JPWO2012073694A1 - インサート成形体及びインサート成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

インサート部材と、インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体において、熱可塑性樹脂部材の耐ヒートショック性を、向上させるための技術を提供する。インサート部材と、インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備え、熱可塑性樹脂部材が所定の方向に延びるウェルド部を一以上有する場合に、インサート部材の表面における、全てのウェルド部の真下の領域及び/又は真下の領域の近傍に粗面を形成する。より具体的には、粗面の両端の位置がウェルド部の両端の位置に略一致又はより外側になるように粗面を形成する。

Description

本発明は、インサート成形体及びインサート成形体の製造方法に関する。
インサート成形法は、樹脂の特性と金属、無機固体等(以下、金属、無機固体等をインサート部材と言う場合がある。)の素材の特性を生かし、インサート部材を樹脂に埋め込む成形法であり、得られるインサート成形体は熱可塑性樹脂部材とインサート部材とを備える。インサート成形法により得られたインサート成形体は、自動車部品や電気・電子部品、OA機器部品等として使用されている。このようにインサート成形体は、広い分野で使用される有用な材料である。
しかしながら、インサート成形体は、成形直後の熱可塑性樹脂部材の割れ、使用中の温度変化による熱可塑性樹脂部材の割れが問題になる場合がある。この問題は、熱可塑性樹脂の温度変化による膨張率や収縮率と、インサート部材の温度変化による膨張率や収縮率とが異なることに起因する。そして、この問題は、熱可塑性樹脂部材にウェルド部がある場合、応力集中部がある場合(熱可塑性樹脂部材に肉厚変化の大きい部分があったり、インサート部材がシャープなコーナー部を有していたりする場合)に生じやすい。このため、インサート成形体は、割れを防ぐために、用途や形状等が制限される。
ところで、最近では、自動車の分野において、エンジン廻りの金属部品を樹脂部品に置き換える検討が盛んに行なわれている。この検討の中の一つとして、インサート成形体を金属部品の代わりに用いる検討が行なわれている。具体的には、イグニッション関連部品、ディストリビューター部品、各種センサー部品、各種アクチュエーター部品、スロットル部品、パワーモジュール部品、ECU部品、各種コネクタ部品等では、アルミ、銅、鉄、真鍮、各種合金等の金属部品、金属端子を、ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド樹脂(以下PAS樹脂と言う場合がある。)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下PBT樹脂という場合がある。)で包むインサート成形体が多く検討されている。
しかしながら、エンジン廻りの部品は、構造が複雑であったり、樹脂部の肉厚変化が大きかったり、温度変化の大きい環境下(例えば、エンジンルーム付近)に曝されたりする。その結果、上記のような熱可塑性樹脂部材の割れの問題が生じやすい。そこで、大きな温度変化のある環境下に配置されても、熱可塑性樹脂部材の割れを防ぐことができる技術が求められている。即ち、熱可塑性樹脂部材の耐ヒートショック性を改善する技術が求められている。
耐ヒートショック性に優れる樹脂材料(原料)として、ポリアリーレンサルファイド樹脂に扁平な断面形状を有する繊維状の充填剤を配合した樹脂組成物が開示されている(特許文献1参照)。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂に特定の耐衝撃性付与剤、無機充填剤及び芳香族エステル化物を配合した樹脂組成物が開示されている(特許文献2参照)。
上記特許文献1、2に記載の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂部材の耐ヒートショック性を向上させる樹脂材料として優れる。しかしながら、近年、熱可塑性樹脂部材のさらなる薄肉化の要求も強く、また、部品の形状も複雑化しており熱可塑性樹脂部材へのウェルド部の形成が避けられず、上記耐ヒートショック性のさらなる向上が求められている。
特開2005−161693号公報 特開2008−6829号公報
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、インサート部材と、インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備え、上記熱可塑性樹脂部材がウェルド部及び/又は応力集中部を有するインサート成形体において、熱可塑性樹脂部材の耐ヒートショック性を向上させるための技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、インサート部材と、インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備え、熱可塑性樹脂部材が所定の方向に延びるウェルド部を一以上有する場合に、インサート部材の表面における、全てのウェルド部の真下の領域及び/又は真下の領域の近傍に粗面を形成すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) インサート部材と、前記インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体であって、前記熱可塑性樹脂部材は、所定の方向に延びるウェルド部を一以上有し、前記インサート部材の表面の一部には、前記ウェルド部と同じ方向に延びる粗面が形成され、前記粗面は、前記インサート部材の表面における、全ての前記ウェルド部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に配置され、前記粗面の両端の位置は、前記ウェルド部の両端の位置に略一致又はより外側であるインサート成形体。
(2) インサート部材と、前記インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体であって、前記熱可塑性樹脂部材は、前記熱可塑性樹脂部材の膨張収縮により発生する応力が集中する応力集中部を一以上有し、前記応力集中部は所定の方向に延び、前記インサート部材の表面の一部には、前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面が形成され、前記粗面は、前記インサート部材の表面における、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に配置され、前記粗面の両端の位置は、前記応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側であるインサート成形体。
(3) さらに、前記熱可塑性樹脂部材は、前記熱可塑性樹脂部材の膨張収縮により発生する応力が集中する応力集中部を一以上有し、前記応力集中部は所定の方向に延び、前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面が、前記インサート部材の表面における、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に配置され、前記粗面の両端の位置は、前記応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側である(1)に記載のインサート成形体。
(4) さらに、前記熱可塑性樹脂部材は、前記熱可塑性樹脂部材の膨張収縮により発生する応力が集中する応力集中部を一以上有し、前記応力集中部は所定の方向に延び、前記応力集中部の位置と前記ウェルド部の位置とが略一致する(1)に記載のインサート成形体。
(5) 少なくとも一箇所の前記粗面は、前記インサート部材の表面における、前記ウェルド部及び/又は前記応力集中部の真下の領域を挟むように設けられる(1)から(4)のいずれかに記載のインサート成形体。
(6) 前記粗面は、レーザーにより形成された粗面である(1)から(5)のいずれかに記載のインサート成形体。
(7) 前記熱可塑性樹脂部材は、結晶性熱可塑性樹脂組成物から構成される(1)から(6)のいずれかに記載のインサート成形体。
(8) 前記結晶性熱可塑性樹脂組成物は、ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物又はポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物である(1)から(7)のいずれかに記載のインサート成形体。
(9) インサート部材と、前記インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂部材は、所定の方向に延びるウェルド部及び応力集中部の少なくとも一方を一以上有し、前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有する場合には、前記インサート部材の表面における、全ての前記ウェルド部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に前記ウェルド部と同じ方向に延びる粗面を形成し、前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有さない場合には、前記インサート部材の表面における、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に、前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面を形成し、前記熱可塑性樹脂部材が前記ウェルド部と前記応力集中部とを有する場合であって、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致又は略一致しない場合には、前記インサート部材の表面における、全ての前記ウェルド部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に前記ウェルド部と同じ方向に延びる粗面と、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面とを形成する粗面形成工程と、前記粗面形成工程後のインサート部材を金型に配置し、前記金型内に溶融した熱可塑性樹脂を射出して、前記粗面の少なくとも一部を被覆するように、熱可塑性樹脂部材を前記インサート部材の表面に形成する熱可塑性樹脂部材形成工程と、を備え、前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有する場合には、前記粗面の両端の位置は、前記ウェルド部の両端の位置に略一致又はより外側であり、前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有さない場合には、前記粗面の両端の位置は、前記応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側であり、前記熱可塑性樹脂部材が前記ウェルド部と前記応力集中部とを有する場合であって、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致又は略一致しない場合には、前記粗面の両端の位置は、略真上に形成される前記ウェルド部又は応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側であるインサート成形体の製造方法。
(10) 前記粗面形成工程の前に、粗面が形成されていないインサート部材を用いて製造したインサート成形体の熱可塑性樹脂部材を熱により膨張、収縮させ、熱可塑性樹脂部材の表面のクラック発生位置を確認するクラック発生位置確認工程を、さらに備える(9)のインサート成形体の製造方法。
(11) 前記粗面は、前記クラック発生位置確認工程で確認した、クラックの発生が予測される位置の近傍に形成する(10)に記載のインサート成形体の製造方法。
本発明によれば、インサート成形体を構成する熱可塑性樹脂部材の耐ヒートショック性を向上させることができる。
ハッチング幅の概念を示した図である。 インサート成形体を模式的に示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の上面図である。 インサート部材11を模式的に示す斜視図である。 ウェルド部が形成される様子を示す模式図である。 本発明の効果を説明するためのインサート成形体の模式図であり、(a)は本実施形態のインサート成形体1の正面図であり、(b)はウェルド部が延びる所定方向に垂直に粗面が形成された場合のインサート成形体の正面図であり、(c)はインサート部材の表面に粗面を形成しなかった場合のインサート成形体の正面図である。 図2に示すインサート成形体とは異なる、ウェルド部と応力集中部とが一致するインサート成形体の具体例を模式的に示す平面図である。 図2、6に示すインサート成形体とは異なる、ウェルド部と応力集中部とが一致するインサート成形体の具体例を模式的に示す斜視図である。 熱可塑性樹脂部材がウェルド部と応力集中部とを有し、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致しない場合のインサート成形体を模式的に示す斜視図である。 図8に示すインサート成形体とは異なる、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致しない場合のインサート成形体の具体例を模式的示す斜視図である。 熱可塑性樹脂組部材が、ウェルド部を有さず応力集中部のみを有する場合のインサート成形体を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本発明は、熱可塑性樹脂部材とインサート部材とを備えるインサート成形体において、熱可塑性樹脂部材がウェルド部や応力集中部を有する場合に、熱可塑性樹脂部材の耐ヒートショック性を向上させる。インサート部材、熱可塑性樹脂部材について説明をした後、本発明について以下の(i)〜(iv)の場合を例に本発明を説明する。
(i)熱可塑性樹脂部材がウェルド部と応力集中部とを有し、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致している場合(第一実施形態)。
(ii)熱可塑性樹脂部材がウェルド部と応力集中部とを有し、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致しない場合(第二実施形態)。
(iii)熱可塑性樹脂組部材が、ウェルド部を有さず、応力集中部のみを有する場合(第三実施形態)。
(iv)本発明のインサート成形体の製造方法(第四実施形態)。
<インサート部材>
インサート部材は、従来からインサート成形体に用いられる一般的なものを使用することができる。つまり、インサート部材を構成する材料は、金属、無機材料、有機材料のいずれであってもよい。具体的には、鋼、鋳鉄、ステンレス、アルミ、銅、金、銀、真鍮等の金属、熱伝導性のセラミックや炭素材等が挙げられる。また、表面に金属の薄膜が形成された金属等もインサート部材として使用可能である。金属の薄膜としては、例えばメッキ処理(湿式メッキ処理、乾式メッキ処理等)により形成される薄膜を例示することができる。なお、インサート部材とは金属、無機材料等の単体のみならず複数の金属や樹脂等を有する複合体のことを言う場合もある。
インサート部材を構成する材料の決定は、例えば、用途、樹脂部材を構成する樹脂材料の熱膨張率等の物性を考慮して、適宜好ましい材料を決定する。
インサート部材は、粗面を有する。粗面の形成方法は特に限定されないが、レーザーによる粗面の形成方法は簡便であるため好ましい。なお、粗面の形成位置や粗面の面積、粗面の粗さ等については、後述する熱可塑性樹脂部材が有するウェルド部や応力集中部との関係で本発明の効果を奏するように決定される。なお、粗面をレーザーで形成する場合は、加工機出力、ハッチング幅、レーザービームスポット径がパラメータとなるが、加工機出力は20〜40W、ハッチング幅は0.02〜0.6mm、レーザービームスポット径は130μm前後が通常使用される範囲である。なお、図1は、ハッチング幅の概念を示したものである(図1中の円はパルスによるレーザーの照射を表す。また、白抜き矢印はレーザーの走査方向を表す)。
インサート部材の形状は特に限定されず、四角柱状、円柱状等の単純な形状でもよく、部品の形状のような複雑な形状でもよい。インサート部材の成形方法は特に限定されないが、例えば、金属の場合には、従来公知の工作機械による切削加工等の加工、ダイキャスト、射出成形、プレス打ち抜き等の型鋳造等の方法により製造することができる。
<熱可塑性樹脂部材>
熱可塑性樹脂部材を構成する材料は、特に限定されず、結晶性樹脂組成物であっても非結晶性樹脂組成物であってもよい。これらの樹脂組成物に含まれる汎用熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ4−メチル−ペンテン−1、ポリ環状オレフィン等のポリオレフィン、ポリスチレン(PS)、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、(メタ)アクリル樹脂、セルロース系樹脂、エラストマー等が挙げられる。エンジニアリング樹脂としては、ナイロン6、同6,6、同12、同6,12のような各種脂肪族ポリアミド又は芳香族ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のような芳香族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルフォン(PSu)、ポリイミド(PI)、液晶ポリエステル、液晶アミド等が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂肪族ヒドロキシカルボン酸もしくはその環状化合物からの脂肪族ポリエステル、さらにはこれらがジイソシアネート等により分子量が増加した脂肪族ポリエステル等の生分解性樹脂等であってもよい。なお、上述の樹脂を2種以上用いることも可能である。また、樹脂組成物には、微量な不純物しか含まない等の実質的に結晶性熱可塑性樹脂からなる場合が含まれる。
特に、熱可塑性樹脂部材が、ポリアリーレンサルファイド(PAS)樹脂組成物、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂組成物等の結晶性樹脂組成物から構成される場合には、結晶化により熱可塑性樹脂部材が膨張、収縮するため、熱可塑性樹脂部材の割れの問題が生じやすい。しかし、本発明によれば、熱可塑性樹脂部材が結晶性樹脂組成物から構成される場合であっても、上記熱可塑性樹脂部材の割れの問題を抑えることができる。
結晶性樹脂組成物の中でも、PAS樹脂組成物は、高い耐熱性、機械的物性、耐薬品性、寸法安定性、難燃性等の性質を有する。また、PBT樹脂は高い機械的物性、電気的物性、耐薬品性等の性質を有する。このような優れた性質を有するこれらの樹脂は、いずれも自動車用部品、電気・電子部品等に適用されている。なお、使用可能なPAS樹脂としては、特開2009−132935号公報に記載されるPPS樹脂が挙げられる。使用可能なPBT樹脂としては、特開2006−111693号公報に記載されるPBT樹脂が挙げられる。
また、PAS樹脂は、靱性に乏しく脆弱であるという欠点も併せ持つ。したがって、PAS樹脂を用いて熱可塑性樹脂部材を形成した場合、温度変化が大きい環境下にインサート成形体が配置されると、熱可塑性樹脂部材は特に割れやすい。しかし、本発明によれば、PAS樹脂を用いても、熱可塑性樹脂部材の割れの問題を充分に抑えることができる。
また、熱可塑性樹脂部材を構成する樹脂組成物は、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、顔料等の従来公知の添加剤等を樹脂組成物に含有してもよい。
本発明における熱可塑性樹脂部材は、ウェルド部及び応力集中部の少なくとも一方を有する。
ウェルド部とは、熱可塑性樹脂部材が形成される際に、金型のキャビティ内で複数の樹脂流が合流して、樹脂流同士の界面に形成される溶接部を指す。ウェルド部が形成されるか否か、ウェルド部の数、ウェルド部の位置は、熱可塑性樹脂部材の形状や、熱可塑性樹脂部材を形成するための金型が有するゲートの位置等に依存する。
応力集中部とは、コーナー部、切り欠き部、傷部、貫通孔、肉抜き部及びフローマーク部等を挙げることができる。応力集中部の位置や大きさは、熱可塑性樹脂部材の形状等から特定できる場合もあるし、特定できない場合もある。特定できない場合には、実際にインサート成形体を製造して熱可塑性樹脂部材の割れやすい部分を確認したり、シミュレーション等を行ったりすることで特定できる。
熱可塑性樹脂部材の形状は特に限定されない。所望のキャビティ形状を有する金型を用い、この金型にインサート部材を配置して、溶融状態の樹脂組成物をキャビティ内に流し込み、この樹脂組成物を固化させることで、所望の形状の熱可塑性樹脂部材をインサート部材上に形成することができる。
<第一実施形態>
図2に示すインサート成形体を例に第一実施形態のインサート成形体について説明する。図2は第一実施形態のインサート成形体を模式的に示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)の平面図である。図3はインサート部材を模式的に示す斜視図である。図4はウェルド部が形成される様子を示す模式図である。
図2に示すように、インサート成形体1は、インサート部材11と、熱可塑性樹脂部材12(以下、単に樹脂部材12という)とを備え、樹脂部材12がインサート部材11の一部を覆うように形成される。第一実施形態では、直方体状の樹脂部材12の上面を、インサート部材11が貫くように、インサート部材11上に樹脂部材12が形成される。そして、底面側にゲートを有する金型で製造されたインサート成形体であるため、図2(a)に示すように、樹脂部材12の形成の際にウェルド部120が4箇所に生じる。
また、図2に示すように、インサート部材11はコーナー部を4箇所有するため、樹脂部材12は4箇所の応力集中部を有し、これらの応力集中部の位置はウェルド部120の位置と一致している。
インサート部材11における、図3に示す二点鎖線よりも底面側の部分が、樹脂部材12と接触する部分である。この樹脂部材12と接触する面に粗面110が形成される。本実施形態では、図3に示すように、長方形状(長辺L、短辺L)の粗面110をインサート部材11の側面上に複数形成する。
粗面110は、後述するウェルド部120が延びる方向に略平行に、インサート部材11の表面に形成される。「略平行」とは完全に平行であることに加え、概ね平行であることを含む。本発明の効果を奏する範囲であれば、ウェルド部120が延びる方向と粗面110が延びる方向とが成す角の大きさは特に限定されないが、上記成す角度は2°以下であることが好ましい。
第一実施形態では、粗面110は、図3に示すように、各側面の両端付近に二つの粗面110が平行に並ぶように形成される。粗面110が形成される位置はウェルド部120の真下の領域の近傍であってもよい。例えば、ウェルド部120から2mm程度は離れていても問題ない。一方、操作性の観点から最短は0.1〜0.2mm程度である。本実施形態では、ウェルド部120の位置がインサート部材の側面に存在する稜線上であるため、上記「近傍」は上記稜線から粗面110までの距離であり、図3中のLで表される。なお、ウェルド部120と粗面110との間の上記距離は、ウェルド部120と粗面110とが最も接近している位置における両者の間の距離を指す。
また、本実施形態においては、ウェルド部120が延びる方向における、上記粗面110の両端の位置は、ウェルド部120の両端の位置に略一致する(長辺L<破線からインサート部材11の底面までの長さL)。「略一致」とは、上記粗面110の両端の位置が、上記所定の方向におけるウェルド部120の両端の位置よりもやや内側であってもよいことを意味する。「やや内側」とは、本発明の効果を害さない範囲であれば、その長さは特に限定されないが、各端部同士の長さの差が、長辺Lの10%以内であればよい。より好ましくは5%以内である。なお、本発明においては、所定の方向における粗面110の両端の位置は、所定の方向におけるウェルド部120の両端の位置より外側であることが好ましい。
また、短辺Lの長さは、好ましくはインサート部材11のLに平行な辺の長さの1/3〜1/15、より好ましくは1/5〜1/10である。樹脂の収縮が大きいほど広い面積の粗面形成が必要となり、より長い短辺Lが必要となる。
この粗面110は、アンカー効果により、樹脂部材12とインサート部材11との密着性を向上させる。
粗面110の形成方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、レーザー処理によって粗面を形成する方法、エッチング処理によって粗面を形成する方法が挙げられる。特にレーザー処理によって粗面を形成する方法が好ましい。
上記の通り、樹脂部材12はウェルド部120を4箇所に有する。このウェルド部120は以下のように形成される。
上記の粗面110が形成されたインサート部材11を、金型内にセットし、この金型内に溶融状態の熱可塑性樹脂を射出して固化させる。本実施形態では、図4の矢印Qの方向から溶融樹脂を射出するため、溶融樹脂の流れはQ1とQ2に分かれる。そして、Q1とQ2とが衝突する領域にウェルド部120が形成される。
本実施形態において、ウェルド部120は、図4に示す一点鎖線で囲まれる領域に形成される(図4では説明の便宜のために一箇所のみ示した)。ウェルド部120は、長方形状の領域である。ウェルド部120の長辺の一つは、インサート部材11の側辺と重なる位置にある。ウェルド部120の短辺は、図4に示すように、樹脂部材12の上面及び底面を二等分する線の一部と重なる。
続いて、第一実施形態のインサート成形体が奏する効果について説明する。第一実施形態のインサート成形体1においては、インサート部材11の表面の一部に粗面110が形成されている。粗面110が形成された部分では、インサート部材11と樹脂部材12との密着力が強くなる。その結果、第一実施形態のインサート成形体は、温度変化の大きい環境下に曝されても、樹脂部材12の膨張及び収縮を、密着力が強い部分で抑えることができ、樹脂部材12の表面にクラックが発生することを抑えることができる。
上記効果について、さらに具体的に説明する。図5は、本発明の効果を説明するためのインサート成形体の模式図であり、(a)は本実施形態のインサート成形体1の正面図であり、(b)はウェルド部が延びる方向に対して垂直な方向に延びる粗面が形成された場合のインサート成形体の正面図であり、(c)はインサート部材の表面に粗面を形成しなかった場合のインサート成形体の正面図である。
先ず、インサート成形体1では、樹脂部材12の表面において、ウェルド部120に平行にクラックが発生する可能性が高い。本実施形態においては、図5(a)に示すような粗面110がインサート部材に形成されていることにより、白抜き矢印方向の樹脂の収縮が生じる場合でも、樹脂部材12とインサート部材11との密着力が強く、収縮運動が阻害されるので、収縮量を抑えることができる。収縮量が抑えられることにより、樹脂部材12にかかる負担が軽減されクラックが発生し難くなる。なお、粗面110が、ウェルド部120が延びる方向に対して平行に延びることで、形成しなければならない粗面110の面積を抑えつつ、効率良くクラックの発生を抑えることができる。なお、後述する通り、粗面110の面積が大きいと問題が生じる。
また、図5(a)に示すように、インサート部材11に形成された粗面110が、ウェルド部120を挟むことにより、白抜き矢印方向の樹脂の収縮が生じても、ウェルド部120の部分の樹脂の収縮量を小さくすることができる。インサート部材11の表面に形成された粗面110によって、インサート部材11と樹脂部材12とが強固に密着しており、ウェルド部120付近の樹脂が収縮することを抑えるからである。この結果、本発明のインサート成形体1は、温度変化の大きい環境下に曝されても、ウェルド部120付近の樹脂部材12の収縮、膨張の量が小さくなるため、ウェルド部120にかかる収縮や膨張による負担を軽減でき、クラックが発生することを抑えることができる。
所定の方向における粗面110の両端の位置が、所定の方向におけるウェルド部120の両端の位置に略一致又はより外側であることで、クラックの発生を大きく抑えることができる。
図5(b)に示すような粗面がインサート部材11に形成されている場合、例えば、収縮によって破壊が起りやすい箇所(本実施形態においてはウェルド部120)を一部しか留められていないという理由で、樹脂部材12の収縮を阻害することがほとんどできず、耐ヒートショック性向上の効果がほとんど奏されない。また、図5(b)のようなウェルド部が延びる方向に対して垂直に延びる粗面で、ウェルド部付近の樹脂の収縮量を充分に抑えようとすると、粗面の面積が大きくなり過ぎる(つまり、インサート部材の樹脂部材と重なる面の多くの部分に粗面を形成する必要がある。)。粗面の大きさが大きくなり過ぎると、電気伝導性等の物性の変化、意匠性の低下に繋がりやすい。また、粗面の形成後に、粗面を含めたインサート部材の表面にめっき処理を施す場合、粗面の凹凸上にめっきが形成され、樹脂部材とインサート部材との密着性が強くならない傾向にある。
図5(c)に示すように、インサート部材に粗面110が形成されていない場合、樹脂部材の収縮、膨張の量を小さくすることができず、樹脂部材12が膨張、収縮することにより樹脂部材12にかかる負担を抑えることができない。
本実施形態では、粗面はレーザー加工によりインサート部材11の表面に形成する。レーザー処理によって粗面を形成する方法であれば、部分的な処理も容易であるため、所望の範囲に容易に粗面を形成することができる。
以上、第一実施形態のインサート成形体を説明したが、図6(a)に示すような、ウェルド部と応力集中部とが一致するインサート成形体であってもよい。図6(a)に示すインサート成形体は、円柱状のインサート部材11の側面の一部を円筒状の樹脂部材12で覆う形状であり、樹脂部材12の側面には、円筒が延びる方向に延びる溝が形成されている。図6(a)に示すインサート成形体では、この溝部分が応力集中部にあたる。また、この溝の底に沿うようにウェルド部120が形成されている。そして、インサート部材11の表面における、上記ウェルド部120の真下の領域に粗面110が形成されている。ウェルド部120の真下の領域に粗面110が形成されている場合にも、ウェルド部120での樹脂部材12の収縮が抑えられる結果、上記図2〜4に示す第一実施形態の場合と同様にクラック発生を抑えられる。
また、図6(b)に示すような、ウェルド部と応力集中部とが一致するインサート成形体であってもよい。図6(b)に示すインサート成形体は、樹脂部材12が有する溝の形状のみ図6(a)に示すインサート成形体と異なる。図6(b)に示すインサート成形体の場合、溝の底の角の部分及び薄肉の部分が応力集中部にあたる。溝の底の角の部分の一方と同じ位置にウェルド部120が形成される場合には、インサート部材の表面における、そのウェルド部120の真下の領域又は真下の領域の近傍に粗面110を形成すればよい。なお、図6(b)に示すインサート成形体では、複数の応力集中部を有するため、インサート部材の表面における応力集中部の真下の領域又は真下の領域の近傍に粗面110を形成してもよい。応力集中部の真下の領域又はその近傍にも粗面110を形成すれば、応力集中部でのクラックの発生を抑えることができる。
また、図6(c)に示すような、ウェルド部と応力集中部とが一致するインサート成形体であってもよい。図6(c)に示すインサート成形体は、樹脂部材12が溝部を有さない点、円筒状の樹脂部材12の中心軸と円柱状のインサート部材11の中心軸とがずれている点において、図6(a)に示すインサート成形体と異なる。樹脂部材12の最も薄肉部分が応力集中部であり、この応力集中部の位置と一致するようにウェルド部120が形成されている。そして、インサート部材の表面における、ウェルド部120の真下の領域に粗面110が形成されている。
また、図7に示すような、ウェルド部と応力集中部とが一致するインサート成形体であってもよい。図7に示すインサート成形体のインサート部材11は直方体状である。また、図7に示すインサート成形体の樹脂部材12は、直方体状のインサート部材11を包み、インサート成形体全体が直方体状になるように形成される。そして、樹脂部材12には側面に6箇所の肉抜き部が形成されている。図7に示すインサート成形体の樹脂部材12の応力集中部をドット模様で示した。また、ウェルド部120を破線で示した。図7に示すように、ウェルド部120の位置は応力集中部の領域と重なるため、ウェルド部120の位置と応力集中部の位置とは一致しているといえる。
<第二実施形態>
図8は第二実施形態のインサート成形体を模式的に示す斜視図である。図8に示すように、四角柱状のインサート部材11の側面の一部を覆うように樹脂部材12が形成されている。インサート部材11の側面に存在する4箇所の角部分が応力集中部にあたる。そして、ゲートの位置が調整されることによって、ウェルド部120は応力集中部と応力集中部との間に、応力集中部と略平行に並ぶように形成される。第二実施形態においては、インサート部材11の表面における、ウェルド部120の真下の領域又は真下の領域の近傍、応力集中部の真下の領域又は真下の領域の近傍に粗面110を形成して、樹脂部材の耐ヒートショック性を向上させる。なお、第二実施形態のインサート部材11の形状は、第一実施形態のインサート部材11と同様であり、インサート部材11の表面における、ウェルド部120の真下の領域又は真下の領域の近傍にも粗面110が形成される点以外は、第一実施形態に用いたインサート部材と同様である。
また、図9に示すような、ウェルド部120と応力集中部とが一致しないインサート成形体であってもよい。図9に示すインサート成形体の形状は、図7に示すインサート成形体と同様であるが、ウェルド部120(破線)の位置が応力集中部(ドット部分)と重ならない点において、図7に示すインサート成形体と異なる。図9に示すインサート成形体の場合には、ウェルド部120の真下の領域又は真下の領域の近傍、応力集中部の真下の領域又は真下の領域の近傍に粗面を形成して、樹脂部材12の耐ヒートショック性を向上させる。
<第三実施形態>
図10は第三実施形態のインサート成形体を示す斜視図である。図10に示すインサート成形体の形状は、図8に示すインサート成形体と同様であるが、樹脂部材12がウェルド部120有さない点において図8に示すインサート成形体と異なる。ゲートの位置をインサート成形体の底面側に調整することで、ウェルド部120が形成されない。第三実施形態のインサート成形体では、インサート部材の表面における、応力集中部の真下の領域又は真下の領域の近傍に粗面110が形成されている。
<第四実施形態>
第四実施形態は、本発明のインサート成形体の製造方法である。第四実施形態のインサート成形体の製造方法は、インサート部材の表面に粗面を形成する粗面形成工程と、粗面が形成されたインサート部材の表面の少なくとも一部に熱可塑性樹脂部材を形成する熱可塑性樹脂部材形成工程(本明細書において、樹脂部材形成工程という場合がある)と、を有する。
インサート部材の表面における粗面は、樹脂部材がウェルド部を有する場合には、全てのウェルド部の真下の領域及び/又は真下の領域の近傍に形成され、樹脂部材がウェルド部を有さない場合には、全ての応力集中部の真下の領域及び/又は真下の領域の近傍に形成され、熱可塑性樹脂部材がウェルド部と応力集中部とを有する場合であって、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致又は略一致しない場合には、インサート部材の表面における、全てのウェルド部の真下の領域及び/又は真下の領域の近傍と、全ての応力集中部の真下の領域及び/又は真下の領域の近傍と、に形成される。なお、粗面、インサート部材の具体的な内容については、第一実施形態〜第三実施形態で説明した通りであるため、その説明を省略する。
ウェルド部、応力集中部等については、第一実施形態〜第三実施形態で説明した通りであるため、その説明を省略する。また、上記の通り、ウェルド部が形成される位置やウェルド部が形成されるか否かは、使用する金型のゲートの位置によって決まる。
本実施形態のインサート成形体の製造方法によれば、インサート成形体を温度変化の大きい環境に曝しても、樹脂の収縮量、膨張量を小さくできる。インサート部材11と樹脂部材12との間の密着力を高めた部分の存在により、樹脂の収縮及び膨張の運動が阻害されるからである。その結果、樹脂部材の耐ヒートショック性が改善され、樹脂部材の収縮、膨張によるクラックの発生を抑えることができる。
なお、本発明の製造方法においては、粗面形成工程の前に、クラック発生位置確認工程を備えることが好ましい。クラック発生位置確認工程とは、粗面が形成されていないインサート部材を用いて製造したインサート成形体の熱可塑性樹脂部材を熱により膨張・収縮させ、熱可塑性樹脂部材の表面のクラック発生位置を確認する工程である。本工程を備えることで、上記クラックを生じやすい位置(応力集中部の位置)が予め分からない場合であっても、その位置をクラック発生位置から確認することができる。
したがって、応力集中部の位置を上記のように確認して、インサート部材の表面における、応力集中部の真下の領域又は真下の領域の近傍に粗面を形成することで、応力集中部の位置が予め明確でない場合であっても、樹脂部材の耐ヒートショック性を高めることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
熱可塑性樹脂部材の形成にPPS樹脂を用い、インサート部材としてSUS(S52C)を用いて、以下に示す方法で、図2に示すインサート成形体を製造した。インサート部材の寸法は縦14mm×横14mm×高さ46mmである。図3に示すように、このインサート部材の側面の、樹脂部材と接触する面に、L=22mm、L=2mmの粗面を、レーザービームスポット径 約130μmでレーザー加工を施すことにより形成した。なお、距離Lは2mmとした。粗面は4つの側面全て(全8箇所)に形成した。
この樹脂成形体を金型に配置し、溶融状態のPPS樹脂を金型内に流し込むことにより、実施例のインサート成形体を製造した。具体的には、以下の方法で製造した。樹脂ペレット(エラストマー入りヒートショックグレード上市品「FN1150T7」)を用いて、シリンダー温度320℃、金型温度150℃、射出時間0.84秒、冷却時間40秒で、試験片成形用金型(縦22mm、横22mm、高さ28mmの角柱内部に縦14mm、横14mm、高さ46mmの鉄芯をインサートする金型)に、樹脂部の最小肉厚が1mmとなるようにインサート射出成形し、インサート成形品を製造した。なお、後述する耐ヒートショック性の評価のために、同じインサート成形体を合計3個製造した。
<比較例1>
インサート部材の表面に粗面を形成しない以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のインサート成形体を製造した。なお、後述する耐ヒートショック性の評価のために、同じインサート成形体を合計3個製造した。
<比較例2>
粗面が、ウェルド部が延びる方向に対して垂直な方向に延び、且つウェルド部の中央部分を通り、粗面の大きさが2mm幅×全周である以外は、実施例1と同様の方法で比較例2のインサート成形体を製造した。なお、後述する耐ヒートショック性の評価のために、同じインサート成形体を合計3個製造した。
<評価>
耐ヒートショック性の評価を以下の方法で行った。得られたインサート成形体3個を、冷熱衝撃試験機を用いて180℃にて2時間加熱後、−40℃に降温して2時間冷却後、さらに180℃に昇温する過程を1サイクルとする耐ヒートショック試験を行い、20サイクル毎に取り出して確認を行いながら、成形品にクラックが入るまでのサイクル数を測定し、耐ヒートショック性を評価した。評価結果を表1に示した。
Figure 2012073694
表1から、ウェルド部と同じ方向に延びる粗面を、インサート部材の表面におけるウェルド部の真下の領域又は真下の領域の近傍に形成することで、耐ヒートショック性が向上することが確認された。また、ウェルド部が延びる方向に対して垂直な方向に延びる粗面を形成しても、耐ヒートショック性は向上しないことが確認された。
<実施例2>
熱可塑性樹脂部材の形成にPBT樹脂を用い、インサート部材としてSUS(S52C)を用いて、以下に示す方法で、図10に示すインサート成形体を製造した。インサート部材の寸法は縦14mm×横14mm×高さ46mmである。図3に示すように、このインサート部材の側面の、樹脂部材と接触する面に、L=22mm、L=2mmの粗面を、レーザービームスポット径 約130μmでレーザー加工を施すことにより形成した。なお、距離Lは100μmとした。粗面は4つの側面全て(全8箇所)に形成した。
この樹脂成形体を金型に配置し、溶融状態のPBT樹脂を金型内に流し込むことにより、実施例のインサート成形体を製造した。具体的には、以下の方法で製造した。樹脂ペレット(上市品「DX733LD」)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃、射出時間0.8秒、冷却時間10秒で、試験片成形用金型(縦15.4mm、横15.4mm、高さ28mmの角柱内部に縦14mm、横14mm、高さ46mmの鉄芯をインサートする金型)に、樹脂部の最小肉厚が0.7mmとなるようにインサート射出成形し、インサート成形品を製造した。なお、後述する耐ヒートショック性の評価のために、同じインサート成形体を合計5個製造した。
<比較例3>
インサート部材の表面に粗面を形成しない以外は、実施例2と同様の方法で比較例3のインサート成形体を製造した。なお、後述する耐ヒートショック性の評価のために、同じインサート成形体を合計5個製造した。
<評価>
耐ヒートショック性の評価を以下の方法で行った。得られたインサート成形体5個を、冷熱衝撃試験機を用いて140℃にて1.5時間加熱後、−40℃に降温して1.5時間冷却後、さらに140℃に昇温する過程を1サイクルとする耐ヒートショック試験を行い、20サイクル毎に取り出して確認を行いながら、成形品にクラックが入るまでのサイクル数を測定し、耐ヒートショック性を評価した。評価結果を表2に示した。
Figure 2012073694
表2から、応力集中部と同じ方向に延びる粗面を、インサート部材の表面における応力集中部の真下の領域又は真下の領域の近傍に形成することで、耐ヒートショック性が向上することが確認された。
1 インサート成形体
11 インサート部材
110 粗面
12 樹脂部材
120 ウェルド部

Claims (11)

  1. インサート部材と、前記インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体であって、
    前記熱可塑性樹脂部材は、所定の方向に延びるウェルド部を一以上有し、
    前記インサート部材の表面の一部には、前記ウェルド部と同じ方向に延びる粗面が形成され、
    前記粗面は、前記インサート部材の表面における、全ての前記ウェルド部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に配置され、
    前記粗面の両端の位置は、前記ウェルド部の両端の位置に略一致又はより外側であるインサート成形体。
  2. インサート部材と、前記インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体であって、
    前記熱可塑性樹脂部材は、前記熱可塑性樹脂部材の膨張収縮により発生する応力が集中する応力集中部を一以上有し、前記応力集中部は所定の方向に延び、
    前記インサート部材の表面の一部には、前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面が形成され、
    前記粗面は、前記インサート部材の表面における、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に配置され、
    前記粗面の両端の位置は、前記応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側であるインサート成形体。
  3. さらに、前記熱可塑性樹脂部材は、前記熱可塑性樹脂部材の膨張収縮により発生する応力が集中する応力集中部を一以上有し、前記応力集中部は所定の方向に延び、
    前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面が、前記インサート部材の表面における、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に配置され、
    前記粗面の両端の位置は、前記応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側である請求項1に記載のインサート成形体。
  4. さらに、前記熱可塑性樹脂部材は、前記熱可塑性樹脂部材の膨張収縮により発生する応力が集中する応力集中部を一以上有し、前記応力集中部は所定の方向に延び、
    少なくとも一箇所の前記応力集中部の位置と前記ウェルド部の位置とが略一致する請求項1に記載のインサート成形体。
  5. 少なくとも一箇所の前記粗面は、前記インサート部材の表面における、前記ウェルド部及び/又は前記応力集中部の真下の領域を挟むように設けられる請求項1から4のいずれかに記載のインサート成形体。
  6. 前記粗面は、レーザーにより形成された粗面である請求項1から5のいずれかに記載のインサート成形体。
  7. 前記熱可塑性樹脂部材は、結晶性熱可塑性樹脂組成物から構成される請求項1から6のいずれかに記載のインサート成形体。
  8. 前記結晶性熱可塑性樹脂組成物は、ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物又はポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物である請求項1から7のいずれかに記載のインサート成形体。
  9. インサート部材と、前記インサート部材の表面の少なくとも一部を被覆する熱可塑性樹脂部材と、を備えるインサート成形体の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂部材は、所定の方向に延びるウェルド部及び所定の方向に延びる応力集中部の少なくとも一方を一以上有し、
    前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有する場合には、前記インサート部材の表面における、全ての前記ウェルド部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に前記ウェルド部と同じ方向に延びる粗面を形成し、
    前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有さない場合には、前記インサート部材の表面における、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に、前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面を形成し、
    前記熱可塑性樹脂部材が前記ウェルド部と前記応力集中部とを有する場合であって、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致又は略一致しない場合には、前記インサート部材の表面における、全ての前記ウェルド部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に前記ウェルド部と同じ方向に延びる粗面と、全ての前記応力集中部の真下の領域及び/又は前記真下の領域の近傍に前記応力集中部と同じ方向に延びる粗面とを形成する粗面形成工程と、
    前記粗面形成工程後のインサート部材を金型に配置し、前記金型内に溶融した熱可塑性樹脂を射出して、前記粗面の少なくとも一部を被覆するように、熱可塑性樹脂部材を前記インサート部材の表面に形成する熱可塑性樹脂部材形成工程と、を備え、
    前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有する場合には、前記粗面の両端の位置は、前記ウェルド部の両端の位置に略一致又はより外側であり、
    前記熱可塑性樹脂部材がウェルド部を有さない場合には、前記粗面の両端の位置は、前記応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側であり、
    前記熱可塑性樹脂部材が前記ウェルド部と前記応力集中部とを有する場合であって、ウェルド部の位置と応力集中部の位置とが一致又は略一致しない場合には、前記粗面の両端の位置は、略真上に形成される前記ウェルド部又は応力集中部の両端の位置に略一致又はより外側であるインサート成形体の製造方法。
  10. 前記粗面形成工程の前に、粗面が形成されていないインサート部材を用いて製造したインサート成形体の熱可塑性樹脂部材を熱により膨張、収縮させ、熱可塑性樹脂部材の表面のクラック発生位置を確認するクラック発生位置確認工程を、さらに備える請求項9のインサート成形体の製造方法。
  11. 前記粗面は、前記クラック発生位置確認工程で確認した、クラックの発生が予測される位置の近傍に形成する請求項10に記載のインサート成形体の製造方法。
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