JP2001009369A - 自動車用外装板及びその製造方法 - Google Patents
自動車用外装板及びその製造方法Info
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Abstract
肌などのない外観良好な自動車用外装板成形品を得るこ
とができる自動車用外装板及びその装置を提供する。 【解決手段】 中空の自動車用外装板成形品1をブロー
成形後その外面に塗膜を塗布する。自動車用外装板成形
品1のブロー成形には、表面粗さが3〜13.5μmの
微小凹凸を有する金型を用いる。金型間に23℃での曲
げ弾性率が9000Kg/cm2以上の結晶性樹脂から
なるパリソン3を配置する。キャビテイ4a,5aの表
面温度yをA<y<1.07Bを満たす範囲内に設定す
る。ただし、Aは23℃での曲げ弾性率が9000Kg
/cm2以上の結晶性樹脂のDSC曲線における結晶化
ピーク温度(℃)、Bは23℃における曲げ弾性率が9
000Kg/cm2以上の結晶性樹脂のDSC曲線にお
ける融解ピーク温度(℃)である。塗膜の厚さは120
μm以下とし成形品の表面粗さ(H)と塗膜の厚さ
(T)はT(μm)≧4.5H(μm)+10の関係を
有する。
Description
用外装板およびその製造方法に関するものである。
法について説明する。 (イ)キャビティの表面が鏡面に仕上げられた分割式の
金型を用い、型開きされた前記金型に引張弾性率が20
00Kg/cm2となる温度が75℃以上の非晶性樹脂
からなるパリソンを配置したのち型閉じし、ついで前記
パリソン内に気体を吹き込んで前記キャビティに密着さ
せる際に、前記キャビティ温度Y’℃を前記非晶性樹脂
の引張弾性率が2000Kg/cm2となる温度X’℃
に対して、 Y’=(0.96X’−37)〜(0.96X’+3) の範囲以内になるように設定して密着させる方法(特公
平6−22875号) (ロ)熱可塑性樹脂の熱成形または中空成形において、
高周波誘導加熱により金型の表面を選択的かつ瞬間的に
樹脂の熱変形温度以上に加熱して成形することによっ
て、成形品表面の光沢度を向上させる方法(特公平1−
27849号)。 (ハ)結晶性樹脂からなり、表面に深さ2〜100μm
の多数の微細な凹凸を形成させた溶融パリソンを、樹脂
の結晶化温度以上に加熱された粗面度0.5S以下の鏡
面に仕上げされた金型にてブロー成形する方法(特公平
2−40498号公報)。
ち、(イ)は非晶性樹脂製中空成形品の外面に斑点や線
状痕等が発生することが避けられず、外観良好性が厳し
く要請される自動車用外装板を製造する場合には、ブロ
ー成形された非晶性樹脂製中空成形品における外面の研
磨や水研ぎを行って斑点や線状痕等を除去したのち、外
面に塗膜を塗布しなければならない。このため、工程数
が多くなり製造コスト高を招くという問題点があった。
るための加熱装置を備えた特殊な成型装置を設備する必
要があるためにコスト高を招くという問題点がある。
〜100μmの多数の微細な凹凸を形成させるためにパ
リソンにメルトフラクチャーを発生させているが、この
メルトフラクチャーはそのコントロールが困難で、量産
には不向きであるという問題点がある。
に鑑みてなされたものであって、ブロー成形された自動
車用外装板成形品における外面の研磨や水研ぎを行うこ
となく外面に塗膜を塗布するだけで、剛性等の機械的強
度に優れかつ塗装面にゆず肌などのない外観良好な自動
車用外装板を得ることができる自動車用外装板およびそ
の製造方法を実現することを目的とするものである。
の第1の本発明の自動車用外装板は、引張弾性率が20
00Kg/cm2となる温度が75℃以上の非晶性樹脂
または23℃における曲げ弾性率が9000Kg/cm
2以上の結晶性樹脂ををブロー成形した中空の自動車用
外装板成形品の外面に120μm以下の膜厚の塗膜を塗
布した自動車用外装板において、成形品の表面粗さを3
〜13.5μmであり、しかも成形品の表面粗さ(H)
と塗膜の膜厚(T)との間には下記式の関係を有するこ
とを特徴とするものである。 T≧4.5H+10
となる温度が75℃以上の非晶性樹脂又は23℃におけ
る曲げ弾性率が9000Kg/cm2以上の結晶性樹脂
には、3〜35重量%の範囲以内の無機フィラーをブレ
ンドすることもある。
造方法は、中空の自動車用外装板をブロー成形したのち
前記自動車用外装板成形品の外面に塗膜を塗布する自動
車用外装板の製造方法において、前記自動車用外装板成
形品の前記ブロー成形は、表面粗さが3〜13.5μm
の範囲以内である微小凹凸を有する金型を用い、型開き
された前記金型間に引張弾性率が2000Kg/cm2
となる温度が75℃以上の非晶性樹脂からなるパリソン
を配置したのち型閉じし、ついで前記パリソン内に加圧
流体を導入して前記キャビテイに密着させ、前記キャビ
テイの表面温度Y℃を前記非晶性樹脂の引張弾性率が2
000Kg/cm2となる温度X℃に対して、 Y=(0.96X+3)〜(0.96X+40) の範囲以内に設定して密着させるとともに塗布する塗膜
の膜厚を120μm以下の範囲以内とし成形品の表面粗
さ(H)と塗膜の膜厚(T)との間には下記式を満足す
ることを特徴とする。 T≧4.5H+10
造方法は、中空の自動車用外装板をブロー成形したのち
前記自動車用外装板成形品の外面に塗膜を塗布する自動
車用外装板の製造方法において、前記自動車用外装板成
形品の前記ブロー成形は、表面粗さが3〜13.5μm
の範囲以内である微小凹凸を有する金型を用い、型開き
された前記金型間に23℃における曲げ弾性率が900
0Kg/cm2以上の結晶性樹脂からなるパリソンを配
置したのち型閉じし、ついで前記パリソン内に加圧流体
を導入して前記キャビテイに密着させ、前記キャビテイ
の表面温度y℃が次式 A<y<1.07B ここで、A:23℃における曲げ弾性率が9000Kg
/cm2以上の結晶性樹脂のDSC曲線における結晶化
ピーク温度(℃) B:23℃における曲げ弾性率が9000Kg/cm2
以上の結晶性樹脂のDSC曲線における融解ピーク温度
(℃)を満たす範囲内に設定するとともに塗布する塗膜
の膜厚を120μm以下の範囲以内とし成形品の表面粗
さ(H)と塗膜の膜厚(T)との間には下記式を満足す
ることを特徴とする。 T≧4.5H+10
成形された樹脂製中空成形品の外面に発生する斑点や線
状痕等は、パリソンの外面に発生する肌荒れ、ダイライ
ン、ブツに起因するものである。ところで、この肌荒れ
は、パリソンを押し出す際に押出ヘッドを通過する溶融
樹脂の流れに起因するもので、パリソンの外面に発生す
る約2μm以上の不規則な凹凸である。ダイラインは、
パリソンを押し出す際にヘッド内における溶融樹脂の流
れ方向の接合部に起因するもので、パリソンの外面に発
生する2〜500μmの筋状の窪みである。ブツは、樹
脂の未溶融粒状物や炭化物に起因するもので、パリソン
の外面に現れる5〜1000μmの突部や凹部である。
果、これらパリソンの外面に発生する肌荒れ、ダイライ
ン、ブツによって樹脂成形品の表面に発生する斑点や線
状痕等は、鏡面のキャビティを有する金型を用いるより
もむしろキャビティに所定の表面粗さの微小凹凸を有す
る金型を使用して、このキャビティの表面温度を所定の
温度に設定してブロー成形し、そのキャビティの微小凹
凸の表面粗さに対応する所定の膜厚の塗膜を塗布するこ
とにより抑制できるという知見を得たのである。
きことであった。この知見は、以下に示す二つの点より
重要である。その一つにはパリソンの外面に発生する肌
荒れ、ダイライン、ブツによって樹脂成形品の外面に発
生する斑点や線状痕等を、キャビテイの表面温度を所定
の温度に昇温することにより除去できることが判明した
ことである。所定の温度にパリソンの表面を昇温させる
ことにより、パリソンの押出し時に表面に形成された斑
点や線状痕等を消去できるのである。このことは、キャ
ビティの表面温度によりパリソンに一種の熱処理を与え
たようなものである。従来の技術によっては、除去でき
なかった斑点や線状痕等が、このことにより除去できる
ようになったのである。
イの表面温度を所定の温度に昇温させると、パリソンの
表面に発生する肌荒れ、ダイライン、ブツにより発生す
る斑点や線状痕等が除去できるが、このような処理をす
ると新たにエアーマークと呼ばれるクレーター状のもの
がその表面に発生することが判明した。このエアーマー
クはそのままその上に塗装を施すと、塗装面にエアーマ
ークが反映されるために、結局は従来と同じように塗装
に当たっては、研磨や水研ぎによって除去しなければな
らないということになってしまう。このエアーマーク
は、樹脂成形品の形状が複雑であればある程、その複雑
な形状部分に発生する傾向にあることも判明している。
キャビティの微小凹凸の表面粗さを3〜13.5μmの
範囲以内としこのキャビティの微小凹凸の表面粗さに対
応する所定の範囲以内の膜厚の塗膜を塗布することによ
り抑制できるということである。特定の微小凹凸である
とその樹脂成形品の表面に塗装したときに、塗膜が一種
の毛細管現象により、その微小凹凸の内部に入って行
き、その結果良好な塗装面が得られるのである。
発生する肌荒れ、ダイライン、ブツによって樹脂成形品
の外面に発生する斑点や線状痕等は、鏡面のキャビティ
を有する金型を用いるよりはむしろ、キャビティに所定
の表面粗さの微小凹凸を有する金型を使用して、このキ
ャビティの表面温度を所定の温度に設定してブロー成形
し、そのキャビティの微小凹凸の表面粗さに対応する所
定の膜厚の塗膜を塗布することにより抑制できるという
知見を得られたものである。
00Kg/cm2となる温度が75℃以上の非晶性樹脂
または23℃における曲げ弾性率が9000Kg/cm
2以上の結晶性樹脂をブロー成形した中空の自動車用外
装板成形品の外面に120μm以下の膜厚の塗膜を塗布
した自動車用外装板は、成形品の表面粗さを3〜13.
5μmとし、しかも成形品の表面粗さ(H)と塗膜の膜
厚(T)との間には特定の式からなる関係を満足するも
のであるならば、その表面の塗装面はゆず肌等のない美
麗な外観が得られるとともに、自動車用外装板として要
求される剛性等の機械的に強度を備えたものとなること
が分かったのである。
となる温度が75℃以上の非晶性樹脂又は23℃におけ
る曲げ弾性率が9000Kg/cm2以上の結晶性樹脂
には、3〜35重量%の範囲以内の無機フィラーをブレ
ンドすることで、ブロー成形された自動車外装板成形品
に発生するパーティングラインを、サンディングなどの
通常の加工によって除去し易くなる。無機フィラーのブ
レンド割合が3重量%より少ないとサンディング等によ
る前記パーティングラインの除去作業時にささくれ等が
発生して所定の表面粗さに仕上げることができなくな
る。逆に無機フィラーのブレンド割合が35重量%より
多いと硬くなりすぎて塗装面の肌の低下、成形性の低
下、製品物性の低下をまねく。
法の第1の実施形態について説明する。 図1に示すようにキャビティ4a、5aの表面粗さが
3〜13.5μmの範囲以内である微小凹凸を有する分
割型式の金型4,5を用い、型開きされた金型4,5間
に、引張弾性率が2000Kg/cm2となる温度が7
5℃以上の非晶性樹脂からなるパリソン3を押出しヘッ
ド2より押し出して配置する。 上記ののち、金型4,5を型閉じしてパリソン3を
挟持し、ついで、図示しない吹き込み針にてパリソン3
内に加圧流体である約7Kg/cm2の加圧空気を導入
して膨張させることによって、キャビティ4a、5aに
密着させて、中空の自動車用成形板成形品1をブロー成
形する。
加熱水、スチーム、オイル等の熱媒体を用いる加熱手段
6,7によって、パリソン3がキャビティ4a、5aに
密着直前若しくは密着後のキャビティ4a,5aの表面
温度Y℃を前記非晶性樹脂の引張弾性率が2000Kg
/cm2となる温度X℃に対して、Y=(0.96X+
3)〜(0.96X+40)の範囲以内に設定しておく
ことが肝要である。
て自動車用外装板成形品1を冷却し、ついで、図2に示
すように型開きして取り出し、余剰のバリを除去する。 上記工程ののち、自動車用外装板成形品1の外面に
膜厚が120μm以下の塗膜を塗布し、自動車用外装板
を製造する。
7113に準拠し、2号形試験片を用い、試験速度2m
m/分で試験した値を示すものである。また、同種の非
晶性樹脂であってもそれぞれの樹脂の特性により異なっ
た値を示す。引張弾性率が2000Kg/cm2となる
温度が75℃以上、さらには85℃以上の非晶性樹脂は
耐熱性に優れている。例えば、変性ポリフェニルオキサ
イド樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアミド樹
脂、ABS樹脂、ポリサルホン樹脂である。また、非晶
性樹脂のブレンド(アロイ)樹脂としては、ABS樹脂
とポリカーボネート樹脂とのブレンド(アロイ)樹脂が
好適である。
晶性樹脂成分が30重量%以上であり、非晶性樹脂と結
晶性樹脂とのブレンド(アロイ)樹脂で、引張弾性率が
2000Kg/cm2となる温度が75℃以上の樹脂で
あってもよい。例えば、非晶性樹脂と結晶性樹脂とのブ
レンド(アロイ)樹脂としては変性ポリフェニレノキサ
イド樹脂とポリアミド樹脂のブレンド(アロイ)樹脂、
ポリカーボネート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹
脂とのブレンド(アロイ)樹脂等である。
の第2の実施形態について説明する。 図1に示すようにキャビティ4a、5aの表面粗さが
3〜13.5μmの範囲以内である微小凹凸を有する分
割型式の金型4,5を用い、型開きされた金型4,5間
に、曲げ弾性率が9000Kg/cm2以上の結晶性樹
脂からなるパリソン3を押出しヘッド2より押し出して
配置する。 上記ののち、金型4,5を型閉じしてパリソン3を
挟持し、ついで、図示しない吹き込み針にてパリソン3
内に加圧流体である約7Kg/cm2の加圧空気を導入
して膨張させることによって、キャビティ4a、5aに
密着させて、中空の自動車用成形板成形品1をブロー成
形する。
加熱水、スチーム、オイル等の熱媒体を用いる加熱手段
6,7によって、パリソン3がキャビティ4a、5aに
密着直前若しくは密着後のキャビティ4a,5aの表面
温度y℃が、次式 A<y<1.07B ここで、A:23℃における曲げ弾性率が9000Kg
/cm2以上の結晶性樹脂のDSC曲線(JISK71
21参照)における結晶化ピーク温度(℃) B:23℃における曲げ弾性率が9000Kg/cm2
以上の結晶性樹脂のDSC曲線(JISK7121参
照)における融解ピーク温度(℃)を満たすように昇温
させる。
て自動車用外装板成形品1を冷却し、ついで、図2に示
すように型開きして取り出し、余剰のバリを除去する。 上記工程ののち、自動車用外装板成形品1の外面に
塗膜を塗布し、自動車用外装板を製造する。
とは、JISK7171に示すものである。23℃にお
ける曲げ弾性率が9000Kg/cm2以上の結晶性樹
脂は、自動車用外装板として要求される剛性等の機械的
強度を満足できるものであり、例えば、ポリプロピレン
樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂(例え
ば6ナイロン等)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂等の単体樹脂、あるい
はこれの結晶性樹脂を少なくとも30重量%含有する非
晶性樹脂とのブレンド(アロイ)樹脂、さらにはこれら
の結晶性樹脂同士のブレンド(アロイ)樹脂等である。
非晶性樹脂とのブレンド(アロイ)樹脂としては、例え
ばポリアミド樹脂/変性ポリフェニレン・エーテル樹脂
あるいはポリプロピレン樹脂/ポリスチレン樹脂が挙げ
られる。また、結晶性樹脂同士のブレンド(アロイ)樹
脂としては、ポリプロピレン樹脂/高密度ポリエチレン
樹脂が挙げられる。
ISK7121に規定されるDSC曲線における結晶化
ピーク温度であり、融解ピーク温度とは同様にJISK
7121に規定されるDSC曲線における融解ピーク温
度である。ここで、非晶性樹脂とのブレンド(アロイ)
樹脂の場合は、その含有する結晶性樹脂の結晶化ピーク
温度及び融解ピーク温度をそのブレンド(アロイ)樹脂
のそれぞれの温度とする。また、結晶性樹脂同士のブレ
ンド(アロイ)樹脂の場合は、その含有するそれぞれの
結晶性樹脂の当該温度をそれらの配合比率に応じた相加
平均から求めた温度が今回の温度として扱えることが判
明した。
がa%であり、その融解ピーク温度がt1であり、結晶
性樹脂(b)の融解ピーク温度がt2であるブレンド樹
脂の融解ピーク温度Bは、 B=(a/100)t1+(1−b/100)t2 となる。しかし、この2種類の結晶性樹脂(a)と結晶
性樹脂(b)の融解ピーク温度が近く、それぞれDSC
曲線のピークがはっきり現れない場合は、そのDSC曲
線のピークの頂点を当該ブレンド物の融解ピーク温度と
した。同様に、結晶化ピーク温度は上記方法で求めるこ
とができる。
のそれぞれの温度を表1に示す。
面の表面粗さは、3〜13.5μmの範囲以内とする
が、この表面粗さとは、キャビティの表面を触針電気式
粗さ測定器で測定した最大高さを基本にした粗さ(JI
SB0601)であり、詳しくは粗面あるいは微小凹凸
の山部(凸)の最大高さと谷部(凹)の最大深さの和よ
り求めたものである。この粗面粗さは、特にブロー成形
品の場合、表面が緩やかな曲線であることが多いため断
面曲線による最大高さRmax(JISB0601)では
なく粗さ曲線(JISB0601)から求められる山部
(凸)の最大高さと谷部(凹)の最大深さの和により求
めたものを採用した。このときの粗さ曲線カットオフ値
は0.8mmとした。表面粗さが3〜13.5μmの範
囲以内の微小凹凸をキャビティに形成するには、粒度が
#120〜#800のサンドを吹き付けること、つまり
サンドブラストが好適である。
る塗膜の塗布は、公知の塗装方法と同様に塗料をエアス
プレーにて吹き付けることにより120μm以下の塗膜
を形成する。本発明において、自動車用外装板とは、表
面の光沢や色調の鮮明ないわゆる外観良好性が厳しく要
求される。スポイラー、バンパー、トランクリッド、サ
イドモール、フェンダー、ボンネット等をいう。
出機を備えたブロー成形機を用い、図3に示すような、
長さLが1200mm、幅Dが180mm、高さHが9
0mmであって平均肉厚が3mmのスポイラー成形品1
0をブロー成形したのち、スポイラー成形品の外面に塗
膜を塗布したスポイラーを製造した。
よってキャビティの表面粗さをそれぞれ順に3μm、5
μm、9μm、10μm、11.5μm、13.5μ
m、18μmと変化させた金型を使用し、ABS樹脂
(テクノポリマー株式会社製、YM254、X=105
℃)のパリソンを240℃で押出し、キャビティの表面
の加熱温度を125℃にて得られたスポイラー成形体に
表2に示す膜厚の塗膜を塗布して、各サンプルを得た。
表2に示す表面粗さは、スポイラー成形体の表面の粗さ
を示すものである。図4は表2に示した結果をグラフ化
したものである。
ー成形体の表面は、金型キャビティの表面粗さと同様の
表面粗さが得られることが分かる。また、表2および図
4より、波線で示した範囲内であれば良好な塗装表面が
得られることが分かる。傾斜した波線は、T=4.5H
+10で示される。T=120で示された波線は、塗膜
が120μmを越えると経済的に実用性が落ちることを
表している。
粗さが9μmの金型を使用し、キャビテイの表面温度を
変化させることによりスポイラー成形品を成形し、この
スポイラーの外面に58μmの塗膜を塗布したスポイラ
ーを製造した以外は実施例3と同様の製法で入手した。
μmに対して加熱温度が低いと金型キャビティの表面粗
さより大きい数値が現れる。これは、パリソンの押出し
時に表面に発生した凹凸が成形品の表面に関わることな
く残るためであると予想される。加熱温度が105℃を
越えると、このパリソンの表面に発生していた凹凸を加
熱処理により除去することができることが分かる。表面
の粗さが13.5μm以上では58μmの膜厚では対応
しきれず、その凹凸が塗装面に現れて外観を悪くするこ
とが分かる。
によってキャビティの表面粗さをそれぞれ順に3μm、
5μm、9μm、10μm、11.5μm、13.5μ
m、18μmと変化させた金型を使用し、ポリプロピレ
ン樹脂/高密度ポリエチレン樹脂のブレンド体のパリソ
ンを210℃で押出し、キャビティの表面の加熱温度を
125℃で成形されたスポイラー成形体に表4に示す膜
厚の塗膜を塗布して、各サンプルを得た。ここで、ポリ
プロピレン/高密度ポリエチレン樹脂は、ポリプロピレ
ン(日本ポリケム株式会社製、EC9,A=115℃,
B=162℃)と高密度ポリエチレン(旭化成工業株式
会社製、B970,A=121℃,B=130℃)とを
70:30の比率でブレンドしたものであり、このブレ
ンド樹脂の各ピーク温度は、A=116.8℃,B=1
52.4℃である。表4に示す表面粗さは、スポイラー
成形体の表面の粗さを示すものである。
ー成形体の表面は、金型キャビティの表面粗さと同様の
表面粗さが得られることが分かる。スポイラー成形体の
表面粗さが3μmの場合、塗装面の膜厚が15μm以下
では外観に問題があり、スポイラー成形体の表面粗さが
5μmの場合、塗装面の膜厚が30μm以下では外観に
問題がある。スポイラー成形体の表面粗さが大きくなれ
ばなるほど、塗装面の膜厚を大きくとらないと良好な外
観が得られないことが分かる。スポイラー成形体の表面
粗さが13.5μmを越えると、塗装面の膜厚をたとえ
大きくとっても外観不良をなくすことができないことが
分かる。
使用し、キャビテイの表面温度を変化させることにより
スポイラー成形品を成形し、このスポイラーの外面に6
0μmの塗膜を塗布したスポイラーを製造した以外は実
施例11と同様の製法で入手した。
mに対して加熱温度が低いと金型キャビティの表面粗さ
より大きい数値が現れる。これは、パリソンの押出し時
に表面に発生した凹凸が成形品の表面に関わることなく
残るためであると予想される。加熱温度が120℃を越
えると、このパリソンの表面に発生していた凹凸を加熱
処理により除去することができることが分かる。表面の
粗さが13.5μm以上では60μmの膜厚では対応し
きれず、その凹凸が塗装面に現れて外観を悪くすること
が分かる。
車用外装板成形品における外面の研磨や水研ぎを行うこ
となく外面に塗膜を塗布するだけで、剛性等の機械的強
度に優れかつ塗装面にゆず肌などのない外観良好な自動
車用外装板を得ることができる。
であって、型開きした金型間にパリソンを押し出した状
態を示す断面図である。
中で冷却したのち、金型を型開きした状態を示す断面図
である。
図である。
化した図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 引張弾性率が2000Kg/cm2とな
る温度が75℃以上の非晶性樹脂又は23℃における曲
げ弾性率が9000Kg/cm2以上の結晶性樹脂をブ
ロー成形した中空の自動車用外装板成形品の外面に12
0μm以下の膜厚の塗膜を塗布した自動車用外装板にお
いて、成形品の表面粗さが3〜13.5μmであり、し
かも成形品の表面粗さ(H)と塗膜の膜厚(T)との間
には下記式の関係を有することを特徴とする自動車用外
装板(HとTの単位は、μmである)。 T≧4.5H+10 - 【請求項2】 請求項1記載の自動車用外装板におい
て、引張弾性率が2000Kg/cm2となる温度が7
5℃以上の非晶性樹脂又は23℃における曲げ弾性率が
9000Kg/cm2以上の結晶性樹脂には、3〜35
重量%の範囲以内の無機フィラーをブレンドしたことを
特徴とする自動車用外装板。 - 【請求項3】 中空の自動車用外装板をブロー成形した
のち前記自動車用外装板成形品の外面に塗膜を塗布する
自動車用外装板の製造方法において、前記自動車用外装
板成形品の前記ブロー成形は、表面粗さが3〜13.5
μmの範囲以内である微小凹凸を有する金型を用い、型
開きされた前記金型間に引張弾性率が2000Kg/c
m2となる温度が75℃以上の非晶性樹脂からなるパリ
ソンを配置したのち型閉じし、ついで前記パリソン内に
加圧流体を導入して前記キャビテイに密着させ、前記キ
ャビテイの表面温度Y℃を前記非晶性樹脂の引張弾性率
が2000Kg/cm2となる温度X℃に対して、 Y=(0.96X+3)〜(0.96X+40) の範囲以内に設定して密着させるとともに塗布する塗膜
の膜厚を120μm以下の範囲以内とし成形品の表面粗
さ(H)と塗膜の膜厚(T)との間には下記式を満足す
ることを特徴とする自動車用外装板の製造方法(HとT
の単位は、μmである)。 T≧4.5H+10 - 【請求項4】 中空の自動車用外装板をブロー成形した
のち前記自動車用外装板成形品の外面に塗膜を塗布する
自動車用外装板の製造方法において、前記自動車用外装
板成形品の前記ブロー成形は、表面粗さが3〜13.5
μmの範囲以内である微小凹凸を有する金型を用い、型
開きされた前記金型間に23℃における曲げ弾性率が9
000Kg/cm2以上の結晶性樹脂からなるパリソン
を配置したのち型閉じし、ついで前記パリソン内に加圧
流体を導入して前記キャビテイに密着させ、前記キャビ
テイの表面温度y℃が次式 A<y<1.07B ここで、 A:23℃における曲げ弾性率が9000Kg/cm2
以上の結晶性樹脂のDSC曲線における結晶化ピーク温
度(℃) B:23℃における曲げ弾性率が9000Kg/cm2
以上の結晶性樹脂のDSC曲線における融解ピーク温度
(℃)を満たす範囲内に設定するとともに塗布する塗膜
の膜厚を120μm以下の範囲以内とし成形品の表面粗
さ(H)と塗膜の膜厚(T)との間には下記式を満足す
ることを特徴とする自動車用外装板の製造方法(HとT
の単位は、μmである)。 T≧4.5H+10
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11185445A JP2001009369A (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 自動車用外装板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11185445A JP2001009369A (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 自動車用外装板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001009369A true JP2001009369A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16170928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11185445A Pending JP2001009369A (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 自動車用外装板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001009369A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003062873A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-05 | Mazda Motor Corp | 樹脂成形品及びその製造方法 |
JP2012179749A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Kyoraku Co Ltd | スポイラーの製造方法 |
-
1999
- 1999-06-30 JP JP11185445A patent/JP2001009369A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003062873A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-05 | Mazda Motor Corp | 樹脂成形品及びその製造方法 |
JP2012179749A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Kyoraku Co Ltd | スポイラーの製造方法 |
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