JPH08225781A - 可逆的熱発色熱消色剤、その製造方法、それを利用した可逆的感熱記録媒体及び記録・消色方法 - Google Patents

可逆的熱発色熱消色剤、その製造方法、それを利用した可逆的感熱記録媒体及び記録・消色方法

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JPH08225781A
JPH08225781A JP5509595A JP5509595A JPH08225781A JP H08225781 A JPH08225781 A JP H08225781A JP 5509595 A JP5509595 A JP 5509595A JP 5509595 A JP5509595 A JP 5509595A JP H08225781 A JPH08225781 A JP H08225781A
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JP5509595A
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Katsuji Maruyama
勝次 丸山
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返して書きかえができる可逆的感熱記録
媒体及びその製造に有用な化合物並びに組成物を提供す
る。 【構成】 電子受容性化合物として、有機ホスホン酸類
又はその誘導体とアミノフェノール類又はその誘導体と
の反応で得られる有機ホスホン酸塩若しくは錯化合物
(可逆的熱発色熱消色剤)を用い、これと電子供与性発
色剤とを組合せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆
的熱発色性組成物及びそれを利用した可逆的熱記録媒体
と記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】温度変化により可逆的に色調変化を示す
材料は知られており、一部は実用に供されるまでになっ
ている。これらのうちの幾つかを挙げれば下記のものが
例示できる。 (1)ジアリールフタリド、スピロピラン、フルオラン
等の電子供与性化合物とフェノール性化合物等の電子受
容性化合物とに、第3物質としてアルコール類、エステ
ル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、カルボン酸
類から選ばれる化合物を加えた三成分からなる可逆熱変
色材料(特公昭51−44707号、特公昭51−44
709号、特公昭51−44908号、特開昭51−3
1682号、特開昭54−58727号など)、(2)
前記(1)の第3物質として非イオン界面活性剤又は結
晶性ワックスを用いる可逆的熱発色熱消色性色剤(特開
昭53−102922号)、(3)指示薬と温度により
pHが可逆的に変化する酸−塩基混合系との併用(特開
昭61−12783号)、(4)結晶水の喪失により変
色する化合物を利用した熱変色性組成物(特開昭59−
184269号)、(5)前記(1)の第3物質として
有機カルボン酸と第一級アミンとの塩からなる熱可逆変
色性組成物(特開昭60−149685号)。
【0003】しかしながら、これらの提案の何れもが、
温度に依存して色調変化を示すがメモリー性を有してい
ないために、記録材料として用いるまでに至らず、示温
塗料等に一部で用いられているのみである。
【0004】もっとも、メモリー性を保持可能とした記
録材料は幾つかが提案されている。例えば、特開昭52
−140483号には、電子受容性顕色剤として、オキ
シ安息香酸エステル誘導体を用いて、誘導体化合物の選
択により熱発色体の消色速度を調節しているサーモクロ
ミズム材料の提案があるが、消色の速度や発色が残ると
いう消色の状態が充分とはいえず、実用性で問題があ
る。特開昭60−193691号には、電子受容性顕色
剤として没食子酸とフロログルシノールとの組合せを用
いたものが示されているが、熱発色体は水または水蒸気
で消色するものであり、この場合も問題が残る。また、
特開平2−188293号、特開平2−188294
号、特開平5−262032号には、フェノール性水酸
基とカルボキシル基を有し、且つアミノ基との塩化合物
形成系を用いて、特定温度域で熱発色させ、一般にそれ
より高温加熱により消色させることができるが、顕色作
用と減色作用とは競争的に起こるためこれらの作用を熱
的に制御することがむずかしく、高い濃度が得られにく
いこともあり、未だ充分とは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メモ
リー性が保持可能であるのは勿論のこと、繰り返し書き
換えのできる可逆的感熱記録媒体及びその記録媒体の記
録・消去方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、前記記録媒体を得るのに特に有用な可逆的熱発色熱
消色剤及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的熱発色組成物におい
て、従来技術に見られる前記問題を解決し、発色と消色
を加熱のみで容易に行わせることができ、しかも、その
発色状態と消色状態を常温において安定に保持すること
が可能で且つ、消色温度が発色温度よりも低い可逆的熱
発色組成物及び安定した発色状態と消し残りのない消色
状態が得られ、発色と消色の繰り返しが安定して行える
可逆的感熱記録媒体及び表示体を用いる記録方法及び表
示方法その他について特開平5−124360号で提案
しているが、この度、これを更に進めていった結果、有
機ホスホン酸類又はその誘導体とアミノフェノール類又
はその誘導体との反応で得られる有機ホスホン酸塩若し
くは錯化合物によれば可逆記録が良好に制御できること
を見出した。本発明はこれに基づいて完成されたもので
ある。
【0007】本発明によれば、(1)有機ホスホン酸類
又はその誘導体とアミノフェノール類又はその誘導体と
の反応で得られる有機ホスホン酸塩若しくは錯化合物を
主成分とすることを特徴とする可逆的熱発色熱消色剤が
提供され、(2)前記(1)の有機ホスホン酸塩若しく
は錯化合物の製造において、有機ホスホン酸類又はその
誘導体とアミノフェノール類又はその誘導体とを混合溶
融状態で形成される反応により合成することを特徴とす
る可逆的熱発色熱消色剤の製造方法が提供され、(3)
前記(2)の溶融反応を不活性ガス雰囲気で行なうこと
を特徴とする可逆的熱発色熱消色剤の製造方法が提供さ
れ、(4)前記(2)の溶融反応において、共融化剤と
して感熱記録用増感剤を含有させることを特徴とする可
逆的熱発色熱消色剤の製造方法が提供され、(5)前記
(1)の可逆的熱発色熱消色剤及び電子供与性発色剤を
主成分としたことを特徴とする可逆的感熱記録組成物が
提供され、(6)前記(5)の組成物を分散又は溶解し
た状態にして支持体上に塗布し書き換え可能な記録層を
形成したことを特徴とする可逆的感熱記録媒体が提供さ
れ、(7)前記(5)の組成物を溶解しこれを支持体に
塗布した後、120℃以上の温度で乾燥して発色させ、
続いて、120℃より低い温度で加熱して消色させるこ
とを特徴とする可逆的感熱記録媒体の製造方法が提供さ
れ、(8)前記(6)又は(7)の記録媒体の支持体が
透明であり、記録層上にさらに樹脂薄膜層を設け、全体
が透明化されていることを特徴とする可逆的感熱記録媒
体が提供され、(9)前記(6)、(7)又は(8)の
記録媒体をサーマルヘッドによる加熱手段で発色状態を
得る工程と、その発色状態より低い温度環境で一時的に
加熱することにより消色状態を得る工程とからなること
を特徴とする可逆的感熱記録・消色方法が提供される。
【0008】以下本発明をさらに詳細に説明する。先に
紹介した特開平5−124360号は、一つの化合物で
顕色と消色の両機能を有する構造の化合物を見出したこ
とによるもので、すなわち、主として脂肪族系で顕色能
を現す水酸基若しくはカルボキシル基の部分と分子間の
凝集力をコントロールする長い脂肪族鎖構造部分とを合
わせ持つ化合物であり、加熱により得られた発色体の消
色は発色温度より低い温度で再加熱を行うと、顕色剤が
結晶化して発色剤から分離するために消色状態になるこ
とが解明されており、繰り返して使用できることは既述
のとおりである。そして、その延長上に本発明は位置す
るものということができる。
【0009】従って、本発明は、有機ホスホン酸類又は
その誘導体とアミノフェノール類又はその誘導体との反
応で得られる有機ホスホン酸塩または錯化合物を熱発色
熱消色剤として用い、また、この熱発色熱消色剤(電子
受容性化合物)に電子供与性(呈色性化合物)を混合し
て感熱記録組成物を調製し、これを支持体上に塗布し記
録媒体を製造している。
【0010】本発明で用いられる有機ホスホン酸類又は
その誘導体を例示すれば次のとおりである。 (a−1)一般式(I)
【化1】 (式中、nは1〜23の整数である。)で表わされるも
の。
【0011】これの具体例としては、メチルホスホン
酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、カプリル
ホスホン酸、ラウリルホスホン酸、ミリスチルホスホン
酸、パルミチルホスホン酸、ステアリルホスホン酸、ベ
ヘニルホスホン酸、リグノセリルホスホン酸などが挙げ
られる。
【0012】(a−2) 一般式(II)
【化2】 (式中、Xは−OCH2−、−SCH2−、−CONHC
2−、−CH(NH2)−、−C64−などであり、n
は6〜23の整数である。)で表わされるもの。これの
具体例は下記のとおりである。
【0013】X=−OCH2−であるものの例として
は、ドデシルオキシメチルホスホン酸、テトラデカノオ
キシメチルホスホン酸、ヘキサデカノオキシメチルホス
ホン酸、オクタデシルオキシメチルホスホン酸、エイコ
サノメチルオキシホスホン酸、ドコサノオキシメチルホ
スホン酸などが挙げられる。
【0014】X=−SCH2−であるものの例として
は、オクチルチオメチルホスホン酸、デシルオキシチオ
メチルホスホン酸、ドデシルチオメチルホスホン酸、テ
トラデカノチオメチルホスホン酸、ヘキサデカノチオメ
チルホスホン酸などが挙げられる。
【0015】X=−CONHCH2−であるものの例と
しては、ラウリン酸アミドメチルホスホン酸、ミリスチ
ン酸アミドメチルホスホン酸、パルミチン酸アミドメチ
ルホスホン酸、アラキン酸アミドメチルホスホン酸、ベ
ヘン酸アミドメチルホスホン酸、リグノセリン酸アミド
メチルホスホン酸などが挙げられる。
【0016】X=−CH(NH2)−であるものの例と
しては、1−アミノエチルホスホン酸、1−アミノウン
デカノホスホン酸、1−アミノトリデカノホスホン酸、
1−アミノペンタデカノホスホン酸、1−アミノヘプタ
デカノホスホン酸などが挙げられる。
【0017】
【化3】 であるものの例としては、p−メチルフェニルホスホン
酸、p−クロルフェニルホスホン酸、p−ヘキシルフェ
ニルホスホン酸、p−オクチルフェニルホスホン酸、p
−デシルフェニルホスホン酸、p−ミリスチルフェニル
ホスホン酸、p−パルミチルフェニルホスホン酸、p−
ステアリルフェニルホスホン酸などが挙げられる。
【0018】その他のホスホン酸としては、フェニルホ
スホン酸、ベンジルホスホン酸、p−メチルベンジルホ
スホン酸、フェネチルホスホン酸、ビフェニルホスホン
酸、2−ナフチルホスホン酸などが挙げられる。
【0019】また、本発明で用いられるアミノフェノー
ル類又はその誘導体を例示すれば次のとおりである。 (b−1)一般式(III)
【化4】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4
のアルキル基などであり、nは1又は2の整数であ
る。)で表わされるもの。
【0020】このものの具体例としては、例えば、o
−、m−またはp−アミノフェノール、2−アミノレゾ
ルシン、2−アミノハイドロキノン、5−アミノレゾル
シン、5−アミノ−o−クレゾール、4−アミノ−m−
クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、5−アミノ
−o−クレゾール、2−アミノ−p−クレゾール、4−
アミノ−2,3−キシレノール、6−アミノ−2,4−
キシレノール、2−アミノ−4−クロルフェノール、2
−ブロモ−4−アミノフェノール、2−アミノ−6−ク
ロロ−p−クレゾール、3−アミノ−2−クロロ−p−
クレゾール、2−アミノ−6−ブロモ−p−クレゾー
ル、2−アミノ−4−ブロモ−o−クレゾールなどが挙
げられる。
【0021】(b−2)構造式(IV)
【化5】 で表わされるもの。
【0022】このものの具体例としては、例えば、2−
アミノ−2−ビフェニロール、2−アミノ−3−ビフェ
ニロール、1−アミノ−4−ビフェニロール、3−アミ
ノ−2−ビフェニロール、1−アミノ−2−ビフェニロ
ール、2−アミノ−4−ビフェニロールなどが挙げられ
る。
【0023】(b−3)構造式(V)
【化6】 で表わされるもの。
【0024】このものの具体例としては、例えば、3−
アミノ−4−フェニルフェノール、2−アミノ−4−フ
ェニルフェノール、2−アミノ−6−フェニルフェノー
ル、2−アミノ−5−フェニルフェノールなどが挙げら
れる。
【0025】その他に、(b−4)一般式(VI)
【化7】 で表わされるもの。
【0026】このものの具体例としては、例えば3,
3’−ジヒドロキシジフェニルアミン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0027】本発明の有機ホスホン酸塩又は錯化合物
は、前記の有機ホスホン酸類又はその誘導体とアミノフ
ェノール類又はその誘導体とを、適当な溶媒(水、メタ
ノール、テトラヒドロフラン等)中で中和することによ
り得られる。例えば、有機ホスホン酸類とアミノフェノ
ール類のうち水溶性の化合物の組合わせでは水溶媒で、
その他水不溶性の化合物についてはメチルアルコールま
たはテトラヒドロフラン溶媒中で当モルの中和反応後、
析出する結晶を取り出す。
【0028】これらの方法で得られた有機ホスホン酸塩
又は錯化合物は、可逆的熱発色熱消色剤としての機能は
ある程度保持されるが、さらに機能向上させるため溶媒
を用いずに両者の混融状態を形成する方法による反応
後、かき混ぜながら冷却し、場合によっては粉砕を経て
目的物を得るようにするのが望ましい。特に、長鎖アル
キルスルホン酸又はその誘導体を用いる場合に有効な生
成方法である。また、アミノフェノール類又はその誘導
体の塩基性度に応じて、溶融反応は炭酸ガスのような不
活性ガス雰囲気中で行うことが着色のない目的物が得ら
れる。さらに、有機ホスホン酸類又はその誘導体とアミ
ノフェノール類又はその誘導体との組合せによっては、
共融化剤として例えば、ステアリン酸アミド、シュウ酸
ジベンジルエステルのような、いわゆる感熱記録分野に
おける増感剤等を用いることができ、記録時の感熱増感
にも効果的である。
【0029】共融化剤(感熱増感剤)としては、ステア
リン酸アミド、ショウ酸ジベンジルエステルの他に、パ
ルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アニ
リド、ステアリン酸アニリド、安息香酸ステアリルアミ
ド、パラオクチルスルホン酸アミド、4−オクタノイル
ビフェニル、2−パルミチルイミダゾール、2−ステア
リルイミダゾール等であり、さらに、感熱記録分野で一
般的に使用されているβ−ナフトールベンジルエーテ
ル、シュウ酸−p−メチルベンジルエステル等を使用す
ることができる。共融化剤の添加量は、有機ホスホン酸
類又はその誘導体とアミノフェノール類又はその誘導体
との総計100重量部に対して5〜60重量部以下、好
ましくは10〜30重量部くらいが適当である。
【0030】本発明の可逆的感熱記録媒体は、前記の有
機ホスホン酸塩又は錯化合物(可逆的熱発色熱消色剤)
と電子供与性発色剤との混合物を支持体上に塗布し書き
換え可能な記録層を形成することによってつくられる。
可逆的熱発色熱消色剤と電子供与性発色剤との混合割合
はモル比で5:1程度が適当である。記録層は3.0〜
6.0g/m2の塗工量をもって形成される。
【0031】ここで用いられる電子供与性発色剤として
は、いわゆる感熱記録紙に通常用いられるロイコ色素を
幅広く使用できるが、中でもたとえばトリフェニルメタ
ンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチア
ジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノ
フタリド系化合物などが好ましく用いられる。その発色
剤の具体例を以下に示す。
【0032】すなわち、本発明に用いる好ましい発色剤
として下記一般式(VII)または(VIII)の化合物があ
る。
【化8】
【化9】 (ただし、R3は水素または炭素1〜4のアルキル基、
4は炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル基ま
たは置換されていてもよいフェニル基を示す。フェニル
基に対する置換基としては、メチル基、エチル基などの
アルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ
基またはハロゲン等が示される。R5は水素、炭素数1
〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲンを表わ
す。R6は水素、メチル基、ハロゲンまたは置換されて
いてもよいアミノ基を表わす。アミノ基に対する置換基
としては、例えば、アルキル基、置換されていてもよい
アリール基、置換されていてもよいアラルキル基を示
す。ここでの置換基はアルキル基、ハロゲン、アルコキ
シ基などである。)
【0033】このような発色剤の具体例としては、たと
えば次の化合物が挙げられる。3−シクロヘキシルアミ
ノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,
7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ク
ロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−(2’,4’−ジメチルフェニル)アミノフルオ
ラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ
−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−
(N−プロピル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジブチ
ルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−(N−n−プロピル−N−イソプロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−
(N−エチル−N−sec−ブチル)アミノ−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(m−トリフルオロメチルフェニル)アミノフ
ルオラン、3−(N−n−アミル−N−エチル)アミノ
−6−メチル−7−フェニルアミノ、3−n−オクチル
アミノ−7−(p−クロルフェニル)アミノフルオラ
ン、3−n−パルミチルアミノ−7−(p−クロルフェ
ニル)アミノフルオラン、3−ジ−n−オクチルアミノ
−7−(p−クロルフェニル)アミノフルオラン、3−
(N−n−アミル−N−ブチル)アミノ−7−(p−メ
チルカルボニルフェニル)アミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−
(N−エチル−N−n−ヘキシル)アミノ−7−フェニ
ルアミノフルオラン。
【0034】実際に記録層を形成するには、可逆的熱発
色熱消色剤及び電子供与性発色剤からなる組成物を支持
体上に塗工するわけであるが、その塗布する手段として
は、これらの組成物を分散又は溶解した状態にして行な
われる。組成物を分散するための溶剤としては水、メチ
ルエチルケトン、トルエン、またはメチルエチルケトン
とトルエンの混合溶媒等の使用が効果的である。また、
組成物の溶解はそれら成分が分解しない温度範囲内であ
る。
【0035】支持体には紙の他、合成紙、ポリエステル
などの樹脂フィルムが用いられる。
【0036】特に、前記組成物を溶解させこの溶液を支
持体上に塗布する方法では、塗布後120℃以上の温度
で乾燥して発色させ、続いて、120℃より低い温度で
加熱して消色させるようにすれば、残留溶媒を除去する
うえで良好な記録層を形成することができる。ここで、
120℃以上の温度にした場合に記録層が発色する理由
はロイコ色素のフェノール性水酸基との反応によるもの
であり、逆に、120℃より低い温度にした場合に記録
層が消色する理由は充分に解明されていないが、分子間
凝集力の制御と酸・塩基による発色と消色の競争反応の
制御によるものであると推察される。
【0037】本発明の可逆的感熱記録媒体において
は、、記録層上に必要に応じて保護層(厚さ0.1〜
2.0μmくらいの樹脂薄膜層)を設けることができ
る。保護層形成用の樹脂としては紫外線硬化樹脂などが
望ましい。
【0038】本発明の可逆的感熱記録媒体においては、
記録前の状態で支持体、記録層、保護層のすべてが透明
化されていれば、これに記録がなされたものではディス
プレイ、ステッカー、OHP用原図、その他いろいろな
用途への発展が期待される。
【0039】本発明の記録媒体を発色させて画像を得る
にはサーマルヘッドによる加熱手段によるのが好まし
い。この発色による画像(記録)は何等の手段を加えな
ければそのままの状態が維持される。この記録を消す場
合には、記録媒体の発色温度より低い温度(120℃よ
り低温度)で記録媒体を一時的に加熱すればよい。記録
媒体を一時的に加熱する手段としては、熱板は熱ローラ
を記録媒体に押しつけるのが効果的である。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。ここでの部は重量基準である。
【0041】実施例1 オクタデシルホスホン酸 30.4部 m−アミノフェノール 10.9部 を125℃で混合溶融して5分間かき混ぜ反応後冷却し
乳鉢で粉砕して有機ホスホン酸塩又は錯化合物(可逆的
熱発色熱消色剤)を調製した。次いで 2−(o−クロルアニリノ)−6− ジブチルアミノフルオラン 1.0部 前記有機ホスホン酸塩又は錯化合物 3.5部 を混合して可逆的感熱組成物を得た。続いて、下記の混
合物からなる感熱記録層形成液を調製した後、これを約
100μm厚の透明PETフィルム上に0.6mmのワ
イヤーバーで塗布し、120℃で3分間加熱乾燥して全
面黒色系に発色したシートを得、これを引き続き75℃
の乾燥器中で5分間加熱して全面消色させて可逆的感熱
記録層を設けた。 上記の可逆的感熱記録組成物 1.3部 ポリウレタン樹脂 2.5部 (ミラクトンP26S、日本ポリウレタン社製) テトラヒドロフラン 11.0部 トルエン 1.0部 さらに、この記録層上に紫外線硬化性樹脂ユニディック
C7−157(大日本インク社製)の55%酢酸エチル
溶液を0.1mmのワイヤーバーで塗布して50℃で乾
燥後紫外線照射により硬化させて薄膜保護層を設けて透
明な可逆的感熱記録媒体を作製した。この記録媒体の透
過率は400nmで70%、600nmで79%(分光
光度計UV−3100)であった。
【0042】この記録媒体上にCUVAX−MC50
(リコー社製感熱複写機)を使用して新聞記事をコピー
して黒色の文字画像が得られた。マクベス濃度計(RD
−514タイプ)でベタ部の濃度を測定して0.93が
得られた。この記録媒体の非画像部は0.07を示して
いた。この記録されたものは、OHPの投影像としても
見ることができた。この記録媒体を80℃の乾燥器中で
3分間加熱して取り出すと文字画像は消色されていた。
前記ベタ部の濃度は0.08を示した。さらに、同じ操
作を5回繰り返したところ、5回目のベタ部コピー濃度
は0.91であり、消色部は0.10であった。
【0043】実施例2 ミリスチルホスホン酸 26.4部 3,3−ジヒドロキシジフェニルアミン 20.1部 を炭酸ガス雰囲気中、145℃で混合溶融し5分間かき
混ぜ反応後冷却し乳鉢で粉砕して有機ホスホン酸塩又は
錯化合物(可逆的熱発色熱消色剤)を調製した。次いで 2−(N−メチル−N−o−クロルアニリノ)−3− メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 1.0部 前記有機ホスホン酸塩又は錯化合物 4.0部 を混合して可逆的感熱組成物を得た。続いて、下記の混
合物を30時間ボールミル分散して得た感熱記録層形成
物を白色合成紙(VIF−92、王子油化社製、約92
μm厚)にワイヤーバーで塗布して60℃で乾燥した。
乾燥後の塗布量は4.9g/m2の記録層が形成され
た。 上記の可逆的感熱記録組成物 4.5部 ポリビニルアルコール10%水溶液 10.0部
【0044】この記録媒体をRIFAX−V600(リ
コー社製GIIIFAX機)の記録シートに用いて受信画
像を得たところ白色を背景に緑色像が記録された。この
記録された媒体を85℃の乾燥器に入れたところ緑色像
は速やかに消失した。そして、この印字記録と記録消去
は数回繰り返して再現することができ、書き替え可能な
記録媒体を得ることができた。
【0045】実施例3 ラウリン酸アミドメチルホスホン酸 26.5部 p−アミノフェノール 10.9部 ステアリン酸アミド 7.5含 を炭酸ガス雰囲気中、130℃で混合溶融して5分間か
き混ぜ反応後冷却し粉砕して有機ホスホン酸若しくは錯
化合物(可逆的熱発色熱消色剤)を調製した。次いで 上記の可逆的熱発色熱消色剤 4.5部 2−アニリノ−3−メチル−6−N,N−エチル −p−トルエル−アミノフルオラン 1.0部 を混合して可逆的感熱記録組成物を得た。続いて、下記
の混合物30時間ボールミル分散して得た感熱記録層形
成液とした。 上記の可逆的感熱記録組成物 1.3部 ポリスチレン(MW28万、アルドリッチ社試薬) 2.5部 トルエン/メチルエチルケトン(1:1vol比)混合液 10.5部 この液を約100μm厚のPETフィルム上に膜厚が約
10μmになるように塗布後、室温乾燥し、次いで55
℃の乾燥器中で20分間乾燥して、さらに薄膜保護層と
して、紫外線硬化樹脂ユニデックC7−157の55%
酢酸エチル溶液を0.1mmワイヤーバーで塗布乾燥後
紫外線照射により硬化させて設け、可逆的感熱記録媒体
を得た。
【0046】このようにして得られた記録媒体にワード
プロセッサー(リコー社製マイリポートNL−3Ai)
のサーマルヘッドによる印字出力を行って鮮明な黒色の
印字が得られた。次に、印字された記録媒体を85℃の
乾燥器中に入れたところ、黒色印字は速やかに消色して
元の記録媒体に戻ったことが認められた。このようにし
て、サーマルヘッドによる書き込みと乾燥器中における
加熱消色の操作を20回繰り返しても同じような結果が
得られ、可逆的に記録と消去を再現することができた。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、電子供与性発
色剤と混合使用することにって、可逆的に加熱のみで発
色と消色を安定に繰り返して、書きかえを可能とした機
能性化合物が得られる。請求項2の発明によれば、可逆
的熱発色熱消色剤の機能をさらに向上させることができ
る。請求項3の発明によれば、着色のない可逆的熱発色
熱消色剤を得ることができる。請求項4の発明によれ
ば、記録時の感熱増感が効果的に行なえる。請求項5の
発明によれば、良好な可逆的感熱記録媒体の製造に有用
な組成物が得られる。請求項6及び7の発明によれば、
良好な可逆的感熱記録媒体が得られる。請求項8の発明
によれば、記録物はいろいろな用途に利用し得る。請求
項9の発明によれば、記録及びその消去が容易に行なえ
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ホスホン酸類又はその誘導体とアミ
    ノフェノール類又はその誘導体との反応で得られる有機
    ホスホン酸塩若しくは錯化合物を主成分とすることを特
    徴とする可逆的熱発色熱消色剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の有機ホスホン酸塩若しくは錯
    化合物の製造において、有機ホスホン酸類又はその誘導
    体とアミノフェノール類又はその誘導体とを混合溶融状
    態で形成される反応により合成することを特徴とする可
    逆的熱発色熱消色剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の溶融反応を不活性ガス雰囲気
    で行なうことを特徴とする可逆的熱発色熱消色剤の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項2の溶融反応において、共融化剤
    として感熱記録用増感剤を含有させることを特徴とする
    可逆的熱発色熱消色剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1の可逆的熱発色熱消色剤及び電
    子供与性発色剤を主成分としたことを特徴とする可逆的
    感熱記録組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5の組成物を分散又は溶解した状
    態にして支持体上に塗布し書き換え可能な記録層を形成
    したことを特徴とする可逆的感熱記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項5の組成物を溶解しこれを支持体
    に塗布した後、120℃以上の温度で乾燥して発色さ
    せ、続いて、120℃より低い温度で加熱して消色させ
    ることを特徴とする可逆的感熱記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7の記録媒体の支持体が透
    明であり、記録層上にさらに樹脂薄膜層を設け、全体が
    透明化されていることを特徴とする可逆的感熱記録媒
    体。
  9. 【請求項9】 請求項6、7又は8の記録媒体をサーマ
    ルヘッドによる加熱手段で発色状態を得る工程と、その
    発色状態より低い温度環境で一時的に加熱することによ
    り消色状態を得る工程とからなることを特徴とする可逆
    的感熱記録・消色方法。
JP5509595A 1995-02-20 1995-02-20 可逆的熱発色熱消色剤、その製造方法、それを利用した可逆的感熱記録媒体及び記録・消色方法 Pending JPH08225781A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001152041A (ja) * 1999-09-17 2001-06-05 Pilot Ink Co Ltd 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料

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JP2001152041A (ja) * 1999-09-17 2001-06-05 Pilot Ink Co Ltd 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料

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