JP5383094B2 - 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 - Google Patents
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Description
特許文献1を例に説明すると、変色温度調整剤として使用されるパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石油系天然ワックスの添加量を可逆熱変色性組成物100重量%に対して2重量%以下とし、且つ、マイクロカプセル顔料の平均粒子径を4μm以下に設定した場合、発色時の色濃度は低下することなく鮮明に現出されるものの、完全着色温度が設定した温度よりも低温化してしまうため、鋭敏な変色機能を発現し難いものとなっていた。
更に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物と、1.0〜100KOHmg/gの酸価を有するポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸メチルコポリマー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー、無水カルボン酸変性ポリエチレンワックス、無水カルボン酸変性ポリプロピレンワックスから選ばれるいずれか一種以上の合成ポリオレフィンワックスとを少なくともマイクロカプセルに内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を要件とする。
更には、前記合成ポリオレフィンワックスが、80〜180℃の軟化点を有すること、前記合成ポリオレフィンワックスが、前記(ハ)成分100重量部に対して、0.000001〜2重量部の範囲で含まれること、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の粒子径分布が0.05〜30μmの範囲に80体積%以上を占め、且つ、0.05〜5μmの範囲に30体積%以上を占めること、前記マイクロカプセルの平均粒子径が0.1〜4.0μmの範囲にあること、前記(ハ)成分が、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコール類、酸アミド類のいずれかから選ばれる一種以上であること等を要件とする。
また、粒子径の小さいマイクロカプセル顔料においても、完全着色温度の低温化を生じることなく変色温度の微調整が可能であると共に、鮮明且つ鋭敏に発色する熱変色機能も優れているため、筆記具用インキ、微細スプレー用インキ、高メッシュ分解によるプロセス印刷インキ、グラビヤ印刷インキ、オフセット印刷インキ等、マイクロカプセル顔料の粒子径を小さく設定しなければならない用途にも適用することが可能となる。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全に消色した状態に達する温度T4(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度T3(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度T2(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全に呈色した状態に達する温度T1(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
温度TAにおいては呈色状態E点と消色状態F点の2相がいずれも存在可能であり、この温度TAを含む、色濃度差の大きい領域であるT2とT3の間の温度域が変色の保持可能な温度域であり、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さい(5℃未満)と変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きい(5℃〜80℃)と変色前後の各状態の保持が容易となる。
とりわけ、ΔH値が小さい(5℃未満)可逆熱変色性組成物は、その変色特性からインジケーター等の用途に使用され、変色温度の調整は重要な要件である。
この点について説明すれば、変色温度調整剤を配合することにより図2の色濃度−温度曲線の破線で示したようにT1(完全発色温度)及びT2(発色開始温度)が高温側にシフトする。
前記シフトする温度は、変色温度調整剤、即ち合成ポリオレフィンワックスの種類、添加量によって微調整することができる。
これは、前記マイクロカプセル顔料を製造する場合には、その用途によって異なるものの、概ね1〜50μm、好ましくは1〜30μmの粒子径のマイクロカプセル顔料が使用されるが、粒子径にばらつきを生じており、全てのマイクロカプセル顔料が前記した範囲の粒子径を示すわけではなく、それ以上、或いはそれ以下の粒子径を有するマイクロカプセル顔料も存在する。粒子径がおよそ0.01〜4μmのマイクロカプセル顔料は高メッシュ分解によるプロセス印刷用インキや筆記具用インキ等への応用が可能であるが、(ハ)成分が過冷却性を有するため、図3の色濃度−温度曲線の実線で示したように内包されている組成物が全く同組成であるにもかかわらず、それ以上の粒子径を有するマイクロカプセル顔料の温度降下時に発色する温度より2〜30℃低温側にシフトしたり、段階的に発色して鋭敏な変色を示さなくなり、本来の変色特性が得られ難い。
しかし、前記粒子径の小さいマイクロカプセル顔料中に合成ポリオレフィンワックスを配合することにより、可逆熱変色性組成物自体の結晶性を向上させることにより、(ハ)成分の過冷却性を抑制して図2の色濃度−温度曲線の破線で示したようにT1(完全発色温度)及びT2(発色開始温度)が高温側にシフトすると共に鋭敏に発色する良好な発色挙動を示す。
前記合成ポリオレフィンワックスを用いることで、少量の添加で変色温度の微調整が可能となると共に、マイクロカプセル顔料の粒子径を微小(4μm以下)に設定しても完全着色温度の低温化を生じることがなくなる。
特に、前記酸価(1.0〜100KOHmg/g、好ましくは10〜100KOHmg/g)を有するものを用いた場合、分子量に関わらず少量の添加での微調整が可能となるため、(ハ)成分への溶解性に優れマイクロカプセル化工程における析出等の不具合が生じ難くなる。
また、前記酸価が10KOHmg/g以上の場合、マイクロカプセル顔料を変色させるために高温処理した状態であっても、完全着色温度の低温化を生じることなく所望の変色挙動を維持することができるので、より広い用途への応用が可能となる。
また、前記合成ポリオレフィンワックスとして、軟化点が80〜180℃のものを用いた場合、より少量の添加で変色温度の微調整が可能となる。
0.000001重量部未満では、所望の変色温度調整効果を発現し難く、また、2重量部を超えると変色感度を損ない易く、鋭敏な変色挙動を示し難くなる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル等。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、4−(4−(1−メチルエトキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ブチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ペンチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘキシルオキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−ヘプチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、4−(4−オクチルオキシフェニル)スルホニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、それらの金属塩や、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸及びそれらの金属塩、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1,2,3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化合物としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、アルコール類等の反応媒体が総て有効であり、中分子量ポリマー類の如く、半液状物質であっても良く、これらの化合物の一種又は二種以上を適用できる。前記各化合物を用いてマイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために、炭素数10以上の化合物が有効である。
総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等。
アリールアリールケトン類、例えば、ベンゾフェノン、ベンジルフェニルケトン、ジベンジルケトン等。脂環式ケトン、例えば、シクロオクタノン、シクロドデカノン、シクロペンタデカノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン等が例示できる。
具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリスチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等が例示できる。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘン酸n−ノニル、ベヘン酸n−ウンデシル、ベヘン酸n−トリデシル、ベヘン酸n−ペンタデシルが挙げられる。
アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチルアミド、ベヘン酸N−メチルアミド、オレイン酸N−メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、パルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチルアミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N−ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パルミチン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルアミド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オクチルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パルミチン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチルアミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸N−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミド、パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N−ドデシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミド、アジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチルアミド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N−メチルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン酸N−エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マロン酸N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミド、コハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチルアミド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン酸N−ドデシルアミド等。
前記光安定剤としては、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する紫外線吸収剤、酸化防止剤や、カロチン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等の一重項酸素消光剤、オキシドジスムスターゼとコバルト、及びニッケルの錯体等のスーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等の酸化反応を抑制する化合物を挙げることができる。
前記マイクロカプセル化は、従来公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
尚、前記マイクロカプセル中に可逆熱変色性組成物を内包する際、前記光安定剤は可逆熱変色性組成物と共にマイクロカプセルに内包してもよいし、色材として適用される際に用いられるビヒクル中に添加することもできる。又、前記光安定剤をマイクロカプセルに内包すると共に、ビヒクル中にも添加することができる。
更に、粒子径分布が、0.05〜30μmの範囲に80体積%以上を占めると共に、0.05〜5μmの範囲に30体積%以上を占めるように調製することで、くすみの無い鮮やかな色調が得られ、各種印刷インキや塗料への適用が可能となる。また、前記粒子径分布で得られるマイクロカプセルの平均粒子径を0.1〜4.0μm程度の微粒子に調製した場合であっても、完全着色温度の低温化を生じることなく、微妙な変色温度の調整が可能であるため、筆記具用インキ、微細スプレー用インキ、高メッシュ分解によるプロセス印刷インキ、グラビヤ印刷インキ、オフセット印刷インキ等、顔料の粒子径を小さく設定しなければならない用途にも適用することができ、より広い分野への応用が可能となる。
更には、ワックス状或いはペースト状媒体に分散させて色材の形態となすこともできる。
尚、非熱変色性の染料、或いは顔料を適宜、併用して、色変化を多彩化させることができる。
表1〜3に実施例の組成を、表4に比較例の組成をそれぞれ示す。
前記実施例及び比較例の組成物(但し、実施例9、17及び比較例6を除く)を均一に溶解し、壁膜材料としてイソシアネートプレポリマー60.0重量部、酢酸エチル70.0重量部を加え、70℃で溶解した溶液を、15%ゼラチン溶液中で乳化した。
その際、粒子径が設定した範囲になるようにホモミキサーの攪拌力を調整して行い、乳化後、約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン5.0重量部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
更に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液から遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
また、実施例9、17及び比較例6の組成物は、均一に溶解した全成分に対して、壁膜材料としてエポキシ樹脂20.0重量部、メチルエチルケトン20重量部を加え、70℃で溶解した溶液を、10%ゼラチン溶液中で乳化した。
その際、粒子径が設定した範囲になるようにホモミキサーの攪拌力を調整して行い、乳化後、約1時間攪拌を続けた後、10%脂肪族アミン水溶液100.0重量部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
更に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液から遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
マイクロカプセル顔料の粒子径(粒度分布及び平均粒子径)はレーザー式粒度分布測定機〔LA−300:(株)掘場製作所製〕を用いて測定した。
実施例及び比較例の各マイクロカプセル顔料40質量部をエチレン−酢酸ビニルエマルジョン60質量部中に分散した可逆熱変色性インキを用いて、スクリーン印刷により上質紙に所定の大きさの円を印刷した。
前記各印刷物を色差計[TC−3600型色差形、東京電色(株)製]の所定箇所にセットし、50℃の温度幅で10℃/分の速度で加熱して(実施例7と比較例4は80℃、実施例8と比較例5は30℃、それ以外は50℃まで加熱)、T1(完全発色温度)及びT2(発色開始温度)を測定した後、冷却して(実施例7と比較例4は30℃、実施例8と比較例5は−20℃、それ以外は0℃まで冷却)、T3(消色開始温度)及びT4(完全消色温度)をそれぞれ測定して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の色濃度−温度曲線を得た。
T2 発色開始温度
T3 消色開始温度
T4 完全消色温度
TH 発色過程における色濃度の中点の温度
TG 消色過程における色濃度の中点の温度
ΔH ヒステリシス幅(TH−TG)
Claims (7)
- (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物と、重量平均分子量が800〜20000のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸メチルコポリマー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー、無水カルボン酸変性ポリエチレンワックス、無水カルボン酸変性ポリプロピレンワックスから選ばれるいずれか一種以上の合成ポリオレフィンワックスとを少なくともマイクロカプセルに内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
- (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物と、1.0〜100KOHmg/gの酸価を有するポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンアクリル酸メチルコポリマー、エチレンアクリル酸エチルコポリマー、無水カルボン酸変性ポリエチレンワックス、無水カルボン酸変性ポリプロピレンワックスから選ばれるいずれか一種以上の合成ポリオレフィンワックスとを少なくともマイクロカプセルに内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
- 前記合成ポリオレフィンワックスが、80〜180℃の軟化点を有する請求項1又は2に記載の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
- 前記合成ポリオレフィンワックスが、前記(ハ)成分100重量部に対して、0.000001〜2重量部の範囲で含まれる請求項1乃至3のいずれかに記載の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
- 前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の粒子径分布が0.05〜30μmの範囲に80体積%以上を占め、且つ、0.05〜5μmの範囲に30体積%以上を占める請求項1乃至4のいずれかに記載の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
- 前記マイクロカプセルの平均粒子径が0.1〜4.0μmの範囲にある請求項5記載の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
- 前記(ハ)成分が、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコール類、酸アミド類のいずれかから選ばれる一種以上である請求項1乃至6のいずれかに記載の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
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