JP2000026609A - アルコキシ基末端ポリジオルガノシロキサンの製造方法 - Google Patents

アルコキシ基末端ポリジオルガノシロキサンの製造方法

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JP2000026609A
JP2000026609A JP10196841A JP19684198A JP2000026609A JP 2000026609 A JP2000026609 A JP 2000026609A JP 10196841 A JP10196841 A JP 10196841A JP 19684198 A JP19684198 A JP 19684198A JP 2000026609 A JP2000026609 A JP 2000026609A
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polydiorganosiloxane
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Hiroaki Ebara
啓昭 江原
Kazuhisa Ono
和久 小野
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GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン
から、触媒を用いることなく、収率よくアルコキシ基末
端ポリジオルガノシロキサンを製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 シラノール末端ポリジオルガノシロキサ
ンと、イソシアナト基含有シランとを反応させて、イソ
シアナト基末端ポリジオルガノシロキサンを合成し、該
イソシアナト基末端ポリジオルガノシロキサンにアルコ
ールを反応させて、アルコキシ基末端ポリジオルガノシ
ロキサンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子末端にアルコ
キシ基を有するポリジオルガノシロキサンの製造方法に
関し、さらに詳細には、シラノール末端ポリジオルガノ
シロキサンから、アルコキシ基末端ポリジオルガノシロ
キサンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シラノール基を分子の両末端に有するポ
リジオルガノシロキサンに、ケイ素原子に結合したアル
コキシ基を有するシラン化合物またはその部分加水分解
縮合物を反応させて、架橋した三次元シロキサン骨格構
造を形成させることにより、ゴム状弾性体が得られるこ
とは、広く知られている。このような脱アルコール反応
による架橋を利用して、湿気を遮断した単一の密閉容器
に各成分を収容した1包装型の室温硬化性ポリオルガノ
シロキサン組成物は、硬化の際の副生物による腐食や刺
激臭がないので、建築用シーリング材、電気・電子工業
用接着剤、封止剤などとして広く用いられている。
【0003】この種の組成物は、硬化速度が遅く、また
無水の状態で保存しても保存安定性が悪く、硬化しなく
なるという問題点がある。これはポリジオルガノシロキ
サン末端の水酸基によって、シラン化合物またはその部
分加水分解物中のアルコキシ基が、保存中に分解するた
めと考えられている。
【0004】そこで、ポリジオルガノシロキサンの末端
に、シラノール基の代わりにアルコキシ基を導入したア
ルコキシ基末端ポリジオルガノシロキサンをベースポリ
マーとして用いて、脱アルコール反応による1包装型の
室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の、保存安定
性および硬化性を改良することが行われている。
【0005】ケイ素原子に結合したアルコキシ基を分子
の両末端に有するポリジオルガノシロキサンは、たとえ
ば、シラノール基を分子の両末端に有するポリジオルガ
ノシロキサンに、一般式(VI)
【化4】 (式中、R2 は、非置換または置換の1価の炭化水素基
を表し;R3 は、非置換または置換の、炭素数1〜10
のアルキル基を表し;Yは、加水分解性基を表し;b
は、1〜3の整数である)で示されるアルコキシ基含有
シランを反応させて製造される。この場合、Yとして塩
素原子のようなハロゲン原子を用いれば、反応によって
生成した塩化水素によってアルコキシ基が攻撃されて加
水分解反応を起こしやすい。それを防止するために、該
塩化水素の捕捉剤としてトリエチルアミン、ピリジン、
ピコリンのようなアミン化合物を用いると、生成したア
ミン塩酸塩の微結晶をろ別するという繁雑な工程が必要
になる。
【0006】一方、Yとしてハロゲン原子以外の基、た
とえばOR3 と同一または異なる、非置換または置換ア
ルコキシ基を有するシラン化合物を用いると、ポリジオ
ルガノシロキサンの末端のシラノール基との反応性が低
く、そのため、たとえば米国特許第2909549号明
細書には、水酸化カリウム、カリウムシラノラート、水
酸化ナトリウムのような強塩基性物質の存在下に反応さ
せる方法が開示されている。しかしながら、このような
触媒を用いるとシロキサンの開裂を伴う転位反応を生
じ、目的とする、両末端に非置換または置換アルコキシ
基を有するポリジオルガノシロキサンを純度よくは得ら
れない。
【0007】その改良方法として、特開平4−2265
37号公報には、このような転位反応を生ずる前に、該
強塩基性物質を中和する方法が開示されている。しかし
ながら、このような方法は制御が困難であるばかりか、
中和剤として強酸、弱酸またはメチルクロロシラン類の
ような塩化水素放出物が過剰に存在すると、該中和剤ま
たはそれから放出された酸性物質が、生成したアルコキ
シ末端ポリジオルガノシロキサンのアルコキシ基を攻撃
して加水分解させるおそれがある。
【0008】特開平2−182728号公報には、上記
の反応の触媒として水酸化リチウムを用いる方法が開示
されている。しかしながら、この方法は、望ましい反応
速度と反応効率が得られるように反応を制御することが
困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に容易に入手できるシラノール基末端ポリジオルガノ
シロキサンから、触媒を用いることなく、収率よくアル
コキシ基末端ポリジオルガノシロキサンを製造する方法
を提供することである。なお、本発明において、「アル
コキシ基末端ポリジオルガノシロキサン」とは、末端基
のケイ素原子に、非置換または置換アルコキシ基が結合
したポリジオルガノシロキサンをいう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために研究を重ねた結果、シラノール基末
端ポリジオルガノシロキサンにイソシアナト基含有シラ
ンを反応させて、イソシアナト基末端ポリジオルガノシ
ロキサンを合成し、ついで該イソシアナト基末端ポリジ
オルガノシロキサンにアルコールを反応させることによ
り、その目的を達成しうることを見出して、本発明を完
成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明は、一般式(I):
【化5】 (式中、R1 は、たがいに同一でも異なっていてもよ
い、非置換または置換の1価の炭化水素基を表し;n
は、その粘度を10〜100,000cPにする数であ
る)で示されるシラノール基末端ポリジオルガノシロキ
サンに;該シラノール基含有ポリジオルガノシロキサン
中のシラノール基1モルに対して、一般式(II): R2 4-aSi(NCO)a (II) (式中、R2 は、たがいに同一でも異なっていてもよ
い、非置換または置換の1価の炭化水素基を表し;a
は、2〜4の整数である)で示されるイソシアナト基含
有シラン1モル以上を加えて反応させ、一般式(III):
【化6】 (式中、R1 、R2 、nおよびaは、前述のとおりであ
る)で示されるイソシアナト基末端ポリジオルガノシロ
キサンを得;次に、該イソシアナト基末端ポリジオルガ
ノシロキサンに、系中に存在するイソシアナト基1モル
に対して、一般式(IV): R3 OH (IV) (式中、R3 は、非置換または置換の、炭素数1〜10
のアルキル基を表す)で示されるアルコール1モル以上
を加えて反応させる、ことを特徴とする、一般式
(V):
【化7】 (式中、R1 〜R3 、nおよびaは、前述のとおりであ
る)で示されるアルコキシ基末端ポリジオルガノシロキ
サンの製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法の第1工程は、
シラノール基末端ポリジオルガノシロキサンに、イソシ
アナト基含有シランを反応させて、イソシアナト基末端
ポリジオルガノシロキサンを合成する工程である。
【0013】第1工程において、出発原料として用いら
れるシラノール基末端ポリジオルガノシロキサンは、前
記の一般式(I)で示されるように、両末端のケイ素原
子に水酸基が結合した、実質的に直鎖状のポリジオルガ
ノシロキサンである。R1 は、たがいに同一でも異なっ
ていてもよい、非置換または置換の1価の炭化水素基で
あり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルのよう
なアルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル
基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニル、
トリルのようなアリール基;2−フェニルエチル、2−
フェニルプロピルのようなアラルキル基;およびこれら
の基の水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シア
ノ基などで置換した、クロロメチル、3−クロロプロピ
ル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−シアノプ
ロピルのような置換炭化水素基が挙げられる。該ポリジ
オルガノシロキサンの合成が容易であり、硬化させて優
れた機械的性質を有するゴム状弾性体を得るための該ポ
リジオルガノシロキサンが、比較的低い粘度を示し、こ
れを用いる室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物の
取扱いが容易で、かつ硬化後の弾性体がシリコーンの特
徴である耐熱性、耐寒性、低い表面張力などの諸性質を
バランスよく有することから、R1 の85モル%以上が
メチル基であることが好ましく、100%メチル基であ
ることがさらに好ましい。硬化後の組成物に、光透過
性、耐放射線性、またはさらに優れた耐寒性などが求め
られるときにはフェニル基を、耐油性または耐溶剤性が
求められるときには3,3,3−トリフルオロプロピル
基や3−シアノプロピル基を、優れた表面塗装性が求め
られるときには長鎖アルキル基やアラルキル基をという
ように、任意のR1 をメチル基と組み合わせて用いるこ
とができる。
【0014】nは、該シラノール基末端ポリジオルガノ
シロキサンの25℃における粘度を10〜100,00
0cP、好ましくは500〜30,000cPにする数であ
る。これは、上記のR1 がすべてメチル基であるとき、
15〜3,000、好ましくは150〜1,200の範
囲に該当する。
【0015】このようなシラノール基末端ポリジオルガ
ノシロキサンとしては、α,ω−ジヒドロキシポリジメ
チルシロキサンをはじめとして、そのメチル基の一部が
他の有機基で置換された、α,ω−ジヒドロキシポリメ
チルフェニルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリメ
チル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサ
ン、α,ω−ジヒドロキシポリメチルデシルシロキサ
ン、α,ω−ジヒドロキシポリメチル(2−フェニルプ
ロピル)シロキサンなどが例示される。
【0016】第1工程においてシラノール基末端ポリジ
オルガノシロキサンと反応させるイソシアナト基含有シ
ランは、前記の一般式(II)で示される。R2 は、非置
換または置換の1価の炭化水素基であり、分子中に2個
以上存在するときは、たがいに同一でも異なっていても
よい。また、目的に応じて2種以上を併用しても差し支
えない。R2 としては、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルのよう
なアルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキル
基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニル、
トリルのようなアリール基;2−フェニルエチル、2−
フェニルプロピルのようなアラルキル基;およびクロロ
メチルなどの置換炭化水素基が例示され、合成および取
扱いが容易で、目的物であるアルコキシ基末端ポリジオ
ルガノシロキサンの非置換または置換アルコキシ基の反
応性が優れ、これを室温硬化性ポリジオルガノシロキサ
ン組成物のベースポリマーとして用いるときに、優れた
硬化速度が得られることから、メチル基およびビニル基
が好ましい。
【0017】aは、2〜4の整数である。ポリジオルガ
ノシロキサンの両末端に、分子中に平均2個を越える数
の非置換または置換アルコキシ基を与えて、架橋剤を添
加しないでも硬化を可能にするためには、aが3および
4のものが好ましいが、該ポリジオルガノシロキサンの
使用目的によってはaが2のものを単独で用い、または
aが3および/または4のものと併用してもよい。
【0018】このようなイソシアナト基含有シランとし
ては、テトライソシアナトシラン;メチルトリイソシア
ナトシラン、エチルトリイソシアナトシラン、プロピル
トリイソシアナトシラン、ビニルトリイソシアナトシラ
ン、フェニルトリイソシアナトシランのようなオルガノ
トリイソシアナトシラン;およびジメチルジイソシアナ
トシラン、メチルビニルジイソシアナトシランのような
ジオルガノジイソシアナトシランが例示され、合成が容
易で、アルコキシ基末端ポリオルガノシロキサンのアル
コキシ基の反応性が優れていることから、テトライソシ
アナトシラン、メチルイソシアナトシランおよびビニル
イソシアナトシランが好ましい。
【0019】反応のために用いられるイソシアナト基含
有シランの量は、シラノール基末端ポリジオルガノシロ
キサンに存在するシラノール基1モルに対して1モル以
上、好ましくは3〜15モルである。この量が1モル未
満では、未反応のシラノール基が残存して、第2工程の
反応を触媒なしに有効に進めることができず、また第1
工程の反応を長時間続けると、シラノール基同士の縮合
反応によってポリオルガノシロキサンの分子量が増大
し、所望の粘度のものが得られない。
【0020】反応は、無水の状態で行われ、触媒がなく
ても常温で進行するが、必要に応じて、たとえば0〜1
20℃の範囲で行ってもよい。また、系の粘度を下げる
ために、トルエン、キシレンのような溶媒を添加して反
応させてもよい。反応時間は、30分〜4時間で充分で
ある。
【0021】イソシアナト基含有シランは、分子中に2
〜4個のイソシアナト基を有する。該シランのイソシア
ナト基と上記のシラノール基末端ポリジオルガノシロキ
サンのシラノール基との反応性は、該シランが未反応の
状態ではきわめて高く、その1個のイソシアナト基が反
応してイソシアナト基末端ポリジオルガノシロキサンを
形成すると、残余のイソシアナト基の反応性が低下す
る。したがって、該シランを介して複数のポリジオルガ
ノシロキサンが縮合することによる分子量の増加は、無
視しうるほどに少ない。
【0022】このようにして、第1工程において、一般
式(III)で示されるイソシアナト基末端ポリジオルガノ
シロキサンを、高い収率で得ることができる。得られた
イソシアナト基末端ポリジオルガノシロキサンは、過剰
のイソシアナト基含有シランや縮合反応の際の副生物、
また溶媒を使用した場合は該溶媒を、蒸留によって除去
することにより、精製してもよいが、未精製のまま、第
2工程の反応に供してもよい。
【0023】本発明の第2工程は、第1工程で得られた
イソシアナト基末端ポリジオルガノシロキサンに、一般
式(IV)で示されるアルコールを反応させる工程であ
る。R3 は、非置換または置換の、炭素数1〜10、好
ましくは炭素数1または2のアルキル基である。R3
しては、直鎖状または分岐状のメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルの
ようなアルキル基;および2−メトキシエチル、2−エ
トキシエチルのような置換アルキル基が例示される。ア
ルコールとしては、直鎖状または分岐状のメタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、デカノール、2−メトキシエタノール、2−エトキ
シエタノールなどが例示され、得られたアルコキシ基末
端ポリジオルガノシロキサンが適度の反応性を有し、硬
化してゴム状弾性体を得るのに有利なことから、メタノ
ール、エタノールおよび2−メトキシエタノールが好ま
しく、メタノールが最も好ましい。
【0024】反応のために用いられるアルコールの量
は、系中に存在するイソシアナト基、すなわちイソシア
ナト基末端ポリジオルガノシロキサンに存在するイソシ
アナト基と、未反応のイソシアナト基含有シランが存在
する場合は該シランのイソシアナト基との合計量1モル
に対して、1モル以上であり、反応を円滑に完結させる
ためには、5〜40モルが好ましい。上記のアルコール
の量が1モル未満では、未反応のイソシアナト基がポリ
ジオルガノシロキサンの末端に残り、目的物である一般
式(V)のアルコキシ基末端ポリジオルガノシロキサン
が純度よく得られない。
【0025】反応は、無水の状態で行われ、触媒がなく
ても進行する。短時間に反応を進行させるためには、5
0〜100℃に加熱することが好ましい。また、系の粘
度を下げて反応を円滑に進めるために、トルエン、キシ
レンのような溶媒の存在下に反応を行ってもよい。反応
時間は、R3 の種類および反応温度によっても異なる
が、1〜10時間でよい。
【0026】反応終了後、たとえば未反応のアルコール
および反応によって生成したイソシアン酸アルキル、な
らびに溶媒を使用した場合は該溶媒を留去した後、さら
に減圧下に、第1工程で残存した過剰のイソシアナト基
含有シラン、それがアルコールと反応して生じたアルコ
キシ基含有シランおよびアルコキシ基とイソシアナト基
とを含有するシラン;ならびにカルバミン酸アルキルの
ような副生物を留去することによって、得られたアルコ
キシ基末端ポリジオルガノシロキサンを精製できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。これらの実施例において、部は重量
部を表し、粘度などの物性は、25℃における値であ
る。
【0028】実施例1 撹拌機、加熱マントル、コンデンサー、減圧装置および
温度計を備えた反応器に、OH基含有量が0.0046
mol/100g、粘度が18,900cPのα,ω−ジヒド
ロキシポリジメチルシロキサン1,000部とトルエン
400部を仕込み、室温で撹拌しながら、テトライソシ
アナトシラン5.55部を加え、1時間撹拌を続けて反
応させた。これは、シラノール基1モルに対するテトラ
イソシアナトシラン1.3モルに相当する。ついで、メ
タノール125.6部を加えて、撹拌しながら70℃に
昇温して5時間反応させた。これは、系中のイソシアナ
ト基1モルに対するメタノール25.6モルに相当す
る。反応終了後、撹拌を続けながら常圧で150℃まで
徐々に加熱して、メタノール、トルエンおよびイソシア
ン酸メチルを留去し、ついで150℃/10Torrまで減
圧加熱して、一般式(VII): (CH3 O)4-cSi(NCO)c (VII) (式中、cは1〜3の整数である)で示されるシラン類
とカルバミン酸メチルとを留去して、無色透明、粘度2
3,000cPの油状物941部を得た。
【0029】該油状物は、比重0.980、屈折率1.
400であり、IRスペクトルは、図1に示すとおりで
あった。また、メトキシ基含有量は0.0131mol/1
00g(理論量:0.0138mol/100g)であっ
た。その結果、該油状物は、次式:
【化8】 で示されるα,ω−ビス(トリメトキシシロキシ)ポリ
ジメチルシロキサンであることが確認された。原料の仕
込量とそのモル比、ならびに生成物の粘度、比重および
屈折率を、表1にまとめて示す。
【0030】実施例2、3 α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンの粘度、
OH基含有量、および反応に用いられるテトライソシア
ナトシランとメタノールの量を表1のように変えて、実
施例1と同様にして、表1に示す粘度、比重および屈折
率を有するα,ω−ビス(トリメトキシシロキシ)ポリ
ジメチルシロキサンを得た。
【0031】実施例4 実施例1に用いたのと同様のα,ω−ジヒドロキシポリ
ジメチルシロキサン1,000部を用い、これに、表1
に示す量のメチルトリイソシアナトシランを用いて第1
工程の反応を行わせ、ついで表1に示す量のメタノール
を用いて第2工程の反応を行った以外は実施例1と同様
にして、無色透明な油状物963部を得た。その粘度、
比重および屈折率は、表1に示すとおりであり、メトキ
シ基含有量は0.0097mol/100g(理論量:0.
0092mol/100g)であった。赤外分光分析の結果
と総合して、該油状物は、次式:
【化9】 で示されるα,ω−ビス(メチルジメトキシ)ポリジメ
チルシロキサンであることが確認された。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によって、触媒を用いることな
く、シラノール基末端ポリオルガノシロキサンから容易
に、末端シロキシ単位に1〜3個の任意のアルコキシ基
を有するアルコキシ基末端ポリジオルガノシロキサンを
製造することができる。
【0034】本発明によって製造されるアルコキシ基末
端ポリジオルガノシロキサンは、保存安定性および硬化
性に優れ、金属に対する腐食性の化合物を副生しない室
温硬化性組成物のベースポリマーとして用いられるな
ど、各種の反応性ポリマーとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成したα,ω−ビス(トリメトキ
シシリル)ポリジメチルシロキサンの赤外分光チャート
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は、たがいに同一でも異なっていてもよ
    い、非置換または置換の1価の炭化水素基を表し;n
    は、その粘度を10〜100,000cPにする数であ
    る)で示されるシラノール基末端ポリジオルガノシロキ
    サンに;該シラノール基含有ポリジオルガノシロキサン
    中のシラノール基1モルに対して、一般式(II): R2 4-aSi(NCO)a (II) (式中、R2 は、たがいに同一でも異なっていてもよ
    い、非置換または置換の1価の炭化水素基を表し;a
    は、2〜4の整数である)で示されるイソシアナト基含
    有シラン1モル以上を加えて反応させ、一般式(III): 【化2】 (式中、R1 、R2 、nおよびaは、前述のとおりであ
    る)で示されるイソシアナト基末端ポリジオルガノシロ
    キサンを得;次に、該イソシアナト基末端ポリジオルガ
    ノシロキサンに、系中に存在するイソシアナト基1モル
    に対して、一般式(IV): R3 OH (IV) (式中、R3 は、非置換または置換の、炭素数1〜10
    のアルキル基を表す)で示されるアルコール1モル以上
    を加えて反応させる、ことを特徴とする、一般式
    (V): 【化3】 (式中、R1 〜R3 、nおよびaは、前述のとおりであ
    る)で示されるアルコキシ基末端ポリジオルガノシロキ
    サンの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応を無触媒で行う、請求項1記載の製
    造方法。
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