JP2001253028A - 多層フイルム及び包装体 - Google Patents
多層フイルム及び包装体Info
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Abstract
イル性を有するとともに、シール部の透明性が良好な包
装体が得られる多層フイルム及びその包装体を提供す
る。 【解決手段】 シール層が凝集破壊による易開封性を有
し、その厚みが2〜15μmの範囲であると共に、シー
ル層の隣接層に密度0.88〜0.92g/cm 3のメ
タロセン触媒により重合されたポリエチレン系樹脂層を
配してなる多層フイルム。
Description
空包装において、優れた耐ボイル性を有するとともに、
シール部の透明性が良好な包装体が得られる多層フイル
ム及びその包装体に関する。
る多層フイルムには、易開封性(イージーピール性)が
要求され、さらにボイル処理される用途では、ボイル時
において、変形や層間剥離が生じないこと、及び開封を
容易にするために包装体の端部に設けるフイルムの「開
封キッカケ部」(未シール部分)が融着しないという耐
熱性が要求されている。このような特性を付与するため
に、従来の多層フイルムでは、シール層に耐熱性に優れ
た直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下「LL」とい
う)を主成分としたイージーピール材が使用されてい
る。その多くはLL、ポリプロピレン(以下「PP」と
いう)、ポリブテン−1(以下「PB1」という)、ス
チレン系樹脂を混合した組成物である。
成物からなるイージーピール材はシール時結晶化により
球晶を発達させ易い樹脂であるため、枠シール(パック
品の外周部のシールで、熱板とゴムパッキンにはさみ込
まれて強制的にシールされる部分)および面シール部
(枠シールの内側の部分で、熱板側(蓋材の上側)は真
空、真空ボックス側(底材の下側)は大気解放とするこ
とにより、1気圧の差圧でフイルムを熱板に密着するこ
とによりシールされる部分)の透明性が悪くなるという
欠点がある。またノンボイル用に使用されているイージ
ーピール材をボイル用に使用すると、ボイル前後のイー
ジーピール強度の振れを生じやすく、またイージーピー
ルのキッカケ部が融着してしまうという問題があった。
成形用多層フイルム及び包装体を提供することを目的と
する。
によって達成される。すなわち、シール層が凝集破壊に
よる易開封性を有し、その厚みが2〜15μmの範囲で
あると共に、シール層の隣接層に密度0.88〜0.9
2g/cm3 のメタロセン触媒により重合されたポリエ
チレン系樹脂層を配してなる多層フイルムにある。ここ
で、シール層が、アイオノマー、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、及び
エチレン−メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の樹脂と、PPとを50:50〜8
0:20の比率でブレンドされた樹脂からなること、上
記隣接層が高圧法で重合された低密度ポリエチレンを2
〜30重量%の範囲で添加してなること、シール層にソ
ルビトール系化合物を100〜5000ppmの範囲で
添加してなることを含んでいる。また、シール層、隣接
層以外の他の層をエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物、ポリアミド、ポリプロピレンからなる群から選ばれ
る少なくとも1種の樹脂を配して共押出成形してなるこ
と、最外層側から、12ナイロン又は6ナイロン/接着
性樹脂/6−66ナイロン/エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物/接着性樹脂/隣接層/シール層又は、1
2ナイロン又は6ナイロン/接着性樹脂/エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物/6−66ナイロン/接着性
樹脂/隣接層/シール層の順で積層されてなること、最
外層に二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレン
テレフタレート、及び二軸延伸ポリアミドからなる群か
ら選ばれる樹脂のフイルムをドライラミネートしてなる
ことを含み、さらに、上記の多層フイルムを用い、相手
側のシール材として密度0.91〜0.93g/cm
3 、融点115〜125℃の直鎖状低密度ポリエチレン
樹脂を使用したフイルムシールしてなる包装体を含んで
いる。
本発明において、シール層は凝集破壊タイプのイージー
ピール材でその厚さは2〜15μmであることが必要で
ある。これは2μmより薄いとシール時の温度と圧力に
よりシール層が部分的に流動し押しのけられてしまいシ
ール層に隣接する層がシール面に出てきてしまう可能性
があり、また15μmを越える場合は易開封性が悪くな
り剥離面が毛羽立ち易いためである。特に隣接層が表面
に出てきてしまうと完全にシールされるため、開封性が
極端に悪くなるという問題がある。
よる易開封性を有する樹脂の組合せのものが適宜使用で
きるが、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、及びエチレ
ン−メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれる少な
くとも1種の樹脂と、PPとを50:50〜80:20
の比率でブレンドされた樹脂からなるものが好適に使用
できる。このような樹脂の組合せは透明性の点から好適
であるが、PPの比率が50重量%を越えるとイージー
ピール強度が弱くなってしまい、保管、輸送中に破袋す
る可能性が高くなる。特にパック後にボイル殺菌がある
場合には、破袋がより発生し易い。PPの比率が20重
量%未満の場合は凝集力が十分に低下しないため、イー
ジーピール強度が強く開封性が悪くなり易い。
88〜0.92g/cm3のメタロセン触媒(シングル
サイト触媒)により重合したポリエチレン系樹脂層を配
する必要がある。メタロセン触媒を用いたポリエチレン
系樹脂は分子量分布が狭く、均一性が高いため透明性に
優れているという特徴を有しているためであり、密度が
0.88〜0.92g/cm3の範囲の樹脂を使用する
必要がある。密度が0.88g/cm3未満では耐熱性
が低くシール時のホットタック性(熱間でのシール強
度)およびボイル時の耐熱性に問題が発生する可能性が
高くなる。また、密度が0.92g/cm3を越えるも
のでは、ヒートシール時に結晶化による球晶が作られ易
くなり、透明性が低下するという問題が出てくる。ま
た、シール層に隣接する層に使用する樹脂は、シール層
に使用する樹脂がポリエチレン系樹脂を主成分とする場
合、通常のポリエチレン系樹脂を用いて特に問題はない
が、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、及びエチレン−メ
タクリル酸共重合体である場合は、層間強度を確保する
ためメタロセン触媒により重合したポリエチレン系樹
脂、特に密度0.92g/cm3以下のものを用いるこ
とが好ましい。このような樹脂は強度が強く、また弾性
率が低いため低温での耐ピンホールに優れているという
特徴があり、深絞り包装用のフイルムとして有用であ
る。ここで用いるメタロセン触媒により重合したポリエ
チレン系樹脂は一般にブテン−1、ヘキセン−1、4メ
チルペンテン−1、オクテン−1等のαオレフィンとの
共重合体が主に用いられるが、特に限定されない。
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、及びエチレン−メタクリル酸共重体は、直鎖状
低密度ポリエチレンや、高圧法低密度ポリエチレン等の
通常のポリエチレン系樹脂と共押出しても層間強度が発
現しにくく、隣接しては使用出来なかった。また、上記
アイオノマー等を主成分とするシール層の隣接層とし
て、同様の樹脂やエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用
することは層間強度が出やすいが、隣接層の耐熱性が低
いとボイル処理でのホットタック性が弱くなることと、
原料単価が比較的高いためボイル処理用途のフイルムで
は使用されていなかった。そこで、本発明においては必
要とされる層間強度を有し、ホットタック性及び、低温
での耐ピンホール性も良好で、さらには比較的コストも
低く抑えられるメタロセン触媒を用いて重合したポリエ
チレン系樹脂を隣接層に使用することにより、上記問題
を解消することができた。
ポリエチレン系樹脂には2〜30重量%の高圧法で重合
された低密度ポリエチレンを含むことができる。上記範
囲の高圧法低密度ポリエチレンを含有させることで、メ
タロセン触媒により重合したポリエチレン系樹脂の結晶
を小さく抑え、微結晶化させることにより透明性をより
向上させることが出来る。高圧法低密度ポリエチレンの
添加量が2重量%未満では透明性の改良効果が少なく、
30重量%を越えると、透明性や強度が低下し易い。
ル層には、PPの結晶化による球晶の成長を抑えるため
に、ソルビトール系化合物を造核剤として100〜50
00ppmの範囲で添加することが有効である。100
ppm未満では結晶核剤としての効果が少なく、500
0ppmを越えるとシール性を阻害し、シール強度を低
下させ易い。ソルビトール系化合物としてはビス(pメ
チルベンジリデン)ソルビトール、ビス(pエチルベン
ジリデン)ソルビトール等が例示されるが、特に限定さ
れない。シール層と隣接層であるメタロセン触媒を用い
て重合されたポリエチレン層の他に深絞り包装用の底材
および蓋材用として必要な酸素バリアー性、耐ピンホー
ル性、耐ボイル性等を付与するためにエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物、ポリアミド樹脂、PPを共押出
することが有効である。酸素バリアー性付与のためには
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が有効であり、
食品の保存性が良好となる。ただし、高い酸素バリアー
を必要としない場合には、ポリアミド樹脂を配すること
によりある程度の酸素バリアー性を付与することができ
る。強度付与のためにはポリアミド樹脂を配することが
有効で、耐ボイル性(特にボイル時のカール防止)の付
与のためPPをシール層とは反対側の外層に配すること
が有効である。
ら、12ナイロン又は6ナイロン/接着性樹脂/6−6
6ナイロン/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/
接着性樹脂/隣接層/シール層又は、12ナイロン又は
6ナイロン/接着性樹脂/エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物/6−66ナイロン/接着性樹脂/隣接層/
シール層の順で積層されてなるフイルムとすることが非
常に有効である。12ナイロン又は、6ナイロンを外層
樹脂とすることにより光沢ならびに耐ボイル性を付与す
ることができ、中間の6−66ナイロンにより耐ピンホ
ール性を付与することができる。エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物は酸素バリアー性付与のためである
が、中間層を6−66ナイロンとしたのは6ナイロンに
比べ深絞り成形性が優れる点と、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物層と隣接して共押出するため融点を低
く抑えることを目的としている。外層樹脂は6ナイロン
よりも12ナイロンが光沢が良好で、さらには吸湿性が
低いためボイル用として好適である。
ー性並びに強度付与のためエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物/ポリアミド樹脂層をシール層と共押出し、
シール時の耐熱性付与のため、最外層に二軸延伸ポリプ
ロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、及び
二軸延伸ポリアミドから選ばれたフイルムをドライラミ
ネートした多層フイルムを用いることが非常に有用であ
る。蓋材外層に二軸延伸フイルムを用いないと、深絞り
包装におけるシール熱は蓋材外層側からかけられるた
め、熱板にフイルムがベタついたり、蓋材が伸びやすい
ため蓋材にシワが入り易くなったりする現象が発生し易
くなり外観上および保存上問題となり易い。
る底材または蓋材として使用した場合、相手側のシール
材としては密度0.91〜0.93g/cm3、融点1
15〜125℃の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を使用
したフイルムをシールした包装体が、ボイル時の耐熱性
が良好で有ると共に透明性も良好である。ここで、密度
が0.91g/cm3未満の場合または融点が115℃
未満の場合は、軟化温度が低くなりイージーピールのキ
ッカケ部(イージーピールを剥がすためのキッカケとな
る未シール部)で底材と蓋材が融着し易い。密度が0.
93g/cm3 を越える場合や融点が125℃を越える
場合には、軟化温度が高くなりシール温度が高くなって
しまうため、シール部の透明性が悪くなったり、シール
不良が発生し易くなる等の問題が発生し易い。ここで使
用する直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は共重合成分であ
るαオレフィンが、ブテン−1、ヘキセン−1、4メチ
ルペンテン−1、オクテン−1等のものが好適に使用で
きる。またメタロセン触媒により重合した樹脂も使用で
きる。なお、当該直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層はシ
ール時結晶化により透明性が悪くなる可能性があるた
め、隣接層に結晶化度の低いまたは球晶が大きくなりに
くい樹脂を配し、層の厚さは極力薄く10μm以下とす
ることが好ましい。
明するが、本発明は実施例の内容に限定されるものでは
ない。以下の説明で略称の内容は次の通りである。 メタロセンLL…メタロセン系触媒により重合された直
鎖状低密度ポリエチレン 12Ny…12ナイロン樹脂 EVOH…エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂 6Ny…6ナイロン樹脂 6−66Ny…6−66ナイロン樹脂
表し単位はμmである。 底材:下記層構成の多層フイルムを共押出法により製膜
した。 12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (70) (10) メタロセンLL:密度0.903g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム LL:密度0.921g/cm3、融点125℃
した。 6Ny/AD/6−66Ny/EVOH/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (70) (10) メタロセンLL:密度0.907g/cm3 シール層:EEA65重量%+PP35重量% 蓋材:PETフイルムをドライラミネートした下記層構
成の多層フイルム PET//6Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/EVA/シール層 (12) (5) (10) (10) (10) (5) (20) (10) シール層:LL 密度0.918g/cm3、融点12
0℃
した。 メタロセンLL:密度0.918g/cm3 シール層:IO70重量%+PP30重量%にソルビト
ール系化合物を1000ppm含有 蓋材:二軸延伸ナイロンフイルム(ONy)とLLをド
ライナミネートした下記層構成のフイルム LL:密度0.920g/cm3、融点120℃
フイルム CPP//EVOH/6−66Ny/AD/(メタロセンLL
(90)+LDPE(10))/シール層(50) (20) (30)
(10) (50) (10)メタロ
センLL:密度0.918g/cm3 シール層:EMAA60重量%+PP40重量% 蓋材:各フイルムをドライラミネートした下記層構成の
フイルム LL:密度0.910g/cm3、融点115℃
した。 12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (70) (10) メタロセンLL:密度0.903g/cm3 シール層: LL 密度0.920g/cm3、融点1
17℃ 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム OPP//EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (10) (20) (10) (25) (5) メタロセンLL:密度0.903g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量%
した。12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD
/LL/シール層(20) (20) (20) (50)
(10) (70) (10)LL:密度0.920g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム シール層:LL 密度0.921g/cm3、融点12
5℃
した。 12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (60) (20) メタロセンLL:密度0.903g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム シール層:LL 密度0.921g/cm3、融点12
5℃
した。 12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (70) (10) メタロセンLL:密度0.933g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム シール層:LL 密度0.921g/cm3、融点12
5℃
した。 12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (70) (10) メタロセンLL:密度0.903g/cm3 シール層:LL60重量%+PB−1 40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム シール層:LL 密度0.921g/cm3、融点12
5℃
した。12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD
/メタロセンLL/シール層(20) (20) (20)
(50) (10) (70) (10)メタロセン
LL:密度0.903g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム シール層:LL 密度0.918g/cm3、融点10
6℃
した。 12Ny/AD/EVOH/6−66Ny/AD/メタロセンLL/シール層 (20) (20) (20) (50) (10) (70) (10) メタロセンLL:密度0.903g/cm3 シール層:EAA60重量%+PP40重量% 蓋材:OPPをドライラミネートした下記層構成の多層
フイルム シール層:LL 密度0.935g/cm3、融点12
4℃
いて深絞り包装機(大森機械工業社製「FV630
0」)により、底材を絞り成形後、内容物として焼豚
(400g)を充填し、ヒートシール温度140℃×
1.6秒で真空包装した。ついでこの真空包装品を95
℃×20分間のボイルを行った。 シール性:内容物に焼け等のダメージを発生させない1
40℃以下の温度でシール可能なものを○、140℃以
上必要なものを△とした。 透明性:シール部分の透明性の良く問題がないものを
○、シール部分の透明性が部分的に悪いものを△、全面
的に悪いものを×とした。 イージーピール性:毛羽立ち等の問題が発生しないもの
を○、毛羽立ち等が発生し実用上問題があるものを×と
した。 耐融着性:ヒートシールによりキッカケ部が全く融着し
ないものを○、部分的に融着したものを△とした。
の特性に問題ないことが分かる。これに対して底材のシ
ール層の隣接層に使われている樹脂がメタロセン触媒で
重合されたLLではない比較例1は、透明性が出ないこ
とが分かる。比較例2はイージーピール層の厚さが厚い
ため、開封時毛羽立ちを発生し易く、良好なイージーピ
ール性が得られない。比較例3はメタロセンLL樹脂の
密度が高いため、シール時結晶化し易く、透明性が悪
い。比較例4はイージーピール層にLLとPB−1の結
晶性の高い樹脂を使用しているため、透明性が出にく
い。 比較例5は相手シール材に密度0.918g/c
m3、融点106℃のLLを使用しているため、包装体
を作製した場合イージーピール部のキッカケ部が部分的
に融着した。さらに比較例6は相手シール材に密度0.
935g/cm3のLLを使用しているため、包装体を
作製した場合シール性とシール部の透明性に劣ることが
分かる。
よれば、耐熱性が良好で透明性が良く、イージーピール
外観がきれいで耐ピンホール性の良好なボイル用イージ
ーピールタイプの包装体を得ることが可能となった。
Claims (8)
- 【請求項1】 シール層が凝集破壊による易開封性を有
し、その厚みが2〜15μmの範囲であると共に、シー
ル層の隣接層に密度0.88〜0.92g/cm3のメ
タロセン触媒により重合されたポリエチレン系樹脂層を
配してなる多層フイルム。 - 【請求項2】 シール層が、アイオノマー、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体、及びエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群
から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、ポリプロピレン
樹脂とを50:50〜80:20の比率でブレンドされ
た樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の多層フ
イルム。 - 【請求項3】 シール層の隣接層が高圧法で重合された
低密度ポリエチレンを2〜30重量%の範囲で添加して
なることを特徴とする請求項1乃至2記載の多層フイル
ム。 - 【請求項4】 シール層にソルビトール系化合物を10
0〜5000ppmの範囲で添加してなることを特徴と
する請求項1乃至3記載の多層フイルム。 - 【請求項5】 シール層、隣接層及び他の層を共押出成
形してなる多層フイルムにおいて、他の層をエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド、ポリプロピ
レンからなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を配
して共押出成形してなる請求項1乃至4記載の多層フイ
ルム。 - 【請求項6】 最外層側から、12ナイロン又は6ナイ
ロン/接着性樹脂/6−66ナイロン/エチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物/接着性樹脂/隣接層/シール
層又は、12ナイロン又は6ナイロン/接着性樹脂/エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/6−66ナイロ
ン/接着性樹脂/隣接層/シール層の順で積層されてな
ることを特徴とする請求項5記載の多層フイルム。 - 【請求項7】 最外層に二軸延伸ポリプロピレン、二軸
延伸ポリエチレンテレフタレート、及び二軸延伸ポリア
ミドからなる群から選ばれる樹脂のフイルムをドライラ
ミネートしてなることを特徴とする多層フイルム。 - 【請求項8】 請求項1〜7に記載の深絞り成形用多層
フイルムを用い、相手側のシール材として密度0.91
〜0.93g/cm3 、融点115〜125℃の直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂を使用したフイルムをシールし
てなる包装体。
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