JPH0740660A - 可逆変色性感温記録組成物 - Google Patents

可逆変色性感温記録組成物

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JPH0740660A
JPH0740660A JP5184847A JP18484793A JPH0740660A JP H0740660 A JPH0740660 A JP H0740660A JP 5184847 A JP5184847 A JP 5184847A JP 18484793 A JP18484793 A JP 18484793A JP H0740660 A JPH0740660 A JP H0740660A
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acid
color
temperature
composition
weight
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JP5184847A
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Kazuhiro Kamata
和容 鎌田
Shiyouzou Suefuku
正三 末福
Ryuichi Hoshikawa
隆一 星川
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
Original Assignee
Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の主な目的は、昇温もしくは降温の履歴
状態を制御することにより、極めて簡単に記録の保持と
消去を繰り返すことができ、しかも広いヒステリシス幅
(記録を保持するのに必要な温度域)を容易に設定する
ことができ、かかるヒステリシス幅を自由に調節できる
情報記録性に優れた組成物を提供することにある。 【構成】(イ)無色又は淡色のロイコ色素、(ロ)該ロ
イコ色素を発色させる能力を有する顕色性物質、及び
(ハ)分子中に少なくとも4個のエステル結合を有し、
且つ分子量が3000以下のエステル化合物を含んでな
る可逆変色性感温記録組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可逆変色性感温記録組
成物に関し、更に詳しくは、昇温もしくは降温の履歴状
態を制御するのみで、ある一定の温度域において2種以
上の異なった呈色状態を発現せしめることが可能な情報
記録用に使用し得る可逆変色性感温記録組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無色又は淡色のロイコ色素と、該ロイコ
色素を発色せしめる顕色性物質とを組み合わせて、各種
の記録材料に用いる試みは古くから行なわれており、記
録を発現させる操作が簡単で特別な装置も要さないこと
から、感圧複写紙、感熱記録紙等に広く用いられている
(例えばUSP2,548,364号公報、同2,71
1,375号公報、同2,730,456号公報、同
2,800,457号公報、同3,244,549号公
報、特公昭40−9310号公報、同42−20144
号公報、同43−4160号公報、同45−14039
号公報等)。
【0003】一方、この種の化合物の組み合わせに、更
にある種の有機溶剤を作用させると、呈色現象が温度に
より可逆的に変化することが見い出され(USP3,5
60,229号公報)、所謂ロイコ系サーモクロミック
組成物として各種用途に実用化されている(特公昭62
−28990号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た感圧複写紙及び感熱記録紙は、一回限りの記録操作に
用いられるものであって、これを繰り返して反復利用す
ることはできず、環境資源問題が取り沙汰されている昨
今、その使用は非効率的であると言わざるを得ない。
【0005】一方、それらの技術に派生して実用化に至
った各種のサーモクロミック組成物も、呈色状態が可逆
的に変化するという面からすれば、ある程度の反復利用
性は期待されるものの、一旦記録した情報が温度変化に
よって容易に消失するため、記録保持の点では満足のい
くものではない。
【0006】近年、ロイコ色素と顕色性物質からなる2
成分系に、アルコール類、エステル類、ケトン類等から
選ばれたキャリアー化合物を配合した組成物は、呈色現
象が温度により可逆的に変化し、しかも所定の温度範囲
に保つことにより記録した情報を維持できることが報告
されている(特開昭59−120492号公報、特開昭
60−264285号公報等)。しかしながら、該組成
物は、(i) 記録の保持を完全に保障するというところま
で、そのヒステリシス幅(記録を保持するのに必要な温
度域)が十分に広いということはできず、(ii)また、か
かるヒステリシス幅そのものが、用いられるキャリアー
化合物の固有の性質に依存し、適当なヒステリシス幅を
示す物質を見つけ出すことが困難であることから、ヒス
テリシス幅を自由に調節することができず、また他の添
加剤を追加配合する等して調節すると温度変化による変
色挙動がシャープなものとならない、等といった欠点を
有しているのが現状である。
【0007】本発明は、この様な状況に鑑みなされたも
のであって、その主な目的とするところは、昇温もしく
は降温の履歴状態を制御することにより、極めて簡単に
記録の保持と消去を繰り返すことができ、しかも広いヒ
ステリシス幅(記録を保持するのに必要な温度域)を容
易に設定することができ、かかるヒステリシス幅を自由
に調節できる情報記録性に優れた組成物を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、上記課題を
解決する為に、鋭意研究を重ねた結果、ロイコ色素及び
顕色性物質に加えて、分子中に少なくとも4個のエステ
ル結合を有する特定のエステル化合物を用いることによ
って、上記目的が達成されることを見出し、ここに本発
明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(イ)無色又は淡色のロ
イコ色素、(ロ)該ロイコ色素を発色させる能力を有す
る顕色性物質、及び(ハ)分子中に少なくとも4個のエ
ステル結合を有し、且つ分子量が3000以下のエステ
ル化合物を含んでなる可逆変色性感温記録組成物に係
る。
【0010】本発明では、無色又は淡色のロイコ色素と
しては、感圧複写紙用色素、感熱記録紙用色素等として
通常知られているものをいずれも用いることができ、例
えば、トリフェニルメタンフタリド系、フルオラン系、
フェノチアジン系、インドリルフタリド系、ロイコオー
ラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタム系、ト
リフェニルメタン系、トリアゼン系、スピロフタランキ
サンテン系、ナフトラクタム系、アゾメチン系等の従来
公知のものであればいかなるものを使用してもよい。こ
の様なロイコ色素の具体例としては、3,6−ジメトキ
シフルオラン、3,6−ジブトキシフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−クロ
ロ−6−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3,3′−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
フタリド、3−ジエチルアミノ−7−フェニルアミノフ
ルオラン、3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−メチル)フェニル−3−(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)フタリド、2′−(2−クロロ
アニリノ)−6′−ジブチルアミノスピロ〔フタリド−
3,9′−キサンテン〕等を挙げることができるが、勿
論これらに限定されるものではない。本発明において
は、これらのロイコ色素を1種又は2種以上組み合わせ
て用いることができ、この組み合わせによって、発色時
の色彩を黄、橙、赤、桃、赤紫、紫、青、青緑、緑、
茶、黒等の任意の色彩とすることができる。
【0011】本発明組成物に配合するロイコ色素を発色
させる能力を有する顕色性物質としては、通常、感圧複
写紙、感熱記録紙等の顕色剤として用いられる有機系顕
色性物質をいずれも用いることができる。この様な顕色
性物質の具体例としては、5−ブチルベンゾトリアゾー
ル、ビスベンゾトリアゾール−5−メタン等の1,2,
3−ベンゾトリアゾール類、フェノール、ノニルフェノ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、2,2′
−ビフェノール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキ
シナフタレン、パラオキシ安息香酸エステル、没食子酸
エステル等のフェノール類、p−フェニルフェノール−
ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹
脂等のフェノール樹脂オリゴマー類、シュウ酸、酒石
酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カル
ボン酸類、安息香酸、没食子酸、サリチル酸、ナフトエ
酸等の芳香族カルボン酸類、ベンジルアシッドホスフェ
ート、メチルアシッドホスフェート、ジラウリルホスフ
ェート等の酸性リン酸エステル類等を挙げることがで
き、更に、上記した各種の有機系顕色性物質と亜鉛、マ
グネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マン
ガン、スズ、ニッケル、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、銅、鉄、鉛等との金属塩等も用いることができる
が、勿論これらに限定されるものではない。
【0012】本発明においては、これらの顕色性物質を
1種又は2種以上組み合わせて用いることにより、発色
時の色彩濃度を自由に調節することができる。従ってそ
の使用量は、所望される色彩濃度に応じて任意に選択す
ればよく、特に限定されるものではないが、通常前記し
たロイコ色素1重量部に対して、0.1〜100重量部
程度の範囲内で選択するのが好適である。
【0013】本発明では、上記したロイコ色素及び顕色
性物質に加えて、分子中に少なくとも4個のエステル結
合を有し、且つ分子量が3000以下のエステル化合物
を用いることが必要である。この様な化合物を用いるこ
とによって、ロイコ色素の呈色状態が温度の変化に応じ
て可逆的に変化し、しかも昇温時と降温時とで変色温度
にずれが生じるものとなる。以下に、図1を参照しつ
つ、本発明において生じるこのような特徴的な呈色状態
の温度変化について詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明組成物の温度と呈色濃度と
の関係を示すグラフである。まず、本発明の組成物が、
図1において、最高の呈色濃度C2 (以下単に発色状態
と記す)を示す温度範囲にある任意の温度T1 にある場
合に、これを昇温すると温度T3 に達した時点で呈色濃
度が急激に減じはじめ、温度Tに達すると、最低の
呈色濃度C1 (以下単に消色状態と記す)を示すように
なる。次に、この様に消色状態を示す温度範囲にある任
意の温度T4 にある本発明組成物を降温させていくと、
上記した温度T及びT3 に達してもその消色状態に
あることは変わらず、更に降温を続け、温度T2 に達し
た時点で呈色濃度が急激に増加しはじめ、温度T
達すると発色状態C2 へと戻る。このような、可逆変色
サイクルは、準可逆的変色現象と呼ばれることもある
が、一般的には、ヒステリシス変色現象として知られて
いるものであり、上記した特定のエステル化合物を用い
ることによりもたらされる作用である。尚、図1に対す
る上記説明においては、便宜上、温度を連続的に変化せ
しめる表現をとったが、勿論、相異なる適当な2つの温
度点を適用するだけで、同一の作用効果が発現される。
【0015】本発明の組成物では、この様に昇温もしく
は降温の履歴状態の如何により、温度範囲T2 乃至T3
間における同じ温度において、2つの異なった呈色状態
(即ち、発色状態と消色状態)が示される。このため、
この性質を利用することにより記録を保持することがで
きる。具体的には、消色状態にある本発明組成物をT
以下の温度に冷却すれば、発色状態となり、これを
2 乃至T3 の温度範囲に維持する場合には、発色状態
が維持される。また、発色状態にある本発明組成物をT
以上の温度に加熱すると消色状態となり、これをT
2 乃至T3 の温度範囲に維持する場合には、消色状態が
維持される。
【0016】本発明組成物は、このようなヒステリシス
変色現象を示すという特徴に加えて、記録を保持し得る
温度範囲T2 乃至T3 、即ち、ヒステリシス幅を任意に
設定することができ、しかもこのヒステリシス幅を広く
設定することができるという特徴がある。この様に、広
いヒステリシス幅を設定できる結果として、安定した記
録の保持が可能となる。かかる本発明組成物の特徴は、
下記の様な理由によるものと考えられる。
【0017】即ち、本発明の組成物において、上記ヒス
テリス幅(温度範囲T2 乃至T3 )は、使用するエステ
ル化合物の融点と曇点の差にほぼ対応するものとなる。
この理由は明確ではないが、エステル化合物の物理的挙
動が昇温時には融点において大きく変化して共存するロ
イコ色素と顕色性物質の反応に影響を与え、この融点が
温度T3 にほぼ対応するものとなり、一方、降温時には
エステル化合物の物理的挙動は曇点において大きく変化
してやはり共存するロイコ色素と顕色性物質の反応に影
響を与え、この曇点が温度T2 にほぼ対応するものとな
り、その結果ヒステリシス幅が融点と曇点の差にほぼ対
応するものとなると推測される。そして、本発明では、
分子中に4個以上のエステル結合を有するエステル化合
物を用いることから、該エステル化合物において、エス
テル結合の種類の選択幅が非常に広く、個々のエステル
結合の種類を任意に変化させることにより、その融点・
曇点を自由に、しかもほとんど連続的に設定することが
でき、これらの物性値と一体不可分の関係にあるヒステ
リシス幅も自由に調節することが可能となる。
【0018】この様に、本発明では、4個以上のエステ
ル結合を有する化合物を用いることが必要であり、3個
以下のエステル結合を有する化合物では、融点・曇点の
設定の自由度が少なく、これを任意な値で連続的に変化
させることはできない。
【0019】また、本発明で用いるエステル化合物は、
分子量が3000以下であることが必要である。かかる
分子量においては、エステル化合物は明確な融点を示す
ものとなり、変色挙動がシャープとなるが、分子量が3
000を超えると明確な融点を示さないことが多く、こ
の様な場合には、変色挙動にシャープさを欠く為、情報
記録用の組成物としては不適切となる。
【0020】本発明で用いるエステル化合物としては、
例えば、以下に列挙された酸成分とアルコール成分を適
宜組み合わすことによって得られる化合物を挙げること
ができ、これらの化合物は、公知のエステル化反応によ
り極めて簡単に得ることができる。
【0021】*酸成分:安息香酸、パラヒドロキシ安息
香酸、ナフトエ酸、プロトカテキュー酸、没食子酸、ト
ルイル酸、ハロ安息香酸、アミノ安息香酸、ニコチン
酸、キノリン酸、フタル酸、トリメリト酸、ピロメリト
酸等の置換基を有してしても良い芳香族モノカルボン酸
又はポリカルボン酸;酢酸、クロル酢酸、フェニル酢
酸、ケイ皮酸、プロピオン酸、ブチルチオプロピオン
酸、オクチルチオプロピオン酸、デシルチオプロピオン
酸、ラウリルチオプロピオン酸、ステアリルチオプロピ
オン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、ベヘン酸、シクロペンタンカルボン酸、シ
クロヘキサンカルボン酸等の置換基を有していても良い
脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、酒石酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、リンゴ酸、クエン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、エチレンジアミン四酢酸等の置換基を有して
いても良い脂肪族ポリカルボン酸;硫酸、メチル硫酸、
ラウリル硫酸等の硫酸又はアルキル硫酸;リン酸、メチ
ルリン酸、ジメチルリン酸等のリン酸又はアルキルリン
酸;その他、アルキル基やアリール基を有するホスホン
酸やスルホン酸等。
【0022】*アルコール成分:メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペ
ンタノール、ネオペンチルアルコール、ヘプタノール、
オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコ
ール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコー
ル、シクロヘキシルメチルアルコール、グリコール酸、
クエン酸、リンゴ酸、セロソルブ等の置換基を有してい
ても良い脂肪族1価のアルコール類;エチレングリコー
ル、ジエレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジ
オール、酒石酸、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、グ
リセロリン酸、ペントース類、ヘキソース類、ヘプトー
ス類、ヘキシトール類等の置換基を有していても良い脂
肪族多価アルコール類;フェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、2,2′−ジフェノール、パラ
ヒドロキシ安息香酸、プロトカテキュー酸、ハイドロキ
ノン、没食子酸、サリチル酸、レゾルシン等の置換基を
有していても良いモノフェノール類又はポリフェノール
類等。
【0023】上記の酸成分とアルコール成分の組み合わ
せは無数に存在するが、分子中に合計4個以上のエステ
ル結合を有し、且つ分子量が3000を超えない様に分
子設計すれば、本発明においては全て好適に用いること
ができる。
【0024】本発明では、テレフタル酸とエチレングリ
コールから形成されるポリエステル化合物の様に、分子
主鎖中にエステル結合(エステル基)が繰り返して包含
される長分子状の化合物も使用できるが、例えば、分子
主鎖や芳香核に、エステル結合を有する置換基が結合し
た3次元的にある程度の広がりを持った化合物が好まし
く、かかる化合物は、一般にシャープな融点を有し、シ
ャープな変色挙動を発揮できる。
【0025】この様な好ましいエステル化合物として
は、例えば下記のものを示すことができる。
【0026】ペンタエリスリトール、ヘキシトール等の
分子中にOH基を4個以上有する多価アルコールと各種
酸成分とからなるエステル化合物;酒石酸、没食子酸等
の分子中にOH基とCOOH基を合計4個以上有する化
合物において、そのOH基をアルコール成分として各種
の酸成分と組み合わせるとともに、COOH基を酸成分
として各種のアルコール成分と組み合わせてなるエステ
ル化合物;及びエチレンジアミン四酢酸、ピロメリト酸
等の分子中にCOOH基を4個以上有する多塩基酸と各
種アルコール成分とからなるエステル化合物等。
【0027】この様に分子設計されてなるエステル化合
物の一例として、ペンタエリスリトールテトラミリステ
ェート(融点58℃)、ペンタエリスリトールテトラス
テアレート(融点75℃)、ペンタエリスリトールテト
ラベヘネート(融点80℃)、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−n−デシルチオプロピオネート)(融点
38℃)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウ
リルチオプロピオネート)(融点50℃)、マンニトー
ルヘキサステアレート(融点65℃)、3,4,5−ト
リス(アセチルオキシ)安息香酸セチル(融点87
℃)、3,4,5−トリス[(1−オキソヘキサデシ
ル)オキシ]安息香酸セチル(融点79℃)、3,4,
5−トリス(アセチルオキシ)安息香酸ラウリル(融点
76℃)、3,4,5−トリス(アセチルオキシ)安息
香酸オクチル(融点54℃)、3,4,5−トリス
[(1−オキソヘキサデシル)オキシ]安息香酸プロピ
ル(融点62℃)、テトラメチル1,2,4,5−ベン
ゼンテトラカルボキシレート(融点142℃)、テトラ
エチル1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボキシレー
ト(融点54℃)、テトラエチルエチレンジアミンテト
ラアセテート(融点32℃)等を挙げることができる
が、勿論これらに限定されるものではない。
【0028】上述したエステル化合物の使用量は、所望
されるヒステリシス幅及び発色時の色彩濃度等に応じて
適宜選択すれば良く、特に限定されるものではないが、
通常ロイコ色素1重量部に対して、0.1〜1000重
量部程度の範囲内で使用するのが好ましい。
【0029】本発明組成物は、通常、1種類のエステル
化合物を用いることにより、記録を保持するのに必要と
される温度域(ヒステリシス幅)を自由に設定できると
いう特徴があるが、発色時の色彩濃度を調節したり、変
色挙動を微調節することを目的として、2種類以上のエ
ステル化合物を組み合わせて用いることができ、更に、
以下に列挙する他の添加剤を用いることもできる。
【0030】この様な添加剤としては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、オ
クチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、ベヘニルアルコール等のアルコール
類;フタル酸ジオクチル、カプリン酸デシル、ラウリン
酸デシル、ラウリン酸ミリスチル、ミリスチン酸ラウリ
ル、パルミチン酸ステアリル、p−t−ブチル安息香酸
セチル、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピ
オン酸ジミリスチル、ステアリルベンゾエート、ベンジ
ルステアレート、安息香酸ベンジル等の分子内にエステ
ル結合を4個未満有するエステル類;ベンジリデンp−
トルイジン、ベンジリデン・ブチルアミン等のアゾメチ
ン類;アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ジ
ステアリルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジ
ステアリルエーテル、ジフェニルエーテル、セロソルブ
等のエーテル類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、安息香酸、ナフトエ
酸、プロピオン酸、ブチルチオプロピオン酸、ラウリル
チオプロピオン酸、ステアリルチオプロピオン酸等の有
機カルボン酸類などを挙げることができる。かかる添加
剤の使用量は、通常、本発明で用いるエステル化合物1
00重量部に対して、1〜100重量部程度とすればよ
い。
【0031】これらの添加剤のうちで、特に、本発明組
成物に配合するエステル化合物の酸成分として用いられ
た有機カルボン酸類又は該有機カルボン酸類を構成要件
とする分子中に4個未満のエステル結合を含んでなるエ
ステル類は、広いヒステリシス幅を維持したまま、温度
域を微調節することができるため、好適に用いられる。
また、使用するエステル化合物との融点の差が±5℃未
満の有機カルボン酸類又は分子中に4個未満のエステル
結合を含んでなるエステル類を添加剤として用いる場合
にも、広いヒステリシス幅を維持したまま、温度域を微
調節することができる。
【0032】本発明組成物は、各成分を混合した形態、
エステル化合物を溶融しこれに他の成分を混合した形態
等として使用可能であり、また、該組成物を通常の顔料
成分と同様に、インク、塗料、合成樹脂等に均一に分散
させて用いることも可能であるが、独立した微小閉鎖系
内に本発明化合物を内包して用いることがより好まし
い。
【0033】この目的を達成する為には、従来公知の各
種マイクロカプセル化技法を適用することができる。
【0034】かかるマイクロカプセル化技法としては、
コアセルベーション法、界面重合法、in situ
(インサイチュ)重合法、液中硬化被覆法、気中懸濁被
覆法、スプレードライング法等を挙げることができ、こ
れらを1種又は2種以上組み合わせて本発明の組成物を
内包する粒径1〜50μm程度の単層もしくは複層のマ
イクロカプセルを得ることができる。
【0035】また、その際使用される皮膜形成物質の好
適な例としては、ポリ尿素皮膜を形成するための多価ア
ミンとカルボニル化合物、ポリアミド皮膜を形成する為
の多塩基酸クロライドと多価アミン、ポリウレタン皮膜
を形成する為の多価イソシアネートとポリヒドロキシ化
合物、ポリエステル皮膜を形成する為の多塩基酸クロラ
イドとポリヒドロキシ化合物、エポキシ樹脂皮膜を形成
する為のエポキシ化合物と多価アミン、メラミン樹脂皮
膜を形成する為のメラミン・ホルマリンプレポリマー、
尿素樹脂皮膜を形成する為の尿素・ホルマリンプレポリ
マー、その他、ゼラチン、エチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリスチ
レン、ポリ酢酸ビニル等を挙げることができる。
【0036】なお、上記のマイクロカプセルの皮膜とし
ては、耐熱性、耐溶剤性等の点で優れる熱硬化性のもの
が好ましい。
【0037】斯くして得られた本発明組成物を内包する
マイクロカプセル粒状物は、該組成物をそのまま用いる
場合と同様に、各種インク中、塗料中、合成樹脂中等に
均一に分散させて用いることができる。
【0038】その際、上記した各媒体中には、所望によ
り、公知の一般染料、蛍光染料、蛍光増白剤、紫外線発
光型色素、一般顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、夜光顔料、
メタリック光沢顔料、体質顔料、サーモクロミック着色
剤、フォトクロミック着色剤等の他の着色剤;紫外線吸
収剤、酸化防止剤、撥水剤、難燃剤、ダル化剤、艶消
剤、架橋剤、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、忌避剤、
防腐剤等を添加することができる。
【0039】また、本発明の組成物の諸特性を損わない
範囲内であれば、これらは前記したマイクロカプセル内
に共存させることもできる。
【0040】尚、上記した他の着色剤を使用した場合に
は、異なる二種類の色彩の間で可逆的な変色現象を提供
できることは勿論のこと、これら他の着色剤及び本発明
の組成物を2種以上組み合わせて用いることにより、多
段変色の記録保持が可能となる。
【0041】
【発明の効果】本発明の可逆変色性感温記録組成物は、
繰り返して記録の保持と消去ができるものであり、各種
の情報記録用素材として適用することにより、省資源、
省エネルギー化が達成できる。更に記録保持に必要な温
度域が自由に設定できることから、極めて広範囲な用途
に適用可能である。
【0042】従って、従来の感熱記録紙用塗布剤に置き
換えて使用できることは勿論のこと、各種インクリボン
や熱転写媒体として利用すればあらゆるものに対する情
報の記録が可能である。
【0043】また、筆記ボード、ホワイトボード、ブラ
ックボード(黒板)等に適用すれば、熱ペンと冷イレー
サー、又は冷ペンと熱イレーサーを組み合わせて用いる
ことにより、ネガ像もしくはポジ像の記録の保持と消去
が可能となる。
【0044】更に、本発明の組成物は、各種のラベル
類、インジケーター類、偽造防止用材等としても利用す
ることができ、例えば食品類の過冷却状態や過熱状態の
検知、電気配電盤の各種回路等の漏電、過電流状態の検
知等を目的として各種の危険防止用資材や警告表示用資
材として用いられるとともに、各種のIDカード、プリ
ペイドカード、キャッシュカード、磁気カード、切手、
紙幣、有価証券、変造防止シール等に適用することによ
り、偽造防止用資材や偽造検知用資材として利用するこ
とができる。
【0045】また、豊富なカラーバリエーション、特異
な変色挙動等に注目して、各種衣料品、装飾品、寝具
品、インテリア用品、玩具類、学習教材、筆記具、文房
具、その他日常雑貨類等に適用すれば、嗜好性、装飾
性、意外性等が付与された付加価値の高いユニークな製
品を得ることができる。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0047】尚、以下の実施例1乃至35における各変
色サイクルの温度と呈色状態の測定は、内径8mmの試
験管に組成物を適量装填するとともに、温度計を同時に
挿入し、温度を変化させながら、呈色状態を目視判定す
ることにより行なった。
【0048】実施例1 ロイコ色素(以下単に(イ)成分と記す)である6−
(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルア
ミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン
(クリスタルバイオレットラクトン、以下単にC.V.
L.と略記する)1重量部及び顕色性物質(以下単に
(ロ)成分と記す)である4,4′−(1−メチルエチ
リデン)ビス−フェノール(以下単にビスフェノールA
と略記する)3重量部を、エステル化合物(以下単に
(ハ)成分と記す)であるペンタエリスリトール テト
ラキス(3−n−デシル−チオプロピオネート)26重
量部に加熱溶融して、均質な組成物30重量部を得た。
該組成物は、発色状態において濃厚な青色を呈するもの
であり、図1に示した変色サイクルにおける各温度は以
下の通りであった。
【0049】T= 3℃ T2 = 7℃ T3 =25℃ T=30℃ 実施例2〜27 実施例1と同様にして、下記表1乃至表3に記載した配
合の組成物を得た。得られた組成物の発色時の色と図1
における変色サイクルの各温度を以下の表1乃至表3に
示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】実施例28 添加剤として、3−ラウリルチオプロピオン酸1重量部
を加える以外は、実施例5と同様にして組成物を得た。
該組成物は、発色時には実施例5の組成物と同様に濃青
色を示すものであり、変色サイクルの各温度は以下の通
りであった。
【0054】T=15℃ T2 =20℃ T3 =35℃ T=40℃ 実施例29〜35 下記表4に示す配合で可逆変色性組成物を得た。該組成
物の発色時の色と変色サイクルの各温度を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】実施例36 実施例5で得た組成物30重量部及びエポキシ樹脂
(“エピコート828”油化シエルエポキシ(株)製)
6重量部の均一な熱溶液を、90℃の5%ヒドロキシエ
チルセルロース水溶液100重量部中に投入し、撹拌し
て直径約5μmの油滴状に分散させ、次いでエポキシ樹
脂用硬化剤(“エピキュアU”油化シエルエポキシ
(株)製)2重量部を投入し、引き続き2時間反応させ
た。
【0057】その後冷却し、生成したマイクロカプセル
粒子を濾別、水洗、乾燥することにより、約38重量部
の該組成物内包マイクロカプセル粒状物を得た。
【0058】次に、この様にして得られた粒状物20重
量部を、40℃に加熱した10%ゼラチン水溶液100
重量部中に撹拌下加えて均一に分散させるとともに、1
0%酢酸にて系のpHを5に調整した。その後5%アラ
ビアゴム水溶液100重量部をこの分散液中に撹拌下添
加し、3℃まで冷却した。その後10%ホルマリン水溶
液5重量部を加え、更に10分間撹拌を続けた後、10
%カセイソーダ液を徐々に滴下しながら系のpHを10
に調整した後、1時間かけて50℃まで昇温した。
【0059】生成した粒径7〜8μmのカプセル分散液
を濾別、水洗し、自然乾燥した後、更に80℃で2時間
乾燥することにより、約30重量部の可逆変色性組成物
内包複層マイクロカプセル粒状物を得た。
【0060】実施例37 実施例5の組成物に代えて実施例24の組成物を用いる
以外は実施例36と同様にして、約30重量部のマイク
ロカプセル粒状物を得た。
【0061】実施例38 実施例5の組成物に代えて実施例25の組成物を用いる
以外は実施例36と同様にして、約30重量部のマイク
ロカプセル粒状物を得た。
【0062】実施例39 実施例5の組成物に代えて実施例26の組成物を用いる
以外は実施例36と同様にして、約30重量部のマイク
ロカプセル粒状物を得た。
【0063】実施例40 実施例5の組成物に代えて実施例27の組成物を用いる
以外は実施例36と同様にして、約30重量部のマイク
ロカプセル粒状物を得た。
【0064】実施例41 実施例20で得た組成物200重量部に対して、多価イ
ソシアネート(“ミリオネートMR”日本ポリウレタン
工業(株)製)50重量部を加えて、加熱、撹拌して均
一な分散液を得た。次に、分散安定剤としてコロイド状
リン酸三カルシウム10重量部とドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.2重量部とを含む60℃に加熱し
た水溶液2000重量部中に、上記の均一分散液を加
え、撹拌機を用いて該均一分散液の平均粒子径が3μm
となるように撹拌速度を調整し、分散させた。この分散
液中にキシリレンジアミン10重量部を滴下し、60℃
で約3時間分散液の撹拌を続けて反応を終了した後、塩
酸によって分散安定剤を分解除去し、濾過、水洗、乾燥
することにより、約260重量部の該組成物内包マイク
ロカプセル粒状物を得た。
【0065】次に、この様にして得られた粒状物100
重量部を、アニオン系界面活性剤(“デモールN”花王
(株)製)5重量部を含む水溶液1000重量部中に撹
拌下投入し、均一に分散させ、続いてこの分散液中にメ
ラミン・ホルマリンプレポリマー20重量部を滴下し、
撹拌を続けながら、80℃まで加熱した。
【0066】次いで希塩酸を滴下して系のpHを4.5
に調整し、この温度で2時間撹拌を続けた後、放冷し、
濾過、水洗、乾燥を行ない約120重量部の該組成物内
包マイクロカプセル粒状物を得た。
【0067】実施例42 実施例36で得たマイクロカプセル粒状物10重量部
を、10%ポリビニルアルコール水溶液50重量部中に
均一に分散させた後、厚さ約80μmの記録用上質紙上
に塗布量20g/m2 となる様にコーティングロールに
て塗布した。その後、60℃の温度でゆっくりと乾燥さ
せ、室温(25℃)にて白色を呈する可逆変色性感温記
録紙を得た。
【0068】この記録紙上に、冷ペン(ペン先温度4
℃)にて、「A」という文字を記録し、室温(25℃)
にて1ヶ月間放置したところ、1ヶ月後においてもこの
文字は記録されたままであり、半永久的な記録保持が可
能であった。
【0069】一方、該文字部に温風(50℃)をあてた
ところ、たちどころに文字は消失し、元通りの白色記録
紙に戻った。以後、この様な記録の保持と消去は何度も
繰り返すことができた。
【0070】一方、該記録紙を庫内温度8℃の冷蔵庫中
に保管しておき、室温(25℃)の部屋に取り出したと
ころ、該記録紙は、全面濃厚な青色を呈するものとなっ
た。該記録紙を通常のプリンターにセットし、サーマル
ヘッドにて印字したところ、室温にて青色の記録紙上に
白色の文字が印字された。この文字は、室温にて1ヶ月
間放置しても、印字されたままであり、半永久的な記録
が可能であった。そして、この印字した記録紙を再び冷
蔵庫内に放置し、取り出したところ、元通りの青色記録
紙に戻った。
【0071】以後、この様な記録の保持と消去は何度も
繰り返すことができた。
【0072】よって、本実施例で得た記録紙は、昇温も
しくは降温の履歴状態を簡単に制御するのみで、ポジ像
タイプの記録紙とネガ像タイプの記録紙の双方の機能を
発現させることが可能な非常にすぐれたものであった。
【0073】実施例43 実施例36で得たマイクロカプセル粒状物10重量部、
多官能アクリルモノマー(商品名、KAYARAD D
PHA;日本化薬(株)製)18重量部、同(商品名、
KAYARAD TMPTA;日本化薬(株)製)4重
量部、ベースレジン(商品名、Epikote828
アクリレート;油化シエルエポキシ(株)製)8重量部
及びベンゾフェノン系光重合開始剤(商品名、KAYA
CURE MBP;日本化薬(株)製)0.3重量部か
らなる紫外線硬化型の印刷インキAを調整した。続い
て、上記処方において実施例36で得たマイクロカプセ
ル粒状物10重量部に代えて、実施例37乃至実施例4
0の各実施例で得たマイクロカプセル粒状物各10重量
部を用いる以外は全て同様にして印刷インクB,C,
D,Eを調製した。
【0074】上記した合計5色の印刷インクを用いて、
ポリウレタンラミネートシート上に、幾何学模様柄をス
クリーン印刷し、その後平行形高圧水銀灯(80W/c
m)を使用して、照射距離10cmにて1秒間の照射処
理を行なうことによって、ポリウレタンシート製の筆記
ボードを得た。
【0075】この筆記ボードは,室温にて黒、赤、黄、
緑、青の計5色が幾何学模様状に発色するものであり、
ディスプレーとしての機能を有するものであったが、5
0℃の温風にて全面を暖めた後、加熱をやめると全面白
色の筆記ボードとなった。
【0076】この筆記ボード上に、冷ペン(ペン先温度
8℃)にて、様々な文字や図形を筆記すると、その筆跡
部が黒、赤、黄、緑、青の計5色に、その部所ごとに異
なって発色し、非常にユニークなものであった。
【0077】また、この様にして描かれた多色に発色し
た文字や図形は、室温(25℃)では維持されるが、一
旦温風(50℃)で暖ためたり、指先で数回こするとそ
の摩擦熱にて消失し、該筆記ボードは元の白色の筆記ボ
ードにもどった。この様な可逆的な記録の保持と消去は
何回も繰り返すことができた。
【0078】実施例44 実施例36で得たマイクロカプセル粒状物20重量部、
マツミンバインダーD−35(商品名、(株)松井色素
化学工業所製、アクリル酸エステル系水性樹脂エマルジ
ョン)70重量部、フィクサーF(商品名、(株)松井
色素化学工業所製、アクリル酸エステル樹脂用エポキシ
系架橋剤)5重量部を混合し、布帛用樹脂捺染ペースト
を調製した。
【0079】該捺染ペーストを用いて、綿Tシャツ上に
1辺30cmの正方形のベタ柄をスクリーン版(80メ
ッシュ)にて印捺し、100℃、2分間の熱処理を行な
った。
【0080】かくして得られたTシャツは、全面白色を
呈するものであったが、庫内温度2℃に調節された冷蔵
庫内にしばらく放置すると、当該印捺部のみ鮮明な青色
を呈するものとなった。この印捺部に、自分の好きな絵
柄や文字を、アイロン又は電気ゴテ等の加熱媒体を用い
て描くと、体温や室温(25℃)では消失しない白色の
メッセージを書き込むことができた。このメッセージは
再び冷蔵庫内に放置すると、ただちに消失し、元の青色
の像を得ることができた。また、ドライヤーで加熱する
ことにより、白色のTシャツとすることもできた。
【0081】この様なメッセージの書き込みと消去は、
何回も繰り返すことができ、自分で好きなメッセージが
書き込める非常にユニークなTシャツを得ることができ
た。 実施例45 片面にシリコン加工を施したパーチメント紙(98g/
2 )のシリコン加工面に、SKダイン101(粘着
剤、積水化学工業社製)を、ロールコーターにて厚さ4
0μmに全面塗布し、風乾後、その上にポリエステルフ
ィルム(厚さ20μm)を貼り合わせ、タックシール用
の基体シートを作った。
【0082】次いで、実施例41で得たマイクロカプセ
ル粒状物20重量部とグローピンクMFB(桃色蛍光顔
料、松井色素化学工業所社製)3重量部とをEV−40
(エチレン酢酸ビニル共重合体、三井東圧化学工業社
製)の25%キシレン溶液100重量部中に均質に分散
してなる印刷インキを用いて、該基体シートのポリエス
テルフィルム上に、水玉模様柄(直径1cm)をスクリ
ーン版(100メッシュ)にて印刷し、十分乾燥させ
た。
【0083】その後、この様にして得た基体シート表面
(水玉模様を施こした面)に透明ポリプロピレンフィル
ム(厚さ50μm)を加熱下、ラミネート加工すること
により、水玉模様柄のタックシールを得た。
【0084】該水玉模様柄は、25℃の室温では紫色を
呈したが、60℃以上の温度に曝すとピンク色に変化
し、これを再び室温に戻してもピンク色のままであっ
た。しかし、−20℃の冷媒にて表面を冷却すると、直
ちに元の紫色へと復色した。この様な変色現象は、何回
も繰り返すことができた。
【0085】この様なタックシールを、水玉模様柄ごと
にハーフカットし、配電盤の各ブレーカーに貼付したと
ころ、過電流により発熱したブレーカーに貼付されたタ
ックシールのみピンク色に変化し、その他のものは全て
紫色のままであった為(いずれも室温にて観察)、異常
のあった配線を直ちに検知することができた。
【0086】この様なピンク色に変色したタックシール
は、−20℃の冷媒にて紫色に復色させることができる
為、繰り返し、異常の検出に使用できるものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明組成物の温度変化による呈色濃度変化の
ヒステリシス特性を示すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)無色又は淡色のロイコ色素、(ロ)
    該ロイコ色素を発色させる能力を有する顕色性物質、及
    び(ハ)分子中に少なくとも4個のエステル結合を有
    し、且つ分子量が3000以下のエステル化合物を含ん
    でなる可逆変色性感温記録組成物。
  2. 【請求項2】マイクロカプセルに内包されてなる請求項
    1に記載の可逆変色性感温記録組成物。
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