JP4754224B2 - 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 - Google Patents

可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 Download PDF

Info

Publication number
JP4754224B2
JP4754224B2 JP2005016427A JP2005016427A JP4754224B2 JP 4754224 B2 JP4754224 B2 JP 4754224B2 JP 2005016427 A JP2005016427 A JP 2005016427A JP 2005016427 A JP2005016427 A JP 2005016427A JP 4754224 B2 JP4754224 B2 JP 4754224B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
temperature
reversible thermochromic
acid
thermochromic composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005016427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006206622A (ja
Inventor
勝幸 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP2005016427A priority Critical patent/JP4754224B2/ja
Publication of JP2006206622A publication Critical patent/JP2006206622A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4754224B2 publication Critical patent/JP4754224B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

本発明は、温度変化により可逆的に変色する可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料に関する。
従来より、発色状態からの降温過程で消色を開始し、特定温度以下で完全消色状態を呈し、引き続く昇温過程で発色を開始し、発色状態に復帰する可逆熱変色性を示す組成物に関して、幾つかの提案が開示されている。
前記組成物は大別すると二つのタイプに分けることができ、第1のタイプは変色温度を境として、その前後で変色し、変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態はその状態が発現するのに要する熱または冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱または冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する元の状態に戻る、温度−色濃度曲線に関して比較的小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色する可逆熱変色性組成物である(例えば、特許文献1、2参照)。
第2のタイプは、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と、逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色する、温度−色濃度曲線に関して大きいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色し、変色に要した熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、低温側トリガーと高温側トリガーとの間の温度域で前記低温側トリガー以下又は高温側トリガー以上で変色させた色彩を互変的に記憶保持可能な感温変色性色彩記憶性組成物である(例えば、特許文献3参照)。
前記した組成物はヒステリシス幅(ΔH)の大小が異なるものの、図1の温度−色濃度曲線に示す如き変色挙動を呈する。前記変色挙動は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)電子受容性化合物との呈色反応の生起温度を決める(ハ)反応媒体に依存し、特定される。
特公昭51−44706号公報 特公平1−29398号公報 特公平4−17154号公報
本発明者は、前記した可逆熱変色性組成物の発色状態における変色挙動について更に検討した結果、特定の(ロ)電子受容性化合物を用いることにより、前記温度−色濃度曲線を変位させることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、従来の(イ)、(ロ)、(ハ)三成分系の変色特性に改良を加えた可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を提供するものであり、特に示温分野に好適な変色特性を有するものである。
本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含み、色濃度−温度曲線の関係において、発色状態から温度が上昇する過程で消色開始温度(T)に達すると消色し始め、完全消色温度(T)以上では完全に消色し、消色状態から温度が下降する過程で発色開始温度(T)に達すると発色し始め、完全発色温度(T)以下では完全に発色する変色挙動を示す可逆熱変色性組成物において、(ロ)電子受容性化合物として4−フロオロ−4′−ヒドロキシビフェニルを含んでなり、発色開始温度(T)以下の温度域に、発色状態から自然に消色する自然消色温度域(X)と発色状態を保持する発色保持温度域(Y)を有することを特徴とする可逆熱変色性組成物を要件とする。
更には、前記自然消色温度域(X)が下記式(1)を満たし、且つ、発色保持温度域(Y)が下記式(2)を満たすこと、
−40≦X≦T (1)
Y<T−40 (2)
消色促進剤として、石油系炭化水素樹脂を含んでなることを要件とする。
更には、前記可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包してなる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を要件とする。
本発明は、発色開始温度(T)以下の温度域に、発色状態から自然に消色する自然消色温度域と発色状態を保持する発色保持温度域を有する可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を提供でき、特に示温分野に好適である。
以下に可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について詳しく説明する。
図1において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する最低温度T(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは完全発色状態を保持できる最高温度T(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは完全消色状態を保持できる最低温度T(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する最高温度T(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
本発明は、(ロ)電子受容性化合物として4−フロオロ−4′−ヒドロキシビフェニルを配合することにより、発色開始温度(T)以下の温度域に、発色状態から自然に消色する自然消色温度域と発色状態を保持する発色保持温度域を有するものである。
この点について説明すれば、図2の色濃度−温度曲線の破線で示したように発色開始温度(T)以下の特定温度域で発色状態から自然に消色する自然消色温度域(X)が存在する。
消色状態から温度が下降して完全発色温度(T)に達すると、可逆熱変色性組成物は完全に発色するが、T以下の温度、且つ、自然消色温度域(X)で温度を一定に保つと、に徐々に発色状態から消色して点線のように発色濃度が低下する変色挙動を示す。
また、温度が下降して完全発色温度(T)に達した後、昇温しても発色開始温度(T)以下の温度であれば、温度を一定に保つと、徐々に発色状態から消色して点線のように発色濃度が低下する変色挙動を示す。
消色の度合いはTに近い温度になる程大きくなり、発色濃度が低下する傾向にある。 なお、いったん消色して発色濃度が低下すると、その後冷却しても発色濃度が回復することはなく、発色濃度が低下した状態は維持される。
元の発色濃度に復帰させるためには、完全消色温度(T)まで昇温させた後、降温させることにより、完全発色温度(T)に達して濃度が回復する。
本発明の可逆熱変色性組成物は、前記した自然消色温度域(X)と共に、発色状態を保持する発色保持温度域(Y)も有する。
発色保持温度域(Y)は発色開始温度(T)以下の温度域で存在する。
前記発色保持温度域(Y)では、自然消色温度域(X)のように徐々に発色状態から消色することなく、発色濃度は維持される。
なお、自然消色温度域(X)は、T−30≦X≦Tの温度域であり、発色保持温度域(Y)は、Y<T−30の温度域であることが好ましい。
前述のように、本発明の可逆熱変色性組成物が発色開始温度(T)以下の温度域に、発色状態から自然に消色する自然消色温度域と発色状態を保持する発色保持温度域を有するのは、適用される(ロ)成分自体の結晶性が高く、特に脂肪族性雰囲気下で結晶性が強いこと、及び、(ロ)成分自体が強い極性を備えており、(ハ)成分中で一旦溶解した(ロ)成分が徐々に系外にて結晶化し始め、自然に消色する傾向を示すことによるものと推察される。
可逆熱変色性組成物において、(ロ)電子受容性化合物としては4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニルが用いられる。
前記(イ)電子供与性呈色性有機化合物としては、従来より公知のジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられ、以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
(ハ)前記(イ)、(ロ)による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化合物としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、アルコール類、ワックス類等の従来より汎用の反応媒体が総て有効であり、中分子量ポリマー類の如く、半液状物質であっても良く、これらの化合物の一種又は二種以上を適用できる。前記各化合物を用いてマイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル系外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために、炭素数10以上の化合物が有効である。
スルフィド類としては、ジ−n−オクチルスルフィド、ジ−n−ノニルスルフィド、ジ−n−デシルスルフィド、ジ−n−ドデシルスルフィド、ジ−n−テトラデシルスルフィド、ジ−n−ヘキサデシルスルフィド、ジ−n−オクタデシルスルフィド、オクチルドデシルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィド、ジトリルスルフィド、ジエチルフェニルスルフィド、ジナフチルスルフィド、4,4′−ジクロロ−ジフェニルスルフィド、2,4,5,4′−テトラクロロ−ジフェニルスルフィド等を例示できる。
エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類として、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等、脂環式エーテル類として、s−トリオキサン等。芳香族エーテル類として、フェニルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジ−p−トリルエーテル、1−メトキシナフタレン、3,4,5−トリメトキシトルエン等を例示できる。
ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類として、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類として、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等、アリールアリールケトン類として、ベンゾフェノン、ベンジルフェニルケトン、ジベンジルケトン等、脂環式ケトンとして、シクロオクタノン、シクロドデカノン、シクロペンタデカノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン等を例示できる。
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸ステアリル、カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p−tert−ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5−ペンタンジオールジミリステート、1,2,6−ヘキサントリオールトリミリステート、1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キシレングリコールジステアレート等を例示できる。
又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。
具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリスチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等を例示できる。
更には、特公平4−17154号公報に開示したカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等を用いることもできる。
炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘン酸n−ノニル、ベヘン酸n−ウンデシル、ベヘン酸n−トリデシル、ベヘン酸n−ペンタデシルを例示できる。
アルコール類としては、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等の脂肪族一価の飽和アルコール、アリルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪族不飽和アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール等の脂環式アルコール、4−メチルベンジルアルコール、ベンツヒドロール等の芳香族アルコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールを例示できる。
酸アミド類としては、アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N−メチルアミド、カプリル酸N−メチルアミド、カプリン酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−メチルアミド、ミリスチン酸N−メチルアミド、パルミチン酸N−メチルアミド、ステアリン酸N−メチルアミド、ベヘン酸N−メチルアミド、オレイン酸N−メチルアミド、エルカ酸N−メチルアミド、ラウリン酸N−エチルアミド、ミリスチン酸N−エチルアミド、パルミチン酸N−エチルアミド、ステアリン酸N−エチルアミド、オレイン酸N−エチルアミド、ラウリン酸N−ブチルアミド、ミリスチン酸N−ブチルアミド、パルミチン酸N−ブチルアミド、ステアリン酸N−ブチルアミド、オレイン酸N−ブチルアミド、ラウリン酸N−オクチルアミド、ミリスチン酸N−オクチルアミド、パルミチン酸N−オクチルアミド、ステアリン酸N−オクチルアミド、オレイン酸N−オクチルアミド、ラウリン酸N−ドデシルアミド、ミリスチン酸N−ドデシルアミド、パルミチン酸N−ドデシルアミド、ステアリン酸N−ドデシルアミド、オレイン酸N−ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N−メチルアミド、アジピン酸N−メチルアミド、グルタル酸N−メチルアミド、マロン酸N−メチルアミド、アゼライン酸N−メチルアミド、コハク酸N−エチルアミド、アジピン酸N−エチルアミド、グルタル酸N−エチルアミド、マロン酸N−エチルアミド、アゼライン酸N−エチルアミド、コハク酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−ブチルアミド、グルタル酸N−ブチルアミド、マロン酸N−ブチルアミド、アジピン酸N−オクチルアミド、アジピン酸N−ドデシルアミド等を例示できる。
前記した(イ)、(ロ)、(ハ)からなる必須三成分を含むことにより可逆熱変色性組成物を得ることができる。
尚、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも重量部である)。
更に、前記可逆熱変色性組成物中に、石油系炭化水素樹脂を含有させることにより、自然消色温度域(X)で温度を一定に保った際、消色を促進させることができる。
前記石油系炭化水素樹脂としては、
低分子量ポリスチレン樹脂〔三洋化成(株)製、商品名:ハイマーST−95(分子量5,000)〕、〔三洋化成(株)製、商品名:ハイマーST−130、分子量50,000〕、〔三洋化成(株)製、商品名:ハイマーST−150、分子量60,000〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA−5、分子量317〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA−25、分子量348〕、[理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックA−75、分子量917〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックD−125、分子量53,200〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコラスティックD−150〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:エンデックス155、分子量6, 200〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:エンデックス160、分子量8, 200〕、
アクリルスチレン共重合樹脂〔三洋化成(株)製、商品名:ハイマーSBM−100、分子量15,000〕、〔三洋化成(株)製、商品名:ハイマーSBM−73F、分子量40,000〕、〔三洋化成(株)製、商品名:ハイマーSAM−955、分子量10,000〕、
テルペン系樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコライトA−115、分子量833〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコライトS−115、分子量1,710〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコライトC−115、分子量902〕、
フェノール変性テルペン樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコフィンT−125〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコフィンA−125〕、
α−メチルスチレン樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3085、分子量664〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス5140、分子量3,950〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3025〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3070〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス3100、分子量1020〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:クリスタレックス1120、分子量2420〕、
ビニルスチレン/α−メチルスチレン共重合樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコテックスLC、分子量950〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコテックス100、分子量1,740〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコテックス120、分子量3,190〕、
石油系不飽和炭化水素樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコタックB、分子量1,890〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコタック95、分子量1,410〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:ピコペール100、分子量3,120〕、水添石油系樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:リガレッツ−1018、分子量407〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:リガレッツ−1078、分子量819〕、〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:リガレッツ−1094 分子量535〕等を例示できる。
なお、可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために光安定剤を0.3〜24重量部、好ましくは0.8〜16重量部の割合で含有することができる。
前記光安定剤としては、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する紫外線吸収剤、酸化防止剤や、カロチン類、色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、スルフィド類等の一重項酸素消光剤、オキシドジスムスターゼとコバルト、及びニッケルの錯体等のスーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等の酸化反応を抑制する化合物を挙げることができる。
前記した可逆熱変色性組成物はマイクロカプセルに内包したり、樹脂中に分散して顔料形態として使用することが好ましい。これにより、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物を同一の組成に保ち、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、同一の作用効果を奏することができる。
前記マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
マイクロカプセル中に可逆熱変色性組成物を内包する際、前記光安定剤は可逆熱変色性組成物と共にマイクロカプセルに内包してもよいし、色材として適用される際に用いられるビヒクル中に添加することもできる。又、前記光安定剤をマイクロカプセルに内包すると共に、ビヒクル中にも添加することができる。
本発明の可逆熱変色性組成物又はそれを用いた顔料は、各種ビヒクルに分散して、印刷インキや塗料の形態として印刷物、塗装物を得たり、成形用樹脂にブレンドして汎用の成形手段により各種の成形体を得ることができる。また、ワックス状或いはペースト状媒体に分散させて色材の形態となすこともできる。
更に、非熱変色性の染料、或いは顔料を適宜、併用して、色変化を多彩化させることができる。
前記可逆熱変色性組成物を用いることにより、示温分野、装飾分野、玩具分野、教習要素等、多様な分野に適用性を有する。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−[1]ベンゾピラノ〔2,3−g〕ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン〕−3−オン1.0重量部、(ロ)成分として4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニル5.0重量部、(ハ)成分としてカプリン酸ステアリル40.0重量部、ラウリン酸ステアリル10.0重量部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー25.0重量部、助溶剤50.0重量部を加えた後、8%ポリビニルアルコール水溶液で乳化した。
乳化後、水溶性脂肪族変性ポリアミン2.5重量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料はピンク色から無色の可逆熱変色性を示す。
実施例2
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−[1]ベンゾピラノ〔2,3−g〕ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン〕−3−オン1.0重量部、(ロ)成分として4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニル5.0重量部、(ハ)成分としてカプリン酸ステアリル40.0重量部、ラウリン酸ステアリル10.0重量部、消色促進剤として石油系炭化水素樹脂〔三洋化成(株)製、商品名:KRISTALEX−5140〕3.0重量部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー25.0重量部、助溶剤50.0重量部を加えた後、8%ポリビニルアルコール水溶液で乳化した。
乳化後、水溶性脂肪族変性ポリアミン2.5重量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料はピンク色から無色の可逆熱変色性を示す。
実施例3
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−[1]ベンゾピラノ〔2,3−g〕ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン〕−3−オン1.0重量部、(ロ)成分として4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニル5.0重量部、(ハ)成分としてラウリン酸ステアリル50.0重量部、消色促進剤として石油系炭化水素樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:KRISTALEX−5140〕3.0重量部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー25.0重量部、助溶剤50.0重量部を加えた後、8%ポリビニルアルコール水溶液で乳化した。
乳化後、水溶性脂肪族変性ポリアミン2.5重量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料はピンク色から無色の可逆熱変色性を示す。
実施例4
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ〔5H−[1]ベンゾピラノ〔2,3−g〕ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン〕−3−オン1.0重量部、(ロ)成分として4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニル5.0重量部、(ハ)成分としてステアリン酸ブチル50.0重量部、消色促進剤として石油系炭化水素樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:KRISTALEX−5140〕3.0重量部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー25.0重量部、助溶剤50.0重量部を加えた後、8%ポリビニルアルコール水溶液で乳化した。
乳化後、水溶性脂肪族変性ポリアミン2.5重量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料はピンク色から無色の可逆熱変色性を示す。
実施例5
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3−(2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリド1.5重量部、(ロ)成分として4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニル5.0重量部、(ハ)成分としてカプリン酸ステアリル40.0重量部、ラウリン酸ステアリル10.0重量部、消色促進剤として石油系炭化水素樹脂〔理化ハーキュレス(株)製、商品名:KRISTALEX−5140〕3.0重量部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー25.0重量部、助溶剤50.0重量部を加えた後、8%ポリビニルアルコール水溶液で乳化した。
乳化後、水溶性脂肪族変性ポリアミン2.5重量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を遠心分離によりマイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料は青色から無色の可逆熱変色性を示す。
比較例1
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(ロ)成分として2、2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプオロパン4.0重量部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.0重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法によりマイクロカプセル顔料を得た。
比較例2
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(ロ)成分として2、2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプオロパン4.0重量部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.0重量部を用いた以外は実施例3と同様の方法によりマイクロカプセル顔料を得た。
比較例3
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(ロ)成分として2、2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプオロパン4.0重量部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.0重量部を用いた以外は実施例4と同様の方法によりマイクロカプセル顔料を得た。
比較例4
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製
(ロ)成分として、2、2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプオロパン4.0重量部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン4.0重量部を用いた以外は実施例5と同様の方法によりマイクロカプセル顔料を得た。
測定試料の作成
前記各マイクロカプセル顔料40重量部をエチレン−酢酸ビニルエマルジョン中に分散した可逆熱変色性インキを用いて、スクリーン印刷により上質紙に所定の大きさの円を印刷して測定試料を得た。
変色温度測定
前記測定試料を色差計〔TC−3600型色差計、東京電色(株)製〕の所定箇所にセットし、完全消色温度(T)以上まで加熱した後、30℃/分の速度で降温させて発色開始温度(T)を測定した。
その結果、実施例1、2、5の測定試料の発色開始温度(T)は30℃であり、実施例3、比較例2の測定試料の発色開始温度(T)は38℃であり、実施例4、比較例3の測定試料の発色開始温度(T)は22℃であり、比較例1、4の測定試料の発色開始温度(T)は29℃であった。
消色試験
実施例1、2、比較例1の各測定試料を色差計〔TC−3600型色差計、東京電色(株)製〕の所定箇所にセットし、20℃、15℃、10℃、5℃、0℃、−5℃、−10℃の各温度で30分間放置した後、明度値を測定した。
実施例3、比較例2の各測定試料を色差計〔TC−3600型色差計、東京電色(株)製〕の所定箇所にセットし、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、5℃、0℃の各温度で30分間放置した後、明度値を測定した。
実施例4、比較例3の各測定試料を色差計〔TC−3600型色差計、東京電色(株)製〕の所定箇所にセットし、10℃、5℃、0℃、−5℃、−10℃、−15℃、−20℃の各温度で30分間放置した後、明度値を測定した。
実施例5、比較例4の各測定試料を色差計〔TC−3600型色差計、東京電色(株)製〕の所定箇所にセットし、20℃、15℃、10℃、5℃、0℃、−5℃、−10℃の各温度で30分間放置した後、明度値を測定した。
以下の表に各温度における明度値を示す。
Figure 0004754224
Figure 0004754224
Figure 0004754224
Figure 0004754224
従来の可逆熱変色性組成物の温度−色濃度曲線を示す説明図である。 本発明の可逆熱変色性組成物の発色開始温度(T)以下の温度域で、発色状態から自然に消色する自然消色温度域(X)と発色状態を保持する発色保持温度域(Y)を示す説明図である。
符号の説明
完全発色温度
発色開始温度
消色開始温度
完全消色温度

Claims (4)

  1. (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)と(ロ)の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を含み、色濃度−温度曲線の関係において、発色状態から温度が上昇する過程で消色開始温度(T)に達すると消色し始め、完全消色温度(T)以上では完全に消色し、消色状態から温度が下降する過程で発色開始温度(T)に達すると発色し始め、完全発色温度(T)以下では完全に発色する変色挙動を示す可逆熱変色性組成物において、(ロ)電子受容性化合物として4−フルオロ−4′−ヒドロキシビフェニルを含んでなり、発色開始温度(T)以下の温度域に、発色状態から自然に消色する自然消色温度域(X)と発色状態を保持する発色保持温度域(Y)を有することを特徴とする可逆熱変色性組成物。
  2. 自然消色温度域(X)が下記式(1)を満たし、且つ、発色保持温度域(Y)が下記式(2)を満たす請求項1記載の可逆熱変色性組成物。
    −40≦X≦T (1)
    Y<T−40 (2)
  3. 消色促進剤として、石油系炭化水素樹脂を含んでなる請求項1又は2記載の可逆熱変色性組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包してなる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料。
JP2005016427A 2005-01-25 2005-01-25 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 Active JP4754224B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016427A JP4754224B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005016427A JP4754224B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006206622A JP2006206622A (ja) 2006-08-10
JP4754224B2 true JP4754224B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=36963826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005016427A Active JP4754224B2 (ja) 2005-01-25 2005-01-25 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4754224B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5110900B2 (ja) * 2007-02-20 2012-12-26 日油技研工業株式会社 加熱調理用温度管理インジケータ
JP5916386B2 (ja) * 2009-07-03 2016-05-11 三井化学株式会社 表面保護フィルム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5144706B2 (ja) * 1972-05-30 1976-11-30
JPS619488A (ja) * 1984-06-26 1986-01-17 Pilot Ink Co Ltd 可逆性感熱示温組成物
JP3291535B2 (ja) * 1991-06-29 2002-06-10 株式会社リコー 可逆的熱発色組成物およびそれを用いる記録媒体と表示媒体
JPH09176628A (ja) * 1995-12-27 1997-07-08 Pilot Ink Co Ltd 可逆性熱変色組成物の発色時の耐光性を向上する方法
JP3878661B2 (ja) * 1997-10-30 2007-02-07 パイロットインキ株式会社 可逆熱変色性組成物
JP4460845B2 (ja) * 2003-04-18 2010-05-12 パイロットインキ株式会社 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP4485213B2 (ja) * 2004-01-21 2010-06-16 パイロットインキ株式会社 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006206622A (ja) 2006-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4271401B2 (ja) 加熱発色型可逆熱変色性顔料
US6494950B1 (en) Thermochromic microencapsulated pigments
EP0873881B1 (en) Reversible thermochromic compositions
JP4362180B2 (ja) 可逆熱変色性組成物
JP2009166310A (ja) 固形筆記体及びそれを用いた固形筆記体セット
JP4851159B2 (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP5383094B2 (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP2015209444A (ja) 可逆熱変色性スタンプ用インキ組成物及びそれを内蔵したスタンプ
JPH11129623A (ja) 可逆熱変色性組成物
JP3865916B2 (ja) 可逆熱変色性組成物
JP6223898B2 (ja) スタンプ用水性インキ組成物及びそれを内蔵したスタンプ
JP4460845B2 (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP4754224B2 (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP4485213B2 (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP2019112645A (ja) スタンプ
JP2002321461A (ja) 可逆熱変色性組成物
JP2002012787A (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JPH1036725A (ja) 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
JP4510963B2 (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP4575574B2 (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP6709047B2 (ja) 可逆熱変色性絵具組成物及びそれを用いた絵具、絵具セット
JP2014094554A (ja) 可逆熱変色性印刷物
JP2001123153A (ja) 可逆熱変色性組成物
JP2001152041A (ja) 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
JP4596815B2 (ja) 可逆熱変色性マイクロカプセル型顔料及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110525

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4754224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313121

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350