JP3901070B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジンマウント等に用いられる液体封入式防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の液体封入式防振装置としては、例えば特許文献1に示すように、互いに離隔して配設された上部取付金具及び本体金具と、上部取付金具と本体金具との間を弾性的に連結するゴム弾性体とを設けており、さらに本体金具の外周側に一方向に延出したストッパ部と、上部取付金具からストッパ部上方に所定間隔を隔てて延出したスタビライザとを設けたものが知られている。本体金具は、下端部に下部取付金具が加締め固定されている。また、ストッパ部は、本体金具のフランジ部に曲げ加工等によってストッパ金具を重ね合せて一体で構成されている。この防振装置では、ストッパ部とスタビライザの当接によりゴム弾性体の一定限度を越える変形が防止されるようになっている。その他、特許文献2や、特許文献3等にも同様な構成の液体封入式防振装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−89356号公報(第1−3頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−297837号公報(第1−4頁、図1)
【特許文献3】
特開2001−116080号公報(第1−5頁、図1、2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記液体封入式防振装置においては、ゴム弾性体の過大な変形を防止するために、別部材としてスタビライザを用いる必要があり、その結果、防振装置の重量が重くなると共に、装置の組立作業も煩雑であった。また、本体金具の下端部に下部取付金具を加締めて固定する必要があり、防振装置の組付け作業がさらに煩雑になるという問題もある。
【0005】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、重量を重くすることなくかつ簡易な構成によってストッパ部の強度を確保でき、さらに組立作業の簡易な液体封入式防振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に係る発明の構成上の特徴は、第1取付金具と、第1取付金具から振動入力方向に離間して配置され、第1取付金具と対向する軸方向一端にて径方向外方に向けて突出した第1突出部を有する筒状の本体金具と、第1取付金具と本体金具との間を弾性的に連結すると共に本体金具の一端側を閉塞する弾性体本体部と、本体金具の他端側を閉塞して第1取付金具、本体金具及び弾性体本体部と共に内部に液室を形成する封止部と、本体金具の外周側に圧入により固定されると共に、軸方向一端にて径方向外方に向けて突出して第1突出部に重ね合わされて第1突出部と共にストッパ部を構成する第2突出部を有する筒状の第2取付金具と、弾性体本体部と一体で形成されて、さらに第1突出部の幅方向両側を除いた上面に接着固定された上部挟持部と、上部挟持部の外側端で下方に折り曲げられた連結部と、連結部の下端で軸心方向に延びた上部挟持部と対向する下部挟持部とにより一体で構成されると共に、ストッパ部の第1及び第2突出部を被覆する弾性体ストッパ被覆部と、を備え、第1及び第2突出部からなるストッパ部は、弾性体ストッパ被覆部の下部挟持部を外方に向けて折り曲げて強制的に広げた状態で、第2突出部が第1突出部に重ね合され、その後、外方に広げた下部挟持部を弾性反力によって元に戻すことにより、上部挟持部と下部挟持部とによって挟まれた状態になっていることにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、ストッパ部が、本体金具の第1突出部と第2取付金具の第2突出部とを重ね合せることにより構成されているものであり、別部材としてストッパ部材を用意する必要がない。そのため、本発明においては、ストッパ部を簡易な構成とすることができることにより、ストッパ部を安価に形成することができる。また、ストッパ部は、本体金具の第1突出部と第2取付金具の第2突出部とを重ね合せることにより、ストッパ部としての強度を確保している。そのため、本発明においては、本体金具及び第2取付金具を相対的に軽量化することができ、さらに防振装置全体の重量も軽くすることができる。さらに、本発明において、液体封入式防振装置の組立は、本体金具に第2取付金具を圧入して固定することにより行われるものであり、プレス等による煩雑な曲げ加工や加締め加工等が不要になる。その結果、防振装置の組立作業が簡易化され、その製造コストを安価にすることができる。また、ストッパ部は、第1突出部と第2突出部とを重ね合せた構成であり、さらに第1及び第2突出部が弾性体ストッパ被覆部によって被覆保持されるため、防振装置への振動入力等によって第2取付金具が本体金具から抜けるという不具合を確実に防止することができる。
【0008】
また、請求項1の発明においては、弾性体ストッパ被覆部を弾性体本体部と一体で形成できることにより、弾性体ストッパ被覆部のみを形成するための手間を省くことができ、防振装置の製造コストをさらに安価にすることができる。
【0009】
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の液体封入式防振装置において、ストッパ部を構成する第1及び第2突出部が周上1箇所において設けられると共に、弾性体ストッパ被覆部は、第1及び第2突出部の表面を構成する平面部及び突出端部に加えて、両側縁部も被覆していることにある。このように、弾性体ストッパ被覆部によってストッパ部の両側縁部も被覆されることにより、防振装置にストッパ部の両側縁部方向の振動が加えられたときに、金属製のストッパ部が直接相手部材に当接することを防止できる。また。ストッパ部の両側縁部の延長方向に適正な距離を隔てて相手部材を配設することにより、液体封入式防振装置の両側縁部の延長方向への過大な振動が加えられたとき、弾性体ストッパ被覆部で覆われたストッパ部が相手部材に当接することにより、防振装置に対する振動が適正な範囲に抑えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1及び図2は、第1実施形態である自動車用エンジンマウントとして使用される液体封入式防振装置(以下、防振装置と記す)を断面図及び平面図により示したものであり、図3〜図5は、液体封入式防振装置のマウント本体を断面図、平面図及び側面図により示したものであり、さらに図6〜図8は、液体封入式防振装置の第2取付金具を平面図、VII方向矢視図及びVIII方向矢視図により示したものである。
【0011】
防振装置10は、マウント本体11と、マウント本体11に圧入により一体的に取り付けられた第2取付金具41とを備えている。マウント本体11は、第1取付金具12と、第1取付金具12から振動入力方向に離間して配置され、第1取付金具12と対向する軸方向一端にて径方向外方に向けて突出したフランジ部26とフランジ部26よりさらに径方向外方に突出した第1突出部27を設けた円筒状の本体金具21と、第1取付金具12と本体金具21との間を弾性的に連結するゴム弾性体製の弾性体本体部31と、本体金具21の他端側に圧入された封止部であるオリフィス部材37及びダイヤフラム部材38とを備えている。
【0012】
これら第1取付金具12と、本体金具21と、弾性体本体部31とオリフィス部材37及びダイヤフラム部材38とによって囲まれた内部には、上液室E1及び下液室E2が形成されている。第2取付金具41は、フランジ部26に当接する端部に、第1突出部27に重ね合わされて第1突出部27と共にストッパ部Sを構成する第2突出部44を設けており、本体金具21の外周側に圧入により固定される。なお、以下の説明において、防振装置の各部の上下関係については、図1、図3の上下に合わせることとする。
【0013】
第1取付金具12は、図3〜図5に示すように、略逆円錐形状であって、上端側が平坦な平板部13になっている。平板部13は、円形の外周部にて径方向の対向する2箇所が略平行にわずかに切り欠かれていると共に、これに直交する1ヶ所で直角方向にわずかに切り欠かれた異形形状の平板である。平板部13の上面の上記対向する2箇所の切り欠かれた部分に接した内側には、長尺板状の一対の位置決め板部14が互い対向して固定されている。各位置決め板部14は、それぞれ対向辺側が一端(図4の右端)から他端(図4の左端)に向けて傾斜しており、対向辺間の距離が連続してわずかに広げられている。一対の位置決め板部14は、第1取付金具12が固定される後述するエンジンのブラケット2に対する位置合せに用いられる。そして、第1取付金具12中心位置には、内周面にねじ溝が形成された取付孔15が、平板部13を貫通して逆円錐部分の頂点の近傍位置まで達する深さで形成されている。第1取付金具12は、一対の位置決め板部14が本体金具21の第1突出部27の突出方向に平行になるように本体金具21に対して配置されている。
【0014】
本体金具21は、略円筒形の筒部22と、筒部22の上端(一端)開口周縁にて径方向外方に延びた環状のフランジ部26と、フランジ部26よりさらに径方向外方に延びた第1突出部27とを一体で設けている。筒部22は、上端から軸方向の略中間位置に至る大径部23と、大径部23から下端近傍に至る中径部24と、その下側の小径部25とからなる。小径部25については、下端側が縮径された縮径部25aになっており、さらに最下端部が軸心方向にわずかに傾斜して折り曲げられた内側曲げ部25bに形成されている。縮径部25a及び内側曲げ部25bについては、上記オリフィス部材37及びダイヤフラム部材38が筒部22内に挿着された後に、絞り加工により形成される。
【0015】
フランジ部26は、図4に示すように、大径部23の上端にて、上記位置決め板部14の各他端を結んだ延長線を略境界としてその右側の外周縁から径方向外方に円環状にわずかに突出して設けられている。第1突出部27は、フランジ部26以外の大径部23の外周縁から径方向外方にかつフランジ部26との境界にてフランジ部26外周の接線方向に連続して略台形状に延びて設けられている。本体金具21は、板材にプレス成形(絞り加工)を施すことによって形成されたものであり、筒部22の下端開口はプレス成形の絞り加工の工程中において下端側の内側底壁部分を打ち抜く加工によって形成される。
【0016】
本体金具21の上端には、ゴム弾性体製の弾性体本体部31が、大径部23内周面の全周に沿って設けられており、大径部23の上端側開口を閉鎖している。弾性体本体部31は、本体金具21の上端から軸方向外方に山状に膨出すると共に、本体金具21の内部の上記大径部23の略下端位置で軸直角方向内方にわずかに広がる環状の底部32になっており、さらに底部32の内端にて軸心を中心として略山形に凹んだ凹み部33を設けている。弾性体本体部31の山形に膨出した頂部側には、上記第1取付金具12の逆円錐形状の部分が弾性体本体部31に同軸的に埋設されている。また、弾性体本体部31は、その下端から本体金具21内周面の中径部24を経て小径部25の略中間位置に至る部分に、薄肉のゴム弾性体被覆部34を一体で設けている。また、弾性体本体部31は、フランジ部26上に全周に沿ってわずかに延びた円環状の薄肉部35を設けている。
【0017】
さらに、弾性体本体部31の薄肉部35に連続して、ゴム弾性体製の厚肉のストッパ被覆部36が、上記第1突出部27側に突出して設けられている。ストッパ被覆部36は、第1突出部27の幅方向両側を除いた上面に接着固定された長方形の厚肉の上部挟持部36aと、上部挟持部36aの外側端で下方に折り曲げられたわずかに延びた連結部36bと、連結部36bの下端で軸心方向に延びた上部挟持部36aと対向する厚肉の下部挟持部36cとにより一体で構成されている。下部挟持部36cと第1突出部27との間には、後述する第2取付金具41の第2突出部44が挿嵌される隙間39が設けられている。弾性体本体部31とストッパ被覆部36とは、ゴム加硫成形により一体で形成される。
【0018】
筒部22内のゴム弾性体被覆部34含む下端近傍位置までの空間内には、軸方向内側から順に封止部であるオリフィス部材37とダイヤフラム部材38が同軸的に挿着されている。オリフィス部材37は、円盤形状であって、その外周縁部に沿って断面が略コ字状のオリフィス通路37aを設けており、その一端側が軸方向上方(上液室E1)に開口した上開口部37bになっており、他端側が軸方向下方(下液室E2)に開口した開口部37cになっている。このオリフィス部材37で仕切られた上記弾性体本体部31の山形凹み部33内が、上液室E1に形成されている。ダイヤフラム部材38は、リング状の金具38aの内側に軸方向の一方に膨らんだゴム製の薄膜38bを設けたものであり、薄膜38bはオリフィス部材37方向に膨らんだ状態で配置される。ダイヤフラム部材38とオリフィス部材37とに囲まれて下液室E2が形成される。
【0019】
筒部22は、オリフィス部材37とダイヤフラム部材38がその内部に圧入により挿嵌された後、小径部25の下半分の全周に絞り加工が施されて縮径部25aにされ、さらに最下端部が絞り加工により軸心方向にわずかに折り曲げられて内側曲げ部25bに形成される。これにより、オリフィス部材37とダイヤフラム部材38は、筒部22内に強固に保持されさらに内側曲げ部25bによって係止されることにより、本体金具21からの脱落が防止される。
【0020】
上記マウント本体11の形成については、まず第1取付金具12と本体金具21を、所定の成形金型(図示しない)に装着し、ゴム弾性体材料を注入して加硫成形を行うことにより、弾性体本体部31及びストッパ被覆部36が一体で形成される。この成形品を液体中に浸漬し、筒部22内に順次オリフィス部材37とダイヤフラム部材38を挿着して上下液室E1,E2内に液体を封入した後、本体金具21の小径部25に絞り加工を施すことにより、マウント本体11が得られる。なお、上下液室E1,E2内に封入される液体として、非圧縮性液体が封入されており、例えば水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が何れも採用可能であり、特に液体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性液体が好適に採用される。
【0021】
第2取付金具41は、図6〜図8に示すように、本体金具21より厚肉の金属板製であり、上記筒部22の軸方向長さの略半分の長さの円筒部42を設けており、円筒部42の軸方向一端(上端)開口には径方向に延びたフランジ部43と第2突出部44とを設けている。円筒部42の内径は、本体金具21の大径部23の外径よりわずかに小さくされている。フランジ部43と第2突出部44の外周形状は、上記本体金具21のフランジ部26と第1突出部27の外周形状と略同一である。円筒部42の外周面のフランジ部43と第2突出部44との両境界に対応する所定範囲には、一対の固定部材45がそれぞれ溶接により固定されている。
【0022】
固定部材45は、長方形の一隅にその一辺に沿ってわずかに曲線状に切り欠かれた異形の底板部46と、底板部46の異形辺と対向する辺から底板部46に対して垂直に立設された取付板部47と、底板部46と取付板部47の両側縁部間をそれぞれ連結する一対の側板部48とにより一体で構成されている。底板部46の中央には、板面を貫通した取付孔46aが設けられている。取付板部47は、円筒部42に密着するように円弧形になっており、その上端側には部材軽量化のために長方形の切欠き部47aを設けている。固定部材45は、取付板部47の上端側の略半分にて筒部22に固定され、下側部分が筒部22のフランジ部43に対する反対方向に突出している。第2取付金具41を構成する円筒部42及び固定部材45は、共に金属板にプレス成形(絞り加工)を施すことによって一体で形成されたものである。
【0023】
この第2取付金具41は、フランジ部43側にてマウント本体11に下方から圧入され、ストッパ被覆部36の下部挟持部36cを外方に向けて折り曲げて強制的に広げた状態で、第2取付金具41の第2突出部44が本体金具21の第1突出部27に重ね合される。その後、外方に広げた下部挟持部36cを弾性反力によって元に戻すことにより、下部挟持部36cが第2突出部44に重ね合わされる。その結果、図1、図2に示すように、第1突出部27と第2突出部44とからなるストッパ部Sが、ストッパ被覆部36の上部挟持部36aと下部挟持部36cとによって挟まれた状態で、第2取付金具41がマウント本体11に強固に取り付けられて、防振装置10が得られる。
【0024】
上記のように形成された防振装置10の車両への組付けは、以下の手順で行われる。まず、図9に示すように、第1取付金具12の一対の位置決め板部14により、一方の相手部材であるエンジン1に設けたブラケット2を挟み、ボルト17をブラケット2の取付孔2aに挿通させ、さらに第1取付金具12の取付孔15に螺着させることにより、第1取付金具12がブラケット2に取り付けられる。ここで、ストッパ被覆部36に被覆された第1突出部27及び第2突出部44からなるストッパ部Sが、ブラケット2に設けられたコの字形の凹部3内に配置されており、凹部3の上下に配設されたバウンド当接部3a及びリバウンド当接部3bに対して、上下に所定の隙間を隔てて挟まれている。つぎに、第2取付金具41の一対の固定部材45の底板部46を、他方の相手部材である車体側部材4に位置合せし、底板部46の取付孔46aにボルト49を挿通させ、さらに車体側部材4の取付孔4aに螺着させることにより、第2取付金具41が車体側部材4に取り付けられる。
【0025】
このように、エンジン側ブラケット2と車体側部材4とに組み付けられた防振装置10においては、軸方向(図9の上下方向)に振動入力が加えられると、ストッパ部Sの上下動が、バウンド当接部3a及びリバウンド当接部3bに当接しない範囲では、防振装置本来の振動減衰作用が発揮され、エンジン側から車体側への振動伝達が抑えられる。一方、車体側から過大な振動入力が加えられたり、車両の発進時や急加減速時にエンジンの動きが大きくなったりすると、ストッパ被覆部36で覆われたストッパ部Sがブラケット2のバウンド当接部3a及びリバウンド当接部3bに当接することによって、エンジン側と車体側の過大な相対変位が抑えられる。
【0026】
上記のように構成した第1実施形態においては、ストッパ部Sが、本体金具21の第1突出部27と第2取付金具41の第2突出部44とを重ね合せることにより構成されているものであり、別部材としてストッパ部材を用意する必要がないため、ストッパ部Sを簡易な構造とすることができかつストッパ部Sを安価に形成することができる。また、ストッパ部Sが、本体金具21の第1突出部27と第2取付金具41の第2突出部44とを重ね合せることにより、ストッパ部Sとしての強度を確保している。そのため、本体金具21及び第2取付金具41を軽量化することができ、さらには防振装置全体の重量も軽くすることができる。
【0027】
また、この防振装置10は、第2取付金具41を本体金具21に圧入することにより固定されるものであり、プレス等による煩雑な曲げ加工や加締め加工等が不要になる。そのため、防振装置10の組立作業が簡易化され、その製造コストが安価にされる。さらに、ストッパ部Sは、本体金具21の第1突出部27と第2取付金具41の第2突出部44とを重ね合せる構成であり、さらにストッパ被覆部36によって被覆保持されるため、防振装置10への振動入力によって第2取付金具41が軸方向の力を受けて本体金具21から抜けるという不具合を確実に防止することができる。また、ストッパ被覆部36を、弾性体本体部31と加硫成形により一体で形成できることにより、ストッパ被覆部36のみを形成するための手間を省くことができ、防振装置10の製造コストをさらに安価にすることができる。
【0028】
つぎに、第2実施形態について説明する。
図10及び図11は、第2実施形態である防振装置10Aを断面図及び平面図により示したものであり、図12〜図15は、防振装置10Aのマウント本体11Aを断面図、平面図、側面図及び一部断面図により示したものである。第2実施形態は、図10及び図11に示すように、ストッパ部Sを被覆するゴム弾性体製のストッパ被覆部51の構成が、第1実施形態に示したストッパ被覆部36と異なっており、それに伴って本体金具21Aの第1突出部27A及び第2取付金具41Aの第2突出部44Aの形状に変更を加えたものである。さらに、第2実施形態では、ストッパ部Sの移動範囲を決めるストッパ金具61を第1取付金具12Aに取り付けるようにしている。
【0029】
第1突出部27Aは、円環状のフランジ部26を除く筒部22外周の中心角略45°の範囲から径方向に平行にフランジ部26より外方に突出した長方形板形状であり、また第2取付金具41Aの第2突出部44Aも円筒部42から第1突出部27Aと同一の長方形板形状で突出している。また、第1取付金具12Aには、第1実施形態で設けられた位置決め板部14が省略されており、代りに取付孔15にねじ溝を有する取付棒18が螺着されて垂直に突出している。さらに、第1取付金具12Aには、取付孔15から第1突出部27A方向に所定距離離れた位置に、係止突起部19が垂直に突設されている。
【0030】
ストッパ被覆部51は、図12〜図15に示すように、ストッパ被覆部36と同様にゴム弾性体製の長方形状の厚板部材であり、弾性体本体部31の薄肉部35に連続して第1突出部27A側に突出して、第1突出部27Aを囲んで設けられている。ストッパ被覆部51は、第1突出部27Aの上面に接着固定された上部挟持部52と、上部挟持部52の外側端で直角に折り曲げられてわずかに延びた連結部53と、連結部53の下端で軸心方向に延びた上部挟持部52と対向する厚肉の下部挟持部54とにより平坦なコの字状に一体で構成されている。そして、ストッパ被覆部51は、図15に示すように、幅方向両側が第1突出部27Aの両側縁部より外側に延びて両側縁部を被覆する幅被覆部51aとなっている。下部挟持部54と第1突出部27Aとの間には、第2取付金具41の第2突出部44Aが挿嵌される隙間55が設けられている。ストッパ被覆部51も、弾性体本体部31とゴム加硫成形により一体で形成される。
【0031】
ストッパ金具61は、図16に示すように、長尺状の金属板のプレス加工により形成されており、長手方向の一端から他端の間で同一面側に折り曲げられて、水平板部62と、傾斜板部63と、垂直板部64と、第2水平板部65とを連続して設けた略くの字状になっており、さらに各部の両側縁にて同一面側に直角に折り曲げられて延びたフランジ部66を有している。水平板部62は、一端から長手方向の略半分が一端に向けて幅方向両側に連続して広げられて両側縁が曲線状になっており、かつ一端縁にて板面から延長して円弧状に突出した突出部62aを有している。水平板部62の突出部62aを含めた一端側の幅方向中間位置には、長手方向に延びた略長円形状の固定孔62bが板面を貫通して設けられている。また、固定孔62bから長手方向にわずかに離間して、係合孔62cが板面を貫通して形成されている。
【0032】
傾斜板部63は、水平板部62に対して略30°程度傾斜しており、さらに幅方向両側のわずかの範囲を除いて折り曲げ方向に凹んだ凹部67を設けている。凹部67は、水平板部62側にて水平板部62に対して80°程度の急角度で傾斜した傾斜部67aとそれに続く水平板部62に平行な水平部67bとからなる。垂直板部64は、傾斜板部63から同一方向に曲げられて水平板部62に対して垂直にされている。第2水平板部65は、垂直板部64を同一方向に直角に折り曲げられて、水平部67bに平行にかつ対向して設けられており、その長手方向長さが水平部67bよりわずかに短くなっている。また、水平部67bと第2水平部65との間隔は、ストッパ被覆部51の厚さの2倍以上になっている。フランジ部66は、水平板部62及び傾斜板部63側では同一幅であり、傾斜板部63と垂直板部64との境界から、垂直板部64に平行にかつ第2水平板部65の長さに相当する幅になるように幅が広くされている。
【0033】
ストッパ金具61は、図17〜図19に示すように、水平板部62の固定孔62bを第1取付金具12Aの取付棒18に挿嵌し、傾斜板部63、垂直板部64、第2水平板部65及びフランジ部66に囲まれた空間部分内にストッパ被覆部51及びストッパ部Sを配置させた状態で、水平板部62に設けた係合孔62cに第1取付金具12の係止突起部19を挿嵌させることにより、第1取付金具12Aに固定される。このようにストッパ金具61の固定されたマウント本体11Aには、第2取付金具41Aが、第2突出部44Aをストッパ被覆部51の上部挟持部52と下部挟持部54との間に挿入されて第1突出部27Aに重ね合わされた状態で、第1取付金具12Aに固定されることにより、防振装置10Aが得られる。
【0034】
防振装置10Aの車両への組付けは、以下の手順で行われる。まず、防振装置10Aが、ストッパ部Sの突出方向が車両の左右方向を向いて状態で第1取付金具12Aの取付棒18を、相手部材であるエンジンに設けたブラケット(図示しない)に挿入してナットを螺着させることにより、第1取付金具12Aがブラケットに取り付けられる。また、第2取付金具41Aについては、上記第1実施形態に示したと同様に車体側部材(図示しない)に取り付けられる。これにより、ストッパ被覆部51によって被覆されたストッパ部Sは、ストッパ金具61の水平部67bと第2水平板部65の間にて上下中間位置に配置される。防振装置10Aのその他の構成については、第1実施形態と同様であり、同一部分については、第1実施形態で用いたものと同一符号を用いる。
【0035】
上記のように構成した第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、上下方向の過大な振動入力に対して、ストッパ部Sがストッパ金具61に当接することにより、エンジン側と車体側の相対変位を適正範囲に抑える効果が得られる。また、ストッパ被覆部51がストッパ部Sの両側縁部を被覆していることにより、車両の前後方向への動きによって防振装置10Aのストッパ部Sがフランジ部66に当接しても互いに損傷を与え合うことはない。さらに、ストッパ部Sが車両の前後方向に大きく動いたときに、ストッパ部Sの幅方向両側を覆う幅被覆部51aがストッパ金具61の両フランジ部66部に当接することにより前後方向の過大な変位が抑制される。その結果、防振装置10Aの信頼性が良好に確保される。
【0036】
なお、第2実施形態においては、防振装置10Aにストッパ金具61が取り付けられているが、これに代えて第1実施形態に示したように、相手部材に設けたブラケットに車両前後方向の当接部を設けることも可能である。これにより、ストッパ部Sがこの当接部に当接することにより、その前後方向の過大な変位が抑えられる。
【0037】
つぎに、参考例1について説明する。
図20及び図21は、参考例1である防振装置10Bを断面図及び平面図により示したものであり、図22〜図24は、防振装置10Bのマウント本体11Bを断面図、平面図及び側面図により示したものである。参考例1は、図20及び図21に示すように、ストッパ部Sを被覆するゴム弾性体製のストッパ被覆部として、第1実施形態に示したストッパ被覆部36と異なり別部材のストッパ被覆部材68とし、それに伴って本体金具21Bの第1突出部27B及び第2取付金具41Bの第2突出部44Bの形状に変更を加えたものである。
【0038】
ストッパ被覆部材68は、図25に示すように、弾性体本体部31とは別個に形成されたゴム弾性体製の長尺状厚板部材であり、幅方向の一端側に開口して他端側に向けて延びたスリット状の挿入凹部69を設けており、長手方向の両側が幅被覆部68aになっている。挿入凹部69は、長さが本体金具21の第1突出部27B及び第2取付金具41Bの第2突出部44Bの幅であり、厚さが第1突出部27B及び第2突出部44Bを合わせた厚さであり、長手方向両端に、互いに対向して突出した波形の突出部69aを設けている。本体金具21Bの第1突出部27Bは、幅方向の対向辺が互いに平行ではなく、挿入凹部69に合わせて、対向辺に凹み部27B1を設けている。第2取付金具41Bの第2突出部44Bについても第1突出部27と同様である。防振装置のその他の構成については、第1実施形態と同様であり、同一部分については、第1実施形態で用いたものと同一符号を用いる。
【0039】
上記のように構成した参考例1においては、上記第1実施形態と同様に上下方向の過大な振動による変位を抑える効果が得られると共に、ストッパ被覆部材68を、弾性体本体部31と別個に形成しなければならない点で手間であるが、第2取付金具41Bを本体金具21Bへ圧入するときの第1突出部27Bと第2突出部44Bの重ね合わせの際に、ストッパ被覆部を折り曲げる手間が不要となる。そのため、第2取付金具41Bの本体金具21Bへの圧入作業を簡易に行うことができると共に、ストッパ被覆部材68のストッパ部Sへの外嵌固定を簡易にかつ確実におこなうことができる。また、ストッパ被覆部材68の挿入凹部69に設けた波形の突出部69aを、第1突出部27Bの凹み部27B1及び第2突出部44Bの凹み部に係止させることができるので、ストッパ被覆部材68がストッパ部Sに確実に固定され、第2取付金具41Bの本体金具21Bからの抜け止めが確実に達成される。
【0040】
また、ストッパ部Sの幅方向両側がストッパ被覆部材68で覆われていることにより、参考例1においても、上記第2実施形態と同様に、車両の前後方向への動きによって防振装置10Bのストッパ部Sが相手部材に当接しても互いに損傷を与え合うことはない。さらに、ストッパ部Sが車両の前後方向に大きく動いたときに、ストッパ部Sの幅方向両側を覆う幅被覆部68aが相手部材に当接することにより前後方向の過大な変位が抑制され、その結果、防振装置10Bの信頼性が良好に確保される。
【0041】
つぎに、参考例2について説明する。
参考例2に係る防振装置10Cは、図26及び図27に示すように、第1実施形態のマウント本体11及び第2取付金具41に変更を加えたものである。マウント本体71は、図28に示すように、本体金具21Cの長方形状の第1突出部27Cの裏面及びそれに続く筒部22外周面の一部に補強金具72を溶接により取り付けたものである。補強金具72は、本体金具21Cより厚肉の板状金具であり、第1突出部27Cよりわずかに幅の狭い略長方形の平板部73と、平板部73から直角に折り曲げられると共に筒部22の外周面に合わせた曲面形状であり大径部23と略同一長さの曲面部74とからなる。
【0042】
また、ゴム弾性体製のストッパ被覆部76は、図28に示すように、第1突出部27Cの上面に接着された上部挟持部77と、上部挟持部77の外側端で下方に折り曲げられたわずかに延びた連結部78と、連結部78の下端で補強金具72の平板部73表面に接着されて軸心方向に延びた厚肉の下部挟持部79とにより一体で構成されており、第1突出部27C及び補強金具72に対して加硫成形により一体で形成されている。また、ストッパ被覆部76の幅方向両側は、第1突出部27Cと補強金具72とからなるストッパ部Sの幅方向両側を覆う幅被覆部76aになっている。マウント本体71のその他の構成については、上記マウント本体11と同様であり、同一部分については、第1実施形態で用いたものと同一符号を用いる。
【0043】
第2取付金具81は、図29及び図30に示すように、上記第2取付金具41とほぼ同一構成であるが、略円筒形の筒部82は、軸方向に配列された上記筒部22の大径部23と略同一軸方向長さの大径部83と、大径部83よりわずかに径が小さくかつ上記筒部22の中径部24と略同一軸方向長さの小径部84とを一体で有している。また、大径部83の内径は、大径部23の外径よりわずかに小さくされており、小径部84の内径は、中径部24の外径よりわずかに小さくされている。大径部83の端部には、径方向に延びた上記フランジ部43と同一形状のフランジ部85が一体で設けられている。さらに、筒部82及びフランジ部85の一部について、第2取付金具81を本体金具21Cに圧入したときの第1突出部27C及び補強金具72との対応部分が切り欠かれた切欠き部86,87になっている。第2取付金具81のその他の構成については、上記第2取付金具41と同様であり、同一部分については、第1実施形態で用いたものと同一符号を用いる。
【0044】
この第2取付金具81のマウント本体71への組付けについては、第2取付金具81の切欠き部86,87をマウント本体71の第1突出部27C及び補強金具72の位置に合せて、第2取付金具81をマウント本体71に下方から圧入することにより、大径部83が本体金具21Cの大径部23に圧入され、小径部84が中径部24に圧入される。さらに、切欠き部86,87が、第1突出部27C及び補強金具72を囲んだ状態で配置される。これにより、第2取付金具81がマウント本体71に強固に取り付けられて、防振装置10Cが得られる。この防振装置10Cの車両への組付けについては、上記第1実施形態に示したと同様である。
【0045】
上記のように構成した参考例2においては、ストッパ部Sが、本体金具21Cの第1突出部27Cと補強金具72とを重ね合せることにより構成されているものであり、別部材としてストッパ部材を用意する必要がなく、したがってストッパ部Sを簡易にかつ安価に形成することができる。また、ストッパ部Sが、本体金具21Cの第1突出部27Cと補強金具72とを重ね合せることにより、ストッパ部Sとしての強度を確保している。そのため、本体金具21C及び第2取付金具41を軽量化することができ、さらには防振装置全体の重量も軽くすることができる。また、ストッパ部Sの幅方向両側がストッパ被覆部76で覆われていることにより、参考例2においても、上記第2実施形態と同様に、車両の前後方向への動きによって防振装置10Cのストッパ部Sが相手部材に当接しても互いに損傷を与え合うことはない。さらに、ストッパ部Sが車両の前後方向に大きく動いたときに、ストッパ部Sの幅方向両側を覆う幅被覆部76aが相手部材に当接することにより前後方向の過大な変位が抑制され、その結果、防振装置10Cの信頼性が良好に確保される。
【0046】
また、この防振装置は、本体金具21Cに第2取付金具81を圧入することにより固定されるものであり、プレス等による煩雑な曲げ加工や加締め加工等が不要になる。そのため、防振装置の組立作業が簡易化され、その製造コストを安価にすることができる。また、ストッパ被覆部76を、弾性体本体部31と加硫成形により一体で形成できることにより、ストッパ被覆部76のみを形成するための手間を省くことができ、防振装置の製造コストをさらに安価にすることができる。
【0047】
なお、本発明の防振装置の具体的外形等については、上記実施形態に示したものに限られるものではなく、例えば、第1取付金具、本体金具、ゴム弾性体本体部、第2取付金具等の形状について適宜変更可能である。また、ゴム弾性体に代えて他の弾性体エラストマ等の他の弾性体材料を使用することもできる。その他、上記実施形態に示したものは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々変更して実施することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、ストッパ部として別部材を用意する必要がなく、したがってストッパ部を簡易にかつ安価に構成できる。また、ストッパ部が、本体金具の第1突出部と第2取付金具の第2突出部とを重ね合わせることによりストッパ部材としての強度を確保していることにより、防振装置全体の重量も軽量化できる。さらに、液体封入式防振装置の組立てにおいて、プレス等による煩雑な曲げ加工や加締め加工等が不要になるため、組立作業が簡易化され、その製造コストを安価にすることができる。また、ストッパ部は、本体金具の第1突出部と第2取付金具の第2突出部とを重ね合せる構成であり、さらに第1及び第2突出部が弾性体ストッパ被覆部によって被覆保持されるため、第2取付金具の本体金具からの抜けを防止できる。
【0049】
また、ストッパ被覆部を弾性体本体部と一体で形成できることにより、ストッパ被覆部のみを形成するための手間を省くことができ、防振装置の製造コストをさらに安価にすることができる。さらに、弾性体ストッパ被覆部によってストッパ部の両側縁部も被覆されることにより、ストッパ部の当接による相手部材の損傷を防止できると共に、ストッパ部両側縁部の延長方向へ過大な振動に対しても、ストッパ部が相手部材に当接することによりその移動範囲が適正に抑えられる。その結果、防振装置の信頼性が確保される(請求項2の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である液体封入式防振装置を示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】同防振装置を示す平面図である。
【図3】同防振装置を構成するマウント本体を示す図4のIII−III線方向の断面図である。
【図4】同マウント本体を示す平面図である。
【図5】同マウント本体を示す左側面図である。
【図6】同防振装置を構成する第2取付金具を示す平面図である。
【図7】同第2取付金具を示す図6の矢印VII方向の矢視図である。
【図8】同第2取付金具を示す図6の矢印VIII方向の矢視図である。
【図9】防振装置の車両への組付け状態を示す部分断面図である。
【図10】第2実施形態である液体封入式防振装置を示す図11のX−X線方向の断面図である。
【図11】同防振装置を示す平面図である。
【図12】同防振装置を構成するマウント本体を示す図13のXII−XII線方向の断面図である。
【図13】同マウント本体を示す平面図である。
【図14】同マウント本体を示す左側面図である。
【図15】同マウント本体の一部を示す図12のXV−XV線方向の断面図である。
【図16】同防振装置を構成するストッパ金具を示す平面図、正面図及び右側面図である。
【図17】マウント本体にストッパ金具を取り付けた状態を示す図18のXVII−XVII線方向の断面図である。
【図18】マウント本体にストッパ金具を取り付けた状態を示す平面図である。
【図19】マウント本体にストッパ金具を取り付けた状態を示す左側面図である。
【図20】参考例1である液体封入式防振装置を示す図21のY−Y線方向の断面図である。
【図21】同防振装置を示す平面図である。
【図22】同防振装置を構成するマウント本体を示す図23のYII−YII線方向の断面図である。
【図23】同マウント本体を示す平面図である。
【図24】同マウント本体を示す左側面図である。
【図25】ストッパ被覆部材を示す平面図及びB−B線方向の断面図である。
【図26】参考例2である液体封入式防振装置を示す図27のYVI−YVI線方向の断面図である。
【図27】同防振装置を示す平面図である。
【図28】同防振装置を構成するマウント本体を示す断面図である。
【図29】同防振装置を構成する第2取付金具を示す平面図である。
【図30】同第2取付金具を示す図29の矢印YX方向の矢視図である。
【符号の説明】
10…液体封入式防振装置、11…マウント本体、12…第1取付金具、21…本体金具、22…筒部、25a…内側曲げ部、26…フランジ部、27…第1突出部、31…弾性体本体部、34…弾性体被覆部、35…薄肉部、36…ストッパ被覆部、36a…上部挟持部、36b…連結部、36c…下部挟持部、37…オリフィス部材、38…ダイヤフラム部材、41…第2取付金具、42…円筒部、43…フランジ部、44…第2突出部、45…固定部材、51…ストッパ被覆部材、51a…幅被覆部、61…ストッパ金具、68…ストッパ被覆部材、68a…幅被覆部、71…マウント本体、72…補強金具、76…ストッパ被覆部、76a…幅被覆部、81…第2取付金具、82…筒部、86,87…切欠き部、S…ストッパ部、E1…上液室、E2…下液室。
Claims (2)
- 第1取付金具と、
該第1取付金具から振動入力方向に離間して配置され、該第1取付金具と対向する軸方向一端にて径方向外方に向けて突出した第1突出部を有する筒状の本体金具と、
前記第1取付金具と本体金具との間を弾性的に連結すると共に該本体金具の一端側を閉塞する弾性体本体部と、
前記本体金具の他端側を閉塞して前記第1取付金具、本体金具及び弾性体本体部と共に内部に液室を形成する封止部と、
前記本体金具の外周側に圧入により固定されると共に、軸方向一端にて径方向外方に向けて突出して前記第1突出部に重ね合わされて該第1突出部と共にストッパ部を構成する第2突出部を有する筒状の第2取付金具と、
前記弾性体本体部と一体で形成されて、さらに前記第1突出部の幅方向両側を除いた上面に接着固定された上部挟持部と、該上部挟持部の外側端で下方に折り曲げられた連結部と、該連結部の下端で軸心方向に延びた前記上部挟持部と対向する下部挟持部とにより一体で構成されると共に、前記ストッパ部の第1及び第2突出部を被覆する弾性体ストッパ被覆部と、を備え、
前記第1及び第2突出部からなる前記ストッパ部は、前記弾性体ストッパ被覆部の前記下部挟持部を外方に向けて折り曲げて強制的に広げた状態で、前記第2突出部が前記第1突出部に重ね合され、その後、外方に広げた前記下部挟持部を弾性反力によって元に戻すことにより、前記上部挟持部と前記下部挟持部とによって挟まれた状態になっていることを特徴とする液体封入式防振装置。 - 前記ストッパ部を構成する前記第 1 及び第2突出部が周上1箇所において設けられると共に、前記弾性体ストッパ被覆部は、該第1及び第2突出部の表面を構成する平面部及び突出端部に加えて、両側縁部も被覆していることを特徴とする前記請求項1に記載の液体封入式防振装置。
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