２の吸気口を設け、前記
第２の吸気口を冷却ファンの位置よりも後方に設ける構
成としたことにより、吸気口から侵入した液体を冷却フ
ァンから遠ざけることで冷却ファンの吸引力によって吸
い込みにくくすることができる。また、本体が設置され
るキャビネット上に堆積する粉塵を直接吸い込み難くす
ることができる。

【００１０】本発明の請求項４記載の発明は、本体外郭
底面後方に設けた第２の吸気口は、開口部の一部が本体
外郭底面よりも突出した傾斜部を備え、前記傾斜部はロ
ースターが位置する方向に傾斜していない構成とするこ
とで、ロースターが位置する底面の比較的熱くなった外
気を吸い込みにくくし、また第２の吸気口は本体内部に
侵入した液体を傾斜に沿ってスムーズに外部へ排出する
水抜き作用を兼ね備えたものとなり、吸気通路を狭める
ことがないので、圧力損失により冷却ファンの性能が低
下して冷却性能に影響を与えることもない。

【００１１】本発明の請求項５記載の発明は、本体外郭
底面後方に設けた第２の吸気口と冷却ファンとの間に位
置し、本体外郭底面から外側に突出した凸溝を備え、か
つ前記凸溝には水抜き穴を設けた構成とすることで、内
側に突出させるよりも吸気通路を狭めることなく、本体
内部に侵入した液体を凸溝に誘い込むことができ、また
凸溝に設けた穴から外部へ排出することができる。さら
に、底面の外側に突出しているため、接地面と脚との間
の空間を狭めて、底面に設けた第２の吸気口から吸い込
まれる熱気の侵入を防止することができる。

【００１２】

【実施例】（実施例１）以下に本発明の実施例１につい
て図１、図２および図３を参照して説明する。図１は本
発明の据え置き型誘導加熱調理器本体をキッチンのキャ
ビネットに設置した状態の斜視図を示し、図２はロース
ター庫内排気および本体内の冷却風の流れの概略図、図
３に本体背面に設けた吸気口付近断面の概略図を示す。

【００１３】図１において、箱状の本体２１は、上面に
トッププレート２２が載置され、トッププレート２２の
下部には、２個の誘導加熱コイルが本体２１の略中央よ
り左側に左誘導加熱コイル２３、右側に右誘導加熱コイ
ル２４が配置されている。ロースター部２５は左誘導加
熱コイル２３の下方に設けられている。本体２１の高さ
寸法が制限されているため、ロースター部２５を配置し
ている本体左側の上部は、遮熱隔壁２６を介して、限ら
れた空間内に左誘導加熱コイル２３のみが配設されてい
る。ロースター部２５庫内の排気は、本体２１の上面後
方に開口部（ａ）２７を設けており、そこから排気され
る。ロースター部庫内から開口部（ａ）２７までは、ロ
ースター部２５庫内後方より排気ダクト２８を介して連
結している。右誘導加熱コイル２４の下方前方には、左
右の誘導加熱コイル各々に対応した駆動回路基板２９，
３０が積層構造を構成するようになっている。さらに、
その後方には積層された駆動回路基板２９、３０を同時
に冷却することのできる１個の冷却ファン３１があり、
その上側に冷却ファン３１を駆動する冷却ファンモータ
ー３２が取り付けられ、吸気ファンケース３３によって
覆われている。

【００１４】さらに、本体２１の外郭背面には吸気口３
４を設けており、図３に示すように開口部を下方に向け
たルーバー３５が設けられている。吸気口３４は吸気フ
ァンケース３３とつながっている。吸気ファンケース３
３の吐出口３３−ａより送風される冷却風は、積層構造
に配置された駆動回路基板２９，３０および左右の誘導
加熱コイル２３，２４を冷却し、遮熱隔壁２６の上面を
通過して、本体外郭後部上面に設けられた開口部（ａ）
２７よりロースター庫内の排気と共に排出される。以上
のように本体２１は、全体が外郭により一体化され、外
郭の底に設けられた脚部３６によって支持され、キッチ
ンのキャビネット３７に載置され、本体外郭の天面と前
面を除く外郭はキッチンのキャビネット３７によって囲
まれる構成となっている。

【００１５】次に、本実施例の作用について図２を参照
して説明する。左右の誘導加熱コイル２３，２４および
ロースター部２５を使用する全ての組み合わせの場合に
おいて、冷却ファンモーター３２は通電され、冷却ファ
ンモーター３２の駆動により冷却ファン３１が回転する
と冷却ファン３１の送風作用により、外部の空気（吸気
風の流れ：３８）が吸気口３４より吸入され吸気ファン
ケース３３の吐出口３３−ａより、前方にある積層構造
に配置されている駆動回路基板２９，３０を冷却しなが
ら本体内を流れ（本体内部の冷却風の流れ：３９）、遮
熱隔壁２６の上面を通過して本体外郭後部上面の開口部
（ａ）２７より排気される。（本体冷却風の排気の流
れ：４０）。この時ロースター部２５庫内の排気も本体
後方上面にある開口部（ａ）２７から一緒に排気される
（ロースター庫内の排気の流れ：４１）。

【００１６】この結果、ロースター部２５庫内の排気と
本体内の冷却に使用した比較的高温となった排気をまと
めて本体上面の開口部（ａ）２７から熱気及び煙が排出
される排気方向と吸気口から吸引する吸気方向が同一方
向ではないため、本体内の冷却により比較的温度が高く
なった排気を再度吸気口３４から取り込むことを防ぎ、
常に新鮮な外気を吸入することができるため、本体内部
の冷却性能を低下させることなく使用することができ、
また図３に示すようにさらに、ルーバー３５を設けたこ
とで前述の効果をさらに高めることができる。また、熱
気を再吸入しにくいので、本体内部が熱気による温度上
昇で保護装置が動作することもない。さらに、トッププ
レート２２上で水がこぼれたときに背面をつたう水４２
の本体内への浸入もルーバー３５の効果によって容易に
は起こらない。また、背面と対向する壁面からの跳ね返
りの水４３が内部に侵入するのを防止することができ
る。

【００１７】その他、さらにルーバー３５が遮音壁の役
目を果たし、従来よりも使用者が感じる騒音を低減する
ことができ、また排気口の開口部（ａ）２７以外は、上
面はフラットになっており、そのため調理スペースを広
げることができ、そのため調理中において吸気口３４を
うっかり遮蔽してしまうこともない。また、背面を何ら
かの理由で対向するキャビネット３７の壁面に近接して
設置された場合でも、ルーバー３５の突出部によって確
保された空間により吸気口３４は完全に遮蔽されること
なく、安全に使用することができる。

【００１８】本発明は上記に示した実施例にのみ限定さ
れるものではなく、駆動回路基板が１つ、または誘導加
熱コイルや駆動回路基板を３個以上用いても良く、また
ロースター排気口の開口部が上面以外の場所にあって
も、吸気口から外気を吸引する吸気方向が排気口から熱
気や煙が排出される方向と同一方向でなければ構わな
い。

【００１９】さらに、ルーバーの開口方向はロースター
が位置する方向とは反対方向でも同様の効果が得られ
る。

【００２０】（実施例２）以下に本発明の第２の実施例
について図４および図５を参照して説明する。図４は本
発明の据え置き型誘導加熱調理器本体をキッチンのキャ
ビネットに設置した状態の斜視図を示し、図５は本体背
面に設けた吸気口付近断面の概略図を示す。図４におい
て、本体５１、トッププレート５２、左誘導加熱コイル
５３、右誘導加熱コイル５４、ロースター部５５、遮熱
隔壁５６、開口部（ａ）５７、排気ダクト５８、駆動回
路基板５９，６０、冷却ファン６１、冷却ファンモータ
ー６２、吸気ファンケース６３、吐出口６３−ａ、脚６
５、キャビネット６６は前記実施例１と同様の構成であ
る。前記実施例１と異なるのは、図５に示すように本体
背面の左右両端に背面とキャビネット６６の外壁との空
間を確保するためのスペーサー６７と吸気口６４のルー
バー６８が内部へ突出している点である。本実施例にお
ける本体内の冷却風の流れは、実施例１と同様であるの
で省略する。

【００２１】この構成では次のような効果が得られる。
トッププレート５２上で水がこぼれたときに外郭背面を
つたう水６９や、外郭背面と対向する壁面からの跳ね返
りによる水７０が内部に侵入するのを実施例１の構成よ
りもさらに確実に防止することができる。また、背面の
吸気口部６４に突出部がないため外郭もすっきりしてお
り、スペーサー６７が背面両端に設けられていることよ
り、吸気口６４が完全に遮蔽されることなく吸気口付近
のスペースを確保することができる。その他、実施例１
と同様に調理中に使用者が感じる騒音も低減することが
できる。

【００２２】（実施例３）以下に本発明の第３の実施例
について図６、図７および図８を参照して説明する。図
６は本発明の据え置き型誘導加熱調理器本体をキッチン
のキャビネットに設置した状態の斜視図を示し、図７は
ロースター庫内の排気および本体内の冷却風の流れの概
略図を示す。図８は、本体背面に設けた吸気口付近断面
の概略図を示す。

【００２３】図６において、本体７１、トッププレート
７２、左誘導加熱コイル７３、右誘導加熱コイル７４、
ロースター部７５、遮熱隔壁７６、開口部（ａ）７７、
排気ダクト７８、駆動回路基板７９，８０、冷却ファン
８１、冷却ファンモーター８２、吸気ファンケース８
３、吐出口８３−ａ、脚８５、キャビネット８６は実施
例１と同様の構成である。実施例１と異なるのは、図８
に示すように、本体背面に第１の吸気口８４−ａと本体
外郭底面後方に第２の吸気口８４−ｂを備え、前記第１
の吸気口８４−ａと第２の吸気口８４−ｂは、吸気ファ
ンケース８３とつながっており、前記第２の吸気口８４
−ｂの位置を冷却ファン８１よりも後方に設けた構成と
している点である。

【００２４】本実施例における本体内の冷却風の流れを
図７に示す。第１の吸気口８４−ａより吸入される外気
（第１の吸気口からの吸気風の流れ：８７−ａ）、と第
２の吸気口８４−ｂより吸入される外気（第２の吸気口
からの吸気風の流れ：８７−ｂ）は、吐出口８３−ａよ
り一緒に排出され、積層構造に配置された駆動回路基板
７９，８０および左右の誘導加熱コイル７３，７４を冷
却し（本体内部の冷却風の流れ：８８）、遮熱隔壁５６
の上面を通過して本体外郭後部の開口部（ａ）７７より
排出される（本体冷却風の排気の流れ：８９−ａ）。こ
の時、ロースター庫内の排気も開口部（ａ）７７から一
緒に排出される（ロースター庫内の排気の流れ：８９−
ｂ）。

【００２５】このような構成では次のような効果が得ら
れる。図８に示すように第１の吸気口８４−ａから水や
異物が侵入しても冷却ファンから遠ざけることで冷却フ
ァンの吸引力によって吸い込みにくくすることができ
る。また、本体が設置されるキャビネット上に堆積する
粉塵を直接吸い込みにくくすることにより、ファンモー
ターに粉塵などが付着して動作不良をおこすことなく調
理器本体の信頼性を高めることができる。

【００２６】本発明は上記に示した実施例にのみ限定さ
れるものではなく、第２の吸気口が底面前方にあっても
構わない。

【００２７】（実施例４）本発明の実施例４について
は、図９に本体外郭底面に設けた第２の吸気口付近断面
の概略図を示す。図９において、本体９１、トッププレ
ート９２、冷却ファン９３、冷却ファンモーター９４、
吸気ファンケース９５、吐出口９５−ａ、第１の吸気口
９６−ａ、脚部９７、キャビネット９８は実施例３と同
様であり、その他の構成も実施例３の図６と同様であ
る。実施例３と異なるのは第２の吸気口９６−ｂにおい
て、開口部の一部が傾斜している構成となっている点で
ある。ロースター庫内の排気及び本体内の冷却風の流れ
は実施例３の図７と同様なので省略する。

【００２８】このような構成では次のような効果が得ら
れる。キッチンのキャビネット９８に設置する場合に、
本体背面に設けられた第１の吸気口９６−ａを何らかの
理由で遮蔽されても本体外郭底面後方にある第２の吸気
口９６−ｂが本体支持用の脚部９７によって空間を確保
しており、吸気口を遮蔽されて機器内の駆動回路の温度
上昇により、すぐに壊れてしまったり、保護装置が働い
てしまったりすることもない。また、第２の吸気口９６
−ｂが何らかの理由で遮蔽されても、同様な効果があ
る。さらに、吸気面積を実施例３よりも大きく取ること
ができるので、冷却ファンへの圧力損失をより少なく
し、外気を効率よく吸い込むことができる。その他、第
１の吸気口９６−ａから水や異物が侵入しても第２の吸
気口９６−ｂの傾斜部を設けた開口部より外部へスムー
ズに排出されるため、容易にファンモーターに吸引され
ることもなく動作不良に対し調理器本体の信頼性を高め
ることのできる誘導加熱調理器を実現することができ
る。

【００２９】（実施例５）本発明の実施例５について
は、図１０に本体外郭底面に設けた第２の吸気口付近断
面の概略図を示す。図１０において、本体１０１、トッ
ププレート１０２、冷却ファン１０３、冷却ファンモー
ター１０４、吸気ファンケース１０５、吐出口１０５−
ａ、第１の吸気口１０６−ａ、第２の吸気口１０６−
ｂ、脚部１０７、キャビネット１０８は実施例３と同様
であり、その他の構成も実施例３の図６と同様である。
実施例３と異なる構成は吸気ファンケース１０５の内部
で第２の吸気口１０６−ｂと冷却ファン１０３との間に
凸溝１０９が外郭底面から外側に突出しており、凸溝１
０９には水抜き穴１１０が設けられている点である。ロ
ースター庫内の排気及び本体内の冷却風の流れは実施例
３の図７と同様なので省略する。

【００３０】このような構成では次のような効果が得ら
れる。凸溝１０９を内側に突出させると、吸気通路を狭
めてしまい、冷却ファンへの圧力損失が大きくなり必要
な風量を確保することができないが、本構成において
は、吸気通路を狭めることなく、本体内部に侵入した液
体をファンの吸引力によって底面を移動し、凸溝に誘い
込むことができ、そして凸溝１０９に設けた水抜き穴１
１０から外部へ排出することができる。さらに、底面の
外側に突出しているため、接地面と脚との間の空間を狭
めて、底面に設けた第２の吸気口から吸い込まれる熱気
を侵入し難くすることができる。

【００３１】

【発明の効果】上記に示したように、本発明によれば、
無理なくロースターを本体内に設置することができ、ま
た各々の排気口から排出される熱気及び煙を吸気口に設
けたルーバーにより再吸入し難くし、新鮮な外気をスム
ーズに吸引することができ、冷却性能をさらに上げるこ
とができる。また、トッププレートに載置した調理容器
から液体がこぼれ、天面から背面へと垂れてくる液体や
本体背面と対向する壁に勢い良く水がかかったときに生
じる壁面からの液体の跳ね返りによる内部への侵入を防
止することができる。また、ルーバーが遮音壁の役目を
果たすため調理中に使用者が感じる騒音を低減すること
ができる。その他、背面を何らかの理由で対向する壁面
に近接して設置された場合、ルーバーの突出部によって
確保された空間により吸気口は遮蔽されることなく使用
することができるため、吸気口を全て遮蔽されて機器内
の駆動回路の温度上昇により、すぐに壊れてしまうこと
もない。

【００３２】また、請求項３記載の発明によれば、吸気
口から侵入した液体を冷却ファンから遠ざけることで吸
引力によって吸い込みにくくすることができる。また、
本体が設置されるキャビネット上に堆積する粉塵を直接
吸い込み難くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１におけるキャビネット設置時
の誘導加熱調理器の分解斜視図

【図２】本発明の実施例１における誘導加熱調理器のロ
ースター庫内の排気及び本体内の冷却風の流れの概略図

【図３】本発明の実施例１における誘導加熱調理器の本
体背面に設けた吸気口付近断面の概略図

【図４】本発明の実施例２におけるキャビネット設置時
の誘導加熱調理器の斜視図

【図５】本発明の実施例２における誘導加熱調理器の本
体背面に設けた吸気口付近断面の概略図

【図６】本発明の実施例３におけるキャビネット設置時
の誘導加熱調理器の斜視図

【図７】本発明の実施例３における誘導加熱調理器のロ
ースター庫内の排気及び本体内の冷却風の流れの概略図

【図８】本発明の実施例３における誘導加熱調理器の本
体背面に設けた吸気口付近断面の概略図

【図９】本発明の実施例４における誘導加熱調理器の本
体外郭底面に設けた第２の吸気口付近断面の概略図

【図１０】本発明の実施例５における誘導加熱調理器の
本体外郭底面に設けた第２の吸気口付近断面の概略図

【図１１】従来例のキャビネット設置時の誘導加熱調理
器の分解斜視図

【図１２】従来例における本体内の冷却風の流れの概略
図

【符号の説明】

２、２１、５１、７１、９１、１０１ 本体 ３、３６、６５、８５、９７、１０７ 脚部 ４、２２、５２、７２、９２、１０２ トッププレート ５、６、２３、２４、５３、５４、７３、７４ 誘導加
熱コイル ７、８、３１、６１、８１、９３、１０３ 冷却ファン ９、１０、 ２９，３０、５９、６０、７９、８０ 駆
動回路基板 １１、１２、３４、６４ 吸気口 １３ 排気口 ２５、５５、７５ ロースター部 ２６、５６、７６ 遮熱隔壁 ２７、５７、７７ 開口部（ａ） ２８、５８、７８ 排気ダクト ３３−ａ、６３−ａ、８３−ａ、９５−ａ、１０５−ａ
吐出口 ８４−ａ、９６−ａ、１０６−ａ 第１の吸気口 ８４−ｂ、９６−ｂ、１０６−ｂ 第２の吸気口 ３５、６８ ルーバー １０９ 凸溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 和一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3K051 AA08 AB03 AB09 AB10 AB12 AD37 CD43 4B040 AA03 AB02 AC02 AD04 AE13 CA05

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体を支持する脚部と、天面に設けられ
   た被加熱調理器具を載置するトッププレートと、前記ト
   ッププレートの下部に設けられた複数の誘導加熱コイル
   と、前記複数の誘導加熱コイルより下方にあるロースタ
   ーと、通電を制御する駆動回路と、前記駆動回路を冷却
   するための冷却ファンとを有し、前記ロースターが位置
   する側の本体上面にロースター排気口と本体冷却用の冷
   却風を排出する排気口を設け、前記各排気口から熱気及
   び煙が排出される排気方向と本体背面に設けられた吸気
   口から吸引する吸気方向が同一方向ではなく、本体背面
   に設けた吸気口にルーバーを設けると共に、前記ルーバ
   ーを本体背面よりも外側に突出させ、かつルーバーの開
   口部はロースターが位置する方向には向けない誘導加熱
   調理器。
2. 【請求項２】 本体背面の吸気口に設けたルーバーの開
   口部を本体背面よりも内側に突出させ、かつ開口部を上
   方に向けた構成の請求項１記載の誘導加熱調理器。
3. 【請求項３】 本体を支持する脚部と、天面に被加熱調
   理器具を載置するトッププレートと、前記トッププレー
   トの下部に設けられた複数の誘導加熱コイルと、前記複
   数の誘導加熱コイルより下方に設けられたロースター
   と、通電を制御する駆動回路と、前記駆動回路と本体背
   面との間に本体内部を冷却するための冷却ファンとを有
   し、前記ロースターが位置する側の本体上面にロースタ
   ー排気口と本体冷却用の冷却風を排出する排気口を設
   け、前記ロースターが位置する側とは反対側の本体背面
   に本体冷却用の第１の吸気口を設け、本体外郭底面後方
   に第２の吸気口を設け、前記第２の吸気口を冷却ファン
   の位置よりも後方に設けた誘導加熱調理器。
4. 【請求項４】 本体底面後方に設けた第２の吸気口は、
   開口部の一部が本体外郭底面よりも突出した傾斜部を備
   え、前記傾斜部はロースターが位置する方向に傾斜して
   いない請求項３記載の誘導加熱調理器。
5. 【請求項５】 本体底面後方に設けた第２の吸気口と冷
   却ファンとの間に位置し、本体底面から外側に突出した
   凸溝を備え、かつ前記凸溝には水抜き穴を設けた請求項
   ３記載の誘導加熱調理器。