JP2022075530A - ダストカバーおよびダストカバーの製造方法 - Google Patents

ダストカバーおよびダストカバーの製造方法 Download PDF

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誠一 森山
Seiichi Moriyama
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Abstract

Figure 2022075530000001
【課題】エンジンルームから車室へ入る音を遮蔽して車室の静音性をより高くするダストカバーおよびダストカバーの製造方法を提供すること。
【解決手段】ダストカバーは、ダッシュパネルを貫通して軸方向に延びる第2ステアリングシャフトの外周面に取り付けられる筒状のブッシュと、ダッシュパネルとブッシュとの間に配置される環状の第1ベローズおよび第2ベローズと、を備える。第1ベローズは、軸方向の一方側に凸となる第1可撓部を備え、第2ベローズは、軸方向の他方側に凸となる第2可撓部を備える。第1可撓部においては、軸方向の一方側に凸となる湾曲部が1つであり、第2可撓部においては、軸方向の他方側に凸となる湾曲部が1つである。
【選択図】図4

Description

本開示は、ステアリングシャフトとダッシュパネルとの間の隙間に配置されるダストカバーおよびダストカバーの製造方法に関する。
車両に設けられるステアリング装置は、ステアリングホイールの回転を車輪に伝えるためステアリングシャフトを備える。ステアリングシャフトは、車室とエンジンルームとを隔てるダッシュパネルに設けられた貫通孔の内方を貫通している。
ステアリングホイールの位置の調整または走行中の振動等に伴ってステアリングシャフトが移動するため、ステアリングシャフトとダッシュパネルの貫通孔の縁との間には所定の隙間が設けられる。その一方、粉塵等の異物を含む外気およびエンジンルームで生じる音等の車室内への侵入を防止する必要がある。このため、ステアリングシャフトとダッシュパネルの貫通孔の縁との間の隙間にダストカバーが設けられる。特許文献1に記載されたダストカバーは、第1ベローズと第2ベローズとを備える。第1ベローズは、第1可撓部を備え、第2ベローズは、第2可撓部を備える。第1可撓部および第2可撓部はともに、ステアリングシャフトの軸方向の一方側に凸である。
特開2019-6268号公報
エンジンルームから車室へ入る音を遮蔽して車室の静音性をより高くするダストカバーが望まれている。
本開示は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、エンジンルームから車室へ入る音を遮蔽して車室の静音性をより高くするダストカバーおよびダストカバーの製造方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本開示の一態様に係るダストカバーは、ダッシュパネルを貫通して軸方向に延びるステアリングシャフトの外周面に取り付けられる筒状のブッシュと、前記ダッシュパネルと前記ブッシュとの間に配置される環状の第1ベローズ部および第2ベローズ部と、を備え、前記第1ベローズ部は、前記軸方向の一方側に凸となる第1可撓部を備え、前記第2ベローズ部は、前記軸方向の他方側に凸となる第2可撓部を備える。
このように、第1ベローズ部の第1可撓部は軸方向の一方側に凸となり、第2ベローズ部の第2可撓部は軸方向の他方側に凸となる。従って、第1ベローズ部の第1可撓部および第2ベローズ部の第2可撓部がともに軸方向の一方側に凸となる態様に対して、本開示の方が第1可撓部と第2可撓部とで囲まれる容積が大きくなる。ここで、音の吸音性を考えた場合、第1可撓部と第2可撓部とで囲まれる容積が大きい方がより高い吸音性を有する。以上より、本開示のダストカバーによれば、エンジンルームから車室へ入る音を遮蔽して車室の静音性がより高くなるという効果を得ることができる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記第1可撓部においては、前記軸方向の一方側に凸となる湾曲部が1つであり、前記第2可撓部においては、前記軸方向の他方側に凸となる湾曲部が1つである。これにより、第1可撓部と第2可撓部とで囲まれる容積がさらに大きくなるため、車室の静音性がより高くなる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記第1ベローズ部と前記第2ベローズ部とは別体であってもよい。従って、第1ベローズ部と第2ベローズ部とが一体の場合よりも、ベローズ部の大きさが小さくなり、小さい金型で成形することが可能となる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記第1ベローズ部と前記第2ベローズ部とは、前記ブッシュの軸方向中心を通り且つ前記軸方向に対して直交する平面に関して対称である。従って、第1ベローズ部と第2ベローズ部とが同一形状となるため、部品点数を低減することができ、また、第1ベローズ部と第2ベローズ部とを逆に取り付けても製品性能として問題がないので、組付け作業の点で優位である。
ダストカバーの望ましい態様として、前記ブッシュの外周側には、径方向内側に向けて凹む第1凹部および第2凹部が設けられ、前記第1ベローズ部は、前記第1凹部に嵌合される第1凸部を備え、前記第2ベローズ部は、前記第2凹部に嵌合される第2凸部を備えてもよい。このように簡単な構造で、第1ベローズ部および第2ベローズ部をブッシュに嵌合することができる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記ブッシュの外周側には、径方向外側に向けて突出する第3凸部および第4凸部が設けられ、前記第1ベローズ部は、前記第3凸部に嵌合される第3凹部を備え、前記第2ベローズ部は、前記第4凸部に嵌合される第4凹部を備えてもよい。このように簡単な構造で、第1ベローズ部および第2ベローズ部をブッシュに嵌合することができる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記第1ベローズ部の径方向外側端部および前記第2ベローズ部の径方向外側端部は、環状の取付部材に取り付けられてもよい。従って、第1ベローズ部および第2ベローズ部の径方向外側を固定し、第1ベローズ部の軸方向の一方側に凸の形状、および、第2ベローズ部の軸方向の他方側に凸の形状を保持することができる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記取付部材の外周側には、径方向内側に向けて凹む第5凹部および第6凹部が設けられ、前記第1ベローズ部は、前記第5凹部に嵌合される第5凸部を備え、前記第2ベローズ部は、前記第6凹部に嵌合される第6凸部を備えてもよい。このように簡単な構造で、第1ベローズ部および第2ベローズ部を取付部材に嵌合することができる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記第1ベローズ部の前記径方向外側端部は、径方向内側に突出する第5凸部と、径方向外側に突出する第1フランジ部と、を備え、前記第2ベローズ部の前記径方向外側端部は、径方向内側に突出する第6凸部と、径方向外側に突出する第2フランジ部と、を備え、前記取付部材の外周側には、径方向内側に凹む第7凹部が設けられ、前記第5凸部および前記第6凸部は、軸方向に当接した状態で、前記取付部材の前記第7凹部に嵌合され、前記第1フランジ部および前記第2フランジ部は、前記軸方向に当接した状態で、径方向外側に突出する。これによれば、第1ベローズ部の端部と第2ベローズ部の端部とを当接して取付部材の第7凹部に嵌合するという簡単な作業によって、第1ベローズ部および第2ベローズ部を取付部材へ取り付けられる。また、第1フランジ部および前記第2フランジ部を当接することにより、ダッシュパネルに取り付けられるフランジ部を形成することができる。
ダストカバーの望ましい態様として、前記ブッシュには、前記ステアリングシャフトに向けて延びるシールリップが接着される。このシールリップによって、エンジンルームから車室へ入る音をさらに遮蔽することができる。
本開示の一態様に係るダストカバーの製造方法は、中心軸の軸方向に延びる筒状であって、且つ、前記軸方向の一方側に位置する第1ベローズ部、前記軸方向の中央側に位置して前記第1ベローズ部と前記軸方向で隣接する連結部、および、前記軸方向の他方側に位置して前記連結部と前記軸方向で隣接する第2ベローズ部を備えるベローズを準備する準備ステップと、前記準備ステップの後に、前記ベローズにおける前記連結部の内周に環状のブッシュを挿入する、ブッシュ挿入ステップと、前記ブッシュ挿入ステップの後に、前記第1ベローズ部における前記軸方向の一方側の端部を拡径させつつ前記軸方向の他方側に向けて折り返して、前記軸方向の一方側の端部の外周側を内周側に位置させ、前記第2ベローズ部における前記軸方向の他方側の端部を拡径させつつ前記軸方向の一方側に向けて折り返して、前記軸方向の他方側の端部の外周側を内周側に位置させる、ベローズ端部の折り返しステップと、前記ベローズ端部の折り返しステップの後に、折り返した前記第1ベローズ部の前記軸方向の一方側の端部および前記第2ベローズ部の前記軸方向の他方側の端部を取付部材に取り付ける、ベローズ端部の取り付けステップと、を含む。また、本開示の他の態様に係るダストカバーの製造方法は、前記取付部材の外周側には、径方向内側に凹む第7凹部が設けられており、前記準備ステップにおいて、前記第1ベローズ部における前記軸方向の一方側の端部に、径方向外側に突出する第5凸部と、径方向内側に突出する第1フランジ部と、が設けられ、前記第2ベローズ部における前記軸方向の他方側の端部に、径方向外側に突出する第6凸部と、径方向内側に突出する第2フランジ部と、が設けられ、前記ベローズ端部の折り返しステップにおいて、前記第5凸部は径方向内側に突出し前記第1フランジ部は径方向外側に突出し、前記第6凸部は径方向内側に突出し前記第2フランジ部は径方向外側に突出し、前記ベローズ端部の取り付けステップにおいて、前記第5凸部と前記第6凸部とは当接した状態で前記取付部材の前記第7凹部に嵌合され、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは当接した状態で径方向外側に突出する。
これによれば、第1ベローズ部の端部と第2ベローズ部の端部とを当接して取付部材の第7凹部に嵌合するという簡単な作業によって、第1ベローズ部および第2ベローズ部を取付部材へ取り付けられる。また、第1フランジ部および前記第2フランジ部を当接することにより、ダッシュパネルに取り付けられるフランジ部を形成することができる。
本開示のダストカバーおよびダストカバーの製造方法によれば、エンジンルームから車室へ入る音を遮蔽して車室の静音性がより高くなるという効果を得ることができる。
図1は、第1実施形態に係るステアリング装置の概略を示す模式図である。 図2は、第1実施形態に係るステアリング装置の概略を示す斜視図である。 図3は、第1実施形態に係るダストカバーの周辺の断面図である。 図4は、第1実施形態に係るダストカバーの断面図である。 図5は、第1実施形態に係る取付部材の断面図である。 図6は、第1実施形態に係るブッシュの断面図である。 図7は、第1実施形態に係る第1ベローズ部の断面図である。 図8は、第1実施形態に係る第2ベローズ部の断面図である。 図9は、第1実施形態に係るダストカバーを分解した断面図である。 図10は、第2実施形態に係るダストカバーの断面図である。 図11は、第2実施形態に係るベローズの断面図である。 図12は、第2実施形態に係る射出成形型の断面図であり、第2実施形態のベローズを射出成形している状態を示す。 図13は、第2実施形態に係るベローズの射出成形工程を示すフローチャートである。 図14は、第2実施形態に係るベローズをブッシュおよび取付部材に組み付ける工程を示すフローチャートである。 図15は、第2実施形態に係るベローズをブッシュおよび取付部材に組み付ける工程の変形例を示すフローチャートである。 図16は、第3実施形態に係る射出成形型の断面図であり、ベローズを射出成形している状態を示す。 図17は、図16におけるベローズと入れ子を示す断面図である。 図18は、図17に示す入れ子の側面図である。 図19は、第4実施形態に係るダストカバーの断面図である。 図20は、第4実施形態に係るダストカバーを分解した断面図である。 図21は、第5実施形態に係るダストカバーの断面図である。 図22は、第5実施形態に係るベローズの断面図である。 図23は、第5実施形態に係るベローズをブッシュおよび取付部材に組み付ける工程を示すフローチャートである。 図24は、第6実施形態に係るダストカバーの断面図である。 図25は、第6実施形態に係るダストカバーを分解した断面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、「IN」は車室側、「OUT」はエンジンルーム側を示すものとする。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るステアリング装置の概略を示す模式図である。図2は、第1実施形態に係るステアリング装置の概略を示す斜視図である。図1に示すように、ステアリング装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、第1ステアリングシャフト82と、操舵力アシスト機構83と、ユニバーサルジョイント84と、第2ステアリングシャフト(ステアリングシャフト)85と、ユニバーサルジョイント86と、を備え第3ステアリングシャフト87に接合されている。また、ステアリング装置80は、ECU(Electronic Control Unit)90と、トルクセンサ94とを備える。車速センサ95は、車体に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により車速信号VをECU90に出力する。
図1に示すように、第1ステアリングシャフト82は、入力軸82aと、出力軸82bとを備える。入力軸82aの一方の端部がステアリングホイール81に連結され、入力軸82aの他方の端部が出力軸82bに連結される。また、出力軸82bの一方の端部が入力軸82aに連結され、出力軸82bの他方の端部がユニバーサルジョイント84に連結される。第1実施形態では、入力軸82aおよび出力軸82bは、機械構造用炭素鋼(SC材(Carbon Steel for Machine Structural Use))または機械構造用炭素鋼鋼管(いわゆるSTKM材(Carbon Steel Tubes for Machine Structural Purposes))等の一般的な鋼材等から形成される。
図1に示すように、第2ステアリングシャフト(ステアリングシャフト)85は、ユニバーサルジョイント84を介して出力軸82bに連結される。第2ステアリングシャフト85の一方の端部がユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント86に連結される。第3ステアリングシャフト87の一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、第3ステアリングシャフト87の他方の端部がステアリングギヤ88に連結される。また、図2に示すように、第2ステアリングシャフト85は、ダッシュパネル10を貫通している。ダッシュパネル10は、車室とエンジンルームとを隔てる仕切り板である。
図1に示すように、ステアリングギヤ88は、ピニオン88aと、ラック88bとを備える。ピニオン88aは、第3ステアリングシャフト87に連結される。ラック88bは、ピニオン88aに噛み合う。ステアリングギヤ88は、ピニオン88aに伝達された回転運動をラック88bで直進運動に変換する。ラック88bは、タイロッド89に連結される。すなわち、ステアリング装置80は、ラックアンドピニオン式である。
図1に示すように、操舵力アシスト機構83は、減速装置92と、電動モータ93とを備える。電動モータ93は、例えばブラシレスモータであるが、ブラシ(摺動子)およびコンミテータ(整流子)を備えるモータであってもよい。減速装置92は、例えばウォーム減速装置である。電動モータ93で生じたトルクは、減速装置92の内部のウォームを介してウォームホイールに伝達され、ウォームホイールを回転させる。減速装置92は、ウォームおよびウォームホイールによって、電動モータ93で生じたトルクを増加させる。そして、減速装置92は、出力軸82bに補助操舵トルクを与える。すなわち、ステアリング装置80は、コラムアシスト方式である。
トルクセンサ94は、ステアリングホイール81を介して入力軸82aに伝達された操作者(運転者)の操舵力を操舵トルクとして検出する。車速センサ95は、ステアリング装置80が搭載される車体の走行速度(車速)を検出する。電動モータ93、トルクセンサ94および車速センサ95は、ECU90と電気的に接続される。
ECU90は、電動モータ93の動作を制御する。また、ECU90は、トルクセンサ94および車速センサ95のそれぞれから信号を取得する。すなわち、ECU90は、トルクセンサ94から操舵トルクTを取得し、且つ車速センサ95から車体の車速信号Vを取得する。ECU90は、イグニッションスイッチ98がオンの状態で、電源装置99(例えば車載のバッテリ)から電力が供給される。ECU90は、操舵トルクTと車速信号Vとに基づいてアシスト指令の補助操舵指令値を算出する。そして、ECU90は、その算出された補助操舵指令値に基づいて電動モータ93へ供給する電力値Eを調節する。ECU90は、電動モータ93から誘起電圧の情報または電動モータ93に設けられたレゾルバ等から出力される情報を動作情報Iとして取得する。
ステアリングホイール81に入力された操作者の操舵力は、入力軸82aを介して操舵力アシスト機構83の減速装置92に伝わる。この時、ECU90は、入力軸82aに入力された操舵トルクTをトルクセンサ94から取得し、且つ車速信号Vを車速センサ95から取得する。そして、ECU90は、電動モータ93の動作を制御する。電動モータ93が作り出した補助操舵トルクは、減速装置92に伝えられる。
出力軸82bを介して出力された操舵トルク(補助操舵トルクを含む)は、ユニバーサルジョイント84を介して第2ステアリングシャフト85に伝達され、さらにユニバーサルジョイント86を介して第3ステアリングシャフト87に伝達される。第3ステアリングシャフト87に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ88を介してタイロッド89に伝達され、車輪を変位させる。
図3は、第1実施形態に係るダストカバーの周辺の断面図である。図4は、第1実施形態に係るダストカバーの断面図である。図5は、第1実施形態に係る取付部材の断面図である。図6は、第1実施形態に係るブッシュの断面図である。図7は、第1実施形態に係る第1ベローズ部の断面図である。図8は、第1実施形態に係る第2ベローズ部の断面図である。図9は、第1実施形態に係るダストカバーを分解した断面図である。
以下の説明において、第2ステアリングシャフト85の中心軸AXに沿う方向は軸方向と記載され、軸方向に対する直交方向は径方向と記載され、中心軸AXを中心とした円の接線方向は周方向と記載される。
図3に示すように、ダッシュパネル10は、筒状部101を備える。筒状部101の内周面は、第2ステアリングシャフト85の外周面と対向する。第2ステアリングシャフト85は、ステアリングホイール81の位置の調整または走行中の振動等に伴って移動することがある。このため、筒状部101の内周面と第2ステアリングシャフト85の外周面との間には、環状の隙間Gが設けられている。この隙間Gを塞ぐために、ステアリング装置80は、ダストカバー1を備える。ダストカバー1は、筒状部101の内周面に嵌められており、且つ筒状部101の端部に設けられたフランジ102によって位置決めされている。筒状部101の外周面に設けられたバンド103によって、ダストカバー1が筒状部101に固定されている。
図4に示すように、ダストカバー1は、第1ベローズ部2と、第2ベローズ部3と、ブッシュ4と、取付部材5と、第1シールリップ6と、第2シールリップ7と、を備える。第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とは、別体である。第2ベローズ部3は、第1ベローズ部2に対して車室側に配置される。第1ベローズ部2および第2ベローズ部3の径方向外側端部は、環状の取付部材5に固定される。第1ベローズ部2および第2ベローズ部3の径方向内側端部は、環状のブッシュ4に固定される。第1ベローズ部2および第2ベローズ部3は、ブッシュ4と筒状部101との間の隙間を塞ぐための部材であり、第2ステアリングシャフト85の偏芯によって生じるブッシュ4の移動に伴って変形することができる。
第1ベローズ部2および第2ベローズ部3は、ダッシュパネル10の筒状部101に取付部材5を介して支持されており、筒状部101からブッシュ4に亘って設けられ、例えば合成ゴムで形成されている。より具体的には、合成ゴムのうち軟質ゴムが好ましい。以下、詳細に説明する。
図4に示すように、第1ベローズ部2は、径方向内側端部21と、第1可撓部22と、径方向外側端部23と、を備える。第2ベローズ部3は、径方向内側端部31と、第2可撓部32と、径方向外側端部33と、を備える。第1可撓部22および第2可撓部32は、ブッシュ4の移動に応じて容易に変形可能である。
図4、図7および図9に示すように、中心軸AXを含む断面において、第1ベローズ部2の第1可撓部22は、エンジンルーム側に凸の略U字状である。第1可撓部22は、径方向内側端部21と径方向外側端部23とを繋ぐ部材である。径方向内側端部21は、第1凸部24を有する。第1凸部24は、中心軸AXを含む断面において径方向内側に向けて突出する。径方向外側端部23は、第5凸部25を有する。第5凸部25は、中心軸AXを含む断面において径方向内側に向けて突出する。換言すると、第1ベローズ部2は、径方向外側端部23から湾曲部26を通って径方向内側端部21までに至る全体形状でエンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸となる第1可撓部22を備える。第1可撓部22は、第2ベローズ部3がある方向とは反対方向に向かって凸であるともいえる。更に換言すると、第1可撓部22において、軸方向の一方側(エンジンルーム側)に凸となる湾曲部26が1つである。径方向内側端部21の第1凸部24は、ブッシュ4の外周側の第1凹部46に嵌められる。即ち、第1ベローズ部2は、第1凹部46に嵌合される第1凸部24を備える。径方向外側端部23の第5凸部25は、取付部材5の外周側の第5凹部55に嵌められる。即ち、第1ベローズ部2は、第5凹部55に嵌合される第5凸部25を備える。
図4、図8および図9に示すように、中心軸AXを含む断面において、第2ベローズ部3の第2可撓部32は、車室側に凸の略U字状である。第2可撓部32は、径方向内側端部31と径方向外側端部33とを繋ぐ部材である。径方向内側端部31は、第2凸部34を有する。第2凸部34は、中心軸AXを含む断面において径方向内側に向けて突出する。径方向外側端部33は、第6凸部35を有する。第6凸部35は、中心軸AXを含む断面において径方向内側に向けて突出する。換言すると、第2ベローズ部3は、径方向外側端部33から湾曲部36を通って径方向内側端部31までに至る全体形状で車室側(軸方向の他方側)に凸となる第2可撓部32を備える。第2可撓部32は、第1ベローズ部2がある方向とは反対方向に向かって凸であるともいえる。更に換言すると、第2可撓部32において、軸方向の他方側(車室側)に凸となる湾曲部36が1つである。径方向内側端部31の第2凸部34は、ブッシュ4の外周側の第2凹部47に嵌められる。即ち、第2ベローズ部3は、第2凹部47に嵌合される第2凸部34を備える。径方向外側端部33の第6凸部35は、取付部材5の外周側の第6凹部56に嵌められる。即ち、第2ベローズ部3は、第6凹部56に嵌合される第6凸部35を備える。なお、第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とは、ブッシュ4の軸方向中心CLを通り且つ軸方向に対して直交する平面に関して対称である。なお、実施形態では、第1可撓部22の湾曲部26が1つであり、第2可撓部32の湾曲部36が1つである態様を示しているが、本開示は、これに限定されずに、湾曲部26、36が複数あってもよい。
図3に示すように、取付部材5は、第1ベローズ部2および第2ベローズ部3を筒状部101に押し付ける部材である。取付部材5は、例えばアルミニウム合金製または合成樹脂製であるが、材質はこれらに限定されない。図4、図5および図9に示すように、取付部材5は、本体部51と、フランジ部52、53、54と、を備える。本体部51は、中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円環状に延びる。本体部51の外周側には、フランジ部52、53、54が設けられる。フランジ部52は、本体部51のエンジンルーム側の端部から径方向外側に向けて突出する。フランジ部53は、本体部51の軸方向の中間部から径方向外側に向けて突出する。フランジ部54は、本体部51の車室側の端部から径方向外側に向けて突出する。フランジ部52とフランジ部54は、径方向高さが同一である。フランジ部53の径方向高さは、フランジ部52およびフランジ部54の径方向高さよりも高い。フランジ部52とフランジ部53との間には、径方向内側に凹む第5凹部55が設けられる。フランジ部53とフランジ部54との間には、径方向内側に凹む第6凹部56が設けられる。第5凹部55は第6凹部56よりもエンジンルーム側に配置される。このように、取付部材5の外周側には、径方向内側に向けて凹む第5凹部55と第6凹部56とが設けられる。前述したように、第5凹部55には、第1ベローズ部2の径方向外側端部23に設けられた第5凸部25が嵌合され、第6凹部56には、第2ベローズ部3の径方向外側端部33に設けられた第6凸部35が嵌合される。なお、取付部材5は、軸方向中心CLを通り且つ軸方向に対して直交する平面に関して対称である。
ブッシュ4は、第2ステアリングシャフト85を回転可能に支持する軸受である。ブッシュ4は、ナイロン等の合成樹脂で形成されている。ブッシュ4、第1シールリップ6および第2シールリップ7は、第2ステアリングシャフト85の中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円環状に延びる。
図4、図6および図9に示すように、ブッシュ4は、基部41と、フランジ42、43、44と、複数の潤滑剤溝45と、を備える。
基部41は、第2ステアリングシャフト85の中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円筒状に延びる。フランジ42は、基部41のエンジンルーム側の端部から径方向外側に突出している。フランジ43は、基部41の軸方向の中間部から径方向外側に突出している。フランジ44は、基部41の車室側の端部から径方向外側に突出している。フランジ42とフランジ43との間に第1凹部46が設けられる。第1凹部46は径方向内側に向けて凹む。第1ベローズ部2の第1凸部24は、第1凹部46に嵌められる。フランジ43とフランジ44との間に第2凹部47が設けられる。第2凹部47は径方向内側に向けて凹む。第2ベローズ部3の第2凸部34は、第2凹部47に嵌められる。潤滑剤溝45は、基部41の内周面に設けられた溝であって、例えば軸方向に沿っている。潤滑剤溝45は、ブッシュ4の軸方向の全長に亘っている。例えば複数の潤滑剤溝45が周方向で等間隔に配置されている。潤滑剤溝45には、潤滑剤としてのグリースが充填されている。これにより、ブッシュ4の内周面と第2ステアリングシャフト85の外周面との間の摩擦が低減される。
第1シールリップ6は、第2ステアリングシャフト85およびブッシュ4の間の隙間とエンジンルームとを隔てる密封部材である。第2シールリップ7は、第2ステアリングシャフト85およびブッシュ4の間の隙間と車室とを隔てる密封部材である。第1シールリップ6および第2シールリップ7は、例えばニトリルゴム(NBR)であり、加硫接着によりブッシュ4に固定される。図4および図6に示すように、第1シールリップ6は、ブッシュ4のエンジンルーム側の端面から突出し、第2シールリップ7は、ブッシュ4の社内側の端面から突出している。第1シールリップ6および第2シールリップ7は、第2ステアリングシャフト(ステアリングシャフト)85に向けて延びる。第2ステアリングシャフト85に接する前における第1シールリップ6および第2シールリップ7の最小内径は、第2ステアリングシャフト85の外径より小さい。このため、第1シールリップ6の先端部6aが第2ステアリングシャフト85に接すると、第1シールリップ6が変形する。第2シールリップ7の先端部7aが第2ステアリングシャフト85に接すると、第2シールリップ7が変形する。このため、第1シールリップ6は、エンジンルームからブッシュ4の内側への異物の侵入を防ぐことができると共に、ブッシュ4の内側からエンジンルームへのグリースの漏洩を防ぐことができる。また、第1シールリップ6および第2シールリップ7は、エンジンルームで生じる音の車室への漏洩を抑制することができる。
以上で説明した通り、ダストカバー1は、ダッシュパネル10を貫通して軸方向に延びる第2ステアリングシャフト(ステアリングシャフト)85の外周面に取り付けられる筒状のブッシュ4と、ダッシュパネル10とブッシュ4との間に配置される環状の第1ベローズ部2および第2ベローズ部3と、を備える。第1ベローズ部2は、エンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸となる第1可撓部22を備える。第1可撓部22において、軸方向の一方側(エンジンルーム側)に凸となる湾曲部26が1つである。第2可撓部32において、軸方向の他方側(車室側)に凸となる湾曲部36が1つである。
このように、第1ベローズ部2の第1可撓部22はエンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸となり、第2ベローズ部3の第2可撓部32は車室側(軸方向の他方側)に凸となる。従って、第1ベローズ部2の第1可撓部22および第2ベローズ部3の第2可撓部32がともにエンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸となる態様に対して、本開示の方が第1可撓部22と第2可撓部32とで囲まれる容積が大きくなる。特に、第1可撓部22において、軸方向の一方側に凸となる湾曲部26が1つであり、第2可撓部32において、軸方向の他方側に凸となる湾曲部36が1つである場合は、第1可撓部22と第2可撓部32とで囲まれる容積がさらに大きくなる。ここで、音の吸音性を考えた場合、第1可撓部22と第2可撓部32とで囲まれる容積が大きい方がより高い吸音性を有する。以上より、本開示のダストカバー1によれば、エンジンルームから車室へ入る音を遮蔽して車室の静音性がより高くなるという効果を得ることができる。
第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とは別体である。従って、第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とが一体の場合よりも、ベローズの大きさが小さくなり、小さい金型で成形することが可能となる。
第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とは、ブッシュ4の軸方向中心CLを通り且つ軸方向に対して直交する平面に関して対称である。従って、第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とが同一形状となるため、部品点数を低減することができ、また、第1ベローズ部2と第2ベローズ部3とを逆に取り付けても製品性能として問題がないため、組付け作業性が向上する。
ブッシュ4の外周側には、径方向内側に向けて凹む第1凹部46および第2凹部47が設けられる。第1ベローズ部2は、第1凹部46に嵌合される第1凸部24を備え、第2ベローズ部3は、第2凹部47に嵌合される第2凸部34を備える。このように簡単な構造で、第1ベローズ部2および第2ベローズ部3をブッシュ4に嵌合することができる。
第1ベローズ部2の径方向外側端部23および第2ベローズ部3の径方向外側端部33は、環状の取付部材5に取り付けられる。従って、第1ベローズ部2および第2ベローズ部3の径方向外側を固定し、第1ベローズ部2のエンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸の形状、および、第2ベローズ部3の車室側(軸方向の他方側)に凸の形状を保持することができる。
取付部材5の外周側には、径方向内側に向けて凹む第5凹部55および第6凹部56が設けられ、第1ベローズ部2は、第5凹部55に嵌合される第5凸部を備え、第2ベローズ部3は、第6凹部56に嵌合される第6凸部35を備える。このように簡単な構造で、第1ベローズ部2および第2ベローズ部3を取付部材5に嵌合することができる。
ブッシュ4には、第2ステアリングシャフト(ステアリングシャフト)85に向けて延びる第1シールリップ6および第2シールリップ7(シールリップ)が接着される。この第1シールリップ6および第2シールリップ7によって、エンジンルームから車室へ入る音をさらに遮蔽することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係るダストカバーの断面図である。図11は、第2実施形態に係るベローズの断面図である。図12は、第2実施形態に係る射出成形型の断面図であり、第2実施形態のベローズを射出成形している状態を示す。図13は、第2実施形態に係るベローズの射出成形工程を示すフローチャートである。図14は、第2実施形態に係るベローズをブッシュおよび取付部材に組み付ける工程を示すフローチャートである。図15は、第2実施形態に係るベローズをブッシュおよび取付部材に組み付ける工程の変形例を示すフローチャートである。
第2実施形態に係るダストカバー1Aは、第1実施形態に係るダストカバー1に対して、第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aとが連結している点が相違する。以下、この相違点を中心として説明する。
図10に示すように、ダストカバー1Aは、ベローズ100Aを備える。ベローズ100Aは、第1ベローズ部2Aおよび第2ベローズ部3Aを備える。第1ベローズ部2Aは、径方向内側端部21Aと、第1可撓部22と、径方向外側端部23と、を備える。第2ベローズ部3Aは、径方向内側端部31Aと、第2可撓部32と、径方向外側端部33と、を備える。
中心軸AXを含む断面において、第1ベローズ部2Aの第1可撓部22は、エンジンルーム側に凸の略U字状である。第1可撓部22は、径方向内側端部21Aと径方向外側端部23Aとを繋ぐ部材である。第1ベローズ部2は、径方向外側端部23から湾曲部26を通って径方向内側端部21Aまでに至る全体形状でエンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸となる第1可撓部22を備える。
また、中心軸AXを含む断面において、第2ベローズ部3Aの第2可撓部32は、車室側に凸の略U字状である。第2可撓部32は、径方向内側端部31Aと径方向外側端部33とを繋ぐ部材である。第2ベローズ部3Aは、径方向外側端部33から湾曲部36を通って径方向内側端部31Aまでに至る全体形状で車室側(軸方向の他方側)に凸となる第2可撓部32を備える。
ここで、第1ベローズ部2Aの径方向内側端部21Aと、第2ベローズ部3Aの径方向内側端部31Aとは、連結部20を介して連結されている。連結部20は、中心軸AXを中心として軸回りの周方向に延びる円環状である。第1ベローズ部2Aと、第2ベローズ部3Aと、連結部20とは、一体である。即ち、成形時において、連通したキャビティが金型の内部に設けられており、そのキャビティに溶融状態の例えばゴムが流入されたのち、冷却および固化されることによって、第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aと連結部20とが一体に繋がった状態で成形される。径方向内側端部21A、径方向内側端部31Aおよび連結部20は、径方向内側に向けて凸である。
また、ブッシュ4Aは、基部41Aと、フランジ42A、44Aと、複数の潤滑剤溝45と、を備える。
基部41Aは、第2ステアリングシャフト85の中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円筒状に延びる。フランジ42Aは、基部41Aのエンジンルーム側の端部から径方向外側に突出している。フランジ44Aは、基部41Aの車室側の端部から径方向外側に突出している。フランジ42Aとフランジ44Aとの間に凹部48Aが設けられる。凹部48Aは径方向内側に向けて凹む。径方向内側端部21A、径方向内側端部31Aおよび連結部20は、凹部48Aに嵌められる。
次に、図11を参照してベローズ100Aの形状を説明する。図11に示すように、ブッシュ4Aおよび取付部材5に組み付ける前の状態のベローズ100Aは、筒状の形状を有する。具体的には、ベローズ100Aは、中心軸AX100Aの軸回りの周方向に延びる、第1ベローズ部2A、第2ベローズ部3Aおよび連結部20を備える。第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aとは、軸方向中心CLを挟んでX1側およびX2側に配置される。第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aとは、軸方向中心CLに対して対称である。第1ベローズ部2Aは、X1側に向かうに従って径が大きくなる。第1ベローズ部2Aは、径方向内側端部21Aから第1可撓部22を介して径方向外側端部23まで延びる。第1ベローズ部2AにおけるX1側の端部(径方向外側端部23)は、径方向外側に突出する第5凸部25である。第2ベローズ部3Aは、X2側に向かうに従って径が大きくなる。第2ベローズ部3Aは、径方向内側端部31Aから第2可撓部32を介して径方向外側端部33まで延びる。第2ベローズ部3AにおけるX2側の端部(径方向外側端部33)は、径方向外側に突出する第6凸部35である。
次に、図12を参照して、第2実施形態に係る射出成形型の構成を説明する。
[射出成形型の構成]
射出成成形型200は、第1型210と、第2型220と、第3型230と、第4型240と、を備える。射出成成形型200は、中心軸AX200の軸回りの周方向に延びる筒状または柱状の形状を有する。
第1型210は、大径部211と、テーパ部212と、小径部213と、を備える。大径部211および小径部213は、円柱である。大径部211は、小径部213よりも径が大きい。テーパ部212は、X1側に向かうに従って先細りする。すなわち、テーパ部212の外周面の径は、X1側に向かうに従って小さくなる。第1型210には、中心軸AX200に沿ってX方向に延びるゲート215が設けられる。ゲート215は、貫通孔である。ゲート215におけるX2側の端部は、樹脂PLの入口215aであり、ゲート215におけるX1側の端部は、キャビティ250への注入部215bである。すなわち、溶融した樹脂PLは、入口215aからゲート215に入り、ゲート215の内部をX1側に向けて移動したのち、注入部215bからキャビティ250へ流入する。
第2型220は、円筒部221と、第1テーパ部222と、谷部223と、第2テーパ部224と、を備える。円筒部221は、大径部211の外周側に位置する。第1テーパ部222は、テーパ部212の外周側に位置する。第1テーパ部222の内周面は、X1側に向かうに従って先細りする。すなわち、第1テーパ部222の内周面の径は、X1側に向かうに従って小さくなる。谷部223は、小径部213の外周側に位置する。第2テーパ部224は、後述する第4型240のテーパ部242の外周側に位置する。第2テーパ部224の内周面の径は、X1側に向かうに従って大きくなる。
第3型230は、太径部231と、細径部232と、を備える。太径部231および細径部232は円柱である。細径部232は、太径部231よりも径が小さい。
第4型240は、本体部241と、テーパ部242と、を備える。本体部241は、円筒であり、太径部231の外周側に位置する。テーパ部242は、外周面243および内周面244を有する。内周面244の内側には、貫通孔245がX方向に沿って設けられる。貫通孔245には、第3型230の一部が挿入される。
これらの第1型210、第2型220、第3型230および第4型240が組み付けられた状態では、キャビティ250が形成され、キャビティ250には、ゲート215が連通される。
[ベローズの成形方法]
図13を参照して、第2実施形態に係るベローズの成形工程を説明する。まず、準備ステップ(S1)として、図12に示した射出成成形型200を準備する。次に、樹脂充填ステップ(S2)として、溶融した樹脂PLをキャビティ250に充填する。具体的には、溶融した樹脂PLを、ゲート215の入口215aからゲート215に注入すると、樹脂PLは、ゲート215の内部をX1側に向けて移動したのち、注入部215bからキャビティ250へ流入する。そして、樹脂PLをキャビティ250の内部の全体に充填させる。その後、冷却ステップ(S3)として、充填した樹脂PLが冷却および固化する。こののち、離型ステップ(S4)として、図12の射出成成形型200を開いて固化した樹脂PLを射出成成形型200から取り外す。この固化した樹脂PLは、図11に示すベローズ100Aに対して貫通孔20aを塞ぐ円板部252が一体成形されている。
ここで、射出成成形型200を開く順番を簡単に説明する。矢印ST1に示すように、第1型210がX2側へ移動したのち、矢印ST2に示すように、第2型220がX2側へ移動する。なお、第2型220には、第1テーパ部222が設けられているため、第2型220がX2側へ移動する際には、第1テーパ部222が第2ベローズ部3Aの第2可撓部32(図11参照)に当たるが、第2可撓部32は弾性を有するため、径方向内側に縮小する変形をする。
次に、矢印ST3に示すように、第3型230はX1側に移動すると、貫通孔245が露出する。そして、貫通孔245から空気を注入すると、円板部252に空気が当たり、円板部252を含む樹脂PLが第4型240から離型し、X2側に移動する。
その後、円板部の除去ステップ(S5)として、円板部252を樹脂PLから除去する。具体的には、プレス機械によって円板部252を打抜加工してもよく、作業者がナイフで円形状に切り取ってもよい。
[ベローズの組付方法]
図10、図11および図14を参照して、第2実施形態に係るベローズの組付方法を説明する。ベローズの組付方法は、図14のフローチャートに示すように、準備ステップS11と、ブッシュ挿入ステップS12と、ベローズ端部の折り返しステップS13と、ベローズ端部の取り付けステップS14とを含む。
まず、準備ステップS11においては、図11に示すベローズ100Aを準備する。ベローズ100Aは、中心軸AX100Aの軸方向に延びる筒状である。ベローズ100Aは、X1側(軸方向の一方側)に位置する第1ベローズ部2A、X方向(軸方向)の中央側に位置して第1ベローズ部2Aと軸方向で隣接する連結部20、および、X2側(軸方向の他方側)に位置して連結部20と軸方向で隣接する第2ベローズ部3Aを備える。
準備ステップS11の後に、ブッシュ挿入ステップS12を行う。ブッシュ挿入ステップS12においては、ベローズ100Aにおける連結部20の内周に環状のブッシュ4Aを挿入する。
ブッシュ挿入ステップS12の後に、ベローズ端部の折り返しステップS13を行う。ベローズ端部の折り返しステップS13においては、図11に示すように、第1ベローズ部2AにおけるX1側(軸方向の一方側)の端部を拡径させつつX2側(軸方向の他方側)に向けて折り返して、X1側(軸方向の一方側)の端部の外周側を内周側に位置させる。また、第2ベローズ部3AにおけるX2側(軸方向の他方側)の端部を拡径させつつX1側(軸方向の一方側)に向けて折り返して、X2側(軸方向の他方側)の端部の外周側を内周側に位置させる。
ベローズ端部の折り返しステップS13の後に、ベローズ端部の取り付けステップS14を行う。ベローズ端部の取り付けステップS14においては、折り返した第1ベローズ部2AのX1側(軸方向の一方側)の端部および第2ベローズ部3AのX2側(軸方向の他方側)の端部を取付部材5に取り付ける(図10参照)。具体的には、図10に示すように、第1ベローズ部2Aにおける第5凸部25を取付部材5の第5凹部55に嵌め、第2ベローズ部3Aにおける第6凸部35を取付部材5の第6凹部56に嵌める。以上によって、図10に示すダストカバー1Aが完成する。
[ベローズの組付方法の変形例]
前述した組付方法以外の方法によってもベローズ100Aをブッシュ4Aおよび取付部材5に組み付けることが可能である。
図15のフローチャートに示すように、まず、準備ステップ(S21)として、図11に示したベローズ100Aを準備する。次に、ベローズ端部の折り返しステップ(S22)として、図11の矢印P1に示すように、第1ベローズ部2Aを径方向外側に広げて折り返し、図11の矢印P2に示すように、第2ベローズ部3Aを径方向外側に広げて折り返す。その後、ベローズ端部の取り付けステップ(S23)として、図10に示すように、第1ベローズ部2Aにおける第5凸部25を取付部材5の第5凹部55に嵌め、第2ベローズ部3Aにおける第6凸部35を取付部材5の第6凹部56に嵌める。次に、ブッシュ挿入ステップ(S24)として、ベローズ100Aの貫通孔20aにブッシュ4A(図10参照)を挿入して、連結部20をブッシュ4Aの凹部48Aに嵌める。以上によって、図10に示すダストカバー1Aが完成する。
以上説明したように、第2実施形態においては、第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aとは、連結部20を介して連結されている。従って、第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aとが一体であるため、第1ベローズ部2Aと第2ベローズ部3Aとが別体の場合に対して、部品点数が低減される。
また、第2実施形態におけるダストカバーの製造方法は、ベローズ端部の取り付けステップS14、S23を含む。ベローズ端部の取り付けステップS14、S23においては、折り返した第1ベローズ部2AのX1側(軸方向の一方側)の端部および第2ベローズ部3AのX2側(軸方向の他方側)の端部を取付部材5に取り付ける。従って、1つの筒状体であるベローズ100Aを、ブッシュ4Aと取付部材5に容易に取り付けることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図16は、第3実施形態に係る射出成形型の断面図であり、ベローズを射出成形している状態を示す。図17は、図16におけるベローズと入れ子を示す断面図である。図18は、図17に示す入れ子の側面図である。第3実施形態は、第2実施形態に係るベローズ100Aの成形方法の変形例である。すなわち、第2実施形態では、図12に示す射出成成形型200を用いてベローズ100Aを成形するが、第3実施形態では、図16に示す射出成成形型300を用いてベローズ100Aを成形する。
[射出成成形型の構造]
図16に示すように、射出成成形型300は、第1型310と、第2型320と、入れ子330と、を備える。第1型310と第2型320とは左右対称であり、第1型310はX1側に位置し、第2型320はX2側に位置する。第1型310には凹部311が設けられ、第2型320には凹部322が設けられる。第1型310と第2型320とを突き合わせると、凹部311と凹部322とによって空隙が形成され、その空隙に入れ子330が挿入される。入れ子330は、外周に環状の突起部330aを有する。突起部330aは、径方向外側に向けて突出する。突起部330aの基部には凹溝330bが設けられる。凹溝330bは、径方向内側に向けて凹む。突起部330aは、図16に示すように、第1型310と第2型320とに挟まれる。入れ子330は、内周に突出部330cを有する。突出部330cは、径方向内側に向けて突出する。また、空隙と入れ子330との間にはキャビティ340が形成される。
図16の断面図において、上側の入れ子330の周囲に設けられるキャビティ340と下側の入れ子330の周囲に設けられるキャビティ340とは連通しており、この連通したキャビティ340は円板部341である。また、第2型320には、X方向に沿って延びるゲート321が設けられる。ゲート321は、入口321aおよび注入部321bを有する。ゲート321は、貫通孔である。ゲート321におけるX2側の端部は、樹脂PLの入口321aであり、ゲート321におけるX1側の端部は、キャビティ340への注入部321bである。すなわち、溶融した樹脂PLは、入口321aからゲート321に入り、ゲート321の内部をX1側に向けて移動したのち、注入部321bからキャビティ340へ流入する。
[入れ子の構造]
次に、入れ子330の構造を説明する。図18に示すように、入れ子330は、側方から見て円環状である。入れ子330は、中央に貫通孔335を有する。入れ子330は、第1入れ子331と、第2入れ子332と、第3入れ子333と、第4入れ子334と、を備える。すなわち、入れ子330は、4分割されており、それぞれの入れ子は径方向に移動可能である。
第1入れ子331は、側方から見て扇形である。第1入れ子331は、入れ子330の全体において、Z1側に位置する。第1入れ子331は、外周面331a、内周面331b、側面331cおよび側面331dを有する。外周面331aおよび内周面331bは、中心軸AX300を中心とする軸回りの周方向に沿って円弧状に延びる。側面331cおよび側面331dは、径方向に延びる。第1入れ子331は、矢印P10の方向に移動可能である。
第2入れ子332は、側方から見て扇形である。第2入れ子332は、入れ子330の全体において、Y2側に位置する。第2入れ子332は、外周面332a、内周面332b、側面332cおよび側面332dを有する。外周面332aおよび内周面332bは、中心軸AX300を中心とする軸回りの周方向に沿って円弧状に延びる。側面332cおよび側面332dは、径方向に延びる。第2入れ子332は、矢印P20の方向に移動可能である。
第3入れ子333は、側方から見て扇形である。第3入れ子333は、入れ子330の全体において、Z2側に位置する。第3入れ子333は、外周面333a、内周面333b、側面333cおよび側面333dを有する。外周面333aおよび内周面333bは、中心軸AX300を中心とする軸回りの周方向に沿って円弧状に延びる。側面333cおよび側面333dは、径方向に延びる。第3入れ子333は、矢印P30の方向に移動可能である。
第4入れ子334は、側方から見て扇形である。第4入れ子334は、入れ子330の全体において、Y1側に位置する。第4入れ子334は、外周面334a、内周面334b、側面334cおよび側面334dを有する。外周面334aおよび内周面334bは、中心軸AX300を中心とする軸回りの周方向に沿って円弧状に延びる。側面334cおよび側面334dは、径方向に延びる。第4入れ子334は、矢印P40の方向に移動可能である。
[ベローズの成形方法]
次に、ベローズの成形方法を簡単に説明する。
図16に示す射出成成形型300において、溶融した樹脂PLを、ゲート321の入口321aからゲート321に注入すると、樹脂PLは、ゲート321の内部をX1側に向けて移動したのち、注入部321bからキャビティ340へ流入する。そして、樹脂PLをキャビティ340の内部の全体に充填させる。その後、充填した樹脂PLが冷却および固化したのち、射出成成形型300を開く。具体的には、第1型310を矢印ST12に示すようにX1側に移動させ、第2型320を矢印ST11に示すようにX2側に移動させる。こののち、固化した樹脂PLを射出成成形型300から取り外す。
この固化した樹脂PLは、図17に示す入れ子330の外周に設けられる。ここで、入れ子330の凹溝330bに入った樹脂PLは、第5凸部25および第6凸部35となる。また、突出部330cによって連結部20が成形される。
そして、図18で説明したように、入れ子330を径方向外側に拡径する。具体的には、第1入れ子331を矢印P10の方向に移動させ、第2入れ子332を矢印P20の方向に移動させ、第3入れ子333を矢印P30の方向に移動させ、第4入れ子334を矢印P40の方向に移動させる。なお、固化した樹脂PLは、弾性を有する環状体であり、内周側には円板部341が設けられ、外周側は、第5凸部25と第6凸部35とが離れている。従って、入れ子330を径方向外側に移動させると、樹脂PLの外周側が径方向に開いて入れ子330から樹脂PLを取り外すことができる。そして、円板部341を切除することによって、ベローズ100Aとなる。
以上説明したように、第3実施形態においては、射出成成形型300を用いてベローズ100Aを成形する。射出成成形型300は、入れ子330を含むため、第2実施形態の射出成成形型200よりも構造が単純であり、成形型の構成部品の数も少ない。従って、射出成成形型300のコストを安価に抑えて、ベローズ100Aの成形の工程数も低減できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図19は、第4実施形態に係るダストカバーの断面図である。図20は、第4実施形態に係るダストカバーを分解した断面図である。
第4実施形態に係るダストカバー1Bは、第1実施形態に係るダストカバー1に対して、ブッシュ4Bおよび取付部材5Aと第1ベローズ部2Bとの嵌合構造、並びに、ブッシュ4Bおよび取付部材5Aと第2ベローズ部3Bとの嵌合構造が相違する。以下、この相違点を中心として説明する。
図19および図20に示すように、ブッシュ4Bは、基部41Bと、第3凸部46Bと、第4凸部47Bと、複数の潤滑剤溝45と、を備える。基部41Bは、第2ステアリングシャフト85の中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円筒状に延びる。第3凸部46Bは、基部41Bのエンジンルーム側の端部から径方向外側に突出している。第4凸部47Bは、基部41Bの外周面から径方向外側に突出している。第3凸部46Bは、第4凸部47Bよりもエンジンルーム側に位置する。
図19および図20に示すように、取付部材5Aは、本体部51Aと、フランジ部53と、凸部55Aと、凸部56Aと、を備える。本体部51Aは、中心軸AXの軸回りの周方向に沿って円環状に延びる。本体部51Aの外周側には、フランジ部53が設けられる。フランジ部53は、本体部51の軸方向の中間部から径方向外側に向けて突出する。凸部55Aおよび凸部56Aは、本体部51Aの外周面から径方向外側に突出する。凸部55Aは、フランジ部53よりもエンジンルーム側に位置する。凸部56Aは、フランジ部53よりも車室側に位置する。
図19および図20に示すように、中心軸AXを含む断面において、第1ベローズ部2Bの第1可撓部22は、エンジンルーム側に凸の略U字状である。第1可撓部22は、径方向内側端部21Bと径方向外側端部23Bとを繋ぐ部材である。径方向内側端部21Bは、第3凹部24Bを有する。第3凹部24Bは、中心軸AXを含む断面において径方向外側に向けて凹む。径方向外側端部23Bは、凹部25Bを有する。凹部25Bは、中心軸AXを含む断面において径方向外側に向けて凹む。換言すると、第1ベローズ部2Bは、径方向外側端部23Bから湾曲部26を通って径方向内側端部21Bまでに至る全体形状でエンジンルーム側(軸方向の一方側)に凸となる第1可撓部22を備える。更に換言すると、第1可撓部22において、軸方向の一方側(エンジンルーム側)に凸となる湾曲部26が1つである。径方向内側端部21Bの第3凹部24Bは、ブッシュ4Bの外周側の第3凸部46Bに嵌められる。即ち、第1ベローズ部2Bは、第3凸部46Bに嵌合される第3凹部24Bを備える。径方向外側端部23Bの凹部25Bは、取付部材5Aの外周側の凸部55Aに嵌められる。即ち、第1ベローズ部2Bは、凸部55Aに嵌合される凹部25Bを備える。
また、中心軸AXを含む断面において、第2ベローズ部3Bの第2可撓部32は、車室側に凸の略U字状である。第2可撓部32は、径方向内側端部31Bと径方向外側端部33Bとを繋ぐ部材である。径方向内側端部31Bは、第4凹部34Bを有する。第4凹部34Bは、中心軸AXを含む断面において径方向外側に向けて凹む。径方向外側端部33Bは、凹部35Bを有する。凹部35Bは、中心軸AXを含む断面において径方向外側に向けて凹む。換言すると、第2ベローズ部3Bは、径方向外側端部33Bから湾曲部36を通って径方向内側端部31Bまでに至る全体形状で車室側(軸方向の他方側)に凸となる第2可撓部32を備える。更に換言すると、第2可撓部32において、軸方向の他方側(車室側)に凸となる湾曲部36が1つである。径方向内側端部31Bの第4凹部34Bは、ブッシュ4Bの外周側の第4凸部47Bに嵌められる。即ち、第2ベローズ部3Bは、第4凸部47Bに嵌合される第4凹部34Bを備える。径方向外側端部33Bの凹部35Bは、取付部材5の外周側の凸部56Aに嵌められる。即ち、第2ベローズ部3Bは、凸部56Aに嵌合される凹部35Bを備える。なお、第1ベローズ部2Bと第2ベローズ部3Bとは、ブッシュ4Bの軸方向中心CLを通り且つ軸方向に対して直交する平面に関して対称である。
以上説明したように、第4実施形態においては、ブッシュ4Bの外周側には、径方向外側に向けて突出する第3凸部46Bおよび第4凸部47Bが設けられ、第1ベローズ部2Bは、第3凸部46Bに嵌合される第3凹部24Bを備え、第2ベローズ部3Bは、第4凸部47Bに嵌合される第4凹部34Bを備える。このように簡単な構造で、第1ベローズ部2Bおよび第2ベローズ部3Bをブッシュ4Bに嵌合することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。図21は、第5実施形態に係るダストカバーの断面図である。図22は、第5実施形態に係るベローズの断面図である。図23は、第5実施形態に係るベローズをブッシュおよび取付部材に組み付ける工程を示すフローチャートである。
第5実施形態に係るダストカバー1Cは、第2実施形態に係るダストカバー1Aに対して、取付部材5Cおよびベローズ100Cの構造が相違する。以下、この相違点を中心として説明する。
図21に示すように、ダストカバー1Cは、ベローズ100Cを備える。ベローズ100Cは、第1ベローズ部2Cおよび第2ベローズ部3Cを備える。第1ベローズ部2Cは、径方向内側端部21Aと、第1可撓部22と、第5凸部25と、第1フランジ部27と、を備える。第1ベローズ部2Cの端部において、径方向内側に第5凸部25が設けられ、径方向外側に第1フランジ部27が設けられる。第1フランジ部27は、径方向外側に向けて突出している。
第2ベローズ部3Cは、径方向内側端部31Aと、第2可撓部32と、第6凸部35と、第2フランジ部37と、を備える。径方向内側端部21Aと径方向内側端部31Aとは、連結部20を介して連結されている。第2ベローズ部3Cの端部において、径方向内側に第6凸部35が設けられ、径方向外側に第2フランジ部37が設けられる。第2フランジ部37は、径方向外側に向けて突出している。そして、第1フランジ部27と第2フランジ部37とが当接し、図3に示したように、筒状部101の端部に設けられたフランジ102の上に配置される。
また、取付部材5Cの外周には、径方向内側に凹む第7凹部57が設けられる。第7凹部57は、全周に亘って形成される。第7凹部57は、軸方向の中央に設けられる。第7凹部57は、中心軸AXを含む断面において、略U字状である。第1ベローズ部2Cの第5凸部25および第2ベローズ部3Cの第6凸部35は、第7凹部57に嵌まる。
第5実施形態においても、第2実施形態と同様にベローズ100Cをブッシュ4Aおよび取付部材5Cに組み付けることができる。
[ベローズの組付方法]
図23を参照して、第5実施形態に係るベローズの組付方法を説明する。
まず、準備ステップ(S31)として、図22に示したベローズ100Cを準備する。次に、ブッシュ挿入ステップ(S32)として、ベローズ100Cの貫通孔20aにブッシュ4A(図21参照)を挿入して、連結部20をブッシュ4Aの凹部48Aに嵌める。その後、ベローズ端部の折り返しステップ(S33)として、図22の矢印P1に示すように、第1ベローズ部2Cを径方向外側に広げて折り返し、図22の矢印P2に示すように、第2ベローズ部3Cを径方向外側に広げて折り返す。その後、ベローズ端部の取り付けステップ(S34)として、図21に示すように、第1ベローズ部2Cにおける第5凸部25と第2ベローズ部3Cにおける第6凸部35とを当接させた状態で、取付部材5の第7凹部57に嵌める。なお、第1フランジ部27と第2フランジ部37とは当接した状態で径方向外側に突出する。以上によって、図10に示すダストカバー1Aが完成する。
以上説明したように、第5実施形態によれば、ベローズ端部の取り付けステップS34において、第1ベローズ部2Cの端部に設けた第5凸部25と第2ベローズ部3Cの端部に設けた第6凸部35とが当接した状態で取付部材5Cの第7凹部57に嵌合され、第1フランジ部27と第2フランジ部37とは当接した状態で径方向外側に突出する。従って、第2実施形態の図10と比較すると明らかなように、互いに当接した第1フランジ部27と第2フランジ部37とが、第2実施形態のフランジ部53に相当する。つまり、第1ベローズ部2Cの端部と第2ベローズ部3Cの端部とを当接して取付部材5Cの第7凹部57に嵌合するという簡単な作業によって、第1ベローズ部2Cおよび第2ベローズ部3Cを取付部材5Cへ取り付けられるとともに、第2実施形態のフランジ部53に相当するフランジの形成を行うことができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。図24は、第6実施形態に係るダストカバーの断面図である。図25は、第6実施形態に係るダストカバーを分解した断面図である。
第6実施形態に係るダストカバー1Dは、第1実施形態に係るダストカバー1に対して取付部材5C、第1ベローズ部2Dおよび第2ベローズ部3Dの構造が相違する。以下、この相違点を中心として説明する。
図24および図25に示すように、第1ベローズ部2Dは、径方向内側端部21と、第1可撓部22と、第5凸部25と、第1フランジ部27と、を備える。第2ベローズ部3Dは、径方向内側端部31と、第2可撓部32と、第6凸部35と、第2フランジ部37と、を備える。また、取付部材5Cの外周には、径方向内側に凹む第7凹部57が設けられる。第5凸部25と第1フランジ部27、第6凸部35、第2フランジ部37および取付部材5Cの構造は、第5実施形態と同じである。
以上説明したように、第6実施形態によっても第5実施形態と同様に、第1ベローズ部2Cの端部と第2ベローズ部3Cの端部とを当接して取付部材5Cの第7凹部57に嵌合という簡単な作業によって、第1ベローズ部2Cおよび第2ベローズ部3Cの取付部材5Cへの取り付けとともに、第2実施形態のフランジ部53に相当するフランジの形成を行うことができる。
1、1A、1B、1C、1D ダストカバー
2、2A、2B、2C、2D 第1ベローズ部
20 連結部
20a 貫通孔
21、21A、21B 径方向内側端部
22 第1可撓部
23、23A、23B 径方向外側端部
24 第1凸部
25 第5凸部
26 湾曲部
27 第1フランジ部
3、3A、3B、3C、3D 第2ベローズ部
31、31A、31B 径方向内側端部
32 第2可撓部
33、33B 径方向外側端部
34 第2凸部
35 第6凸部
36 湾曲部
37 第2フランジ部
4、4A、4B ブッシュ
41、41A、41B 基部
42、42A、43、44、44A フランジ
45 潤滑剤溝
46 第1凹部
46B 第3凸部
47 第2凹部
47B 第4凸部
48A 凹部
5、5A、5C 取付部材
51、51A 本体部
52、53、54 フランジ部
55 第5凹部
55A、56A 凸部
56 第6凹部
57 第7凹部
6 第1シールリップ
6a 先端部
7 第2シールリップ
7a 先端部
10 ダッシュパネル
80 ステアリング装置
81 ステアリングホイール
82 第1ステアリングシャフト
82a 入力軸
82b 出力軸
83 操舵力アシスト機構
85 第2ステアリングシャフト(ステアリングシャフト)
87 第3ステアリングシャフト
88 ステアリングギヤ
88a ピニオン
88b ラック
89 タイロッド
90 ECU
92 減速装置
93 電動モータ
94 トルクセンサ
95 車速センサ
98 イグニッションスイッチ
99 電源装置
100A、100C ベローズ
101 筒状部
103 バンド
200 射出成成形型
210 第1型
211 大径部
212 テーパ部
213 小径部
215 ゲート
215a 入口
215b 注入部
220 第2型
221 円筒部
222 第1テーパ部
223 谷部
224 第2テーパ部
230 第3型
231 太径部
232 細径部
240 第4型
241 本体部
242 テーパ部
243 外周面
244 内周面
245 貫通孔
250 キャビティ
252 円板部
300 射出成成形型
310 第1型
311 凹部
320 第2型
321 ゲート
321a 入口
321b 注入部
322 凹部
330 入れ子
330a 突起部
330b 凹溝
330c 突出部
331 第1入れ子
331a 外周面
331b 内周面
331c 側面
331d 側面
332 第2入れ子
332a 外周面
332b 内周面
332c 側面
332d 側面
333 第3入れ子
333a 外周面
333b 内周面
333c 側面
333d 側面
334 第4入れ子
334a 外周面
334b 内周面
334c 側面
334d 側面
335 貫通孔
340 キャビティ
341 円板部
CL 軸方向中心
P1、P2、P10、P20、P30、P40 矢印
PL 樹脂
AX、AX100A、AX200、AX300 中心軸

Claims (13)

  1. ダッシュパネルを貫通して軸方向に延びるステアリングシャフトの外周面に取り付けられる筒状のブッシュと、
    前記ダッシュパネルと前記ブッシュとの間に配置される環状の第1ベローズ部および第2ベローズ部と、を備え、
    前記第1ベローズ部は、前記軸方向の一方側に凸となる第1可撓部を備え、
    前記第2ベローズ部は、前記軸方向の他方側に凸となる第2可撓部を備える、
    ダストカバー。
  2. 前記第1可撓部においては、前記軸方向の一方側に凸となる湾曲部が1つであり、
    前記第2可撓部においては、前記軸方向の他方側に凸となる湾曲部が1つである、
    請求項1に記載のダストカバー。
  3. 前記第1ベローズ部と前記第2ベローズ部とは別体である、
    請求項1または2に記載のダストカバー。
  4. 前記第1ベローズ部と前記第2ベローズ部とは、前記ブッシュの軸方向中心を通り且つ前記軸方向に対して直交する平面に関して対称である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のダストカバー。
  5. 前記ブッシュの外周側には、径方向内側に向けて凹む第1凹部および第2凹部が設けられ、
    前記第1ベローズ部は、前記第1凹部に嵌合される第1凸部を備え、
    前記第2ベローズ部は、前記第2凹部に嵌合される第2凸部を備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のダストカバー。
  6. 前記ブッシュの外周側には、径方向外側に向けて突出する第3凸部および第4凸部が設けられ、
    前記第1ベローズ部は、前記第3凸部に嵌合される第3凹部を備え、
    前記第2ベローズ部は、前記第4凸部に嵌合される第4凹部を備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のダストカバー。
  7. 前記第1ベローズ部の径方向外側端部および前記第2ベローズ部の径方向外側端部は、環状の取付部材に取り付けられる、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のダストカバー。
  8. 前記取付部材の外周側には、径方向内側に向けて凹む第5凹部および第6凹部が設けられ、
    前記第1ベローズ部は、前記第5凹部に嵌合される第5凸部を備え、
    前記第2ベローズ部は、前記第6凹部に嵌合される第6凸部を備える、
    請求項7に記載のダストカバー。
  9. 前記第1ベローズ部の前記径方向外側端部は、
    径方向内側に突出する第5凸部と、径方向外側に突出する第1フランジ部と、を備え、
    前記第2ベローズ部の前記径方向外側端部は、
    径方向内側に突出する第6凸部と、径方向外側に突出する第2フランジ部と、を備え、
    前記取付部材の外周側には、径方向内側に凹む第7凹部が設けられ、
    前記第5凸部および前記第6凸部は、前記軸方向に当接した状態で、前記取付部材の前記第7凹部に嵌合され、
    前記第1フランジ部および前記第2フランジ部は、前記軸方向に当接した状態で、径方向外側に突出する、
    請求項7に記載のダストカバー。
  10. 前記ブッシュには、前記ステアリングシャフトに向けて延びるシールリップが接着される、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のダストカバー。
  11. 中心軸の軸方向に延びる筒状であって、且つ、前記軸方向の一方側に位置する第1ベローズ部、前記軸方向の中央側に位置して前記第1ベローズ部と前記軸方向で隣接する連結部、および、前記軸方向の他方側に位置して前記連結部と前記軸方向で隣接する第2ベローズ部を備えるベローズを準備する準備ステップと、
    前記準備ステップの後に、前記ベローズにおける前記連結部の内周に環状のブッシュを挿入する、ブッシュ挿入ステップと、
    前記ブッシュ挿入ステップの後に、前記第1ベローズ部における前記軸方向の一方側の端部を拡径させつつ前記軸方向の他方側に向けて折り返して、前記軸方向の一方側の端部の外周側を内周側に位置させ、
    前記第2ベローズ部における前記軸方向の他方側の端部を拡径させつつ前記軸方向の一方側に向けて折り返して、前記軸方向の他方側の端部の外周側を内周側に位置させる、ベローズ端部の折り返しステップと、
    前記ベローズ端部の折り返しステップの後に、折り返した前記第1ベローズ部の前記軸方向の一方側の端部および前記第2ベローズ部の前記軸方向の他方側の端部を取付部材に取り付ける、ベローズ端部の取り付けステップと、
    を含むダストカバーの製造方法。
  12. 中心軸の軸方向に延びる筒状であって、且つ、前記軸方向の一方側に位置する第1ベローズ部、前記軸方向の中央側に位置して前記第1ベローズ部と前記軸方向で隣接する連結部、および、前記軸方向の他方側に位置して前記連結部と前記軸方向で隣接する第2ベローズ部を備えるベローズを準備する準備ステップと、
    前記準備ステップの後に、前記第1ベローズ部における前記軸方向の一方側の端部を拡径させつつ前記軸方向の他方側に向けて折り返して、前記軸方向の一方側の端部の外周側を内周側に位置させ、
    前記第2ベローズ部における前記軸方向の他方側の端部を拡径させつつ前記軸方向の一方側に向けて折り返して、前記軸方向の他方側の端部の外周側を内周側に位置させる、ベローズ端部の折り返しステップと、
    前記ベローズ端部の折り返しステップの後に、折り返した前記第1ベローズ部の前記軸方向の一方側の端部および前記第2ベローズ部の前記軸方向の他方側の端部を取付部材に取り付ける、ベローズ端部の取り付けステップと、
    前記ベローズ端部の取り付けステップの後に、前記ベローズにおける前記連結部の内周に環状のブッシュを挿入する、ブッシュ挿入ステップと、
    を含むダストカバーの製造方法。
  13. 前記取付部材の外周側には、径方向内側に凹む第7凹部が設けられており、
    前記準備ステップにおいて、前記第1ベローズ部における前記軸方向の一方側の端部に、径方向外側に突出する第5凸部と、径方向内側に突出する第1フランジ部と、が設けられ、前記第2ベローズ部における前記軸方向の他方側の端部に、径方向外側に突出する第6凸部と、径方向内側に突出する第2フランジ部と、が設けられ、
    前記ベローズ端部の折り返しステップにおいて、前記第5凸部は径方向内側に突出し前記第1フランジ部は径方向外側に突出し、前記第6凸部は径方向内側に突出し前記第2フランジ部は径方向外側に突出し、
    前記ベローズ端部の取り付けステップにおいて、前記第5凸部と前記第6凸部とは当接した状態で前記取付部材の前記第7凹部に嵌合され、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは当接した状態で径方向外側に突出する、
    請求項11または請求項12に記載のダストカバーの製造方法。
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