JPH11335613A - 可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 - Google Patents

可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた筆記具

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JPH11335613A
JPH11335613A JP16285598A JP16285598A JPH11335613A JP H11335613 A JPH11335613 A JP H11335613A JP 16285598 A JP16285598 A JP 16285598A JP 16285598 A JP16285598 A JP 16285598A JP H11335613 A JPH11335613 A JP H11335613A
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Japan
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reversible thermochromic
water
ink composition
microcapsule pigment
soluble polymer
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Masaki Shibazaki
正樹 芝崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維集束体からなるインキ吸蔵体、いわゆる
中綿を収容した筆記具において、顔料の沈降あるいは浮
上による筆跡の濃色化あるいは淡色化が発生することの
ない可逆熱変色性水性インキ組成物およびそれを適用し
た筆記具を提供する。 【解決手段】 可逆熱変色性微小マイクロカプセル顔
料、及び該微小マイクロカプセル顔料間のゆるい橋架け
作用を有する水溶性高分子凝集剤を必須成分とし、前記
可逆熱変色性微小マイクロカプセル顔料をゆるやかな凝
集状態にけん濁させた可逆熱変色性水性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆熱変色性水性イ
ンキ組成物及びそれを用いた筆記具に関するものであ
り、更に詳しくは可逆熱変色性組成物を内包する微小カ
プセル顔料を着色剤として含有し、温度変化により可逆
的に変色する筆跡を与える水性インキ組成物及び該水性
インキ組成物を内蔵した筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】可逆的熱変色性を呈する筆跡を与える筆
記具用インキ及びそれを用いた筆記具については、特公
昭51−48085号公報及び特開平1−54081号
公報に示されている。前者は可逆熱変色性組成物をワッ
クスで固めたクレヨンや前記組成物を有機溶剤に溶解し
てなるインキを適用した筆記具に関するものであり、後
者は可逆熱変色性組成物を内包した微小カプセル顔料を
水性ベヒクル中に分散させたインキ組成物を内蔵した筆
記具に関するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特公昭51−48
085号公報に記載の有機溶剤系インキを適用した筆記
具の場合、前記熱変色性組成物の必須三成分が分離し、
当初の変色機能が得られなくなったり、変色点が初期の
温度から変動してしまうなどの問題点があった。また特
開平1−54081号公報記載の可逆熱変色性水性イン
キ組成物は微小カプセル顔料と水性ベヒクルの比重差を
0.05以内に調整することにより該微小カプセル顔料
の水性ベヒクル中における分散安定性を改良することを
目的とするものであるが、このような水性インキを合成
樹脂フィルムで被覆された繊維集束体、いわゆる中綿を
インキ吸蔵体として内蔵する筆記具に適用した場合、数
ヶ月程度の短期の経時においては比重調整の効果により
該微小カプセル顔料の移動量は無視できる程度であり実
質的な性能劣化はないが、1〜2年或いはそれ以上に及
ぶ長期の経時においては該微小カプセル顔料が徐々に沈
降あるいは浮上し、インキの濃色化あるいは淡色化が発
生する。即ち、該微小カプセル顔料の比重が水性ベヒク
ルより大きい場合は該微小カプセル顔料が中綿内で徐々
に沈降し、ペン体が下向き(以下倒立と表わす)の場合
は筆跡が濃色化し、ペン体が上向き(以下正立と表わ
す)の場合は筆跡が淡色化する。また、該微小カプセル
顔料の比重が水性ベヒクルより小さい場合は該微小カプ
セル顔料が中綿内で徐々に浮上し、正立状態では筆跡が
濃色化し、倒立状態では筆跡が淡色化するという不具合
は避けることができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した不具合
を解決し、長期の経時によっても微小カプセル顔料の移
動によるインキの濃色化あるいは淡色化の発生を防止
し、インキ濃度の変化や変色温度の変動をもたらすこと
なく、常に良好な熱変色性の筆跡を与えるインキ組成物
及びそれを用いた筆記具を提供するものである。すなわ
ち本発明は水、可逆熱変色性微小カプセル顔料、該可逆
熱変色性微小カプセル顔料粒子間のゆるい橋架け作用を
有する水溶性高分子凝集剤を含み、該水溶性高分子凝集
剤のゆるい橋架け作用により、前記可逆熱変色性微小カ
プセル顔料がゆるやかな凝集状態にけん濁してなる可逆
熱変色性水性インキ組成物であることを要件とするもの
である(請求項1)。
【0005】また、前記可逆熱変色性微小カプセル顔料
が、微小カプセル中に(イ)電子供与性呈色性有機化合
物、(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記(イ)、
(ロ)成分による電子授受反応を生起させる有機化合物
媒体の三成分の均質相溶体を内包させたことを特徴とす
る可逆熱変色性水性インキ組成物であり(請求項2)、
前記可逆熱変色性微小カプセル顔料の粒子径が0.5〜
5μmであること(請求項3)、前記水溶性高分子凝集
剤が非イオン性水溶性高分子化合物であること(請求項
4)、及び前記非イオン性水溶性高分子化合物が非イオ
ン性セルロース誘導体であること(請求項5)、更には
軸筒先端部に固定されたペン体の後端が、軸筒内に収容
された繊維集束体からなるインキ吸蔵体に接触してなる
筆記具において、前記インキ吸蔵体に請求項1乃至5の
いずれかに記載の可逆熱変色性水性インキ組成物を含浸
させた、可逆性熱変色性の筆跡を与える筆記具(請求項
6)を要件とする。
【0006】本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物は
前記した構成により、前記高分子凝集剤が微小カプセル
顔料粒子間のゆるい橋かけ作用を生じさせ、ゆるい凝集
状態を示す。このようなゆるい凝集状態を示す顔料イン
キは合成樹脂フィルム等で被覆した繊維集束体からなる
インキ吸蔵体、いわゆる中綿及び繊維の樹脂結束体から
なるペン体の毛管状間隙において顔料の分離が発生しな
いという特徴を有している。このため、従来の熱変色性
顔料インキ或いは通常の顔料インキを充填したマーキン
グペンが正立または倒立の放置により顔料が分離し、筆
跡の濃色化または淡色化が発生してしまうのに対し、本
発明の可逆熱変色性水性インキ組成物はこの問題点を解
消し、染料インキを充填したマーキングペンと同等の保
存性能を有するマーキングペンを提供することができ
る。
【0007】前記可逆熱変色性微小カプセル顔料粒子間
のゆるい橋架け作用を有する水溶性高分子凝集剤として
は非イオン性水溶性高分子化合物が好適に用いられ具体
的にはポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、水溶性多糖類等が挙げられる。このうち水溶性多糖
類の具体例としてはトラガントガム、グアーガム、プル
ラン、サイクロデキストリン及び非イオン性水溶性セル
ロース誘導体等が挙げられ、また非イオン性水溶性セル
ロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒド
ロシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース等が挙げられる。本発明の可逆
熱変色性水性インキ組成物中において微小カプセル顔料
粒子間のゆるい橋架け作用を示す水溶性高分子であれば
すべて適用することができるが、なかでも前記の非イオ
ン性水溶性セルロース誘導体が最も本発明の可逆熱変色
性水性インキ組成物に対し有効に作用する。
【0008】前記可逆熱変色性微小カプセル顔料は、微
小カプセル中に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記(イ)、(ロ)
成分による電子授受反応を生起させる有機化合物媒体の
三成分の均質相溶体を内包させたものであり、具体的に
は特公昭51−35414号公報、特公昭51−447
06号公報、特公昭51−44708号公報、特公昭5
2−7764号公報、特公平1−29398号公報、特
開平7−186540号公報等に記載のものが挙げられ
る。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で
変色し、変化前後の両状態のうち常温域では特定の一方
の状態しか存在しえない、即ちもう一方の状態は、その
状態が発現するのに要する熱又は冷熱が適用されている
間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば
常温域で呈する状態に戻る、所謂温度変化による温度−
色濃度について小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して
変色するタイプである。
【0009】また、本出願人が提案した特公平4−17
154号公報、特開平7−179777号公報、特開平
7−33997号公報等に記載されている大きなヒステ
リシス特性を示して変色する感温変色性色彩記憶性組成
物、即ち温度変化による着色濃度の変化をプロットした
曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇さ
せていく場合と、逆に変色温度より高温側から下降させ
ていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタイ
プの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点の間の
常温域において、前記低温側変色点以下又は高温側変色
点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる特徴を
有する可逆熱変色性組成物を適用することもできる。
【0010】前記(イ)、(ロ)、(ハ)三成分は従来
公知のマイクロカプセル化法により微小カプセル中に内
包されるが、利用できる微小カプセル化技術としては、
界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、
水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解
分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等
があり、これらのうちから適宜選択することができる。
尚、微小カプセルの表面は、目的に応じて更に二次的な
樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改
質させて実用に供することもできる。
【0011】本発明の可逆熱変色性水性インキに使用さ
れる前記マイクロカプセル顔料の粒子径が大きすぎる場
合は繊維集束体からなるインキ吸蔵体或いはペン体の毛
管状インキ流通路中で詰まりを生じ、インキの出渋りや
筆記不能現象が発生する。また粒子径が小さすぎる場合
は十分なインキ濃度が得られない。粒子径が0.5〜5
μmの範囲であればインキの流動性、インキ濃度共に満
足できるものが得られる。
【0012】本発明のマーキングペンインキで書かれた
筆跡は冷却により発色し、加熱により消色するという特
性を有するため、手で擦過したり冷水の入った容器を接
触させることにより筆跡を変色させることがあるが、そ
のような操作においても筆跡が剥離したり、水滴により
溶けだすことがないように、適当なバインダー樹脂を添
加することもできる。前記バインダー樹脂は樹脂エマル
ション、アルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂から選ばれ
る。
【0013】前記樹脂エマルションとしては、ポリアク
リル酸エステル、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリ
酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸−マレイン酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、α−オレフィ
ン−マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリウレタン
等の水分散体が挙げられ、前記アルカリ可溶性樹脂とし
ては、スチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−マレ
イン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙
げられ、前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール等を挙げることができ、0.
1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%の範囲で一
種又は二種以上を混合して用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】前記(イ)、(ロ)、(ハ)三成
分を、従来公知のマイクロカプセル化法で内包した微小
マイクロカプセル顔料、水、必要により分散剤として用
いられる水溶性樹脂、グリセリン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の
湿潤剤を混合し、ディスパー等で攪拌し均一分散体とす
る。得られた微小マイクロカプセル顔料の水性分散体
に、前記水溶性高分子凝集剤の水溶液を攪拌しながら添
加し、更に必要に応じて防黴剤、消泡剤等を加えること
により本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物が得られ
る。前記したインキ組成物は、従来より公知の各種の繊
維収束体からなるインキ吸蔵体に充填され、公知の手段
により筆記具を構成し、実用に供することができる。
【0015】
【実施例】以下の実施例により具体的に本発明の可逆熱
変色性水性インキ組成物について述べるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。尚、実施例中の部はす
べて重量部を表わす。
【0016】 実施例1 微小マイクロカプセル顔料の製造 ビスフェノールA 5.0部 1,1−ヘキシリデンビスフェノール 5.0部 カプリン酸ステアリル 40.0部 ラウリン酸ステアリル 10.0部 ジフェニルメタンジイソシアネート 25.0部 2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン 5.0部 からなる成分の均質相溶体を内包液とし、ポリウレタン
樹脂を膜材とした可逆熱変色性マイクロカプセル顔料A
を得た。このマイクロカプセル顔料Aの粒子径は1〜2
μm、20℃における比重は1.040、変色温度は3
0℃(変色温度以下で黒、変色温度以上で無色)であっ
た。
【0017】 可逆熱変色性水性インキの製造 マイクロカプセル顔料A 30.0部 ポリビニルアルコール(商品名ゴーセノールGL−03、日本合成化学工業(株 )製) 0.5部 グリセリン 5.0部 防黴剤(商品名プロキセルXL−2、(株)ゼネカ製) 0.8部 消泡剤(商品名SNデフォーマー999、サンノプコ(株)製) 0.5部 水 53.2部 を混合し、ディスパーで攪拌しながらメチルセルロース
(商品名マーポローズM−25、松本油脂(株)製)の
2.5重量%水溶液を10.0部滴下し本発明の可逆熱
変色性水性インキ組成物を得た。このインキの20℃に
おける粘度をEL型粘度計(トキメック(株)製)で測
定したところ18.0mPa・sであった。また、マイ
クロカプセル顔料の比重は1.040(20℃)、ベヒ
クルの比重は1.025(20℃)であった。更に一日
放置後のインキの外観は上部が着色透明状、下部に顔料
が沈降した層分離状態を呈していた。また、顕微鏡で観
察したところ該高分子凝集剤による凝集状態が認められ
た。
【0018】上記マイクロカプセル顔料Aと同様の工程
により他の実施例及び比較例に使用するマイクロカプセ
ル顔料を作成した。各マイクロカプセル顔料の配合組成
及び性状を表に示す。
【表1】 表中の原料の内容を注番号に沿って以下に説明する。 (注1)マイクロリスホワイトR−K:日本チバガイギ
ー(株)製、ルチル型酸化チタンの塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合樹脂分散体
【0019】表1に記載されたマイクロカプセル顔料を
使用して実施例2〜6及び比較例1〜8のインキを作成
した。各インキの配合組成及び性状を以下の表に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】表中の原料の内容を注番号に沿って以下に
説明する。 (注2)分散剤:商品名ゴーセノールGL03、日本合
成化学工業(株)製、ポリビニルアルコール (注3)ヒドロキシエチルセルロース:商品名セロサイ
ズWP−09L、ユニオンカーバイド日本(株)製 (注4)ヒドロキシプロピルセルロース:商品名HPC
−SL、日本曹達(株)製 (注5)ヒドロキシプロピルメチルセルロース:商品名
メトローズ65SH−50、信越化学工業(株)製 (注6)防黴剤:商品名プロキセルXL−2、ゼネカ
(株)製 (注7)消泡剤:商品名SNデフォーマー485、サン
ノプコ(株)製 (注8)カルボキシメチルセルロース:商品名セロゲン
5A、第一工業製薬(株)製 (注9)カルボキシメチルセルロース:商品名セロゲン
PR、第一工業製薬(株)製 (注10)ポリアクリル酸ソーダ:ジュリマーAC−1
0L、日本純薬(株)製 (注11)消泡剤:商品名SNデフォーマー999、サ
ンノプコ(株)製 尚、各インキの粘度はEL型粘度計(トキメック(株)
製)を用い、インキを20℃に保持したまま測定した。
【0023】得られた実施例1〜6及び比較例1〜8の
インキを一日放置した後肉眼で外観を、また顕微鏡で分
散状態を観察した。更に各インキをポリエステル繊維束
を合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体、いわゆる
中綿を収容し、繊維の樹脂結着体であるペン体を軸筒の
先端に、中綿に接触状態に固着したマーキングペンに充
填し、性能試験用の試料とした。
【0024】以下に性能試験の方法を示す。 (1)初期筆記試験 実施例及び比較例の各インキについて各々30本のマー
キングぺンを作成し、組み立て直後に紙面上に手書きで
筆記を行ない、筆跡の目視観察により筆記性能を評価し
た。 (2)マーキングペン保存性能試験 上記のマーキングペンを50℃、室温、0℃の各条件下
に正立(チップ上向き)で5本、倒立(チップ下向き)
で5本ずつ放置し30日放置後に再度紙面上に手書で筆
記を行ない、筆跡の目視観察により筆記性能を評価し
た。但し、比較例7については初期筆記試験において筆
記できなかったため、保存試験は実施しなかった。
【0025】各インキの外観、顕微鏡観察結果及びマー
キングペンの性能試験結果を表に示す。
【0026】
【表4】
【0027】表中の評価基準を以下に説明する。 ○:良好に筆記でき、筆跡濃度の変化もない。 △:初期の筆跡に比較して淡色化している ▲:初期の筆跡に比較して濃色化している ×:筆記できない
【0028】
【発明の効果】本発明の可逆熱変色性水性インキは水溶
性高分子凝集剤による顔料粒子間のゆるやかな橋架け作
用のためにゆるやかな凝集状態を示し、繊維の集束体で
あるインキ吸蔵体、いわゆる中綿を収容したマーキング
ペンに適用した場合、可逆熱変色性マイクロカプセル顔
料の沈降あるいは浮上を防止することができ、マーキン
グペンの長期間の保存においてもインキの淡色化、濃色
化及び筆記不能現象が発生せず、良好な保存安定性を示
し、常に所望の可逆熱変色性の筆跡を得ることができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として水、可逆熱変色性微小カ
    プセル顔料及び該可逆熱変色性微小カプセル顔料粒子間
    のゆるい橋架け作用を有する水溶性高分子凝集剤を含
    み、該水溶性高分子凝集剤のゆるい橋架け作用により、
    前記可逆熱変色性微小カプセル顔料がゆるやかな凝集状
    態にけん濁してなる可逆熱変色性水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記可逆熱変色性微小カプセル顔料が、
    微小カプセル中に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記(イ)、(ロ)
    成分による電子授受反応を生起させる有機化合物媒体の
    三成分の均質相溶体を内包させたことを特徴とする請求
    項1記載の可逆熱変色性水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記可逆熱変色性微小カプセル顔料の粒
    子径が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1
    又は2記載の可逆熱変色性水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記水溶性高分子凝集剤が非イオン性水
    溶性高分子化合物であることを特徴とする請求項1記載
    の可逆熱変色性水性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 前記非イオン性水溶性高分子化合物が非
    イオン性水溶性セルロース誘導体であることを特徴とす
    る請求項4記載の可逆熱変色性水性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 軸筒先端部に固定されたペン体の後端
    が、軸筒内に収容された繊維集束体からなるインキ吸蔵
    体に接触してなる筆記具において、前記インキ吸蔵体に
    請求項1乃至5のいずれかに記載の可逆熱変色性水性イ
    ンキ組成物を含浸させたことを特徴とする可逆熱変色性
    の筆跡を与える筆記具。
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