JP2001322955A - 2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 - Google Patents
2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法Info
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロ
ペンを工業的規模で安全かつ簡便に製造し得る方法を提
供すること。 【解決手段】 1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロパンとアルカリ金属水酸化物とを水を溶媒と
して30〜130℃で反応させ、2−ブロモ−3,3,
3−トリフルオロプロペンを製造する。
ペンを工業的規模で安全かつ簡便に製造し得る方法を提
供すること。 【解決手段】 1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロパンとアルカリ金属水酸化物とを水を溶媒と
して30〜130℃で反応させ、2−ブロモ−3,3,
3−トリフルオロプロペンを製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品及び農薬な
どの各種含フッ素化合物の中間原料として有用な物質で
ある2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの
製造方法に関するものである。
どの各種含フッ素化合物の中間原料として有用な物質で
ある2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでに提案されている2−ブロモ−
3,3,3−トリフルオロプロペンの製法としては、下
記及びの方法などが知られている。 粒状の水酸化カリウムと、1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパンとを反応させる方法(J.
Org. Chem., 33, 280, 1968.)。 エタノール溶液中、水酸化カリウムと1,2−ジブロ
モ−3,3,3−トリフルオロプロパンとを反応させる
方法(J. Chem. Soc., 3483-90, 1952)。しかしなが
ら、これらの方法は、少量を取り扱う際には問題は少な
いものの、取り扱い量が増加すると、操作あるいは設備
の面で多くの問題が生じ、工業的に好ましい製法ではな
いのが現状である。
3,3,3−トリフルオロプロペンの製法としては、下
記及びの方法などが知られている。 粒状の水酸化カリウムと、1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパンとを反応させる方法(J.
Org. Chem., 33, 280, 1968.)。 エタノール溶液中、水酸化カリウムと1,2−ジブロ
モ−3,3,3−トリフルオロプロパンとを反応させる
方法(J. Chem. Soc., 3483-90, 1952)。しかしなが
ら、これらの方法は、少量を取り扱う際には問題は少な
いものの、取り扱い量が増加すると、操作あるいは設備
の面で多くの問題が生じ、工業的に好ましい製法ではな
いのが現状である。
【0003】即ち、上記の方法では、粒状の水酸化カ
リウムを用いた固−液系反応であるため、接触効率の悪
い不均一な反応であり、また反応をコントロールするこ
とが難しく、原料の1,2−ジブロモ−3,3,3−ト
リフルオロプロパンに対し過剰量の水酸化カリウムを使
用することと、反応時間に12時間以上を要するという
問題がある。また、反応中に粒状の水酸化カリウムが反
応器や撹拌バネなどに付着するため、その付着分がロス
し、さらには副生した臭化カリウムなどの塩も固形物と
して付着するため、撹拌器の故障を起こすことがあり、
工業上好ましい製法ではない。
リウムを用いた固−液系反応であるため、接触効率の悪
い不均一な反応であり、また反応をコントロールするこ
とが難しく、原料の1,2−ジブロモ−3,3,3−ト
リフルオロプロパンに対し過剰量の水酸化カリウムを使
用することと、反応時間に12時間以上を要するという
問題がある。また、反応中に粒状の水酸化カリウムが反
応器や撹拌バネなどに付着するため、その付着分がロス
し、さらには副生した臭化カリウムなどの塩も固形物と
して付着するため、撹拌器の故障を起こすことがあり、
工業上好ましい製法ではない。
【0004】上記の方法では、比較的高価で可燃性の
エタノールを溶媒に使用するため、経済面安全面での問
題がある。また、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパンを−5℃程度にまで冷却して反応させ
る都合上、特別な冷却設備を必要とする。さらに、反応
終了後の精製工程には蒸留工程の前処理として、副生す
る臭化カリウム及びエタノールを除去するための水洗工
程も必要となり、そしてエタノールを含む廃液が出ると
いった問題がある。これらの理由により、この方法も工
業的に好ましい製法ではない。以上のように、2−ブロ
モ−3,3,3−トリフルオロプロペンの実用的な工業
的合成方法については、満足のいく方法が見当たらない
のが実状である。
エタノールを溶媒に使用するため、経済面安全面での問
題がある。また、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパンを−5℃程度にまで冷却して反応させ
る都合上、特別な冷却設備を必要とする。さらに、反応
終了後の精製工程には蒸留工程の前処理として、副生す
る臭化カリウム及びエタノールを除去するための水洗工
程も必要となり、そしてエタノールを含む廃液が出ると
いった問題がある。これらの理由により、この方法も工
業的に好ましい製法ではない。以上のように、2−ブロ
モ−3,3,3−トリフルオロプロペンの実用的な工業
的合成方法については、満足のいく方法が見当たらない
のが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記及びの従来方法の問題点を解決し、2−ブ
ロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを工業的規模
で安全かつ簡便に製造し得る方法を提供することにあ
る。
は、上記及びの従来方法の問題点を解決し、2−ブ
ロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを工業的規模
で安全かつ簡便に製造し得る方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、1,2−ジブ
ロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンとアルカリ金
属水酸化物とを水を溶媒として30〜130℃で反応さ
せることを特徴とする2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペンの製造方法を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
ロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンとアルカリ金
属水酸化物とを水を溶媒として30〜130℃で反応さ
せることを特徴とする2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペンの製造方法を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の2−ブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロペンの製造方法について詳述
する。
3,3−トリフルオロプロペンの製造方法について詳述
する。
【0008】本発明の2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペンの製造方法は、具体的には、アルカリ金
属水酸化物の水溶液を30〜130℃に加熱し撹拌しな
がら、該水溶液に1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパンを滴下して反応させつつ蒸留精製する
ことにより、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプ
ロペンを得る方法により実施するのが好ましい。本発明
の方法における反応式は、次のように示される。 CF3CHBrCH2Br + MOH → CF3CBr=CH2 + MBr + H2
O (式中、Mはアルカリ金属を表わす。)
ルオロプロペンの製造方法は、具体的には、アルカリ金
属水酸化物の水溶液を30〜130℃に加熱し撹拌しな
がら、該水溶液に1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパンを滴下して反応させつつ蒸留精製する
ことにより、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプ
ロペンを得る方法により実施するのが好ましい。本発明
の方法における反応式は、次のように示される。 CF3CHBrCH2Br + MOH → CF3CBr=CH2 + MBr + H2
O (式中、Mはアルカリ金属を表わす。)
【0009】本発明の反応に使用するアルカリ金属水酸
化物としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
が使用可能である。本発明の方法は、反応に使用するア
ルカリ金属水酸化物の水溶液濃度が、飽和溶解度以下の
濃度範囲で行うことができるが、高濃度では粘性が高く
なるため撹拌が困難であり、低濃度では反応時間が長い
上に廃液が多くなるため、上記アルカリ金属水酸化物の
水溶液濃度は、5〜30重量%が好ましい。
化物としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム
が使用可能である。本発明の方法は、反応に使用するア
ルカリ金属水酸化物の水溶液濃度が、飽和溶解度以下の
濃度範囲で行うことができるが、高濃度では粘性が高く
なるため撹拌が困難であり、低濃度では反応時間が長い
上に廃液が多くなるため、上記アルカリ金属水酸化物の
水溶液濃度は、5〜30重量%が好ましい。
【0010】また、本発明の方法は、反応に使用するア
ルカリ金属水酸化物の使用量が、1,2−ジブロモ−
3,3,3−トリフルオロプロパンに対して1.0当量
以上で行うことが可能であるが、1.2当量を超えて使
用しても、未反応のアルカリ金属水酸化物が増加するだ
けで、その使用量に見合う収率の向上ないしは反応時間
の短縮といった効果が得られない。従って、上記アルカ
リ金属水酸化物の使用量は、1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパンに対して1.0〜1.2
当量が好ましい。
ルカリ金属水酸化物の使用量が、1,2−ジブロモ−
3,3,3−トリフルオロプロパンに対して1.0当量
以上で行うことが可能であるが、1.2当量を超えて使
用しても、未反応のアルカリ金属水酸化物が増加するだ
けで、その使用量に見合う収率の向上ないしは反応時間
の短縮といった効果が得られない。従って、上記アルカ
リ金属水酸化物の使用量は、1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパンに対して1.0〜1.2
当量が好ましい。
【0011】反応は、30〜130℃の温度範囲で行う
ことが可能であるが、低温では反応時間が長く、高温で
は反応が激しいため、40〜90℃の温度範囲で行うこ
とが好ましい。また、本反応の好ましい態様は液−液の
二層系反応であるが、攪拌速度は適宜実施し得る。ま
た、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロ
パン(またはアルカリ水溶液)の滴下は、定量ポンプま
たは滴下漏斗等を使用し、時間当り500g〜3.0k
gの範囲の滴下速度で行うことが好ましい。滴下速度が
遅ければ反応時間が長くなり、滴下速度が速ければ生成
した2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの
蒸気圧により反応器内圧が上昇する。また、生成物の蒸
留精製は、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオ
ロプロパンの滴下を行いながら、蒸留塔上部温度が33
〜34℃を維持するように、留出量を制御することによ
り、純度99.0%以上の2−ブロモ−3,3,3−ト
リフルオロプロペンを得ることが可能である。
ことが可能であるが、低温では反応時間が長く、高温で
は反応が激しいため、40〜90℃の温度範囲で行うこ
とが好ましい。また、本反応の好ましい態様は液−液の
二層系反応であるが、攪拌速度は適宜実施し得る。ま
た、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロ
パン(またはアルカリ水溶液)の滴下は、定量ポンプま
たは滴下漏斗等を使用し、時間当り500g〜3.0k
gの範囲の滴下速度で行うことが好ましい。滴下速度が
遅ければ反応時間が長くなり、滴下速度が速ければ生成
した2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの
蒸気圧により反応器内圧が上昇する。また、生成物の蒸
留精製は、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオ
ロプロパンの滴下を行いながら、蒸留塔上部温度が33
〜34℃を維持するように、留出量を制御することによ
り、純度99.0%以上の2−ブロモ−3,3,3−ト
リフルオロプロペンを得ることが可能である。
【0012】尚、上記の実施形態では、30〜130℃
に加熱し撹拌しているアルカリ金属水酸化物の水溶液に
1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン
を滴下して反応させているが、本発明の方法は、30〜
130℃に加熱し撹拌している1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパンにアルカリ金属水酸化物
の水溶液を滴下して反応させてもよい。また、アルカリ
金属水酸化物の水溶液と1,2−ジブロモ−3,3,3
−トリフルオロプロパンとの全量を反応器内に投入し、
30〜130℃に加熱し撹拌して反応させてもよい。
に加熱し撹拌しているアルカリ金属水酸化物の水溶液に
1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン
を滴下して反応させているが、本発明の方法は、30〜
130℃に加熱し撹拌している1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパンにアルカリ金属水酸化物
の水溶液を滴下して反応させてもよい。また、アルカリ
金属水酸化物の水溶液と1,2−ジブロモ−3,3,3
−トリフルオロプロパンとの全量を反応器内に投入し、
30〜130℃に加熱し撹拌して反応させてもよい。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。
【0014】〔実施例1〕還流器を付した蒸留塔を取り
付けた1L容のフラスコに20重量%水酸化ナトリウム
水溶液120g(0.60mol)を入れ、80℃に加
熱撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパン128g(0.50mol)を1時間
かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸留は蒸
留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を制御し
ながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフル
オロプロペン86g(収率98%)を得た。得られた物
質の物性値は以下の通りであった。1 H−NMR(CDCl3):δ6.01〜6.06
(m,1H)、δ6.48〜6.52(m,1H)19 F−NMR(CDCl3):δ−68.9(s) また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなか
った。
付けた1L容のフラスコに20重量%水酸化ナトリウム
水溶液120g(0.60mol)を入れ、80℃に加
熱撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパン128g(0.50mol)を1時間
かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸留は蒸
留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を制御し
ながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフル
オロプロペン86g(収率98%)を得た。得られた物
質の物性値は以下の通りであった。1 H−NMR(CDCl3):δ6.01〜6.06
(m,1H)、δ6.48〜6.52(m,1H)19 F−NMR(CDCl3):δ−68.9(s) また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなか
った。
【0015】〔実施例2〕1,2−ジブロモ−3,3,
3−トリフルオロプロパン128g(0.50mol)
及び20重量%水酸化ナトリウム水溶液120g(0.
60mol)を1L容のフラスコに秤り取り、80℃で
加熱撹拌を6時間行った。反応終了後、生成物を蒸留す
ることにより、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペン85g(収率97%)を得た。また、反
応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなかった。
3−トリフルオロプロパン128g(0.50mol)
及び20重量%水酸化ナトリウム水溶液120g(0.
60mol)を1L容のフラスコに秤り取り、80℃で
加熱撹拌を6時間行った。反応終了後、生成物を蒸留す
ることにより、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペン85g(収率97%)を得た。また、反
応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなかった。
【0016】〔実施例3〕還流器を付した蒸留塔を取り
付けた2L容のフラスコに5重量%水酸化ナトリウム水
溶液480g(0.60mol)を入れ、40℃に加熱
撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロパン128g(0.50mol)を1時間か
けて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸留は蒸留
塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を制御しな
がら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオ
ロプロペン85g(収率97%)を得た。また、反応終
了時、反応液水層部に沈降物は見られなかった。
付けた2L容のフラスコに5重量%水酸化ナトリウム水
溶液480g(0.60mol)を入れ、40℃に加熱
撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロパン128g(0.50mol)を1時間か
けて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸留は蒸留
塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を制御しな
がら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオ
ロプロペン85g(収率97%)を得た。また、反応終
了時、反応液水層部に沈降物は見られなかった。
【0017】〔実施例4〕還流器を付した蒸留塔を取り
付けた40L容のフラスコに20重量%水酸化カリウム
水溶液16.8kg(60mol)を入れ、90℃に加
熱撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパン12.8kg(50mol)を6時間
かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸留は蒸
留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を制御し
ながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフル
オロプロペン8.0kg(収率92%)を得た。また、
反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなかった。
付けた40L容のフラスコに20重量%水酸化カリウム
水溶液16.8kg(60mol)を入れ、90℃に加
熱撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−トリ
フルオロプロパン12.8kg(50mol)を6時間
かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸留は蒸
留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を制御し
ながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−トリフル
オロプロペン8.0kg(収率92%)を得た。また、
反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなかった。
【0018】〔実施例5〕還流器を付した蒸留塔を取り
付けた40L容のフラスコに20重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液22.0kg(110mol)を入れ、80℃
に加熱撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−
トリフルオロプロパン25.6kg(100mol)を
8時間かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸
留は蒸留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を
制御しながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−ト
リフルオロプロペン17.1kg(収率98%)を得
た。また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られ
なかった。
付けた40L容のフラスコに20重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液22.0kg(110mol)を入れ、80℃
に加熱撹拌し、これに1,2−ジブロモ−3,3,3−
トリフルオロプロパン25.6kg(100mol)を
8時間かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。蒸
留は蒸留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量を
制御しながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−ト
リフルオロプロペン17.1kg(収率98%)を得
た。また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られ
なかった。
【0019】〔実施例6〕還流器を付した蒸留塔を取り
付けた40L容のフラスコに1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパン25.6kg(100m
ol)を入れ、80℃に加熱撹拌し、これに20重量%
水酸化ナトリウム水溶液22.0kg(110mol)
を8時間かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。
蒸留は蒸留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量
を制御しながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−
トリフルオロプロペン17.0kg(収率97%)を得
た。また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られ
なかった。
付けた40L容のフラスコに1,2−ジブロモ−3,
3,3−トリフルオロプロパン25.6kg(100m
ol)を入れ、80℃に加熱撹拌し、これに20重量%
水酸化ナトリウム水溶液22.0kg(110mol)
を8時間かけて滴下しながら、生成物の蒸留を行った。
蒸留は蒸留塔上部温度を33〜34℃に維持し、留出量
を制御しながら行い、目的の2−ブロモ−3,3,3−
トリフルオロプロペン17.0kg(収率97%)を得
た。また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られ
なかった。
【0020】〔比較例1〕1,2−ジブロモ−3,3,
3−トリフルオロプロパン128g(0.50mol)
及び20重量%水酸化ナトリウム水溶液120g(0.
60mol)を反応器に秤り取り、25℃で加熱撹拌を
24時間行った。反応終了後、生成物を蒸留することに
より、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン
3g(収率3%)を得た。尚、転化率は4%であった。
また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなか
った。
3−トリフルオロプロパン128g(0.50mol)
及び20重量%水酸化ナトリウム水溶液120g(0.
60mol)を反応器に秤り取り、25℃で加熱撹拌を
24時間行った。反応終了後、生成物を蒸留することに
より、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン
3g(収率3%)を得た。尚、転化率は4%であった。
また、反応終了時、反応液水層部に沈降物は見られなか
った。
【0021】〔比較例2〕2L容のフラスコに、粒状の
水酸化カリウム514g(7.8mol)を反応器に秤
り取り、氷浴下撹拌しながらゆっくりと1,2−ジブロ
モ−3,3,3−トリフルオロプロパン512g(2.
0mol)を滴下した。滴下終了後、氷浴からウォータ
ーバスに取り替え、70℃に加熱撹拌しながら反応させ
た。ところが、反応が始まると器内圧が大幅に上昇し
た。そこで、還流器を付した蒸留塔を取り付け、生成物
の留出を行いながら、反応を続行した。12時間加熱撹
拌後、留出液として、2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペン322g(収率92%)を得た。反応が
始まり1時間しない内に、水酸化カリウムの粒は反応器
に付着し、撹拌しても動かなくなり、反応終了時には、
未反応の水酸化カリウムと副生した臭化カリウムが反応
器下部を中心に付着していた。
水酸化カリウム514g(7.8mol)を反応器に秤
り取り、氷浴下撹拌しながらゆっくりと1,2−ジブロ
モ−3,3,3−トリフルオロプロパン512g(2.
0mol)を滴下した。滴下終了後、氷浴からウォータ
ーバスに取り替え、70℃に加熱撹拌しながら反応させ
た。ところが、反応が始まると器内圧が大幅に上昇し
た。そこで、還流器を付した蒸留塔を取り付け、生成物
の留出を行いながら、反応を続行した。12時間加熱撹
拌後、留出液として、2−ブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロペン322g(収率92%)を得た。反応が
始まり1時間しない内に、水酸化カリウムの粒は反応器
に付着し、撹拌しても動かなくなり、反応終了時には、
未反応の水酸化カリウムと副生した臭化カリウムが反応
器下部を中心に付着していた。
【0022】〔比較例3〕2L容のフラスコに、1,2
−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン512
g(2.0mol)を秤り取り、−5℃に冷却撹拌しな
がらゆっくりと氷冷した水酸化カリウム145g(2.
2mol)のエタノール(300mL)溶液を滴下し
た。滴下終了後、1時間攪拌した後、反応混合液を、希
塩酸(500mL)を用いて酸洗浄及び水(500m
L)を用いて水洗を行い、エタノール及び副生する臭化
カリウムを分液、除去した。さらに、蒸留することによ
り2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン30
4g(収率87%)を得た。
−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン512
g(2.0mol)を秤り取り、−5℃に冷却撹拌しな
がらゆっくりと氷冷した水酸化カリウム145g(2.
2mol)のエタノール(300mL)溶液を滴下し
た。滴下終了後、1時間攪拌した後、反応混合液を、希
塩酸(500mL)を用いて酸洗浄及び水(500m
L)を用いて水洗を行い、エタノール及び副生する臭化
カリウムを分液、除去した。さらに、蒸留することによ
り2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン30
4g(収率87%)を得た。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、2−ブロモ−
3,3,3−トリフルオロプロペンを工業的規模で安全
かつ簡便に製造することができる。
3,3,3−トリフルオロプロペンを工業的規模で安全
かつ簡便に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC13 AD11 BA02 BA29 BB31 BC10 BD20 BD21 4H039 CA29 CG20
Claims (5)
- 【請求項1】 1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフ
ルオロプロパンとアルカリ金属水酸化物とを水を溶媒と
して30〜130℃で反応させることを特徴とする2−
ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方
法。 - 【請求項2】 アルカリ金属水酸化物の水溶液を30〜
130℃に加熱し撹拌しながら、該水溶液に1,2−ジ
ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンを滴下して
反応させつつ蒸留精製することにより、2−ブロモ−
3,3,3−トリフルオロプロペンを得ることを特徴と
する2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの
製造方法。 - 【請求項3】 反応温度が40〜90℃の範囲内である
請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムのいずれかである請求項1また
は2記載の製造方法。 - 【請求項5】 アルカリ金属水酸化物の水溶液濃度が5
〜30重量%である請求項1または2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143022A JP2001322955A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 |
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JP2000143022A JP2001322955A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 |
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JP2001322955A5 JP2001322955A5 (ja) | 2007-04-19 |
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JP2000143022A Pending JP2001322955A (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法 |
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JP (1) | JP2001322955A (ja) |
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-
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- 2000-05-16 JP JP2000143022A patent/JP2001322955A/ja active Pending
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