WO2000076374A1

WO2000076374A1 - Dispositif d'inclinaison

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Publication number: WO2000076374A1
Application number: PCT/JP2000/003959
Authority: WO
Inventors: Kakuji Miyata; Akira Sasaki; Masaaki Nonomiya; Toshikazu Minagawa
Original assignee: Nhk Spring Co., Ltd.
Priority date: 1999-06-16
Filing date: 2000-06-16
Publication date: 2000-12-21
Also published as: DE60043584D1; EP1195115A1; US6843533B1; EP1195115A4; EP1195115B1

Description

明細書リクライニング装置技術分野

本発明は、例えば自動車用座席等の背もたれの傾斜角度を調節するのに適したリクライニング装置に関する。

背景技術

リクライニング装置には種々の形式があり、例えば特開平 7 _ 2 3 1 8 2 0号公報に記載されているような内歯式のリクライニング装置が提案されている。内歯式のリクライニング装置は、第 1 8図にその一例を示すように、互いに対向する一対のガイド凸部 1， 2を有する固定プレート 3と、ガイド凸部 1， 2間に収容されたスライドギヤ 4と、インターナルギヤ 5を有する回動プレート 6と、力ム部材 7などを備えている。カム部材 7は操作レバー 8によって第 1 8図中の矢印 A方向（ロック解除方向）に回転させることができる。固定プレート 3はシートクッション側のフレームに固定される。回動プレート 6はシ一トバック側のフレームに固定されていて、シ一トバックと一体に軸 9を中心に回転することがでさる。

スライドギヤ 4の先端部に、インターナルギヤ 5に対して係脱可能な歯部 1 0 が形成されている。カム部材 7のカム面 1 1によってスライドギヤ 4がイン夕一ナルギヤ 5に向かって押圧されると、歯部 1 0がインターナルギヤ 5に嚙合うことによりロック状態となり、回動プレート 6すなわちシートバックが所望角度に固定される。

カム部材 7にはスライドギヤ 4の受け部 1 2に係合する係合部 1 3が形成されている。操作レバ一 8を時計回りに回動させ、係合部 1 3によってスライドギヤ 4をインターナルギヤ 5から離す方向に駆動すると、スライドギヤ 4とイン夕一ナルギヤ 5との嚙合いが外れてロック解除となり、回動プレート 6すなわちシ一トバックが軸 9を中心に回動することができるようになる。

上記のようなリクライニング装置（第 1 8図）において、乗員がシートに着座した状態でシートバックの傾斜角度を調整する際、着座者の上半身の負荷（後方負荷）がシ一トバックにかかる。この場合、第 1 9図に示すようにスライドギヤ 4がィン夕一ナルギヤ 5に嚙合ったまま、スライドギヤ 4の先端部が回動プレート 6と一体に矢印 R 1で示す方向に回動しょうとするため、スライドギヤ 4に時計回りのモ一メント M 1が働く。このモーメント M 1によってスライドギヤ 4が傾き、一方のガイド凸部 1の基端側のコーナー付近の接点 Bと、他方のガイド凸部 2の先端側のコーナ一付近の接点 Cにスライドギヤ 4が押圧された状態になる。

この状態で、第 2 0図に示すように操作レバー 8をロック解除方向に回動させることにより、カム部材 7の係合部 1 3を時計回りに回転させると、スライドギャ 4の受け部 1 2に、スライドギヤ 4をィンタ一ナルギヤ 5から離す方向の力 f 1が入力する。しかしこの力は、スライドギヤ 4を時計回り方向にさらに傾かせるモーメントを発生するため、前記接点 B， Cにおける接触圧がさらに大きくなり、操作レバー 8を操作するのに大きなロック解除力が必要となる。このため着座者は、シ一トバックにあまり負荷をかけないようにして操作レバー 8を操作することになり、操作しにくいものとなっていた。

第 1 8図のロック状態において、追突等を想定した場合、第 1 9図に矢印 R 1 で示す方向に大きな入力があることにより、スライドギヤ 4に働く前記モーメント Μ 1がさらに大きくなる。このため、前記接点 Β , Cにおける接触力がさらに増大する。このためガイド凸部 2の先端近傍の嚙合い箇所 1 5においては、第 2 1図に示すように歯部 1 0とィンターナルギヤ 5との間の隙間 Gが増大する傾向となる。その結果、スライドギヤ 4とィンターナルギヤ 5との嚙合い効率が下がり、係合強度、係合剛性が確保しにくくなる。このため、歯厚を大きくするとか歯数を増やすなどの対策が必要となる。しかし歯厚や歯数を大きくするには限界があり、しかもリクライニング装置全体が大形化する原因となってしまう。

また、特開平 8— 5 2 0 4 0号公報のリクライニング装置では、つば付帽子を縦に切り欠いた形状のブラケッ卜のフランジを固定プレートに固定し、ブラケッ卜の切り欠かかれた筒部に渦巻ばねの内周側端部を係合させるとともに、外周側端部を回動プレートに固定したピンに係合させている。この場合において、ブラケットは、フランジに形成した 2個の孔を固定プレートに形成した凸部に嵌合させることで位置決めされ、フランジを固定プレートに溶接することで固定プレー卜に固定されている。また、ピンは、回動プレートに形成した孔に揷入した後に挿入端をかしめることで回動プレートに固定されている。

また、上記リクライニング装置では、固定プレートと回動プレートとが円周方向へ互いに摺動するように次のような構成を採用している。すなわち、一方のプレートの中央部には円形の凹段部が形成され、他方のプレートの中央部には凹段部と嵌合する凸段部が形成されることにより、両者が軸線回りに相対回動可能となされている。また、一方のプレートにはフランジを有する複数のピンがかしめ固定され、ピンのフランジが他方のプレートの端面外周部の軸線方向への移動を阻止している。これにより、両プレートが互いに接触した状態で円周方向へ相対回動する。

さらに、シートバックの傾斜範囲には制限を設ける必要がある。たとえば、特開平 1 1 一 5 6 5 1 0号公報には、一方のプレートに円弧状をなす長孔を形成し、他方のプレートに長孔に揷入されるピンを固定することにより、ピンが長孔の端部に当接してシ一トバックがそれ以上傾斜しないようにした技術が開示されている。

特開平 8— 5 2 0 4 0号公報に開示された技術では、渦巻ばねの内周側端部と係合するブラケットが略つば付帽子状をなしているため、ブラケットのフランジが占める空間が大きくなり、ブラケットが大型化するという問題がある。また、フランジの緣部を固定プレートに溶接することによりブラケッ卜の固定が行われるため、ブラケットの溶接箇所と渦巻ばねによる荷重が作用する筒部との間の距離が大きくなる。このため、溶接箇所と筒部との間で変形が生じないようにするために、ブラケットの肉厚を厚くする必要があり、リクライニング装置の重量が増加するだけでなく材料費や加工費も割高になるという問題もある。

また、長孔とこれに挿入されるピンを用いた回動プレートの規制手段は、特開平 1 1— 5 6 5 1 0号公報に限らず多くのリクライニング装置で採用されている力回動規制のための専用のピンが必要になるため部品点数が多くなるという問題がある。

また、特開平 8— 5 2 0 4 0号公報に記載されているように、フランジを有するピンによって他方のプレートの軸線方向への相対移動を阻止する技術では、構造的な安定性の観点からピンは少なくとも 3つは必要となるが、部品点数は可能な限り少なくしたいという要請が強い。

さらに、特開平 8 _ 5 2 0 4 0号公報に記載されているように、凸段部と凹段部とを嵌合させて固定プレートと回動プレー卜とを円周方向へ摺動させる技術では、両者の接触面積が大きく、また、プレス打抜きの際に発生するバリにも起因して摩擦抵抗が大きくなり、シートバックがスムーズに傾動しなくなるというトラブルの発生が懸念される。一方、固定プレートと回動プレー卜との間に隙間が生じると、摺動部にゴミが入って回動の際の抵抗が増加する。

一般に、リクライニング装置は、着座者の背部からシートバックを介して負荷の入力を受けており、シートバック内においてその負荷を担っているのはバックフレームである。リクライニング装置の取付部は、このバックフレームに溶接やボルトで取り付けられ、シートスライドのアッパーレールに対し、直接支持されるか、クッションフレームを介して間接的に支持されている。バックフレームが受けた着座者の負荷は、当然リクライニング装置にかかるが、主にその負荷は、回動プレートと固定プレートとの係合位置、すなわち、スライドギヤの歯部とィンターナルギヤとの嚙み合い部分にかかってくる。

ここで、上記のようなリクライニング装置における負荷の関係式を、次に示す。第 2 2図（a ) に示すように、シートバックへの負荷を F、シートバックの回動中心から負荷点までの距離を L、スライドギヤ l a , l bおよびイン夕一ナルギヤ 2の歯部のピッチサークルの半径を r、上側のスライドギヤ 1 aとィン夕ーナルギヤ 2との係合で生じる反力を ί a、下側のスライドギヤ 1 bとイン夕一ナルギヤ 2との係合で生じる反力を f bとすると、力の釣り合いから、

F + f b = f a

モーメン卜の釣り合いから、

F X L = ( f a + f b ) X r

上言己二式力ら、

f a = ( L + r ) x F / 2 r

f b = ( L - r ) x F / 2 r "- ( 1 ) このことから、スライドギヤ l a , 1 bとインタ一ナルギヤ 2の係合位置にかかる負荷は上下で異なり、上側のスライドギヤ 1 aにかかる負荷が下側のスライドギヤ 1 bにかかる負荷よりも大きいことが判る。このため、上側のスライドギャ 1 aの強度を下側のスライドギヤ 1 bの強度よりも高く設定する必要が生じる。これは、スライドギヤ l a， 1 bのガイド部にも言えることである。しかしながら、実際には、製作性あるいは組立性の簡易化を図るために強度設計の異なるスライドギヤを 2種類製作することは行われないのが現状であろう。そして、このようにスライドギヤの部品共通化を図ると、負荷の大きい上側の負荷条件に合わせた強度設計となるので、下側に配置されるスライドギヤにおいては無用な板厚の増加や大型化を招き、装置全体としても大型化や重量増大といった不都合を招くことになる。

また、通常、スライドギヤとインターナルギヤとが係合した状態では、両ギヤの係合を許容させるためのクリアランスによって不可避なガ夕が生じる。このガ夕は、着座者がシートバックにもたれかかった際に瞬間的に生じるものである力上記のようにスライドギヤにかかる負荷に差異があると、係合位置ごとにガ夕が 2回生じる場合がある。第 2 3図（a ) および第 2 4図（a ) は、そのようなガ夕の発生状態を示す線図である。第 2 3図（a ) は、シ一トバックに負荷がかかつてから、まず、大きな負荷を受ける上側の係合位置においてガ夕が生じ（g l で示す部分）、次いで、小さな負荷がかかることによって生じるガ夕（g 2で示す部分）が下側の係合位置において発生していることを示している。第 2 4図 ( a ) は、シートバックに負荷がかかった場合のみに関するシートバックの変位を単純化したもので、 g l， g 2で示す平行部分がガ夕の発生を示している。このように、ガ夕が 2段階に発生することは、瞬間的ではあるものの着座者に不***ゃ違和感を与える現象であり、改良されるべき問題点である。

上記のようなリクライニング装置にあっては、回動プレートの回動をガイドするとともに、両プレー卜が互いに離脱することを防ぐ保持部材が設けられている。この保持部材は、ピンおよびピンの先端部に固定されたフランジを有するもので、例えば特開平 7— 1 3 6 0 3 2号公報ゃ特開平 7 - 2 3 1 8 2 0号公報に開示されているリクライニング装置では、両プレートにそれぞれ 1つずつ設けられており、自身のプレー卜とフランジとの間に相手のプレートの外周部を摺動可能に挟む構成となっている。

上記のようなリクライニング装置では、着座者がもたれかかってシートバックに負荷がかかると、その負荷は回動プレートを介してスライドギヤとイン夕一ナルギヤとの係合位置に伝わるが、これにより、固定プレートと回動プレートとの間には、両プレートを離脱させようとする力が係合位置を中心として発生する。実際には、上記保持部材によって離脱は阻止されるのであるが、ここで問題とされるのは、回動プレート側に設けられた保持部材は当然回動プレートとともに移動するので、その保持部材と係合位置との相対位置がシートバックの傾斜角によつて変わり、場合によっては互いに大きく離間することにある。つまり、両プレ —卜を離脱させようとする力が発生する係合位置から回動プレート側の保持部材が大きく離間してしまうのである。すると、保持部材による保持力が係合位置に有効に作用せず、その結果、係合力が減少してしまう。このため、強度を確保する上で保持部材ゃスライドギヤ等の大型化を招き、装置全体としても大型化や重量増大といった不都合を招くことになる。本発明の第 1の目的は、追突等を想定した場合に、インターナルギヤとスライドギヤとの嚙合い強度を高めることができるようなリクライニング装置を提供することにある。

本発明の第 2の目的は、ロック解除時の操作力が小さくてすみ、操作性のよいリクライニング装置を提供することにある。

本発明の第 3の目的は、渦巻ばねの内周側端部と係合するブラケットを小型化かつ薄肉化して軽量化に寄与するとともに、材料費および加工費を低減することにある。

本発明の第 4の目的は、回動プレートの回動の規制と固定プレートに対する軸線方向への移動の規制を少ない部品で達成することにある。

本発明の第 5の目的は、固定プレートと回動プレートの密着性を確保してゴミの進入を防止しつつ両者の摩擦抵抗を低減させることにある。

本発明の第 6の目的は、スライドギヤの部品共通化が図られることは勿論のこと、小型軽量化および強度向上が達成されることにあり、第 7の目的としては、スライドギヤとィン夕一ナルギヤとの係合位置に生じるガ夕を少なくすることにある。

本発明の第 8の目的は、回動プレートの位置にかかわることなく固定プレートから回動プレー卜が離脱しようと働く力を有効に抑えることができ、その結果、スライドギヤとィンターナルギヤとの係合力を高めて小型軽量化および強度向上が達成されるリクライニング装置を提供することにある。発明の開示

本発明のリクライニング装置は、互いに対向する一対のガイド壁を有する第 1 のガイド部および互いに対向する一対のガイド壁を有する第 2のガイド部が形成された固定プレートと、前記固定プレートに水平方向の軸線回りに回転自在に設けた軸と、固定プレートに対して前記軸を中心に相対回転可能でかつ前記軸を中心とする円弧に沿ってィンターナルギヤが形成された回動プレートと、前記第 1 のガイド部の各ガイド壁間に収容されかつ前記イン夕一ナルギヤに嚙合うロック位置とィンターナルギヤから離れるロック解除位置とにわたつて移動自在な第 1 のスライドギヤと、前記第 2のガイド部の各ガイド壁間に収容されかつ前記イン夕一ナルギヤに嚙合うロック位置とィンターナルギヤから離れるロック解除位置とにわたって移動自在な第 2のスライドギヤと、前記第 1のスライドギヤと第 2 のスライドギヤとの間に設けられかっこれらスライドギヤを同時に前記ロック位置とロック解除位置とにわたつて駆動するカム部材とを具備したリクライニング装置に適用される。

そして、第 1の目的を果たすための発明は、前記カム部材とスライドギヤとが対向する

箇所に、シ一トバックに加わる後方負荷によってスライドギヤに働く回転モーメントの方向にスライドギヤが動くことを抑制する傾斜面を有する支持部を設けている。この発明によれば、追突等を想定した場合のようにシートバックに大きな後方負荷が入力するとき、スライドギヤが前記回転モーメントの方向に動くことが前記支持部によって阻止される。第 2の目的を果たすための発明では、前記カム部材は前記第 1および第 2のスライドギヤのそれぞれに形成された受け部と係合する一対のフック部を有し、前記フック部と前記受け部はカム部材がロック位置方向に回転した状態において前記スライドギヤをインターナルギヤに押圧するカム面を有し、かつ、前記フック部と前記受け部は、前記カム部材がロック解除方向に回転する際に、前記スライドギヤを、シートバックに加わる後方負荷によってスライドギヤに働く回転モーメントと反対方向（前記回転モーメントを打ち消す方向）に変位させる形状としている。この発明によれば、カム部材をロック解除方向に回転させたとき、前記スライドギヤのガイド壁に対する傾きが小さくなる方向にスライドギヤが変位しつつ、その歯部がイン夕一ナルギヤから離れる方向に動くため、ガイド壁に対するスライドギヤの接触圧が下がり、ロック解除力が小さくてすむ。

この発明において、前記フック部と受け部が、それぞれ、前記スライドギヤの両側面の内側の領域のスライドギヤ中心線付近に設けられているとよい。こうすることにより、スライドギヤをコンパクトに構成することができる。

第 3の目的を達成するための発明は、ブラケットに、固定プレートの端面から軸線方向へ突出して渦巻きばねの内周側端部と係合する縦板部と、この縦板部の固定プレート側の縁部から軸に向けて延在する底板部とを備え、この底板部によりブラケットを固定プレートに固定し、さらに、縦板部を、軸を中心とする略半円筒状をなす形状とし、縦板部と底板部との交又部に、縦板部および底板部に亘る複数の切欠を形成し、固定プレートに、切欠に嵌合する凸部を設けている。上記構成のリクライニング装置にあっては、ブラケッ卜の底板部が縦板部の縁部から軸へ向けて延在しているから、つば付帽子状のブラケッ卜のように外側に張り出すフランジがなく、しかも、縦板部に係合した渦巻きばねによる荷重が縦板部の直下に存在する凸部によって支えられる。したがって、ブラケットを小さくすることができるとともに縦板部の設計強度を小さく設定することができ、ブラケットの肉厚を薄くすることができる。また、渦巻きばねの荷重は凸部によつて支えられるので、ブラケッ卜を固定プレートに例えば溶接によって固定する場合には、ブラケットが固定プレートから離脱しない程度の溶接で足りる。よって、ブラケッ卜の固定プレー卜への溶接を簡略化することができるとともに、その品質管理も簡易になる。なお、ブラケットの固定プレートへの溶接に際しては、固定プレー卜の凸部とブラケットの切欠とを溶接するのが簡便である。

第 4の目的を達成するための発明は、回動プレートの外周部に、軸線方向に沿つて前記固定プレート側へ突出するピンを設けるとともに、このピンに渦巻きばねの外周側端部を係合させ、ピンの渦巻きばねと固定プレー卜との中間位置に、固定プレートの回動プレー卜からの離間を阻止するフランジを設けている。このように構成することにより、ピンが①渦巻きばねの取付、 ②固定プレートおよび回動プレートどうしの離間防止という 2つの機能を奏する。さらに、固定プレートの外周部に、固定プレー卜と回動プレートとが所定の範囲まで相対的に回動したときにピンと当接するストツパを設けることにより、ピンに③回動プレートの回動範囲の制限という 3つ目の機能を持たせることができ、部品点数をさらに少なくすることができる。

ストツパは、シ一トバックを後傾させたときまたは前傾させたときの制限とすることができ、ストツバを 2箇所に設けることによって前傾および後傾の際の制限とすることができる。なお、固定プレートには、ピンが当接するためのストツパの他に外周側へ突出する複数の鍔部が形成され、それら鍔部にはリクライニング装置をシ一トクッションのフレームへ取り付けるためのためのボルト孔が形成される。したがって、ピンと当接するストツバをさらに設けても、当初の歩留りの範囲内で製造することができる。

第 5の目的を達成するための発明は、固定プレートおよび回動プレートの一方に、他方と摺接する凸条を軸の周囲の全周に亘つて設けている。幅の狭い凸条によって固定プレートおよび回動プレートどうしを摺動させることにより、両者を密着させつつ摩擦抵抗を低減することができる。凸条は、固定プレートまたは回動プレートを板金加工する際に、プレス成形によって加工することができる。回動プレートのインターナルギヤもプレス成形で加工されるので、その加工への影響を考慮すると凸条は固定プレートに成形することが望ましい。

第 6および第 7の目的を達成するための発明は、固定プレー卜と回動プレートとの間に介在され、回動プレートをシ一トバックが前傾する方向に回動させる付勢部材を具備し、第 1および第 2のスライドギヤとイン夕一ナルギヤとの係合位置の中心を、シートバックの標準傾斜角に沿った線に直交し、かつ回動プレートの回動中心を通過する線上に配置している。

第 2 2図（b ) は、本発明のリクライニング装置におけるスライドギヤの配置を模式的に示すものである。同図のように、一対のスライドギヤ l a， l bは前後に配置されており、これらスライドギヤ l a， 1 bの歯部とインターナルギヤ 2との係合位置の中心、すなわち負荷を受ける中心は、シートバックの標準傾斜角 0に沿った線 L 1に直交し、かつ回動プレートの回動中心（軸 3 ) を通過する線し 2上に位置している。

ここで、本発明のリクライニング装置における負荷の関係式を、次に示す。第 2 2図（b ) に示すように、シートバックへの負荷を F、シートバックの回動中心から負荷点までの距離を L、スライドギヤ l a， l bおよびインタ一ナルギヤ 2の歯部のピッチサークルの半径を r、前側のスライドギヤ 1 aとィン夕ーナルギヤ 2との係合で生じる反力を f a、後側のスライドギヤ 1 bとィンターナルギヤ 2との係合で生じる反力を f bとすると、

モーメントの釣り合いから、

F X L = ( f a ' + f b ' ) X r

f a ' = f b '

上言 S二式力、ら、

f a ' = f b ' = L X F / 2 r ··· ( 2 )

このことから、スライドギヤの係合位置にかかる負荷は前後同じである。したがって、一対のスライドギヤおよびこれらスライドギヤの各ガイド部等に係る部品を、負荷条件を同じくして設計することができ、部品の共通化が図られる。また、上記（2 ) 式と前述の（ 1 ) 式とを対比すると、従来の上側の係合位置にかかる負荷 f aよりも本発明の係合位置にかかる負荷 f a ' (= f b ' ) の方が小さいことは明らかである。したがって、小型軽量化が図られるとともに、強度を向上させることができる。また、一対のスライドギヤにかかる負荷が均等であることから、これらスライドギヤの係合位置に生じるガ夕は同時に発生し、したがつて、ガ夕は 1回に減少する。

また、一対のスライドギヤにかかる負荷が均等であることから、これらスライドギヤの係合位置に生じるガ夕は同時に発生し、したがって、ガ夕の発生を 1回に留めることができる。第 2 3図（b ) および第 2 4図（b ) は、本発明におけるガ夕の発生状態を示す線図である。第 2 3図（b ) は、シートバックに対して後方に負荷をかけ、次いで前方へ負荷をかけた際に生じるシ一トバックの上端部の変位を示しており、 g 1で示す部分でガ夕が発生している。第 2 4図（b ) は、シートバックに負荷がかかった場合のみに関するシ一トバックの変位を単純化したもので、 g 1で示す平行部分がガ夕の発生を示している。このようにシートバックに負荷がかかった場合のガ夕の発生は、 1回のみである。その結果、ガ夕の発生によって着座者に与える不快感ゃ違和感を極力抑えることができる。

第 8の目的を達成するための発明は、固定プレートに設けられ、回動プレートを回転自在に支持するとともに、固定プレー卜からの回動プレートの離脱を阻止する保持部材と、固定プレートと回動プレートとの間に介在され、回動プレートをシートバックが前傾する方向に回動させる付勢部材とを具備している。

上記リクライニング装置では、軸を回転させて第 1、第 2のスライドギヤをィンターナルギヤから離間させることにより、回動プレー卜が固定プレートに対して回転可能となる。この状態で渦巻きばねの弹性力によってあるいは弾性力に抗してシートバックを傾動させ、所望の位置で軸を逆回転させて各スライドギヤをィンターナルギヤに嚙み合わせることにより、シ一トバックが固定される。

そして本発明は、上記構成において、固定プレートに設けられた保持部材が、各スライドギヤに近接し、かつ少なくとも各スライドギヤに対して 1つずつ設けられ、さらに、この保持部材の回動プレートを保持する部分の少なくとも一部が、スライドギヤの係合方向に延びる幅の範囲内にあることを特徴としている。

このような保持部材の配置形態によれば、シートバックの傾動に伴って回動する回動プレー卜の位置（回動角度）にかかわることなく、保持部材は常にスライドギヤとィンターナルギヤとの係合位置の近傍において回動プレートを固定プレ一卜に保持する。これは、保持部材が固定プレートに設けられ、スライドギヤとの相対位置が回動プレートの回動とは関係なく常に固定的であるからである。この保持部材が係合位置の近傍にあることにより、係合位置を中心として発生する両プレートを離脱させようとする力が有効に抑えられる。その結果、スライドギャとインターナルギヤとの係合力が常に十分確保され、ひいては装置の小型軽量化ならびに強度の向上を図ることができる。特に本発明では、保持部材の回動プレートを保持する部分の少なくとも一部がスライドギヤの係合方向に延びる幅の範囲内にあることから、両プレートを離脱させる力を抑える作用がより効果的に働く。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の第 1実施形態のリクライニング装置の左側の部分を示す分解斜視図である。

第 2図は、第 1実施形態のリクライニング装置の右側の部分を示す分解斜視図である。

第 3図は、第 1図に示されたリクライニング装置を組立てた状態の斜視図である。

第 4図は、第 1図に示されたリクライニング装置の縦断面図である。

第 5図は、第 1図に示されたリクライニング装置がロック状態にある時の同装置の一部の側面図である。

第 6図は、第 1図に示されたリクライニング装置に後方負荷が入った時の同装置の一部の側面図である。

第 7図は、第 1図に示されたリクライニング装置のカム部材がロック解除方向に動く時の側面図である。

第 8図は、第 1図に示されたリクライニング装置のロック解除状態の側面図である。

第 9図は、第 1図に示されたリクライニング装置の一部の拡大図である。第 1 0図は、本発明の第 2実施形態のリクライニング装置を回動プレートのィンターナルギヤの部分で切断した断面図である。

第 1 1図は、第 1図に示すリクライニング装置の一部にブラケットを固定する前の状態を示す斜視図である。

第 1 2図は、第 1 1図に示す状態からブラケットを固定した状態を示す斜視図である。第 1 3図は、本発明の第 3実施形態のリクライニング装置がシートに取り付けられた状態を示す側面図である。

第 1 4図は、本発明の第 4実施形態のリクライニング装置の左側の部分を示す分解斜視図である。

第 1 5図は、第 4実施形態のリクライニング装置の右側の部分を示す分解斜視図である。

第 1 6図は、第 4実施形態のリクライニング装置を回動プレートのインターナルギヤの部分で切断した断面図である。

第 1 7図は、第 1 4図に示すリクライニング装置を組み立てた状態を示す斜視図である。

第 1 8図は、従来の内歯式リクライニング装置の一部の側面図である。

第 1 9図は、第 1 8図に示されたリクライニング装置に後方負荷が加わった状態の側面図。

第 2 0図は、第 1 8図に示されたリクライニング装置のカム部材がロック解除方向に操作された時の側面図である。

第 2 1図は、第 1 9図中のスライドギヤとインターナルギヤとの嚙合い部分の一部の拡大図である。

第 2 2図において（a ) は従来のリクライニング装置におけるスライドギヤの配置を模式的に示す側面図、（b ) は本発明のリクライニング装置におけるスラィドギヤの配置を模式的に示す側面図である。

第 2 3図において（a ) は従来のリクライニング装置に前後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図、（b ) は本発明のリクライニング装置に前後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図である。

第 2 4図において（a ) は従来のリクライニング装置に後負荷をかけた際のシ一トバックの変位量を示す線図、（b ) は本発明のリクライニング装置に後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図である。発明を実施するための最良の形態

第 1実施形態以下に本発明の第 1の実施形態について第 1図〜第 8図を参照して説明する。第 1図は自動車用シートの進行方向に向かって左側のリクライニング装置 2 0 を示す分解斜視図であり、第 2図は右側のリクライニング装置 2 0 ' を示す。これら 2つのリクライニング装置 2 0， 2 0 ' は、勝手違いに製作されている。第 1図等に示すリクライニング装置 2 0は、自動車等のシートのクッション（座部）のフレームに固定される固定プレート 2 1と、固定プレート 2 1に重ねて設ける回動プレー卜 2 2を備えている。これら固定プレート 2 1と回動プレート 2 2はいずれも金属製のプレス成形品、もしくは冷間鍛造等の鍛造製品である。固定プレート 2 1には、シートクッション側のフレームに取付けるためのボルト等を挿入する孔 2 3 aが形成されている。回動プレート 2 2にはプレスによつて外面側に突出させた固定用凸部 2 4が形成されており、第 3図に示すように固定用凸部 2 4をシートバック側のフレーム 2 7に溶接するなどしてシートバックに固定される。

固定プレート 2 1と回動プレート 2 2のそれぞれの中央部に貫通孔 2 5 , 2 6 が形成されている。これら貫通孔 2 5 , 2 6に、軸 3 0が水平方向に挿入される。軸 3 0は、フランジ状の端部 3 1と、断面が非円形のカム取付部 3 2と、レバ一取付部 3 3などを有している。レバ一取付部 3 3には、ロック解除用の操作レバ —3 4 (第 4図に示す）が取付けられる。軸 3 0は、その軸線 O (第 1図と第 3 図に示す）まわりに回転自在である。

固定プレート 2 1には、プレスによって内側（第 3図において右側）に凸となるように打ち出された第 1のガイド部 4 1と第 2のガイド部 4 2が設けられている。第 1のガイド部 4 1は、互いに対向するほぼ平行な一対のガイド壁 4 5， 4 6を含む凸部 4 7， 4 8を有している。第 2のガイド部 4 2も、互いに対向するほぼ平行な一対のガイド壁 5 0 , 5 1を含む凸部 5 2， 5 3を有している。

第 1のガイド壁 4 5， 4 6の間に、プレスによって外側（第 3図において左側）に向けて凹ませた一対のスリット 5 5が設けられている。第 2のガイド壁 5 0 , 5 1の間にも、プレスによって外側に向かって凹ませた一対のスリット 5 6 が設けられている。さらに中央の貫通孔 2 5の近傍に、プレスによって外側に打ち出した一対の位置決め凸部 5 7が設けられている。これら位置決め凸部 5 7に下記ブラケット 6 1が固定される。

第 1の凸部 4 7， 4 8と第 2の凸部 5 2， 5 3は，いずれも固定プレート 2 1 の外周側に向かって幅が広がるような末広がり形状としている。凸部 4 7， 4 8 ,

5 2， 5 3をこのような末広がり形状とすることにより、追突等を想定した場合に、後述するスライドギヤ 7 0， 7 1に対する支持強度を大幅に向上させることができる。

回動プレート 2 2は、固定プレート 2 1に対して軸 3 0を中心に相対回転自在である。回動プレート 2 2の回動範囲を規制するために、固定プレート 2 1にストツパ 5 8， 5 8が設けられている。この回動プレート 2 2には、渦巻きばね等のトルク発生用ばね 6 0によって、軸 3 0まわりのトルク（シートバックを前方に倒す方向のトルク）が与えられるようになつている。トルク発生用ばね 6 0の中心部に設けるブラケット 6 1は、位置決め凸部 5 7により、固定プレート 2 1 の所定位置において回り止めがなされた状態で固定される。トルク発生用ばね 6 0の内側の端部 6 0 aは、ブラケット 6 1に係止される。トルク発生用ばね 6 0 の外側の端部 6 0 bは、このばね 6 0をねじった状態で回動プレート 2 2のばね受け部材 6 2に係止される。

回動プレート 2 2に、外側（第 3図において右側）に向かってほぼ円形に打ち出したオフセット加工部 6 5が形成されている。すなわちこのオフセット加工部

6 5は、固定プレート 2 1と向かい合う面が凹んだ形状となっている。オフセット加工部 6 5の内周部にインターナルギヤ（内歯） 6 6が形成されている。インターナルギヤ 6 6は、軸 3 0が通る貫通孔 2 6を中心とする円弧に沿って形成されている。

固定プレート 2 1と回動プレート 2 2との間、すなわちオフセット加工部 6 5 の内側の空間部分に、一対のスライドギヤ 7 0， 7 1とカム部材 7 2が収容されている。スライドギヤ 7 0， 7 1は互いに共通の形状である。一方のスライドギャ 7 0は、第 1のガイド壁 4 5 , 4 6に沿う互いにほぼ平行な直線状の側面 7 5 ,

7 6を有し、他方のスライドギヤ 7 1は第 2のガイド壁 5 0， 5 1に沿う互いにほぼ平行な直線状の側面 7 7 , 7 8を有している。

一方のスライドギヤ 7 0は、第 1のガイド壁 4 5， 4 6に沿って移動することができ、他方のスライドギヤ 7 1は、第 2のガイド壁 50, 5 1に沿って移動することができる。第 4図に示すように、一方のスライドギヤ 70の両側面 7 5，

76とガイド壁 45， 46との間に若干の隙間 80が確保されている。他方のスライドギヤ 7 1の両側面 7 7， 78とガイド壁 50, 5 1との間にも若干の隙間 8 1が確保されている。

スライドギヤ 70, 7 1の先端部には、インターナルギヤ 66に係脱可能な歯部 82が設けられている。第 8図に拡大して示すように、スライドギヤ 70， 7 1の基端側には、後述するフック部 1 00が挿入される凹部 85と凸部 86を含む受け部 8 7と、ロック状態の時にカム部材 72のカム面 1 0 1によって押圧されるカム面 88が形成されている。

スライドギヤ 70， 7 1に凸部 90， 9 1が設けられている。これらの凸部 9 0， 9 1は前記スリット 55， 56に挿入され、スリット 55， 56に沿う方向にスライドギヤ 70, 7 1がロック位置とロック解除位置とにわたつて移動できる。これら凸部 90, 9 1とスリット 5 5， 56とを嵌合させたことにより、追突等を想定した場合にスライドギヤ 70, 7 1に入力する荷重に対してガイド部 41, 42の強度が大幅に向上する。

カム部材 7 2は、その中心部に孔 95を有し、この孔 95に軸 30のカム取付部 32が挿入され、座金 96と、かしめ部 97 (第 3図に示す）とによって、力ム部材 72が軸 30から抜け出ることが阻止される。カム部材 72には、一対のフック部 1 00が互いに 1 80 ° の位置関係で設けられている。これらのフック部 1 00は、スライドギヤ 70， 7 1のそれぞれの受け部 87の凹部 8 5に挿入される。このカム部材 72には、スライドギヤ 70， 7 1のそれぞれのカム面 8 8に接することのできる一対のカム面 1 0 1が互いに 1 80° の位置に設けられている。これらのカム面 1 0 1は、カム部材 72が第 4図に示すロック位置にある時に、スライドギヤ 70， 7 1のカム面 88に接することにより、スライドギャ 70， 7 1をィン夕一ナルギヤ 66に向かって押圧するようになつている。カム部材 72のフック部 1 00は、カム部材 72が第 6図から第 7図に示されるロック解除方向に回動する際に、スライドギヤ 70， 7 1の受け部 8 7の凸部

86に係合した状態で時計回り方向に回動することにより、スライドギヤ 70， 7 1を軸 3 0に近付ける方向に引き寄せることのできる形状となっている。しかもこれら受け部 8 7とフック部 1 0 0は、カム部材 7 2が上記ロック解除方向に回転する際に、スライドギヤ 7 0， 7 1を、シートバックに加わる後方負荷によつてスライドギヤ 7 0， 7 1に働く回転モーメント M 1とは反対方向（第 6図に矢印 M 2で示す方向）に変位させる形状としている。

一方のスライドギヤ 7 0の受け部 8 7とフック部 1 0 0は、スライドギヤ 7 0 の両側面 7 5， 7 6の内側の領域に設けられている。そして受け部 8 7とフック部 1 0 0とが接する箇所がスライドギヤ 7 0の中心線 Y (第 4図に示す）付近に位置している。他方のスライドギヤ 7 1の受け部 8 7とフック部 1 0 0も、スラィドギヤ 7 1の両側面 7 7， 7 8の内側の領域に設けられており、互いに接する箇所がスライドギヤ 7 1の中心線 Y付近に位置している。

カム部材 7 2は第 1図に示すリターンばね 1 1 0によって、ロック位置方向 (第 4図において反時計回り方向）に常時付勢されている。図示例の場合、リタ —ンばね 1 1 0は 2個使われており、それぞれ、固定プレート 2 1に設けたばね掛け部 1 1 1と、カム部材 7 2に設けたばね受け部 1 1 2との間に、カム部材 7 2をロック位置方向に付勢するトルクを発生するようにねじった状態でセッ卜されている。

スライドギヤ 7 0， 7 1とカム部材 7 2とが対向する箇所に、支持部 1 2 0が設けられている。支持部 1 2 0は、シ一トバックに加わる後方負荷によってスライドギヤ 7 0 , 7 1に働く回転モーメント M 1の方向にスライドギヤ 7 0， 7 1 が動くことを抑制する機能を担っている。第 8図に一方を拡大して示すように支持部 1 2 0は、スライドギヤ 7 0， 7 1に前記回転モーメント M 1が働くときに、カム部材 7 2を前記ロック位置の方向に付勢するように互いに接する傾斜面 1 2 1， 1 2 2を有している。一方の傾斜面 1 2 1はスライドギヤ 7 0， 7 1に設けられている。他方の傾斜面 1 2 2はカム部材 7 2の外周部に設けられている。これら傾斜面 1 2 1 , 1 2 2の接触面と直角な方向に延びる線分（垂線） Hは、力ム部材 7 2の回転中心 X (すなわち軸 3 0の中心）よりもカム面 8 8， 1 0 1側に偏倚した方向を指向している。

次に、前記構成のリクライニング装置 2 0の作用について説明する。第 4図に示すロック状態では、カム部材 7 2のカム面 1 0 1によってスライドギヤ 7 0， 7 1がイン夕一ナルギヤ 6 6に押付けられており、インターナルギヤ 6 6とスライドギヤ 7 0， 7 1の歯部 8 2が嚙合うことにより、回動プレート 2 2が固定プレー卜 2 1に固定される。つまりシートバックが固定された状態となる。第 5図は着座者の上半身からの負荷（シートバックの後方負荷）が回動プレ一卜 2 2に入った状態を示している。この場合、インターナルギヤ 6 6に嚙合つているスライドギヤ 7 0， 7 1が回動プレート 2 2と同じ方向（矢印 R 1で示す方向）に回動しょうとするため、スライドギヤ 7 0， 7 1に時計回りのモ一メント M lが生じる。このため第 1のスライドギヤ 7 0はガイド壁 4 5， 4 6との接点 E， Fにおいて凸部 4 7 , 4 8に押圧され、第 2のスライドギヤ 7 1もガイド壁 5 0， 5 1 との接点 F， Eにおいて凸部 5 2， 5 3に押圧される。

この状態で操作レバー 3 4をロック解除方向に操作すると、第 6図に示すようにフック部 1 0 0によって受け部 8 7の凸部 8 6が反時計回りに押され、スライドギヤ 7 0 , 7 1の前記回転モーメント M 1を打ち消す方向のモーメント M 2力スライドギヤ 7 0， 7 1に働く。このため、ガイド壁 4 5， 4 6， 5 0， 5 1に対するスライドギヤ 7 0， 7 1の接触圧が下がり、小さなロック解除力によってスライドギヤ 7 0 , 7 1がイン夕一ナルギヤ 6 6から離れることができる。

こうして、第 7図に示すように、イン夕一ナルギヤ 6 6と歯部 8 2との嚙合いが外れる。このロック解除状態では、スライドギヤ 7 0， 7 1による回動プレート 2 2の拘束が解かれるため、固定プレート 2 1に対して回動プレート 2 2が軸 3 0を中心に回動することが可能となる。

前記のロック解除状態で背もたれの傾斜角度を調整したのち、操作レバ一 3 4 の操作力を解除すれば、カム部材 7 2がリターンばね 1 1 0の弹力により、第 4 図に示すロック位置に戻るとともに、操作レバー 3 4も元の位置に戻ることになつて、スライドギヤ 7 0， 7 1がインターナルギヤ 6 6と嚙合って回動プレート 2 2が固定される。第 8図に示すロック状態で、追突等を想定した場合、支持部 1 2 0の傾斜面 1 2 1， 1 2 2が互いに接することによって、スライドギヤ 7 0， 7 1が回転モーメント M 1の方向に動くことが阻止される。第 2実施形態

本発明の第 2実施形態について第 1図〜第 4図、第 1 0図〜第 1 2図を参照して説明する。第 2実施形態のリクライニング装置は、前記第 1実施形態とほぼ同等の構成であるが、以下の点で異なっている。

すなわち、固定プレート 2 1の中央の貫通孔 2 5の近傍には、プレス成形によつて外側に打ち出した一対の丸型位置決め凸部 5 7 aと角型位置決め凸部 5 7 b とが設けられている。丸型位置決め凸部 5 7 aは、軸線 Oに関して互いに対称位置に配置され、丸形位置決め凸部 5 7 aおよび角型位置決め凸部 5 7 bは、軸線〇から同じ寸法離間している。そして、これら丸型位置決め凸部 5 7 aおよび角型位置決め凸部 5 7 bにブラケット 6 1が固定されている。，

ブラケット 6 1は、略半円筒状をなす縦板部 6 1 aと、この縦板部 6 1 aから内周側へ向けて延在する底板部 6 1 bとからなっている。これら縦板部 6 1 aおよびと底板部 6 1 bの交 ¾部には、縦板部 6 1 aおよび底板部 6 1 bに亘る複数の切欠 6 1 c， 6 I dが形成されている。切欠 6 1 cは半円状をなし、固定プレ —ト 2 1の丸形位置決め凸部 5 7 aと嵌合している。切欠 6 1 dは矩形状をなし、角型位置決め凸部 5 7 bと嵌合している。そして、これら切欠 6 1 c , 6 I dと位置決め凸部 5 7 a， 5 7 bとを溶接することにより、ブラケット 6 1は、回り止めがなされた状態で固定プレート 2 1に固定されている。なお、第 1 1図および第 1 2図は、右側のリクライニング装置 2 0の固定プレート 2 1およびブラケット 6 1を示している。

回動プレート 2 2には、外周側へ突出する鍔部 2 2 aが形成され、鍔部 2 2 a に形成された孔 2 2 bには保持部材 6 2が固定されている。一方、固定プレート 2 1には、外周側に突出するストツバ 5 8， 5 8がー体的に形成され、保持部材 6 2がストッパ 5 8に当接することで回動プレート 2 2の回動範囲が制限されている。渦巻きばね 6 0は、その中央空間部にブラケット 6 1が収容されるように取り付けられ、その内周側の端部 6 0 aは、ブラケット 6 1の縦板部 6 1 aに係止されている。また、渦巻きばね 6 0の外周側の端部 6 0 bは、このばね 6 0をねじった状態で保持部材 6 2に係止されている。これにより、回動プレート 2 2 には、軸 3 0まわりのトルク（シ一トバックを前傾させる方向のトルク）が与えられている。

ここで、保持部材 6 2の中央部にはフランジ 6 2 bが形成され、このフランジ

6 2 bと回動プレー卜 2 2によって固定プレート 2 1を挟み込んでいる。また、固定プレート 2 1には、フランジ状の頭部を有するピン 5 9が回動プレート 2 2 の外周に沿って固定され、ピン 5 9の頭部と固定プレート 2 1によって回動プレ —卜 2 2を挟み込んでいる。保持部材 6 2およびピン 5 9 , 5 9は、円周方向の 3箇所に配置されており、固定プレート 2 1と回動プレート 2 2とを離間させる荷重がかかったときに、その荷重を支えて両者の離間を阻止する。さらに、固定プレート 2 1の回動プレート 2 2側の面には、軸線〇を中心とする円弧状の凸条

7 5が形成されており、回動プレート 2 2が凸条 7 5の表面と摺接するようになつている。

カム部材 7 2のフック 1 0 0は、カム部材 7 2が第 1 0図において反時計回りのロック解除方向に回動する際に、スライドギヤ 7 0， 7 1の凸部 8 7に係合してスライドギヤ 7 0 , 7 1を軸 3 0に近付ける方向に引き寄せる。以上の構成のカム部材 7 2は、第 1図に示すリターンばね 1 1 0によって、ロック位置方向

(第 1 0図において時計回り方向）に常時付勢されている。図示例の場合、リタ —ンばね 1 1 0は 2個使われており、それぞれ固定プレート 2 1に形成したばね掛け部 1 1 1と、カム部材 7 2に形成したばね受け部 1 1 2との間に、カム部材

7 2をロック位置方向に付勢するトルクを発生するようにねじった状態でセットされている。

第 2図に示すように、お側のリクライニング装置では、軸 3 0のレバー取付部 3 3 bの外周に溝 3 3 cが形成され、この溝 3 3 cにはスナップリング 1 2 0力取り付けられている。一方、操作レバ一 3 4には、その厚さ方向に延在する取付穴 3 5が形成されて、取付穴 3 5の内周には、スナップリング 1 2 0が嵌合する溝（図示略）が形成されている。したがって、操作レバ一 3 4の取付穴 3 5にレバー取付部 3 3 bを挿入すると、スナップりング 1 2 0によって両者が結合される。なお、この実施形態では、第 2図のリクライニング装置 2 0 ' にはブラケット 6 1と渦巻きばね 6 0を装着していないが、第 2図のリクライニング装置 2 0 ' にのみブラケット 6 1および渦巻きばね 6 0を装着することも可能であり、あるいは、両方のリクライニング装置 2 0 , 2 0 ' に装着することもできる。

上記構成のリクライニング装置 2 0にあっては、ブラケット 6 1の底板部 6 1 bが縦板部 6 1 aの縁部から軸 3 0へ向けて延在しているから、つば付帽子状のブラケットのように外側に張り出すフランジがなく、したがって、ブラケット 6 1を小さくすることができる。また、縦板部 6 1 aと底板部 6 1 bとの交叉部に、両者に亘る複数の切欠 6 1 c , 6 1 dを形成し、固定プレート 2 1に、切欠 6 1 c , 6 1 dに嵌合する凸部 5 7 a， 5 7 bを形成しているから、縦板部 6 1 aに係合した渦巻きばね 6 0による荷重が縦板部 6 1 aの直下に存在する凸部 5 7 a，

5 7 bによって支えられる。したがって、縦板部 6 1 aの設計強度を小さく設定することができ、ブラケット 6 1の肉厚を薄くすることができる。また、渦巻きばね 6 0の荷重は凸部 5 7 a， 5 7 bによって支えられるので、ブラケット 6 1 を固定プレート 2 1に固定するための溶接はブラケット 6 1が固定プレート 2 1 から離脱しない程度で足りる。よって、ブラケット 6 1の固定プレート 2 1への溶接を簡略化することができるとともに、その品質管理も簡易になる。

特に、上記第 2実施形態では、回動プレート 2 2の外周部に固定した保持部材

6 2が①渦巻きばね 6 0の取付、 ②固定プレート 2 1および回動プレー卜 2 2どうしの離間防止、 ③回動プレー卜 2 2の回動範囲の規制という 3つ目の機能を有しているから、部品点数を少なくすることができる。さらに、上記実施形態では、固定プレート 2 1に回動プレート 2 2と摺接する凸条 7 5を形成しているから、両者を密着させつつ摩擦抵抗を低減することができる。第 3実施形態

第 1図〜第 4図、第 1 0図〜第 1 3図を参照して本発明の一実施形態を説明する。第 3実施形態のリクライニング装置は、第 1実施形態とほぼ同等の構成であるが、以下の点で異なっている。

すなわち、第 3実施形態のリクライニング装置 2 0 ( 2 0 ' ) は、固定プレート 2 1がシートクッション S 1に固定された状態において、第 1 3図に示すように、一方のスライドギヤ 7 1が前方に、他方のスライドギヤ 7 0が後方に配置されている。なお、第 1 3図におけるリクライニング 2 0は、スライドギヤ 7 0 , 7 1やカム部材 7 2を透視して図示している。これらスライドギヤ 7 0， 7 1は、その移動方向が若干前上がりに傾斜するように前後に配置され、ィンターナルギャ 6 6に係合するそれぞれの歯部 8 2の中心が、シートバック S 2の標準傾斜角 Θに沿った線 L 1に直交し、かつ回動プレート 2 2の回動中心である軸 3 0の中心を通過する線 L 2上に位置している。

上記リクライニング装置 2 0 ( 2 0 ' ) によれば、スライドギヤ 7 0， 7 1力' 前後に配置され、インターナルギヤ 6 6に係合するそれぞれの歯部 8 2の中心が、シートバック S 2の標準傾斜角 Θに沿った線 L 1に直交し、かつ回動プレート 2 2の回動中心である軸 3 0の中心を通過する線 L 2上に位置している。これにより、スライドギヤ 7 0， 7 1にかかる負荷は、双方同じである。このことは、前述した（2 ) 式によって証明されている。したがって、一対のスライドギヤ 7 0 , 7 1およびこれらスライドギヤ 7 0 , 7 1を支持する各ガイド部 4 1 , 4 2 (凸部 4 7， 4 8および凸部 5 2， 5 3 ) を、負荷条件を同じくして設計することができ、その結果、部品の共通化が図られる。また、前述の如く、スライドギヤを上下に配置した従来構成における上側の係合位置にかかる負荷よりも、前後に配置した本実施形態のスライドギヤ 7 0， 7 1の係合位置にかかる負荷の方が小さい。したがって、小型軽量化が図られるとともに、強度を向上させることができる。

また、一対のスライドギヤ 7 0， 7 1にかかる負荷が均等であることから、これらスライドギヤ 7 0， 7 1のィンターナルギヤ 6 6に対する係合位置に生じるガ夕は同時に発生し、したがって、ガ夕の発生を 1回に留めることができる。これは、第 2 3図（b ) および第 2 4図（b ) を参照して前述した通りである。その結果、ガ夕の発生によって着座者に与える不快感ゃ違和感を極力抑えることができる。第 4実施形態

第 1 4図〜第 1 7図および第 4図を参照して本発明の第 4実施形態を説明する。第 4実施形態のリクライニング装置は、第 1実施形態とほぼ同等の構成であるが、以下の点で異なっている。すなわち、固定プレート 2 1の外周部の所定 2箇所には、比較的小さい鍔部 2 9が形成されており、これら鍔部 2 9には、回動プレート 2 2が固定プレート 2 1から離脱しないようにするための保持部材 5 9が設けられている。この保持部材 5 9は、ピン 5 9 aの一端にフランジ 5 9 bを有するもので、第 4図に示すように、ピン 5 9 aが鍔部 2 9に形成された孔 2 9 aに挿入されて固定プレート 2 1に固定されており、固定プレート 2 1とフランジ 5 9 bによって回動プレート 2 2の外周部を摺動可能に挟み込んでいる。

一方、回動プレート 2 2にも、回動プレート 2 2自身が固定プレート 2 1から離脱しないようにするための保持部材 6 2が設けられている。この保持部材 6 2 は、回動プレート 2 2の外周部の所定 1箇所に形成された比較的大きな鍔部 2 2 aに設けられている。保持部材 6 2は、固定プレート 2 1側の保持部材 5 9のピン 5 9 aよりも長いピン 6 2 aの軸方向中間部にフランジ 6 2 bを有するもので、第 4図に示すように、ピン 6 2 aが鍔部 2 2 aに形成された孔 2 2 bに挿入されて回動プレー卜 2 2に固定されており、回動プレー卜 2 2とフランジ 6 2 bによつて固定プレート 2 1の外周部を摺動可能に挟み込んでいる。

上記保持部材 5 9 , 5 9， 6 2は円周方向の 3箇所に分散配置されており、固定プレート 2 1と回動プレー卜 2 2とを離間させる負荷がかかったときに、その負荷を支えて両プレート 2 1 , 2 2が互いに離脱することを阻止する。

また、固定プレート 2 1の所定 2箇所には、外周側に突出するストッパ 5 8が周方向に離間して形成されており、回動プレート 2 2の保持部材 6 2のピン 6 2 aがストッパ 5 8に当接することで、回動プレート 2 2の回動範囲が制限されている。すなわち、保持部材 6 2は回動プレート 2 2の回動範囲を制限するための手段を兼ねている。さらに、固定プレート 2 1の回動プレート 2 2側の面には、軸線 0を中心とする円弧状の凸条 7 5が形成されており、回動プレート 2 2が凸条 7 5の表面と摺接するようになつている。

ここで、第 1 6図を参照して上記保持部材 5 9， 5 9， 6 2およびストツバ 5 8の位置関係を詳述する。当該リクライニング装置は、右方が前方とされる同図のようにしてシートに取り付けられる。まず、固定プレート 2 1の一方（後側）の鍔部 2 3は下方に延びており、他方の鍔部 2 3は前方に向けられる。また、固定プレート 2 1の一方（後側）のストッパ 5 8は後部やや上方に配置され、このストツバ 5 8から同図で時計回りに約 1 2 0 ° 達した位置に他方のストッパ 5 8 が形成されている。回動プレート 2 2の保持部材 6 2は、ストツバ 5 8， 5 8の上側の間において移動するよう配置されている。

また、固定プレート 2 1の各鍔部 2 9は、前後のストツバ 5 8， 5 8のすぐ下方であって軸 3 0を中心とする点対称の前後位置にそれぞれ形成されており、したがって、これら鍔部 2 9に固定される各保持部材 5 9も、各鍔部 2 9に応じた配置関係とされている。

第 4図に示すように、上記回動プレート 2 2側の保持部材 6 2のピン 6 2 aは外側に比較的長く突出しており、その突出部に、シートバックを前傾させる方向に付勢する渦巻きばね（付勢部材） 6 0の外周側の端部 6 0 bが係止されている。渦巻きばね 6 0は、その中央空間部にブラケット 6 1が収容されるように取り付けられ、その内周側の端部 6 0 aは、ブラケット 6 1の縦板部 6 1 aに係止されている。そして、渦巻きばね 6 0の外周側の端部 6 0 bは、渦巻きばね 6 0をねじった状態でピン 6 2 aに係止されている。これにより、回動プレート 2 2には、軸 3 0まわりのトルク（シートバックを前傾させる方向のトルク）が与えられている。すなわち、保持部材 6 2は渦巻きばね 6 0を回動プレート 2 2に係止させる手段を兼ねている。

上記構成のリクライニング装置 2 0は、第 1 6図に示すように、一方のスライドギヤ 7 1が前方（右側）に、他方のスライドギヤ 7 0が後方に配置され、さらに詳しく言うと、その移動方向が若干前上がりに傾斜するように前後に配置されている。ここで、前述した固定プレート 2 1側の前後の保持部材 5 9は、スライドギヤ 7 0， 7 1に対してそれぞれ近接して 1つずつ設けられている。そして、第 3図に示すように、各保持部材 5 9のピン 5 9 aの中心は、スライドギヤ 7 0 , 7 1の係合方向（外周方向）に延びる幅 Wの範囲内にある。さらに、各保持部材 5 9が回動プレート 2 2を保持する部分、すなわちフランジ 5 9 bと回動プレー卜 2 2との重畳部分は、そのほとんどがスライドギヤ 7 0， 7 1の係合方向に延びる幅 Wの範囲内にある。このような配置は、右側のリクライニング装置 2 0 ' も同様になされている。上記第 4実施形態によれば、シートバックの傾動に伴って回動する回動プレート 2 2の位置にかかわることなく、固定プレート 2 1側の各保持部材 5 9は常にスライドギヤ 7 0， 7 1とィン夕一ナルギヤ 6 6との係合位置の近傍において、回動プレート 2 2を固定プレート 2 1に保持する。これは、保持部材 5 9が固定プレート 2 1に設けられ、スライドギヤ 7 0， 7 1との相対位置が回動プレート 2 2の回動に関係なく常に固定的であるからである。このように各保持部材 5 9 が係合位置の近傍にあることにより、その係合位置を中心として発生する両プレート 2 1 , 2 2を離脱させようとする力が有効に抑えられる。その結果、スライドギヤ 7 0 , 7 1とイン夕一ナルギヤ 6 6との係合力が常に十分確保され、ひいては当該リクライニング装置 2 0 ( 2 0 ' ) の小型軽量化ならびに強度の向上を図ることができる。特に、各保持部材 5 9は、第 1 6図に示したように、回動プレート 2 2を保持する部分のほとんどがスライドギヤ 7 0， 7 1の係合方向に延びる幅 Wの範囲内にあることから、両プレート 2 1， 2 2を離脱させる力を抑える作用がより効果的に働く。

Claims

請求の範囲

1 . 互いに対向する一対のガイド壁を有する第 1のガイド部および互いに対向する一対のガイド壁を有する第 2のガイド部が形成された固定プレートと、

前記固定プレートに水平方向の軸線回りに回転自在に設けた軸と、

前記固定プレートに対して前記軸を中心に相対回転可能でかつ前記軸を中心とする円弧に沿ってィン夕一ナルギヤが形成された回動プレー卜と、

前記第 1のガイド部の各ガイド壁間に収容されかつ前記ィンターナルギヤに嚙合うロック位置とィンターナルギヤから離れるロック解除位置とにわたつて移動自在な第 1のスライドギヤと、

前記第 2のガイド部の各ガイド壁間に収容されかつ前記インターナルギヤに嚙合うロック位置とィンターナルギヤから離れる口ック解除位置とにわたつて移動自在な第 2のスライドギヤと、

前記第 1のスライドギヤと第 2のスライドギヤとの間に設けられかっこれらスライドギヤを同時に前記ロック位置とロック解除位置とにわたつて駆動するカム部材とを具備したリクライニング装置であって、

前記カム部材とスライドギヤとが対向する箇所に、シートバックに加わる後方負荷によってスライドギヤに働く回転モーメン卜の方向にスライドギヤが動くことを抑制する傾斜面を有する支持部を設けたことを特徴とするリクライニング装

2 . 前記カム部材は前記第 1および第 2のスライドギヤのそれぞれに形成された受け部と係合する一対のフック部を有し、

前記フック部と前記受け部は、前記カム部材がロック位置方向に回転した状態において前記スライドギヤをインタ一ナルギヤに押圧するカム面を有し、かつ、前記フック部と前記受け部は、前記カム部材がロック解除方向に回転する際に前記スライドギヤを、シートバックに加わる後方負荷によってスライドギヤに働く回転モ一メントと反対方向に変位させる形状としたことを特徴とする請求項 1 記載のリクライニング装置。

3 . 前記フック部と前記受け部は、それぞれ、前記スライドギヤの両側面の内側の領域のスライドギヤ中心線付近に設けられていることを特徴とする請求項 2記載のリクライニング装置。

4 . 前記軸の近傍で前記固定プレートに固定されたブラケッ卜と、

内周側端部が前記ブラケットに係合させられるとともに外周側端部が前記回動プレートに係合させられて前記回動プレートをシートバックが前傾する方向へ回動させる渦巻きばねとを具備したリクライニング装置において、

前記ブラケッ卜に、前記固定プレートの端面から軸線方向へ突出して前記渦巻きばねの内周側端部と係合する縦板部と、この縦板部の前記固定プレート側の縁部から前記軸に向けて延在する底板部とを備え、この底板部により前記ブラケットを前記固定プレートに固定し、

前記縦板部は、前記軸を中心とする略半円筒状をなし、この縦板部と前記底板部との交叉部に、縦板部および底板部に亘る複数の切欠を形成し、前記固定プレ一トに、前記切欠に嵌合する凸部を設けたことを特徴とする請求項 1に記載のリクライニング装置。

5 . 前記回動プレートの外周部に、軸線方向に沿って前記固定プレート側へ突出するピンを設けるとともに、このピンに前記渦巻きばねの外周側端部を係合させ、前記ピンの前記渦巻きばねと前記固定プレー卜との中間位置に、前記固定プレー卜の前記回動プレートからの離間を阻止するフランジを設け、前記固定プレー卜の外周部に、固定プレートと前記回動プレートとが所定角度相対的に回動したときに前記ピンと当接するストツバを設けたことを特徴とする請求項 4に記載のリクライニング装置。

6 . 前記固定プレートおよび回動プレートの一方に、他方と摺接する凸条を前記軸の周囲の全周に亘つて設けたことを特徴とする請求項 5に記載のリクライニング装置。

7 . 前記固定プレートと前記回動プレートとの間に介在され、前記回動プレートを前記シートバックが前傾する方向に回動させる付勢部材を具備し、

前記第 1および第 2のスライドギヤと前記ィン夕一ナルギヤとの係合位置の中心を、前記シートバックの標準傾斜角に沿った線に直交し、かつ前記回動プレー卜の回動中心を通過する線上に配置したことを特徴とする請求項 1に記載のリクライニング装置。

8 . 前記固定プレートに設けられ、前記回動プレートを回転自在に支持するとともに、固定プレー卜からの回動プレートの離脱を阻止する保持部材と、

前記固定プレー卜と前記回動プレー卜との間に介在され、前記回動プレートを前記シートバックが前傾する方向に回動させる付勢部材とを具備し、

前記保持部材は、前記各スライドギヤに近接し、かつ少なくとも各スライドギャに対して 1つずつ設けられ、さらに、該保持部材の前記回動プレートを保持する部分の少なくとも一部が、スライドギヤの係合方向に延びる幅の範囲内にあることを特徴とする請求項 1に記載のリクライニング装置。