JP2002225077A - 成形体構造及び成形方法 - Google Patents

成形体構造及び成形方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内蔵する部品に悪影響を及ぼす温度よりも低
い溶融温度で熱可塑性樹脂を射出成形し、破損や位置ず
れを生じることなく内蔵部品と一体化させて外部環境か
ら内蔵部品を保護すると共に、外力に対しても充分に耐
え得る機械的強度を備えた成形体構造を提供する。 【解決手段】 保護対象物体20〜24と、保護対象物
体の表面の少なくとも一部を直接被覆する第1の成形体
11と、第1の成形体11の表面の少なくとも一部を直
接保護する第2の成形体12とを備え、第1の成形体1
1が第2の成形体12よりも小さい弾性係数を有する構
造としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型の近接センサ
等に適用して好適な成形体構造及び成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】検出スイッチとしての近接スイッチや光
電スイッチ等においては、種々の環境下で使用されてお
り、例えば、水等の液体が使用される製造ラインにおい
ては、機械的強度の他高い防水性が要求される。このよ
うな検出スイッチとして、例えば、特開平7−2261
35号に開示された検出スイッチがある。このものは、
図15に示すように本体ケース51の前面開口部52に
前面カバー53が組み付けられた素子ブロック54が嵌
合されていると共に上面には表示カバー55が嵌合さ
れ、本体ケース51に各部品が組み付けられた状態では
各部品の継目部56が底面に位置する二点鎖線で示す領
域の接合用溝部57が形成され、弾性樹脂が接合用溝部
57を埋めるように金型成形されて弾性結合部58が形
成され、その弾性接合部58により継目部56を被覆し
た状態で各部品を一体化した構成としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造の検出スイッチにおいては、電気部品や電子部品
等の内蔵する部品を一次成形体であるケース内に組み付
けた後に、ケースの外側に結合部を二次成形する作業が
必要となり、組立コストが高くなると共に、ケースやフ
レーム等の部品が多くなりコストが高くなる。また、ケ
ースに前記内蔵部品を後付で組み付けるためにはケース
と内蔵部品との間に僅かでも寸法公差が必要であり、ケ
ース材質の樹脂と内蔵部品の表面とが密着していない。
このため、内蔵部品を外部環境から保護する性能が低
い。特に中空構造では、小型化を進めればシール部の面
積を減らさざるを得ないため、シール性が低下する。更
に、組立作業性を考慮すると、部品配置に制約が生じる
ため小型化が困難である。また、ケース部品の板厚は、
成形性や必要強度の制約から或る一定値よりも小さくす
ることができないため、どうしても全体の形状を小型化
することができない、等の問題がある。
【0004】また、上記中空構造に代えて、金型内に置
いた内蔵部品の周囲に熱可塑性樹脂を射出成形して一体
化する中実一体構造が当然に考えられる。この場合、出
来上がった成形体の機械的強度を保つために所定の強さ
を有する樹脂を用いる必要がある。しかしながら、この
ような樹脂は、溶融時にもある程度粘度が高く、金型内
へ射出充填するときに比較的高い圧力を必要とするため
に、内蔵部品が流動する溶融樹脂から力を受けて破損し
たり、取付位置がずれたりする等の問題がある。また、
溶融樹脂の粘土を低下させるためには溶融温度を上昇さ
せる必要があるが、内蔵部品の中に熱による悪影響を受
けやすいものがある場合、溶融樹脂の温度を上昇させる
ことは難しいという問題がある。更に、冷却過程におけ
る樹脂の体積収縮に伴って発生する内部応力が大きいた
めに、内部部品の破損、特性変化及び取付位置のズレ等
を招くという問題もある。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、内蔵する部品に悪影響を及ぼす温度よりも低い溶融
温度で熱可塑性樹脂を射出成形し、破損や位置ずれを生
じることなく内蔵部品と一体化させて外部環境から内蔵
部品を保護すると共に、外力に対しても充分に耐え得る
機械的強度を備えた成形体構造及び成形方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の成形体構造は、保護対象物体と、前記保護
対象物体の表面の少なくとも一部を直接被覆する第1の
成形体と、前記第1の成形体の表面の少なくとも一部を
直接保護する第2の成形体とを備え、前記第1の成形体
が前記第2の成形体よりも小さい弾性係数を有すること
を特徴とする。
【0007】請求項2の成形体構造は、請求項1の成形
体構造において、前記第1の成形体の一部が、前記第2
の成形体の一部と共に外形表面を形成していることを特
徴とする。請求項3の成形体構造は、請求項1又は2の
成形体構造において、前記第1の成形体は貫通孔を有
し、この貫通孔の表面の少なくとも一部を前記第2の成
形体で被覆していることを特徴とする。
【0008】請求項4の成形方法は、保護対象物体の少
なくとも一部を直接被覆する第1の成形体を金型を用い
て射出成形する工程と、前記第1の成形体の少なくとも
一部を直接被覆する第2の成形体を金型を用いて射出成
形する工程とを備えた成形方法であって、前記第1の成
形体が前記第2の成形体よりも小さい弾性係数を有する
ことを特徴とする。
【0009】保護対象物体の表面の少なくとも一部を第
1の成形体により被覆し、弾性係数の小さい第1の成形
体を第2の成形体により保護し、第1の成形体の一部が
第2の成形体の一部と共に外形表面を形成して応力開放
構造とすることで、保護対象に与える悪影響を回避しつ
つ一体成形を可能とする。また、第1の成形体の貫通孔
の表面(内周面)の少なくとも一部を第2の成形体で被
覆して強度を確保し、ネジ等で取り付ける際にネジ頭の
下面接触部及び貫通するネジ軸部等による保護対象物体
の変形や破損等を防止する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係る成形体構
造の第1の実施形態を示す近接センサの斜視図、図2は
図1に示す近接センサの一次成形体の斜視図、図3は、
図2に示す近接センサの一次成形体を覆う二次成形体の
斜視図である。尚、図3に示す二次成形体は、形状を判
り易くするために図1に示す近接センサにおいて図2に
示す一次成形体を取り除いた状態を示している。
【0011】図1乃至図3に示すように近接センサ(樹
脂成形体)10は、近接センサ本体としての一次成形体
(第1の樹脂成形体)11、この一次成形体11を覆う
外殻としての二次成形体(第2の樹脂成形体)12及び
電線13から成る。一次成形体11は、インサート部品
の封止を目的とし、成形樹脂としてゴム弾性を有する熱
可塑性エラストマ樹脂が使用される。また、二次成形体
12は、近接センサ10の筺体化を目的として、当該セ
ンサ筺体に要求される仕様を満たす成形樹脂が選択さ
れ、2回の成形により、前記インサート部品にダメージ
を与えることなく、封止及びセンサの筺体化を実現する
中実一体成形構造とするものである。尚、一次成形樹脂
と二次成形樹脂間に密着性が得られるものを選定するこ
とは勿論である。
【0012】熱可塑性エラストマ樹脂は、周知のように
ゴムとプラスチックの両方の特性を有し、プラスチック
と同じ成形加工性を有し、しかも、ゴム状弾性を具備し
た高分子材料で、常温では、加硫ゴムと同じ性質を示
し、高温では可塑化されて一般の射出成形機で成形する
ことができる。代表的な熱可塑性エラストマ樹脂とし
て、スチレンブタジェン系(TPS)、オレフィン系
(TPO)、ポリエステル系(TPEA)、ポリウレタ
ン系(TPU)や、塩化ビニル系(TPVC)、ポリア
ミド系(TPEA)、フッ素ゴム系等がある。これら
の、熱可塑性エラストマ樹脂は、弾性係数が小さい(例
えば、縦弾性係数45〜460MPa)反面、線膨張係
数は大きい(例えば、8×10-5〜20×10
-5[K-1])。尚、本明細書の弾性係数(弾性定数とも
いう)は、垂直応力と垂直歪みとの比例定数である縦弾
性係数(ヤング率)、剪断応力と剪断歪みとの比例定数
である剪断弾性係数、曲げ応力と曲げ歪みとの比例定数
である曲げ弾性係数などの総称であって、この弾性係数
の値が大きい材料ほど一定荷重に対する変形が小さいと
いうことを表すものである。
【0013】また、熱可塑性エラストマ樹脂は、縦弾性
係数が構造材や耐熱、耐靱性の高い材料、部品等に使用
されるエンジニアリングプラスチック(例えば、PB
T、ABS、PC等)の縦弾性係数(例えば、2000
〜6000MPa)に比べて小さいため、インサート部
品や二次成形体12の二次成形樹脂との線膨張係数の違
いを吸収し、温度変化による一次、二次成形樹脂間の密
着性の低下、クラックの発生等を抑制することができ
る。また、熱可塑性エラストマ樹脂は、通常、ガラス転
移点がセンサ使用温度以下であるため、インサート部品
に加わる熱応力の絶対値そのものを低減することができ
る。即ち、ガラス転移点は、流動性がなくなる温度とし
てみることができる。ガラス転移点がセンサ使用室温以
下ということは、センサ使用時(ガラス転移点より高い
温度)に応力が発生してもそれに応じて成形樹脂が変形
することができるので、残留応力が発生し難い。
【0014】さて、一次成形体11は、図4に示すよう
に電気部品や電子部品としての検出コイルを巻回したコ
ア21、発光素子(LED)22及び他の回路素子24
等が実装された回路基板20がインサートされている。
この回路基板20は、例えば、ガラス・エポキシ基板の
表面に導電性のプリントパターンを形成したもので、上
記電気部品や電子部品をハンダ付けやワイヤラッピング
等で固定してある。電線13は、被覆材14の端末14
aから引き出された心線15〜17の端末が回路基板2
0に接続されている(図6)。また、一次成形体11と
しては、内蔵された発光素子22の光を透過させて外部
から視認可能とするために半透明の樹脂(例えば、ポリ
エステル系エラストマの場合には非晶性のエラストマに
結晶性樹脂を配合したアロイ材料)が使用されている。
【0015】回路基板20及び電線13の端末は、一次
成形用の金型(図示せず)に収納され、電線13の被覆
14の端末近傍部分14bがカシメられてくびられ、前
述した熱可塑性エラストマ樹脂である一次成形樹脂25
が充填される。この一次成形樹脂25は、回路基板2
0、コア21、発光素子22、回路素子24間の隙間に
充填され、且つこれらの内蔵する部品の近傍に達したと
きにその耐熱温度よりも低くなるような溶融温度で充填
される。例えば、摂氏250度の溶融樹脂を金型内に注
入すると流路中で溶融樹脂のスキン層が冷却されると共
にコア層は高温に保たれつつ部品近傍まで流動し、部品
近傍に至った時点でスキン層は摂氏90度程度になって
おり、このスキン層が耐熱温度摂氏100度の部品に接
触しても問題は生じない。また、このときスキン層が断
熱作用を発揮するため、高温に保たれたコア層からの熱
が直接部品に届くことがなく悪影響を及ぼさない。熱可
塑性エラストマは、比較的低温の溶融状態にあっても流
動性が良いため、比較的低い圧力で射出することが可能
であり、溶融樹脂の流れによって内蔵部品の破損や位置
ずれを生じることなく一体的にモールドすることができ
る。
【0016】また、一次成形樹脂25は、被覆材14の
開口する端末14aから内部に入り込み、端末近傍部分
14bがカシメられているために当該部分14bから内
部への侵入を阻止され、前記カシメられた部分14bか
ら端末14aに向かって拡開する略ラッパ状に押し広げ
られる。勿論、端末14aにおける心線15〜17の間
にも一次成形樹脂25が入り込む。これにより、電線1
3の一次成形体11からの引き抜き強度(引張強度)が
大幅に向上すると共に、インサート部品のシール性が確
保される。このようにして、一次成形体11が成形され
る。
【0017】図2及び図4に示すように一次成形体11
は、略直方体形状をなし、回路基板20の後方に上面1
1aと後部下面11b'とを貫通してネジ取付孔(段差
孔)11cが設けられており、更に、二次成形体12と
の密着性の向上及び回路基板20の変形等を防止すると
共に回路基板20の位置決めを行うために上面11aか
ら回路基板20までテーパ孔11dが複数設けられ、両
側面の前、後に夫々溝11e、11fが、前面中央に溝
11gが設けられている。溝11gの下端は、前部下面
11bに連設されている。
【0018】図4に示すように一次成形体11の前部下
面11bは、回路基板20に固定されているコア21の
端面(検出面)21aと同一面とされ、当該前部下面1
1bに連設する後部下面11b'は、前部下面11bか
ら所定の高さtに設定されている。この前部下面11b
は、基準面とされる(以下「基準面11b」という)。
基準面11bの前端近傍の左右両側に円柱形状の突起1
1i、11iが突設されており、その高さは、基準面1
1bから前記所定の高さtに設定されている。
【0019】次に、一次成形体11を二次成形用の金型
(図示せず)に収納し、両側部の溝11e、11f、前
面の溝11gに対向して設けられた各ゲートから二次成
形用の溶融した成形樹脂26を加圧注入して二次成形体
12を成形する。この二次成形樹脂26は、一次成形体
11を保護する外殻としての強度を確保し、且つ寸法精
度を得るために硬い樹脂が使用される。
【0020】前述したように、一次成形体11に使用す
る熱可塑性エラストマ樹脂は、縦弾性係数が小さい反
面、線膨張係数は大きいため、センサパッケジにおいて
二次成形体12で一次成形体11の外周面の全てを覆っ
て拘束する密封構造を採用すると、周囲の温度変化によ
って発生した歪みが全て一次成形体11の内部応力とな
り、インサート部品に大きな応力を与えることとなる。
【0021】そこで、本発明では、二次成形体12を機
械的強度、寸法精度の必要な部分のみに制限する応力開
放構造としたものである。即ち、一次成形体11に対し
て決まった領域を開放し、その部分において周囲温度変
化に伴って一次成形体が膨張・収縮することを許容する
ことで、一次成形体11のインサート部品に発生する熱
応力を外部に発散できる構造としている。代表的な二次
成形樹脂として、PBT、ABS、PC等がある。これ
らの二次成形樹脂26は、一次成形樹脂25に比べて縦
弾性係数が大きい(例えば、2000〜6000MP
a)。
【0022】図3、図7及び図8に示すように二次成形
体12は、一次成形体11の上面11aを保護する上板
12a、基準面11bと各突起11iとの間に生じさせ
た空間に充填されコア21の端面21aを保護する下板
12b、ねじ取付孔11cの内周面及びネジ頭部と当接
する段差面を覆うネジ取付補強部12c、上面11aの
各孔11dに充填されて回路基板20の反り等の変形を
防止する突起部12d、両側部の溝11eに充填されて
上板12aと下板12bとを連設すると共に前側部の一
部を保護する補強部を兼ねた連設部12e、両側部の溝
11fに充填されて後側部の一部を保護する補強部12
f、前面の溝11eに充填されて前面の一部を保護する
補強部12g、及び電線13の被覆材14の端末近傍部
分14bを覆う保護部12j等からなる。
【0023】二次成形体12の下板12bは、一次成形
体11の基準面11bに密着成形され、左、右の突起1
1i、11iにより板厚が所定の高さtに正確に成形さ
れて下面が後部下面11b'と面一をなしている。各突
起11iは、上面11aの前部に充填される樹脂による
変形を防止して前部下面11bと金型との間の前記空間
を所定の間隔tに保持する。これにより、コア21の端
面(検出面)21aから下板12bの下面までの距離が
前記所定の高さtに精度よく設定され(図7)、近接セ
ンサ10の動作距離のバラツキが抑えられる。また、下
板12bは、基準面11bに密着成形されることでシー
ル性が確保され、コア21の端面21aが液密に封止さ
れる。
【0024】また、図7乃至図9に示すようにネジ取付
孔11cの内周面及び段差面を二次成形体12の補強部
12cにより覆うことで強度が確保され、ネジ40(図
9)で取り付ける際にネジ頭40aの下面接触部及び貫
通するネジ軸部40b等による近接センサ10の変形や
破損等が防止されると共に、電線13の心線15〜17
が保護され、シール性も確保される。尚、補強部12c
は、円筒部分に、軸方向に沿う長孔を周方向に間隔を存
して複数設けてもよく、或いは、小孔を多数メッシュ状
に設けてもよい。
【0025】また、二次成形体12のネジ取付孔11c
内周面を覆う補強部12cとしては、図10(a)、或
いは(b)のような形状としてもよい。更に、補強部1
2cの内周面に雌ネジを刻設してもよい。このようにし
て、近接センサ10は、一次成形体11と二次成形体1
2とにより、センサ封止に求められるシール性と強度の
機能を満たす構造体とされ、線膨張係数の大きい一次成
形体11によりインサート部品を封止し、このインサー
ト部品から発生する熱応力を二次成形体12の一部を開
放構造とすることにより緩和する。更に、一次成形体1
1に縦弾性係数(ヤング率)の小さいものを使用するこ
とにより、前記インサート部品(内蔵物)や二次成形体
12との線膨張係数の違いにより生じる密着性の剥離を
回避している。このような構造とすることにより、近接
センサ10の中実構造が図られる。尚、図1に示すよう
に二次成形体12の上板12aに二点鎖線で示すように
窓(開口部)12mを設け、更なる開放構造としてもよ
い。
【0026】図11は、第2の成形体の第2の実施形態
を示し、二次成形体として板金性の筺体28としたもの
である。即ち、金属板をプレス加工して上板28aの両
側部に補強用の支持部28bを複数形成して夫々一側に
直角に折曲し、更にこれら支持部28の先端28cを内
側に直角に折曲して筺体28を形成する。そして、前述
したように形成した一次成形体(図示せず)に筺体28
を嵌めるように組み付ける。また、必要に応じてゴム系
接着剤を用いて一次成形体と筺体28とを接着しても良
い。鋼板の縦弾性係数は、200GPa程度であり、こ
のように二次成形体を板金性の筺体とすることで、強度
を充分に確保することが可能である。また、コストの低
減も図られる。更に、一次成形体の形状も簡単にするこ
とができ、成形が容易となる。
【0027】図12及び図13は、本発明の第3の実施
形態を示し、成形体構造としての近接センサ30の一次
成形体31は、円盤状をなし、保護物体として例えば、
高透磁率フェライト製ボビンにウレタン被覆導線を巻回
して形成したターン巻きコイル33がインサートされて
おり、中央に上面31a、下面31bを貫通して設けら
れた段差状をなすネジ取付孔31cの内周面が二次成形
体32で被覆された構造としたものである。これによ
り、ネジ取付孔31cの内周面及び段差面の強度が確保
され、ネジ40で取り付ける際にネジ頭40aの下面接
触部及び貫通するネジ軸部40b等による近接センサ3
0の変形や破損等が防止されと共に、コイル33も保護
され、且つシールされる。
【0028】尚、ネジ取付孔31cとしては、図14
(a)のように内周面の中央部を全周に亘り張り出させ
て環状の凸条とし、或いは同図(b)のように単なる孔
とし、夫々二次成形体32により内周面を被覆するよう
にしてもよい。これら一次成形体31のネジ取付孔31
cの形状や、その内周面を被覆する二次成形体32の形
状は、使用目的に応じて成形すればよい。また、二次成
形体32の内周面に雌ネジを刻設してもよい。
【0029】尚、上記実施の形態においては、一次成形
体の材料として熱可塑性エラストマを用いたが、本発明
はこれに限定されるものではない。即ち、一次成形体を
成形するに当たって保護対象物体が破損せず、且つ熱応
力による悪影響を許容できる範囲であれば、前述したエ
ンジニアリングプラスチック等で一次成形体を成形する
ことも本発明の適用範囲である。また、上記実施の形態
においては、近接スイッチや光電スイッチ等の検出スイ
ッチを例示したが、本発明の適用範囲はこれに留まるも
のではない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係わる成
形体構造又は請求項4に係わる成形方法によれば、保護
対象物体を第1の成形体により被覆し、第2の成形体に
より保護することができ、且つ前記保護対象物体や第2
の成形体との線膨張係数の違いによって保護対象物体へ
及ぼされる悪影響を回避しつつ一体成形を可能とするこ
とができる。これにより、保護対象物体としての近接セ
ンサ等の組立作業の容易化又はシール性能の向上又は更
なる小型化を図ることが可能となる。請求項2の成形体
構造は、前記第1の成形体の一部が、前記第2の成形体
の一部と共に外形表面を形成していることで、応力開放
構造とすることができ、これにより、保護対象物体とし
ての近接センサ等の組立作業の容易化又はシール性の向
上又は更なる小型化を図ることが可能となる。
【0031】請求項3の成形体構造は、前記第1の成形
体は貫通孔を有し、この貫通孔の表面の少なくとも一部
を前記第2の成形体で被覆していることで、強度が確保
され、ネジ等で取り付ける際にネジ頭の下面接触部及び
貫通するネジ軸部等による変形や破損等が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形体構造の第1の実施形態を示
し、近接センサの斜視図である。
【図2】図1に示す近接センサの一次成形体の斜視図で
ある。
【図3】図2に示す近接センサの一次成形体を覆う二次
成形体の斜視図で、図1に示す近接センサにおいて図2
に示す一次成形体を取り除いた状態を示す。
【図4】図2に示す一次成形体の矢線IV−IVに沿う断面
図である。
【図5】図4に示す一次成形体の底面図である。
【図6】図4に示す一次成形体の矢線VI−VIに沿う断面
図である。
【図7】図1に示す近接センサの矢線VII−VIIに沿う断
面図である。
【図8】図7に示す近接センサの矢線VIII−VIIIに沿う
断面図である。
【図9】図7に示す近接センサの矢線IX―IXに沿う断面
図である。
【図10】図9に示すネジ取付孔の補強部の他の実施例
を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の成形体の他の実施例を示す斜
視図である。
【図12】本発明に係る成形体構造の第2の実施形態を
示す平面図である。
【図13】図12の矢線XIII-XIIIに沿う断面図であ
る。
【図14】図12の二次成形体の他の実施例を示す断面
図である。
【図15】従来の検出スイッチの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10、30 近接センサ(成形物体) 11、31 一次成形体(第1の成形体) 11a 上面 11b 前部下面 11b' 後部下面 11c ネジ取付孔 12、32 二次成形体(第2の成形体) 12a 上板 12b 下板 12c、12e、12f 補強部 13 電線 20 回路基板(保護対象物体) 21 コア(保護対象物体) 22 発光素子(保護対象物体) 24 回路素子(保護対象物体) 28 筺体(第2の成形体) 33 コイル(保護対称物体) 40 ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 關 宏治 東京都渋谷区渋谷2丁目12番19号 株式会 社山武内 Fターム(参考) 4F206 AD03 AG03 AH33 JA07 JB12 JB25 JL02 JM04 JN12 JQ81

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護対象物体と、 前記保護対象物体の表面の少なくとも一部を直接被覆す
    る第1の成形体と、 前記第1の成形体の表面の少なくとも一部を直接保護す
    る第2の成形体とを備え、 前記第1の成形体が前記第2の成形体よりも小さい弾性
    係数を有することを特徴とする成形体構造。
  2. 【請求項2】 前記第1の成形体の一部が、前記第2の
    成形体の一部と共に外形表面を形成していることを特徴
    とする請求項1記載の成形体構造。
  3. 【請求項3】 前記第1の成形体は貫通孔を有し、この
    貫通孔の表面の少なくとも一部を前記第2の成形体で被
    覆していることを特徴とする請求項1又は2記載の成形
    体構造。
  4. 【請求項4】 保護対象物体の少なくとも一部を直接被
    覆する第1の成形体を金型を用いて射出成形する工程
    と、 前記第1の成形体の少なくとも一部を直接被覆する第2
    の成形体を金型を用いて射出成形する工程とを備えた成
    形方法であって、 前記第1の成形体が前記第2の成形体よりも小さい弾性
    係数を有することを特徴とする成形方法。
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