JP3888449B2 - プラスチック製品成形用金型 - Google Patents

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    • B29C2049/4892Mould halves consisting of an independent main and bottom part

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック製品成形用金型に関し、詳しくは、溶融樹脂の滑動性(金型表面の滑り性)を増し、成形後のプラスチック製品の離型性を向上させたプラスチック製品成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、組合わせ金型によってキャビティを形成し、加熱したプリフォームをこのキャビティ内に配し、延伸ロッドとブローエアーを用いて、縦軸方向および横軸方向に二軸延伸ブローを施し、キャビティ内面に沿って、所定形状の透明性が優れたプラスチックボトル(例えばPETボトル)を得ることは良く知られていた。
上記のプラスチックボトルを得る製造方法では、プリフォームを加熱した状態で二軸延伸ブロー成形を行うため、成形されたプラスチックボトルの粘度が低下しており、そのままでキャビティから取り出そうとすると、ボトルの一部が金型から離型せずに密着したままとなってしまい、金型からの離型ができず、無理に金型から取り出そうとすると、目的とする所定形状のボトルが得られない(ボトルつぶれ等の不良品)要因となっていた。
【0003】
ボトルつぶれ等の不良品を出さないために、二軸延伸ブロー成形後、金型内で所定時間、ボトルを保持して冷却して、ボトルを硬化させる方法もあるが、これは高速生産性に適していない。
【0004】
金型との離型性を改良する方法として、従来よりシリコンオイル等の離型剤を塗布することも行われているが、成形品の外観が悪くなる等の問題がある。
この問題を解決するため、例えば特開平2−47032号公報では、キャビティの内面等にポリテトラフルオロエチレン(PTFE=テフロン(登録商標))樹脂を被覆した金型を用いることが開示されている。
【0005】
特開平2−47032号公報に開示された金型を用いれば、確かに成形されたボトルは、金型からの離型性が向上する。しかし、これを高速連続生産に用いようとした場合には、皮膜の耐久性を考慮し、数百μm厚みを持たす必要があり、経済的に見合わない点があった。
また、皮膜厚みが数百μmの場合は、金型の冷却熱が充分にボトルに伝わらずに冷却効率が悪い点も指摘されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するため、金型表面に特殊層を形成し、金型からの離型性向上させたプラスチック製品成形用金型を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラスチック製品成形用金型は、プラスチック製品を成形する金型の一部または全部に、硫化モリブデン、二硫化モリブデン又は二硫化タングステンを主成分とするコーティング層が形成され、かつ、該コーティング層に接する金型表面に拡散層が形成されていることを特徴とする
このような金型は、PETボトル成形用金型、プリフォーム成形用金型、ダイレクトブロー成形用金型または射出成形用金型に好ましく適用できる。
さらに、このような金型は、コーティング層又は拡散層形成に先だって、鉱石、ガラスビーズ、金属粉、微小砂から選択されるいずれかのショット粒を金型表面に噴射することにより、金型表面がクリーニング処理および/またはピーニング処理が施されていることを特徴とする。このようなクリーニング処理および/またはピーニング処理により、コーティング層の密着が強固なものになる。
本発明のプラスチック製品成形用金型の製造方法は、金型表面に、クリーニング処理および/またはピーニング処理の前処理を行った後、硫化モリブデン、二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンを主成分とするコーティング層を形成する処理を行い、
かつ、該コーティング層の形成と同時若しくは形成後に、該コーティング層と接する金型表面部分に拡散層を形成することを特徴とする。これによりコーティング層の剥離が防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のプラスチック製品成形用金型の実施の形態を図面を用いて詳細に述べる。
図1は本発明の金型として、プラスチックボトルを成形する場合の成形用金型10の縦断面図を示し、図2は、図1におけるA−A断面を左右に分割した状態を示す平面断面図である。
図1,図2において、プラスチックボトル成形用金型10は、プラスチックボトルBを形成するための、キャビティを形成する矢印X方向に左右2分割される割型11、12と、底型13とを有して構成される。図2に示すように、割型11、12は左右方向に開いてボトルの胴部を成形するために用いられ、底型13はボトルの底部を成形するために用いられる。
【0009】
割型11、12の表面には、ボトル成形後金型からの離型性を向上させるためのコーティング層14が形成されている。
上記金型を構成する割型11、12、及び底型13の材質としては、鉄または鉄を主成分とする鉄合金、アルミニウムまたはジュラルミン等のアルミニウムを主成分とする合金、ZAS等の亜鉛合金、ベリリウム−銅合金等の一般に合成樹脂の成形に使用されている金属が挙げられる。金型の形態は成形しようとする成形体(プラスチックボトル)によって異なり、特に限定するものではない。
割型11、12の表面に形成されているコーティング層14は、樹脂が冷却固形状態になった後においては勿論、半溶融状態においても、プラスチックボトル製品の離型性を向上させるものであることが必要である。
【0010】
本発明においては、金型表面に形成させるコーティング層14は、好ましい主成分として、硫化モリブデン(Mo)、二硫化モリブデン(MoS)、二硫化タングステン(WS)、などが挙げられる。
【0011】
コーティング層14の厚みは、一般には0.05μm〜10μmの範囲にすることが好ましい。さらに好ましくは1μm〜5μmであり、中でも好ましくは1μm〜3μmであり、特に好ましくは1μm〜2μmである。ブロー成形/射出成形などの成形法によってこれらの値に差違がでることはない。
【0012】
さらに、本発明の金型においては、コーティング層14に接する金型表面に拡散層15が形成されていることが好ましい。
拡散層はコーティング層14を形成する成分と同一の成分が金型表面から内部に拡散して形成されたものであり、拡散層15を形成させることによって、金型本体を構成する金属とコーティング層との密着力が大きくなる。このような拡散層15を形成することによって、具体的には1万回を超えるボトル成形で引き起こされるシェアーストレスや冷熱サイクルでも金型からコーティング層14の剥離が生じにくくなくなり好ましい。
【0013】
本発明の金型を用いて製造されるプラスチックボトルを形成するための樹脂としては、ブロー成形や射出成形に使用できる熱可塑性樹脂が挙げられ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
【0014】
前記樹脂には、樹脂強化物が含有されていてもよい。樹脂強化物としては、各種ゴム、ガラス繊維、カーボン繊維等の各種繊維、タルク、炭酸カルシウム、カオリン等の無機粉末等が挙げられる。
【0015】
本発明の金型を用いてプラスチックボトルを成形する場合は、金型温度を110℃〜170℃に設定して成形することが好ましい。このような金型温度とすることによって、成形品の型表面の形状状態の付与における型再現性や外観に優れる成形体を得ることができるからである。
【0016】
金型温度をこれより高くすると成形サイクル時間が長くなり、成形効率が低下する。
また、金型温度を室温以下にすると型表面に結露等の問題が起こり易い。
本発明の金型を使用することにより、離型性を改良でき、プラスチックボトル成形品のウエルドラインの目立ちを低減し、型表面の鏡面再現性を良くして、成形後に行う後加工を省略できる。さらに、長期間成形時の金型耐久性、特に抜き勾配が小さい部分や、逆勾配部分の耐久性が改良できる。
【0017】
(クリーニング処理/ピーニング処理)
次に、本発明のプラスチック製品成形用金型の製造方法の一例を説明する。
まず、超音波洗浄装置等を用いて金型表面を洗浄し、金型表面に付着している油汚れなどを除去するクリーニング処理を行う。その後、鉱石粉、ガラスビーズ、鉄粉等の金属粉、微小砂などの、粒径の揃ったショット粒を、金型表面に向けて高速で噴射する、いわゆるピーニング処理を行う。前記ピーニング処理は、流速(噴射圧力)0.5〜2.0kgf/cm で行うことが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜1.0kgf/cm である。噴射圧力が0.5kgf/cm 未満であると、金型表面に凹凸が形成されない。
一方、2.0kgf/cm を超えると、表面が粗くなりすぎてしまうためである。
前記の金型表面へのピーニング処理は、例えば密閉空間(ブラスト装置など)内で行うことが作業環境上好ましい。
このようなピーニング処理により、金型表面の不純物物や酸化物除去し金属表面を露出させ、後に行う拡散層形成の効果を向上させるためである。また、ピーニング処理は、次のような目的も有する。すなわち、金型表面粗さの均一化、金型表面の機械的強度の向上、
金型表面に露出したマイクロポロシティ(微孔)やマイクロクラックの閉塞、金型金属表面の硬化・緻密化、金型金属表面の引張残留応力を圧縮応力へ転換すること、などである。なお、本発明において、前記のクリーニング処理とは、超音波洗浄装置を用いて行う場合のみでなく、酸アルカリなどでの湿式エッチング処理、イオン照射などの乾式エッチング処理などの方法を含めて、金型表面の酸化膜や汚れを除去する広い概念をいう。又、本発明のピーニング処理はクリーニング作用も兼ねているので、クリーニングを行うことなくピーニング処理のみを単独で行うこともできる。
【0018】
(コーティング層形成)
次に、前記ピーニング処理後、金型表面にコーティング層を形成させる。
このコーティング層形成は、例えば、金型表面にWSの層を形成する場合は、次のようにして行うことができる。まず、平均粒径が1〜1.5μmのWSパウダー(99.8%の純タングステン)を用意し、このパウダーを+1℃の冷蔵温度のドライエアーを輸送媒体として、金型表面に密閉空間(ブラスト装置)内で噴射する。このときの噴射圧は、一般には5.0〜10.0kgf/cm、噴射時間:1〜10分であることが好ましい。これらの値は、形成させるコーティング層の厚みにより異なり、一般には、噴射圧が5.0kgf/cm未満であると、金型表面への十分な固着が不足し、10.0kgf/cmを超えると、パウダーが金型表面へ衝突した時の反発が大きくパウダーの歩留まりが悪くなるからである。また、噴射時間が1分未満では、噴射されるパウダーの量が少なく十分なコーティング層が形成されず、10分を超える噴射は、コーティング層の厚みが飽和し経済的に無意味となるからである。
【0019】
(拡散層形成)
本発明の金型においては、コーティング層に接する金型表面に、コーティング層と同一成分が拡散された拡散層が形成されていることが好ましい。拡散層を形成させることによって、金型本体を構成する金属とコーティング層との密着力が大きくなり、コーティング層の剥離が生じにくくなる。このような拡散層は、パウダーを高圧の噴射で金型表面に衝突させてコーティング層を形成させることによって形成させることができる。
WSパウダーが、金型表面に衝突することで瞬間的に高温状態(例えば、600〜700℃)となり、金型表面から内部へ拡散した拡散層が形成される。拡散層を形成させた金型は、金型本体と一体化した拡散層が形成されているので、単に金型表面にコーティング層を噴射形成したものよりも固着力が強く、コーティング層が金型表面から剥離しにくい。
【0020】
なお、拡散層の形成は、上記のような高圧噴射によって形成させる方法の他、金型表面に噴射形成されたコーティング層を、その後熱処理を施すことにより形成させることもできる。
【0021】
次に、コーティング層の表面をより平滑にするために、コーティング層の表面にポリシング及びラッピングを施し、金型表面を仕上げ研磨する。仕上げ研磨によって、仕上げられる金型表面の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が1.0〜3.0μmになるようにすることが好ましい。Raが1.0未満以上の粗さを出すのは研磨に時間を要し、金型からの離型性はこの値で十分である。一方、3.0を超えると金型からの離型性が悪くなり、ボトルつぶれ等の不良品が発生する場合があるからである。
【0022】
上記仕上げ研磨は、研磨機(リューター)の先端部に設けた円筒状外面に形成した布にダイヤモンドペースト又はアルミナペーストを付けてポリシング・ラッピングする。ダイヤモンドペースト又はアルミナペースト中の粒子径は0.1μmから4μm程度で、ポリシングには1μm以上のものを、ラッピングには1μm以下のものを使用するのがよい。
【0023】
本発明のプラスチック製品成形用金型は、溶融樹脂を予備成形するプリフォーム成形用金型、プリフォーム成形樹脂を溶融させブロー成形するPETボトルなどの成形用金型、溶融樹脂を直接金型内に射出し成形する射出成形用金型、パイプ状に押出された樹脂の底を切断成形するダイレクトブロー成形用金型、などに好ましく適用できる。
上記PETボトルなどの成形用金型は、特にPET樹脂を用いた二軸延伸ブロー成形されるPETボトル成形用金型の割型(キャビティ)に好ましく適用できる。
ここで、二軸延伸ブロー成形とは、プリフォーム成形用金型を用いて試験管のような形状に予備的に射出成形されたプリフォーム成形樹脂を加熱し、これを延伸ロッドで縦方向(中心軸方向)に延伸した後(または延伸しながら)、加圧エアーを吹き込んで横方向にも延伸して容器を成形する方法をいう。この二軸延伸ブロー成形により、成形された容器は、透明性・機械的強度に優れたものになる。
PETボトル成形用金型を用いて成形される容器の樹脂の種類としては、上記PET(ポリエチレンテレフタレート)の他、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)等が好ましく挙げられる。
ダイレクトブロー成形は、ダイヘッドから溶融樹脂を、連続パリソンを筒状に押し出し、これを一定長に切断し、切断されたパリソンを割型に挟み込んで、パリソン内に加圧エアーを吹き込み、容器を成形する方法である。ダイレクトブロー成形の場合は、本発明の金型は左右に開く割型として好ましく適用される。
射出成形は、雄・雌型を用いて、この組合せ空間に溶融樹脂を射出する方法で、本発明の金型は雄・雌型の両者に適用できる。
しかし、本発明のプラスチック製品成形用金型は、上記の金型に限定されるものではなく、樹脂と直接接触するものであれば、割型、底型などの金型の形態は問わずあらゆる形状の金型に適用できる。
【0024】
本発明のプラスチック製品成形用金型は、溶融樹脂を予備成形するプリフォーム成形用金型、プリフォーム成形樹脂を溶融させブロー成形するPETボトルなどの成形用金型、溶融樹脂を直接金型内に射出し成形する射出成形用金型、パイプ状に押出された樹脂の底を切断成形するダイレクトブロー成形用金型、などに好ましく適用できる。
上記PETボトルなどの成形用金型は、特にPET樹脂を用いた二軸延伸ブロー成形されるPETボトル成形用金型の割型(キャビティ)に好ましく適用できる。
ここで、二軸延伸ブロー成形とは、プリフォーム成形用金型に樹脂を射出成形し予備成形物とも呼ばれる試験管のようなプリフォームを得た後、これを加熱し、容器の最終所定形状が形成されたキャビティを有するブロー金型に挟み込み、延伸ロッドと加圧エアーとで縦方向・横方向にそれぞれ延伸して容器を成形する方法をいう。この二軸延伸ブロー成形により、成形された容器は、透明性・機械的強度に優れたものになる。
PETボトル成形用金型を用いて成形される容器の樹脂の種類としては、上記PET(ポリエチレンテレフタレート)の他、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)等が好ましく挙げられる。
ダイレクトブロー成形は、ダイヘッドから溶融樹脂を、連続パリソンを筒状に押し出し、これを一定長に切断し、切断されたパリソンを割型に挟み込んで、パリソン内に加圧エアーを吹き込み、容器を成形する方法である。ダイレクトブロー成形の場合は、本発明の金型は左右に開く割型として好ましく適用される。
射出成形は、雄・雌型を用いて、この組合せ空間に溶融樹脂を射出する方法で、本発明の金型は雄・雌型の両者に適用できる。
しかし、本発明のプラスチック製品成形用金型は、上記の金型に限定されるものではなく、樹脂と直接接触するものであれば、割型、底型などの金型の形態は問わずあらゆる形状の金型に適用できる。
【0025】
さらに、本発明の金型は、プラスチックボトル成形以外の樹脂製品成形用金型にも用いることができる。たとえば、弱電機器、電子機器、事務機器等のハウジング、各種自動車部品、各種日用品、各種工業部品等の一般の樹脂成形品の成形加工用金型としても用いることができる。
なお、本発明の金型を用いるブロー成形法では、プリフォーム成型品が型壁面に接触してから、ブロー圧力が成形品内面に十分にかかるまでの時間が長いブロー成形において、金型表面での溶融樹脂の流れ(滑動性)を向上させる効果が大きい。
さらに、本発明の金型を用いる射出成形法では、ガスアシスト射出成形、射出圧縮成形等の、成形時に樹脂が金型壁面を押し付けられる圧力が低く樹脂の型内流動速度が遅い低圧射出成形などにおいても金型表面での溶融樹脂の流れ(滑動性)を向上させる効果が大きい。
【0026】
【実施例】
本発明のWSコーティング層が形成された金型を用いて、
(1)成形後、プラスチックボトルの取り出し温度を高くした場合(金型からの離型時間を短縮した場合)、
(2)金型温度を高くした場合(成形サイクルを速めた場合)、
(3)投入されるPF温度を極端に低くした場合(従来、金型からの離型性が悪いと言われている)、
それぞれの場合について、350MLの角型PETボトルを1万本成形(ブロー圧:3.0MPa)した。上記(1)〜(3)のいずれの場合においても、離型不良等はみられなかった。
また、金型本体と拡散層は強固に密着しており、PETボトルを1万本成形した後においてもWSコーティング層の剥離は発生しなかった。さらに、成形品のプラスチックボトルにはウエルドラインの目立ちがなく外観が優れた樹脂製品を製造できた。
【0027】
【発明の効果】
本発明のプラスチック製品成形用金型は、金型表面にコーティング層、またはコーティング層に接する金型表面に拡散層が形成されているので、以下の数々の効果を有し、産業上きわめて有用なものである。
(i)成形されたプラスチック製品の金型からの離型性が向上する。
(ii)射出成形品の場合は、抜きテーパがないような製品でも離型可能である。
(iii)ダイレクトブローボトルの場合は離型性向上だけでなく、金型表面上の溶融樹脂の流れ(滑動性)も向上するため、極端な扁平形状のボトルや流動性の低い樹脂を用いたボトルも成形可能である。
(iv)丸ボトル(ブローエアーがほぼ均一にかかる)場合でも、縦方向の樹脂の流れ(活動性)が向上する。
(v)その他、角型、ねじれ型等の複雑な形状を有するPETボトルであっても、離型による製品つぶれ等が発生することもなく、所定のボトルを高速に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるプラスチックボトル成形用金型の縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面を左右に分割した状態を示す平面断面図である。
【符号の説明】
10:プラスチックボトル成形用金型
11、12:割型
13:底型
14:コーティング層
15:拡散層
B:プラスチックボトル
X:割型の開閉方向

Claims (4)

  1. プラスチック製品を成形する金型の一部または全部に、硫化モリブデン、二硫化モリブデン又は二硫化タングステンを主成分とするコーティング層が形成され、
    かつ、該コーティング層に接する金型表面に拡散層が形成されていることを特徴とするプラスチック製品成形用金型
  2. 前記金型は、PETボトル成形用金型、プリフォーム成形用金型、ダイレクトブロー成形用金型または射出成形用金型である請求項1に記載のプラスチック製品成形用金型。
  3. 前記コーティング層又は拡散層形成に先だって、鉱石、ガラスビーズ、金属粉、微小砂から選択されるいずれかのショット粒を金型表面に噴射することにより、金型表面がクリーニング処理および/またはピーニング処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック製品成形用金型。
  4. 金型表面に、クリーニング処理および/またはピーニング処理の前処理を行った後、硫化モリブデン、二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンを主成分とするコーティング層を形成する処理を行い、
    かつ、該コーティング層の形成と同時若しくは形成後に、該コーティング層と接する金型表面部分に拡散層を形成することを特徴とするプラスチック製品成形用金型の製造方法。
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