JP2002122176A - 防振装置及び防振装置の製造方法 - Google Patents

防振装置及び防振装置の製造方法

Info

Publication number
JP2002122176A
JP2002122176A JP2000316140A JP2000316140A JP2002122176A JP 2002122176 A JP2002122176 A JP 2002122176A JP 2000316140 A JP2000316140 A JP 2000316140A JP 2000316140 A JP2000316140 A JP 2000316140A JP 2002122176 A JP2002122176 A JP 2002122176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal rubber
support member
partition member
vibration
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000316140A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Tsutsumi
龍也 堤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2000316140A priority Critical patent/JP2002122176A/ja
Publication of JP2002122176A publication Critical patent/JP2002122176A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性を確保しつつ組立性を向上する。 【解決手段】 外筒金具12の内側に内側金具16が配
置され、これらの間を弾性体14が繋いでいる。外筒金
具16の嵌合部16Aの部分において、弾性体14の本
体部分から延出されて薄肉に形成されたシールゴム14
Aの内周面がテーパ状に形成される。テーパ状のシール
ゴム14Aの形状に対応して両端部の大きさが相互に異
なった隔壁部材34が、弾性体14のシールゴム14A
の内壁面に嵌合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動発生部からの
振動の伝達を防止する場合等に適用される防振装置及び
このような防振装置を製造する為の防振装置の製造方法
に関するものであり、振動を発生するエンジン等の部材
を支持するマウント類に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻
止するような構造となっている。
【0003】その一例として、以下のような防振装置が
知られている。つまり、外筒金具と内側金具との間に、
ゴム製の弾性体が配置されており、さらに外筒金具内に
配置されたダイヤフラムと弾性体との間に設けられた液
室を一対の液室に区画する隔壁部材が液室内に設置され
た、例えば特開平6−129478号公報に記載された
ような構造にこの防振装置はなっている。従って、搭載
されたエンジンが作動して振動が発生した場合には、弾
性体の制振機能及び、これら両液室間で流動する液体の
粘性抵抗等で振動を吸収し、振動の伝達を阻止するよう
になっている。
【0004】一方、このような従来の防振装置を製造す
る際には、隔壁部材と外筒金具との間をその周方向全体
にわたってシールする為に、隔壁部材を外筒金具内に挿
入した後に外筒金具と一体的にシールゴムを絞り加工す
るか、或いは隔壁部材を全体的に外筒金具内に圧入する
ようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シールゴムを
外筒金具と共に絞り加工する場合、防振装置の組立工程
が複雑になって組立性が低下するだけでなく、外筒金具
を変形させる形となるので、シールゴムが外筒金具から
剥離する虞も生じ、シール性が低下することがあった。
他方、隔壁部材を全体的に長い距離滑らして外筒金具内
に圧入にする場合には、この圧入に伴ってシールゴムを
傷つける可能性が高くなり、これによってもシール性が
低下することが考えられた。本発明は上記事実を考慮
し、シール性を確保しつつ組立性を向上し得る防振装置
及び防振装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
支持部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の支持部材と、これら支持部材間に配置されてこ
れら支持部材間を弾性変形可能に繋ぐ弾性体と、弾性体
を壁面の一部として液体が封入される液室と、第2の支
持部材に取り付けられ且つ第2の支持部材の開放端側が
奥側より広くなるようにテーパ状に内周面が形成された
シールゴムと、シールゴムの形状に対応して両端部の大
きさが相互に異なり且つシールゴムを介して第2の支持
部材と嵌合されて液室を区画しつつ固定される隔壁部材
と、を有したことを特徴とする。
【0007】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。いずれかの支持部材に連結された振動発生部側
から振動が伝達されると、これら二つの支持部材間に配
置される弾性体が弾性変形して弾性体により振動が減衰
される。この結果、振動発生部側からの振動が伝達され
ると、弾性体の変形により振動が低減されて、振動受部
側に振動が伝達され難くなる。
【0008】さらに、弾性体を壁面の一部として液体が
封入される液室を隔壁部材が区画し、これら区画された
液室間を液体が流動することで、液体の粘性抵抗等で一
層振動が低減されるようになる。一方、第2の支持部材
に取り付けられたシールゴムの内周面を、第2の支持部
材の開放端側が奥側より広くなるようにテーパ状に形成
し、このシールゴムの形状に対応して両端部の大きさが
相互に異なる隔壁部材が、シールゴムを介して第2の支
持部材と嵌合されて固定される。
【0009】従って、本請求項に係る防振装置では、あ
る程度までは隔壁部材をシールゴムと接触せずに挿入で
き、その後、わずかな距離を圧入するだけで、隔壁部材
とシールゴムの間に十分なシール代が得られるだけでな
く、圧入する距離が短いのに伴ってシールゴムを傷つけ
ることが少なくなり、シール性を充分に確保できるよう
になる。さらに、シールゴムの絞り加工を採用しないの
で、防振装置の組立性が向上することにもなる。
【0010】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項は請求項1と同様の構成を有して同様
な作用を奏する。但し本請求項では、隔壁部材の両端部
に、外側に拡がる形にそれぞれ形成される先端側フラン
ジ部と基端側フランジ部を備え、先端側フランジ部の外
径が基端側フランジ部の外径より小さく形成され、シー
ルゴムと隔壁部材との間に通路が形成されつつ隔壁部材
の両端部の全周にわたって封止されるように、シールゴ
ム内に隔壁部材が配置されるという構成を有している。
【0011】従って、隔壁部材の両端部にそれぞれフラ
ンジ部が備えられ、テーパ状のシールゴムの内周面に合
わせて、先端側フランジ部の外径を基端側フランジ部の
外径より小さく形成したので、シール性を確実に確保で
きるだけでなく、シールゴムと隔壁部材との間に通路が
形成された形となるので、この通路により隔壁部材によ
って区画された液室間で液体を流動できるようになる。
【0012】請求項3に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項は請求項1及び請求項2と同様の構成
を有して同様な作用を奏する。但し本請求項では、第2
の支持部材の隔壁部材と嵌合する部分をストレートに形
成し、シールゴムの厚みを変化させることでテーパ状に
内周面を形成したという構成を有している。従って、単
にシールゴムの厚みを変化させることにより、第2の支
持部材の隔壁部材と嵌合する部分をテーパ状に形成する
必要が無くなり、第2の支持部材の製造が簡略化されて
防振装置の製造コストが低減されることになる。
【0013】請求項4による防振装置の製造方法は、第
1の支持部材及び第2の支持部材を作製し、これら第1
の支持部材と第2の支持部材との間を弾性変形可能に繋
ぐ弾性体を形成する際に、内周面をテーパ状に形成しつ
つシールゴムを第2の支持部材に配置し、これに合わせ
てシールゴムの形状に対応して両端部の大きさが相互に
異なるように隔壁部材を形成し、次に、この隔壁部材を
第2の支持部材内に圧入しシールゴムを介してこれらの
間を封止することを特徴とする。
【0014】請求項4に係る防振装置の製造方法の作用
を以下に説明する。第1の支持部材と第2の支持部材と
の間を弾性変形可能に繋ぐ弾性体を形成する際に、内周
面をテーパ状に形成されたシールゴムが第2の支持部材
に配置され、このテーパ状に形成されたシールゴムの内
周面の形状に対応して、両端部の大きさが相互に異なる
ように隔壁部材が形成される。そして、この隔壁部材を
第2の支持部材内に圧入し、シールゴムを介してこれら
の間を封止する。
【0015】従って、本請求項に係る防振装置の製造方
法では、請求項1と同様に、わずかな距離を圧入するだ
けで、隔壁部材とシールゴムの間に十分なシール代が得
られるだけでなく、圧入する距離が短いのに伴ってシー
ルゴムを傷つけることが少なくなり、シール性を充分に
確保できるようになる。さらに、シールゴムの絞り加工
を採用しないので、防振装置の組立性が向上することに
もなる。
【0016】請求項5及び請求項6に係る防振装置の製
造方法の作用を以下に説明する。これら請求項は請求項
4と同様の構成を有して同様な作用を奏する。但し請求
項5では、隔壁部材が形成される際に、隔壁部材の両端
部に先端側フランジ部と基端側フランジ部を外側に拡が
る形にそれぞれ形成し、先端側フランジ部の外径が基端
側フランジ部の外径より小さくされたという構成を有し
ているので、請求項2と同様に作用することになる。ま
た、請求項6では、第2の支持部材を作製する際に、第
2の支持部材の隔壁部材と嵌合する部分をストレートに
形成し、第2の支持部材にシールゴムを配置する際に、
シールゴムの厚みを変化させることでテーパ状にシール
ゴムの内周面を形成したという構成を有しているので、
請求項3と同様に作用することになる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の防振装置及び防振装置の
製造方法に係る一実施の形態を図1から図3に示し、こ
れらの図に基づき本実施の形態を説明する。本実施の形
態を表す図1に示すように、この防振装置10の外周側
の部分を円筒状に形成される外筒金具16が構成してい
る。この外筒金具16の下部側には、この外筒金具16
の下面となる底面部16Bが設けられており、この底面
部16Bの中央部に貫通穴20が形成されている。ま
た、外筒金具16の上部側寄りの部分には、ストレート
な形状で外径が下部側より一段大きくなるように形成さ
れた嵌合部16Aが、設けられており、この嵌合部16
Aの上端側は開放された構造になっている。
【0018】この外筒金具16の内周面には、円筒形状
に形成されるゴム製の弾性体14の外周面が加硫接着さ
れており、この外筒金具16が弾性体14を囲んで保持
する形となっている。そして、嵌合部16Aを含む外筒
金具16の上部側に対応する弾性体14の部分は、弾性
体14の本体部分から延出されて薄肉に形成されたシー
ルゴム14Aとされ、このシールゴム14Aが嵌合部1
6Aの内周面全面を被覆している。
【0019】また、このシールゴム14Aの嵌合部16
Aへの接着強度を高める為に、嵌合部16Aに形成され
た孔部18を介して、このシールゴム14Aが外筒金具
16の外周側をも覆っている。尚、ストレートに形成さ
れた嵌合部16Aに対してシールゴム14Aの厚みを変
化させることで、外筒金具16の嵌合部16Aの開放端
側が奥側より広くなるように、テーパ状にこのシールゴ
ム14Aの内周面が形成されている。
【0020】さらに、外筒金具16の内周側の弾性体1
4の中心部には、金属製の内側金具12が加硫接着され
つつ一部埋設されており、この内側金具12の下部が弾
性体14から下方に突出して前述の貫通穴20を貫通し
ている。そして、この内側金具12には、雌ねじが形成
されたねじ穴12Bが設けられている。この内側金具1
2の直上の位置には、外周側が弾性体14に埋設された
当接金具22が内側金具12に接しつつ配置されてい
る。
【0021】以上より、この弾性体14から突出される
内側金具12は図示しないエンジンへの連結用として用
いられることとなり、内側金具12がねじ穴12Bにね
じ止めされた図示しないアーム等を介して振動発生部と
なるエンジンに連結されることになる。また、外筒金具
16が図示しない車体側に嵌合される等により、振動受
部となる車体に外筒金具16が連結されて車体に防振装
置10が固定されている。この為、内側金具12が振動
発生部に連結される第1の支持部材とされ、外筒金具1
6が振動受部に連結される第2の支持部材とされること
になる。
【0022】他方、外筒金具16の上部側の内周部分に
リング状に形成された封止金具24が嵌合されて配置さ
れており、外周端をこの封止金具24に加硫接着したゴ
ム製のダイヤフラム30が、この外筒金具16の上部側
部分に配置されることになる。このダイヤフラム30と
弾性体14との間には、これらの部材で内壁面が形成さ
れた液室32が設けられていて、例えば水、オイル等の
液体が封入されている。そして、この液室32内には、
例えば合成樹脂材料で有底の円筒状に形成された隔壁部
材34が、弾性体14のシールゴム14Aの内壁面に嵌
合されると共に嵌合部16Aに下端部が係合して軸方向
の位置決めがされつつ配置されていて、液室32を一対
の小液室である受圧液室32Aと平衡室32Bとに二分
して区画している。
【0023】また、この隔壁部材34は、テーパ状のシ
ールゴム14Aの形状に対応して両端部の大きさが相互
に異なっている。つまり、隔壁部材34の両端部に、外
側に拡がる形にそれぞれ形成される先端側フランジ部3
4Aと基端側フランジ部34Bを備えているものの、先
端側フランジ部34Aの外径が基端側フランジ部34B
の外径より小さく形成されていて、先端側フランジ部3
4Aと基端側フランジ部34Bとで結ばれる面が円錐台
形のようなテーパ状となっている。
【0024】この隔壁部材34の外周には、この隔壁部
材34の外周に沿いほぼ一周にわたって溝状に形成され
た溝部34Cが設けられている。この溝部34Cの一端
部には、受圧液室32Aと溝部34C内とを連通する連
通口42が形成され、他端部には、平衡室32Bと溝部
34C内とを連通する連通口44が形成されている。
【0025】従って、隔壁部材34の両端部の外周全周
にわたって封止されるようにシールゴム14A内に隔壁
部材34が配置されることで、シールゴム14Aの内壁
面により塞がれたこの溝部34Cが、シールゴム14A
と隔壁部材34との間に形成された通路36となり、こ
の通路36及び連通口42、44が受圧液室32Aと平
衡室32Bとの間を連通するオリフィス46を構成する
こととなる。
【0026】また、この隔壁部材34の中央部に円形の
凹部38が形成される形となっており、この凹部38内
に隔壁部材34を貫通して液体が流動可能な貫通孔40
が設けられている。この隔壁部材34の下部には、円盤
状に形成された保持金具26が配置されており、この保
持金具26の中央に形成された孔部26Aを塞ぐよう
に、この保持金具26にはゴム製の弾性板であるメンブ
ラン48の外周部分が、加硫接着されている。
【0027】次に、本実施の形態に係る防振装置10の
製造の手順を説明する。まず、内側金具12及び外筒金
具16を作製するが、この外筒金具16を作製する際
に、外筒金具16の嵌合部16Aをストレートな円筒形
状に形成しておくことにする。この後、これら内側金具
12と外筒金具16を金型内に入れて、これらの間を弾
性変形可能に繋ぐ弾性体14を加硫して形成すると共
に、この弾性体14の一部となるシールゴム14Aの内
周面がテーパ状に形成されるように、このシールゴム1
4Aを外筒金具16の嵌合部16Aに配置する。つま
り、図3に示すように、この外筒金具16の嵌合部16
Aにシールゴム14Aを取付ける際に、シールゴム14
Aの厚みを変化させることで、テーパ状にシールゴム1
4Aの内周面を形成する。
【0028】一方、これとは別に隔壁部材34を作製す
るが、この際にこの隔壁部材34の両端部に先端側フラ
ンジ部34Aと基端側フランジ部34Bとを外側に拡が
る形にそれぞれ形成する。但し、この先端側フランジ部
34Aの外径は基端側フランジ部34Bの外径より小さ
く形成されている。つまり、図3(A)に示すように、
テーパ状のシールゴム14Aの形状に対応してこのシー
ルゴム14Aのテーパ角θ1と同じテーパ角θ2とされ
る形で、両端部の大きさが相互に異なるように隔壁部材
34を形成する。さらに、これらのフランジ部の外径
は、シールゴム14Aの内径より若干大きくされてい
て、適正なシール代が得られるようになっている。
【0029】次に、液体中において、図2(A)及び図
3(A)に示すようにメンブラン48と共に小径の先端
側フランジ部34Aから隔壁部材34を外筒金具16の
嵌合部16A内に挿入する。この後、隔壁部材34を更
に押し込んで、図2(B)及び図3(B)に示すように
この隔壁部材34を嵌合部16A内に圧入することで、
シールゴム14Aを介してこれらの間が封止される。さ
らに、封止金具24を嵌合部16A内に圧入すること
で、ダイヤフラム30が外筒金具16内に収納され、最
後に嵌合部16Aの端部をかしめることにする。
【0030】以上より、これらの部材が外筒金具16内
に収納されるだけでなく、一対の液室32A、32B間
が隔壁部材34によりシールされると共に、平衡室32
Bの上部がダイヤフラム30によりシールされて、図1
に示すような状態になる。この後、このように完成され
た防振装置10を車両内に設置し、外筒金具16を車体
に連結することにより、防振装置10を車体に搭載する
ことができる。さらに、内側金具12のねじ穴12Bに
図示しないボルトを締結してエンジンに内側金具12を
連結して防振装置10の設置が完了する。
【0031】次に、本実施の形態に係る防振装置10及
び防振装置の製造方法の作用を説明する。筒状に形成さ
れる外筒金具16が車体に連結され、この外筒金具16
の内周側に内側金具12が位置し、この内側金具12の
他端側がエンジンに連結される。さらに、これら内側金
具12と外筒金具16との間に配置される弾性体14
が、内側金具12と外筒金具16とを弾性変形可能に連
結する。
【0032】従って、内側金具12に搭載されるエンジ
ンが作動すると、エンジンの振動が内側金具12を介し
て弾性体14に伝達される。この弾性体14は吸振主体
として作用し、弾性体14の内部摩擦に基づく制振機能
によって振動を吸収することができる。さらに、受圧液
室32A及び平衡室32B内の液体がオリフィス46を
通って相互に流通し、オリフィス空間に生ずる液体の圧
力変化、液体流動の粘性抵抗等に基づく減衰作用で防振
効果を向上することができる。
【0033】一方、外筒金具16に取り付けられたシー
ルゴム14Aの内周面を、外筒金具16の開放端側が奥
側より広くなるようにテーパ状に形成し、このシールゴ
ム14Aの形状に対応して両端部の大きさが相互に異な
る隔壁部材34が、シールゴム14Aを介して外筒金具
16と嵌合されて固定されている。
【0034】従って、本実施の形態に係る防振装置10
では、ある程度までは隔壁部材34をシールゴム14A
と接触せずに挿入でき、その後、わずかな距離を圧入す
るだけで、十分なシール代が得られるだけでなく、圧入
する距離が短いのに伴ってシールゴム14Aを傷つける
ことが少なくなり、シール性を充分に確保できるように
なる。さらに、シールゴム14Aの絞り加工を採用しな
いので、防振装置10の組立性が向上することにもな
る。
【0035】他方、本実施の形態では、隔壁部材34の
両端部にそれぞれフランジ部が備えられ、テーパ状のシ
ールゴム14Aの内周面に合わせて、先端側フランジ部
34Aの外径を基端側フランジ部34Bの外径より小さ
く形成したので、シール性を確実に確保できるだけでな
く、シールゴム14Aと隔壁部材34との間に通路36
が形成された形となるので、この通路36により隔壁部
材34によって区画された液室32A、32B間で液体
を流動できる。
【0036】さらに、本実施の形態では、外筒金具16
の隔壁部材34と嵌合する部分をストレートに形成し、
シールゴム14Aの厚みを変化させることでテーパ状に
内周面を形成している。従って、単にシールゴム14A
の厚みを変化させることにより、外筒金具16の隔壁部
材34と嵌合する部分をテーパ状に形成する必要が無く
なり、外筒金具16の製造が簡略化されて防振装置10
の製造コストが低減されることになる。
【0037】一方、本実施の形態では、高周波の振動が
伝達された場合などのように、狭い振動数範囲の低減の
み可能なオリフィス46が目詰まりしてオリフィス46
のみによっては十分に振動が低減されないときでも、メ
ンブラン48が弾性変形して、液室32内の内圧が高く
なることがない。この結果、オリフィス46では振動を
低減できない高周波数の振動が生じても低動ばねとな
り、防振特性が低減されずに維持され、防振装置10の
効果が十分発揮される。
【0038】尚、上記実施の形態において、振動発生部
であるエンジンに内側金具12側を連結し、振動受部で
ある車体に外筒金具16側を連結するような構成とした
が、この逆の構成としても良い。他方、実施の形態にお
いて、車両に搭載されるエンジンの防振を目的とした
が、本発明の防振装置は例えば車両のボディマウント
等、あるいは車両以外の他の用途にも用いられることは
いうまでもなく、また、弾性体等の形状、寸法及びオリ
フィスの数なども実施の形態のものに限定されるもので
はない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
及び防振装置の製造方法は上記構成としたので、シール
性を確保しつつ組立性を向上して製造コストを低減でき
るという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の一実施の形態の断面図
である。
【図2】本発明に係る防振装置の一実施の形態の組み立
てを説明する図であって、(A)は隔壁部材を外筒金具
の嵌合部内に挿入した状態を示す図であり、(B)は隔
壁部材を更に押し込んで外筒金具の嵌合部内に圧入した
状態を示す図である。
【図3】図2の要部拡大図であって、(A)は図2
(A)の要部を拡大した図であり、(B)は図2(B)
の要部を拡大した図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 内側金具 14 弾性体 14A シールゴム 16 外筒金具 16A 嵌合部 32 液室 32A 受圧液室 32B 平衡室 34 隔壁部材 34A 先端側フランジ部 34B 基端側フランジ部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の支持部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の支持
    部材と、 これら支持部材間に配置されてこれら支持部材間を弾性
    変形可能に繋ぐ弾性体と、 弾性体を壁面の一部として液体が封入される液室と、 第2の支持部材に取り付けられ且つ第2の支持部材の開
    放端側が奥側より広くなるようにテーパ状に内周面が形
    成されたシールゴムと、 シールゴムの形状に対応して両端部の大きさが相互に異
    なり且つシールゴムを介して第2の支持部材と嵌合され
    て液室を区画しつつ固定される隔壁部材と、 を有したことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 隔壁部材の両端部に、外側に拡がる形に
    それぞれ形成される先端側フランジ部と基端側フランジ
    部を備え、 先端側フランジ部の外径が基端側フランジ部の外径より
    小さく形成され、 シールゴムと隔壁部材との間に通路が形成されつつ隔壁
    部材の両端部の全周にわたって封止されるように、シー
    ルゴム内に隔壁部材が配置されることを特徴とする請求
    項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 第2の支持部材の隔壁部材と嵌合する部
    分をストレートに形成し、シールゴムの厚みを変化させ
    ることでテーパ状に内周面を形成したことを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 第1の支持部材及び第2の支持部材を作
    製し、これら第1の支持部材と第2の支持部材との間を
    弾性変形可能に繋ぐ弾性体を形成する際に、内周面をテ
    ーパ状に形成しつつシールゴムを第2の支持部材に配置
    し、 これに合わせてシールゴムの形状に対応して両端部の大
    きさが相互に異なるように隔壁部材を形成し、 次に、この隔壁部材を第2の支持部材内に圧入しシール
    ゴムを介してこれらの間を封止することを特徴とする防
    振装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 隔壁部材が形成される際に、 隔壁部材の両端部に先端側フランジ部と基端側フランジ
    部を外側に拡がる形にそれぞれ形成し、先端側フランジ
    部の外径が基端側フランジ部の外径より小さくされたこ
    とを特徴とする請求項4記載の防振装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 第2の支持部材を作製する際に、第2の
    支持部材の隔壁部材と嵌合する部分をストレートに形成
    し、 第2の支持部材にシールゴムを配置する際に、シールゴ
    ムの厚みを変化させることでテーパ状にシールゴムの内
    周面を形成したことを特徴とする請求項4または請求項
    5記載の防振装置の製造方法。
JP2000316140A 2000-10-17 2000-10-17 防振装置及び防振装置の製造方法 Pending JP2002122176A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316140A JP2002122176A (ja) 2000-10-17 2000-10-17 防振装置及び防振装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000316140A JP2002122176A (ja) 2000-10-17 2000-10-17 防振装置及び防振装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002122176A true JP2002122176A (ja) 2002-04-26

Family

ID=18795130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000316140A Pending JP2002122176A (ja) 2000-10-17 2000-10-17 防振装置及び防振装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002122176A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007064248A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
JP2009058011A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置とその製造方法
JP2009293747A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Bridgestone Corp 防振装置
JP2010169225A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Bridgestone Corp 防振装置
JP2010174998A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007064248A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振装置
JP2009058011A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置とその製造方法
JP2009293747A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Bridgestone Corp 防振装置
JP2010169225A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Bridgestone Corp 防振装置
JP2010174998A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5264255B2 (ja) 防振装置
US8430373B2 (en) Fluid-filled type vibration damping device
JPH1089401A (ja) 防振装置
JPH06105096B2 (ja) 流体封入式マウント装置およびその製造方法
JP5557837B2 (ja) 防振装置
US5839720A (en) Vibration isolating apparatus
JP2003120745A (ja) 防振装置
JP2010216629A (ja) 防振装置
JP4976056B2 (ja) 防振装置
JP2002181117A (ja) 流体封入式防振装置およびその製造方法
JP2002122176A (ja) 防振装置及び防振装置の製造方法
JP2010048282A (ja) 防振装置
JPH11153178A (ja) 防振装置
JP2000220686A (ja) 防振装置
JP2003156095A (ja) 流体封入式防振装置
JPH1078074A (ja) 防振装置及び防振装置の製造方法
JP2010249249A (ja) 防振装置
JPH10132017A (ja) 防振装置
JP2008138773A (ja) 防振装置
JPH06264956A (ja) 流体封入式マウント装置
JP2003083391A (ja) 液封入式防振装置
JPH11294534A (ja) 防振装置
JP2007205437A (ja) 流体封入式防振装置
JP2002122177A (ja) 防振装置及び防振装置の製造方法
JP3421153B2 (ja) 防振装置