JPWO2012086334A1 - 発光体および表示デバイス - Google Patents

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隆之 新井
高橋 昌之
昌之 高橋
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圭二 今野
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Abstract

本発明にかかる発光体100は、支持基板10と、支持基板10の上方に形成された有機EL素子20と、有機EL素子20の上方に形成された第1保護膜30と、第1保護膜30の上方に形成された第2保護膜40と、第2保護膜40の上方に、有機EL素子20、第1保護膜30、および第2保護膜40を覆うように形成された第3保護膜50と、を含み、第1保護膜30および第2保護膜40の少なくとも一方は、水分捕捉剤を含有する。

Description

本発明は、発光体および該発光体を含む表示デバイスに関する。
水分によって障害を受ける電子デバイス、例えばキャパシタや有機EL(Organic Electro Luminescence)デバイス等は、水分を排除するために密閉した状態で使用する必要がある。しかしながら、このような密閉型の電子デバイスに使用される封止剤のみでは、水分の侵入を完全に阻止することはできない。このため、デバイス内に徐々に侵入する水分を除去する仕組みがなければ、電子デバイスの機能は時間の経過に伴い徐々に低下してしまう。
このようなデバイスの代表的な例として、有機ELデバイスがある。有機ELデバイスは、表示デバイスの一種であり、発光体として、陽極と陰極の間に有機材料層(電荷輸送層および有機発光層)を挟んだ構造を有した有機EL素子を含んでいる。有機EL素子は、駆動期間の長期化に伴って、有機ELデバイス内に進入した水分により輝度や発光効率等の発光特性が徐々に低下するという問題がある。
このような密閉型の電子デバイスを外部から侵入する水分から保護する手段として、あらかじめデバイス内に有機金属化合物や金属アルコキシド等の水分捕捉剤を配置し、デバイス内部を低湿度環境に保つ技術が検討されている(例えば、特開2005−298598号公報及び特表2008−518399号公報参照)。
しかしながら、このような有機金属化合物や金属アルコキシド等を水分捕捉剤として使用する場合、水と反応することで分解生成物を生じる。分解生成物がデバイス内部に拡散すると、デバイスを構成する電荷輸送層や有機発光層等の有機材料に吸収されたり、デバイス内に存在する空隙の体積膨張を起こしたりするおそれがある。その結果、デバイスにピンホールが発生し、さらにはデバイスが変形して水分の侵入が促進されてデバイスの寿命が短くなる場合があった。
本発明のいくつかの態様にかかる目的の一つは、水分による劣化を、長期間にわたって十分に低く抑え、長寿命で信頼性の高い発光体および当該発光体を含む表示デバイスを提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかる発光体の一態様は、
支持基板と、前記支持基板の上方に形成された有機EL素子と、前記有機EL素子の上方に形成された第1保護膜と、前記第1保護膜の上方に形成された第2保護膜と、前記第2保護膜の上方に、前記有機EL素子、前記第1保護膜、および前記第2保護膜を覆うように形成された第3保護膜と、を含み、前記第1保護膜および前記第2保護膜の少なくとも一方は、水分捕捉剤を含有する。
[適用例2]
適用例1において、前記水分捕捉剤は、下記一般式(1)で示される化合物であってもよい。
(RM ・・・(1)
(上記式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、カルボキシル基およびRO−で表される基から選択される1種である。複数存在するRは同一または異なってもよい。Rは、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基およびアリール基から選択される1種である。nは2〜4の整数であり、Mの原子価に等しい。Mは2〜4価の原子である。)
[適用例3]
適用例1または適用例2において、一般式(1)中、Mは、アルミニウム、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、チタン、ジルコニウムおよび亜鉛から選択される少なくとも1種であってもよい。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、前記第3保護膜は、窒化シリコンおよび酸化窒化シリコンの少なくとも一方を含有してもよい。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜の少なくとも一つは、多層構造を有してもよい。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例において、前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜は、可視光を透過してもよい。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例において、前記第3保護膜は、スパッタ法またはCVD法によって形成されてもよい。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例において、前記水分捕捉剤は、下記式(2)で示される化合物であってもよい。
Figure 2012086334
(上記式(2)中、Rは、2価の有機基を表し、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。複数存在するRおよびRはそれぞれ同一または異なってもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。Mはアルミニウムおよびマグネシウムから選択される1種である。)
[適用例9]
適用例1ないし適用例8のいずれか一例において、前記第1保護膜および前記第2保護膜の少なくとも一方は、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂およびシロキサン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。
[適用例10]
本発明にかかる表示デバイスの一態様は、適用例1ないし適用例9のいずれか一例に記載の発光体を含む。
本発明にかかる発光体は、第1保護膜および第2保護膜の少なくとも一方に含まれる水分捕捉剤によって水分を吸収または除去することができる。これにより、有機EL素子に水分が接触することを、長期間にわたって抑制することができる。また、水分捕捉剤が水分を捕捉して反応生成物が生成する場合であっても、第3保護膜によって、該反応生成物の拡散を抑制することができる。
さらに、第2保護膜に水分捕捉剤として有機金属化合物を含有させた場合であって、第1保護膜に他の水分捕捉剤を含有させるか、第1保護膜を無機化合物で構成した場合には、第2保護膜において発生する反応生成物が、第1保護膜によって捕集または遮断されて、有機EL素子にこれらの物質が接触することを抑制することができる。
したがって本発明にかかる発光体は、長寿命で信頼性が高く、長期間安定して高品質の発光を行うことができる。そして、このような発光体を含む本発明にかかる表示デバイスは、有機EL素子に水分が接触することを、長期間にわたって抑制することができるため、長期間安定して高品質の発光または表示を行うことができる。
図1は、実施形態にかかる発光体の要部の断面の模式図である。 図2は、変形例にかかる発光体の要部の断面の模式図である。 図3は、変形例にかかる発光体の要部の断面の模式図である。 図4は、実施例にかかるTMDE−3のH−NMRスペクトルである。 図5は、実施例にかかるDEGV−3のH−NMRスペクトルである。 図6は、実施例にかかるMDGAのH−NMRスペクトルである。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須の構成であるとは限らない。
1.発光体
本実施形態の発光体100は、支持基板10と、有機EL素子20と、第1保護膜30と、第2保護膜40と、第3保護膜50と、を含む。図1は、実施形態にかかる発光体100の断面の模式図である。
1.1.支持基板
支持基板10は、発光体100の基体となる基板である。支持基板10は、平板状、フィルム状、シート状等の形状を有する。支持基板10としては、例えば、ガラス基板、樹脂のシートやフィルム、半導体基板、配線基板などを挙げることができる。また、支持基板10は、複数の基板の積層体であってもよい。
支持基板10には、有機EL素子20を駆動するためのトランジスタ(例えばThin Film Transistor:TFT)や、制御用のIC、および配線層などが形成されていてもよい。支持基板10にTFT等が設けられる場合は、TFT等は、発光体100の発光の妨げにならない位置に設けられることが好ましい。
支持基板10は、透明であっても不透明であってもよい。支持基板10が透明である場合は、発光体100の支持基板10側から光を放射することができる。また、支持基板10は、有機EL素子20の発光を反射する反射層を含んでもよい。反射層としては、例えば、アルミニウム等の金属の蒸着膜等を挙げることができる。支持基板10に反射層が形成されると、支持基板10側に有機EL素子20からの光が放射される場合に、これを反射することができ、発光体100の支持基板10と反対側からの光の取り出し効率を高めることができる。支持基板10の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm以上2mm以下とすることができる。
支持基板10の材質としては、特に限定されず、金属、ガラス、シリコン等の無機物や、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子材料などとすることができる。
また、支持基板10は、複数の互いに異なる材質の基板が積層されたものであってもよい。支持基板10は、水の分子を透過しにくい材質を含んで形成されることがさらに好ましい。支持基板10の厚みに依存するが、厚みが大きければ、一般的に、水分や酸素等の気体の分子を透過しにくいため、材質の選択の範囲が広くなるが、支持基板10の厚みが小さい場合には、例えば、水分や酸素等の気体分子を透過しにくい材質として、金属蒸着膜やエチレンビニルアルコール共重合体膜などを含んで構成されることが好ましい。
1.2.有機EL素子
有機EL素子20は、支持基板10の上方に設けられる。支持基板10と有機EL素子20との間には、他の部材が配置されてもよい。本明細書では、「上方」という文言を、例えば、「特定の部材(以下「A」という)の「上方」に他の特定の部材(以下「B」という)を形成する」などと用いている。本明細書にかかる記載では、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
有機EL素子20は、第1電極22、有機発光材料層24、第2電極26が順に積層された構造を有することができる。有機EL素子20の支持基板10における配置は、特に限定されず、例えば、支持基板10に形成された凹部(図示せず)内に配置されてもよい。図1に例示する発光体100においては、有機EL素子20は、支持基板10の平坦な表面に第1電極22が接するように配置されているがこれに限定されない。
第1電極22は、有機EL素子20の一方の電極である。第1電極22は、他の発光体に備えられる有機EL素子との共通電極としてもよい。また、第1電極22は、有機EL素子20の個別電極として機能してもよい。第1電極22を個別電極とする場合には、第1電極22は、例えば、支持基板10に形成された配線やTFTに電気的に接続されることができる。第1電極22の機能の一つとしては、第2電極26と対になって、有機発光材料層24に対して電界(電流)を印加することが挙げられる。第1電極22の厚みとしては、例えば、100nm以上500μm以下とすることができる。
第1電極22の材質は、導電性の物質であれば特に限定されない。第1電極22の材質としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、イリジウムなどの金属、それらの複数種の合金、インジウムおよび/またはスズの酸化物(ITO等)などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、導電性の炭素、あるいは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などを挙げることができる。また、第1電極22は、必要に応じ、複数の異なる材質の層の積層体であってもよい。第1電極22に、ITOのような導電性および透明性を有する材質を用い、かつ、支持基板10を透明な材質で構成した場合には、支持基板10側から有機EL素子20の発光を取り出すことができる。
有機発光材料層24は、第1電極22および第2電極26によって挟持される。有機発光材料層24は、第1電極22および第2電極26によって電気的エネルギーが印加されることにより発光することができる。有機発光材料層24は、電子と正孔の再結合によって蛍光および/または燐光を発する物質で形成されることができる。有機発光材料層24の材質としては、公知のものを用いることができる。また、有機発光材料層24は、(ダブル)ヘテロ構造等となっていてもよく、例えば、正孔輸送層、発光材料層、および電子輸送層の積層体とすることができる。このような構成を採る場合においても、各層は、それぞれ、公知の材料によって形成されることができる。
第2電極26は、有機EL素子20の他方の電極である。第2電極26は、他の発光体に備えられる有機EL素子の共通電極としてもよい。また、第2電極26は、有機EL素子20の個別電極として機能してもよい。第2電極26を個別電極とする場合には、第2電極26は、例えば、支持基板10に形成された配線やTFTに電気的に接続されることができる。第2電極26の機能の一つとしては、第1電極22と対になって、有機発光材料層24に対して電界(電流)を印加することが挙げられる。第2電極26の厚みとしては、例えば、100nm以上500μm以下とすることができる。
第2電極26は、導電性を有し、かつ、透明または半透明の材料で形成されることが好ましい。第2電極26の材質としては、例えば、ITO等の透明導電性材料、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属、またはそれらの酸化物などを挙げることができる。第2電極26の材質として、これらのうちの、透明性の小さい材質を用いる場合は、導電性を損なわない範囲において、第2電極26を薄膜化することにより、透明または半透明なものとすることができる。また、第2電極26は、透明性または半透明性を損なわない範囲で、さらに、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属の薄膜であってもよい。
なお、図1に例示したように、本明細書では、第1電極22、有機発光材料層24および第2電極26が積層した構造を採っている部位を有機EL素子20と称する(図3参照)。第1電極22および第2電極26が、有機発光材料層24を挟持する領域(有機EL素子20)が存在する限り有機EL素子20は発光することができるため、第1電極22、第2電極26および有機発光材料層24は、それぞれ独立に、有機EL素子20を構成する領域以外の領域に及んで形成されてもよい。
1.3.第1保護膜の構成
第1保護膜30は、有機EL素子20の上方に設けられる。有機EL素子20と第1保護膜30との間には、発光体100の発光を損なわない限り、他の部材が配置されてもよい。第1保護膜30は、有機EL素子20を覆うように形成されることができる。第1保護膜30の平面的な形状は、特に限定されない。また、第1保護膜30は、必要に応じて、一般的な方法により、パターニングされることができる。第1保護膜30の厚みは、100nm以上100μm以下とすることができる。第1保護膜30の厚みが前記範囲内であると、水分等を効果的に吸収、除去および/または遮断することができる。また、第1保護膜30の厚みが前記範囲内であると、クラックを生じる可能性を抑制でき、クラックを介して水分等が透過することを効果的に抑制することができる。第1保護膜30の機能の一つとしては、水分を吸収および/または遮断することが挙げられる。また、第1保護膜30の機能の一つとしては、第1保護膜30よりも上方に存在する有機化合物が、有機EL素子20に到達しないようにすることが挙げられる。このような第1保護膜30の機能により、発光体100の外部の水分や、発光体100内で生じる有機化合物を、有機EL素子20に到達しにくくすることができる。第1保護膜30の材質については後述する。
1.4.第2保護膜の構成
第2保護膜40は、第1保護膜30の上方に設けられる。第1保護膜30と第2保護膜40との間には、発光体100の発光を損なわない限り、他の部材が配置されてもよい。第2保護膜40は、有機EL素子20を、第1保護膜30を介して覆うように形成されることができる。第2保護膜40は、第1保護膜30の全体を覆う必要はないが、少なくとも有機EL素子20が、第1保護膜30、第2保護膜40の順で覆われるように形成される。第2保護膜40の厚みは、100nm以上100μm以下とすることができる。第2保護膜40の厚みが前記範囲内であると、水分等を効果的に吸収、除去および/または遮断することができる。第2保護膜40の平面的な形状は、特に限定されない。また、第2保護膜40は、必要に応じて、一般的な方法により、パターニングされることができる。第2保護膜40の機能の一つとしては、水分を吸収することが挙げられる。このような第2保護膜40の機能により、発光体100の外部の水分を、有機EL素子20に到達しにくくすることができる。第2保護膜40の材質については後述する。
1.5.第3保護膜
第3保護膜50は、第2保護膜40の上方に設けられる。第2保護膜40と第3保護膜50との間には、発光体100の発光を損なわない限り、他の部材が配置されてもよい。第3保護膜50は、有機EL素子20を、第1保護膜30および第2保護膜40を介して覆うように形成されることができる。第3保護膜50は、第1保護膜30および第2保護膜40の全体を覆う必要はないが、少なくとも有機EL素子20が、第1保護膜30、第2保護膜40、第3保護膜50の順で覆われるように形成される。第3保護膜50の厚みは、100nm以上100μm以下とすることができる。第3保護膜50の厚みが前記範囲内であると、水分等を効果的に遮断することができる。また、第3保護膜50の厚みが前記範囲内であると、クラックを生じる可能性を抑制でき、クラックを介して水分等が透過することを抑制することができる。第3保護膜50の平面的な形状は、特に限定されない。第3保護膜50の機能の一つとしては、発光体100の外部に存在する水分が、第3保護膜50によって覆われる内側の部材に到達しないように遮断することが挙げられる。このような第3保護膜50の機能により、発光体100の外部の水分が、有機EL素子20に到達しにくくすることができる。これにより、第3保護膜50は、第1保護膜30および第2保護膜40の少なくとも一方に含有される水分捕捉剤の消費あるいは失活を遅延させることができる。
また、第3保護膜50の機能の一つとしては、第3保護膜50よりも下方(第3保護膜50に対して有機EL素子20側)に存在する有機化合物が、発光体100以外の他の部材に向かって拡散しにくくすることが挙げられる。このような第3保護膜50の機能により、例えば、発光体100内に、有機化合物が生じた場合または有機化合物が存在する場合に、表示デバイスの他の部材にこれらの有機化合物が到達しにくくすることができる。
第3保護膜50は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、ポリシラザン、アルミニウム若しくは窒化アルミニウムの膜、または、それらの積層体で形成される。第3保護膜50をこのような無機化合物の材質で構成することにより、第3保護膜50は、水分および/または有機化合物を遮断する作用(ガスバリア性)を有することができる。そのため、第2保護膜40に外部の水分が内部に進入しにくくするとともに、内部の有機化合物等が外部に拡散しにくくすることができる。さらに、第3保護膜50は、第2保護膜40が水分子と化学反応することによって反応生成物を発生する物質を含有する場合に、その反応生成物が、第3保護膜50よりも外側に拡散しにくくする作用を有し、これにより反応生成物を発光体100以外の他の部材に到達しにくくしている。また、第3保護膜50の材質として、上記材料のうち、ポリシラザンを採用すると、厚膜化の点で有利である。
第3保護膜50は、例えば、スパッタ法、CVD(Chemical Vapour Deposition)法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、スプレーコート法、インクジェット法などにより形成することができる。また、第3保護膜50は、必要に応じて、一般的な方法により、パターニングされることができる。第3保護膜50をスパッタ法またはCVD法などのいわゆるドライプロセスによって形成すると、高ガスバリア性という点で有利である。また、第3保護膜50をポリシラザン、酸化シリコンなどの材質とする場合には、スピンコート法、ディップコート法等の塗布法を用いることができ、例えば、プロセスを簡易化することができる。
なお、この例では、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の積層体によって、有機EL素子20が覆われることにより、有機EL素子20の全体としては、支持基板10および該積層体によって囲まれる態様を示した。しかし、支持基板10が水分や酸素を透過する可能性がある場合などには、さらに、支持基板10と有機EL素子20との間に第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の少なくとも一層を形成してもよい(図示せず)。このようにすれば、有機EL素子20の全体が保護膜で覆われるため、有機EL素子20がさらに水分と接触しにくくすることができる。
本実施形態の発光体100では、上記のように有機EL素子20が、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の少なくとも3層の保護膜によって覆われている。また、これらの保護膜は、有機EL素子20に近い側から、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の順に配置されている。
本実施形態の発光体100は、上記の構成により、第3保護膜50によって、発光体100の外部に存在する水分が第3保護膜50の内側(有機EL素子20側)に侵入しにくくなっている。また、発光体100の外部に存在する水分は、第3保護膜50、第2保護膜40、および第1保護膜30をこの順で透過しなければ、有機EL素子20に到達できないようになっている。そして、第1保護膜30および第2保護膜40の少なくとも一方には、水分捕捉剤が含有されるため(後述)、例えば、第3保護膜50にピンホール等の欠陥が存在する場合など、第3保護膜50の内側(有機EL素子20側)に水分が侵入した場合においても、第2保護膜40および第1保護膜30の少なくとも一方に配合される水分捕捉剤によって水分が捕集または除去される。これにより、有機EL素子20に対する外部の水分の影響を極めて低く抑えることができる。
1.6.発光体の構造の変形例
図2および図3は、それぞれ、変形例にかかる発光体110および発光体120の断面の模式図である。変形例にかかる発光体110および発光体120は、いずれも上記実施形態の発光体100と同様に、支持基板10と、有機EL素子20と、第1保護膜30と、第2保護膜40と、第3保護膜50と、を含む。よって、発光体100と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。発光体110は、発光体100と、第1保護膜30および第2保護膜40がパターニングされている点で相違する他は、各構成ともに発光体100と同様である。また、発光体120は、有機EL素子20の構成である第1電極22、有機発光材料層24および第2電極26が、それぞれ、有機発光材料層24を挟持する領域(有機EL素子20)以外の領域に及んで形成されている点、および密閉空間60が形成されている点、において相違する他は、各構成ともに発光体100と同様である。そして、発光体110および発光体120のいずれにおいても、有機EL素子20(発光体120においては、第1電極22、有機発光材料層24および第2電極26が積層している領域)が、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の少なくとも3層の保護膜によって覆われ、有機EL素子20に近い側から、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の順に配置されている。これにより、発光体の外部に存在する水分は、第3保護膜50、第2保護膜40、および第1保護膜30をこの順で透過しなければ、有機EL素子20に到達できないようになっている。本実施形態の発光体は、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50が、このような態様で配置されるかぎり効果を奏することができる。もちろん、本発明の第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50の配置および形状は、ここで述べる変形例には何ら限定されない。
発光体120は、カバー基板80が支持基板10の上方に、支持基板10と平行に配置されている。カバー基板80は、平板状、フィルム状、シート状等の形状を有する。カバー基板80には、有機EL素子20を駆動するためのトランジスタ(例えばTFT)や、制御用のIC、および配線層などが設けられてもよい。カバー基板80には、例えば、密閉空間60を形成するための凹部や、有機EL素子20から放射される光を拡散させたり集光させたりするための凹凸が形成されていてもよい。カバー基板80は、複数の基板の積層体であってもよい。カバー基板80を設ける場合は、をカバー基板80の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm以上2mm以下とすることができる。
カバー基板80は透明な材料で形成されることが好ましい。すなわち、カバー基板80は、少なくとも有機EL素子20から発生される光(電磁波)の波長における吸収の少ない材質で形成されることが好ましい。カバー基板80の透明度は、たとえば、有機EL素子20から発生される光が透過する割合として表す場合、90%以上99.999%以下とすることができる。これにより、有機EL素子20が発する光をカバー基板80の上方側から取り出すことができる。
上記の透明度を有する場合のカバー基板80の材質としては、ガラス等の無機物や、(メタ)アクリル樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリカーボネートなどの高分子材料などを例示することができる。カバー基板80は、水分や酸素等の気体の分子を透過しにくい材質を含んで形成されることがより好ましい。
支持基板10およびカバー基板80の間には、密閉空間60が形成される。密閉空間60は、例えば、支持基板10およびカバー基板80に設けられた凹部を利用して形成されてもよい。また、密閉空間60は、図3に例示するように、リブ70(ピラー)を支持基板10およびカバー基板80の間に配置することによって形成されてもよい。密閉空間60の壁面は、上述した支持基板10、各保護膜、カバー基板80、リブ70などによって形成されることができる。密閉空間60内には、窒素や不活性ガスを充填してもよい。また、密閉空間60内の圧力は、大気圧より高くても低くてもよい。
1.7.第1保護膜および第2保護膜の材質
第1保護膜30および第2保護膜40の少なくとも一方には、水分捕捉剤が含有される。第1保護膜30および第2保護膜40は、両者に水分捕捉剤が含有されてもよいし、いずれか一方に水分捕捉剤が含有されてもよい。第1保護膜30および第2保護膜40の両者に水分捕捉剤を含有させる場合には、それぞれ異なる種の水分捕捉剤が含有されてもよい。さらに、第1保護膜30には、水分捕捉剤が含有されなくてもよく、その場合には第2保護膜40に水分捕捉剤が含有される。
1.7.1.水分捕捉剤
水分捕捉剤としては、水分子を物理的に吸着する性質を有する物質であってもよいし、水分子と化学反応することによって水分子を除去する性質を有する物質であってもよい。水分捕捉剤の具体例としては、水分子を物理的に吸着する性質を有する物質として、シリカゲル、コロイダルシリカ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性炭、塩化カルシウム、層状珪酸塩、酸化リン、硫酸マグネシウムなどが挙げられ、水分子と化学反応することによって水分子を除去する性質を有する物質として、生石灰、酸化セリウム、有機金属化合物、等が挙げられる。
本実施形態の発光体においては、水分捕捉剤として、上記例示した物質を一種または複数種を選択して含有させることができるが、少なくとも有機金属化合物を含有させると、当該化合物の水との反応性の高さによって、保護膜が水分を捕捉する能力が高まる点で好ましい。有機金属化合物としては、IUPAC周期表における第2族元素、第3族元素、第4族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素のアルキル化合物、アルケニル化合物、アルキニル化合物、環式アルキル化合物、アリール化合物、カルボキシル化合物およびアルコキシ化合物などが挙げられる。
このような有機金属化合物の具体例としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(RM …(1)
上記一般式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、カルボキシル基およびRO−で表される基から選択される1種であって、複数存在するRは同一または異なってもよい。Rは、RO−で表される基であることが好ましく、Rは、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基またはアリール基から選択される1種である。前記R、Rは、直鎖状でも環状でもよいし、分岐鎖を有してもよい。また、前記RまたはRがアルケニル基もしくはアルキニル基である場合において、それぞれ二重結合、三重結合の位置および数は特に制限されない。なお、Rは、配合される保護膜の特性を考慮して前述した基の中から適宜選択することができる。
上記一般式(1)中、nは2〜4の整数である。そのため、上記一般式(1)中、Rは複数存在することになる。複数存在するRは同一または異なっていてもよい。
上記アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、テトラメチルヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、オクテニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、アリル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
上記環式アルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記一般式(1)中、Mは2〜4価の原子であることが好ましい。このような原子としては、IUPAC周期表における第2族元素、第3族元素、第4族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素があり、具体的にはアルミニウム、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、チタン、ジルコニウム、ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、吸湿性に優れており、かつ、水分を捕捉することにより分解した後、着色がなく透明性を保持できる観点から、アルミニウム、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、チタンおよびジルコニウムが好ましく、アルミニウムが特に好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物は、該化合物中に存在するR−M結合が水分と反応することにより、水分を捕捉することができる。そのため、第1保護膜30および/または第2保護膜40を、より吸湿性に優れた保護膜とすることができる。換言すると、第1保護膜30および/または第2保護膜40には、実質的にR−M結合が存在するような材質で構成することが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリシクロプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ‐t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリ−n−ドデシルアルミニウム、トリヘキサデシルアルミニウム、トリステトラメチルヘキサデシルアルミニウム、トリ(3−シクロドデシルプロピル)アルミニウム、トリス(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)アルミニウム(以下、トリ(1−フィチル)アルミニウムと称する)、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジメチルフェニルアルミニウム、ジブチルフェニルアルミニウム、ジイソブチルフェニルアルミニウム、メチルジフェニルアルミニウム、エトキシジエチルアルミニウム、エトキシジ−n−オクチルアルミニウム、トリエチルボラン、トリブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−n−ドデシルボラン、およびトリフェニルボラン、トリヘキシロキシアルミニウム、トリオクチロキシアルミニウム、トリデシロキシアルミニウム、トリドデシロキシアルミニウム、トリオクタデシロキシアルミニウム、トリデシロキシボラン、トリドデシロキシボラン、およびトリオクタデシロキシボラン等を挙げることができる。
の炭素数は、好ましくは6〜30であり、より好ましくは10〜20であり、特に好ましくは12〜20である。上記一般式(1)で示される化合物が加水分解することにより、Rに由来するアルカンやアルコール等の加水分解成分(RH)が発生する。しかしながら、Rの炭素数が前記範囲内であると、これらの加水分解成分の沸点が高くなり、アウトガスの成分となりにくく、また後述するバインダーとの組合せによっては、バインダーと均一な混合物を形成しやすいため好ましい。また、Rの炭素数が前記範囲内であると、発生する加水分解成分(RH)が保護膜の可塑剤として作用しないため、熱流動性を増大させない点で好ましい。なお、加水分解成分の沸点は、1気圧において200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。200℃以上であれば、該加水分解成分の拡散を抑制することができる。
また、上記有機金属化合物が第1保護膜30または第2保護膜40に配合された場合には、水分子を捕捉した際に、当該有機金属化合物の有機基に由来する反応生成物を生じる。そのため、生じる反応生成物が、他の部材へ拡散しにくいという点で、上記一般式(1)の化合物において、複数存在するRの少なくとも1個は1以上の不飽和結合を有する基であることがより好ましい。
さらに、一般式(1)で表される化合物において、複数存在するRは、全てが不飽和結合を有することがさらに好ましい。Rの全てが不飽和結合を有すると、後述するバインダーの種類を適宜に選択した場合に、保護膜中に残留するRの量を低減することができる。その場合には、Rに由来するアルカンやアルコール等の加水分解成分(RH)の発生を抑制することができる。
中に不飽和結合を有する場合、当該不飽和結合は、炭素−炭素不飽和結合であることが好ましい。炭素−炭素不飽和結合であると、例えば、Si−H結合と反応して安定なSi−C結合を生成することができる。このような場合は、一般式(1)で表される化合物が水分と反応して加水分解した場合であっても、Si−C結合は安定であるので、Rに由来するアルカンやアルコール等の加水分解成分(RH)の発生を抑制できる。
さらに、前記炭素−炭素不飽和結合は、エチレン性の不飽和結合であることがより好ましい。エチレン性の不飽和結合は、Si−H結合との反応性に富んでいるため、一般式(1)で表される化合物と、後述するバインダーとの組合せによっては反応が容易に進行することがある。このようにすれば、バインダーと反応せずに残留するRに由来する化合物の量を低減でき、ひいてはRに由来するアルカンやアルコール等の加水分解成分(RH)の発生を抑制できる場合がある。
このような点から、上記一般式(1)で示される化合物は、例えば、下記一般式(2)で示される化合物であることがより好ましい。
Figure 2012086334
上記一般式(2)中、Rは、2価の有機基である。2価の有機基としては、置換もしくは非置換の、アルキレン基、オキシアルキレン基であることが好ましい。Rは、水素原子または1価の有機基である。1価の有機基としては、置換もしくは非置換の、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基およびカルボキシル基から選択される1種であることが好ましい。RおよびRは、発現させたい吸湿特性によって適宜選択することができる。また、エーテル構造がRやRで示される基中に存在すると、後述するバインダーのうちある種のものとの相溶性が向上する場合があり、そのように選択すると、保護膜に要求される特性に応じて、上記一般式(2)の化合物とバインダーとの配合量の比を自由にコントロールできる。
上記一般式(2)で示される化合物の具体例としては、例えば、トリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウム、トリ(2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ)アルミニウム、トリ(2−ドデセノキシ)アルミニウム、ジ[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシ]マグネシウム、ジ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)マグネシウム、ジ(2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ)マグネシウム、ジ(メタクリロイルオキシ−2−エトキシ)マグネシウム等が挙げられる。
上記トリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウム、トリ(2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ)アルミニウムおよびジ[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシ]マグネシウムは、非常に優れた水分捕捉作用を有する新規な化合物であり、それぞれ下記式(3)および下記式(4)で示される構造を有する。特に下記式(3)で示されるトリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウムおよび下記式(5)で示されるジ[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシ]マグネシウムは、水分と反応することにより生成されるアルコールの沸点が1気圧下で250℃以上であり、使用環境下において揮発しにくいアルコールを生成するという特徴を有している。さらに、下記式(3)、下記式(4)および下記式(5)で示される化合物は、いずれも後述するバインダーのうち、シロキサン系化合物との相溶性にも優れており、透明な保護膜を形成することができる。
Figure 2012086334
Figure 2012086334
Figure 2012086334
ここで、上記式(3)で示される化合物の製造方法について説明する。上記式(3)で示される化合物は、トリメチロールプロパンジアリルエーテル2.8〜3.5当量に、トリイソブチルアルミニウムを撹拌しながら少量ずつ添加し、0〜150℃の適度な温度で1時間から4時間反応させることにより容易に製造することができる。その後、常法に従って後処理することによって、上記式(3)で示される化合物が得られる。なお、上記式(3)で示される化合物の製造過程において、生成物中に不可避的に混入する反応液由来の成分や副生成物が混入する場合があるが、上記式(3)で示される化合物を主成分とする生成物であれば、保護膜の形成に適用することができる。
さらに、上記式(4)で示される化合物の製造方法について説明する。上記式(4)で示される化合物は、トリイソプロポキシアルミニウムを乾燥トルエン中に溶解させて、そこに2−(2−ビニロキシエトキシ)エタノールを3〜4当量加え、90℃で所定時間反応させることにより容易に製造することができる。その後、常法に従って後処理することによって、上記式(4)で示される化合物が得られる。なお、上記式(4)で示される化合物の製造過程において、生成物中に不可避的に混入する反応液由来の成分や副生成物が混入する場合があるが、上記式(4)で示される化合物を主成分とする生成物であれば、保護膜の形成に適用することができる。
また、上記式(5)で示される化合物の製造方法について説明する。上記式(5)で示される化合物は、ジ(t−ブトキシ)マグネシウムを乾燥トルエン中に溶解させて、そこに1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノールを2〜4当量加え、50℃で所定時間反応させることにより容易に製造することができる。その後、常法に従って後処理することによって、上記式(5)で示される化合物が得られる。なお、上記式(5)で示される化合物の製造過程において、生成物中に不可避的に混入する反応液由来の成分や副生成物が混入する場合があるが、上記式(5)で示される化合物を主成分とする生成物であれば、本実施形態にそのまま適用することができる。
本実施形態にかかる保護膜中における水分捕捉剤の含有量は、保護膜の全質量を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上70質量%以下である。水分捕捉剤の含有量が前記範囲にあると、水分を捕捉する作用を保護膜において効果的に発現させることができるため好ましい。
第1保護膜30または第2保護膜40に、水分捕捉剤として有機金属化合物を用いる場合の含有量は、各保護膜の全質量を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上80質量%以下である。有機金属化合物の含有量が前記範囲内であると、水分を捕捉する作用を保護膜において効果的に発現させることができるため好ましい。さらに、有機金属化合物の含有量が前記範囲内であると、塗布法によって保護膜を形成する際の粘度が良好となり、保護膜を形成する際の成膜等の作業性(塗布性等)が良好となる。
1.7.2.バインダー
各保護膜に水分捕捉剤を含有させる際に、水分捕捉剤単独で膜を形成することが困難な物質を選択する場合には、適宜バインダーを使用することができる。これにより、各保護膜を層状あるいは薄膜状に形成することができる。このようなバインダーとしては、高分子化合物を挙げることができる。この場合の高分子化合物としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など、広範な材料を選択することができる。高分子化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル(EMA)、メタクリル酸プロピル(PMA)、メタクリル酸ブチル(BMA)、メタクリル酸エチルヘキシル(EHMA)、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル(TMSPMA)、メタクリル酸ターシャリーブチル(t−BMA)、メタクリル酸水添ブタジエン(例えば株式会社クラレ製、商品名「L1253」)、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ベンジル等のアクリル基を有する重合性化合物の重合体、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル基を有する重合性化合物の重合体、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド等のビニル基を有する重合性化合物の重合体、オキセタニル基やオキシラニル基等の環状エーテル基を有する重合性化合物の重合体、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂およびシロキサン樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの重合体は、1種単独あるいは2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、保護膜に水分捕捉剤としてRが不飽和結合を有する一般式(1)で表される化合物を使用する場合のバインダー樹脂としては、相溶性に優れ、透明度の高い保護膜を形成することができる点および一般式(1)で表される化合物が吸湿することによって発生する加水分解生成物と反応して、当該加水分解生成物が拡散しにくい点で、下記一般式(6)で表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 2012086334
上記一般式(6)で表される構造を有する化合物は、上記一般式(6)で示される構造を有するポリマーであってもよいし、モノマーであってもよい。
特に、水分捕捉剤が、上述のRが不飽和結合を有する一般式(1)で表される化合物である場合には、一般式(6)で表される構造を有する化合物中に存在するSi−H結合が開裂して一般式(1)で表される化合物中に存在する不飽和結合に付加反応(いわゆるヒドロシリル化反応)することができる場合がある。この付加反応によって、一般式(1)で表される化合物が一般式(6)で表される構造を有する化合物に固定化された化合物を形成することができる。このような機作により、一般式(1)で表される化合物が吸湿することによって発生する加水分解生成物が他の部材等へ拡散することを抑制できる。
なお、上記一般式(6)で表される構造を有する化合物がモノマーである場合、上記一般式(6)で表される構造を有する化合物自体が重合反応すると共に、前述した一般式(1)で表される化合物と一般式(6)で表される構造を有する化合物とが共重合反応して、一般式(1)で表される化合物が一般式(6)で表される構造を有する化合物に固定化された化合物を形成することができる場合がある。あるいは、一般式(6)で表される構造を有する化合物が2官能以上のモノマーである場合には、一般式(6)で表される構造を有する化合物自体が重合反応を起こさなくても架橋がかかり、一般式(1)で表される化合物と一般式(6)で表される構造を有する化合物とが相互に結合した化合物を形成することができる場合がある。このような化合物を形成することで、一般式(1)で表される化合物が吸湿することにより発生する加水分解生成物が他の部材等へ拡散することを抑制できる。
なお、一般式(6)で表される構造を有する化合物は、下記一般式(7)で示される構造を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 2012086334
上記一般式(6)および上記一般式(7)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子および有機基から選択される1種である。なお、Rは、目的とする硬化物の特性を考慮して前述した基の中から適宜選択することができる。Rが前述した基であると、一般式(1)で表される化合物との相溶性を向上させることができる場合がある。前記有機基としては、例えば、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基またはアリール基が挙げられ、基中にハロゲン原子、エーテル基を含んでいてもよい。これらの有機基は、直鎖状でも環状でもよいし、分岐鎖を有してもよい。また、アルケニル基、アルキニル基において、それぞれ二重結合、三重結合の位置および数は特に限定されない。なお、前記有機基としては、炭素数1〜30の有機基であることが好ましい。Rが炭素数1〜30の有機基であると、一般式(1)で表される化合物との相溶性がさらに向上し、貯蔵安定性がさらに良好な組成物を作製できる場合がある。
上記アルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、テトラメチルヘキサデシル基、オクタデシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記アルケニル基としては、ビニル基、オクテニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、アリル基等が挙げられる。
上記アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
上記環式アルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
さらに、第1保護膜30および/または第2保護膜40に用いられるバインダーとしては、上記一般式(6)で示される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましく、上記一般式(7)で示される繰り返し単位を有するポリシロキサンであることがより好ましい。ポリシロキサンの具体例としては、ポリジハイドロジェンシロキサン、ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(エチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(フェニルハイドロジェンシロキサン)、ポリフェニル(ジメチルハイドロジェンシロキシ)シロキサン、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(エチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ヘキシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクタデシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(2−フルオロエトキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((2−メトキシエトキシ)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェノキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ナフチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(4−クロロフェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((4−メトキシフェニル)シメチルシロキサン)]コポリマー等が挙げられる。
一般式(6)で示される構造を有する化合物がポリマーである場合の重量平均分子量は、好ましくは300〜100,000であり、より好ましくは1,000〜50,000である。なお、本明細書において「重量平均分子量」とは、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量のことである。一般式(6)で示される構造を有する化合物の重量平均分子量が前記範囲内であると、一般式(1)で示される化合物が吸湿することにより発生する加水分解生成物の低分子量化を防止することができる。これにより、加水分解生成物の揮発を抑制することができるため好ましい。また、一般式(6)で示される構造を有する化合物の重量平均分子量が前記範囲内であると、一般式(6)で示される構造を有する化合物を添加することで組成物に適度な粘性を付与することができる。これにより、本実施形態にかかる保護膜の成膜等の作業性を向上させることができる。
一般式(6)で示される構造を有する化合物がポリマーでない場合、一般式(6)で示される構造を有する化合物としては、例えば、ジフェニルt−ブチルハイドロシラン、トリベンジルシラン等が挙げられる。
各保護膜中にバインダーを含有させる場合の含有量としては、保護膜の全質量を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上50質量%以下である。
1.7.3.その他の成分
第1保護膜30および/または第2保護膜40に、一般式(1)で示される化合物、および一般式(6)で示される構造を有する化合物を含有させた場合には、その他の成分として、触媒を含有してもよい。
触媒は、例えば、ヒドロシリル化反応を促進させるために含有されることができる。触媒としては、白金錯体またはロジウム錯体が好ましい。白金錯体としては、例えば、カルボニルシクロビニルメチルシロキサン白金錯体、白金−オクタナル/オクタノール錯体、シクロビニルメチルシロキサン白金錯体、カルボニルジビニルメチル白金錯体、ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体等が挙げられる。ロジウム錯体としては、例えば、トリス(ジブチルスルフィド)ロジウムトリクロライド等が挙げられる。触媒を含有させる場合の含有量は、保護膜の全質量を100質量%とした場合、好ましくは0.0001質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.001質量%以上0.1質量%以下である。
また、第1保護膜30および/または第2保護膜40には、安定化剤をさらに添加してもよい。安定化剤としては、例えば、硫黄化合物、リン化合物、アルキン化合物、マレイン酸誘導体、含窒素化合物等が挙げられる。具体的には、ベンゾチアゾール、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、ジエチルマレート、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム(いずれも東京化成工業株式会社より入手可能)等が挙げられる。これらの安定化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これらの安定化剤を使用することにより、例えば、上述の一般式(5)で示される構造を有する化合物を含有させた場合に、保護膜を作製する作業性を向上させることができる。安定化剤の含有量は、保護膜の全質量を100質量部とした場合、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上2質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以上1質量部以下である。
1.8.第1保護膜および第2保護膜の材質の組合せ
本実施形態の発光体では、第1保護膜30は、第2保護膜40よりも有機EL素子20に対して近接する位置に設けられている。そのため、第1保護膜30に水分捕捉剤を含有させる場合には、反応生成物を生じないという点で、上記例示した水分捕捉剤のうち水分子を物理的に吸着する性質を有する物質を配合するか、有機金属化合物のうち反応生成物を生じにくい種の水分捕捉剤を配合することがより好ましい。
水分子を物理的に吸着する性質を有する物質(水分捕捉剤)は、水分を吸着・捕集する他に、有機化合物も吸着・捕集する性質を有している。そのため、第1保護膜30にこのような物質を配合すると、第2保護膜40の水分捕捉剤が水分子と反応して反応生成物を生じた場合であっても、第1保護膜30に配合された水分捕捉剤によって吸着・捕集され、有機EL素子20に到達しにくくすることができる。
なお、第1保護膜30は、水分捕捉剤を含有しなくてもよく、その場合には、第1保護膜30は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、アルミニウム若しくは窒化アルミニウムの膜、または、それらの積層体であることが好ましい。第1保護膜30が、このような材質で構成されると、第2保護膜40の水分捕捉剤が水分子と反応して反応生成物を生じた場合であっても、その反応生成物が、第1保護膜30のバリア性によって、有機EL素子20に到達しにくくすることができる。
このように本実施形態の発光体においては、第1保護膜30および第2保護膜40のそれぞれの材質およびその組合せにおいて、より優れた効果を奏する態様がある。
例えば、水分捕捉剤として、上述の有機金属化合物を使用する場合において、第2保護膜40にこれを配合し、第1保護膜30を無機化合物で形成するか、水および/または有機化合物を、物理的に吸着して捕集する種の水分捕捉剤を含有させて形成すると、第2保護膜40において水分を捕捉したときに発生する有機化合物(反応生成物)を第1保護膜30の内側(有機EL素子20側)に侵入しにくくすることができる。また、この場合、第2保護膜40において水分を捕捉したときに発生する有機化合物(反応生成物)が、第3保護膜50のバリア性によって、発光体100の外側に、拡散することが抑制される。
また、第1保護膜30に、水分捕捉剤として有機金属化合物を配合する場合には、上述の式(3)、式(4)または式(5)で示される化合物と、上述の一般式(6)で示される構造を有する化合物とを含む構成とすることが好ましい。このようにすれば、有機EL素子20に接する第1保護膜30に、水分捕捉剤として有機金属化合物が配置されても、その反応生成物が生じにくいため、有機EL素子20への反応生成物の影響を小さく抑えることができる。
1.9.作用効果
以上のように、本実施形態の発光体によれば、第1保護膜30および第2保護膜40の少なくとも一方に含まれる水分捕捉剤によって水分を吸収または除去することができる。これにより、有機EL素子20に水分が接触することを、長期間にわたって抑制することができる。また、水分捕捉剤が水分を捕捉して反応生成物が生成した場合や、水分捕捉剤と共に溶媒が残存する場合であっても、第3保護膜50によって、該反応生成物の拡散を抑制することができる。
さらに、第2保護膜40に水分捕捉剤として有機金属化合物を含有させた場合であって、第1保護膜30に他の水分捕捉剤を含有させるか、第1保護膜30を無機化合物で構成した場合には、第2保護膜40において反応生成物が発生する場合には、第1保護膜30によって捕集または遮断されて、有機EL素子20にこれらの物質が接触することを抑制することができる。
さらに、吸湿したときに反応生成物の発生が抑制される種の水分捕捉剤を選択すれば、当該水分捕捉剤を第1保護膜30および第2保護膜40のいずれに配合した場合であっても、有機EL素子20や他の部材への反応生成物の影響を小さく抑えることができる。
したがって本実施形態にかかる発光体は、長寿命で信頼性が高く、長期間安定して高品質の発光を行うことができる。
2.表示デバイス
本実施形態にかかる表示デバイスは、上記発光体を備えている。表示デバイスとしては、例えば発光体を二次元的に配列したディスプレイが挙げられる。本実施形態の発光体は、有機EL素子20を有しているため、該発光体が二次元的に配列されたディスプレイは、いわゆる有機ELディスプレイとなる。このようなディスプレイでは、二次元的に配置された有機EL素子20が画素を構成することができる。各画素の有機EL素子20は、例えば、表示用ICによってそれぞれ駆動され、各種の情報の表示を行うことができる。
本実施形態にかかる表示デバイスは、上記の発光体を備えているため、長寿命で信頼性が高く、長期間安定して高品質の発光または表示を行うことができる。
なお、本実施形態では、有機EL素子20が水分から保護される発光体を例示した。しかし、有機EL素子以外にも、有機TFT、有機太陽電池、有機CMOSセンサー等を、第1保護膜30、第2保護膜40および第3保護膜50によって覆うようにすれば、これらの素子を水分から保護することのできるデバイスが実現可能であることは容易に理解されよう。
3.実施例および比較例
以下、本発明に関して実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
3.1.有機EL素子の作成
ITO膜(20nm)を備えたガラス基板上に、有機発光層として高分子正孔輸送層であるポリチオフェン誘導体(50nm)とポリフルオレン(80nm)は、この順に成膜した。ポリチオフェン誘導体は水とアルコール分散インク、ポリフルオレンはトルエン等の芳香族溶剤に溶かしたインクをそれぞれスピンコート法によって成膜した。次に陰極として、蒸着法を用いてBa(810nm)とAl(100nm)を積層成膜した。
3.2.第1保護膜および第2保護膜の作製
3.2.1.水分捕捉剤
3.2.1.1.トリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウムの合成(TMDE−3の合成)
500mLの三口フラスコに、トリメチロールプロパンジアリルエーテル(ダイソー株式会社製、商品名「ネオアリルT−20」)162.0g[756mmol]を仕込み、撹拌しながら少量ずつトリイソブチルアルミニウム50.0g[252.7mmol]をグローボックス中で滴下した。1時間そのまま撹拌した後、120℃で90分間撹拌した。温度を120℃に保ちつつ、真空ポンプによって減圧しながら未反応の原料を留去し、室温まで冷却してトリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウム(以下、「TMDE−3」という)164.0gを無色透明油状物として得た。収率は、定量的であった。
図4は、得られたTMDE−3のH−NMRスペクトル図である。H−NMR測定においては、内部標準物質としてトルエン−d8(ピークδ2.1付近)を用いた。図4により、得られた化合物は、上記式(3)で示される化学構造を有することが示された。
3.2.1.2.トリ(2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ)アルミニウムの合成(DEGV−3の合成)
200mLの三口フラスコに、トリイソプロポキシアルミニウム15.0g[73.4mmol]および乾燥トルエン45mLを仕込み、乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながらトリイソプロポキシアルミニウムを溶解した。そこへ、2−(2−ビニロキシエトキシ)エタノール33.0mL[257mmol]加え、90℃で10分間保った後、温度をそのまま13.3kPaにて反応で出てくる2−プロパノールを留去し、133Paにて未反応の2−(2−ビニロキシエトキシ)エタノールを留去した。このようにして、トリ(2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ)アルミニウム(以下、「DEGV−3」という)32gを無色透明油状物として得た。収率は、定量的であった。
図5は、得られたDEGV−3のH−NMRスペクトル図である。H−NMR測定においては、内部標準物質としてトルエン−d8(ピークδ2.1付近)を用いた。図5により、得られた化合物は、上記式(4)で示される化学構造を有することが示された。
3.2.1.3.ジ[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシ]マグネシウム(MDGA)の合成(MDGAの合成)
50mLの三口フラスコに、ジ(t−ブトキシ)マグネシウム(アルドリッチ製)2.00g[11.7mmol]、1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール(略号GDMA、新中村化学工業株式会社製)5.68g〔23.4mmol〕、脱水トルエン(和光純薬製)6.00gを仕込み、乾燥窒素下50℃で30分間攪拌した。温度を50℃に保ちつつ、真空ポンプによって減圧しながら副生するt−ブタノールおよびトルエンを留去し、室温まで冷却してジ〔1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシ〕マグネシウム(以下、MDGAという)5.6gを粘調な淡黄色油状物として得た。収率は、定量的であった。
図6は、得られたMDGAのH−NMRスペクトル図である。H−NMR測定においては、内部標準物質としてトルエン−d8(ピークδ2.1付近)を用いた。図6により、得られた化合物は、上記式(5)で示される化学構造を有することが示された。
3.2.2.重合体
3.2.2.1.ポリ(ヒドロメチルシロキサン−co−ベンジルメチルシロキサン)(以下、「ST−PMHS」ともいう)の合成
1L三口フラスコに温度計、滴下ロート、三方コックを配置し、フラスコ内を乾燥窒素でフローしながら、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−99」)600g(10.0mmolに相当)を入れた。一方、滴下ロートには2〜2.3wt%白金−シクロビニルメチルシロキサン錯体(808μL、4.02mmol)を溶解したスチレン(三菱化学株式会社製)208g(2.00mmolに相当)を入れ、反応液温度が80℃を超えないように少量ずつ滴下した。滴下終了後、30分間攪拌した。この反応液を5mmHgまで減圧し、バス温度100℃(溶液液温度70〜80℃)で1時間処理した。25%スチレンが付加したST25−PMHS(808g、100%)を無色透明液体として得た。
3.2.2.2.ペルヒドロポリシラザンの合成(以下、「PHPS」ともいう)の合成)
内容積1リットルの四つ口フラスコにガス吹き込み菅、メカニカルスターラー、デュワーコンデンサーを装着した。反応器内部を脱酸素した乾燥窒素で置換した後、四つ口フラスコに脱気した乾燥ピリジンを500ml入れ氷冷した。次にジクロロシラン52gを加えると、白色固体状の生成物が得られた。反応混合物を氷冷し攪拌しながら水酸化ナトリウム菅および活性炭菅を通して精製アンモニア51gを吹き込んだ後、乾燥窒素を液相に吹き込んで未反応のアンモニアを除去した。反応終了後、反応混合物を遠心分離し、乾燥ピリジンを用いて洗浄した後、さらに乾燥窒素雰囲気でろ過してろ液850mlを得た。ろ液から溶媒を減圧除去すると樹脂状固体ペルヒドロポリシラザンを17g得た。得られたポリシラザンにモレキュラーシーブスで脱水したキシレン60gを添加し無職透明液体を得た。
3.2.2.3.その他の重合体
以下の重合体は、市販されているものを用いた。
・トリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「TMPT」)
・ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「9G」)
・ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名「9PG」)
・3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「セロキサイド2021」)
・ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート828」)
3.2.3.硬化触媒
硬化触媒は、以下の市販されているものを使用した。
・ジエチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−601」)
・2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)2−メチルプロピオンアミド](和光純薬工業株式会社製、商品名「VF−096」)
・2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製、商品名「VAm−110」)
・2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製、商品名「ルシリンLR8953X」)
・ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸(東京化成工業株式会社製、以下「BPIN」という)
3.2.4.添加剤
添加剤は、以下の市販されているものを使用した。
・ヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製、以下「HQME」という)
・4−tert−ブチルカテコール(東京化成工業株式会社製、以下「TBC」という)
・3,5−ジブチルヒドロキシトルエン(東京化成工業株式会社製、以下「BHT」という)
第1保護膜および第2保護膜を形成させるための組成物を表1に示す内容で調製した。表1の組成物は、露点−60℃以下、酸素5ppm以下のグローブボックス中に所定量の成分を混合し、十分に攪拌して均一な溶液として得た。ついで得られた組成物を有機EL素子が成膜されたガラス基板上に塗布した後、所定の処理により硬化膜を形成させ第1保護膜を形成させた。
硬化膜を得る処理方法は、熱硬化またはUV硬化とし、熱硬化の場合は、80℃の温度で10分から1時間加熱することにより熱硬化させ、その条件を表2に記載した。UV硬化の場合、メタルハライドランプで3J/cmの照射量の光照射することにより光硬化させることで硬化膜を形成させ、表2には3J/cmと記載した。第1保護膜を形成させた後、表2に記載した表1の組成物を第1保護膜上に塗布した後、熱処理またはUV処理により硬化させ第2保護膜を形成させた。なお熱処理およびUV処理の条件は、上記第1保護膜の形成条件と同様とした。
Figure 2012086334
Figure 2012086334
3.3.第3保護膜の作成
SiN膜は、一般的なICP−CVD法によるCVD装置を用いて、下記条件にて窒化シリコン膜を形成した。
有機EL素子および第1保護膜、および第2保護膜を形成させたガラス基板を真空チャンバーの所定位置にセットして、真空チャンバーを閉めた。次に真空チャンバー内を排気して、真空度が5X10−4Paとなるまで待った。その後シランガス、アンモニアガス、および、ヘリウムガスを導入した。なお、シランガスの流量は、50sccm、アンモニアガスの流量は150sccm、ヘリウムガスの流量は300sccmとした。ついで、誘導コイルに2kwの高周波電力を供給して、基板の表面にはICP−CVD法によって窒化シリコン膜の形成を開始した。なお、有機EL素子の温度劣化を防ぐために、基板ホルダに配置された温度調節器によって、基板の温度が80℃を超えないように温度調節を行った。予め実験で調べておいた成膜レートに応じて、膜厚が200nmとなった時点で窒化シリコン膜の形成を終了して、真空チャンバーから基板を取り出した。本操作により第3保護膜が形成されるが、各例における第3保護膜の形成の有無を表2に記載した。
3.4.発光評価
有機EL上に第1保護膜、第2保護膜、第3保護膜が形成された基板に6Vの電圧を印加し輝度を測定した。発光が得られた基板を60℃/90%R.H.下に1000h放置したときの発光面積の減少率が5%未満を良好と判断して「○」、5%以上を不良と判断して「×」とした。評価結果を表2に併記した。
3.5.評価結果
表2の結果から、実施例1〜34に示されるとおり、60℃/90%R.H.下、1000h放置後の発光面積の減少率は、5%以下で良好であった。特に実施例18〜34に示されるとおり、水分捕捉剤を含有する組成物を第2保護膜として成膜した場合は、発光面積の減少率が非常に小さくさらに良好な結果を示した。一方、比較例1〜4に示されるとおり、第3保護膜を形成しない、または水分捕捉剤を含有しない組成物にて第2保護膜を成膜した場合は、60℃/90%R.H.下、1000h放置後の発光面積の減少率は大きくなり不良となった。
以上の結果より、水分捕捉剤を含有する組成物から得られる少なくとも1層と無機膜から得られる複合膜において、水分捕捉剤を含有する塗膜上に無機膜を形成した場合は、良好な環境耐性を有することが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の発光体は、長期間安定して動作させることができる。本発明の表示デバイスは、長寿命で信頼性が高く、長期間安定して高品質の発光または表示を行うことができる。
10…支持基板、20…有機EL素子、22…第1電極、24…有機発光材料層、26…第2電極、30…第1保護膜、40…第2保護膜、50…第3保護膜、60…空洞、70…リブ、80…カバー基板、100,110,120…発光体

Claims (10)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板の上方に形成された有機EL素子と、
    前記有機EL素子の上方に形成された第1保護膜と、
    前記第1保護膜の上方に形成された第2保護膜と、
    前記第2保護膜の上方に、前記有機EL素子、前記第1保護膜、および前記第2保護膜を覆うように形成された第3保護膜と、
    を含み、
    前記第1保護膜および前記第2保護膜の少なくとも一方は、水分捕捉剤を含有する、発光体。
  2. 請求項1において、
    前記水分捕捉剤は、下記一般式(1)で示される化合物である、発光体。
    (RM ・・・(1)
    (上記式(1)中、Rは、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基およびRO−で表される基から選択される1種である。複数存在するRは同一または異なってもよい。Rは、置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基およびアリール基から選択される1種である。nは2〜4の整数であり、Mの原子価に等しい。Mは2〜4価の原子である。)
  3. 請求項2において、
    一般式(1)中、Mは、アルミニウム、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、チタン、ジルコニウムおよび亜鉛から選択される少なくとも1種である、発光体。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記第3保護膜は、窒化シリコンおよび酸化窒化シリコンの少なくとも一方を含有する、発光体。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜の少なくとも一つは、多層構造を有する、発光体。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
    前記第1保護膜、前記第2保護膜および前記第3保護膜は、可視光を透過する、発光体。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
    前記第3保護膜は、スパッタ法またはCVD法によって形成された、発光体。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
    前記水分捕捉剤は、下記式(2)で示される化合物である、発光体。
    Figure 2012086334
    (上記式(2)中、Rは、2価の有機基を表し、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。複数存在するRおよびRはそれぞれ同一または異なってもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。Mはアルミニウムおよびマグネシウムから選択される1種である。)
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項において、
    前記第1保護膜および前記第2保護膜の少なくとも一方は、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂およびシロキサン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有する、発光体。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の発光体を含む、表示デバイス。
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