JP2000220686A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2000220686A
JP2000220686A JP2181599A JP2181599A JP2000220686A JP 2000220686 A JP2000220686 A JP 2000220686A JP 2181599 A JP2181599 A JP 2181599A JP 2181599 A JP2181599 A JP 2181599A JP 2000220686 A JP2000220686 A JP 2000220686A
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fitting
mounting
stopper
vibration
outer cylinder
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JP2181599A
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Tatsuya Tsutsumi
龍也 堤
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストッパ部材を外筒部材へかしめ固定する際
に、外筒部材のかしめ部へ加えられる加圧力によるスト
ッパ部材及び外筒部材の変形を防止する。 【解決手段】 ストッパ金具40を外筒金具20の上端
部へ固定する際には、ストッパ金具40のフランジ部4
2を外筒金具20の載置部22上に載置すると、嵌挿部
44が嵌挿溝26内へ嵌挿する。これにより、かしめ部
24へ加圧力を加えて、かしめ部24を内周側へ塑性変
形させる際に、嵌挿溝26内へ嵌挿された嵌挿部44に
よりフランジ部40の内周側への移動が拘束されている
ことから、フランジ部40を介して加圧力がストッパ金
具40の側壁部40Aへ伝わることを阻止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般産業機械、自
動車のエンジンマウント等として用いられ、エンジン等
の振動発生部からの振動を吸収して車体等の振動受部へ
の振動伝達を抑制する防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受部となる車体との間にはエンジンマウントと
しての防振装置が配設されており、この防振装置はエン
ジンが発生する振動を吸収し、車体側への振動伝達を抑
制する。このような防振装置としては、防振装置の内部
に弾性体及び一対の液室を設けると共に、オリフィスと
なる制限通路でこれらの液室を互いに連通した液体封入
式のものが知られている。液体封入式の防振装置によれ
ば、搭載されたエンジンが作動して振動が発生した場合
には、弾性体の制振機能及び、一対の液室間を連通する
オリフィス内の液体の粘性抵抗等で振動を吸収し、車体
側への振動伝達を抑制する。
【0003】図7には従来の液体封入式の防振装置11
0が示されている。この図に示されるように、内筒金具
120と上部取付金具116との間に、ゴム製の弾性体
118がこれら金具に加硫接着されて配置されている。
さらに、外筒金具114に内筒金具120が挿入され、
ストッパ金具112が外筒金具114にかしめられてい
る。内筒金具120内に配置されたダイヤフラム122
と弾性体118との間には液室124が設けられてい
る。液室124内には隔壁部材130が設置されてお
り、この隔壁部材130は、液室124を一対の小液室
124A、124Bに区画すると共に小液室124A、
124Bを連通するオリフィス132を有している。こ
の防振装置110では、振動入力時にオリフィス132
を介して小液室124A、124B内の液体が互いに流
通することにより、液体の粘性抵抗等によって振動が吸
収される。
【0004】上記の防振装置110の組立てに際して
は、予め一体的に組み立てられた内筒金具120、取付
金具116及び弾性体118を、矢印A方向より外筒金
具114内に挿入し、この後、図7に示されるように外
筒金具114上へストッパ金具112を載置し、ストッ
パ金具112の下端部に形成された円筒状のかしめ部1
12Aを内周側へ折り曲げ、外筒金具114の上端部に
形成されたフランジ部114Aをかしめ部112Aによ
り挟持してストッパ金具112を外筒金具114にかし
め固定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の防振装
置110において、ストッパ金具112を外筒金具11
4に固定する際に、図7に示されるようにストッパ金具
112のかしめ部112Aへ外周側から加圧力Fを加え
てかしめ部112Aを内周側へ折り曲げようとすると、
かしめ部112Aの変形が進行すると同時に、加圧力F
の一部がフランジ部114Aの延出端付近を力点として
ストッパ金具112の下端部付近にも伝達されると共
に、フランジ部114Aを介して外筒金具114の上端
部付近に伝達される。これにより、ストッパ金具112
の下端部付近又は外筒金具114の上端部付近に局部的
な変形が生じたり、ストッパ金具112又は外筒金具1
14に歪みが発生することがあった。このため、従来の
防振装置110では、例えば、かしめ部112Aを内周
側へ折り曲げる際のかしめ作業を複数回に分けて行い、
1回のかしめ作業によるかしめ部112Aへの加圧力を
小さくすると共に、かしめ作業毎に加圧力の方向を調整
することにより、ストッパ金具112及び外筒金具11
4の変形を防止していた。
【0006】本発明は、上記事実を考慮し、ストッパ部
材を外筒部材へかしめ固定する際に外筒部材のかしめ部
へ大きな加圧力を加えても、ストッパ部材及び外筒部材
の変形を防止できる防振装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、第2の取付部材と、前記第1の取付部材及
び第2の取付部材の間に配置される弾性体と、振動発生
部及び振動受部の他方に連結され、かつ前記第2の取付
部材が挿入固定される筒状の外筒部材と、前記外筒部材
に固定されると共に前記第1の取付部材に対向し、前記
第1の取付部材の前記第2の取付部材に対する相対変位
を制限し、かつ前記外筒部材側が開いたアーチ状の断面
を有するストッパ部材とを有する防振装置であって、前
記ストッパ部材には、前記外筒部材側の開口端に沿って
外周側へ延出したフランジ部と、前記フランジ部から前
記外筒部材側へ突出した嵌挿部とが形成されており、前
記外筒部材は、前記ストッパ部材側の開口端に沿って形
成され前記フランジ部が載置される載置部と、前記載置
部の外周端に沿って形成され載置部上の前記フランジ部
を挟持するように内周側へ塑性変形される板状のかしめ
部と、前記載置部上に前記フランジ部が載置されると前
記嵌挿部が嵌挿する嵌挿溝とを有するものである。
【0008】上記構成の防振装置によれば、フランジ部
に形成された嵌挿部が外筒部材の嵌挿溝内へ嵌挿するこ
とにより、外筒部材の載置部上にフランジ部が載置され
ている状態で、外筒部材のかしめ部へ外周側から加圧力
を加えて、かしめ部を載置部上のフランジ部を挟持する
ように内周側へ塑性変形させる際に、かしめ部を介して
外部からの加圧力がフランジ部へ伝達されても、フラン
ジ部の内周側への移動が拘束されていることから、フラ
ンジ部を介して外部からの加圧力がストッパ部材の本体
側へ伝わることを阻止できる。さらにフランジ部により
かしめ部が内周側から支持されるので、かしめ部へ加え
られた加圧力が外筒部材の本体側へ伝わることも阻止で
きる。
【0009】従って、ストッパ部材のフランジ部及び嵌
挿部並びに外筒部材の嵌挿溝の強度をそれぞれかしめ部
の強度に対して十分大きくすれば、ストッパ部材を外筒
部材へかしめ固定する際にかしめ部へ大きな加圧力を加
えても、この加圧力よるストッパ部材及び外筒部材の局
部的な変形及び歪みを防止できる。
【0010】請求項2記載の防振装置は、請求項1記載
の防振装置において、前記嵌挿部は、前記ストッパ部材
におけるアーチ状の断面部を挟むような2位置にそれぞ
れ配置されたものである。
【0011】上記構成の防振装置によれば、嵌挿部がス
トッパ部材におけるアーチ状の断面部を挟むような2位
置にそれぞれ配置され、これらの嵌挿部がそれぞれ外筒
部材の嵌挿溝へ嵌挿することにより、ストッパ部材にお
けるアーチ状の断面部の開口端付近が内周側へ移動する
ことを阻止できるので、かしめ部へ加えられた加圧力に
よりストッパ部材におけるアーチ状の断面部の開口端付
近が互いに近づくように変形しない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る防
振装置について図面を参照して説明する。
【0013】(実施形態の構成)図1〜図6には本発明
の実施形態に係る防振装置10が示されている。なお、
図中の符号Lは装置の中心である軸心を示し、この軸心
Lに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行
う。
【0014】防振装置10は、図1に示されるように第
1の取付部材である薄肉円筒状の内筒金具12を有して
いる。内筒金具12には互いに径が異なる上側円筒部1
4及び下側円筒部16が形成されており、上側円筒部1
4は下側円筒部16より僅かに大径とされている。内筒
金具12には、円筒部14,16との中間部に下側円筒
部16より小径とされたくびれ部15が形成されてい
る。内筒金具12の上端部には径方向へ延出する薄肉リ
ング状のフランジ部18が形成され、下側円筒部16の
下端部にはテーパ状に縮径する縮径部16Aが形成され
ている。
【0015】内筒金具12は、図2に示されるようにカ
ップ状に形成された外筒金具20内へ圧入されている。
外筒金具20は、円筒部14,16の外径に対応して上
部側の内径が下部側の内径より僅かに大径とされてい
る。外筒金具20の上端部には、径方向へ延出する薄肉
リング状の載置部22が形成されており、この載置部2
2には、外筒金具20内へ圧入された内筒金具12のフ
ランジ部18が載置される。外筒金具20には、載置部
22の延出端に沿って上方へ屈曲されたかしめ部24が
形成されている。
【0016】ここで、図4に示されるように、載置部2
2の延出端における一部にはかしめ部24が形成されて
おらず、これにより、かしめ部24は軸直角方向での断
面形状が略C字状に形成されている。載置部22にはか
しめ部24の内周面に沿って一対の嵌挿溝26が形成さ
れている。一対の嵌挿溝26は、周方向へはかしめ部2
4の周方向両端部より僅かに内側となる部位にそれぞれ
形成されている。また、かしめ部24には、その上端面
から上方に突出する略台形状の一対の突出片24Aが形
成されている。一対の突出片24Aは、周方向へは一対
の嵌挿溝26の位置と略一致するようにれぞれ配置され
ており、これらの突出片24Aの周長は嵌挿溝26の周
長と略等しくされている。
【0017】外筒金具20の外周面には、図4に示され
るように一対の脚部28が溶接等により固着されてい
る。脚部28には、外筒金具20へ固着される基端側に
外筒金具20の外周面に沿って湾曲した板状の固着部2
8Aが形成され、また一対の脚部28の先端側には、車
体側取付面の形状と対応するようにそれぞれ異なる傾斜
角が付けられた平板状の取付部28Bが形成されてい
る。固着部28Aと取付部28Bとは両端部が平板状の
一対の連結部28Cにより連結されており、一対の連結
部28Cは、取付部28Bを外筒金具20の外周側にお
ける斜め下方へ支持している。また取付部28Bにはボ
ルト挿通用の貫通穴28Dが形成されている。防振装置
10の車体側へ取り付ける際には、脚部28の貫通穴2
8Dへ締結用ボルトが挿入され、このボルトが取付面に
穿設されたねじ穴へ規定の締結トルクが発生するまでね
じ込まれることより、防振装置10が車体側へ締結固定
される。
【0018】内筒金具12の内周面には、図1に示され
るように略円筒状に形成されたゴム製の弾性体30の外
周面が加硫接着されている。弾性体30には、軸方向中
間部に中空部内を上部側と下部側とに区画する薄膜状の
隔壁部30Aが形成されている。隔壁部30Aの上部側
には略円錐台状の凹部30Bが形成されており、この凹
部30B内には凹部30Bと対応する外形形状を有する
取付金具32が埋設されて加硫接着されている。
【0019】弾性体30は、内筒金具12の内周面と取
付部材20の外周面との間に掛け渡される上部側が肉厚
部30Cとされており、この肉厚部30Cは軸心Lに沿
った断面形状が下方へ向かって開いた略ハ字状とされて
いる。そして、肉厚部30Cの上部側は内筒金具12の
上端から上方へ突出している。また弾性体30には、肉
厚部30Cの下部側が薄肉筒状の被覆部30Dとされて
おり、この被覆部30Dは、肉厚部30Cの下端面から
下方へ延出して内筒金具12の内周面下部側を被覆して
いる。
【0020】外筒金具20の載置部22上には、図3、
4に示されるように弾性体30と一体成形されたゴム製
のストッパ片35が加硫接着されている。ストッパ片3
5は、載置部22上におけるかしめ部24の両端間に挟
まれる領域の中央部に配置されており、軸方向に沿った
断面形状が略台形状とされている。
【0021】取付金具32の上端部は、図1に示される
ように弾性体30の上面から突出している。取付金具3
2の頂面には、軸心Lに沿って雌ねじ穴32Aが形成さ
れると共に、雌ねじ穴20Aの外周側に上方へ突出する
回止ピン34が設けられている。
【0022】取付金具32の頂面上には、取付金具32
と共に第1の取付部材を構成するアームブラケット36
が配置されている。アームブラケット36は、図6に示
されるように軸方向から見て軸心Lを中心として径方向
に沿って外周側へ延出しており、載置部22の外周端付
近で僅かに接線方向に沿って屈曲する略へ字状とされて
いる。アームブラケット36は接線方向に沿った断面形
状が矩形状とされている。またアームブラケット36
は、その径方向中間部が載置部22上に配置されたスト
ッパ片36の直上を通過している。
【0023】アームブラケット36の基端部には、図1
に示されるように下面側に小径の貫通穴36A及び上面
側に大径の座ぐり部36Bが同軸的に穿設されており、
これらの貫通穴36A及び座ぐり部36Bはアームブラ
ケット36の基端部を軸心Lに沿って貫通している。こ
れらの貫通穴36A及び座ぐり部36Bには締結用ボル
ト41が上面側から挿入され、このボルト41の軸部4
1Aが取付金具32の雌ねじ穴32A内へねじ込まれ
る。このとき、ボルト41は、座金一体型のボルト頭部
41Bが座ぐり部36Bの底面へ所定の圧力で圧接する
まで雌ねじ穴32A内へねじ込まれる。これにより、図
2に示されるようにアームブラケット36が基端部は取
付金具32の頂面上へ固定され、アームブラケット36
は取付金具32により片持ち状態に支持される。
【0024】アームブラケット36の基端部下面には、
図1に示されるように回止ピン34に対応する嵌合穴3
6Cが形成されており、アームブラケット36が取付金
具32上へ固定された状態では、回止ピン34が嵌合穴
36C内へ嵌合する。これにより、取付金具32及びア
ームブラケット36は、軸心Lを略中心として常に一体
的に回転するように高強度に連結される。またアームブ
ラケット36の先端部には、図6に示されるように軸方
向へ貫通する一対の雌ねじ穴36Dが形成されており、
この一対の雌ねじ穴36Dには、アームブラケット36
をエンジン側へ連結するための一対のボルト(図示省
略)がそれぞれねじ込まれる。従って、アームブラケッ
ト36がエンジン側へ連結されることにより、このアー
ムブラケット36を介して取付金具32が振動発生部で
あるエンジン側へ連結される。
【0025】取付金具32上に固定されたアームブラケ
ット36の基端部には、図4に示されるゴム製のカバー
部材38が被せられる。カバー部材38は、アームブラ
ケット36の基端部における取付金具32上面との当接
部を除く部分へ圧着している。これにより、アームブラ
ケット36が後述するストッパ金具へ直接接触しないの
で、アームブラケット36とストッパ金具との衝突音の
発生が防止される。
【0026】外筒金具20の上方には、図2に示される
ように第1の取付部材の一部を構成するアームブラケッ
ト36と対向するようにストッパ金具40が固定されて
いる。ストッパ金具40は、図5に示されるようにU字
状に湾曲された側壁部40Aと、この側壁部40Aの上
端側を閉止する頂板部40Bとを有しており、これらの
側壁部40A及び頂板部40Bが薄肉状の金属板により
一体的に成形されている。ストッパ金具40は、アーム
ブラケット36の延出方向側が開口端となるような向き
に設置されており、このストッパ金具40の側面側の開
口端部には、アームブラケット36の延出方向へ向かっ
て開口面積を拡げるように断面L字状に屈曲された補強
用リブ40Cが形成されている。
【0027】ストッパ金具40の下部側の開口端部に
は、図4に示されるように側壁部40Aの下端から略直
角に屈曲されて外周側へ延出する固定用のフランジ部4
2が形成されている。またフランジ部42の延出端部に
は、載置部22の一対の嵌挿溝26に対応する一対の嵌
挿部44が形成されている。嵌挿部44は、円弧状に形
成されたフランジ部42の延出端に沿って略直角に下方
へ向けて屈曲されており、その周長及び径方向の厚みが
それぞれ嵌挿溝26の周長及び径方向の幅より僅かに小
さくされている。
【0028】ここで、ストッパ金具40は、アームブラ
ケット36の延出方向に対して略直交する方向における
断面形状が下方へ開いたアーチ状(本実施形態では略コ
字状)に形成されている。そして、一対の嵌挿部44
は、側壁部40A及び頂板部40Bにより形成されたコ
字状の断面部を挟むような2位置へそれぞれ配置されて
いる。そして、ストッパ金具40のコ字状断面部の下端
部間の間隔は一対の嵌挿部44の内側で最も広くなって
いる。
【0029】ストッパ金具40を外筒金具20の上端部
へ固定する際には、先ず、内筒金具12のフランジ部1
2を介して外筒金具20の載置部22上にストッパ金具
40のフランジ部42を載置する。このとき、ストッパ
金具40の嵌挿部44が、図2に示されるように載置部
22の嵌挿溝26内へ嵌挿される。これと共に、ストッ
パ金具40内では、頂板部40Bがアームブラケット3
6へ被せられたカバー部材38の頂面に当接する。この
状態で、図1に示されるように、かしめ部24の上端付
近へ外周側から径方向に沿った加圧力Fを加える。これ
により、図2に示されるように、フランジ部42の上面
側エッジ部を支点としてかしめ部24を内周側へ折り曲
げられ、かしめ部24及び載置部22によりフランジ部
18及びフランジ部42が上下から挟持される。このと
き、かしめ部24の上端部に形成された突出片24A
は、フランジ部42における嵌挿部44の内周部分へ圧
接して嵌挿部44の嵌挿溝26からの脱落を確実に防止
している。
【0030】上記のようにかしめ部24を内周側へ塑性
変形させ、かしめ部24をフランジ部42へ圧接させる
ことにとより、ストッパ金具40の下端部が外筒金具2
0の上端部へ固定されると共に、内筒金具12が外筒金
具20内へ固定される。このとき、ストッパ金具40内
では、図2に示されるようにカバー部材38を介して側
板部40Aがアームブラケット36の両側面へ対向する
と共に頂板部40Bがアームブラケットの基端側上面へ
対向する。
【0031】一方、内筒金具12内には、図2に示され
るように円筒状の支持リング46が配置されている。支
持リング46の内周面には、薄膜状のダイヤフラム48
が外周端部が全周に亘って加硫接着されており、ダイヤ
フラム48は、たわみ変形が生じていない自然状態では
上方へ向かって略円錐台状に突出している。支持リング
46の外周面は、弾性体30の被覆部30Dを介して内
筒金具12の下側円筒部16の内周面へ圧接している。
また支持リング46は、その下端部が被覆部30Dを介
して下側円筒部16の縮径部16Aへと当接することに
より、内筒金具12内からの脱落が防止されている。
【0032】図2に示されるように、ダイヤフラム48
及び弾性体30により囲まれた空間は液室50とされて
おり、この液室50内には、例えば水、オイル等の液体
が封入されている。下側円筒部16内には、ダイヤフラ
ム48の上方に液室50を2個の小液室である主液室5
2及び副液室54に区画する隔壁部材56が嵌挿されて
いる。
【0033】隔壁部材56の中央部には上下面を貫通し
た円形開口56Aが形成されおり、この円形開口56A
はゴム製のメンブラン57により閉止されている。隔壁
部材56は、その外周面が弾性体30の被覆部30Dを
介して下側円筒部16の内周面へ圧接している。また隔
壁部材46は、上面外周側のエッジ部が被覆部30Dを
介して下側円筒部16と上側円筒部14との間のくびれ
部15へ当接している。これにより、隔壁部材56は内
筒金具12内における上方へ移動が拘束されている。
【0034】隔壁部材56の外周面には、図2に示され
るように周方向に沿って一周近くに亘り溝部58が形成
されている。溝部58の外周側は弾性体30の被覆部3
0Dによって閉止される。また溝部58の一端部には、
主液室52と溝部58内とを連通する小径の貫通穴60
が形成され、溝部58の他端部には副液室54と溝部5
8内とを連通する小径の貫通穴62が形成されている。
ここで、溝部58及び貫通穴60,62は主液室52と
副液室54との間を連通するオリフィス64を構成して
いる。
【0035】ダイヤフラム48と外筒金具20の底板部
との間には、図2に示されるようにダイヤフラム48の
たわみ変形を可能とするための空気室66が形成されて
いる。また外筒部材20の底板部には、内圧変化を抑制
するために空気室66を外部へ連通する空気穴68が貫
通している。
【0036】隔壁部材56には、図2に示されるように
円形開口56Aの内周面上端部から軸心L側へ延出する
リブ56Bが形成されている。メンブラン57には、上
面中央部には、リブ56Bの内径と略等しい外径を有す
る円形の凸部57Aが形成され、また下面中央部に円形
の凹部57Bが形成されている。メンブラン57は凸部
57Aをリブ56Bの内側へ嵌挿させており、上面外周
部及び外周面がリブ56B下面及び円形開口56Aの内
周面へ加硫接着されている。ここで、隔壁部材56の上
面と凸部57Aの上面とは面一となっている。
【0037】隔壁部材56の下側には、図2に示される
ように固定金具70が配置されている。固定金具70は
薄肉状の金属板からなり、この固定金具70には、中央
部にカップ状に形成され上方へ突出する円形の凸部70
Aが形成されると共に、この凸部70Aの下端から外周
側へ延出するリング状のフランジ部70Bが形成されて
いる。隔壁部材56の円形開口56A内には、下方から
固定金具70の凸部70Aが嵌挿されており、メンブラ
ン57の下面外周部には、凸部70Aの頂板部が当接し
ている。これにより、メンブラン57の外周部がリブ5
6B及び凸部70Aにより挟持されて確実に固定される
と共に、メンブラン57の凹部57Bと固定金具70の
凸部70Aとの間に軸方向へ偏平な空間が形成される。
この空間は凸部70Aの頂板部に形成された複数の貫通
穴70Cを通して副液室54へ連通している。固定金具
70のフランジ部70Bは支持リング46の上端面及び
隔壁部材56の底面により挟持されており、これによ
り、固定金具70の副液室54内での移動が拘束されて
いる。
【0038】また固定金具70の凸部70Aの側壁部に
は、隔壁部材56の貫通穴62に面して開口部70Dが
形成されており、この開口部70Dを介して貫通穴62
は副液室54内へ連通している。
【0039】(実施形態の作用)次に、本実施形態に係
る防振装置10の作用を説明する。本実施形態の防振装
置10では、アームブラケット36の先端部に連結され
たエンジンが作動すると、エンジンからの振動によりア
ームブラケット36及び取付金具32が内筒金具12に
対して相対変位する。これにより、取付金具32と内筒
金具12との間に介在する弾性体30が弾性変形する。
このとき、弾性体30は吸振主体として機能し、弾性体
30の内部摩擦に基づく吸振作用によってエンジンから
の振動が吸収される。さらに、アームブラケット36と
ストッパ金具40との間にゴム製のカバー部材38が介
在することにより、アームブラケット36の変位に伴っ
てカバー部材38が弾性変形する。これにより、カバー
部材38の内部摩擦によってもエンジンから伝達される
振動の一部が吸収される。
【0040】本実施形態の防振装置10では、上記のよ
うな弾性体30及びカバー部材38の吸振作用に加え、
オリフィス64及び液室52,54に封入された液体の
圧力変化等によっても振動を吸収できる。
【0041】すなわち、エンジンからの振動入力時に弾
性体30が弾性変形すると、この弾性変形に伴って主液
室54の内容積が拡縮する。これにより、エンジンから
入力される振動のうち比較的低い周波数域の振動、例え
ばシェイク振動等の入力時には、主液室52内に封入さ
れた液体と副液室54内に封入された液体がオリフィス
64を通して相互に流通し、このオリフィス64により
形成されるオリフィス空間に生ずる液体の圧力変化、液
体流動の粘性抵抗等により振動エネルギが吸収されるの
で、シェイク振動等の比較的低い周波数域の振動を効果
的に吸収できる。
【0042】一方、エンジンから比較的高い周波数域の
振動、例えばアイドル振動等が入力する場合には、比較
的低い周波数域の振動に対応するオリフィス64では目
詰まりが発生して振動を吸収できないときでも、主液室
52内の液体へ伝達される高い周波数域の振動によりメ
ンブラン57が弾性変形することにより、主液室52内
の内圧上昇が抑制される。この結果、エンジンから比較
的高い周波数域の振動が入力した場合でも、主液室52
内の液体により防振装置10の動ばね定数が低下し、高
い周波数域の振動も効果的に吸収できる。
【0043】また、本実施形態の防振装置10では、エ
ンジンから過大な振幅の振動が入力した場合には、外筒
金具20へ固定されたストッパ金具40がアームブラケ
ット36の基端部に対向していることにより、アームブ
ラケット36及び取付金具32の内筒金具12に対する
相対変位が一定範囲内に制限される。このとき、アーム
ブラケット36とストッパ金具40との間にカバー部材
38が介在することから、アームブラケット36の変位
量が増加すると共にカバー部材38の変形抵抗も増大す
る。この結果、エンジンから入力した振動によりアーム
ブラケット36へ作用する衝撃力が緩和され、アームブ
ラケット36及びストッパ金具40の破壊が防止され
る。またカバー部材38によりアームブラケット36が
ストッパ金具40へ直接衝突しないので、衝撃音の発生
も防止される。
【0044】また本実施形態の防振装置10では、スト
ッパ金具40を外筒金具20の上端部へ固定する際に
は、前述したようにストッパ金具40のフランジ部42
を外筒金具20の載置部22上に載置すると共に、スト
ッパ金具40の嵌挿部44を載置部22の嵌挿溝26内
へ嵌挿する。この後、かしめ部42へ外周側から径方向
に沿った加圧力F(図1参照)を加え、かしめ部24を
内周側へ折り曲げてかしめ部24及び載置部22により
フランジ部42を上下から挟持する。これにより、外筒
金具20の載置部22上にストッパ金具40のフランジ
部40が載置されている状態で、外筒金具20のかしめ
部24へ加圧力Fを加えて、かしめ部24を載置部22
上のフランジ部40を挟持するように内周側へ塑性変形
させる際に、かしめ部24を介して加圧力Fがフランジ
部40へ伝達されても、嵌挿溝26内へ嵌挿された嵌挿
部44によりフランジ部40の内周側への移動が拘束さ
れていることから、フランジ部40を介して加圧力Fが
ストッパ金具40の側壁部40Aへ伝わることを阻止で
き、さらにフランジ部40によりかしめ部24の下端部
付近が内周側から支持されるので、かしめ部24へ加え
られた加圧力Fが外筒金具20へ伝わることも阻止でき
る。この結果、ストッパ金具40を外筒金具20へ固定
する際にかしめ部24へ大きな加圧力Fを加えても、こ
の加圧力Fよるストッパ金具40及び外筒金具20の局
部的な変形及び歪みを確実に防止できる。
【0045】なお、本実施形態の防振装置10では、フ
ランジ部42及び嵌挿部44をストッパ金具40へ設
け、かつ前記フランジ部42が載置される載置部22、
フランジ部42をかしめ固定するかしめ部24及び前記
嵌挿部44が嵌挿する嵌挿溝26を外筒金具20へ設け
るようにしたが、これとは逆に、フランジ部及び嵌挿部
を外筒金具20へ設け、かつ載置部、かしめ部及び嵌挿
溝をストッパ金具40へ設けるようにしてもよい。
【0046】また本実施形態の防振装置10では、嵌挿
溝26へ嵌挿される嵌挿部44をフランジ部42の延出
端部を下方へ屈曲して薄板状に形成したが、嵌挿部44
の形状は、薄板状に限定されるものではなく、加圧力F
に対抗できる強度を確保できるならば、他の形状、例え
ばピン状やブロック状等としてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
によれば、ストッパ部材を外筒部材へかしめ固定する際
に外筒部材のかしめ部へ大きな加圧力を加えても、スト
ッパ部材及び外筒部材の変形を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る防振装置を分解した状
態を示す軸方向に沿った断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る防振装置の内部構造を
示す軸方向に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る防振装置を示す側面図
である。
【図4】本発明の実施形態に係るアームブラケット、カ
バー部材及びストッパ金具が組み付けられる前の防振装
置を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る防振装置を示す斜視図
である。
【図6】本発明の実施形態に係る防振装置を示す平面図
である。
【図7】従来の防振装置の一例を分解した状態を示す軸
方向に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 防振装置 14 内筒金具(第2の取付部材) 20 外筒金具(外筒部材) 22 載置部 24 かしめ部 26 嵌挿溝 30 弾性体 32 取付金具(第1の取付部材) 36 アームブラケット(第1の取付部材) 40 ストッパ金具(ストッパ部材) 42 フランジ部 44 嵌挿部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、第2の取付部材と、前記第1の
    取付部材及び第2の取付部材の間に配置される弾性体
    と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され、かつ前
    記第2の取付部材が挿入固定される筒状の外筒部材と、
    前記外筒部材に固定されると共に前記第1の取付部材に
    対向し、前記第1の取付部材の前記第2の取付部材に対
    する相対変位を制限し、かつ前記外筒部材側が開いたア
    ーチ状の断面を有するストッパ部材とを有する防振装置
    であって、 前記ストッパ部材には、前記外筒部材側の開口端に沿っ
    て外周側へ延出したフランジ部と、前記フランジ部から
    前記外筒部材側へ突出した嵌挿部とが形成されており、 前記外筒部材は、前記ストッパ部材側の開口端に沿って
    形成され前記フランジ部が載置される載置部と、前記載
    置部の外周端に沿って形成され載置部上の前記フランジ
    部を挟持するように内周側へ塑性変形される板状のかし
    め部と、前記載置部上に前記フランジ部が載置されると
    前記嵌挿部が嵌挿する嵌挿溝とを有することを特徴とす
    る防振装置。
  2. 【請求項2】 前記嵌挿部は、前記ストッパ部材におけ
    るアーチ状の断面部を挟むような2位置にそれぞれ配置
    されたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
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