JP2000357318A - 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板 - Google Patents
情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板Info
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Abstract
り、大量生産に適した情報記録媒体基板用ガラスの提
供。 【解決手段】モル%で、SiO2:60〜72、Al2O
3:2〜9、MgO:3〜9、CaO:2〜10、Sr
O:0〜15、ZnO:0〜4、TiO2:0〜8、Z
rO2:0〜4、Li2O:1〜12、Li2O+Na2O
+K2O:4〜15、等からなり、ヤング率≧85GP
aの情報記録媒体基板用ガラス。
Description
する情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガ
ラス基板に関する。
(ハードディスク)用基板としてガラス基板が用いられ
ており、モル%で表示した組成が、SiO2:65.3
%、Al2O3:8.6%、ZrO2:3.5%、Li
2O:12.5%、Na2O:10.1%、であるガラス
(以下「従来ガラス」という。)からなる基板が例示さ
れる。この従来ガラスは通常化学強化処理されて使用さ
れる。
による搭載枚数の増加が求められている。一方、記憶密
度を増すために磁気ディスクと読み取り磁気ヘッドの間
隔は小さくなっており、前記基板の薄板化にともなう基
板のたわみや反りの増大は磁気ディスク破損の原因とな
る。
板のたわみや反りの問題を解決するためにヤング率の高
いガラスが求められている。なお、前記従来ガラスのヤ
ング率は82GPaである。また、情報記録媒体用基板
には、その在庫中に表面性状が著しく変化し、前記基板
上に形成される下地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれ
やすくなることがないこと、すなわち耐候性が求められ
る。前記従来ガラスの耐候性は決して高くはないが、化
学強化処理によって耐候性は許容されるレベルになる。
これは、従来ガラスの耐候性を低下させる主因と考えら
れるアルカリ成分が、化学強化処理によってガラス表面
から抽出除去されるためと考えられる。しかし化学強化
処理には、工程が増加する、化学強化処理後の基板表面
によごれが付着しやすい、等の問題がある。
である磁性層の保磁力を増加させることが有効であり、
そのためには磁性層形成に際して行われる熱処理をより
高い温度で行う必要がある。この観点から、基板に用い
られるガラスのガラス転移点が高いことが求められてい
る。なお、前記従来ガラスのガラス転移点は500℃で
ある。
ブックパソコン等に用いられる2.5型基板(ガラス基
板外径:65mm)が主であったが、今後はサーバー等
に用いられるより大きな基板、すなわち3.0型基板
(ガラス基板外径:84mm)、3.5型基板(ガラス
基板外径:95mm)、等も増加する可能性が高い。し
たがって、このようなガラス基板に使用されるガラスは
大量生産に適したものであることが求められている。
われる。ガラス溶融窯の溶融ガラスと直接接触する部分
には通常AZS(Al2O3−ZrO2−SiO2)系電鋳
煉瓦が使用される。したがって、AZS系電鋳煉瓦に対
する溶融ガラスの侵食性が小さいことも求められてい
る。
をはじめとする連続成形法により広く行われている。こ
のような連続成形法として、フロート法以外にフュージ
ョン法、ダウンドロー法が例示される。したがって、フ
ロート成形等の連続成形が可能なガラスであることが求
められている。
0GPa以上であり、モル%表示で、TiO2:0.1
〜30、CaO:1〜45、MgO+CaO:5〜4
0、Na2O+Li2O:3〜30、Al2O3:0〜1
5、SiO2:35〜65、であるガラスをダイレクト
プレス成形することを特徴とする情報記録媒体用ガラス
基板の製造方法が開示されている。なお、ダイレクトプ
レス成形は連続成形法ではない。
されているガラスの一部について追試した(後掲表5中
の例41、例42)。その結果、WO99/06333
に開示されているガラスに対し連続成形法を適用して板
ガラスを製造することは困難ではないか、と考えた。本
発明は、上記課題を解決する情報記録媒体基板用ガラス
および情報記録媒体用ガラス基板の提供を目的とする。
実質的に、 SiO2 60〜72、 Al2O3 2〜9、 MgO 3〜9、 CaO 2〜10、 SrO 0〜15、 ZnO 0〜4、 TiO2 0〜8、 ZrO2 0〜4、 Li2O 1〜12、 Na2O 0〜8、 K2O 0〜5、 Y2O3 0〜5、 La2O3 0〜5、 Li2O+Na2O+K2O 4〜15、 からなり、ヤング率が85GPa以上である情報記録媒
体基板用ガラス、および、前記情報記録媒体基板用ガラ
スからなる情報記録媒体用ガラス基板を提供する。
ス(以下単に本発明のガラスという。)のヤング率は8
5GPa以上である。85GPa未満では基板のたわみ
や反りの問題が発生する。好ましくは88GPa以上、
より好ましくは90GPa以上である。
以上であることが好ましい。550℃未満では磁性層形
成熱処理温度を充分高くできず、磁性層の保磁力増加が
困難になるおそれがある。より好ましくは560℃以
上、さらに好ましくは570℃以上、一層好ましくは5
80℃以上、特に好ましくは600℃以上、最も好まし
くは610℃以上である。
℃)、粘度が104P(ポアズ)となる温度をT4(単
位:℃)として、TL−T4<50であることが好まし
い。TL−T4≧50ではフロート成形が困難になるおそ
れがある。より好ましくはTL−T 4<40、特に好まし
くはTL−T4<30である。
を単に%と表示して説明する。なお、本発明のガラスは
実質的に、 SiO2 60〜72、 Al2O3 2〜8、 MgO 3〜8、 CaO 3〜10、 SrO 0〜8、 ZnO 0〜4、 TiO2 1〜8、 ZrO2 0.2〜4、 Li2O 1〜12、 Na2O 0〜3、 K2O 0〜2、 Y2O3 0〜5、 La2O3 0〜5、 Li2O+Na2O+K2O 4〜14、 からなることが好ましい。
分である。60%未満では、TLが高くなりすぎる。好
ましくは60.5%以上、より好ましくは61%以上、
特に好ましくは62%以上、最も好ましくは63%以上
である。72%超では、ヤング率が低下する。好ましく
は70%以下、より好ましくは69%以下である。
を高くする必須成分である。2%未満では前記効果が小
さい。好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上で
ある。9%超ではTLが高くなりすぎ、またAZS系電
鋳煉瓦に対する侵食性も大きくなる。好ましくは8%以
下、より好ましくは7.5%以下、特に好ましくは7%
以下、最も好ましくは6%以下である。
%以上であることが好ましい。66%未満では、TLが
高くなりすぎるおそれがある、またはT4が低くなりす
ぎるおそれがある、またはTL−T4が大きくなりすぎる
おそれがある。より好ましくは66.5%以上、特に好
ましくは67%以上である。
の溶解性を向上させる効果があり必須成分である。3%
未満では前記効果が小さい。好ましくは3.5%以上、
より好ましくは4%以上、最も好ましくは5%以上であ
る。9%超ではTLが高くなりすぎる。好ましくは8%
以下、より好ましくは7.5%以下、特に好ましくは7
%以下である。
の溶解性を向上させる効果があり必須成分である。2%
未満では前記効果が小さい。好ましくは3%以上、より
好ましくは3.5%以上、特に好ましくは4%以上であ
る。10%超ではTLが高くなりすぎる。好ましくは8
%以下、より好ましくは7.5%以下、特に好ましくは
7%以下である。
させ、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、1
5%まで含有してもよい。15%超ではヤング率が低下
するおそれがある。好ましくは10%以下、より好まし
くは9.5%以下、さらに好ましくは9%以下、一層好
ましくは8%以下、特に好ましくは7%以下、最も好ま
しくは5%以下である。また、SrOを含有する場合、
その含有量は好ましくは0.5%以上、より好ましくは
1%以上である。
高くし、またガラスの溶解性を向上させる効果があり、
4%まで含有してもよい。4%超ではTLが高くなりす
ぎるおそれがある。好ましくは3.5%以下、より好ま
しくは3%以下、特に好ましくは2.5%以下である。
を高くし、また耐候性を高くする効果があり、8%まで
含有してもよい。8%超ではTLが高くなりすぎるおそ
れがある、または分相現象が起りやすくなるおそれがあ
る。好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下であ
る。また、TiO2を含有する場合、その含有量は1%
以上であることが好ましい。より好ましくは1.5%以
上、特に好ましくは2%以上である。なお、TLを下げ
たい場合、分相現象を抑制したい場合、等においてはT
iO2を実質的に含有しないことが好ましい。典型的に
は0.05%以下、より好ましくは0.02%以下であ
る。
を高くする効果があり、4%まで含有してもよい。4%
超ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは
3%以下、より好ましくは2%以下である。また、Zr
O2を含有する場合、その含有量は0.2%以上である
ことが好ましい。より好ましくは0.4%以上、特に好
ましくは0.6%以上である。
ある。1%未満では前記効果が小さい。好ましくは2%
以上、より好ましくは4%以上である。12%超ではT
Lが高くなりすぎる。好ましくは10%以下、より好ま
しくは8%以下である。
溶解性を向上させる効果があり、8%まで含有してもよ
い。8%超ではヤング率が低下するおそれがある。好ま
しくは6%以下、より好ましくは5.5%以下、さらに
好ましくは5.2%以下、特に好ましくは2.5%以
下、最も好ましくは2%以下である。また、Na2Oを
含有する場合、その含有量は好ましくは0.1%以上、
より好ましくは0.2%以上である。
解性を向上させる効果があり、5%まで含有してもよ
い。5%超ではヤング率が低下するおそれがある。好ま
しくは4.7%以下、より好ましくは4.4%以下、特
に好ましくは1.5%以下、最も好ましくは1%以下で
ある。また、K2Oを含有する場合、その含有量は好ま
しくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上であ
る。
高くする効果があり、5%まで含有してもよい。5%超
ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは4
%以下、より好ましくは3%以下である。また、Y2O3
を含有する場合、その含有量は好ましくは0.2%以
上、より好ましくは0.5%以上である。
を高くする効果があり、5%まで含有してもよい。5%
超ではTLが高くなりすぎるおそれがある。好ましくは
4%以下、より好ましくは3%以下である。
合計は4%以上15%以下である。4%未満ではガラス
の溶解性が低下し、またTLが高くなりすぎる。好まし
くは4.5%以上、より好ましくは5%以上である。1
5%超ではヤング率が低下し、耐候性が低下し、またA
ZS系電鋳煉瓦に対する侵食性も大きくなる。好ましく
は14%以下、より好ましくは13%以下、特に好まし
くは11%以下、最も好ましくは10%以下である。
るが、この他に以下に例示する成分を、本発明の目的を
損なわない範囲で含有してもよい。SO3、Cl、As2
O3、Sb2O3等の清澄剤を合計で1%まで含有しても
よい。SrOと同様の効果を得るためにBaOを2%ま
で含有してもよい。TiO2と同様の効果を得るために
SnO2を2%まで含有してもよい。Y2O3と同様の効
果、すなわち、ヤング率を高くし、また耐候性を高くす
る等の効果を得るためにTa2O5、Nb2O5、CeO2
等の希土類金属酸化物を合計で3%まで含有してもよ
い。ガラスの溶解性や安定性を向上させるために、B2
O3、P2O5、V2O5等を合計で3%まで含有してもよ
い。
c2O3、Y2O3、La2O3、Pr2O 3、Nd2O3、Pm
2O3、Sm2O3、Eu2O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy
2O3、Ho2O3、Er2O3、Tm2O3、Yb2O3、Lu
2O3、のいずれも実質的に含有しないようにすることが
好ましい。
単に本発明のガラス基板という。)は本発明のガラスか
らなり、所定の寸法・形状に切断されたガラス板であ
る。本発明のガラス基板は、120℃、2気圧の水蒸気
雰囲気に20時間保持したとき、該ガラス基板表面に存
在する、大きさが10μm以上の付着物の数NLが1個
/cm2以下であり、大きさが1μm以上10μm未満
の付着物の数NSが105個/cm2以下であることが好
ましい。
cm2超では、ガラス基板在庫中にガラス基板表面に付
着物(白ヤケ)が発生し、ガラス基板上に形成される下
地膜、磁性膜、保護膜等の膜がはがれやすくなる。この
付着物は、空気中の水分や炭酸ガスの影響によりガラス
基板に生成付着した反応生成物であると考えられ、拭い
ても除去できないものである。NLはより好ましくは
0.5個/cm2以下、特に好ましくは0.2個/cm2
以下である。NSはより好ましくは0.8×105個/c
m2以下、特に好ましくは0.6×105個/cm2以下
である。
法は特に限定されず、各種方法を適用できる。たとえ
ば、通常使用される各成分の原料を目標組成となるよう
に調合し、これをガラス溶融窯で加熱溶融する。バブリ
ング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、
周知のフロート法、プレス法、フュージョン法またダウ
ンドロー法などの方法により所定の厚さの板ガラスに成
形し、徐冷後必要に応じて研削、研磨などの加工を行っ
た後、所定の寸法・形状のガラス基板とされる。成形法
としては、特に、大量生産に適したフロート法が好適で
ある。また、フロート法以外の連続成形法、すなわち、
フュージョン法、ダウンドロー法等にも好適である。本
発明のガラスおよびガラス基板は、特に磁気ディスク基
板に好適である。
での欄にモル%表示で示した組成となるように調合し、
白金るつぼを用いて1450〜1550℃の温度で3〜
5時間溶解した。溶解にあたっては、白金スターラを溶
融ガラス中に挿入し、2時間撹拌してガラスを均質化し
た。次いで溶融ガラスを流し出して板状に成形し、徐冷
した。なお、表のR2O計は、Li2O、Na2Oおよび
K2Oの含有量(単位:モル%)の合計である。
グ率E(単位:GPa)、ガラス転移点Tg(単位:
℃)、液相温度TL(単位:℃)、粘度が104Pとなる
温度T4(単位:℃)、前記NL(単位:個/cm2)お
よび前記NS(単位:105個/cm2)を、以下に示す
方法により測定した。結果を表に示す。
m×4cmのガラス板について、超音波パルス法により
測定した。 Tg:示差熱膨張計を用いて、石英ガラスを参照試料と
して室温から5℃/分の割合で昇温した際のガラスの伸
び率を、ガラスが軟化してもはや伸びが観測されなくな
る温度、すなわち屈伏点まで測定し、得られた熱膨張曲
線における屈曲点に相当する温度をガラス転移点とし
た。
粒に粉砕し、このガラス粒を白金ボートに並べて置き、
温度傾斜炉中で24時間熱処理した。結晶が析出してい
るガラス粒の温度の最高値を液相温度とした。 T4:回転粘度計により測定した。
cm×4cmのガラス板の両面を鏡面研磨し、炭酸カル
シウムおよび中性洗剤を用いて洗浄した後、超加速寿命
試験器(不飽和型プレッシャークッカーTPC−41
0、タバイエスペック(株))に入れて120℃、2気
圧の水蒸気雰囲気に20時間静置した。取り出したガラ
ス板の表面200μm角の範囲を微分干渉顕微鏡で観察
し、大きさが10μm以上の付着物の個数と大きさが1
μm以上10μm未満の付着物の個数をカウントした。
2のガラスは比較例である。例40は従来ガラスであ
り、例41および例42はWO99/06333に開示
されているガラスである。
する情報記録媒体用ガラス基板を提供できる。 (1)ヤング率が高く、基板のたわみや反りが小さく、
基板を薄板化できる。これにより、記憶装置の磁気ディ
スク搭載枚数を増加できる。 (2)化学強化処理がなくとも耐候性に優れ、在庫中に
付着物(白ヤケ)が発生しにくい。したがってこの付着
物に起因する、下地膜、磁性膜、保護膜等の膜はがれが
起こりにくい。
処理温度を高くできる。これにより、磁性層の保磁力を
増加でき記憶密度を増加できる。 (4)AZS系電鋳煉瓦に対する侵食性が小さく、ガラ
ス溶融窯を用いた大量生産ができる。 (5)フロート法、フュージョン法、ダウンドロー法等
の連続成形法による成形ができ、高品質のガラス基板を
大量生産できる。
Claims (6)
- 【請求項1】モル%表示で実質的に、 SiO2 60〜72、 Al2O3 2〜9、 MgO 3〜9、 CaO 2〜10、 SrO 0〜15、 ZnO 0〜4、 TiO2 0〜8、 ZrO2 0〜4、 Li2O 1〜12、 Na2O 0〜8、 K2O 0〜5、 Y2O3 0〜5、 La2O3 0〜5、 Li2O+Na2O+K2O 4〜15、 からなり、ヤング率が85GPa以上である情報記録媒
体基板用ガラス。 - 【請求項2】SiO2とAl2O3の含有量の合計が66
モル%以上である請求項1に記載の情報記録媒体基板用
ガラス。 - 【請求項3】ガラス転移点が550℃以上である請求項
1または2に記載の情報記録媒体基板用ガラス。 - 【請求項4】液相温度をTL(単位:℃)、粘度が104
Pとなる温度をT4(単位:℃)として、TL−T4<5
0である請求項1、2または3に記載の情報記録媒体基
板用ガラス。 - 【請求項5】請求項1、2、3または4に記載の情報記
録媒体基板用ガラスからなる情報記録媒体用ガラス基
板。 - 【請求項6】請求項5に記載の情報記録媒体用ガラス基
板であって、120℃、2気圧の水蒸気雰囲気に20時
間保持した該ガラス基板表面に存在する、大きさが10
μm以上の付着物の数が1個/cm2以下であり、大き
さが1μm以上10μm未満の付着物の数が105個/
cm2以下である情報記録媒体用ガラス基板。
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