JP6029740B2 - 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6029740B2
JP6029740B2 JP2015504317A JP2015504317A JP6029740B2 JP 6029740 B2 JP6029740 B2 JP 6029740B2 JP 2015504317 A JP2015504317 A JP 2015504317A JP 2015504317 A JP2015504317 A JP 2015504317A JP 6029740 B2 JP6029740 B2 JP 6029740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass substrate
information recording
glass
recording medium
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015504317A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014136751A1 (ja
Inventor
大士 梶田
大士 梶田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP6029740B2 publication Critical patent/JP6029740B2/ja
Publication of JPWO2014136751A1 publication Critical patent/JPWO2014136751A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C21/00Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface
    • C03C21/001Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
    • C03C21/002Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions to perform ion-exchange between alkali ions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/097Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing phosphorus, niobium or tantalum
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/739Magnetic recording media substrates
    • G11B5/73911Inorganic substrates
    • G11B5/73921Glass or ceramic substrates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などの情報記録装置に情報記録媒体の一部として搭載される情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体に関する。
近年、HDDの記憶容量が飛躍的に増大することに伴い、1ビットに費やす媒体の記録面積を小さくしていくことが必要不可欠となっている。それに比例させて記録用の磁性粒子サイズも微細化しなければならない。しかし、微細化により記録した磁化の向きを一方向に保つエネルギーが小さくなり、熱エネルギーの影響を受けやすい。磁化の向きを安定させるため、現在磁性材料として広く使用されているCoCr系合金から、保磁力の高いFe−Pt系磁性材料に媒体を変える必要性がある。
しかし、Fe−Pt系磁性材料の成膜では、Fe、Pt原子の配列が不規則になり、高い保磁力が得られない。規則化して高い保磁力を得るには、Fe−Pt系磁性材料に対し、約600℃での高温熱処理を施すことが必要不可欠となる。このため、Fe−Pt系磁性材料が成膜されるガラス基板においても、高い耐熱性が要求される。
一般に、高い耐熱性を有するガラス基板としては、種々のガラス組成のものが提案されている(特開2005−015328号公報(特許文献1)、特開2005−314159号公報(特許文献2))。
特開2005−015328号公報 特開2005−314159号公報
上述したように、Fe−Pt系磁性材料に対し、約600℃での高温熱処理を施すことが必要不可欠となるため、ガラス基板の耐熱性の指標となるTgを600℃以上まで向上させて、ガラス基板へのFe−Pt系磁性材料の成膜時に約600℃での高温熱処理を施している。
その結果、ガラス基板の変形はなかったが、そのガラス基板を用いて製造された情報記録媒体(磁気ディスク)の電磁変換特性の低下が避けられなかった。原因を調査した結果、600℃での高温熱処理によってガラス成分中のLiイオンが磁性膜内まで拡散して、電磁変換特性に影響を及ぼしていることが明確になってきた。
高保磁力のFe−Pt系の磁性材料を成膜する際に、ガラス基板のTg(ガラス転移点特権)が600℃以下では、耐熱性が低いことで変形が発生する。Tgを低下させるLiOの含有量を抑制し、Tg>600℃の耐熱性を確保しても、600℃のアニールによってガラス成分中のLiイオンの磁性膜内への拡散は避けられなかった。
一方、LiO含有量を0にすると、ガラス骨格全体としての化学的耐久性が悪化し、Na、Kイオンの溶出が悪化する。アルカリ酸化物の含有量を0にすると、溶融・成形性が極端に悪化し、ガラス基板の生産が困難となる。
したがって、この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、磁気記録媒体の成膜および高温アニール時に、ガラス基板の変形を抑制するとともに、ガラス基板からのLiの拡散を抑制することを可能とする情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体を提供する。
本発明に基づいた情報記録媒体用ガラス基板においては、
mol%表示で、
SiO:56〜71%、
Al:5〜15%、
:0〜3%、
LiO:0.1〜6%、
NaO:0.1〜4%、
O:0〜2%、
MgO:3〜13%、
CaO:4〜21%、
SrO:0〜3%、
BaO:0〜3%、
ZnO:0〜3%、
ZrO:0〜3%、
CeO:0〜2%、
SnO:0〜2%、
TiO:0〜5%、および、
Nb:0〜3%、
となる含有範囲を有し、かつ、
SiO+Al+B:64〜80%、
LiO+NaO+KO:0.2〜6%、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:14〜28%、
(Nb+TiO)/SiO=0.01〜0.06、および、
LiO/(LiO+NaO+KO)=0.30〜0.99、
というガラス組成比率を満足する。
他の形態における情報記録媒体用ガラス基板においては、
mol%表示で、
SiO:58〜69%、
Al:7〜13%、
:0〜2%、
LiO:0.2〜5%、
NaO:0.2〜3%、
O:0〜1%、
MgO:5〜11%、
CaO:6〜19%、
SrO:0〜2%、
BaO:0〜2%、
ZnO:0〜2%、
ZrO:0〜2%、
CeO:0〜1%、
SnO:0〜1%、
TiO:0〜4%、
Nb:0〜2%、
となる含有範囲を有し、かつ、SiO+Al+B:66〜78%、
LiO+NaO+K2O:0.4〜5.5%、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:16〜26%、
(Nb+TiO)/SiO=0.012〜0.05、および、
LiO/(LiO+NaO+KO)=0.50〜0.95、
というガラス組成比率を満足する。
他の形態における情報記録媒体用ガラス基板においては、当該情報記録媒体用ガラス基板は、熱アシスト記録用のガラス基板である。
本発明に基づいた情報記録媒体においては、上述のいずれかに記載の情報記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層を有する。
本発明によれば、磁気記録媒体の成膜および高温アニール時に、ガラス基板の変形を抑制するとともに、ガラス基板からのLiの拡散を抑制することを可能とする情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体を提供することが可能となる。
情報記録装置30を示す斜視図である。 本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。 図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。 図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。 ガラス基板の製造方法を示すフローチャートである。 実施例1から実施例8のHDDテストの評価を示す図である。 実施例9から実施例15のHDDテストの評価を示す図である。 比較例1から比較例7のHDDテストの評価を示す図である。
本発明に基づいた実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(情報記録装置30)
図1を参照して、まず、情報記録装置30について説明する。図1は、情報記録装置30を示す斜視図である。情報記録装置30は、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)の製造方法によって製造されたガラス基板1を、情報記録媒体10として備える。
具体的には、情報記録装置30は、情報記録媒体10、筐体20、ヘッドスライダー21、サスペンション22、アーム23、垂直軸24、ボイスコイル25、ボイスコイルモーター26、クランプ部材27、および固定ネジ28を備える。筐体20の上面上には、スピンドルモーター(図示せず)が設置される。
磁気ディスクなどの情報記録媒体10は、クランプ部材27および固定ネジ28によって、上記のスピンドルモーターに回転可能に固定される。情報記録媒体10は、このスピンドルモーターによって、たとえば数千rpmの回転数で回転駆動される。詳細は図4および図5を参照して後述されるが、情報記録媒体10は、ガラス基板1に圧縮応力層12(図5参照)および磁気記録層14(図4および図5参照)が形成されることによって製造される。
アーム23は、垂直軸24回りに揺動可能に取り付けられる。アーム23の先端には、板バネ(片持ち梁)状に形成されたサスペンション22が取り付けられる。サスペンション22の先端には、ヘッドスライダー21が情報記録媒体10を挟み込むように取り付けられる。
アーム23のヘッドスライダー21とは反対側には、ボイスコイル25が取り付けられる。ボイスコイル25は、筐体20上に設けられたマグネット(図示せず)によって挟持される。ボイスコイル25およびこのマグネットにより、ボイスコイルモーター26が構成される。
ボイスコイル25には所定の電流が供給される。アーム23は、ボイスコイル25に流れる電流と上記マグネットの磁場とにより発生する電磁力の作用によって、垂直軸24回りに揺動する。アーム23の揺動によって、サスペンション22およびヘッドスライダー21も矢印AR1方向に揺動する。ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の表面上および裏面上を、情報記録媒体10の半径方向に往復移動する。ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッド(図示せず)はシーク動作を行なう。
当該シーク動作が行なわれる一方で、ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の回転に伴って発生する空気流により、浮揚力を受ける。当該浮揚力とサスペンション22の弾性力(押圧力)とのバランスによって、ヘッドスライダー21は情報記録媒体10の表面に対して一定の浮上量で走行する。当該走行によって、ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッドは、情報記録媒体10内の所定のトラックに対して情報(データ)の記録および再生を行なうことが可能となる。ガラス基板1が情報記録媒体10を構成する部材の一部として搭載される情報記録装置30は、以上のように構成される。
(ガラス基板1)
図2は、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2および図3に示すように、情報記録媒体10(図4および図5参照)にその一部として用いられるガラス基板1(情報記録媒体用ガラス基板)は、主表面2、主表面3、内周端面4、孔5、および外周端面6を有し、全体として円盤状に形成される。孔5は、一方の主表面2から他方の主表面3に向かって貫通するように設けられる。主表面2と内周端面4との間、および、主表面3と内周端面4との間には、面取部7がそれぞれ形成される。主表面2と外周端面6との間、および、主表面3と外周端面6との間には、面取部8(チャンファー部)が形成される。
ガラス基板1の大きさは、たとえば0.8インチ、1.0インチ、1.8インチ、2.5インチ、または3.5インチである。これ以下、または、これ以上のインチサイズとすること可能である。ガラス基板の厚さは、破損防止の観点から、たとえば0.30mm〜2.2mmである。本実施の形態におけるガラス基板の大きさは、外径が約64mm、内径が約20mm、厚さが約0.8mmである。ガラス基板の厚さとは、ガラス基板上の点対象となる任意の複数の点で測定した値の平均によって算出される値である。ガラス基板の高硬度化の観点から、ガラス基板1のビッカース硬度は、610kg/mm以上であるとよい。
(情報記録媒体10)
図4は、情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。
図4および図5に示すように、情報記録媒体10は、ガラス基板1と、圧縮応力層12と、磁気記録層14とを含む。圧縮応力層12は、ガラス基板1の主表面2,3、内周端面4、および外周端面6を覆うように形成される。磁気記録層14は、圧縮応力層12の主表面2,3上の所定の領域を覆うように形成される。ガラス基板1の内周端面4上に圧縮応力層12が形成されることによって、内周端面4の内側に孔15が形成される。孔15を利用して、情報記録媒体10は筐体20(図1参照)上に設けられたスピンドルモーターに対して固定される。
図5に示す情報記録媒体10においては、主表面2上に形成された圧縮応力層12と主表面3上に形成された圧縮応力層12との双方(両面)の上に、磁気記録層14が形成されている。磁気記録層14は、主表面2上に形成された圧縮応力層12の上(片面)にのみ設けられていてもよく、主表面3上に形成された圧縮応力層12の上(片面)に設けられていてもよい。
磁気記録層14は、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂をガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12にスピンコートすることによって形成される(スピンコート法)。磁気記録層14は、ガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12に対して実施されるスパッタリング法または無電解めっき法等により形成されてもよい。
磁気記録層14の膜厚は、スピンコート法の場合は約0.3μm〜1.2μm、スパッタリング法の場合は約0.04μm〜0.08μm、無電解めっき法の場合は約0.05μm〜0.1μmである。薄膜化および高密度化の観点からは、磁気記録層14はスパッタリング法または無電解めっき法によって形成されるとよい。
磁気記録層14に用いる磁性材料としては、高い保持力を得る目的で結晶異方性の高いCoを主成分とし、残留磁束密度を調整する目的でNiまたはCrを加えたCo系合金などを付加的に用いることが好適である。近年では、熱アシスト記録用に好適な磁性層材料として、Fe−Pt系磁性材料が用いられるようになってきている。
磁気ヘッドの滑りをよくするために、磁気記録層14の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、たとえば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
磁気記録層14には、必要に応じて下地層または保護層を設けてもよい。情報記録媒体10における下地層は、磁性膜の種類に応じて選択される。下地層の材料としては、たとえば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、またはNiなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。
磁気記録層14に設ける下地層は、単層に限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造としても構わない。たとえば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、または、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁気記録層14の摩耗および腐食を防止する保護層としては、たとえば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、またはシリカ層が挙げられる。これらの保護層は、下地層および磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成されることができる。これらの保護層は、単層としてもよく、または、同一若しくは異種の層からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護層に代えて、他の保護層を形成してもよい。たとえば、上記保護層に代えて、Cr層の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
(ガラス基板の製造方法)
次に、図6に示すフローチャート図を用いて、本実施の形態におけるガラス基板(情報記録媒体用ガラス基板)の製造方法S100について説明する。本実施の形態におけるガラス基板の製造方法S100は、板状ガラス成形工程S10、切り出し成形工程S20、ブラスト工程S30、ラッピング工程S40、端面研磨工程S50、粗研磨工程S60、洗浄工程S65、化学強化工程S70、精密研磨工程S80、および、スクラブ洗浄工程S90を備える。
スクラブ洗浄工程S90を経ることによって得られたガラス基板に対して、磁気薄膜形成工程S200が実施される。磁気薄膜形成工程S200を経ることによって、情報記録媒体10(図4および図5参照)が得られる。以下、ガラス基板の製造方法S100を構成する各工程S10〜S90の詳細について順に説明する。
(板状ガラス成形工程S10)
まず、板状ガラス成形工程S10において、溶融ガラスを材料として、ダイレクトプレス法、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法、またはフュージョン法など、公知の成形方法を用いて、板状ガラスを製造する。
溶融ガラスを構成する各成分の原料として、各々相当する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等が使用され、所望の割合に秤量され、粉末で充分に混合して調合原料とされる。調合原料が、例えば1300〜1550℃に加熱された電気炉中の白金坩堝等に投入され、溶融清澄後、撹拌均質化して予め加熱された鋳型に鋳込まれ、徐冷してガラスブロックとされる。
ダイレクトプレス法は、溶解したガラスから目的とするガラス成形品に直接的に成形できるため、同一の形状を有する板状ガラスを多量に生産する場合に好適である。ダイレクトプレス法では、溶融ガラスをプレス成形型に供給し、このガラスが軟化状態にある間にプレス成形型でプレスして板状ガラスを成形する。ガラス転移点付近の温度で、1〜3時間保持された後に徐冷される。
ガラス基板1のビッカース硬度は、610kg/mm以上である。ガラス基板の材質としては、たとえばアモルファスガラス、結晶化ガラスを利用できる。アモルファスガラスを用いる場合、化学強化を適切に施すことができるとともに、主表面の平坦性および基板強度において優れた情報記録媒体用ガラス基板を提供することが可能となる。
(切り出し成形工程S20)
再び、図6を参照して、切り出し成形工程S20においては、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に内孔を形成し、円環状のガラス基板を成形する(コアリング加工)。その後、内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(フォーミング、チャンファリング)。
(ブラスト工程S30)
ブラスト工程S30においては、板状ガラス成形工程S10よって形成されたガラス基板1の主表面2,3に複数の粒子(砥粒)200を吹き付けることによって、ガラス基板(ガラス基板前駆体)1の主表面2,3の研削を行なう(第1研削工程)。このブラスト工程S30により、たとえば、ガラス基板1の平均Raは、2.0μm程度とされる。
(ラッピング工程S40)
ラッピング工程(第2研削工程)S40においては、ラッピンマシーン(図示省略)を用いて、ガラス基板1の主表面にラッピング(第2研削)を施す。ラッピンマシーンにより、ガラス基板1の両主表面が研削される。
(端面研磨工程S50)
端面研磨工程S50においては、ガラス基板1の内周端面および外周端面が、螺旋状のブラシ毛材を有する研磨ブラシを用いて研磨される。研磨ブラシとガラス基板1の各端面との間に研磨スラリーを供給しつつ、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させる。ガラス基板1を研磨液の中に浸漬した状態で、研磨ブラシを各端面に当接させた状態で回転させてもよい。
(粗研磨工程S60)
内周端面および外周端面が研磨されたガラス基板1は、複数回に分けて主表面2,3が粗く研磨される。たとえば、第1および第2粗研磨工程の2回にわけて、主表面2,3が研磨される。徐々にガラス基板1の仕上がり精度を高めることにより、平滑性および平坦性の高い表面を有するガラス基板1を得ることができる。2回に分けて粗研磨を行なう場合、第1粗研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面2,3に残留したキズおよび歪みを除去することを主たる目的とし、第2粗研磨工程は、主表面2,3を鏡面状に仕上げることを目的としている。
(洗浄工程S65)
粗研磨工程S60の後、ガラス基板1に対して酸性の洗浄液を用いた洗浄処理が実施される。この洗浄処理は、前工程である粗研磨工程S60において研磨スラリーとして使用されていた酸化セリウム、酸化ジルコニウム、またはケイ酸ジルコニウムのいずれかを、ガラス基板1の表面から除去することを目的としている。
具体的には、粗研磨工程S60において使用した研磨パッドから粗研磨後のガラス基板1を取り外した後、硫酸およびまたはフッ化水素酸などを含む洗浄液を用いてガラス基板1の表面をエッチングしながら洗浄する。ガラス基板1の表面に付着していた酸化セリウム、酸化ジルコニウム、またはケイ酸ジルコニウムなどの研磨スラリーは、硫酸およびまたはフッ化水素酸などの強酸性の洗浄液によって適切に除去される。その後、ガラス基板1は酸性の洗浄液を用いて洗浄される。
洗浄工程S65において用いられる洗浄液は、ガラス基板1の耐化学性によっても異なるが、硫酸であれば1%〜30%程度の濃度が好ましく、フッ化水素酸であれば0.2%〜5%程度の濃度が好ましい。これらの洗浄液を用いた洗浄は、水溶液が貯留された洗浄機の中で超音波を印加しながら行なわれるとよい。この際に用いられる超音波の周波数は、78kHz以上であることが好ましい。
(化学強化工程S70)
洗浄工程S65の後、ガラス基板1は化学強化される。化学強化液としては、たとえば硝酸カリウム(50wt%)と硫酸ナトリウム(50wt%)との混合液を用いることができる。化学強化液は、たとえば300℃〜480℃に加熱される。洗浄したガラス基板1は、たとえば300℃〜480℃に予熱される。ガラス基板1は、化学強化液中にたとえば3時間〜4時間浸漬される。
浸漬の際には、ガラス基板1の主表面2,3の全体が化学強化されるように、複数のガラス基板1が各々の端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行なうことが好ましい。ガラス基板1を化学強化液中に浸漬することによって、ガラス基板1の表層のアルカリ金属イオン(リチウムイオンおよびナトリウムイオン)が、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きい化学強化塩(ナトリウムイオンおよびカリウムイオン)に置換される。これにより、ガラス基板1の表層にはたとえば50μm〜200μmの厚さを有する圧縮応力層が形成される。
圧縮応力層の形成によってガラス基板1の表面が強化され、ガラス基板1は、良好な耐衝撃性を有することとなる。化学強化処理されたガラス基板1は、適宜洗浄される。たとえば、ガラス基板1は、硫酸で洗浄された後に、純水またはIPA(イソプロピルアルコール)等を用いてさらに洗浄される。その後、化学強化層を除去してもよい。
(精密研磨工程S80)
化学強化工程S70の後、ガラス基板1に対して精密研磨処理が実施される。精密研磨工程S80は、ガラス基板1の主表面を鏡面状に仕上げることを目的としている。精密研磨工程S80では、上述の粗研磨工程S60と同様に、両面研磨機(図11参照)を用いてガラス基板1に対する精密研磨が行なわれる。
精密研磨工程S80と上記の粗研磨工程S60とでは、使用される研磨液(スラリー)に含有される研磨砥粒、および、使用される研磨パッドの組成が異なる。精密研磨工程S80では、粗研磨工程S60よりも、圧縮応力層が形成されたガラス基板1の主表面2,3に供給される研磨液中の研磨砥粒の粒径を小さくし、研磨パッドの硬さを柔らかくする。
精密研磨工程S80に用いられる研磨パッドとしては、たとえば軟質発泡樹脂ポリッシャーである。精密研磨工程S80においては、遊離砥粒が用いられ、Ceを主成分とする砥粒で第1研磨工程と、Siを主成分とする砥粒で研磨する第2研磨工程とを含む。
(スクラブ洗浄工程S90)
精密研磨工程S80の後、ガラス基板1に対してスクラブ洗浄処理が実施される。具体的には、精密研磨工程S80において使用した研磨パッドから精密研磨後のガラス基板1を取り外した後、ガラス基板1の表面に洗浄液を供給しつつ、圧縮応力層が形成されたガラス基板1の表面に対してスクラブ洗浄装置を用いてスクラブ洗浄を行なう。
ガラス基板1は、両面研磨機の研磨パッドから取り外された後、一時的に水中保管されてもよい。水中保管により、精密研磨後にガラス基板1の表面が乾燥することを防ぎつつ、精密研磨後のガラス基板1に付着している研磨滓または遊離砥粒等の異物の量を低減することができる。所定の時間だけガラス基板1を水中保管した後、ガラス基板1をスクラブ洗浄装置にセットし、ガラス基板1に対するスクラブ洗浄を行なう。
スクラブ洗浄としては、たとえば、洗剤または純水等の洗浄液が用いられる。スクラブ洗浄に用いられる洗浄液のpHは、9.0以上12.2以下であるとよい。この範囲内であれば、ζ電位を容易に調整でき、効率的にスクラブ洗浄を行なうことが可能となる。スクラブ洗浄としては、洗剤によるスクラブ洗浄と、純水によるスクラブ洗浄との双方を行なってもよい。洗剤および純水を用いることによって、より適切にガラス基板1を洗浄できる。洗剤によるスクラブ洗浄と純水によるスクラブ洗浄との間に、ガラス基板1を純水でさらにリンス処理してもよい。
スクラブ洗浄を行なった後に、ガラス基板1に対して超音波洗浄をさらに行なってもよい。洗剤および純水によるスクラブ洗浄を行なった後に、硫酸水溶液等の薬液による超音波洗浄、純水による超音波洗浄、洗剤による超音波洗浄、IPAによる超音波洗浄、およびまたは、IPAによる蒸気乾燥等を更に行なってもよい。
本実施の形態におけるガラス基板1の製造方法S100としては、以上のように構成される。ガラス基板1の製造方法S100を使用することによって、図2および図3に示す本実施の形態のガラス基板1を得ることができる。
(磁気薄膜形成工程S200)
スクラブ洗浄処理が完了したガラス基板1の主表面2,3(またはいずれか一方の主表面2,3)に対し、磁気記録層が形成される。磁気記録層は、たとえば、Cr合金からなる密着層、CoFeZr合金からなる軟磁性層、Ruからなる配向制御下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、C系からなる保護層、およびF系からなる潤滑層が順次成膜されることによって形成される。磁気記録層の形成によって、図4および図5に示す情報記録媒体10を得ることができる。
以下、本発明に係る実施の形態に用いられる情報記録媒体用のガラス基板1について、さらに詳細に説明する。
<ガラス基板1>
本実施の形態におけるガラス基板1は、mol%表示で、
SiO:56〜71%、
Al:5〜15%、
:0〜3%、
LiO:0.1〜6%、
NaO:0.1〜4%、
O:0〜2%、
MgO:3〜13%、
CaO:4〜21%、
SrO:0〜3%、
BaO:0〜3%、
ZnO:0〜3%、
ZrO:0〜3%、
CeO:0〜2%、
SnO:0〜2%、
TiO:0〜5%、および、
Nb:0〜3%、
となる含有範囲を有し、かつ
SiO+Al+B:64〜80%、
LiO+NaO+KO:0.2〜6%、
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:14〜28%、
(Nb+TiO)/SiO=0.01〜0.06、および、
LiO/(LiO+NaO+KO)=0.30〜0.99、というガラス組成比率を満足する。
本実施の形態においては、ガラス組成を示す「%」表示は特に断らない限り「mol%」を示すものとする。「SiO+Al+B」等のような化学式の加算表記は、そのような化学式で示される成分の合計量を示すものとする。たとえば、「SiO+Al+B」とはSiOとAlとBとの合計量を示す。
当該ガラス組成は、不可避不純物を除き上記に示された成分のみで構成されることが好ましい。
上記ガラス基板1を用いることで、磁気記録媒体の成膜および高温アニール時に、ガラス基板1の変形を抑制するとともに、ガラス基板1からのLiの拡散を抑制することを可能とする。
上記のような特性を示す本実施の形態の情報記録媒体用ガラス基板は、特に熱アシスト記録用のガラス基板として好適である。熱アシスト記録は、磁気記録媒体を局所的に加熱しながら情報記録を行なうものであるが、特に高密度記録を実現するために上記のようなFe−Pt系磁性材料の使用が要求されることから、ガラス基板に対しても特に高い耐熱性が要求されるためである。
<ガラス組成>
本発明のガラス組成を構成する各構成成分について以下説明する。
SiOは、ガラスの網目構造を形成する重要な成分である。本発明のガラス組成では、このようなSiOを56〜71%(本実施の形態におけるこのような数値範囲の表記は下限値および上限値がその範囲に含まれることを意味する。よって「56〜71%」とは「56%以上71%以下」を示す)の範囲で含有する。
SiOの含有量が56%未満では、ガラス形成が困難となり、化学的耐久性が悪化する恐れがある。逆に71%を超えると溶融性が悪化してしまう。そのためSiOの含有範囲は56〜71%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは58〜69%の範囲である。
Alは、SiOと共に網目構造を形成する重要な成分であり、耐熱性を向上させるだけではなく、イオン交換性能を向上させる働きを有している。Alの含有量が5%より少ないと、化学的耐久性、イオン交換性能が低下する恐れがある。逆に15%を超えると、イオン交換性能が低下し、更に溶融性が悪化してしてしまう。このためAlの含有範囲は5〜15%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは7〜13%の範囲である。
は、SiOと共に網目構造を形成する成分であり、溶融温度を低下させる働きを有しているので必要に応じて含有させる。3%を超えると、耐熱性の指標となるTg(ガラス転移点)が低下してしまう。このためBの含有量は0〜3%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは0〜2%の範囲である。
SiO+Al+Bは、総量で64〜80%とした。これらはガラスの網目構造を形成する重要な成分であり、65%より少ないとガラス形成が困難となる。逆に80%を超えると粘度が高くすぎて溶融性が悪化してしまう。その中でも好ましくは66〜78%の範囲である。
LiOは、化学的耐久性を向上させ、更に溶融性を向上させるのに必要な成分である。LiOの含有量が0.1%より少ないと、Li溶出の抑制効果と溶融性を向上させる効果が十分に得られない。逆に6%を超えると、Tgが低下し、Li溶出が悪化してしまう。そのため、LiOの含有量は0.1〜6%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは0.2〜5%の範囲である。
NaOは、溶融性を向上させるために必要な成分である。NaOの含有量が0.1%より少ないと、粘度が高くなり液相温度が上昇して溶融性が悪化する。逆に4%を超えると、化学的耐久性が低下してしまう。そのためNaOの含有量は0.1〜4%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは0.2〜3%の範囲である。
Oは溶融性を改善する効果を持っているので、必要に応じて含有させて良い。KOの含有量が2%を超えるとTgが低下し、化学的耐久性も悪化してしまう。そのためKOの含有範囲は0〜2%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜1%の範囲である。
LiO+NaO+KOは、総量を0.2〜6%の範囲とした。この総量が0.2%より少ないと溶融性の十分な改善効果が得られない。逆に総量が6%を超えるとTgが低下し十分な耐熱性が得られず、化学的耐久性が悪化する。より好ましくは0.4〜5.5%の範囲である。
MgOは、耐熱性を向上すると共に溶融性を改善する効果を持っている。MgOの含有量が3%未満では、耐熱性を向上する効果と溶融性を改善する効果が得られず、逆に含有量が13%を超えるとガラス構造が不安定となり、耐失透性が悪化してしまい成形困難となる。そのためMgOの含有範囲は3〜13%の範囲とした。その中でも好ましくは5〜11%の範囲である。
CaOは溶融性を改善する効果を持つと共に、Tgを維持する効果を持っている。CaOの含有量が4%未満では溶融性を改善する効果とTgを維持する効果が十分に得られず、逆に含有量が21%を超えるとガラス構造が不安定となり、化学的耐久性が悪化してしまう。そのためCaOの含有範囲は4〜21%の範囲とした。その中でも好ましくは6〜19%の範囲である。
SrOは溶融性を改善する効果を持つと共に、Tgを維持する効果を持っているので必要に応じて含有させる。SrOの含有量が3%を超えると耐失透性が悪化してしまい成形困難となる。そのためSrOの含有範囲は0〜3%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜2%の範囲である。
BaOは溶融性を改善する効果を持つと共に、Tgを維持する効果を持っているので必要に応じて含有させる。BaOの含有量が3%を超えると耐失透性が悪化してしまい成形困難となる。そのためBaOの含有範囲は0〜3%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜2%の範囲である。
ZnOは化学的耐久性を向上させると共に溶融性を改善する効果を持つので必要に応じて含有させる。ZnOの含有量が3%を超えるとガラス構造が不安定となり、耐失透性が悪化してしまう。そのためZnOの含有範囲は0〜3%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜2%の範囲である。
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの総量は、14〜28%の範囲とした。14%より少ないとヤング率の向上と溶融性向上の効果が十分に得られない。逆に総量が28%を超えると化学的耐久性が悪化する。より好ましくは16〜26%の範囲である。
TiOは高温粘性を軟化させると共に化学的耐久性を向上する効果を持っている。TiOの含有量が5%を超えるとガラス構造が不安定となり、耐失透性が悪化してしまい成形困難となる。そのためTiOの含有範囲は0〜5%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜4%の範囲である。
Nbは、溶融性を向上させると共に、化学的耐久性を向上する効果を持っている。Nbの含有量が3%を超えると、液相温度が上昇し耐失透性が悪化してしまう。そのためNbの含有範囲は0〜3%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜2%の範囲である。
ZrOはガラスの耐熱性を向上する効果があるので、必要に応じて含有させても良い。ただし、含有量が3%を超えると耐失透性が悪化してしまい、ガラス化が困難となる。そのため含有範囲は0〜3%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜2%の範囲である。
CeOおよびSnOは清澄剤としての役割を果たすので、必要に応じて含有させて良い。それぞれ含有量が2%を超えると耐失透性が悪化してしまい、ガラス化が困難となる。そのため含有範囲は0〜2%の範囲とした。その中でも好ましくは0〜1%の範囲である。これら2つ以外でも、Sb等の清澄剤としての役割を果たす原料に制限は無く、0〜2%の範囲で含有させても良い。
(Nb+TiO)/SiOは、0.01〜0.06の範囲とすることが望ましい。比率が0.01未満では化学的耐久性が悪化してしまい、比率が0.06を超えると、逆に化学的耐久性が悪化してしまう。(Nb+TiO)/SiOを所定の比率で含有させることでガラスの網目構造の一部に入り骨格としての耐久性が大きく向上し、ガラスのLiイオンの拡散速度も抑制することで、磁気薄膜への拡散を抑制する。望ましい範囲は、0.012〜0.05の範囲である。NbとTiOは、どちらか一方を必須で含有しない限り、これらの効果は得られない。
LiO/(LiO+NaO+KO)は、0.30〜0.99の範囲とすることが望ましい。0.03未満ではLi溶出量が悪化してしまうので、所定の量以上のLiO含有を必須とする。逆に、1.00でLiOのみ含有した場合は、Na、Kの溶出が悪化してしまう。LiO/(LiO+NaO+KO)を所定の比率で含有することで、Nb、TIOとの相乗効果を示してLi拡散速度が抑制される。望ましい範囲は、0.50〜0.95の範囲である。
(実施例1〜15、および、比較例1〜7)
図7から図9に、各実施例および各比較例におけるガラス組成を示す。実施例1〜15に記載のガラス組成となるように、所定量の原料粉末を白金るつぼに秤量して入れ、混合する。その後、電気炉中で1500℃で溶解した。原料が充分に溶解したのち、白金製の撹拌羽をガラス融液に挿入し、1時間撹拌した。
その後、撹拌羽を取り出し、3時間静置した後、金型に融液を流しこむことによってガラスブロックを得た。その後、各ガラスのガラス転移点付近でガラスブロックを2時間保持した後、徐冷して歪取りを行なった。
得られたガラスブロックを、厚み約1.0mmの2.5インチの円盤形状にスライスし、内周、外周を同心円としてカッターを用いて切り出し、円盤形状のガラス基板とした。ガラス基板の両面に対して粗研磨および研磨を行なった。
その後、ガラス基板の洗浄を行なうことにより各実施例および各比較例に示す、厚みが0.8mmである情報記録媒体用ガラス基板を作製した。この作製した情報記録媒体用ガラス基板について下記物性評価を行なった。
ガラスの材料物性測定(ガラス転移点Tg、Si溶出量、高温粘性)は、それぞれ下記の方法で測定を実施した。
<ガラス転移点(Tg)>
示差熱測定装置(商品名:EXSTAR6000、セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、室温〜900℃の温度範囲を10℃/minの昇温速度で、粉末状に調整したガラス試料を加熱し測定することにより、ガラス転移点を測定した。
<Li溶出量>
ガラス基板の表面を酸化セリウムで研磨して、Ra値が2nm以下の平滑面とした。その後、ガラス基板の表面を洗浄し、80℃のRO水50ml中に24時間浸漬した。その後、ICP発光分光分析装置で溶出液を分析し算出した。
<耐熱テスト>
ガラス基板にFe−Pt合金を成膜し、その後600℃×1時間で熱処理した後の平坦度で判断した。平坦度は、白色光干渉式表面形状測定機(Optiflat(Phase Shift Technology社製))を用いて測定した。各実施例のガラス基板は、熱処理前の平坦度は、2.0Å〜2.3Å程度であった。
<ハードディスクドライブ(HDD)テスト>
ガラス基板にFe−Pt合金を成膜し、その後600℃×1時間で熱処理した後に、15000rpmで動作させた際の読み取りエラー回数で評価した。評価は各実施例、各比較例で100枚ずつ行ない、そのハードディスクドライブ(HDD)テストのエラー回数の総数を、図7〜図9に示した。図7〜図9に示すmol%の値は、小数第2位を四捨五入して小数点以下1桁までを有効数字として用いる。
図7〜図9に示す、ハードディスクドライブ(HDD)テストのエラー回数に関して、エラー回数が0回〜2回を評価「A」、エラー回数が3回〜5回を評価「B」、エラー回数が6回以上を評価「C」とした。
図7〜図9より明らかなように、各実施例のハードディスクドライブ(HDD)用のガラス基板は、各比較例のHDD用ガラス基板に比べ、磁気記録媒体の成膜および高温アニール時にガラス基板の変形が発生していない。さらに、各ガラス成分を所定の割合で含有させて、かつ、(Nb+TiO)/SiO、および、LiO/(LiO+NaO+KO)の両方を所定の範囲とすることで、Liイオンを含有し、かつ、Liの拡散を抑制して良好なSNR特性を得ることを可能とし、その結果、ハードディスクドライブ(HDD)テストで優れた評価が得られた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガラス基板、2,3 主表面、4 内周端面、5,15 孔、6 外周端面、10 情報記録媒体、12 圧縮応力層、14 磁気記録層、20 筐体、21 ヘッドスライダー、22 サスペンション、23 アーム、24 垂直軸、25 ボイスコイル、26 ボイスコイルモーター、27 クランプ部材、28 固定ネジ、30 情報記録装置。

Claims (5)

  1. mol%表示で、
    SiO:56〜71%、
    Al:5〜15%、
    :0〜3%、
    LiO:0.1〜6%、
    NaO:0.1〜4%、
    O:0〜2%、
    MgO:3〜13%、
    CaO:4〜21%、
    SrO:0〜3%、
    BaO:0〜3%、
    ZnO:0〜3%、
    ZrO:0〜3%、
    CeO:0〜2%、
    SnO:0〜2%、
    TiO:0〜5%、および、
    Nb:0〜3%、
    となる含有範囲を有し、かつ、
    SiO+Al+B:64〜80%、
    LiO+NaO+KO:0.2〜6%、
    MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:14〜28%、
    (Nb+TiO)/SiO=0.01〜0.06、および、
    LiO/(LiO+NaO+KO)=0.30〜0.99、
    というガラス組成比率を満足し
    Li O+Na O+K Oは、3モル%以下である、情報記録媒体用ガラス基板。
  2. mol%表示で、
    SiO:58〜69%、
    Al:7〜13%、
    :0〜2%、
    LiO:0.2〜5%、
    NaO:0.2〜3%、
    O:0〜1%、
    MgO:5〜11%、
    CaO:6〜19%、
    SrO:0〜2%、
    BaO:0〜2%、
    ZnO:0〜2%、
    ZrO:0〜2%、
    CeO:0〜1%、
    SnO:0〜1%、
    TiO:0〜4%、
    Nb:0〜2%、
    となる含有範囲を有し、かつ、
    SiO+Al+B:66〜78%、
    LiO+NaO+KO:0.4〜5.5%、
    MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:16〜26%、
    (Nb+TiO)/SiO=0.012〜0.05、および、
    LiO/(LiO+NaO+KO)=0.50〜0.95、というガラス組成比率を満足する、請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  3. LiOは、2.5モル%以下である、請求項1または請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  4. 当該情報記録媒体用ガラス基板は、熱アシスト記録用の情報記録媒体用のガラス基板である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板上に磁気記録層を有する情報記録媒体。
JP2015504317A 2013-03-05 2014-03-04 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体 Active JP6029740B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042913 2013-03-05
JP2013042913 2013-03-05
PCT/JP2014/055396 WO2014136751A1 (ja) 2013-03-05 2014-03-04 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6029740B2 true JP6029740B2 (ja) 2016-11-24
JPWO2014136751A1 JPWO2014136751A1 (ja) 2017-02-09

Family

ID=51491267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015504317A Active JP6029740B2 (ja) 2013-03-05 2014-03-04 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6029740B2 (ja)
WO (1) WO2014136751A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE202015009997U1 (de) * 2014-10-08 2022-11-09 Corning Incorporated Gläser und Glaskeramiken mit einem Metalloxidkonzentrationsgradienten
US20230382783A1 (en) * 2022-05-31 2023-11-30 Corning Incorporated Ion exchangeable yellow glass articles

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000357318A (ja) * 1999-04-13 2000-12-26 Asahi Glass Co Ltd 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板
JP2001172043A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Asahi Glass Co Ltd 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板
WO2012057338A1 (ja) * 2010-10-29 2012-05-03 Hoya株式会社 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体、および磁気記録媒体用ガラス基板ブランク

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000357318A (ja) * 1999-04-13 2000-12-26 Asahi Glass Co Ltd 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板
JP2001172043A (ja) * 1999-12-20 2001-06-26 Asahi Glass Co Ltd 情報記録媒体基板用ガラスおよび情報記録媒体用ガラス基板
WO2012057338A1 (ja) * 2010-10-29 2012-05-03 Hoya株式会社 磁気記録媒体用ガラス基板、磁気記録媒体、および磁気記録媒体用ガラス基板ブランク

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2014136751A1 (ja) 2017-02-09
WO2014136751A1 (ja) 2014-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5421443B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法および磁気ディスク
JP6220411B2 (ja) 情報記録媒体用基板に供するためのガラス、情報記録媒体用基板および情報記録媒体とそれらの製造方法
TWI447086B (zh) Magnetic recording medium substrate glass, magnetic recording medium substrate, magnetic recording medium, and the like
JP5982500B2 (ja) Hdd用ガラス基板および情報記録媒体
WO2011096310A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び情報記録媒体
JP7165655B2 (ja) 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体基板、情報記録媒体および記録再生装置用ガラススペーサ
JP6029740B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板および情報記録媒体
JP5978394B2 (ja) 板ガラスの製造方法、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法
JP5778165B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法
JP2015060614A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP4911882B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板、情報記録媒体、および情報記録装置
JP5859757B2 (ja) Hdd用ガラス基板の製造方法
JP5612921B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体
WO2014103982A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP6196976B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法、および、情報記録媒体用ガラス基板
WO2013145461A1 (ja) Hdd用ガラス基板の製造方法
JP5375698B2 (ja) ガラス基板の製造方法
JPWO2013094451A1 (ja) ガラス基板
WO2015041011A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP2012079370A (ja) 磁気情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP2012079369A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
WO2013047287A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
WO2013047288A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
WO2013047286A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP2015011743A (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6029740

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250