JPH0834168A - 熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル顔料 - Google Patents

熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル顔料

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JPH0834168A
JPH0834168A JP6191909A JP19190994A JPH0834168A JP H0834168 A JPH0834168 A JP H0834168A JP 6191909 A JP6191909 A JP 6191909A JP 19190994 A JP19190994 A JP 19190994A JP H0834168 A JPH0834168 A JP H0834168A
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JP
Japan
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temperature
state
particle size
temp
microcapsule pigment
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Pending
Application number
JP6191909A
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English (en)
Inventor
Akio Nakajima
明雄 中島
Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
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Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明マイクロカプセル顔料は、白色且つ不
透明状態から無色透明状態に互変性を変色する熱変色性
マイクロカプセル顔料を提供する。 【構成】 融点が−40℃〜+90℃の範囲にある結晶
性の、エステル類、エーテル類、ケトン類から選ばれる
化合物の一種又は二種以上を内包させた粒子径が0.1
〜50μmのマイクロカプセル顔料であって、温度変化
による遮光−透光曲線に関して、ヒステリシス幅(Δ
H)をもって変化し、白色不透明状態にあって温度が上
昇する過程では、温度TC に達すると前記状態は変化し
始め、温度TD 以上の温度域では完全に無色透明状態を
保持しており、前記無色透明状態にあって温度が下降す
る過程では、温度TD より低い温度TB に達すると前記
状態は変化し始め、温度TA 以下の温度域で白色不透明
状態になる熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル顔
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱変色性遮光−透光性
マイクロカプセル顔料に関する。更に詳細には、温度変
化によりヒステリシス特性を示して変色し、白色不透明
状態と無色透明状態の両状態の互変性を有する熱変色性
遮光−透光性マイクロカプセル顔料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度変化により有色−無色の可逆
的変色、或いは有色〔1〕−有色〔2〕の可逆的変色を
呈する可逆性熱変色性材料に関しては、本出願人らによ
る幾つかの提案が開示されている(特公昭51−447
06号公報、特公昭51−44708号公報、特公平1
−29398号公報等)。前記熱変色性材料は変色温度
を境として変色し、変化前後の両状態のうち常温域では
特定の一方の状態しか存在しない。即ち、もう一方の状
態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱の適用
がなくなれば、常温域で呈する状態に戻る。所謂、温度
変化による温度−色濃度曲線について小さいヒステリシ
ス幅(ΔH)を示して変色するタイプの可逆熱変色性材
料である(図5参照)。もう一方の熱変色性材料とし
て、温度変化により大きなヒステリシス幅(ΔH)を示
し、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場
合と、逆に変色温度域より高温側から下降させていく場
合とで大きく異なる経路を辿って変色し、変色に要した
熱又は冷熱の適用を取り去った後にあっても、低温側変
色点と高温側変色点の間の常温域で前記低温側変色点以
下又は高温側変色点以上で変色させた様相を記憶保持す
る、所謂、有色状態と無色状態間の互変性又は有色
〔1〕と有色〔2〕間の互変性を有するタイプの色彩記
憶性熱変色性材料が挙げられる〔(特公平4−1715
4号公報等)、(図4参照)〕。以下に熱変色性材料の
色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性を図4、5
のグラフについて説明する。図4、5において、縦軸に
色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色
濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全
消色状態に達する最低温度T4 (発消色分岐温度)にお
ける濃度を示す点であり、Bは完全呈色状態を保持でき
る最高温度T3 (最高保持温度)における濃度を示す点
であり、Cは完全消色状態を保持できる最低温度T
2 (最低保持温度)における濃度を示す点であり、Dは
完全呈色状態に達する最高温度T1 (完全呈色温度)に
おける濃度を示す点である。又、線分HGの長さがヒス
テリシスの程度を示す温度幅(ΔH)である。前記した
従来の熱変色性材料は、適温或いは危険温度を視覚させ
る示温材分野は勿論、熱変色による識別性、変色の妙
味、意外性等を付与する玩具、装飾分野、重ね刷りによ
り任意の像を温度変化により隠顕させる絵本、教材分野
等、多様な分野に適用されている。しかしながら前記図
示(図4、図5)した如き変色特性を呈する白色−無色
の可逆性熱変色性材料は未だ開示されていない。
【0003】近時、サーマルヘッド等による画像形成の
ための感熱記録材料として、有機低分子物質を内包させ
たマイクロカプセルを樹脂媒体に分散させて感熱層を形
成する試みが開示されている(特開平5−116452
号公報等)。前記マイクロカプセルは温度に依存して白
濁不透明状態並びに無色透明状態を呈するが、変色特性
が前記した熱変色性材料とは異なっており、更には無色
透明状態の生起温度を越えた第3の状態、即ち前記状態
の中間的状態(半透明状態)を呈し前記中間状態を発想
させる系では、前記二つの状態とは異なった経路を辿っ
て状態変化をする。図3についてこの点を説明する。T
0 ’以下の常温では白濁不透明状態にあり、これを温度
2 ’に加温すると透明になり、この状態で再びT0
以下に冷却して常温に戻しても、そのままの状態であ
り、T3 ’以上に加温すると最大透明度と最大不透明度
の中間の半透明状態になり、この状態で温度を下げて行
くと、再び透明状態をとることもなく最初の白濁不透明
状態に戻る。この白濁不透明状態のものをT1 ’〜
2 ’間の温度に加熱した後、常温即ち、T0 ’以下の
温度に冷却した場合には、透明と不透明との中間の状態
をとることができる。又、前記常温で透明になったもの
も再びT3 ’以上の温度に加熱した後、常温に戻せば、
再び白濁不透明状態に戻る。即ち、常温で不透明及び透
明の両状態並びにその中間状態をとる。前記した如くサ
ーマルヘッド等による画像形成に用いられる感熱記録材
料におけるマイクロカプセルの温度変化による状態変化
は、前記した従来の二つの状態を互変的に現出させる熱
変色性材料とは異なる挙動を呈する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した感熱記録材料
におけるマイクロカプセルは、サーマルヘッド等による
画像の発現、消去を行う系に適用するに際して有効であ
るとしても、T2 ’の温度で透明状態となった後、いく
ら冷却しても白濁不透明状態には戻らず、透明状態のま
まであり、更にT3 ’以上の高温域において前記した如
き第3の状態(半透明状態)を現出させる等、温度変化
による変色特性が従来の熱変色性材料と異なっており、
両者の併用には難がある。本発明は、前記した従来の熱
変色性材料と同様な変色特性を示し、適応するヒステリ
シス幅(ΔH)を伴って白色且つ不透明状態−無色透明
状態の可逆性を有し、従来の熱変色性材料との併用性を
満たし、熱変色性材料の多色化に寄与すると共に、白色
隠蔽層(像を含む)を形成して、該隠蔽層の下層及び/
又は上層に配した熱変色性又は非熱変色性着色層(像を
含む)を配することにより温度変化によって隠顕させる
こと等を可能となす熱変色性遮光−透光性マイクロカプ
セル顔料を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、融点が−40
℃〜+90℃の範囲にある結晶性の、エステル類、エー
テル類、ケトン類から選ばれる化合物の一種又は二種以
上を内包させた粒子径が0.1〜50μmのマイクロカ
プセル顔料であって、前記エステル類が、一価の脂肪酸
と脂肪族一価アルコール又は脂環を有する一価アルコー
ルからなる総炭素数13以上のエステル、脂肪族二価又
は多価カルボン酸と脂肪族一価アルコール又は脂環を有
する一価アルコールからなる総炭素数18以上のエステ
ル、脂肪族二価又は多価アルコール又は脂環を有する二
価及び多価アルコールと一価の脂肪酸からなる総炭素数
18以上のエステル、芳香環を有する二価アルコールと
一価の脂肪酸からなる総炭素数24以上のエステル、芳
香環を有する一価のカルボン酸と脂肪族一価アルコール
又は脂環を有する一価アルコールからなる総炭素数15
以上のエステル、芳香環を有する一価のカルボン酸と芳
香環を有する一価アルコールからなる総炭素数14以上
のエステル、一価の脂肪酸と芳香環を有する一価アルコ
ールからなる総炭素数15以上のエステル、及び二価の
脂肪酸と芳香環を有する一価アルコールからなる総炭素
数16以上のエステルから選ばれ、前記エーテル類が、
総炭素数16以上の脂肪族エーテル又は総炭素数11以
上の芳香環を有するエーテルから選ばれ、前記ケトン類
が総炭素数10以上の脂肪族ケトン、総炭素数10以上
の芳香環もしくは脂環を有するケトンから選ばれてな
り、温度変化による遮光−透光曲線に関して、ヒステリ
シス幅(ΔH)をもって変化し、白色不透明状態にあっ
て温度が上昇する過程では、温度TC に達すると前記状
態は変化し始め、温度TD 以上の温度域では無色透明状
態を保持しており、前記無色透明状態にあって温度が下
降する過程では、温度TD より低い温度TBに達すると
前記状態は変化し始め、温度TA 以下の温度域で完全に
白色不透明状態になる熱変色性遮光−透光性マイクロカ
プセル顔料を要件とする。更には、前記TB はTC より
低い温度であり、TB とTC の間の温度域で、前記白色
不透明状態と無色透明状態が共存可能であること、更に
は、ヒステリシス幅(ΔH)は、マイクロカプセルの粒
子径に依存し、粒子径1〜2μm未満の系では粒子径2
μm以上の系に較べヒステリシス幅(ΔH)が大である
こと、更には、前記内包物に油溶性蛍光増白剤が溶解又
は分散状態に配合されてなること等を要件とする。
【0006】前記した本発明熱変色性遮光−透光性マイ
クロカプセル顔料は、従来より公知のバインダーを含む
ビヒクル、例えば、蒸発乾燥型(樹脂/溶剤)、ゲル化
乾燥型(エマルジョン)、冷却固化型(ワックス型)、
酸化重合型、熱硬化型、紫外線硬化型等の各バインダー
を含むビヒクルに分散され、印刷インキ或いは塗料等の
色材として適用される。ここで、乾燥塗膜全量中におけ
る該カプセル顔料は、10〜80重量%、好ましくは3
0〜70重量%、含有させることができる。10重量%
未満の配合量では鮮明な状態変化による効果を視覚させ
難いし、80重量%を越えるバインダーに対する固着強
度に劣る。更には、透明の熱可塑性或いは熱硬化性樹脂
中に該マイクロカプセル顔料をブレンドしてシート状或
いは適宜形状の一体成形体となして実用に供することが
できる。
【0007】マイクロカプセル化は、従来より公知の界
面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水
溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分
散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等が
あり、用途に応じて適宜選択されるが、一般的には、前
記界面重合法、in Situ重合法が好適に用いら
れ、膜剤として、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿
素、、エポキシ、ポリカーボネート、メラミン−ホルマ
リン縮合物、尿素−ホルマリン縮合物等が挙げられる。
尚、内包物100重量部に対して油溶性蛍光増白剤、例
えば、クマリン系、ナフタルイミド系、オキサゾール
系、チオフェン系等の油溶性蛍光増白剤から選ばれる一
種又は二種以上の化合物を0.001〜20重量部(よ
り好ましくは0.01〜10重量部)を溶解又は分散さ
せて適用することにより 、マイクロカプセル顔料自体
に蛍光増白性を付与することができる。前記マイクロカ
プセルの表面は、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を
設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実
用に供することもできる。マイクロカプセルに前記した
如く、エーテル類、エステル類、ケトン類等の状態変化
を生起させる成分を内包させることにより、化学的、物
理的に安定な顔料を構成でき、粒子径0.1〜50μm
の範囲内において目的に応じた粒子径のマイクロカプセ
ル顔料を得て実用に供される。
【0008】本発明におけるマイクロカプセル顔料が、
温度変化により白色不透明状態と無色透明状態の間の互
変性を呈する現象は次の如く推察される。前記した内包
物は凝固点以下の温度で固体状態の結晶となり、光を散
乱して白色状態となり、入射光の透過を妨げ不透明状態
を呈し、一方、加温により前記内包物の融点以上に温度
を上昇させると該内包物は液状となり、入射光の透過性
は増し、透明状態となる。本発明者は、前記状態変化が
粒子径に依存して、そのヒステリシス幅(ΔH)が変動
する。即ち、平均粒子径1〜2μm未満の系と、粒子系
2μm以上の系において、前者の系は後者の系に較べて
ΔHの値が大であることを見出した。前記した現象は、
粒子径が小(1〜2μm未満)になれば、容積の減少に
より内包物の結晶核の生成する確率が低下し、従って、
凝固点(結晶温度)が下がりΔH値の拡幅に寄与するも
のと推測される。粒子径2μm以上50μmの範囲にお
いては、凝固点は粒子径に無関係に略同一の凝固点を示
し、略同様のΔH値を示し、ΔH値は前記1〜2μm未
満の系に較べ小さい値を与える。
【0009】次に本発明に適用される内包物について説
明する。本発明に適用されるエステル類のうち、一価の
脂肪酸と脂肪族一価アルコール又は、脂環を有する一価
アルコールからなる総炭素数13以上のエステル類とし
て、酢酸ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−
ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−
ウンデシル、カプリル酸n−ラウリル、カプリル酸n−
トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリル酸
セチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸n−プロピ
ル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ウンデシ
ル、カプリン酸n−ラウリル、カプリン酸n−トリデシ
ル、カプリン酸n−ペンタデシル、カプリン酸セチル、
カプリン酸ステアリル、カプロン酸n−ウンデシル、カ
プロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシ
ル、カプロン酸n−ノニル、カプロン酸n−ウンデシ
ル、カプロン酸ステアリル、カプリル酸n−ヘキシル、
カプリル酸n−ヘプチル、カプリル酸n−オクチル、ラ
ウリン酸メチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸
n−ペンチル、ラウリン酸ネオペンチル、ラウリン酸2
エチルヘキシル、ラウリン酸n−オクチル、ラウリン酸
n−ノニル、ラウリン酸n−デシル、ラウリン酸n−ウ
ンデシル、ラウリン酸ラウリル、ラウリン酸n−トリデ
シル、ラウリン酸ミリスチル、ラウリン酸n−ペンタデ
シル、ラウリン酸ステアリル、ラウリン酸シクロヘキシ
ルメチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸n−ペン
チル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノ
ニル、ミリスチン酸n−デシル、ミリスチン酸n−ウン
デシル、ミリスチン酸ラウリル、ミリスチン酸n−トリ
デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸n−ペ
ンタデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステア
リル、ミリスチン酸シクロヘキシル、パルミチン酸メチ
ル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸n−プロピル、
パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸ネオペンチ
ル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニ
ル、パルミチン酸n−デシル、パルミチン酸n−ウンデ
シル、パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸n−トリデ
シル、パルミチン酸ミリスチルパルミチン酸n−ペンタ
デシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル
パルミチン酸シクロヘキシルメチル、ステアリン酸メチ
ル、ステアリン酸n−アミル、ステアリン酸n−ヘプチ
ル、ステアリン酸ネオペンチル、ステアリン酸n−オク
チル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−デシ
ル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−ト
リデシル、ステアリン酸ミリスチル、ステアリン酸n−
ペンタデシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ステ
アリル、ステアリン酸エイコシル、ステアリン酸n−ド
コシル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ステアリ
ン酸オレイル、ステアリン酸イソステアリル、ステアリ
ン酸シクロヘキシルメチル、エイコ酸メチル、エイコ酸
n−アミル、エイコ酸n−ヘプチル、エイコ酸n−オク
チル、エイコ酸n−ノニル、エイコ酸n−デシル、エイ
コ酸n−ウンデシル、エイコ酸n−トリデシル、エイコ
酸n−ペンタデシル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸n−ア
ミル、ベヘン酸n−ヘプチル、ベヘン酸ネオペンチル、
ベヘン酸n−オクチル、ベヘン酸n−ノニル、ベヘン酸
n−デシル、ベヘン酸n−ウンデシル、ベヘン酸n−ト
リデシル、ベヘン酸ミリスチル、ベヘン酸n−ペンタデ
シル、ベヘン酸セチル、シクロヘキシル酢酸ステアリ
ル、2−シクロヘキシルプロピオン酸ステアリル、オク
チル酸ネオペンチル等が挙げられる。
【0010】脂肪族二価又は多価カルボン酸と脂肪族一
価アルコール又は脂環を有する一価アルコールからなる
総炭素数18以上のエステル類としては、、セバシン酸
ジn−ブチル、アジピン酸ジn−ヘキシル、シュウ酸ジ
n−ノニル、シュウ酸ジn−デシル、シュウ酸ジn−ウ
ンデシル、シュウ酸ジラウリル、シュウ酸ジn−トリデ
シル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジn−ペンタデ
シル、シュウ酸ジセチル、シュウ酸ジn−ヘプタデシ
ル、シュウ酸ジステアリル、マロン酸ジラウリル、マロ
ン酸ジn−トリデシル、マロン酸ジミリスチル、マロン
酸ジn−ペンタデシル、マロン酸ジセチル、マロン酸ジ
n−ヘプタデシル、マロン酸ジステアリル、コハク酸ジ
n−ノニル、コハク酸ジn−デシル、コハク酸ジn−ウ
ンデシル、コハク酸ジラウリル、コハク酸ジn−トリデ
シル、コハク酸ジミリスチル、コハク酸ジn−ペンタデ
シル、コハク酸ジセチル、コハク酸ジヘプタデシル、コ
ハク酸ジステアリル、グルタル酸ジn−デシル、グルタ
ル酸ジn−ウンデシル、グルタル酸ジラウリル、グルタ
ル酸ジn−トリデシル、グルタル酸ジミリスチル、グル
タル酸ジn−ペンタデシル、グルタル酸ジセチル、グル
タル酸ジn−ヘプタデシル、グルタル酸ジステアリル、
アジピン酸ジn−デシル、アジピン酸ジn−ウンデシ
ル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジn−トリデシ
ル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジn−ペンタ
デシル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジn−ヘプタ
デシル、アジピン酸ジステアリル、アジピン酸ジn−ド
コシル、ピメリン酸ジn−デシル、ピメリン酸ジn−ウ
ンデシル、ピメリン酸ジラウリル、ピメリン酸ジn−ト
リデシル、ピメリン酸ジミリスチル、ピメリン酸ジn−
ペンタデシル、ピメリン酸ジセチル、ピメリン酸ジn−
ヘプタデシル、ピメリン酸ジステアリル、スベリン酸ジ
n−デシル、スベリン酸ジn−ウンデシル、スベリン酸
ジラウリル、スベリン酸ジn−トリデシル、スベリン酸
ジミリスチル、セバシン酸ジn−ノニル、セバシン酸ジ
n−デシル、セバシン酸ジn−ウンデシル、セバシン酸
ジラウリル、セバシン酸ジn−トリデシル、セバシン酸
ジミリスチル、セバシン酸ジn−ペンタデシル、セバシ
ン酸ジセチル、セバシン酸ジn−ヘプタデシル、セバシ
ン酸ジステアリル、スベリン酸ジn−ペンタデシル、ス
ベリン酸ジセチル、スベリン酸ジn−ヘプタデシル、ス
ベリン酸ジステアリル、アゼライン酸ジn−デシル、ア
ゼライン酸ジn−ウンデシル、アゼライン酸ジラウリ
ル、アゼライン酸ジn−トリデシル、アゼライン酸ジミ
リスチル、アゼライン酸ジn−ペンタデシル、アゼライ
ン酸ジセチル、アゼライン酸ジn−ヘプタデシル、アゼ
ライン酸ジステアリル、1,18オクタデシルメチレン
ジカルボン酸ジn−オクチル、1,18オクタデシルメ
チレンジカルボン酸ジシクロヘキシル、1,18オクタ
デシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル等が挙げら
れる。
【0011】脂肪族二価又は多価アルコール又は脂環を
有する二価及び多価アルコールと一価の脂肪酸からなる
総炭素数18以上のエステル類としては、エチレングリ
コールジカプリル酸エステル、エチレングリコールジカ
プリン酸エステル、エチレングリコールジウンデカン酸
エステル、エチレングリコールジラウリン酸エステル、
エチレングリコールジトリデカン酸エステル、エチレン
グリコールジミリスチン酸エステル、エチレングリコー
ルジペンタデカン酸エステル、エチレングリコールジパ
ルミチン酸エステル、エチレングリコールジヘプタデカ
ン酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エス
テル、1,3−プロパンジオールジカプリル酸エステ
ル、1,3−プロパンジオールジカプリン酸エステル、
1,3−プロパンジオールジウンデカン酸エステル、
1,3−プロパンジオールジラウリン酸エステル、1,
3−プロパンジオールジトリデカン酸エステル、1,3
−プロパンジオールジミリスチン酸エステル、1,3−
プロパンジオールジペンタデカン酸エステル、1,3−
プロパンジオールジパルミチン酸エステル、1,3−プ
ロパンジオールジヘプタデカン酸エステル、1,3−プ
ロパンジオールジステアリン酸エステル、1,4−ブタ
ンジオールジカプリル酸エステル、1,4−ブタンジオ
ールジカプリン酸エステル、1,4−ブタンジオールジ
ウンデカン酸エステル、1,4−ブタンジオールジラウ
リン酸エステル、1,4−ブタンジオールジトリデカン
酸エステル、1,4−ブタンジオールジミリスチン酸エ
ステル、1,4−ブタンジオールジペンタデカン酸エス
テル、1,4−ブタンジオールジパルミチン酸エステ
ル、1,4−ブタンジオールジヘプタデカン酸エステ
ル、1,4−ブタンジオールジステアリン酸エステル、
1,5−ペンタンジオールジカプリン酸エステル、1,
5−ペンタンジオールジウンデカン酸エステル、1,5
−ペンタンジオールジラウリン酸エステル、1,5−ペ
ンタンジオールジトリデカン酸エステル、1,5−ペン
タンジオールジミリスチン酸エステル、1,5−ペンタ
ンジオールジペンタデカン酸エステル、1,5−ペンタ
ンジオールジパルミチン酸エステル、1,5−ペンタン
ジオールジヘプタデカン酸エステル、1,5−ペンタン
ジオールジステアリン酸エステル、1,6−ヘキサンジ
オールジカプリン酸エステル、1,6−ヘキサンジオー
ルジウンデカン酸エステル、1,6−ヘキサンジオール
ジラウリン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジト
リデカン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジミリ
スチン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジペンタ
デカン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジパルミ
チン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジヘプタデ
カン酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジステアリ
ン酸エステル、1,7−ペンタンジオールジカプリン酸
エステル、1,7−ペンタンジオールジウンデカン酸エ
ステル、1,7−ペンタンジオールジラウリン酸エステ
ル、1,7−ペンタンジオールジトリデカン酸エステ
ル、1,7−ペンタンジオールジミリスチン酸エステ
ル、1,7−ペンタンジオールジペンタデカン酸エステ
ル、1,7−ペンタンジオールジパルミチン酸エステ
ル、1,7−ペンタンジオールジヘプタデカン酸エステ
ル、1,7−ペンタンジオールジステアリン酸エステ
ル、1,8−オクタンジオールジカプリン酸エステル、
1,8−オクタンジオールジウンデカン酸エステル、
1,8−オクタンジオールジラウリン酸エステル、1,
8−オクタンジオールジトリデカン酸エステル、1,8
−オクタンジオールジミリスチン酸エステル、1,8−
オクタンジオールジペンタデカン酸エステル、1,8−
オクタンジオールジパルミチン酸エステル、1,8−オ
クタンジオールジヘプタデカン酸エステル、1,8−オ
クタンジオールジステアリン酸エステル、1,9−ノナ
ンジオールジカプリン酸エステル、1,9−ノナンジオ
ールジウンデカン酸エステル、1,9−ノナンジオール
ジラウリン酸エステル、1,9−ノナンジオールジトリ
デカン酸エステル、1,9−ノナンジオールジミリスチ
ン酸エステル、1,9−ノナンジオールジペンタデカン
酸エステル、1,9−ノナンジオールジパルミチン酸エ
ステル、1,9−ノナンジオールジヘプタデカン酸エス
テル、1,9−ノナンジオールジステアリン酸エステ
ル、1,10−デカンジオールジカプリル酸エステル、
1,10−デカンジオールジカプリン酸エステル、1,
10−デカンジオールジウンデカン酸エステル、1,1
0−デカンジオールジラウリン酸エステル、1,10−
デカンジオールジトリデカン酸エステル、1,10−デ
カンジオールジミリスチン酸エステル、1,10−デカ
ンジオールジペンタデカン酸エステル、1,10−デカ
ンジオールジパルミチン酸エステル、1,10−デカン
ジオールジヘプタデカン酸エステル、1,10−デカン
ジオールジステアリン酸エステル、1,5−ペンタンジ
オールジステアレート、1,2,6−ヘキサントリオー
ルジミリステート、ペンタエリストールトリミリステー
ト、ペンタエリストールテトララウレート、1,4−シ
クロヘキサンジオールジミリスチル、1,4−シクロヘ
キサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジミリスチル、1,4−シクロヘキサンジオールジ
ステアリル、1,4−シクロヘキサンジメタノールのジ
ラウリート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのジ
ミリステート等が挙げられる。
【0012】芳香環を有する二価アルコールと一価の脂
肪酸からなる総炭素数24以上のエステル類としては、
キシリレングリコールジカプリル酸エステル、キシリレ
ングリコールジカプリン酸エステル、キシリレングリコ
ールジウンデカン酸エステル、キシリレングリコールジ
ラウリン酸エステル、キシリレングリコールジトリデカ
ン酸エステル、キシリレングリコールジミリスチン酸エ
ステル、キシリレングリコールジペンタデカン酸エステ
ル、キシリレングリコールジパルミチン酸エステル、キ
シリレングリコールジヘプタデカン酸エステル、キシリ
レングリコールジステアリン酸エステル等が挙げられ
る。
【0013】芳香環を有する一価のカルボン酸と脂肪族
一価アルコール又は脂環を有する一価アルコールからな
る総炭素数15以上のエステル類としては、3,5−ジ
メチル安息香酸ヘキシル、2−メチル安息香酸デシル、
2−メチル安息香酸ラウリル、2−メチル安息香酸ミリ
スチル、2−メチル安息香酸ステアリル、4−tert
−ブチル安息香酸セチル、4−シクロヘキシル安息香酸
ベヘニル、4−フェニル安息香酸ミリスチル、4−オク
チル安息香酸ラウリル、3−エチル安息香酸ステアリ
ル、4−イソプロピル安息香酸デシル、4−ベンゾイル
安息香酸ステアリル、4−クロロ安息香酸ステアリル、
3−ブロモ安息香酸ミリスチル、2−クロロ−4−ブロ
モ安息香酸ステアリル、3,4−ジクロロ安息香酸デシ
ル、2,4−ジブロモ安息香酸オクチル、3−ニトロ安
息香酸セチル、4−アミノ安息香酸シクロヘキシルメチ
ル、4−ジエチルアミノ安息香酸セチル、4−アニリノ
安息香酸ステアリル、4−メトキシ安息香酸デシル、4
−メトキシ安息香酸セチル、4−ブトキシ安息香酸オク
チル、4−ヒドロキシ安息香酸セチル、p−クロロフェ
ニル酢酸ステアリル、p−クロロフェニル酢酸セチル、
サリチル酸ネオペンチル、2−ナフトエ酸ステアリル、
ベンジル酸セチル、ベンジル酸ステアリル、3−ベンゾ
イルプロピオン酸デシル、安息香酸ステアリル、安息香
酸ミリスチル、2−ベンゾイルプロピオン酸シクロヘキ
シルメチル、ケイ皮酸シクロヘキシルメチル等が挙げら
れる。
【0014】芳香環を有する一価のカルボン酸と芳香環
を有する一価アルコールからなる総炭素数14以上のエ
ステル類としては、サリチル酸ベンジル、サリチル酸4
−メトキシメチルフェニルメチル、安息香酸4−クロロ
フェニルメチル、ケイ皮酸ベンジル、4−tert−ブ
チル安息香酸フェニル、2−メチル安息香酸4−クロロ
ベンジル、安息香酸4−メトキシフェニルメチル等が挙
げられる。
【0015】一価の脂肪酸と芳香環を有する一価アルコ
ールからなる総炭素数15以上のエステル類としては、
カプリル酸4−クロロフェニルメチル、カプリン酸4−
クロロフェニルメチル、ラウリン酸4−メトキシフェニ
ルメチル、ミリスチン酸4−メトキシフェニルメチル、
ステアリン酸4−ニトロフェニルメチル、カプリン酸4
−メチルフェニルメチル、ミリスチン酸2−クロロフェ
ニルメチル、11−ブロモラウリン酸4−クロロフェニ
ル、ステアリン酸4−イソプロピルフェニル、2−ナフ
トエ酸ステアリル、ベンジル酸セチル、ベンジル酸ステ
アリル、カプロン酸ベンジル、パルミチン酸ベンジル、
ステアリン酸3−フェニルプロピル、11−ブロモラウ
リン酸フェニル等が挙げられる。
【0016】二価の脂肪酸と芳香環を有する一価アルコ
ールからなる総炭素数16以上のエステル類としては、
セバシン酸ジベンジル、4,4’−ジフェニルジカルボ
ン酸ジネオペンチル等が挙げられる。
【0017】次に、本発明に適用されるエーテル類につ
いて説明する。総炭素数16以上の脂肪族エーテル類と
しては、ジオクチルエーテル、ジニエチルヘキシルエー
テル、ジデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリ
デシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデ
シルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジヘプタデシ
ルエーテル、ジオクタデシルエーテル等が挙げられる。
【0018】総炭素数11以上の芳香環を有するエーテ
ル類としては、ベンジルイソアミルエーテル、ジフェニ
ルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、
ジイソプロピルベンジルエーテル等が挙げられる。
【0019】次に、本発明に適用されるケトン類につい
て説明する。総炭素数10以上の脂肪族ケトン類として
は、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−
ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、
5−ウンデカノン、6−ウンデカノン、2−ドデカノ
ン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノ
ン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラ
デカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、
2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタ
デカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、
2−ノナデカノン、10−ノナデカノン、2−エイコサ
ノン、11−ヘンエイコサノン、2−ドコサノン、ラウ
ロン、ステアロン、シクロデカノン等が挙げられる。
【0020】総炭素数10以上の芳香環もしくは脂環を
有するケトン類としては、ベンジルアセトフェノン、ベ
ンジルフェニルケトン、n−オクタデカノフェノン、n
−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、
n−テトラデカノフェノン、n−トリデカノフェノン、
ラウロフェノン、n−ウンデカノフェノン、n−デカノ
フェノン、4’−n−オクチルアセトフェノン、n−ノ
ナノフェノン、4’−n−ヘプチルアセトフェノン、n
−オクタノフェノン、4’−n−ヘキシルアセトフェノ
ン、4’−シクロヘキシルアセトフェノン、2−メチル
ベンゾフェノン、ジシクロヘキシルケトン、4−ter
t−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタノフェノン、
4’−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフ
ェニルケトン、2−ベンジリデンシクロヘキサノン、ベ
ンゾフェノン、シクロデカノン、2−n−ヘプチルシク
ロヘキサノン、2−シクロヘキシルシクロヘキサノン、
2−(1−シクロヘキシル)シクロヘキサノン、ベンジ
ルn−ブチルケトン、4’−n−ブチルアセトフェノ
ン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェ
ノン、シクロペンチルフェニルケトン、4−フェニルシ
クロヘキサノン、1−アセトテフタノン、2−アセトテ
フタノン、4−n−ペンチルシクロヘキサノン、ベンジ
ルイソプロピルケトン、4’−n−プロピルアセトフェ
ノン、2’,4’,6’−トリメチルアセトフェノン、
シクロブチルフェニルケトン、2’,4’−ジメチルア
セトフェノン、2’,5’−ジメチルアセトフェノン、
4’−エチルアセトフェノン、イソプロピルフェニルケ
トン、4’−メチルプロピオフェノン、1−フェニル−
2−ブタノン、フェニルn−プロピオケトン、シクロプ
ロピルフェニルケトン、フェニルプロペニルケトン、2
−アミノ−4’−クロロベンゾフェノン、2−アミノ−
5−クロロベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノ
ン、2−アミノ−2’,5−クロロベンゾフェノン、4
−クロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2−クロ
ロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、2,
4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオ
ロベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、
2,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロ
ロベンゾフェノン、2,3,4,5,6,−ペンタフル
オロベンゾフェノン、デカフルオロベンゾフェノン、3
−3’ジアミノベンゾフェノン、3−4ジアミノベンゾ
フェノン、4,4’ジアミノベンゾフェノン、2−アミ
ノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、3,4
−ジメトキシフェニルシセトン、2’,3’,4’−ト
リメトキシアセトフェノン、3’,4’,5’−トリメ
トキシアセトフェノン等が挙げられる。
【0021】次に本発明に適用される蛍光増白剤の具体
例を記載する。クマリン系油溶性蛍光増白剤としては、
下記化1で表される7−トリアジニルアミノ−3−フェ
ニルクマリン系誘導体、及び化2で表される3−フェニ
ル−7−アリルトリアゾリルクマリン誘導体が好適に用
いられる。
【化1】 (式中Aは非水溶性基を有してもよいフェニル基であ
り、Xはハロゲン原子又はアミノ基、又は脂肪族、芳香
族、芳香脂肪族、脂環式、脂肪族複素環式及び芳香族複
素環式などの第一又は第二アミン残基であり、Yはフェ
ニル基、アミノ基又はXで定義されたアミン残基を表
す。)
【化2】 (式中、Xは水素又は塩素原子、Rは低級アルキル基、
Aは2個の互いに隣接する炭素原子にトリアゾール環の
窒素原子を結合した芳香族残基を表しこの芳香族残基は
非水溶性基で置換されてもよい。)
【0022】ナフタルイミド系油溶性蛍光増白剤として
は、下記化3で表される化合物が好適に用いられる。
【化3】 (式中、R1 =Cn 2n+1 但しn=1〜8の整数、R
2 =Cn 2n+1 但しn=1〜8の整数を表す。)
【0023】オキサゾール系油溶性蛍光増白剤として
は、、下記化4、5、6で表される化合物が好適に用い
られる。
【化4】 (式中、R1 、R2 は、一方はH、他方はCn 2n+1
しn=1〜8の整数を表し、R3 、R4 は、一方はH、
他方はCn 2n+1但しn=1〜8の整数を表す。)
【化5】 (式中、R1 、R2 は、一方はH、他方はCn 2n+1
しn=1〜8の整数を表し、R3 、R4 は、一方はH、
他方はCn 2n+1但しn=1〜8の整数を表す。)
【化6】 (式中、R1 、R2 は、一方はH、他方はCn 2n+1
しn=1〜8の整数を表し、R3 、R4 は、一方はH、
他方はCn 2n+1但しn=1〜8の整数を表す。)
【0024】チオフェン系油溶性蛍光増白剤として
は、、下記化7で表される化合物が好適に用いられる。
【化7】 (式中、R1 、R2 は、一方はH、他方はCn 2n+1
しn=1〜8の整数を表し、R3 、R4 は、一方はH、
他方はCn 2n+1但しn=1〜8の整数を表す。) 前記油溶性蛍光増白剤は、熱変色性材料1重量部に対
し、0.00001〜0.2重量部、好ましくは0.0
001〜0.1重量部、更に好ましくは0.005〜
0.05重量部の範囲で用いられる。
【0025】
【作用】本発明マイクロカプセル顔料は、図1及び図2
に示す如く、温度変化による透明度の変化をプロットし
た曲線がヒステリシス幅〔ΔH(TF −TE )〕を伴っ
て変化し、白色不透明状態と無色透明状態間の互変性を
呈し、白色不透明状態にあって温度が上昇する過程で
は、温度TC に達すると前記白色不透明状態は変化し始
め、温度TD 以上の温度域では完全に無色透明状態とな
り、前記無色透明状態にあって温度が下降する過程で
は、温度TC より低い温度TB に達すると前記無色透明
状態は変化し始め、温度TA 以下の温度域で完全に白色
不透明状態になり、前記温度TB と温度TC の間の温度
域内で前記白色不透明状態と無色透明状態が共存可能で
あるヒステリシス特性を与える。前記の挙動は、マイク
ロカプセルに内包された内包物の融点によって左右され
る。即ち、凝固点以下では固体状態の結晶となり、光を
散乱して白色不透明状態となり、融点以上に加熱すると
液体状態となり、入射した光は透過性となり、無色透明
となる。前記ヒステリシス幅(ΔH)は、前記内包され
る内包物の融点に依存することに加えて、同一の内包物
にあっては、マイクロカプセルの粒子径に依存してΔH
の値を変化させる。平均粒子径が1〜2μmの範囲にお
いては、容積が小さいため、内方物の結晶核の生成する
確立の小さいことに依存して凝固点(結晶温度)が下が
りΔH値の拡幅に寄与し高ヒステリシス特性を与えると
考えられる(図1)。粒子径2μm以上の系では、粒子
径に無関係に略同一の凝固点を示し、そのΔH値は前記
2μm未満の系に較べて小さく、小ヒステリシス特性の
挙動を呈する(図2)。前記した本発明マイクロカプセ
ル顔料の温度変化による変色、状態変化の挙動は、従来
の熱変色性材料の色濃度−温度曲線(図4、図5)の挙
動と類似しており、前記ヒステリシス幅の相互の調整に
よる、両者の併用により、多彩に変化する熱変色性加工
体を構成できる。
【0026】
【実施例】
実施例1 パルミチン酸n−ヘプチル50部を約90℃にて加温溶
解し、これにメチルエチルケトン30部、多価イソシア
ネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製:スミジュ
ールL)15部の混合溶液を加えて均一に溶解する。こ
れを5%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製:ゴ
ーセノールGM14)水溶液150部中に混入し、ホモ
ミキサーを用いて、微小滴になるまで分散させる。この
水性縣濁液を60℃に保ったまま、硬化剤(エポキシ樹
脂のアミン付加物、シェル石油社製:エピキュアU)の
5%水溶液50部を攪拌中の水性縣濁液中に徐々に約6
0分間かけて滴下し、滴下終了後、水溶液の液温を85
℃まで昇温させ、液温を85℃に保持したまま約5時間
攪拌を続けて、粒子径分布が4〜10μm(平均粒子径
約6μm)の均質な微小カプセルの分散液を得た。この
得られた分散液を遠心分離処理して回収し、含水率約4
0%のマイクロカプセル含水組成物を得た。前記マイク
ロカプセルの平均粒子径は、ホモミキサーの攪拌力、即
ち回転数及び攪拌時間により、0.1μmから50μm
まで任意に設定する事ができ、以下の実施例についても
同様である。
【0027】実施例2 実施例1と同様の処方において、ホモミキサーの回転数
を9000rpm、3分間処理して粒子径分布0.5〜
1.0μm(平均粒子径0.7μm)のマイクロカプセ
ル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0028】実施例3 カプリル酸ステアリル50部とエポキシ樹脂10部(シ
ェル石油社製:エピコート(828)を80℃にて加温
溶解して、均質相溶体となし、これにメチルエチルケト
ン10部を混合した後、10%のゼラチン水溶液100
部中に滴下して微小滴になるようにホモミキサーによ
り、攪拌した。別に用意した、硬化剤(エポキシ樹脂の
アミン付加物、シェル石油社製:エピキュアU)の10
%水溶液50部を前記攪拌中の65℃に保持された水性
縣濁液中に徐々に滴下し液温を80℃に保って約5時間
攪拌を続け、粒子径分布が4〜10μm、平均粒子径約
6μmの均一な微小カプセルの分散液を得た。前記分散
液を遠心分離処理して回収し、含水率約35%のマイク
ロカプセル含水組成物を得た。
【0029】実施例4 実施例3と同様の処方において、ホモミキサーの回転数
を9000rpm、3分間処理して粒子径0.5〜1.
0μm(平均粒子径0.7μm)のマイクロカプセル顔
料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0030】実施例5 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、ラウリン酸ステア
リルを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径分布
が4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロカプ
セル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0031】実施例6 実施例5と同様な処方において、ホモミキサーの回転数
を9000rpm、3分間処理して粒子径分布0.5〜
1.0μm(平均粒子径0.7μm)のマイクロカプセ
ル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0032】実施例7 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、カプリン酸セチル
を用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径分布が4
〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロカプセル
顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0033】実施例8 実施例7と同様な処方において、ホモミキサーの回転数
を9000rpm、3分間処理して粒子径0.5〜1.
0μm(平均粒子径0.7μm)のマイクロカプセル顔
料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0034】実施例9 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、グルタミン酸ジミ
リスチルを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径
分布が4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロ
カプセル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0035】実施例10 実施例9と同様な処方において、ホモミキサーの回転数
を9000rpm、3分間処理して粒子径0.5〜1.
0μm(平均粒子径0.7μm)のマイクロカプセル顔
料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0036】実施例11 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、コハク酸ジラウリ
ルを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径分布が
4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロカプセ
ル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0037】実施例12 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、ステアリン酸シク
ロヘキシルメチルを用いた以外は、実施例1と同様にし
て粒子径分布が4〜10μm(平均粒子径約6μm)の
マイクロカプセル顔料及びマイクロカプセル含有組成物
を得た。
【0038】実施例13 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、ステアリン酸ネオ
ペンチルを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径
分布が4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロ
カプセル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0039】実施例14 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、n−ジデシルエ−
テルを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径分布
が4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロカプ
セル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0040】実施例15 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、n−ジテトラデシ
ルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子
径分布が4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイク
ロカプセル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得
た。
【0041】実施例16 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、8−ペンタデカノ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径分布が
4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロカプセ
ル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0042】実施例17 パルミチン酸n−ヘプチルに代えて、9−ヘプタデカノ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして粒子径分布が
4〜10μm(平均粒子径約6μm)のマイクロカプセ
ル顔料及びマイクロカプセル含有組成物を得た。
【0043】実施例18 パルミチン酸n−ヘプチル50部を約80℃にて加温
し、これにメチルエチルケトン30部、多価イソシアネ
ート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製:スミジュー
ルL)15部、クマリン系の油溶性蛍光増白剤(ハッコ
ールケミカル社製:PY−18)0.5部の混合溶液を
加えて均一に溶解させ、これを5%のポリビニルアルコ
ール溶液150部中に微小滴になるよう分散させた。以
下実施例1と同様の方法にて、粒子径分布が4〜10μ
m、平均粒子径約6μmの均一微小カプセルの分散液を
得る事ができ、遠心分離処理して回収し、含水率約40
%のマイクロカプセル含水組成物を得た。
【0044】実施例19 クマリン系の油溶性蛍光増白剤に代えて、油溶性蛍光増
白剤(カヤライトB)を用いた以外は実施例18と同様
にして粒子径分布4〜10μm(平均粒子径6μm)の
マイクロカプセル顔料及びマイクロカプセル含有組成物
を得た。
【0045】温度変化による透明度変化の測定方法 マイクロカプセル顔料単体では、白濁不透明状態−無色
透明状態の変化を詳細に確認することは実質上、困難な
ため前記マイクロカプセル顔料をバインダーを含むビヒ
クル中に分散させたインキとなし、これを用いてスクリ
ーン印刷物を形成し、温度変化による状態変化及び変色
特性を調べた。前記インキは以下の如くして調製した。
実施例1〜19で作製したマイクロカプセル顔料の含水
組成物4.0部をエチレン酢酸ビニルエマルジョン5.
2部、増粘剤0.5部、レベリング剤0.2部、消泡剤
0.1部からなる乾燥皮膜が透明な水性スクリーンイン
キ用ビヒクル中に分散させてマイクロカプセル含有水性
スクリーンインキを調製した。前記インキを明度値2.
04の黒色の上質紙上に109メッシュのスクリーン版
を用いて印刷し、膜厚約25μmの印刷層を有する印刷
物を得た。この膜厚は各実施例で得られる含水組成物を
用いても、ほぼ同一の値を示した。上記印刷物におけ
る、マイクロカプセル顔料の、温度変化による白濁状態
から透明状態への変化は、白色から黒色への変化として
視覚することができる。従って、前記印刷物の温度変化
による明度値の変化を測定する事により、温度変化によ
る白濁不透明状態から透明状態への変化の挙動やその相
対的白度及び透明度を簡便に測定する事ができる。
【0046】変色挙動の測定方法 前記印刷物を色差計〔TC−3600型色差計,(株)
東京電色製〕を用いて温度幅60℃の範囲内で10℃/
minの速度で印刷物を加温冷却した。例えば実施例1
の場合、0℃を測定開始温度として、10℃/minの
速度で50℃まで加温し、続いて、10℃/minの速
度で再び0℃まで冷却した。この時の各温度における色
差計に表示された明度値をグラフ上にプロットして、図
1に示す如き変色曲線を作成し、TA 、TB 、TC 、T
D 、TE (白濁過程における色濃度の中点温度)、TF
(透明過程における色濃度の中点温度)、及びΔH(線
分EF)を得た。
【0047】コントラストの測定方法 前記変色挙動の測定時に、白濁不透明状態時の明度値を
例えば、実施例1の場合は、0℃の時の明度値VA を色
差計〔TC−3600型色差計,(株)東京電色製〕に
て読み取り、次に透明状態時の明度値を、実施例1の場
合には50℃の時の明度値VD を同様にして読み取り、
コントラストΔVをVA −VD として算出した。本発明
マイクロカプセル顔料に内包される成分、及びTA 、T
B 、TC 、TD、ΔH(線分EF)、VA 、VD 、ΔV
の各値を表1に示す。
【表1】
【0048】適応例1 実施例1で作製したマイクロカプセル含水組成物50部
をアクリルエマルジョンを主成分とする乾燥皮膜が透明
な水性スクリーンインキ用ビヒクル50部中に分散さ
せ、マイクロカプセル含有水性スクリーンインキを得
た。前記スクリーンインキを用いて、ABCの文字が描
かれた109メッシュのスクリーン版にて黒色の紙の上
にスクリーン印刷を行ない、ABCの文字を印刷した印
刷物を得た。前記印刷物は、約25℃の室温では、黒色
紙上に白色でABCの文字が現出していたが、この印刷
物を40℃まで加温すると、ABCの文字が消えて全面
が黒色の紙となった。この状態は約25℃の室温下で保
持される。次に15℃以下に冷却したところ、再び白色
のABCの文字が現出し、この状態は、約25℃の室温
下で保持された。又、この挙動は、何度も繰り返し行う
ことができた。
【0049】適応例2 実施例10で作製したマイクロカプセル含水組成物50
部をアクリルエマルジョンを主成分とする乾燥皮膜が透
明な水性スクリーンインキ用ビヒクル50部中に分散さ
せ、マイクロカプセル顔料含有水性スクリーンインキを
得た。前記スクリーンインキを、120メッシュのスク
リーン版を用いて、厚さ80μmの黒色の紙にベタ印刷
をおこないスクリーンインキが黒色紙上に全面印刷され
た印刷物を得た。この印刷物は約25℃の室温では白色
状態であり、これを60℃まで加温すると黒色となり、
この状態は10℃〜50℃の環境下で保持された。次
に、この印刷物を0℃以下に冷却したところ、再び白色
状態となり、この状態は50℃以下の環境下で保持さ
れ、何度も繰り返し行う事ができる。前記の如く調整し
た白色状態の紙をワードプロセッサの感熱プリンターの
サーマルヘッドにて印字したところ、白色状態の紙から
黒色の文字を印字することができ、印字された文字は1
0℃〜50℃の環境下で保持されていた。又、印字され
た状態の紙を冷凍庫の中に約15分間入れ0℃以下に冷
却すると元の白色紙となり、何度も繰り返し使用する事
ができた。
【0050】適応例3 実施例5で作製したマイクロカプセル含水組成物をスプ
レードライ法にて乾燥して、マイクロカプセル顔料の乾
燥粉体とし、この粉体30部を塩化ビニル酢酸ビニル共
重合樹脂30部,キシロール30部,MIBK40部か
らなる塩化ビニル用スプレーインキビヒクル中に均一に
分散させ、マイクロカプセル顔料含有スプレーインキを
調整した。前記スプレーインキを軟質塩化ビニル製のピ
ンク色の成型物の全面に直接スプレー塗装し、室温で乾
燥させたところ、ピンク色の成型物は約25℃の室温で
は、白色となった。この白色の成型物を50℃以上に加
温すると、白色からピンク色に変化し、加温を止め、室
温まで冷却させると、再び白色になった。この動作は繰
り返し何度も行うことができ、その変色温度等の機能
は、3カ月を経過してもその変色機能は何ら異常をきた
さなかった。
【0051】適応例4 実施例14で作製したマイクロカプセル含水組成物をス
プレードライ法にて乾燥して、マイクロカプセル顔料の
乾燥粉体とし、この粉体35部をアクリル樹脂40部,
キシロール40部,MIBK40部からなるスプレーイ
ンキビヒクル中に分散し、マイクロカプセル顔料含有ス
プレーインキを調整した。前記スプレーインキを、車の
形に成型された、青色のHIPS樹脂の窓の部分にスプ
レー塗装し、室温で乾燥させたところ、白色の窓となっ
た。この白色の窓を35℃以上に加温したところ、青色
に変化し、この状態は、約25℃の室温において保持さ
れていた。次に、車を15℃以下の氷水に入れたとこ
ろ、再び車の窓の部分のみ白色となり、この状態は、約
25℃の室温において保持されて状態となった。この動
作は繰り返し何度も行うことができ、その変色温度等機
能は、3カ月を経過してもその変色機能は何ら異常をき
たさなかった。
【0052】適応例5 実施例19で作製したマイクロカプセル含水組成物をス
プレードライ法にて乾燥して、マイクロカプセル顔料の
乾燥粉体とし、この粉体60部を塩化ビニル酢酸ビニル
共重合樹脂40部,シクロヘキサノン50部,ソルベッ
ソ100(芳香族炭化水素溶剤:エクソン化学社製)5
0部,シリコーン系消泡剤0.1部からなる油性スクリ
ーンインキビヒクル中に均一に分散させ、マイクロカプ
セル顔料含有油性スクリーンインキを調整した。前記油
性スクリーンインキを用いて、非変色性インキにより魚
の絵が描かれた塩化ビニールシート上の黒色の眼の部分
に白目の部分をスクリーン印刷した。この印刷物は室温
にて、目玉のある、あたかも生きているような魚が描か
れていたが、40℃以上に加温すると白目の部分が消失
し、あたかも死んでいる魚のようにみえた。この状態は
約25℃の室温下で保持される。次に15℃以下に冷却
したところ、再び白色の目玉が出現し、この状態は、約
25℃の室温下で保持された。又、この挙動は、何度も
繰り返し行うことができた。
【0053】適応例6 45℃以下で青色、50℃以上で無色を呈する熱変色性
顔料40部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン60部、
増粘剤2部、消泡剤1部を均一に攪拌して得た熱変色性
水性スクリーンインキを、180メッシュのスクリーン
版を用いてABCの文字を白色の上質紙にスクリーン印
刷した後、この上面に実施例3で作製した熱変色性遮光
−透光性マイクロカプセル顔料60部、エチレン酢酸ビ
ニルエマルジョン40部、増粘剤2部、消泡剤1部から
なる熱変色性遮光−透光性スクリーンインキを、80メ
ッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷して、白
色の熱変色性印刷物を得た。前記印刷物は、24℃の室
温では白色を呈していたが、40℃まで加温すると、上
面のスクリーンインキが白色から無色に変色し、下面に
印刷された、青色で描かれたABCの文字が現出した。
更に、この印刷物を50℃まで加温すると、ABCの文
字が消色して全面が白色となり、その後50℃以上に加
温しても何ら変化を示さず、白色の状態を維持した。更
に、前記50℃以上に加温した印刷物を徐々に冷却した
所、45℃まで冷却すると再び青色のABCの文字が現
出し、33℃までは青色の文字が現出していたが、33
℃以下に冷却していくと、青色のABCの文字は徐々に
識別されなくなり、28℃にて完全に白色の状態に復す
る。この白色状態の印刷物は24℃の室温下では白色を
呈しており、又、10℃まで冷却しても白色状態は維持
維持され、何ら変化はみられなかった。前記した如き印
刷物は、加温及び冷却を繰り返すことより、前記した挙
動を繰り返して行なうことができる。
【0054】
【発明の効果】本発明マイクロカプセル顔料は、従来よ
り汎用されている、熱変色性材料(電子供与性呈色性有
機化合物、電子受容性化合物、前記両者の呈色反応の生
起温度を決定する有機反応媒体の必須三成分の均質相溶
体をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔
料)と同様なヒステリシス特性をもって状態変化するの
で併用性を満たす。従来の熱変色性材料に新たに白色且
つ不透明状態から無色透明状態に互変性を有するのでこ
れらと組併せて多彩に応用展開が可能である。例えば、
本発明マイクロカプセル顔料を膜形成材料に分散固着さ
せた白色ベース層の上層及び/又は下層に着色層(熱変
色性着色層或いは非変色性着色層)を重ね刷りして温度
変化により隠顕させることが可能である。前記における
ベース層或いは着色層は像であってもよく、更にはヒス
テリシス幅を多様に変化させた組合わせも可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル
顔料の温度変化による挙動を示すグラフである。
【図2】本発明熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル
顔料の温度変化による挙動を示す別のグラフである。
【図3】感熱記録材料におけるマイクロカプセルの温度
変化による挙動を示すグラフである。
【図4】温度変化により大きなヒステリシス特性を示し
て変色する色彩記憶性熱変色性材料の色濃度−温度曲線
を示すグラフである。
【図5】温度変化により小さなヒステリシス特性を示し
て変色する熱変色性材料の色濃度−温度曲線を示すグラ
フである。
【符号の説明】
A 完全不透明化温度 TB 完全透明状態保持最低温度 TC 完全不透明状態保持最高温度 TD 完全透明化温度 TE 不透明化過程における中点の温度 TF 透明化過程における中点の温度 TG 消色過程における色濃度の中点の温度 TH 着色過程における色濃度の中点の温度 VA 白濁不透明状態時の明度値 VD 透明状態時の明度値 ΔH ヒステリシス幅 T1 完全呈色温度 T2 消色状態の最低保持温度 T3 着色状態の最高保持温度 T4 完全消色温度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が−40℃〜+90℃の範囲にある
    結晶性の、エステル類、エーテル類、ケトン類から選ば
    れる化合物の一種又は二種以上を内包させた粒子径が
    0.1〜50μmのマイクロカプセル顔料であって、前
    記エステル類が、一価の脂肪酸と脂肪族一価アルコール
    又は脂環を有する一価アルコールからなる総炭素数13
    以上のエステル、脂肪族二価又は多価カルボン酸と脂肪
    族一価アルコール又は脂環を有する一価アルコールから
    なる総炭素数18以上のエステル、脂肪族二価又は多価
    アルコール又は脂環を有する二価及び多価アルコールと
    一価の脂肪酸からなる総炭素数18以上のエステル、芳
    香環を有する二価アルコールと一価の脂肪酸からなる総
    炭素数24以上のエステル、芳香環を有する一価のカル
    ボン酸と脂肪族一価アルコール又は脂環を有する一価ア
    ルコールからなる総炭素数15以上のエステル、芳香環
    を有する一価のカルボン酸と芳香環を有する一価アルコ
    ールからなる総炭素数14以上のエステル、一価の脂肪
    酸と芳香環を有する一価アルコールからなる総炭素数1
    5以上のエステル、及び二価の脂肪酸と芳香環を有する
    一価アルコールからなる総炭素数16以上のエステルか
    ら選ばれ、前記エーテル類が、総炭素数16以上の脂肪
    族エーテル又は総炭素数11以上の芳香環を有するエー
    テルから選ばれ、前記ケトン類が総炭素数10以上の脂
    肪族ケトン、総炭素数10以上の芳香環もしくは脂環を
    有するケトンから選ばれてなり、温度変化による遮光−
    透光曲線に関して、ヒステリシス幅(ΔH)をもって変
    化し、白色不透明状態にあって温度が上昇する過程で
    は、温度TC に達すると前記状態は変化し始め、温度T
    D 以上の温度域では無色透明状態を保持しており、前記
    無色透明状態にあって温度が下降する過程では、温度T
    D より低い温度TB に達すると前記状態は変化し始め、
    温度TA 以下の温度域で完全に白色不透明状態になる熱
    変色性遮光−透光性マイクロカプセル顔料。
  2. 【請求項2】前記TB はTC より低い温度であり、TB
    とTC の間の温度域で、前記白色不透明状態と無色透明
    状態が共存可能である請求項1記載の熱変色性遮光−透
    光性マイクロカプセル顔料。
  3. 【請求項3】 ヒステリシス幅(ΔH)は、マイクロカ
    プセルの粒子径に依存し、平均粒子径1〜2μm未満の
    系は、粒子径2μm以上の系に比べヒステリシス幅(Δ
    H)が大である請求項1記載の熱変色性遮光−透光性マ
    イクロカプセル顔料。
  4. 【請求項4】 前記内包物に油溶性蛍光増白剤が溶解又
    は分散状態に配合されてなる請求項1記載の熱変色性遮
    光−透光性マイクロカプセル顔料。
JP6191909A 1994-07-22 1994-07-22 熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル顔料 Pending JPH0834168A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001152041A (ja) * 1999-09-17 2001-06-05 Pilot Ink Co Ltd 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
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CN116736565A (zh) * 2023-06-19 2023-09-12 珠海兴业新材料科技有限公司 一种遮光型隔热双控调光薄膜及其制备方法

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