JP5889174B2 - 乾燥剤及びこれを用いた有機el素子 - Google Patents

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Description

本発明は、気密容器の水分を吸収する乾燥剤に関し、特に気密容器内に充填することに適した乾燥剤及びこれを用いた有機EL(Electroluminescence)素子である。
近年、有機EL素子を用いた発光デバイスである有機ELディスプレイや有機EL照明についての研究や開発が活発におこなわれている。
有機EL素子は、蛍光性有機化合物を含む薄膜である有機層を一対の電極をなす陽極と陰極との間に挟んだ構造であり、前記薄膜に正孔(ホール)及び電子を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光または燐光)を利用する自発光素子である。
上記有機EL素子の最大の課題は耐久性の改善であり、その中でもダークスポットと呼ばれる有機層の非発光部の発生とその成長の防止が最も大きな課題となっている。ダークスポットの直径が数10μmに成長すると目視で非発光部が確認できるようになる。ダークスポットの主原因としては、水分及び酸素の影響が最も大きいとされ、特に水分は極めて微量でも大きな影響を及ぼすということが知られている。
そこで、有機EL素子に水分を浸入させない方法が考えられており、現在の代表的な封止構造としては、下記特許文献1に開示される「中空封止構造」が一般的と言える。この中空封止構造は、有機層及び陽極、陰極を乾燥させた不活性ガス雰囲気の気密容器内に封止することで、水分や酸素の浸入を抑制する方法である。
図10に示すように、有機EL素子10の中空封止構造は、絶縁性及び透光性を有する素子基板11上に、陽極、有機層と陰極が順次積層され、有機EL部12が形成されている。さらに素子基板11、封止基板13及び封止シール剤14によって気密に保たれた容器内部の封止基板13に水分を吸収する乾燥手段の乾燥膜15が設けられている。
中空封止構造では、容器内部に水分を化学若しくは物理吸着するための無機乾燥シート等の乾燥手段を設置する空間をつくるため、封止基板にザグリ加工が必要となり製造コストが嵩むという問題があった。また、封止基板に設ける乾燥手段である乾燥膜の膜厚を均一にするのは困難であり、中空封止構造で、有機EL部で発生した光を透光性を有する封止基板側から外部に取り出す上面発光(トップエミッション)型の有機EL素子を作製すると、表示が歪んでしまうという問題があった。
さらに、陰極上面に接触するものがなく、放射及び容器内対流のみでしか放熱することができないため、例えば輝度を向上させるためにディスプレイ用と比較して多くの熱量が発生する照明向け有機ELでは十分に排熱することができなかった。
さらに、一定以上の大きさの有機EL素子では、中央部分を押下することで撓みが生じ、封止基板が有機EL部と接触して有機EL部を物理破壊する虞があった。
そこで、下記特許文献2にも開示されるような、放熱性とパネル強度に優れ、有機層を樹脂等の中に封止することで水分や酸素の浸入速度を遅くする「充填封止構造」が提案されている。
図11が示すように、充填封止構造を有する有機EL素子20は、絶縁性及び透光性を有する素子基板21上に、陽極、有機層、陰極が順次積層され、有機EL部22が形成されている。有機EL部22の上部には保護層23が設けられる。その後、封止層24が設けられ、有機層を外気から遮断するための封止基板25と封止シール剤26によって気密容器を構成している。このとき、保護層23は、封止層24を設ける際に陰極にかかる応力を緩和し、封止層24に用いられる化学成分と有機層の反応を抑制して有機層へのダメージを防ぐことを目的として設けられている。
特開2002−33187号公報 特開平08−236271号公報
しかしながら、トップエミッション型の充填封止構造では、光を取り出す側である封止基板上に透光性を有さない封止層を自由に配置することが困難であり、さらに、封止層を設けるために必要な保護層を設ける工程が増えることにより、製造コストや製造時間が増加してしまうという問題があった。
また、保護層を設けずに容器内に水分を吸収する乾燥剤を充填して、ダークスポットの発生を抑制することも考えられる。
しかし、現在使用されている透光性を有する乾燥剤は、扱い易くするために有機溶媒が添加され、適度な粘度に調整されている。この乾燥剤を乾燥させずに封止基板と素子基板の間に充填し、周囲を水分透過性の低い紫外線硬化性接着剤等の封止シール剤で封止すると、乾燥剤中の有機溶媒の有機層への染み込みや有機層の溶解が起こり、有機EL素子として、耐久性の著しく低いものとなってしまう。
また、この乾燥剤を加熱乾燥させて得た乾燥膜を封止基板上に形成し、素子基板と貼り合せると、乾燥剤の膜が硬化しているため、有機EL層を物理的に破壊してしまうという問題があった。
さらに、上記の乾燥剤は、水分を吸収した後にひび割れを起こすことがあり、取り出す光が乱反射して透過率が減少してしまうため、トップエミッション型の構造には適用することができなかった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、有機EL素子の気密容器に充填して充填封止構造とした際に、有機層への影響がなく充填時の流動性を確保して有機層の物理破壊を防止できる乾燥剤及びこれを用いた有機EL素子を提供することを目的とするものである。
上記の課題を達成するために、下記化学式(化1)で示される有機金属化合物または前記(化1)で示される有機金属化合物の重合体を捕水成分として、前記捕水成分と下記化学式(化2)で示されるシリコーンを含む、気密容器に充填される乾燥剤において、前記捕水成分は前記乾燥剤の50〜95重量%であり、前記シリコーンは前記乾燥剤の5〜50重量%であることを特徴とする。
Figure 0005889174
Figure 0005889174
((化1)の式中、RとRとRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示す。なお、RとRとRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、(化2)の式中、Rは水素原子または置換基からなる有機基を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
請求項記載の乾燥剤は、下記化学式(化3)で示される単位構造を持つ有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする。
Figure 0005889174
((化3)の式中、Rは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
請求項記載の乾燥剤は、下記化学式(化4)で示される有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする。
Figure 0005889174
((化4)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
請求項記載の乾燥剤は、捕水成分は下記化学式(化5)で示される有機金属化合物または前記(化5)で示される有機金属化合物の重合体を捕水成分として、前記捕水成分と化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器に充填される乾燥剤において、前記捕水成分は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする。
Figure 0005889174
((化5)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは4価の金属原子を示す。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
請求項記載の乾燥剤は、下記化学式(化6)で示される単位構造を持つ有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする。
Figure 0005889174
((化6)の式中、RとRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは4価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、RとRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
請求項記載の乾燥剤は、下記化学式(化7)で示される有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする。
Figure 0005889174
((化7)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは4価の金属原子を示す。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
請求項に記載の有機EL素子は、請求項1からの何れかに記載の乾燥剤を、有機層が一対の電極により挟持された積層体を内包するように、前記積層体を設けた素子基板と封止基板と封止シール剤とで気密封止された気密容器内の捕水手段として当該容器内に充填したことを特徴とする。
本発明の乾燥剤は、乾燥剤に添加された有機溶媒を取り除いているので、有機EL素子内に有機溶媒を持ち込まないようにすることができる。これによって、有機EL素子内に充填した乾燥剤によって有機層が侵されることのない新規の乾燥剤を提供することができる。
また、本発明の乾燥剤は透光性を有しており、水分吸収後もひび割れを起こさずに非透明化しないため、封止基板側から光を取り出すトップエミッション型の構造にも採用することができる。さらに、気密容器内に充填された乾燥剤は適度な粘度を有しているので、外部からの応力を緩和して有機層の破損を防止する効果を奏することができる。
本発明に係る充填封止構造の有機EL素子の構成を示す断面図である。 (a)〜(d)本発明に係る充填封止構造の有機EL素子の製造工程を示す断面図である。 シリコーンと捕水成分の相溶状態を示した表である。 捕水成分とシリコーンを混合した乾燥剤の粘度特性を示したグラフである。 図4とは異なるシリコーンを捕水成分と混合した乾燥剤の粘度特性を示したグラフである。 有機層の溶解の推移を示したグラフである。 本発明にかかる乾燥剤を用いた有機EL素子の経過時間における発光面積率を示すグラフである。 有機層の溶解の推移を示したグラフである。 本発明にかかる乾燥剤の粘度特性を示したグラフである。 従来の中空封止構造の有機EL素子の構成を示す断面図である。 従来の充填封止構造の有機EL素子の構成を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
本発明の乾燥剤は、例えば有機EL素子を用いた発光デバイスである有機ELディスプレイ、有機EL照明等に使用される。具体的には、有機層が一対の電極により挟持された積層体が配設される絶縁性の素子基板と、該素子基板と対向して、間隙を空けて封止する封止基板とで気密される気密容器内に充填して使用され、水分を吸収して有機層におけるダークスポットの発生を抑制するためのものである。
図1及び図2を用いて充填封止構造の有機EL素子1の構成について説明する。まず、絶縁性及び透光性を有する矩形状のガラス基板からなる素子基板2を基部として、素子基板2の上には、透明性を有する導電材料によるITO(Indium Tin Oxide)膜によって陽極3が形成されている。このITO膜は、例えば真空蒸着法、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition )法により素子基板2に成膜される。その後、フォトレジスト法の手段によるエッチングで所定パターン形状にパターニングされ、陽極3を形成する。電極としての前記陽極3の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
陽極3の上面には、例えば、真空蒸着法、抵抗加熱法等のPVD法により、有機化合物材料の薄膜による有機層4が積層されている。図1の例における有機層4は、陽極3の上に数10nmの膜厚で形成されたホール注入層4aとしての銅フタロシアニン(CuPc)と、ホール注入層4aの上面に数10nmの膜厚で成膜されたホール輸送層4bとしてのBis[N-(1-naphthyl)-N-pheny]benzidine(α−NPD)と、ホール輸送層4bの上面に数10nmの膜厚で成膜される発光層4cとしてのトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )、発光層4cの上面に数nmの膜厚で成膜される電子輸送層4dとしてのフッ化リチウム(LiF)の4層構造からなる。
さらに、有機層4(電子輸送層4d)の上面に金属薄膜によって、陰極5が形成されている。金属薄膜の材料としては、例えばAl、Li、Mg、In等の仕事関数の小さい金属材料単体やAl−Li、Mg−Ag等の仕事関数の小さい合金からなる。陰極5は、例えば数10nm〜数100nm(好ましくは50nm〜200nm)の膜厚で形成される。陰極5の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
そして、図2(a)に示すように陽極3、有機層4及び陰極5との積層構造からなる積層体6である有機EL部が素子基板2に形成される。
本例では有機層4を4層構造としたが、有機EL素子として有効であれば本例に記載した以外の材料を使用して、本例とは異なる層構造としても良い。
また、図2(b)に示すように封止基板7には容器内に充填可能な量の乾燥剤8をあらかじめ計測してディスペンスによって塗布する。次に、封止基板7に塗布した乾燥剤8を囲むように紫外線硬化型樹脂等の封止シール剤9を設ける。
次に図2(c)に示すように陽極、有機層及び陰極からなる積層体6を形成した素子基板2と、乾燥剤8を塗布し封止シール剤9を設けた封止基板7を貼り合わせて封止することで、図2(d)及び図1に示すような気密容器内に乾燥剤8が充填された充填封止構造の有機EL素子1となる。
ここで、乾燥剤8の塗布及び充填方法はディスペンスによる塗布以外にODF(One Drop Fill)方式による方法でもよい。ODF方式の場合は、素子基板と封止基板の貼り合わせは真空中でおこなう。また、上記以外の乾燥剤の塗布及び充填方法を用いても良い。
ここで、有機EL素子1に充填される乾燥剤8に含まれる捕水成分とシリコーンについて説明する。
[捕水成分]
本例の乾燥剤8において水分を吸収する捕水成分は、(化3)に示す単位構造で示される有機金属化合物である。(化3)の式中のRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。また、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。
この(化3)で示す有機金属化合物がn=3のとき、下記化学式(化8)に示すような環状構造となることがある。(化8)の式中のRからRは独立に炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコシキ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示している。
また、(化8)と水との反応式を下記化学式(化9)に示す。(化9)に示すように、捕水成分(化8)は水分子と付加反応をおこない、水分を吸収する。このように(化8)に示した有機金属化合物は化学的に水分を除去する機能を有している。
Figure 0005889174
Figure 0005889174
また、(化3)に示す単位構造で示される有機金属化合物は、直鎖状の構造をとることもある。このときは(化10)に示すような一般式の構成となっている。(化10)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。また、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。さらにR同士が同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、RとRは後述する(化3)のRと同様の種類の有機基を任意に選択することができる。
Figure 0005889174
(化10)に示す有機金属化合物も、(化8)で示される有機金属化合物と同様に水分子との付加反応によって、水分を吸収する。
下記に(化3)のRに該当する有機基の一例を示すが、これらに限られるものではない。また、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。
は、炭素数1個以上のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を示す。
アルキル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アルケニル基は置換もしくは未置換のもので、具体例としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキシセニル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アリール基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、フェニル基、トリル基、4-シアノフェニル基、ビフェニル基、o,m,p−テルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9−フェニルアントラニル基、9,10−ジフェニルアントラニル基、ピレニル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アルコキシ基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
シクロアルキル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボナン基、アダマンタン基、4−メチルシクロヘキシル基、4−シアノシクロヘキシル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
複素環基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、ピロール基、ピロリン基、ピラゾール基、ピラゾリン基、イミダゾール基、トリアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、インドール基、ベンズイミダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、シノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノリン基、フルオレノン基、ジシアノフルオレノン基、カルバゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ビスベンゾオキサゾール基、ビスベンゾチアゾール基、ビスベンゾイミダゾール基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アシル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基、マレオイル基、フマロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、タルトロノイル基、マロイル基、タルタロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカテクオイル基、ガロイル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサリル基、メソオキサロ基、オキサルアセチル基、オキサルアセト基、レブリノイル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。また、これらのアシル基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が置換していても良い。さらに、これらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
(化3)において、Rを上記有機基とし、3価金属がアルミニウムであり、n=3で環状構造となり、捕水成分として機能する有機金属化合物の一例として下記化学式(化11)〜(化18)が上げられる。
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
また、(化1)に示す有機金属化合物も(化8)で示される有機金属化合物と同様に、水分子と付加反応をおこない水分を吸収する。
(化1)において、RからRを上記の(化3)のRと同様の有機基とし、3価金属がアルミニウムであり、捕水成分として機能する有機金属化合物の例として、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム‐n‐ブトキシド、アルミニウム‐sec‐ブトキシド、アルミニウム‐tert‐ブトキシド、アルミニウム‐n‐オクトキシド、アルミニウム‐n‐ドデコキシドがあげられる。
また、(化1)において、RからRを上記の(化3)のRと同様の有機基とし、3価金属がホウ素であり、捕水成分として機能する有機金属化合物の例として、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリ‐n‐ブトキシボラン、トリ‐sec‐ブトキシボラン、トリ‐tert‐ブトキシボラン、トリ‐n‐オクトキシボラン、トリ‐n‐ドデコキシボランがあげられる。
更に、(化4)に示す有機金属化合物についても、下記化学式(化19)に示すように水分子と置換反応をおこない、水分を吸収する。(化19)では有機基をRとして示している。
Figure 0005889174
下記に(化4)のRからRに該当する有機基の一例を示すが、RからRはこれらに限られるものではない。RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。
アルキル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アルケニル基は置換もしくは未置換のもので、具体例としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキシセニル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アリール基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、フェニル基、トリル基、4-シアノフェニル基、ビフェニル基、o,m,p−テルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9−フェニルアントラニル基、9,10−ジフェニルアントラニル基、ピレニル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アルコキシ基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
シクロアルキル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボナン基、アダマンタン基、4−メチルシクロヘキシル基、4−シアノシクロヘキシル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
複素環基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、ピロール基、ピロリン基、ピラゾール基、ピラゾリン基、イミダゾール基、トリアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、インドール基、ベンズイミダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、シノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノリン基、フルオレノン基、ジシアノフルオレノン基、カルバゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ビスベンゾオキサゾール基、ビスベンゾチアゾール基、ビスベンゾイミダゾール基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アシル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基、マレオイル基、フマロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、タルトロノイル基、マロイル基、タルタロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカテクオイル基、ガロイル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサリル基、メソオキサロ基、オキサルアセチル基、オキサルアセト基、レブリノイル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。また、これらのアシル基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が置換していても良い。さらに、これらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
(化4)において、RからRを上記有機基とし、3価金属がアルミニウムである有機金属化合物の一例として下記化学式(化20)〜(化23)の有機金属化合物が上げられる。
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
Figure 0005889174
また、(化4)において、RからRを上記有機基とし、3価金属がランタンである有機金属化合物の一例として下記化学式(化24)の有機金属化合物が上げられる。
Figure 0005889174
また、(化4)において、RからRを上記有機基とし、3価金属がイットリウムである有機金属化合物の一例として下記化学式(化25)の有機金属化合物が上げられる。
Figure 0005889174
また、(化4)において、RからRを上記有機基とし、3価金属がガリウムである有機金属化合物の一例として下記化学式(化26)の有機金属化合物が上げられる。
Figure 0005889174
更に、(化6)に示す有機金属化合物についても、(化3)に示す有機金属化合物と同様、(化9)に示すような水分子との付加反応をおこない、水分を吸収する。
また、(化7)に示す有機金属化合物についても、(化4)に示す有機金属化合物と同様、(化19)に示すように水分子と置換反応をおこない、水分を吸収する。
下記に(化6)のRとR、(化7)のRからRに該当する有機基の一例を示すが、有機基はこれらに限られるものではない。(化6)のRとR、(化7)のRからRは、炭素数1個以上のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を示す。また、Mは4価の金属原子を示す。
アルキル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アルケニル基は置換もしくは未置換のもので、具体例としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキシセニル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アリール基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、フェニル基、トリル基、4-シアノフェニル基、ビフェニル基、o,m,p−テルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、9−フェニルアントラニル基、9,10−ジフェニルアントラニル基、ピレニル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アルコキシ基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基tert−ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
シクロアルキル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボナン基、アダマンタン基、4−メチルシクロヘキシル基、4−シアノシクロヘキシル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
複素環基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、ピロール基、ピロリン基、ピラゾール基、ピラゾリン基、イミダゾール基、トリアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、トリアジン基、インドール基、ベンズイミダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、シノリン基、キノキサリン基、ベンゾキノリン基、フルオレノン基、ジシアノフルオレノン基、カルバゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、チアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾトリアゾール基、ビスベンゾオキサゾール基、ビスベンゾチアゾール基、ビスベンゾイミダゾール基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。またこれらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
アシル基は置換若しくは未置換のもので、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピメロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基、マレオイル基、フマロイル基、シトラコノイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、タルトロノイル基、マロイル基、タルタロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ベラトロイル基、ピペロニロイル基、プロトカテクオイル基、ガロイル基、グリオキシロイル基、ピルボイル基、アセトアセチル基、メソオキサリル基、メソオキサロ基、オキサルアセチル基、オキサルアセト基、レブリノイル基等があり、好ましくは炭素数が1から12のものが良い。また、これらのアシル基にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が置換していても良い。さらに、これらのオリゴマー、ポリマーでも良い。
(化5)において、RからRを上記の(化6)のRとR、(化7)のRからRと同様の有機基とし、4価金属がチタンであり、捕水成分として機能する有機金属化合物の例として、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタン‐n‐ブトキシド、チタン‐sec‐ブトキシド、チタン‐tert‐ブトキシド、チタン‐n‐オクトキシド、チタン‐n‐ドデコキシドがあげられる。
また、(化5)において、RからRを上記の(化6)のR、(化7)のRからRと同様の有機基とし、4価金属がシリコンであり、捕水成分として機能する有機金属化合物の例として、テトラメトシキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ‐n‐ブトキシシラン、テトラ‐sec‐ブトキシシラン、テトラ‐tert‐ブトキシシラン、テトラ‐n‐オクトキシシラン、テトラ‐n‐ドデコキシシランがあげられる。
(化7)において、RからRを上記有機基とし、4価金属がゲルマニウムまたはシリコンである有機金属化合物の一例として下記化学式(化27)、(化28)の有機金属化合物が上げられる。
Figure 0005889174
Figure 0005889174
また、(化1)、(化3)から(化7)で表される物質は、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶剤、n−デカン等の脂肪族有機溶剤に溶解することから、一般的な乾燥剤であるゼオライト等の物理吸着型乾燥剤、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等の化学吸着型乾燥剤を分散して装着出来るという作用・原理を有する。
[シリコーン]
捕水成分と混合するシリコーンは、シロキサン結合を骨格とした重合体であるポリシロキサンの慣用名であり、(化2)のように表せる。(化2)において、nは重合度を表す1以上の整数であり、Rは置換基である。Rはそれぞれ同じ置換基でも異なる置換基でも良い。シリコーンは重合度によって性質が変化し、オイル(液体)やゴム等の固体としての性質を示すことが知られている。また、シリコーンの具体例として、置換基Rが全てメチル基であるシリコーンはジメチルシリコーンといわれ、(化29)のように表せる。(化29)の式中のnは重合度を示す1以上の整数である。
Figure 0005889174
また、ジメチルシリコーンのメチル基の一部がフェニル基に置換したシリコーンをメチルフェニルシリコーンという。さらに、ジメチルシリコーンのメチル基の一部を水素に置換したシリコーンをメチル水素シリコーンという。
ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチル水素シリコーンをストレートシリコーンという。また、ストレートシリコーンにおいて、メチル基、フェニル基、水素を他の有機基に置換したシリコーンを変性シリコーンという。
有機基Rの具体例としては、メチル基、フェニル基、水素のほかに、長鎖アルキル基、フェニルアルキル基、フッ素置換アルキル基、アミノアルキル基、エポキシ基含有アルキル基、カルボキシル基、水素含有アルキル基等がある。また、高級脂肪酸エステルやポリエーテルを導入してもよい。
そして、変性シリコーンは置換する有機基に応じて、アルキル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、フッ素置換アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等の慣用名が用いられる。
本発明に適切な捕水成分とシリコーンの混合の条件を求めるため、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のジメチルシリコーンであるTSF451シリーズを用いて検討をおこなった。
シリコーンは捕水成分と混合した後に相溶して、透光性を有し、気密容器に充填するのに適切な粘度を有していることが望ましい。図3は常温(25度)での粘度が異なるシリコーンと捕水成分を混合して得られた乾燥剤の相溶状態を示した図である。表の中の丸印は透光性を維持していたものであり、ばつ印は白濁したものである。この結果から、シリコーンの常温の粘度にもよるが乾燥剤の全重量において捕水成分の比率が50〜95重量%であり、シリコーンの比率が5〜50重量%であることが望ましいことが分かる。
また、図4は常温で0.1Pa・sの粘度を有するシリコーンを捕水成分と比率を変化させて混合して得た乾燥剤について、温度を変化させて粘度特性を測定したものである。
さらに、図5は常温で0.01Pa・sの粘度を有するシリコーンを捕水成分と比率を変化させて混合して得た乾燥剤について、温度を変化させて粘度特性を測定したものである。
乾燥剤は気密容器内に充填するためにディスペンスによる塗布においては常温で1Pa・s以上かつ5000Pa・s以下の粘度を有していることが望ましい。特に1Pa・s以上かつ300Pa・s以下の粘度がより好ましい。
また、ODF法による塗布においては常温で0.03Pa・s以上かつ1Pa・s以下の粘度を有していることが望ましい。特に0.1Pa・s以上かつ1Pa・s以下の粘度がより好ましい。
また、インクジェット法による塗布においては常温で0.03Pa・s以下の粘度を有していることが望ましい。
常温での粘度の低いシリコーンを捕水成分よりも多い比率で混合することで、粘度を下げることが可能だが、反面、気密容器内の水分を吸収する乾燥剤としての性能が低下してしまう。これら捕水成分とシリコーンの混合の比率は、乾燥剤を適用する有機EL素子の使用用途によっても選択することができる。例えば、ディスプレイ用に使用する有機EL素子は、ダークスポットの影響が顕著に現れるので、捕水成分比率を比較的高めにしておくことが望ましい。これに対して、照明用に使用する有機EL素子は、捕水成分比率を低めにすることが可能である。
以上のような条件から、乾燥剤の全重量において捕水成分の比率が50〜95重量%であり、シリコーンの比率が5〜50重量%であることが望ましい。
次に、本発明に係る乾燥剤の合成工程及びこの乾燥剤を用いた有機EL素子の製造工程についてそれぞれ具体的に説明する。なお、下記工程は本発明を限定するものではなく、前述または後述する趣旨に照らし合わせて設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[実施例1]
(乾燥剤の合成方法)
1つめの原料として、捕水機能を持つ(化3)で表される有機金属化合物でMがアルミニウムである、有機アルミニウム化合物であるアルミニウムオキサイドオクチレートが有機溶媒に溶解した製剤(商品名 ホープ製薬製 オリープAOO)を用いる。2つめの原料として、シリコーン(ジメチルシリコーン TSF451−100:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を用いる。
これらの原料を有機アルミニウム化合物が50重量%、シリコーンが50重量%となるように秤量し、ナス型フラスコ内で混合、攪拌しながら、減圧・加熱して有機溶媒を除去し、乾燥剤を得た。
[有機EL素子の製造方法]
図1及び図2を用いて有機EL素子の製造方法を説明する。まず、図2(a)に示すように、素子基板2上に、透明性を有する導電材料としてITOによる陽極3を140nmの膜厚でスパッタ法により成膜し、さらにフォトレジスト法によるエッチングで所定パターン形状にパターニングし、陽極3を形成する。なお、ITOの一部は素子基板2の端部まで引き出され不図示の駆動回路と接続している。
次に、陽極3の上面に、抵抗加熱法により70nmの膜厚で形成されたホール注入層4aとしての銅フタロシアニン(CuPc)と、ホール注入層4aの上面に30nmの膜厚で成膜されたホール輸送層4bとしてのBis[N-(1-naphthyl)-N-pheny]benzidine(α−NPD)と、ホール輸送層4bの上面に50nmの膜厚で成膜される発光層4cとしてのトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を成膜した。
さらに、発光層4cの上面に7nmの膜厚で成膜される電子輸送層4dとしてのフッ化リチウム(LiF)を成膜し、さらに陰極5としてアルミニウムを150nmの膜厚で物理蒸着した。なお、陰極5の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて不図示の駆動回路に接続される。
次に、露点−76℃以下の窒素で置換されたグローブボックス中で、図2(b)に示すように、封止基板7上に、上記合成した乾燥剤8を予め計測した容器内に充填可能な容量だけディスペンスによって塗布した。次に、封止基板7上に充填した乾燥剤8を囲むように紫外線硬化型樹脂からなる封止シール剤9をディスペンスによって塗布した。
そして、図2(c)に示すように、陽極3、有機層4及び陰極5を積層した素子基板2と封止基板7とを貼り合わせた後、紫外線照射及び80℃の加熱により封止し、図1及び図2(d)に示すように気密容器内に乾燥剤8が充填された充填封止構造の有機EL素子1を得た。
充填封止構造は中空封止構造に比べて、素子基板へのザグリ加工の必要がないので、素子を大型化することができる。
さらに、充填封止構造は素子内に乾燥剤が充填されているので、中空封止構造の素子に比べて衝撃に対して強く、素子の放熱性も向上しているという効果を有している。
[実施例2]
実施例2は、乾燥剤として、実施例1と同様の有機アルミニウム化合物とシリコーンの合成後の全重量に対して有機アルミニウム化合物が95重量%、シリコーンが5重量%となるように混合させたもので、その他は実施例1と同様である。
[比較例1]
比較例1として、実施例1で作製される有機EL素子の容器内に乾燥剤の代わりにホープ製薬製オリープAOOを充填したものを用いた。その他は実施例1と同様である。
[比較結果1]
比較例1で作製した有機EL素子について、気温105度の条件下に素子を放置し、有機層の変化について観察した。図6は比較例1の有機EL素子の発光ドットの有機層の溶解距離を1とした時の実施例1、2の溶解距離の相対値を示したものである。
図6より、実施例1、2は、溶解距離が非常に短く、溶解性が非常に低くなっていることが分かる。
また、実施例同士を比較すると、特に実施例2の場合は、有機層の溶解に対してより効果があることがわかる。
[実施例3]
実施例3は、シリコーンとして変性シリコーンの一種であるカルボキシル変性シリコーン(X−22−3701E:信越化学工業(株)製)を使用したものである。
そして、合成後の全重量に対して、実施例1と同様の有機アルミニウム化合物が90重量%、変性シリコーンが10重量%となるように秤量し、ナス型フラスコ内で混合、攪拌しながら、減圧・加熱し、有機溶媒を除去して乾燥剤を得た。その他は実施例1と同様である。
[実施例4]
実施例4は、実施例3で使用した乾燥剤のシリコーンとして変性シリコーンの一種であるカルボキシル変性シリコーン(X−22−162C:信越化学工業(株)製)を使用したものである。その他は実施例3と同様である。
[比較結果2]
実施例3、4で作製した有機EL素子について、温度85℃、湿度85%の環境での高温高湿放置試験におけるダークスポットの成長について顕微鏡観察した。
図7に示すように、実施例3、4の有機EL素子は、780時間経過後も発光ドットの75%以上の発光面積を維持しており、製品性能としては十分満足する結果であった。
[実施例5]
実施例5は、乾燥剤として、実施例1と同様の有機アルミニウム化合物と、シリコーン(ジメチルシリコーン TSF451−10:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を使用し、有機アルミニウム化合物とシリコーンの合成後の全重量に対して有機アルミニウム化合物が95重量%、シリコーンが5重量%となるように混合させたもので、その他は実施例1と同様である。
[比較例2]
比較例2として、実施例5で作製される有機EL素子の容器内に充填する乾燥剤において、シリコーンに替えてポリブテンを混合させたものを用いた。その他は実施例5と同様である。
[比較結果3]
実施例5と比較例2で作製した有機EL素子を、気温105度の条件化に放置し、有機層の変化について観察した。図8は経過時間と有機EL層の溶解距離を示したものである。
比較例2に対して実施例5の素子は溶解距離が短くなっている。これはポリブテンと比べてシリコーンが有機層へ影響を与えにくいことを示している。
本発明では捕水成分と混合する溶媒が有機層に与える影響を溶解度パラメータを使用して検討している。溶解度パラメータは、溶解を溶質の凝集の解離ととらえて、溶液中の溶媒溶質間に働く力を分子間力のみと仮定して数値化したものである。具体的には凝集エネルギー密度の平方根で定義され、1立方センチメートルの液体が蒸発するために必要な蒸発潜熱から求めることができる。
また、溶解度パラメータが近い物質ほど相溶性が高いことが知られている。
ここで捕水成分の溶解度パラメータを計算すると約10となる。同様に主要な有機EL素子材料の溶解度パラメータを求めると、11程度の物質が多い。そのため有機EL素子材料の溶解度パラメータと離れており、捕水成分の溶解度パラメータに近い物質が溶媒の候補となる。特に捕水成分の溶解度パラメータよりも溶解度パラメータの低い物質を新たな溶媒として検討することにした。
溶解度パラメータの条件と、扱いやすさの観点から有機溶媒に換わる新たな溶媒として、シリコーンやポリブテンが好ましいことが判明した。
さらに、溶解度パラメータが同等の物質であっても流動性が低い物質のほうが有機層に影響を与えないことが知られている。図9は実施例5と比較例2の温度粘度特性を示している。
図9より実施例5が比較例2よりも粘度の温度依存性が低いことがわかる。実施例5は比較例2と比較すると、流動性が温度条件による影響を受けないので乾燥剤に使用する溶媒として望ましい。
[実施例6]
実施例6は、実施例1で使用した乾燥剤の捕水成分として、金属アルコキシドを使用したものである。その他は実施例1と同様である。
金属アルコキシドの種類としては、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム‐n‐ブトキシド、アルミニウム‐sec‐ブトキシド、アルミニウム‐tert‐ブトキシド、アルミニウム‐n‐オクトキシド、アルミニウム‐n‐ドデコキシド、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリイソプロポキシボラン、トリ‐n‐ブトキシボラン、トリ‐sec‐ブトキシボラン、トリ‐tert‐ブトキシボラン、トリ‐n‐オクトキシボラン、トリ‐n‐ドデコキシボラン、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタン‐n‐ブトキシド、チタン‐sec‐ブトキシド、チタン‐tert‐ブトキシド、チタン‐n‐オクトキシド、チタン‐n‐ドデコキシド、テトラメトシキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ‐n‐ブトキシシラン、テトラ‐sec‐ブトキシシラン、テトラ‐tert‐ブトキシシラン、テトラ‐n‐オクトキシシラン、テトラ‐n‐ドデコキシシランなどを任意に使用することができる。
また、上記金属アルコキシドで液体のものを選択することで、シリコーンとの混合をほぼ任意におこなうことができる。これによって、容易に任意の粘度を有する乾燥剤を得ることができる。
[実施例7]
実施例7は、実施例6の有機EL素子の製造方法において、乾燥剤の塗布と、素子基板と封止基板の張り合わせ工程をODF法により実施したものである。その他は実施例6と同様である。
ODF法を実施するには、乾燥剤が常温で0.03Pa・s以上かつ1Pa・s以下の粘度を有していることが望ましい。特に0.1Pa・s以上かつ1Pa・s以下の粘度がより好ましい。
また、素子基板と封止基盤の張り合わせを真空中で実施するので、乾燥剤が揮発してしまわないように高沸点の材料を使用することが望ましい。特に300Pa程度の減圧条件下で沸点が200度以上であることが望ましい。
実施例6の金属アルコキシドを捕水成分に使用した乾燥剤はこれらの条件を満たすため、ODF法への適用が可能である。
以上の実施例では本発明の乾燥剤を有機EL素子に用いたが、本発明の乾燥剤は気密容器内に有機層を備える有機半導体などの有機デバイスや、太陽電池などの水分の影響を受けるデバイス内に設けても効果を発揮する。
1…有機EL素子
2…素子基板
3…陽極
4…有機層
5…陰極
7…封止基板
8…乾燥剤
9…封止シール剤

Claims (6)

  1. 下記化学式(化3)で示される単位構造を持つ有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と下記化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、
    前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする乾燥剤。
    Figure 0005889174
    Figure 0005889174
    ((化3)の式中、Rは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、(化2)の式中、Rは水素原子または置換基からなる有機基を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
  2. 下記化学式(化4)で示される有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と下記化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、
    前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする乾燥剤。
    Figure 0005889174
    Figure 0005889174
    ((化4)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは3価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、(化2)の式中、Rは水素原子または置換基からなる有機基を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
  3. 捕水成分は下記化学式(化5)で示される有機金属化合物または前記(化5)で示される有機金属化合物の重合体を捕水成分として、前記捕水成分と下記化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器に充填される乾燥剤において、
    前記捕水成分は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする乾燥剤。
    Figure 0005889174
    Figure 0005889174
    ((化5)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは4価の金属原子を示す。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、(化2)の式中、Rは水素原子または置換基からなる有機基を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
  4. 下記化学式(化6)で示される単位構造を持つ有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と下記化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、
    前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする乾燥剤。
    Figure 0005889174
    Figure 0005889174
    ((化6)の式中、RとRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは4価の金属原子を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、RとRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、(化2)の式中、Rは水素原子または置換基からなる有機基を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
  5. 下記化学式(化7)で示される有機金属化合物を捕水成分として、前記有機金属化合物と下記化学式(化2)で示されるシリコーンのみからなり、気密容器内に充填される乾燥剤において、
    前記有機金属化合物は前記乾燥剤の50〜95重量%であることを特徴とする乾燥剤。
    Figure 0005889174
    Figure 0005889174
    ((化7)の式中、RからRは炭素数1個以上のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基、複素環基、アシル基を含む有機基を示し、Mは4価の金属原子を示す。なお、RからRはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。また、(化2)の式中、Rは水素原子または置換基からなる有機基を示し、nは重合度を示す1以上の整数である。なお、Rはそれぞれ同じ有機基でも異なる有機基でも良い。)
  6. 請求項1からの何れかに記載の乾燥剤を、有機層が一対の電極により挟持された積層体を内包するように、前記積層体を設けた素子基板と封止基板と封止シール剤とで気密封止された気密容器内の捕水手段として当該容器内に充填したことを特徴とする有機EL素子。
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