WO2005121585A1

WO2005121585A1 - 樹脂製ジョイントブーツの製造方法

Info

Publication number: WO2005121585A1
Application number: PCT/JP2004/008421
Authority: WO
Inventors: Takenori Ohshita; Eiichi Imazu; Takeshi Ueda; Katsushi Saito
Original assignee: Toyo Tire & Rubber Co., Ltd.
Priority date: 2004-06-09
Filing date: 2004-06-09
Publication date: 2005-12-22
Also published as: JPWO2005121585A1; JP4071795B2; US20060086457A1

Abstract

大径筒部（14）と小径筒部（16）と蛇腹部（18）とを備えてなるブーツ本体（12）と、大径筒部の内側に嵌合されるブッシュ（30）とを備える樹脂製ジョイントブーツ（10）の製造方法であって、ブーツ本体とブッシュを別々に成形し、ブッシュをブーツ本体の大径筒部の内側に配置した後、レーザー溶着により両者を一体に固着する。大径筒部（14）には開口端部の内周面に外広がりの傾斜面（24）を設け、ブッシュ（30）には上記傾斜面に当接配置される環状突出部（42）を設けておき、レーザー（Ｒ）は環状突出部（42）を透過させて傾斜面（42）に照射させる。

Description

樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法〔技術分野〕

本発明は、例えば自動車の等速ジョイン卜におけるシャフ卜部分を被覆するように用いられる蛇腹伏の樹脂製ジョイントブーツに関し、詳しくは、自動車のドライブシャフ卜等の等速ジョイン卜明に採用されている卜リボー卜タイプのジョイン卜部に好適な樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法に関するものである。

〔背景技術書〕

この種の卜リポー卜タイプの等速ジョイン卜は、図 6及び図了に示すように、入力側と出力側の一方のシャフト 1に、ローラ 2をそれぞれ回転可能に支承した 3本の卜ラニオン 3を軸直角方向に突出させて構成されたトリポー卜 4と、他方のシャフト 5の端部に連設されたアウターケース 6とからなる。このアウターケース 6は、その内周に卜リポー卜 4の 3つのローラ 2に対して軸方向に沿う 3 本の摺動溝 6 aを備える。そして、等速ジョイン卜は、これら各摺動溝 6 aに卜リポ一卜 4の 3つのローラ 2を軸方向に摺動可能に嵌め合わせることにより、両シャフ卜 1， 5の軸心交差角度を相対的に変更可能としながら、回転卜ルクを伝達できるょラに構成されている。

このような等速ジョイン卜においては、ジョイン卜内部への塵埃や異物の浸入を防止するため、あるいはまた封入したグリースが漏れ出さないように保持するために、一般に、アウターケース 6から卜リポー卜 4側のシャフ卜 1部分を覆うよに伸縮及び曲げ変形可能な蛇腹状の樹脂製ジョイン卜ブーツ 1 00が装着されている。

かかるジョイン卜ブーツ 1 00は、軸方向の一端部がアウターケース 6の外周に嵌着されてリング状締付部材了により固定される大径側取付部 1 0 2として形成され、他端部が卜りポー卜 4側のシャフ卜 1の外周にリング伏締付部材 8により固定される小径側取付部 1 03として形成され、両者が蛇腹部 1 0 1により一体に連結されて構成されている。そして、アウターケース 6が、図 7に示すように内周の摺動溝 6 aの配置に対 ¾して、外周形状が周方向に凹凸形状をなしているため、大径側取付部 1 0 2は、その内周形状がアウターケース 6の外周形伏に対 ¾した非円形状をなしている。すなわち、大径側取付部 1〇 2の内周は、ァゥタ一ケース 6の凹伏部 6 bに対して周方向の 3箇所において内方への凸伏部 1 04を備えて形成されている。

曰本国特閧 2003— 3 29 0 5了号（ J P 200 3— 3 2 9〇 5了 A) には、このような凸伏部を一体に設け大径側取付部を備えるジョイン卜ブーツが提案されている。しかしながら、この場合、複数の Ω状部を形成するために厚肉部と薄肉部とを周方向に交互に配置し複雑な形態の筒伏の取付部をインジェクションブロー成形などにより蛇腹部と一体に形成する必要がある。そのためには、特殊な成形金型を使用しなければならず、製造コス卜の上昇につながりやすい。また、成形後における樹脂の収縮によるヒケち発生しやすく、それが原因でァウタ一ケースに装着したときにシール性を損なうことにちなりかねない。このようなヒケの問題を解消するには、非常に高い成形精度ゆ凸状部の形伏改良等が要求されることになり、製造コス卜の一層の上昇を招くことにもなる。

欧州特許出願公開第 9 2445 0号（E P 09 2 4450 A 2) には、上記のような凸伏部を持つブッシュをブーツ本体とは別体に成形し、ブーツ本体の円形状の大径筒部の内周に該ブッシュを配置してからスピン溶接により両者を一体化する技術が開示されている。しかしながら、スピン溶接では、回転により発生する摩擦熱で樹脂を加熱溶融させて溶着するちのであるため、溶着に要する時間が過大となり、結果として製造コス卜の上昇を招 <ことになる。

〔発明の開示〕

上記のような問題点を解消して、製作コス卜の上昇を抑制しつつ、アウターケ一スとの間のシール性に優れる樹脂製ジョイン卜ブーツを得るめには、上記した ΰ伏部を持つブッシュをブーツ本体とは別体に成形した上で、両者をレーザー溶着により一体に固着することが有利である。しかしながら、上記のようにブッシュは凸状部を内周部に持つものであるめ、レーザー照射する際に、ブッシュの中心位置から径方向外方に向けてレーザ一照射したのでは、凸伏部の存在する箇所と存在しない箇所とで、ブッシュの樹脂材料部分を透過するレーザーの光路長に差が出てしまい、周方向において均一なエネルギーでのレーザ一照射を行うことはできない。そのため、図 8に示すように、ブーツ本体の大径筒部 1 1 0の開口端 1 1 0 aから軸方向に離間した位置の軸心（筒軸線）上から斜めにレーザ —Rを照射する必要があるが、この場合、ブッシュ 1 1 2を透過して大径筒部 1 1 0の内周面 1 1〇bに対して照射されるレーザー Rの照射角度 ySが垂直ではなく、斜めに照射されることになる。斜めに照射されると、溶着面である大径筒部 1 1 0の内周面 1 1 〇bでレーザ一 Rが反射して、該内周面 1 1 〇bで吸収されるレーザー Rのエネルギーが小さくなるため、溶着不良が生じたり、それを避けるためにはレーザー強度を高くする必要がある。

本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたちので、製作コス卜の上昇を抑制しつつ、アウターケースとの間のシール性に優れ、しかち、耐^性を十分に確保することができる樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明に係る樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法は、次の工程を含ちのである。

軸方向一端側の大径筒部と、他端側の小径筒部と、両者を一体に連結する蛇腹部とを備えてなるブーツ本体であって、前記大径筒部の開口端部における内周面に外広がりの傾斜面を備えるブーツ本体を、レーザーエネルギー吸収性の熱可塑性樹脂材料から成形する工程；

前記大径筒部の内側に嵌合されるブッシュであって、前記大径筒部の内周面に係合する断面円形伏の外周壁と、周方向の複数箇所において内方への凸状部を持つ内周壁とを備えてなり、前記大径筒部の開口端側に配置される軸方向端部に前記傾斜面に当接配置される環状突出部を備えるブッシュを、レーザーエネルギー透過性の樹脂材料から成形する工程；および

前記プッシュを前記ブーツ本体の前記大径筒部の内側に配置し、レーザ一を、前記ブッシュの前記環伏突出部を透過させて前記ブーツ本体の前記傾斜面に照射することにより、前記環状突出部と前記傾斜面との当接部を加熱溶融させて溶着し、これにより前記ブーツ本体と前記ブッシュを一体化させる工程。

かかる本発明によれば、アウターケース外周の複数の凹伏部に嵌入する凸状部をその内周に有するブッシュをブーツ本体とは別体に成形し、成形後に両者をレ一ザ一溶着により一体化するちのであるから、それらを始めから一体成形する場合に比べて、製造工数自体は増えるものの、特殊な成形金型の使用が不要となること、レ一ザ一溶着に要する時間が一体成形の場合の成形サイクル時間よりち短かくてすむこと、さらに、成形後における収縮に起因するヒケの発生が非常に少なく、それに対処するめの高い成形精度や形状改良等も要求されないことが相俟つて、全体として製造コス卜の低減が図れるとともに、アウターケースとの間のシール性も良好に確保することが可能である。

ま、ブーツ本体とブッシュとはレーザー溶着によって一体に固着されるものであるから、ジョイン卜ブーツの装着使用時にブッシュが抜け出るとか、ガタ付 <とかいったことちな <、両者を一体成形しちのと同等な一体性を持たせて樹脂製ジョイン卜ブーツ全体の耐^性を十分に確保することが可能である。

更に、ブーツ本体の内周面に外広がり傾斜面を設けるととちに、ブッシュには該傾斜面に当接配置される環状突出部を設け、該環状突出部を透過させて前記傾斜面にレーザー照射するようにしたので、ブーツ本体から軸方向に離間した位置での軸心（筒軸線）上から斜めにレーザーを照射する際に、前記傾斜面に対するレーザーの照射角度を垂直または垂直に近い角度にすることができる。そのため、ブッシュの内周部に凸伏部を持つものでありながら、効率的なレーザー溶着を行うことができる。すなわち、レーザーの強度を小さくして消費電力のアップをできるだけ抑制しつつも、レーザーによる溶着性能を良好に確保できる。

本発明の製造方法において、前記環伏突出部は、前記ブーツ本体の前記傾斜面に当接配置される溶着面と、レーザーが入射される入射面とを備え、これら溶着面と入射面との間隔で定義される前記環伏突出部の厚みが一定であることが好ましい。このようにレーザ一が透過する環伏突出部の厚みを一定とすることにより、仮にレーザ一照射装置に対するブーツ本体の装着誤差によりレーザ一の照射位置がずれたとしてち、環伏突出部を透過するレーザーの光路長を一定にすることができ、溶着不良を回避することができる。

本発明の製造方法においては、また、前記ブーツ本体の前記傾斜面に対してレ一ザ一を略垂直（より詳細には、 90° ± 1 0° の範囲内）に照射することが好ましく、これにより効率的なレーザー溶着を行うことができる。

〔図面の簡単な説明〕

m iは、本発明の一実施形態に係る樹脂製ジョイン卜ブーツの半縱断側面図である。

図 2は、該樹脂製ジョイン卜ブーツをその大径筒部側からみた正面図である。図 3は、該樹脂製ジョイントブーツにおけるブーツ本体とブッシュとのレーザ一溶着工程を示す概略図である。

図 4は、実施形態に係るブーツ本体とブッシュとのレーザー溶着時の要部拡大断面図である。

図 5は、他の実施形態に係るブーツ本体とブッシュとのレーザー溶着時の要部拡大断面図である。

図 6は、従来の樹脂製ジョイン卜ブーツを装着した卜りポー卜タイプの等速ジョインを示す縦断側面図である。

図了は、同上等速ジョイン卜の正面図である。

図 8は、比較例に係るブーツ本体とブッシュとのレーザー溶着時の要部拡大断面図である。

〔発明を実施するめの最良の形態〕

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

図 1および 2に示す本実施形態に係る樹脂製ジョイン卜ブーツ 1〇は、図 6および了に示す自動車用の卜リポー卜タイプの等速ジョイン卜に装着されるちのであり、ブーツ本体 1 2とブッシュ 3〇とを一体に固着してなる。

ブーツ本体 1 2は、軸方向一端側の大径筒部 1 4と、該大径筒部 1 4と離間して同軸的に配置された他端側の小径筒部 1 6と、これら大径茼部 1 4と小径筒部 1 6を一体に連結する蛇腹部 1 8とからなる。大径筒部 1 4は、ブッシュ 3 0をインサー卜材として介在させた伏態でアウターケース 6に外嵌固定される短円筒伏をなしており、その外周面にリング状の締付部材 7 (図 6参照）を受け入れるための周方向に延びる固定用凹部 2〇を備える。小径筒部 1 6は、トリポー卜 4 側のシャフ卜 1に外嵌固定される短円筒状をなしており、外周面にリング状の締付部材 8 (図 6参照）を受け入れるための周方向に延びる固定用凹部 2 2を備える。蛇腹部 1 8は、両端に口径差のある断面円形の蛇腹体であり、大径箇部 1 4 から小径筒部 1 6へと順次に小さくなるようにテーパ状に形成され、その内部にグリース封入空間を形成する。

囡 1， 2に示すよに、大径筒部 1 4は、その外周面 1 4 aおよび内周面 1 4 bとちに断面円形状をなしている。そして、図 4に拡大して示すように、大径筒部 1 4の開口端部における内周面 1 4 bには外広がりの傾斜面 24が形成されている。より詳細には、大径茼部 1 4の内周面 1 4 bは、その開口端部が軸方向外方ほど半径方向外方に広がる逆テーパ伏に形成されており、これにより、当該開口端部には、筒軸線に対して傾斜した傾斜面 24が全周にわたって形成されている。

ブッシュ 3 0は、ブーツ本体 1 2の大径筒部 1 4の内側に嵌合されるものであり、大径筒部 1 4の内周面 1 4 bに係合する断面円形状の外周壁 3 0 aと、周方向に 3箇所の凹伏部 6 bが均等配置されアウターケース 6の外周形状に対応して、周方向の 3箇所において内方に湾曲面状に張り出し形成された凸状部 3 2を持つ内周壁 3 O bとを備えてなる。ブッシュ 30は、この実施形態では、大径筒部 1 4の内周面 1 4 bに当接するちのであって略一定の肉厚を持つ筒伏部分 34 と、この筒伏部分 34の内周面から内方に張り出して Ω伏部 3 2を形成する内側壁部 36と、内側壁部 3 6の周方向中央部におし、て外側の筒伏部分 34との間を連結する支持壁部 3 8とからなる。これにより、 Ω状部 3 2は、その周方向中心線 Mを境にして左右対称に 2つの凹部 4〇， 40が形成されており、この凹部 4 〇， 40の存在によってブッシュ 30自身の樹脂成形後における収縮に起因するヒケの発生を抑制している。

図 4に拡大して示すように、ブッシュ 3〇には、上記大径箇部 1 4の開口端側に配置される軸方向端部において、上記傾斜面 24に当接配置される環伏突出部 42が形成されており、この環伏突出部 42と傾斜面 24との当接部が後述するレーザー溶着により一体化されている。

この環状突出部 42は、上記筒伏部分 34の軸方向端部において、ブッシュ 3 〇の軸方向端面 30 cを越えて突出しており、かつ、外広がりの上記傾斜面 24 に沿うように径方向外方に屈曲して延設されている。また、環伏突出部 42は、上記傾斜面 24に当接配置されレーザ一 Rにより当該傾斜面 24に溶着される溶着面 42 aと、レーザ一が入射される入射面 42 bとを備え、これら溶着面 42 aと入射面 42 bとの間隔により定義される環伏突出部 42の厚み Tが一定となるよに、溶着面 42 aと入射面 42 bとは互いに平行に形成されている。

この樹脂製ジョイン卜ブーツ 1 0を製造する際には、上記形状のブーツ本体 1 2を、カーボンブラック等が配合されたレーザーエネルギー吸収性の熱可塑性樹脂材料から、インジェクションブロー成形などの公知の成形方法により成形する。また、プッシュ 30を、例えば力一ボンブラックが配合されていないレーザ一ェネルギー透過性の熱可塑性樹脂材料から、インジェクション成形などによって、上記ブーツ本体 1 2とは別体に成形する。

このようにして別に成形したブーツ本体 1 2とブッシュ 3〇を用いて、ブッシュ 3〇をブーツ本体 1 2の大径筒部 1 4の内側に同心伏に嵌合させだ後、レーザ一溶着によって両者を一体化させる。

レーザ一溶着は、図 3に示すようなレーザー照射装置を用いて行うことができる。すなわち、ブッシュ 3 0を嵌合させたブーツ本体 1 2を、大径筍部 1 4側を上に向け伏態で治具 50を用いて固定し、ブーツ本体 1 2から軸方向上方に離間した位置における軸心 L (筒軸線）上の点 Xから、斜めに（即ち、軸心 Lに対して傾斜し角度で）レーザ一 Rを照射する。レーザ一 Rは、レーザー照射器 5 2から照射され、軸心 L上に配されミラー 54の点 Xで反射されてから、プッシュ 30の環伏突出部 42に向けて照射される。その際、ミラー 54は軸心 Lを中心に回転し、これによりレーザ一 Rは円錐面伏の照射軌跡を描くとともに、環伏突出部 42の周方向においてその全周にわたってレーザ一 Rが照射されることになる。

このようにして環状突出部 42に照射されたレーザー Rは、ブッシュ 3〇がレ一ザ一エネルギー透過性の熱可塑性樹脂材料からなるため、図 4に示すよラに環状突出部 42を透過してブーツ本体 1 2の傾斜面 2 4に照射される。すると、ブーッ本体 1 2はレーザーエネルギー吸収性の熱可塑性樹脂材料からなるため、レ —ザ一 Rは傾斜面 24に吸収され、これにより環状突出部 42と傾斜面 24との当接部が加熱溶融されて溶着する。

この場合において、本実施形態では、ブーツ本体 1 2に傾斜面 24を設け、これに当接配置されるブッシュ 30側の環状突出部 42を透過させてから傾斜面 2 4にレーザー照射するようにしているので、ミラ一 54から傾斜面 24に照射されるレーザー Rの照射角度を略垂直にすることができる。そのため、傾斜面 2 4におけるレーザ一 Rの反射を抑えて、効率的なレーザー溶着を行うことができる。

また、ブッシュ 3〇は周方向の複数箇所に内側への凸状部 3 2を持つちのであるが、凸状部 3 2の端面を越えて軸方向に突出する環伏突出部 42を設けて、この環伏突出部 42に対してレーザ一 Rを照射するようにしているので、凸伏部 3 2を透過させることなく大径筒部 1 4の内周面 1 4 bにレーザー Rを照射させることができる。そのため、ブッシュ 3〇を透過するレーザ一 Rの光路長を周方向で一定として、周方向において均一なエネルギーでのレーザ一溶着を行うことがでぎる。また、レーザー Rが透過する環状突出部 42の厚み Tが上記のように一定であるため、仮にブーツ本体 1 2の装着誤差によりレーザー Rの照射位置が軸方向におし、てずれたとしてち、環状突出部 4 2を透過するレ一ザ一 Rの光路長を一定にすることができ、溶着不良を回避することができる。

図 5は、上記実施形態の変更例に係るブーツ本体 1 2とブッシュ 3〇とのレーザ一溶着時の状態を示しものである。この例では、傾斜面 24は、大径筒部 1 4の開口端部の内周面 1 4 bにおいて段差状に形成されている。従って、図 4に示す例とは異なり、段差部としての傾斜面 24の外側（開口端側）には、軸心に平行な面 1 5が更に設けられている。その他の構成は上記実施形態と同様であり、この場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。また、この例であると、溶着面となる傾斜面 24の外側に軸心平行面 1 5が確保され、そこに環状突出部 42の先端面 42 cが当接配置されている。このように溶着面の外側に軸心平行面 1 5と環伏突出部 42との当接部が確保されていることから、外部から溶着部への異物の浸入を抑制することができ、溶着部の耐久性を向上することができる。

以上説明し本実施形態の製造方法であると、アウターケース 6外周の複数の凹伏部 6 bに嵌入する複数の凸伏部 3 2をその内周に有するブッシュ 3 0をブーッ本体 1 2とは別体に成形し、成形後に両者をレーザー溶着により一体化するため、それらを始めから一体成形する場合に比べて、製造工数自体は増えるものの、特殊な成形金型の使用が不要となること、レーザー溶着に要する時間が一体成形の場合の成形サイクル時間よりち短かくてすこと、さらに、成形後における収縮に起因するヒケの発生が非常に少なく、それに対処するための高い成形精度や形状改良等も要求されないことが相俟って、全体として製造コストの低減が図れるとともに、アウターケース 6との間のシール性ち良好に確保することが可能である。

また、ブーツ本体 1 2とブッシュ 3〇とはレーザ一溶着によって一体に固着されるものであるから、ジョイン卜ブーツ 1 〇の装着使用時にブッシュ 3 0が抜け出るとか、ガタ付くとかいった心配ちなく、両者を一体成形したものと同等な一体性を持たせて樹脂製ジョイン卜ブーツ全体の耐久性を十分に確保することが可能である。

〔産業上の利用可能性〕

本発明は、自動車の等速ジョイン卜を始めとする各種ジョイン卜のシャフ卜部分を被覆するように用いられる蛇腹伏の樹脂製ジョイン卜ブーツの製造に利用することができるちのである。

Claims

請求の範囲 . 軸方向一端側の大径筒部と、他端側の小径筒部と、両者を一体に連結する蛇腹部とを備えてなるブーツ本体であって、前記大径筒部の開口端部における内周面に外広がりの傾斜面を備えるブーツ本体を、レーザーエネルギー吸収性の熱可塑性樹脂材料から成形する工程と、

前記大径筒部の内側に嵌合されるプッシュであって、前記大径筒部の内周面 . に係合する断面円形伏の外周壁と、周方向の複数箇所において内方への凸伏部を持つ内周壁とを備えてなり、前記大径筒部の開口端側に配置される軸方向端部に前記傾斜面に当接配置される環状突出部を備えるブッシュを、レーザーェネルギー透過性の樹脂材料から成形する工程と、

前記ブッシュを前記ブーツ本体の前記大径筒部の内側に配置し、レーザーを、前記ブッシュの前記環状突出部を透過させて前記ブーツ本体の前記傾斜面に照射することにより、前記環伏突出部と前記傾斜面との当接部を加熱溶融させて溶着し、これにより前記ブーツ本体と前記ブッシュを一体化させる工程と、を含樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法。

2. 前記環伏突出部は、前記ブーツ本体の前記傾斜面に当接配置される溶着面と、レーザーが入射される入射面とを備え、これら溶着面と入射面との間隔で定義される前記環伏突出部の厚みが一定であることを特徴とする請求項 1記載の樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法。

3. 前記ブーツ本体の前記傾斜面に対してレーザーを略垂直に照射することを特徴とする請求項 1又は 2記載の樹脂製ジョイン卜ブーツの製造方法。