JP2004358308A - 塗装用ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明の課題は、コア部材が膨潤しても、このコア部材と支持筒との結合力を維持することのできる塗装用ローラを提供することである。
【解決手段】上記の課題を解決するために、この発明は、外周に刷毛部19を有する熱可塑性樹脂製のコア部材20に、ロッド2を回転自在に支持する熱可塑性樹脂製の支持部材Aを挿入して固定する塗装用ローラにおいて、上記コア部材20の一端20aに、支持部材Aの一部Fを溶着したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】上記の課題を解決するために、この発明は、外周に刷毛部19を有する熱可塑性樹脂製のコア部材20に、ロッド2を回転自在に支持する熱可塑性樹脂製の支持部材Aを挿入して固定する塗装用ローラにおいて、上記コア部材20の一端20aに、支持部材Aの一部Fを溶着したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カバーに含ませた塗料を、壁面などに塗装するときに用いる塗装用ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の塗装用ローラとして、例えば特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
この従来の塗装用ローラは、図5に示すように、グリップ1に設けたロッド2に、カバーCを着脱自在にしたものである。
上記カバーCは、図6に示すように、熱可塑性樹脂製のコア部材3と、このコア部材3の外周に固定した刷毛部4とを備え、コア部材3の内周に、熱可塑性樹脂製の支持筒5を挿入している。この支持筒5は、熱溶着によってコア部材3に固定している。すなわち、支持筒5の表面と、コア部材3の内面とを、ヒータによってそれぞれ溶かした状態で、支持筒5をコア部材3に挿入し、溶けた部分が固まることによって、コア部材3に支持筒5が固定されるようにしている。
【0003】
上記支持筒5は、その内部に支持部6を形成し、図6に示すように、この支持部6によって、ロッド2を回転自在に支持するようにしている。
また、上記支持筒5には、径方向の弾性を有する熱可塑性樹脂製の固定パイプ7を組み込んでいる。この固定パイプ7は、上記支持部6を通過できない大きさにするとともに、ロッド2を挿入する前の内径は、ロッド2の外径よりも少しだけ小さくなっている。そして、図示するように、この固定パイプ7を拡径しながらロッド2を挿入すると、その弾性力によってロッド2の外周に固定パイプ7が固定されるようにしている。
【0004】
上記支持筒5の一端には、熱可塑性樹脂製のガイド筒8を圧入して固定している。このガイド筒8は、フランジ部8aを備え、このフランジ部8aを支持筒5の一端に接触するまで挿入するようにしている。このように支持筒5に、ガイド筒8を挿入すると、ガイド筒8の一端と上記支持部6とによって、固定パイプ7の軸線方向の移動量が規制される。ただし、この固定パイプ7の両側には隙間を設けているので、支持筒5に対して固定パイプ7は滑らかに回転する。
【0005】
以上のように、固定パイプ7は、支持筒5内で軸方向の移動量が規制されているので、この固定パイプ7にロッド2を固定すれば、このロッド2も支持筒5から抜けなくなる。つまり、固定パイプ7にロッド2を挿入することによって、カバーCをロッド2に取り付けることができるようにしている。
なお、このときロッド2は、支持部6とガイド筒8との2カ所で支持されることになる。
一方、ロッド2を強く引っ張って、固定パイプ7からロッド2を引き抜けば、ロッド2からカバーCから取り外すことができ、カバーCを簡単に交換できるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−023743号公報(図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、支持筒5の表面とコア部材3の内面とを、熱溶着によって固定しているが、上記溶着部に熱をかけて溶かす際、熱をかけ過ぎてしまうことがある。溶着部に熱をかけ過ぎると、コア部材3に支持筒5を差し込む時に、熱をかけた部分が変形して、組み付け不良が起きるおそれがある。このような組み付け不良を防止するために、熱を控えめにかけると、今度は溶着不良になってしまうおそれがある。つまり、溶着部に対する熱のかけ具合というのは非常に微妙であり、この条件出しが困難であるために、従来は、溶着不良率が高くなるという問題があった。
【0008】
また、上記溶着条件が不適切で、溶着部の強度が低目に設定されていると、塗装作業中に、支持筒5に対するコア部材3の位置がずれてしまうこともある。すなわち、上記コア部材3というのは、塗料に含まれるシンナーによって膨潤してその内径が大きくなるが、このようにコア部材3の内径が大きくなると、コア部材3と支持筒5との結合力が低下する。そのため、溶着部の強度が低めに設定されていると、コア部材3の膨潤が原因で、支持筒5に対するコア部材3の位置がずれてしまう。そして、このように支持筒5に対するコア部材3の位置が少しでもずれてしまうと、塗装作業がやりにくくなり、また、支持筒5からコア部材3が完全に抜けてしまった場合には、刷毛部4がまだ使用できるにもかかわらず、カバーC等を新品に交換しなければならないという問題もあった。
【0009】
なお、上記したように、コア部材3と支持筒5との良好な溶着を望むのであれば、コア部材3と支持筒5の両方を溶かす必要がある。しかし、その場合には、これら両者を熱変形温度以上に昇温する必要があるので、その分、組立不良が発生する割合が高くなる。また、コア部材3と支持筒5との寸法精度を高く管理する必要があるので、それによってコストアップするという問題もあった。
【0010】
さらに、従来は、支持筒5の長さをコア部材3の全長と同程度にして、これら両者の接触面積を大きくすることで、結合力を高めるようにしていた。
しかし、コア部材3と支持筒5との接触面積を大きくしても、膨潤によってコア部材3の内径が大きくなると、結合力は低下するため、支持筒5に対するコア部材3のずれを効果的に防止することはできなかった。逆に、支持筒5の全長を長くする分、カバーC全体が重くなるので、塗装時の作業効率が悪くなるという問題があった。
この発明の目的は、上記種々の問題を解決することのできる塗装用ローラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、外周に刷毛部を有する熱可塑性樹脂製のコア部材に、ロッドを回転自在に支持する熱可塑性樹脂製の支持部材を挿入して固定する塗装用ローラにおいて、上記コア部材の一端に、支持部材の一部を溶着したことを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、コア部材の一端または支持部材の一端に溶着代を設け、上記溶着代を溶融するとともに、この溶融した溶着代を、支持部材の一端またはコア部材の一端に溶着したことを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、上記第1の発明において、支持部材の一端にフランジ部を設けるとともに、このフランジ部の内側に溶着代を設け、上記溶着代を溶融するとともに、この溶融した溶着代を、コア部材の一端に溶着したことを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、超音波溶着によってコア部材と支持部材とを溶着することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図4に、この発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、外周に刷毛部19を固定した熱可塑性樹脂製のコア部材20の内周に、支持部材Aを挿入している。
この支持部材Aは、図2に示すように、支持筒10とガイド筒11と固定パイプ12とからなり、支持筒10に固定パイプ12を組み込んだ後、支持筒10の一端にガイド筒11の挿入部11aを圧入することによって、まとまりのある一つの部品にしている。
【0016】
また、上記支持部材Aは、ガイド筒11の一端と、支持筒10内に設けた支持部10aとによって、固定パイプ12の軸方向の移動を規制しつつ、この固定パイプ12の両側に所定の隙間を設けることによって、支持筒10に対する固定パイプ12の滑らかな回転を許容している。
そして、上記固定パイプ12にロッド2を挿入することによって、このロッド2の外周に固定パイプ12を固定するようにしている。
【0017】
一方、上記ガイド筒11は、熱可塑性樹脂製のものであり、その挿入部11aと反対側には、フランジ部Fを設けている。
また、このガイド筒11には、上記フランジ部Fの内側に隣接する拡径部14を設けている。この拡径部14は、この発明の溶着代に相当するものであり、その外径を、上記コア部材20の内径よりも大きくしている。
さらに、このガイド筒11には、凹部15,16を周方向に形成するとともに、これら凹部15,16に直行するリブ17を軸方向に複数形成している。
なお、このガイド筒11と上記支持部10aとの2カ所で、上記ロッド2を支持するようにしている。
【0018】
次に、上記軸受部材Aをコア部材20に固定するときの手順を説明する。
まず、図3に示すように、コア部材20に支持部材Aを挿入する。コア部材20に支持部材Aを挿入すると、拡径部14がコア部材20の一端20aに押し付けられる。
このように拡径部14をコア部材20の一端20aに押し付けた状態で、図示してない超音波溶着手段によって、上記拡径部14を溶融する。このようにすると、図4に示すように、溶融した拡径部14を溶着代にして、コア部材20の一端20aにフランジ部Fが当接する。そして、溶融した部分が冷えて固まることによって、コア部材20の一端20aに支持部材Aのフランジ部Fが固定されることになる。
【0019】
なお、上記したように、支持部材Aをコア部材20に押し込んだときに、溶融された拡径部14の一部が凹部15に入り込むようにしている。そのため、溶融した拡径部14が、フランジ部Fの外側に流出することはない。
【0020】
以上のように、この第1実施形態によれば、支持部材Aに設けた拡径部14を溶着代として、コア部材20の一端20aに支持部材Aのフランジ部Fを溶着する構成にしたので、塗料に含まれるシンナーによってコア部材20が膨潤したとしても、コア部材20と支持部材Aとの結合力が低下することがない。
したがって、塗装作業中に、支持部材Aとコア部材20とがずれてしまったり、支持部材Aからコア部材20が抜けてしまうといった不都合を防止できる。
【0021】
また、コア部材20の一端20aに、支持部材Aのフランジ部Fを溶着する構成にしているので、従来のような微妙な温度管理や、径の高い寸法管理をしなくても、コア部材20と支持部材Aとの組み付け不良が生じない。したがって、安定した性能の製品が供給でき、また、微妙な温度管理や高い寸法管理が不要になった分、製品コストを安くすることができる。
さらに、コア部材20の一端20aに支持部材Aのフランジ部Fを溶着する構成にしているので、溶着面積を軸線方向に大きく取る必要がなくなり、支持部材Aを短くすることができる。そして、このように支持部材Aを短くする分、部品コストを安くできる。
【0022】
上記第1実施形態では、支持部材Aに設けたフランジ部Fを、コア部材20の一端20aに溶着しているが、コア部材20の一端20aに、支持部材Aの一部を溶着することができるのであれば、フランジ部Fの形状はどのようなものでもよい。ただし、この実施形態のように、フランジ部Fを用いれば、コア部材20の一端20a全周に溶着代を介して支持部材Aを溶着することができるので、これら両者の結合力を高めることができる。
【0023】
図5に示した第2実施形態は、コア部材20の一端20aに傾斜面20bを形成し、この傾斜面20bに拡径部14を溶融して溶着するようにしたものである。
この第2実施形態によっても、コア部材20の一端20a側と支持部材Aのフランジ部Fとを溶着することができるので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図6に示した第3実施形態は、コア部材の一端20aに凸部21を環状に形成し、この凸部21を溶着代としてフランジ部Fに溶着するようにしたものである。つまり、この第3実施形態では、支持部材A側に溶着代を設けている。このようにしても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0024】
さらに、上記第1実施形態では、溶着代である拡径部14を溶融し、この溶融した溶着代をコア部材20の一端20aに溶着しているので、コア部材20と支持部材Aとを確実に溶着することができる。ただし、図7に示す第4実施形態のように、拡径部14を省略して、フランジ部Fの一部22を直接コア部材20の傾斜面20bに溶着するようにしてもよい。
【0025】
なお、上記第1〜第4実施形態では、超音波溶着手段を利用して、コア部材20とフランジ部Fとを超音波溶着しているが、ヒータを利用してコア部材20とフランジ部Fとを熱溶着してもよい。つまり、コア部材20と支持部材Aとの溶着方法は、どのようなものでもよい。ただし、超音波を利用して溶着すれば、素早く、かつ、確実にコア部材20と支持部材Aとを溶着することができる。
【0026】
また、支持筒10とガイド筒11と固定パイプ12とによって支持部材Aを構成しているが、支持筒10の一端にフランジ部Fを直接形成し、かつ、ガイド筒11の機能を支持筒10に持たせておけば、支持筒10とガイド筒11とは一体物でもよい。また、上記固定パイプ12の機能を支持筒10に持たせておけば、固定パイプ12を省略してもよい。つまり、この発明の支持部材は、支持筒10とガイド筒11と固定パイプ12の機能を有するものであれば、一つの部材で構成してもよい。
【0027】
【発明の効果】
第1の発明によれば、コア部材の一端に支持部材の一部を溶着する構成にしたので、コア部材が膨潤しても、コア部材と軸受部材との結合力が低下することがない。
したがって、塗装作業中に、コア部材と軸受部材とがずれてしまったり、コア部材から軸受部材が抜けてしまったりするといった不都合を防止できる。
【0028】
第2の発明によれば、コア部材の一端または支持部材の一端に設けた溶着代を溶融し、この溶融した溶着代を、支持部材の一端またはコア部材の一端に溶着する構成にしたので、コア部材と支持部材とを確実に結合することができる。
【0029】
第3の発明によれば、支持部材のフランジ部の内側に溶着代を設けて、この溶着代を溶融してコア部材の一端に溶着する構成にしたので、コア部材の一端全周にフランジ部を固定することができる。このようにすれば、コア部材とフランジ部との結合力を高めることができる。
【0030】
第4の発明によれば、超音波溶着によってコア部材と支持部材とを溶着するので、溶着作業を素早く、かつ、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の断面図である。
【図2】第1実施形態の支持部材Aを示す部分断面図である。
【図3】支持部材AをカバーCに溶着する前の状態を示す説明図である。
【図4】支持部材AをカバーCに溶着した後の状態を示す説明図である。
【図5】第2実施形態の部分断面図である。
【図6】第3実施形態の部分断面図である。
【図7】第4実施形態の部分断面図である。
【図8】従来例を示す斜視図である。
【図9】従来例のカバーC等の断面図である。
【符号の説明】
A 支持部材
2 ロッド
14 この発明の溶着代に相当する拡径部
15 凹部
19 刷毛部
20 コア部材
20a コア部材の一端
F フランジ部
【発明の属する技術分野】
この発明は、カバーに含ませた塗料を、壁面などに塗装するときに用いる塗装用ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の塗装用ローラとして、例えば特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
この従来の塗装用ローラは、図5に示すように、グリップ1に設けたロッド2に、カバーCを着脱自在にしたものである。
上記カバーCは、図6に示すように、熱可塑性樹脂製のコア部材3と、このコア部材3の外周に固定した刷毛部4とを備え、コア部材3の内周に、熱可塑性樹脂製の支持筒5を挿入している。この支持筒5は、熱溶着によってコア部材3に固定している。すなわち、支持筒5の表面と、コア部材3の内面とを、ヒータによってそれぞれ溶かした状態で、支持筒5をコア部材3に挿入し、溶けた部分が固まることによって、コア部材3に支持筒5が固定されるようにしている。
【0003】
上記支持筒5は、その内部に支持部6を形成し、図6に示すように、この支持部6によって、ロッド2を回転自在に支持するようにしている。
また、上記支持筒5には、径方向の弾性を有する熱可塑性樹脂製の固定パイプ7を組み込んでいる。この固定パイプ7は、上記支持部6を通過できない大きさにするとともに、ロッド2を挿入する前の内径は、ロッド2の外径よりも少しだけ小さくなっている。そして、図示するように、この固定パイプ7を拡径しながらロッド2を挿入すると、その弾性力によってロッド2の外周に固定パイプ7が固定されるようにしている。
【0004】
上記支持筒5の一端には、熱可塑性樹脂製のガイド筒8を圧入して固定している。このガイド筒8は、フランジ部8aを備え、このフランジ部8aを支持筒5の一端に接触するまで挿入するようにしている。このように支持筒5に、ガイド筒8を挿入すると、ガイド筒8の一端と上記支持部6とによって、固定パイプ7の軸線方向の移動量が規制される。ただし、この固定パイプ7の両側には隙間を設けているので、支持筒5に対して固定パイプ7は滑らかに回転する。
【0005】
以上のように、固定パイプ7は、支持筒5内で軸方向の移動量が規制されているので、この固定パイプ7にロッド2を固定すれば、このロッド2も支持筒5から抜けなくなる。つまり、固定パイプ7にロッド2を挿入することによって、カバーCをロッド2に取り付けることができるようにしている。
なお、このときロッド2は、支持部6とガイド筒8との2カ所で支持されることになる。
一方、ロッド2を強く引っ張って、固定パイプ7からロッド2を引き抜けば、ロッド2からカバーCから取り外すことができ、カバーCを簡単に交換できるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−023743号公報(図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、支持筒5の表面とコア部材3の内面とを、熱溶着によって固定しているが、上記溶着部に熱をかけて溶かす際、熱をかけ過ぎてしまうことがある。溶着部に熱をかけ過ぎると、コア部材3に支持筒5を差し込む時に、熱をかけた部分が変形して、組み付け不良が起きるおそれがある。このような組み付け不良を防止するために、熱を控えめにかけると、今度は溶着不良になってしまうおそれがある。つまり、溶着部に対する熱のかけ具合というのは非常に微妙であり、この条件出しが困難であるために、従来は、溶着不良率が高くなるという問題があった。
【0008】
また、上記溶着条件が不適切で、溶着部の強度が低目に設定されていると、塗装作業中に、支持筒5に対するコア部材3の位置がずれてしまうこともある。すなわち、上記コア部材3というのは、塗料に含まれるシンナーによって膨潤してその内径が大きくなるが、このようにコア部材3の内径が大きくなると、コア部材3と支持筒5との結合力が低下する。そのため、溶着部の強度が低めに設定されていると、コア部材3の膨潤が原因で、支持筒5に対するコア部材3の位置がずれてしまう。そして、このように支持筒5に対するコア部材3の位置が少しでもずれてしまうと、塗装作業がやりにくくなり、また、支持筒5からコア部材3が完全に抜けてしまった場合には、刷毛部4がまだ使用できるにもかかわらず、カバーC等を新品に交換しなければならないという問題もあった。
【0009】
なお、上記したように、コア部材3と支持筒5との良好な溶着を望むのであれば、コア部材3と支持筒5の両方を溶かす必要がある。しかし、その場合には、これら両者を熱変形温度以上に昇温する必要があるので、その分、組立不良が発生する割合が高くなる。また、コア部材3と支持筒5との寸法精度を高く管理する必要があるので、それによってコストアップするという問題もあった。
【0010】
さらに、従来は、支持筒5の長さをコア部材3の全長と同程度にして、これら両者の接触面積を大きくすることで、結合力を高めるようにしていた。
しかし、コア部材3と支持筒5との接触面積を大きくしても、膨潤によってコア部材3の内径が大きくなると、結合力は低下するため、支持筒5に対するコア部材3のずれを効果的に防止することはできなかった。逆に、支持筒5の全長を長くする分、カバーC全体が重くなるので、塗装時の作業効率が悪くなるという問題があった。
この発明の目的は、上記種々の問題を解決することのできる塗装用ローラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、外周に刷毛部を有する熱可塑性樹脂製のコア部材に、ロッドを回転自在に支持する熱可塑性樹脂製の支持部材を挿入して固定する塗装用ローラにおいて、上記コア部材の一端に、支持部材の一部を溶着したことを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、コア部材の一端または支持部材の一端に溶着代を設け、上記溶着代を溶融するとともに、この溶融した溶着代を、支持部材の一端またはコア部材の一端に溶着したことを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、上記第1の発明において、支持部材の一端にフランジ部を設けるとともに、このフランジ部の内側に溶着代を設け、上記溶着代を溶融するとともに、この溶融した溶着代を、コア部材の一端に溶着したことを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、超音波溶着によってコア部材と支持部材とを溶着することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図4に、この発明の第1実施形態を示す。
図1に示すように、外周に刷毛部19を固定した熱可塑性樹脂製のコア部材20の内周に、支持部材Aを挿入している。
この支持部材Aは、図2に示すように、支持筒10とガイド筒11と固定パイプ12とからなり、支持筒10に固定パイプ12を組み込んだ後、支持筒10の一端にガイド筒11の挿入部11aを圧入することによって、まとまりのある一つの部品にしている。
【0016】
また、上記支持部材Aは、ガイド筒11の一端と、支持筒10内に設けた支持部10aとによって、固定パイプ12の軸方向の移動を規制しつつ、この固定パイプ12の両側に所定の隙間を設けることによって、支持筒10に対する固定パイプ12の滑らかな回転を許容している。
そして、上記固定パイプ12にロッド2を挿入することによって、このロッド2の外周に固定パイプ12を固定するようにしている。
【0017】
一方、上記ガイド筒11は、熱可塑性樹脂製のものであり、その挿入部11aと反対側には、フランジ部Fを設けている。
また、このガイド筒11には、上記フランジ部Fの内側に隣接する拡径部14を設けている。この拡径部14は、この発明の溶着代に相当するものであり、その外径を、上記コア部材20の内径よりも大きくしている。
さらに、このガイド筒11には、凹部15,16を周方向に形成するとともに、これら凹部15,16に直行するリブ17を軸方向に複数形成している。
なお、このガイド筒11と上記支持部10aとの2カ所で、上記ロッド2を支持するようにしている。
【0018】
次に、上記軸受部材Aをコア部材20に固定するときの手順を説明する。
まず、図3に示すように、コア部材20に支持部材Aを挿入する。コア部材20に支持部材Aを挿入すると、拡径部14がコア部材20の一端20aに押し付けられる。
このように拡径部14をコア部材20の一端20aに押し付けた状態で、図示してない超音波溶着手段によって、上記拡径部14を溶融する。このようにすると、図4に示すように、溶融した拡径部14を溶着代にして、コア部材20の一端20aにフランジ部Fが当接する。そして、溶融した部分が冷えて固まることによって、コア部材20の一端20aに支持部材Aのフランジ部Fが固定されることになる。
【0019】
なお、上記したように、支持部材Aをコア部材20に押し込んだときに、溶融された拡径部14の一部が凹部15に入り込むようにしている。そのため、溶融した拡径部14が、フランジ部Fの外側に流出することはない。
【0020】
以上のように、この第1実施形態によれば、支持部材Aに設けた拡径部14を溶着代として、コア部材20の一端20aに支持部材Aのフランジ部Fを溶着する構成にしたので、塗料に含まれるシンナーによってコア部材20が膨潤したとしても、コア部材20と支持部材Aとの結合力が低下することがない。
したがって、塗装作業中に、支持部材Aとコア部材20とがずれてしまったり、支持部材Aからコア部材20が抜けてしまうといった不都合を防止できる。
【0021】
また、コア部材20の一端20aに、支持部材Aのフランジ部Fを溶着する構成にしているので、従来のような微妙な温度管理や、径の高い寸法管理をしなくても、コア部材20と支持部材Aとの組み付け不良が生じない。したがって、安定した性能の製品が供給でき、また、微妙な温度管理や高い寸法管理が不要になった分、製品コストを安くすることができる。
さらに、コア部材20の一端20aに支持部材Aのフランジ部Fを溶着する構成にしているので、溶着面積を軸線方向に大きく取る必要がなくなり、支持部材Aを短くすることができる。そして、このように支持部材Aを短くする分、部品コストを安くできる。
【0022】
上記第1実施形態では、支持部材Aに設けたフランジ部Fを、コア部材20の一端20aに溶着しているが、コア部材20の一端20aに、支持部材Aの一部を溶着することができるのであれば、フランジ部Fの形状はどのようなものでもよい。ただし、この実施形態のように、フランジ部Fを用いれば、コア部材20の一端20a全周に溶着代を介して支持部材Aを溶着することができるので、これら両者の結合力を高めることができる。
【0023】
図5に示した第2実施形態は、コア部材20の一端20aに傾斜面20bを形成し、この傾斜面20bに拡径部14を溶融して溶着するようにしたものである。
この第2実施形態によっても、コア部材20の一端20a側と支持部材Aのフランジ部Fとを溶着することができるので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図6に示した第3実施形態は、コア部材の一端20aに凸部21を環状に形成し、この凸部21を溶着代としてフランジ部Fに溶着するようにしたものである。つまり、この第3実施形態では、支持部材A側に溶着代を設けている。このようにしても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0024】
さらに、上記第1実施形態では、溶着代である拡径部14を溶融し、この溶融した溶着代をコア部材20の一端20aに溶着しているので、コア部材20と支持部材Aとを確実に溶着することができる。ただし、図7に示す第4実施形態のように、拡径部14を省略して、フランジ部Fの一部22を直接コア部材20の傾斜面20bに溶着するようにしてもよい。
【0025】
なお、上記第1〜第4実施形態では、超音波溶着手段を利用して、コア部材20とフランジ部Fとを超音波溶着しているが、ヒータを利用してコア部材20とフランジ部Fとを熱溶着してもよい。つまり、コア部材20と支持部材Aとの溶着方法は、どのようなものでもよい。ただし、超音波を利用して溶着すれば、素早く、かつ、確実にコア部材20と支持部材Aとを溶着することができる。
【0026】
また、支持筒10とガイド筒11と固定パイプ12とによって支持部材Aを構成しているが、支持筒10の一端にフランジ部Fを直接形成し、かつ、ガイド筒11の機能を支持筒10に持たせておけば、支持筒10とガイド筒11とは一体物でもよい。また、上記固定パイプ12の機能を支持筒10に持たせておけば、固定パイプ12を省略してもよい。つまり、この発明の支持部材は、支持筒10とガイド筒11と固定パイプ12の機能を有するものであれば、一つの部材で構成してもよい。
【0027】
【発明の効果】
第1の発明によれば、コア部材の一端に支持部材の一部を溶着する構成にしたので、コア部材が膨潤しても、コア部材と軸受部材との結合力が低下することがない。
したがって、塗装作業中に、コア部材と軸受部材とがずれてしまったり、コア部材から軸受部材が抜けてしまったりするといった不都合を防止できる。
【0028】
第2の発明によれば、コア部材の一端または支持部材の一端に設けた溶着代を溶融し、この溶融した溶着代を、支持部材の一端またはコア部材の一端に溶着する構成にしたので、コア部材と支持部材とを確実に結合することができる。
【0029】
第3の発明によれば、支持部材のフランジ部の内側に溶着代を設けて、この溶着代を溶融してコア部材の一端に溶着する構成にしたので、コア部材の一端全周にフランジ部を固定することができる。このようにすれば、コア部材とフランジ部との結合力を高めることができる。
【0030】
第4の発明によれば、超音波溶着によってコア部材と支持部材とを溶着するので、溶着作業を素早く、かつ、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の断面図である。
【図2】第1実施形態の支持部材Aを示す部分断面図である。
【図3】支持部材AをカバーCに溶着する前の状態を示す説明図である。
【図4】支持部材AをカバーCに溶着した後の状態を示す説明図である。
【図5】第2実施形態の部分断面図である。
【図6】第3実施形態の部分断面図である。
【図7】第4実施形態の部分断面図である。
【図8】従来例を示す斜視図である。
【図9】従来例のカバーC等の断面図である。
【符号の説明】
A 支持部材
2 ロッド
14 この発明の溶着代に相当する拡径部
15 凹部
19 刷毛部
20 コア部材
20a コア部材の一端
F フランジ部
Claims (4)
- 外周に刷毛部を有する熱可塑性樹脂製のコア部材に、ロッドを回転自在に支持する熱可塑性樹脂製の支持部材を挿入して固定する塗装用ローラにおいて、上記コア部材の一端に、支持部材の一部を溶着したことを特徴とする塗装用ローラ。
- コア部材の一端または支持部材の一端に溶着代を設け、上記溶着代を溶融するとともに、この溶融した溶着代を、支持部材の一端またはコア部材の一端に溶着したことを特徴とする請求項1記載の塗装用ローラ。
- 支持部材の一端にフランジ部を設けるとともに、このフランジ部の内側に溶着代を設け、上記溶着代を溶融するとともに、この溶融した溶着代を、コア部材の一端に溶着したことを特徴とする請求項1記載の塗装用ローラ。
- 超音波溶着によってコア部材と支持部材とを溶着することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の塗装用ローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003157611A JP2004358308A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 塗装用ローラ |
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---|---|---|---|
JP2003157611A JP2004358308A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 塗装用ローラ |
Publications (1)
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ID=34051262
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---|---|---|---|
JP2003157611A Pending JP2004358308A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | 塗装用ローラ |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100857343B1 (ko) | 2008-02-01 | 2008-09-05 | 한동연 | 페인트 롤러 및 그 제조방법 |
TWI552170B (zh) * | 2011-11-24 | 2016-10-01 | Nitto Denko Corp | 透明導電性膜 |
-
2003
- 2003-06-03 JP JP2003157611A patent/JP2004358308A/ja active Pending
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