JP2001152041A - 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料 - Google Patents

感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料

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JP2001152041A
JP2001152041A JP2000279325A JP2000279325A JP2001152041A JP 2001152041 A JP2001152041 A JP 2001152041A JP 2000279325 A JP2000279325 A JP 2000279325A JP 2000279325 A JP2000279325 A JP 2000279325A JP 2001152041 A JP2001152041 A JP 2001152041A
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color
trigger
electron
melting point
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Katsuyuki Fujita
勝幸 藤田
Kuniyuki Chiga
邦行 千賀
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装飾分野、示温分野、玩具分野等へ広く利用
が可能な、変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った
後にあっても色彩を互変的に記憶保持できる機能を示す
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料を提供す
る。 【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の
呈色反応の生起温度を決める反応媒体、及び、(ニ)前
記(ハ)と融点の異なるエーテル類やエステル類等の変
色温度調整剤を内包した、温度−色濃度曲線に関して5
℃〜80℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色する
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感温変色性色彩記憶
性マイクロカプセル顔料に関する。さらに詳細には、温
度変化により大きなヒステリシス特性を示して変色し、
変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った後にあって
も、変色前後の色彩を互変的に記憶保持できる感温変色
性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度を変色温度域より低温側から
上昇させていく場合と、逆に変色温度域より高温側から
下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色
する、所謂、大きなヒステリシス幅(ΔH)を示して変
色し、変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った後に
あっても、低温側トリガーと高温側トリガーとの間の温
度域で前記低温側トリガー以下又は高温側トリガー以上
で変色させた色彩を互変的に記憶保持できる感温変色性
色彩記憶性組成物が開示されている(特公平4−171
54号公報、特開平7−33997号公報、特開平7−
179777号公報、特開平8−39936号公報)。
前記組成物は、図1の温度−色濃度曲線に示す如き変色
挙動を呈する。前記変色挙動は、(イ)電子供与性呈色
性有機化合物と(ロ)電子受容性化合物との呈色反応の
生起温度を決める(ハ)反応媒体に依存し、特定され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した(ハ)反応媒
体として有効な化合物は、種類に制限がある上、有効な
化合物を適用した系にあって、温度−色濃度曲線を高温
側或いは低温側にシフトさせる手段がなく、微妙な変色
温度の調整ができ難く、意図する変色特性を必ずしも満
足させていなかった。本発明者らは、感温変色性色彩記
憶性組成物に関して鋭意検討を加え、第四成分として、
特定の化合物を特定割合で配合することにより、前記温
度−色濃度曲線の高温側又は低温側を微妙に変位させる
ことを見出し、本発明を完成させた。本発明は、従来の
(イ)、(ロ)、(ハ)三成分系の変色特性をベースと
し、微妙に変色温度を調整した感温変色性色彩記憶性マ
イクロカプセル顔料を提供するものであり、意図する変
色特性を備えた、示温、装飾、玩具、教材要素等、多様
な分野に適用性を有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、
(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決め
る反応媒体、及び、(ニ)変色温度調整剤を必須四成分
として含み、前記(ニ)変色温度調整剤が、融点をY℃
とするとき、(ハ)成分の融点(X℃)に対し、(X+
16)℃≦Y≦(X+100)℃の関係を満たす、エー
テル類、エステル類、ケトン類、酸アミド類、脂肪酸類
より選ばれる一種又は二種以上の化合物から選ばれてな
り、前記必須四成分をマイクロカプセルに内包させた、
温度−色濃度曲線に関して5℃〜80℃のヒステリシス
幅(ΔH)を示して変色し、低温側トリガー以下及び高
温側トリガー以上の各温度域で呈する色彩を前記低温側
トリガーと高温側トリガーとの間の温度域で互変的に記
憶保持させる感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔
料を要件とする。更には、(イ)電子供与性呈色性有機
化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と
(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体、及び、
(ニ)変色温度調整剤を必須四成分として含み、前記
(ニ)変色温度調整剤が、融点をY℃とするとき、
(ハ)成分の融点(X℃)に対し、(X−10)℃≦
Y≦(X+15)℃の関係を満たす、エーテル類、エス
テル類、脂肪酸類より選ばれる一種又は二種以上の化合
物から選ばれてなり、前記必須四成分をマイクロカプセ
ルに内包させた、温度−色濃度曲線に関して5℃〜80
℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色し、低温側ト
リガー以下及び高温側トリガー以上の各温度域で呈する
色彩を前記低温側トリガーと高温側トリガーとの間の温
度域で互変的に記憶保持させる感温変色性色彩記憶性マ
イクロカプセル顔料を要件とする。更には、前記(ニ)
変色温度調整剤が、(ハ)反応媒体1重量部に対して
0.002〜0.3重量部含まれることを要件とする。
【0005】以下に感温変色性色彩記憶性マイクロカプ
セル顔料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性
を図1のグラフについて説明する。図1において、縦軸
に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による
色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完
全消色状態に達する最低温度T4 (以下、完全消色温度
と称す)における濃度を示す点であり、Bは完全呈色状
態を保持できる最高温度T3 (以下、消色開始温度と称
す)における濃度を示す点であり、Cは完全消色状態を
保持できる最低温度T2 (以下、発色開始温度と称す)
における濃度を示す点であり、Dは完全呈色状態に達す
る最高温度T 1 (以下、完全発色温度と称す)における
濃度を示す点である。温度TA においては呈色状態E点
と消色状態F点の2相が共存する状態にある。この温度
A を含む、呈色状態と消色状態が共存できる温度域が
変色の保持可能な温度域であり、線分EFの長さが変色
のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通
る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅
(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH
値が大きい程、変色前後の各状態の保持が容易である。
本発明者らの実験では実用上の変色前後の各状態の保持
できるΔH値は5℃乃至80℃の範囲である。又、前記
において、呈色状態と消色状態の二相が実質的に保持さ
れ、実用に供される温度、即ち、TA を含むT3 とT2
の間の温度幅は2℃以上80℃未満の範囲が有効であ
る。
【0006】本願の第1の発明は、(ハ)成分の融点
(X℃)に対して融点(Y℃)が、(X+16)℃≦Y
≦(X+100)℃の関係を満たす、エーテル類、エス
テル類、ケトン類、酸アミド類、脂肪酸類から選ばれる
化合物を(ニ)成分として配合することにより、低温側
の変色点を高温側にシフトさせて変色点を調整できるこ
とにある。第2の発明は、(ハ)成分の融点(X℃)に
対して、融点(Y℃)が(X−10)℃≦ Y≦(X+
15)℃の関係を満たす、エーテル類、エステル類、脂
肪酸類より選ばれる化合物を(ニ)成分として配合する
ことにより、高温側の変色点を低温側にシフトさせて変
色点を調整できることにある。この点について補足説明
すれば、前記第1の発明における(ニ)成分を配合する
ことにより、図2の色濃度−温度曲線の破線で示したよ
うにT1 (完全発色温度)及びT2 (発色開始温度)が
高温側にシフトする。また、第2の発明における(ニ)
成分を配合することにより、図3の色濃度−温度曲線の
破線で示したようにT3 (消色開始温度)及びT4 (完
全消色温度)が低温側にシフトする。前記シフトする温
度は、(ニ)成分、即ち変色温度調整剤の種類、添加量
によって任意に調整できる。なお、前記(ハ)成分の融
点(X℃)に対して融点(Y℃)が、(X+16)℃≦
Y≦(X+100)℃の関係を満たす、エーテル類、エ
ステル類、ケトン類、酸アミド類、脂肪酸類から選ばれ
る化合物、及び、(ハ)成分の融点(X℃)に対して、
融点(Y℃)が(X−10)℃≦ Y≦(X+15)℃
の関係を満たす、エーテル類、エステル類、脂肪酸類よ
り選ばれる化合物を併用することによって、低温側の変
色点を高温側にシフトさせると共に、高温側の変色点も
低温側にシフトさせることが可能である。
【0007】前記(ニ)成分のうち、エ−テル類として
は、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエ−テル、ジテ
トラデシルエ−テル、ジペンタデシルエ−テル、ジヘキ
サデシルエ−テル、ジオクタデシルエ−テル、ジノナデ
シルエ−テル、ジエイコシルエ−テル、ジドコシルエ−
テル等が挙げられる。エステル類としては、カプリン酸
ラウリル、カプリン酸セチル、カプリン酸ステアリル、
カプリン酸ドコシル、ラウリン酸ラウリル、ラウリン酸
ミリスチル、ラウリン酸ステアリル、ラウリン酸ドコシ
ル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ラウリル、ミリ
スチン酸ミリスチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミ
チン酸デシル、パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸ミ
リスチル、パルミチン酸パルミチル、パルミチン酸ステ
アリル、パルミチン酸ドコシル、ステアリン酸メチル、
ステアリン酸エチル、ステアリン酸n−プロピル、ステ
アリン酸n−ブチル、ステアリン酸n−オクチル、ステ
アリン酸n−デシル、ステアリン酸ラウリル、ステアリ
ン酸ミリスチル、ステアリン酸パルミチル、ステアリン
酸ステアリル、ステアリン酸ドコシル、エイコ酸n−ブ
チル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸n−プロピル、ベヘン
酸n−ブチル、ベヘン酸イソアミル、ベヘン酸ステアリ
ル、ベヘン酸ドコシル、マロン酸ジミリスチル、マロン
酸ジパルミチル、マロン酸ジステアリル、コハク酸ジラ
ウリル、コハク酸ジミリスチル、コハク酸ジパルミチ
ル、コハク酸ジステアリル、グルタル酸ジラウリル、グ
ルタル酸ジミリスチル、グルタル酸ジパルミチル、グル
タル酸ジステアリル、アジピン酸ジラウリル、アジピン
酸ジミリスチル、アジピン酸ジステアリル、スベリン酸
ジラウリル、スベリン酸ジミリスチル、スベリン酸ジパ
ルミチル、スベリン酸ジステアリル、アゼライン酸ジラ
ウリル、アゼライン酸ジミリスチル、アゼライン酸ジパ
ルミチル、アゼライン酸ジステアリル、セバシン酸ジラ
ウリル、セバシン酸ジミリスチル、セバシン酸ジパルミ
チル、セバシン酸ジステアリル、1,10−デカンジラ
ウリル、1,10−デカンジミリスチル、1,10−ド
デカンジセチル、1,10−デカンジステアリル、1,
10−デカンジエイコシル、1,10−デカンジドコシ
ル、1,12−ドデカンジラウリル、1,12−ドデカ
ンジミリスチル、1,12−ドデカンジセチル、1,1
2−ドデカンジステアリル、1,12−ドデカンジエイ
コシル、1,12−ドデカンジドコシル、1,14−テ
トラデカンジラウリル、1,14−テトラデカンジミリ
スチル、1,14−テトラデカンジセチル、1,14−
テトラデカンジステアリル、1,14−テトラデカンジ
エイコシル、1,14−テトラデカンジドコシル、1,
16−ヘキサデカンジラウリル、1,16−ヘキサデカ
ンジミリスチル、1,16−ヘキサデカンジセチル、
1,16−ヘキサデカンジステアリル、1,16−ヘキ
サデカンジエイコシル、1,16−ヘキサデカンジドコ
シル、1,18−オクタデカンジラウリル、1,18−
オクタデカンジミリスチル、1,18−オクタデカンジ
セチル、1,18−オクタデカンジステアリル、1,1
8−オクタデカンジエイコシル、1,18−オクタデカ
ンジドコシル、トリミリスチン、トリパルミチン、トリ
ステアリン、トリノナデカノイン等が挙げられる。ケト
ン類としては、ジオクチルケトン、ジノニルケトン、ジ
ウンデシルケトン、ジトリデシルケトン、ジペンタデシ
ルケトン、ジヘプタデシルケトン、フェニルトリデシル
ケトン、フェニルペンタデシルケトン、フェニルヘプタ
デシルケトン等が挙げられる。酸アミド類としては、ヘ
キサン酸アミド、ヘプタン酸アミド、オクタン酸アミ
ド、ノナン酸アミド、デカン酸アミド、ウンデカン酸ア
ミド、ラウリル酸アミド、トリデカン酸アミド、ミリス
チン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、ドコサン酸アミド等が挙げられる。脂肪酸類として
は、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン
酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、
エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、トリコ
サン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサ
ン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン
酸、トリアコンタン酸、ヘントリアコンタン酸、ドトリ
アコンタン酸、テトラトリアコンタン酸、ヘキサトリア
コンタン酸、オクタトリアコンタン酸等が挙げられる。
【0008】前記(ニ)変色温度調整剤は、(ハ)成分
1重量部に対して0.002〜0.3重量部、好ましく
は0.002〜0.15重量部、更に好ましくは0.0
1〜0.15重量部配合される。0.002重量部未満
では、所望の変色温度調整効果を発現し難く、また、
0.3重量部を超えるとヒステリシス幅(ΔH)が狭く
なり過ぎて、低温側トリガーと高温側トリガーとの間の
温度域で発色状態或いは消色状態の記憶保持が出来難く
なる。
【0009】前記(イ)電子供与性呈色性有機化合物と
しては、従来より公知のジフェニルメタンフタリド類、
フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド
類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインド
リルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン
類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられ、以下に
これらの化合物を例示する。
【0010】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n
−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノ
フェニル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−
4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフ
タリド、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−
n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチ
ル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3−クロロ−
6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6
−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロ
アニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2
−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−
(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブ
チルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−
6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−
ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N
−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2
−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)
フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−7−メチルフ
ルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−
ブチルアミノフルオラン、2−(3−メトキシ−4−ド
デコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベ
ンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1’(3’
H)イソベンゾフラン〕−3’−オン,2−(ジエチル
アミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、ス
ピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミ
ジン−5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕−3’−
オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−
ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)
ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1’
(3’H)イソベンゾフラン〕−3’−オン,2−(ジ
−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−
メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3
−d)ピリミジン−5,1’(3’H)イソベンゾフラ
ン〕−3’−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8
−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル
−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)
ピリミジン−5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕−
3’−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ
−n−ブチルアミノ)−4−フェニル等。更には、蛍光
性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジ
ン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げ
ることができる。
【0011】前記(ロ)成分の電子受容性化合物として
は、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群
〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分
(イ)を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合
物群等がある。活性プロトンを有する化合物を例示する
と、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノ
フェノール類からポリフェノール類があり、さらにその
置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アル
コキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又
はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、
トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹
脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有す
る化合物の金属塩であってもよい。
【0012】以下に具体例を挙げる。フェノール、o−
クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェ
ノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノ
ール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノー
ル、4−(4−(1−メチルエトキシフェニル)スルホ
ニルフェノール、4−(4−ブチルオキシフェニル)ス
ルホニルフェノール、4−(4−ペンチルオキシフェニ
ル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘキシルオキシ
フェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘプチル
オキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−オ
クチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、p−ヒ
ドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸
n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル
プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n
−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナ
【0013】また、特開平10−237436号公報に
記載された芳香族カルボン酸、炭素数2〜5の脂肪族カ
ルボン酸、モノカルボン酸乃至ポリカルボン酸の金属
塩、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルの金属
塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体、炭素数
2〜5のハロヒドリン、ハロヒドリンの誘導体等を用い
ることもできる。
【0014】(ハ)成分としては、エステル類、ケトン
類等の反応媒体が有効である。エステル類としては、先
に本出願人が提案した、特公平4−17154号公報に
開示した、5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)
を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置
換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環
を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコール
のエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン
酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アル
コール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪
酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸
と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステ
ル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジ
ピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジ
ミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステア
リル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリ
ン、ジミリスチン、ジステアリン等、更には特開平7−
33997号公報に開示されている、炭素数9以上の奇
数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カル
ボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチ
ルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10
乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素
数17乃至23の脂肪酸エステル化合物、例えば、酢酸
n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペン
タデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−
トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸
n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n
−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン
酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n
−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸
n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン
酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n
−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸
n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリス
チン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリス
チン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、
ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペン
チル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノ
ニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−
トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリ
ン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステア
リン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシ
ル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデ
ルシ、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−
ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−
ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n
−ペンタデシルが挙げられる。
【0015】ケトン類としては、特開平7−17977
7号公報に開示されている総炭素数が10以上の脂肪族
ケトン類、例えば、2−デカノン、3−デカノン、4−
デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−
ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3
−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−
トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノ
ン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘ
キサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノ
ン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノ
ナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、
11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサ
ノン、ラウロン、ステアロン等、更には、特開平8−3
9936号公報に開示されている総炭素数が12乃至2
4のフェニルアルキルケトン類等のアリールアルキルケ
トン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプ
タデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペ
ンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4’
−n−ドデカノアセトフェノン、n−トリデカノフェノ
ン、4’−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロ
フェノン、4’−n−デカノアセトフェノン、n−ウン
デカノフェノン、4’−n−ノニルアセトフェノン、n
−デカノフェノン、4’−n−オクチルアセトフェノ
ン、n−ノナノフェノン、4’−n−ヘプチルアセトフ
ェノン、n−オクタノフェノン、4’−n−ヘキシルア
セトフェノン、4’−n−シクロヘキシルアセトフェノ
ン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプ
タノフェノン、4’−n−ペンチルアセトフェノン、シ
クロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケ
トン、4’−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノ
フェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセト
ナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニ
ルケトンが挙げられる。
【0016】前記した(イ)、(ロ)、(ハ)及び
(ニ)成分からなる必須四成分を含むことにより感温変
色性色彩記憶性組成物を得ることができる。尚、前記
(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色
温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的
に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に
対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜
20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の
範囲である(前記割合はいずれも重量部である)。
【0017】尚、感温変色性色彩記憶性組成物の光劣化
を防止するために光安定剤を(イ)電子供与性呈色性有
機化合物1重量部に対して0.3〜24重量部、好まし
くは0.8〜16重量部の割合で含有することができ
る。 前記光安定剤としては、(イ)成分の光反応によ
る励起状態によって生ずる光劣化を防止する紫外線吸収
剤、酸化防止剤や、カロチン類、色素類、アミン類、フ
ェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等の一重項
酸素消光剤、オキシドジスムスターゼとコバルト、及び
ニッケルの錯体等のスーパーオキシドアニオン消光剤、
オゾン消光剤等の酸化反応を抑制する化合物を挙げるこ
とができる。
【0018】前記した感温変色性色彩記憶性組成物はマ
イクロカプセルに内包させて、マイクロカプセル顔料と
して使用される。これにより、種々の使用条件において
感温変色性色彩記憶性組成物を同一の組成に保ち、化学
的、物理的に安定な顔料を構成でき、同一の作用効果を
奏することができる。前記マイクロカプセル顔料の粒子
径は、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜50
μm、より好ましくは0.1〜30μmの範囲が実用性
を満たす。前記マイクロカプセル化は、従来より公知の
界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、
水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解
分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等
があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカ
プセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜
を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて
実用に供することもできる。尚、前記マイクロカプセル
中に感温変色性色彩記憶性組成物を内包する際、前記光
安定剤は感温変色性色彩記憶性組成物と共にマイクロカ
プセルに内包してもよいし、色材として適用される際に
用いられるビヒクル中に添加することもできる。又、前
記光安定剤をマイクロカプセルに内包すると共に、ビヒ
クル中にも添加することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の感温変色性色彩記憶性マ
イクロカプセル顔料は、従来より汎用のマイクロカプセ
ル化手段により得ることができ、各種ビヒクルに分散し
て、印刷インキや塗料の形態として印刷乃至塗装物を得
ることができる。又、成形用樹脂にブレンドして汎用の
成形手段により各種の成形体を得ることができる。更に
は、ワックス状或いはペースト状媒体に分散させて色材
の形態となすこともできる。尚、非熱変色性の染料、或
いは顔料を適宜、併用して、色変化を多彩化させること
ができる。以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限
定されない。
【0020】
【実施例】表1に実施例1〜12の感温変色性色彩記憶
性マイクロカプセル顔料の(イ)、(ロ)、(ハ)、
(ニ)成分の組成を示す。(ハ)、(ニ)成分について
は融点を併記する。尚、表中の( )内の数字は重量部
を示す。
【0021】
【表1】
【0022】表2に各実施例の感温変色性色彩記憶性マ
イクロカプセル顔料のT1 (完全発色温度)、T2 (発
色開始温度)、T3 (消色開始温度)、T4 (完全消色
温度)、TH (着色過程における色濃度の中点の温
度)、TG (消色過程における色濃度の中点の温度)及
びΔH(ヒステリシス幅)を示す。
【0023】
【表2】
【0024】実施例1 感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセ
ル顔料の調製 (イ)成分として3−シクロヘキシルアミノ−7−メチ
ルフルオラン1.5重量部、(ロ)成分として1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン6.0重量部、
(ハ)成分としてステアリン酸ネオペンチル50.0重
量部、(ニ)成分としてラウリン酸ステアリル5.0重
量部を、120℃で加温溶解して相溶体とした後にエポ
キシ樹脂及びアミン硬化剤による界面重合反応によりエ
ポキシ樹脂皮膜で内包されたマイクロカプセル顔料を調
製した。尚、前記マイクロカプセル顔料は橙色から無色
の可逆的熱変色性を示す。
【0025】測定試料の作成 前記マイクロカプセル顔料40重量部をエチレン−酢酸
ビニルエマルジョン60重量部中に分散した可逆熱変色
性インキを用いて、スクリーン印刷により上質紙に所定
の大きさの円を印刷した。
【0026】変色温度測定 前記印刷物を色差計[TC−3600型色差計、東京電
色(株)製]の所定箇所にセットし、50℃の温度幅で
10℃/分の速度で加熱及び冷却して各温度を測定し
た。
【0027】実施例2〜12については、表に示した各
組成物にて実施例1と同様の方法によってマイクロカプ
セル顔料を調製し、測定試料を作成した後、前記色差計
を用いてそれぞれ各温度を測定した。尚、実施例3のマ
イクロカプセル顔料はピンク色から無色、実施例4のマ
イクロカプセル顔料は黒色から無色、実施例5のマイク
ロカプセル顔料は青色から無色、実施例8のマイクロカ
プセル顔料はピンク色から無色、実施例11のマイクロ
カプセル顔料は黒色から無色、実施例12のマイクロカ
プセル顔料は橙色から無色のそれぞれ可逆的熱変色性を
示す。
【0028】表3に比較例1〜8の感温変色性色彩記憶
性マイクロカプセル顔料の(イ)、(ロ)、(ハ)成分
の組成を示す。(ハ)成分の融点も併記する。尚、表中
の( )内の数字は重量部を示す。
【0029】
【表3】
【0030】表4に各比較例の感温変色性色彩記憶性マ
イクロカプセル顔料のT1 (完全発色温度)、T2 (発
色開始温度)、T3 (消色開始温度)、T4 (完全消色
温度)、TH (着色過程における色濃度の中点の温
度)、TG (消色過程における色濃度の中点の温度)及
びΔH(ヒステリシス幅)を示す。比較例については実
施例1と同様にマイクロカプセル顔料を調製した後、測
定試料を作成し、前記色差計を用いてそれぞれ各温度を
測定した。
【0031】
【表4】
【0032】以下に実施例と比較例の各変色温度に関
し、模式図により説明する。実施例1の感温変色性色彩
記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の変色温
度特性は、比較例1と比較してヒステリシス幅(ΔH)
が2℃狭くなり、図3の如き変色温度曲線を示す。同様
に、実施例2と比較例1の系を比較すると、実施例2
は、比較例1と比較してヒステリシス幅(ΔH)が5℃
狭くなり、図2の如き変色温度曲線を示す。同様に、実
施例3と比較例2の系を比較すると、実施例3は、比較
例2と比較してヒステリシス幅(ΔH)が5.0℃狭く
なり、図2の如き変色温度曲線を示す。同様に、実施例
4と比較例3の系を比較すると、実施例4は、比較例3
と比較してヒステリシス幅(ΔH)が3.0℃狭くな
り、図3の如き変色温度曲線を示す。同様に、実施例5
と比較例4の系を比較すると、実施例5は、比較例4と
比較してヒステリシス幅(ΔH)が2.0℃狭くなり、
図3の如き変色温度曲線を示す。同様に、実施例6と比
較例4の系を比較すると、実施例6は、比較例4と比較
してヒステリシス幅(ΔH)が2.0℃狭くなり、図3
の如き変色温度曲線を示す。同様に、実施例7と比較例
4の系を比較すると、実施例7は、比較例4と比較して
ヒステリシス幅(ΔH)が7.0℃狭くなり、図2の如
き変色温度曲線を示す。同様に、実施例8と比較例5の
系を比較すると、実施例8は、比較例5と比較してヒス
テリシス幅(ΔH)が3.0℃狭くなり、図3の如き変
色温度曲線を示す。同様に、実施例9と比較例6の系を
比較すると、実施例9は、比較例6と比較してヒステリ
シス幅(ΔH)が3.0℃狭くなり、図3の如き変色温
度曲線を示す。同様に、実施例10と比較例7の系を比
較すると、実施例10は、比較例7と比較してヒステリ
シス幅(ΔH)が7.5℃狭くなり、図2の如き変色温
度曲線を示す。同様に、実施例11と比較例8の系を比
較すると、実施例11は、比較例8と比較してヒステリ
シス幅(ΔH)が5.5℃狭くなり、図2の如き変色温
度曲線を示す。同様に、実施例12と比較例1の系を比
較すると、実施例12は、比較例1と比較してヒステリ
シス幅(ΔH)が3.5℃狭くなり、図2の如き変色温
度曲線を示す。
【0033】
【発明の効果】本発明は、変色に要した熱又は冷熱の適
用を取り去った後にあっても、変色前後の色彩を互変的
に記憶保持できる機能を示し、加えて変色温度の微調整
が可能であり、所望の変色特性を満たす、感温変色性色
彩記憶性マイクロカプセル顔料を提供でき、示温、装
飾、玩具、教習要素等、多様な分野に適用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベースとなる従来の感温変色性色彩記憶性組成
物の温度−色濃度曲線を示す説明図である。
【図2】前記ベースとなる従来の感温変色性色彩記憶性
組成物の低温側変色点を高温側にシフトさせた本発明の
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の温度−色
濃度曲線を示す説明である。
【図3】前記ベースとなる従来の感温変色性色彩記憶性
組成物の高温側変色点を低温側にシフトさせた本発明の
感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料の温度−色
濃度曲線を示す説明である。
【符号の説明】
1 完全発色温度 T2 発色開始温度 T3 消色開始温度 T4 完全消色温度 TH 発色過程における色濃度の中点の温度 TG 消色過程における色濃度の中点の温度 ΔH ヒステリシス幅(TH −TG

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の
    呈色反応の生起温度を決める反応媒体、及び、(ニ)変
    色温度調整剤を必須四成分として含み、前記(ニ)変色
    温度調整剤が、融点をY℃とするとき、(ハ)成分の融
    点(X℃)に対し、(X+16)℃≦Y≦(X+10
    0)℃の関係を満たす、エーテル類、エステル類、ケト
    ン類、酸アミド類、脂肪酸類より選ばれる一種又は二種
    以上の化合物から選ばれてなり、前記必須四成分をマイ
    クロカプセルに内包させた、温度−色濃度曲線に関して
    5℃〜80℃のヒステリシス幅(ΔH)を示して変色
    し、低温側トリガー以下及び高温側トリガー以上の各温
    度域で呈する色彩を前記低温側トリガーと高温側トリガ
    ーとの間の温度域で互変的に記憶保持させる感温変色性
    色彩記憶性マイクロカプセル顔料。
  2. 【請求項2】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の
    呈色反応の生起温度を決める反応媒体、及び、(ニ)変
    色温度調整剤を必須四成分として含み、前記(ニ)変色
    温度調整剤が、融点をY℃とするとき、(ハ)成分の融
    点(X℃)に対し、(X−10)℃≦Y≦(X+15)
    ℃の関係を満たす、エーテル類、エステル類、脂肪酸類
    より選ばれる一種又は二種以上の化合物から選ばれてな
    り、前記必須四成分をマイクロカプセルに内包させた、
    温度−色濃度曲線に関して5℃〜80℃のヒステリシス
    幅(ΔH)を示して変色し、低温側トリガー以下及び高
    温側トリガー以上の各温度域で呈する色彩を前記低温側
    トリガーと高温側トリガーとの間の温度域で互変的に記
    憶保持させる感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔
    料。
  3. 【請求項3】 前記(ニ)変色温度調整剤が、(ハ)反
    応媒体1重量部に対して0.002〜0.3重量部含ま
    れる請求項1又は2記載の感温変色性色彩記憶性マイク
    ロカプセル顔料。
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