JPWO2009041648A1 - 撥水撥油剤組成物および物品 - Google Patents
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Abstract
単量体(a)単位、単量体(b)単位を有し、単量体(c)単位を有さず、フッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満の重合体(A)と、単量体(a)単位を有し、単量体(c)単位を有さず、フッ素原子の割合が45質量%以上の重合体(B)とを含む撥水撥油剤組成物。単量体(a):炭素数が4〜6のRf基を有する単量体。単量体(b):炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体、塩化ビニル、または塩化ビニリデン。単量体(c):炭素数が8以上のRf基を有する単量体。
Description
しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によって、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基(以下、パーフルオロアルキル基をRF基と記す。)を有する化合物は、環境、生体中で分解し、分解生成物が蓄積する点、すなわち環境負荷が高い点が指摘されている(特許文献2の段落[0007]参照)。そのため、炭素数が6以下のRf基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のRf基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らした撥水撥油剤組成物用の重合体が要求されている。
(1)下記単量体(a)に基づく構成単位および下記単量体(b)に基づく構成単位から実質的になる共重合体を必須とする撥水撥油剤組成物(特許文献1)。
単量体(a):炭素数が6以下のRF基を有する単量体等。
単量体(b):炭素数が15以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレート等。
単量体(a1):単独重合体のガラス転移温度(以下、Tgと記す。)が50℃以上であり、炭素数が6以下のRF基を有する(メタ)アクリレート等。
単量体(a2):単独重合体のTgが50℃未満であり、炭素数が6以下のRF基を有する(メタ)アクリレート等。
下記単量体(a)に基づく構成単位を有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(B)(100質量%)中のフッ素原子の割合が45質量%以上である重合体(B)とを含むことを特徴とする。
単量体(a):フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のRf基(ただし、該Rf基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体。
単量体(b):下記単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体。
単量体(b1):Rf基を有さず、炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体。
単量体(b2):塩化ビニル。
単量体(b3):塩化ビニリデン。
単量体(c):フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたRf基を有する単量体。
前記単量体(a)は、炭素数が4〜6のRF基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記単量体(c)は、炭素数が8〜16のRF基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記重合体(A)および前記重合体(B)の合計の質量と、前記重合体(C)の質量との比({(A)+(B)}/(C))が、99.9/0.1〜90/10であることが好ましい。
前記重合体(A)は、下記単量体(d)に基づく構成単位をさらに有することが好ましい。
単量体(d):Rf基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。
(i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体成分(X1)を重合し、ついで下記単量体成分(X2)を重合して得られた多段重合体である。
単量体成分(X1):単量体成分(X1)(100質量%)中に、前記単量体(a)の65〜95質量%と、前記単量体(b1)の1〜35質量%とを含む単量体成分。
単量体成分(X2):単量体成分(X2)(100質量%)中に、前記単量体(a)の25〜80質量%と、前記単量体(d)の1〜50質量%とを含む単量体成分。
(ii)前記単量体成分(X1)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a1](質量%)と、前記単量体成分(X2)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a2](質量%)との差([a1]−[a2])が、10質量%以上である。
(iii)前記単量体成分(X1)と前記単量体成分(X2)との質量比((X1)/(X2))が、10/90〜95/5である。
本発明の物品は、環境負荷が低く、摩擦によって撥水撥油性が低下しにくい。
本発明の撥水撥油剤組成物は、重合体(A)および重合体(B)を必須成分として含み、必要に応じて、重合体(C)、媒体、界面活性剤、添加剤を含む。
重合体(A)は、単量体(a)に基づく構成単位と、単量体(b)に基づく構成単位とを必須構成単位として有し、単量体(c)に基づく構成単位を有さず、必要に応じて、単量体(d)に基づく構成単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する共重合体である。
単量体(a)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のRf基(ただし、該Rf基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体である。
単量体(a)としては、たとえば、化合物(1)が挙げられる。
(Z−Y)nX ・・・(1)。
CiF2i+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・(2)。
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1およびX2は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
Rf基としては、RF基が好ましい。Rf基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
Zとしては、下記の基が挙げられる。
F(CF2)4−、
F(CF2)5−、
F(CF2)6−、
(CF3)2CF(CF2)2−、
CkF2k+1O[CF(CF3)CF2O]h−CF(CF3)−等。
ただし、kは、1〜6の整数であり、hは0〜10の整数である。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、−O−、−NH−、−CO−、−SO2−、−CD1=CD2−(ただし、D1、D2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
−CH2−、
−CH2CH2−
−(CH2)3−、
−CH2CH2CH(CH3)−、
−CH=CH−CH2−等。
Xは、nが1の場合は、基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
−COOCR=CH2 ・・・(3−2)、
−OCOCR=CH2 ・・・(3−3)、
−OCH2−φ−CR=CH2 ・・・(3−4)、
−OCH=CH2 ・・・(3−5)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
−CH[−(CH2)mCOOCR=CH2]− ・・・(4−2)、
−CH[−(CH2)mOCOCR=CH2]− ・・・(4−3)、
−OCOCH=CHCOO− ・・・(4−4)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。
化合物(1)としては、Zが炭素数4〜6のRF基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(b)は、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である。
重合体(A)が単量体(b)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
単量体(b1)は、Rf基を有さず、炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体である。アルキル基の炭素数が12以上であれば、摩擦耐久性が向上する。
単量体(b1)としては、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、またはビニルエステル類が挙げられる。
単量体(b2)は、塩化ビニルである。
単量体(b3)は、塩化ビニリデンである。
単量体(c)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたRf基を有する単量体である。
重合体(A)が単量体(c)に基づく構成単位を有さないことにより、環境負荷を低く抑えられる。
単量体(d)は、Rf基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体である。
重合体(A)が単量体(d)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
該官能基としては、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基等が好ましく、エポキシ基、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、またはカルボキシル基が特に好ましい。
単量体(d)としては、下記の化合物が挙げられる。
単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)および単量体(d)を除く単量体である。
単量体(e)としては、下記の化合物が挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルメタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブテン、イソプレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ビニルエチレン、ペンテン、エチル−2−プロピレン、ブチルエチレン、シクロヘキシルプロピルエチレン、デシルエチレン、ドデシルエチレン、ヘキセン、イソヘキシルエチレン、ネオペンチルエチレン、(1,2−ジエトキシカルボニル)エチレン、(1,2−ジプロポキシカルボニル)エチレン、メトキシエチレン、エトキシエチレン、ブトキシエチレン、2−メトキシプロピレン、ペンチルオキシエチレン、シクロペンタノイルオキシエチレン、シクロペンチルアセトキシエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ヘキシルスチレン、オクチルスチレン、ノニルスチレン、クロロプレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン。
界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)〜(b)を含み、単量体(c)を含まず、必要に応じて単量体(d)〜(e)を含む単量体成分(X)を重合して重合体(A)の溶液、分散液またはエマルションを得る方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
重合体(A)の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が特に好ましく、水系媒体中で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がより好ましい。重合温度は20〜150℃が好ましい。
重合開始剤の添加量は、単量体成分(X)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
分子量調節剤の添加量は、単量体成分(X)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、15〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
単量体(e)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、0〜40質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましい。
コアシェル型の重合体としては、下記条件(i)〜(iii)を満足する重合体が好ましい。
(i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体成分(X1)を重合し、ついで下記単量体成分(X2)を重合して得られた多段重合体である。
単量体成分(X1):単量体成分(X1)(100質量%)中に、前記単量体(a)の65〜95質量%と、前記単量体(b1)の1〜35質量%とを含む単量体成分。
単量体成分(X2):単量体成分(X2)(100質量%)中に、前記単量体(a)の25〜80質量%と、前記単量体(d)の1〜50質量%とを含む単量体成分。
(ii)前記単量体成分(X1)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a1](質量%)と、前記単量体成分(X2)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a2](質量%)との差([a1]−[a2])が、10質量%以上である。
(iii)前記単量体成分(X1)と前記単量体成分(X2)との質量比((X1)/(X2))が、10/90〜95/5である。
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X1)(100質量)中、65〜95質量%であり、70〜95質量%が好ましい。
単量体(b1)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X1)(100質量)中、1〜35質量%であり、3〜27質量%が好ましい。
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X2)(100質量)中、25〜80質量%であり、30〜75質量%が好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X2)(100質量)中、1〜50質量%であり、1〜35質量%が好ましい。
[a1]−[a2]は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、10質量%以上であり、30質量%以上が好ましい。また、[a1]−[a2]は、80質量%以下が好ましい。
なお、単量体成分(X1)は、単量体(d)等、単量体(a)および単量体(b1)以外のその他の単量体を含んでいてもよい。単量体成分(X1)として、前記その他の単量体を含有する場合、該その他の単量体の割合は、単量体成分(X1)(100質量)中、2〜25質量%が好ましい。
また、単量体成分(X2)は、単量体(a)および単量体(d)以外のその他の単量体を含んでいてもよい。単量体成分(X2)として、前記その他の単量体を含有する場合、該その他の単量体の割合は、単量体成分(X2)(100質量)中、15〜75質量%が好ましい。
(X1)/(X2)は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、10/90〜95/5であり、40/60〜90/10が好ましい。
また、重合体(A)がコアシェル型の重合体である場合、コアを形成する重合体とシェルを形成する重合体を合わせた、全体の重合体におけるフッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満であるものを用いるが、該フッ素原子の割合の内訳としては、コアを形成する重合体におけるフッ素原子の割合の方が、シェルを形成する重合体におけるフッ素原子の割合より大きいことが好ましい。
具体的には、コアを形成する重合体におけるフッ素原子の割合は、撥水性能の耐久性の点から、40〜60質量%が好ましく、40〜55質量%がより好ましい。シェルを形成する重合体におけるフッ素原子の割合は、基材との密着性の点から、15〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
重合体(B)は、単量体(a)に基づく構成単位を必須構成単位として有し、単量体(c)に基づく構成単位を有さず、必要に応じて、単量体(b)に基づく構成単位、単量体(d)に基づく構成単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する(共)重合体である。
単量体(a)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のRf基(ただし、該Rf基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体である。
単量体(a)としては、重合体(A)を構成する単量体(a)と同様のもの(たとえば、化合物(1)等。)が挙げられる。
化合物(1)としては、Zが炭素数4〜6のRF基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(b)は、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である。
重合体(B)が単量体(b)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
単量体(b)としては、重合体(A)を構成する単量体(b)と同様のものが挙げられる。
単量体(c)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたRf基を有する単量体である。
重合体(B)が単量体(c)に基づく構成単位を有さないことにより、環境負荷を低く抑えられる。
単量体(d)は、Rf基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体である。
単量体(d)としては、重合体(A)を構成する単量体(d)と同様のものが挙げられる。
単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)および単量体(d)を除く単量体である。
単量体(e)としては、重合体(A)を構成する単量体(e)と同様のものが挙げられる。
界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)を含み、単量体(c)を含まず、必要に応じて単量体(b)、(d)〜(e)を含む単量体成分(Y)を重合して重合体(B)の溶液、分散液またはエマルションを得る方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
重合体(B)の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
重合開始剤の添加量は、単量体成分(Y)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
分子量調節剤の添加量は、単量体成分(Y)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、0〜15質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
単量体(e)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、0〜15質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
重合体(C)は、単量体(c)に基づく構成単位を必須構成単位として有し、必要に応じて、単量体(a)に基づく構成単位、単量体(b)に基づく構成単位、単量体(d)に基づく構成単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する(共)重合体である。
単量体(a)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のRf基(ただし、該Rf基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体である。
単量体(a)としては、重合体(A)を構成する単量体(a)と同様のものが挙げられる。
単量体(b)は、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である。
単量体(b)としては、重合体(A)を構成する単量体(b)と同様のものが挙げられる。
単量体(c)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたRf基を有する単量体である。
重合体(C)が単量体(c)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
(Z’−Y)nX ・・・(1’)。
Ci’F2i’+1O(CFX1CF2O)jCFX2− ・・・(2’)。
ただし、i’は、8以上の整数であり、jは、0〜10の整数であり、X1およびX2は、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
Rf基としては、RF基が好ましい。Rf基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、−O−、−NH−、−CO−、−SO2−、−CD1=CD2−(ただし、D1、D2は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
Xは、nが1の場合は、前記基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、前記基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
化合物(1’)としては、Zが炭素数8〜16のRF基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(d)は、Rf基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体である。
単量体(d)としては、重合体(A)を構成する単量体(d)と同様のものが挙げられる。
単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)および単量体(d)を除く単量体である。
単量体(e)としては、重合体(A)を構成する単量体(e)と同様のものが挙げられる。
界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(c)を含み、必要に応じて単量体(a)〜(b)、(d)〜(e)を含む単量体成分(Z)を重合して重合体(C)の溶液、分散液またはエマルションを得る方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
重合体(C)の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
重合開始剤の添加量は、単量体成分(Z)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
分子量調節剤の添加量は、単量体成分(Z)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
単量体(c)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、20〜100質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
単量体(e)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
媒体としては、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等が挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの容易さの点から、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテルおよびグリコールエステルからなる群から選ばれた1種以上の媒体が好ましい。
ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、分離型ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。分離型ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル性酸素原子を介してRF基またはパーフルオロアルキレン基、および、アルキル基またはアルキレン基が結合している化合物である。非分離型ハイドロフルオロエーテルとは、部分的にフッ素化されたアルキル基またはアルキレン基を含むハイドロフルオロエーテルである。
脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げられる。
脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げられる。
エーテルとしては、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げられる。
有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、りんご酸、乳酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が挙げられ、それぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、分散安定性の点から、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤または両性界面活性剤との併用、または、アニオン性界面活性剤の単独が好ましく、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との併用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤)は、97/3〜40/60(質量比)が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との特定の組み合わせにおいては、共重合体(100質量%)に対する合計量を、5質量%以下にできるため、物品の撥水性への悪影響を低減できる。
界面活性剤s1は、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカポリエニルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルである。
界面活性剤s1としては、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルが好ましい。界面活性剤s1は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
R10O[CH2CH(CH3)O]s−(CH2CH2O)rH・・・(s11)。
ただし、R10は、炭素数が8以上のアルキル基または炭素数が8以上のアルケニル基であり、rは、5〜50の整数であり、sは、0〜20の整数である。R10は、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい。
sが20以下であれば、水に可溶となり、水系媒体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組成物の物品への浸透性が良好となる。
R10としては、直鎖状または分岐状のものが好ましい。
rは、10〜30の整数が好ましい。
sは、0〜10の整数が好ましい。
C18H37O[CH2CH(CH3)O]2−(CH2CH2O)30H、
C18H35O−(CH2CH2O)30H、
C16H33O[CH2CH(CH3)O]5−(CH2CH2O)20H、
C12H25O[CH2CH(CH3)O]2−(CH2CH2O)15H、
(C8H17)(C6H13)CHO−(CH2CH2O)15H、
C10H21O[CH2CH(CH3)O]2−(CH2CH2O)15H、
C6F13CH2CH2O−(CH2CH2O)15H、
C6F13CH2CH2O[CH2CH(CH3)O]2−(CH2CH2O)15H、
C4F9CH2CH2O[CH2CH(CH3)O]2−(CH2CH2O)15H。
界面活性剤s2は、分子中に1個以上の炭素−炭素三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s2としては、分子中に1個の炭素−炭素三重結合、および1個または2個の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤s2は、分子中にPOA鎖を有してもよい。POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、POE鎖とPOP鎖とがランダム状に連結された鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とがブロック状に連結された鎖が挙げられる。
HO−CR11R12−C≡C−CR13R14−OH・・・(s21)、
HO−(A1O)u−CR11R12−C≡C−CR13R14−(OA2)v−OH ・・・(s22)、
HO−CR15R16−C≡C−H・・・(s23)、
HO−(A3O)w−CR15R16−C≡C−H・・・(s24)。
uおよびvは、それぞれ0以上の整数であり、(u+v)は、1以上の整数である。
wは、1以上の整数である。
u、v、wが、それぞれ2以上である場合、A1〜A3は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とを含む鎖が好ましい。POA鎖の繰り返し単位の数は、1〜50が好ましい。
アルキル基としては、炭素数が1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル基がより好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
化合物(s25)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(s25)としては、xおよびyが0である化合物、xとyとの和が平均1〜4である化合物、またはxとyとの和が平均10〜30である化合物が好ましい。
界面活性剤s3は、POE鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なったPOA鎖とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。
該POA鎖としては、ポリオキシテトラメチレン(以下、POTと記す。)および/またはPOP鎖が好ましい。
HO(CH2CH2O)g1(C3H6O)t(CH2CH2O)g2H ・・・(s31)、
HO(CH2CH2O)g1(CH2CH2CH2CH2O)t(CH2CH2O)g2H ・・・(s32)。
tは、2〜100の整数である。
g2は、0〜200の整数である。
g1が0の場合、g2は、2以上の整数である。g2が0の場合、g1は、2以上の整数である。
−C3H6O−は、−CH(CH3)CH2−であってもよく、−CH2CH(CH3)−であってもよく、−CH(CH3)CH2−と−CH2CH(CH3)−とが混在したものであってもよい。
POA鎖は、ブロック状である。
HO−(CH2CH2O)15−(C3H6O)35−(CH2CH2O)15H、
HO−(CH2CH2O)8−(C3H6O)35−(CH2CH2O)8H、
HO−(CH2CH2O)45−(C3H6O)17−(CH2CH2O)45H、
HO−(CH2CH2O)34−(CH2CH2CH2CH2O)28−(CH2CH2O)34H。
界面活性剤s4は、分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤s4としては、化合物(s41)が好ましい。
(R17)(R18)(R19)N(→O) ・・・(s41)。
本発明においては、アミンオキシド(N→O)を有する界面活性剤をノニオン性界面活性剤として扱う。
化合物(s41)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(R20)(CH3)2N(→O) ・・・(s42)。
[H(CH2)12](CH3)2N(→O)、
[H(CH2)14](CH3)2N(→O)、
[H(CH2)16](CH3)2N(→O)、
[H(CH2)18](CH3)2N(→O)、
[F(CF2)6(CH2)2](CH3)2N(→O)、
[F(CF2)4(CH2)2](CH3)2N(→O)。
界面活性剤s5は、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物またはポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオン性界面活性剤である。
置換フェニル基としては、1価炭化水素基で置換されたフェニル基が好ましく、アルキル基、アルケニル基またはスチリル基で置換されたフェニル基がより好ましい。
界面活性剤s6は、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノニオン性界面活性剤である。
ポリオールとは、グリセリン、ソルビタン、ソルビット、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエーテル、ポリオキシエチレンソルビットエーテルを表わす。
界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む場合、該カチオン性界面活性剤としては、界面活性剤s7が好ましい。
界面活性剤s7は、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面活性剤である。
[(R21)4N+]・X− ・・・(s71)。
R21としては、炭素数が6〜22の長鎖アルキル基、炭素数が6〜22の長鎖アルケニル基、または炭素数が1〜9のフルオロアルキル基が好ましい。
R21が長鎖アルキル基以外のアルキル基の場合、R21としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
R21が、末端が水酸基であるPOA鎖の場合、POA鎖としては、POE鎖が好ましい。
X−としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、または酢酸イオンが好ましい。
界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、該両性界面活性剤としては、界面活性剤s8が好ましい。
界面活性剤s8は、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類または酢酸ベタインである。
界面活性剤s8としては、ドデシルベタイン、ステアリルベタイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
界面活性剤として、界面活性剤s9を用いてもよい。
界面活性剤s9は、親水性単量体と炭化水素系疎水性単量体および/またはフッ素系疎水性単量体との、ブロック共重合体、ランダム共重合体、または親水性共重合体の疎水性変性物からなる高分子界面活性剤である。
界面活性剤s91:親油性単量体とフッ素系単量体とのブロック共重合体またはランダム共重合体(そのポリフルオロアルキル変性体)からなる高分子界面活性剤。
界面活性剤s91の市販品としては、セイミケミカル社のサーフロン(商品番号:S−383、SC−100シリーズ)が挙げられる。
界面活性剤の合計量は、共重合体(100質量部)に対して1〜6質量部がより好ましい。
本発明の撥水撥油剤組成物は、必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤、帯電防止剤、防皺剤、風合い調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等。)、熱硬化剤(メラミン樹脂、ウレタン樹脂等。)、エポキシ硬化剤(イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1,’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド、スピログリコール等。)、熱硬化触媒、架橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤等が挙げられる。
また、本発明の撥水撥油剤組成物は、必要に応じて、本発明の共重合体以外の、撥水性および/または撥油性を発現できる共重合体(たとえば、市販の撥水剤、市販の撥油剤、市販の撥水撥油剤等)、フッ素原子を有さない撥水性化合物等を含んでいてもよい。フッ素原子を有さない撥水性化合物としては、パラフィン系化合物、脂肪族アマイド系化合物、アルキルエチレン尿素化合物、シリコン系化合物等が挙げられる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、たとえば、各重合体のエマルションを所定の割合にて混合することによって調製できる。
重合体(C)を含む場合、重合体(A)(固形分)および重合体(B)(固形分)の合計の質量と、重合体(C)(固形分)の質量との比({(A)+(B)}/(C))は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、99.9/0.1〜90/10が好ましい。
重合体(C)(固形分)の割合は、環境負荷の点から、重合体(A)〜(C)(固形分)の合計(100質量%)中、10質量%以下が好ましい。
本発明の撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、物品の処理時は、撥水撥油剤組成物(100質量%)中、0.2〜5質量%が好ましい。
エマルションまたは撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、加熱前のエマルションまたは撥水撥油剤組成物の質量と、120℃の対流式乾燥機にて4時間乾燥した後の質量とから計算される。
また、本発明の撥水剤組成物にあっては、環境への影響が指摘されている、パーフルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびその前駆体、類縁体の含有量(固形分濃度20%とした場合の含有量)を特願2007−333564号に記載の方法によるLC−MS/MSの分析値として検出限界以下にすることができる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、単独で用いてもよく、他の撥水撥油剤組成物と混合して用いてもよい。たとえば、親水成分量が多いため撥水性能を有さないフッ素系のSR(Soil Release)剤と併用することにより、洗濯耐久性のある撥水撥油SR加工が可能となる。
本発明の物品は、本発明の撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品である。
本発明の撥水撥油剤組成物で処理される物品としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、紙、皮革、金属、石、コンクリート、石膏、ガラス等が挙げられる。
処理方法としては、たとえば、公知の塗工方法によって物品に撥水撥油剤組成物を塗布または含浸した後、乾燥する方法が挙げられる。
さらに、帯電防止加工、柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、防水加工等を行ってもよい。
防水加工としては、防水膜を付与する加工が挙げられる。防水膜としては、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる無孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、またはこれらを組み合わせた透湿防水膜が挙げられる。
例23、26、27、29〜33、35〜44、48〜59、61、63は実施例であり、例21、22、24、25、28、34、45〜47、60、62は比較例である。
試験布について、水量を250mLから2Lに変更する以外はJIS L1092−98 6.2に記載のスプレー法にしたがって降雨試験を行った。撥水性は、1〜5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。3等級以上であるものを撥水性が発現しているものとみなす。
試験布について、ピリングテスター(東洋精機製作所製)を用いて、摩擦試験を行った。摩擦回数は、1500回とした。
摩擦試験後、前記降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
試験布の表面に0.5mLの蒸留水を滴下した後、前記摩擦試験と同様にして、湿摩擦試験を行った。摩擦回数は、500回とし、摩擦中は、試験布の表面に蒸留水を適宜追加し、常に湿潤な状態を保った。
湿摩擦試験後、前記降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
試験布について、JIS L1092−98 6.2に記載のスプレー法にしたがって撥水性を評価した。撥水性は、表1に示す等級で表した。
試験布について、AATCC−TM118−1966の試験方法にしたがって撥油性を評価した。撥油性は、表2に示す等級で表した。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
試験布について、JIS L1092−98に記載のブンデスマンテストにしたがって降雨試験を行った。撥水性は、1〜5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。3等級以上であるものを撥水性が発現しているものとみなす。
試験布について、JIS L1092−98 5 2 (a)(3)(C法)にしたがって、洗濯を20回繰り返した。洗濯後、120℃で60秒間ピンテンターにて加熱乾燥した。乾燥後の試験布について、前記ブンデスマン降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
試験布について、JIS L1092−98 5 2 (a)(3)(C法)にしたがって、洗濯を20回繰り返した。洗濯後、乾燥機(松下電器産業社製、NH−D402)に、試験布および負荷布(ポリエステル/綿混紡)を合計で1kg入れ、「強・標準コース」で70分間乾燥した。乾燥後の試験布について、前記ブンデスマン降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
単量体(a):
C6FMA:C6F13C2H4OCOC(CH3)=CH2、
C4FMA:C4F9C2H4OCOC(CH3)=CH2。
VCM:塩化ビニル、
VdCl:塩化ビニリデン、
STA:ステアリルアクリレート、
VMA:ベヘニルメタクリレート、
VA:ベヘニルアクリレート。
CmFA:F(CF2)mCH2CH2OCOCH=CH2(mが6〜16の混合物であり、mが8以上のものが99質量%以上であり、mの平均値は9である。
GMA:グリシジルメタクリレート、
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、
NMAM:N−メチロールアクリルアミド、
NBMAM:N−ブトキシメチルアクリルアミド、
D−BI:2−イソシアネートエチルメタクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体(下式(5))、
AT600:フェニルグリシジルエチルアクリレートトリレンジイソシアナート(共栄社化学社製)。
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、
DOM:ジオクチルマレエート。
PEO−30:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシド約26モル付加物。)の10質量%水溶液。
AGE−10:アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(エチレンオキシド付加モル数は10モル。)の10質量%水溶液、
AGE−30:アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(エチレンオキシド付加モル数は30モル。)の10質量%水溶液。
EPO−40:エチレンオキシドプロピレンオキシド重合物(エチレンオキシドの割合は40質量%。)の10質量%水溶液。
ATMAC:モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリドの10質量%水溶液、
FDMAC:ヤシアルキルジメチルアミン酢酸塩の10質量%水溶液。
VA−061A:2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](和光純薬社製、VA−061)の酢酸塩の10質量%水溶液、
V−59:2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
V−601:2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)。
StSH:ステアリルメルカプタン、
DoSH:n−ドデシルメルカプタン。
DPG:ジプロピレングリコール、
水:イオン交換水。
K15:シリコーン系柔軟剤(明成化学工業社製、ハイソフターK15)、
MF−H:ブロック化イソシアネート(明成化学工業社製、メーカネートMF−H)、 TP−10:ブロック化イソシアネート(明成化学工業社製、メーカネートTP−10)、
XAN:ブロック化イソシアネート(ハンツマン社製、Phobol−XAN)、
WT30:ブロック化イソシアネート(旭化成ケミカルズ社製、デュラネートWT30−100)。
重合体(A1)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの98.6g、VMAの5.5g、AGE−10の32.8g、水の141.5g、DPGの11g、StSHの0.5gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。
重合体(A2)の製造:
ステンレス製オートクレーブに、例1で製造した1段階目の重合体の(固形分濃度34.2質量%)の409.4g、C6FMAの11.9g、CHMAの7.7g、GMAの8.4g、StSHの0.33g、DPGの3.15g、水の52.2gを入れ、混合液を得た。
冷却後、V−59の0.02gを加え、気相を窒素置換した後、65℃で4時間熟成させた。冷却後、多段重合体(重合体(A2))のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表3に示す。
重合体(A3)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの68.4g、VAの47.4g、D−BIの4.8g、PEO−30の30.2g、EPO−40の6.0g、ATMACの6.0g、水の144.4g、DPGの36.2g、DoSHの1.2gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサーを用いて混合して混合液を得た。
重合体(A4)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの59.5g、STAの16.8g、GMAの2.5g、HEAの0.5g、NMAMの8.2g、NBMAMの5.3g、PEO−30の23.3g、AGE−10の11.7g、FDMCの5.8g、水の179.2g、DPGの11.7g、DoSHの1.1gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサーを用いて混合して混合液を得た。
重合体(A5)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの89.3g、STAの15.7g、D−BIの4.8g、PEO−30の30.2g、EPO−40の6.0g、ATMACの6.0g、水の144.4g、DPGの36.2g、DoSHの1.2gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサーを用いて混合して混合液を得た。
重合体(A6)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(A6)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
重合体(A7)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(A7)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
重合体(B1)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(B1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
重合体(B2)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(B2)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
重合体(B3)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例4と同様にして重合体(B3)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
重合体(B4)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例4と同様にして重合体(B4)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
重合体(B5)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(B5)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
重合体(B6)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例3と同様にして重合体(B6)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
重合体(B7)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例3と同様にして重合体(B7)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
重合体(C1)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(C1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
重合体(C2)の準備:
重合体(C2)のエマルションとして、市販の撥水撥油剤(ダイキン化学工業社製、TG−410H、固形分濃度:18.1質量%)を用意した。重合体(C2)は、CmFAに基づく構成単位を有する重合体であり、重合体中のフッ素原子の割合は、22質量%である。
重合体(C3)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(C1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
他の重合体(D1)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例3と同様にして、単量体(b)に基づく構成単位を有さない他の重合体(D1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
他の重合体(D2)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして、非フッ素系である他の重合体(D2)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
架橋剤の製造:
特表200−511507号公報の段落[0085]の例4に記載の方法にしたがって、架橋剤(ブロック化オリゴマーイソシアネート)を得た。
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体(B1)のエマルションを蒸留水で固形分濃度2質量%に希釈した。該希釈液の100質量%に対して、2−プロパノールの3.0質量%、DPGの1.0質量%、熱硬化剤であるベッカミンM−3(大日本インキ化学工業社製)の0.3質量%、熱硬化触媒であるキャタリストACX(大日本インキ化学工業社製)の0.3質量%を添加し、撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組成物に、ナイロン布を浸漬し、ピックアップが42質量%となるようにマングルローラーで絞った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを試験布とした。該試験布について、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体の種類、撥水撥油剤組成物(希釈液)中における各重合体(固形分)の割合を、表8に示す量に変更した以外は、例21と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。なお、例25〜27で用いた架橋剤は例20で用いたものと同じものである。
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにK15の0.5質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにMF−Hの3質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにTP10の3質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにMF−Hの1.5質量%、TP10の1.5質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにXANの3質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにWT30の0.5質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体(A3)のエマルションを蒸留水で固形分濃度1質量%に希釈した。該希釈液の100質量%に対して、2−プロパノールの3.0質量%、DPGの1.0質量%、熱硬化剤であるベッカミンM−3の0.3質量%、熱硬化触媒であるキャタリストACXの0.3質量%を添加し、撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組成物に、ナイロン布を浸漬し、ピックアップが42質量%となるようにマングルローラーで絞った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを試験布とした。該試験布について、撥水性および撥油性の評価を行った。結果を表9に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体の種類、撥水撥油剤組成物(希釈液)中における各重合体(固形分)の割合を、表9に示す量に変更した以外は、例60と同様にして、降雨試験を行い、また、洗濯耐久性を評価した。結果を表9に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
例60と同様の方法で得た撥水撥油剤組成物に、ポリエステル布を浸漬し、ピックアップが70質量%となるようにマングルローラーで絞った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを試験布とした。該試験布について、撥水性および撥油性の評価を行った。結果を表9に示す。
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体の種類、撥水撥油剤組成物(希釈液)中における各重合体(固形分)の割合を、表9に示す量に変更した以外は、例62と同様にして、降雨試験を行い、また、洗濯耐久性を評価した。結果を表9に示す。
なお、2007年9月28日に出願された日本特許出願2007−254696号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (11)
- 下記単量体(a)に基づく構成単位と下記単量体(b)に基づく構成単位とを有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(A)(100質量%)中のフッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満である重合体(A)と、
下記単量体(a)に基づく構成単位を有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(B)(100質量%)中のフッ素原子の割合が45質量%以上である重合体(B)と
を含む、撥水撥油剤組成物。
単量体(a):フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のポリフルオロアルキル基(ただし、該ポリフルオロアルキル基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体。
単量体(b):下記単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体。
単量体(b1):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体。
単量体(b2):塩化ビニル。
単量体(b3):塩化ビニリデン。
単量体(c):フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたポリフルオロアルキル基を有する単量体。 - 前記重合体(A)と前記重合体(B)との質量比((A)/(B))が、10/90〜95/5である、請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
- 前記単量体(a)が、炭素数が4〜6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物。
- 前記単量体(c)が、炭素数が8〜16のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
- 前記単量体(c)に基づく構成単位を有し、重合体(C)(100質量%)中のフッ素原子の割合が15質量%以上である重合体(C)をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
- 前記重合体(A)および前記重合体(B)の合計の質量と、前記重合体(C)の質量との比({(A)+(B)}/(C))が、99.9/0.1〜90/10である、請求項5に記載の撥水撥油剤組成物。
- 前記重合体(A)が、下記単量体(d)に基づく構成単位をさらに有する、請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。 - 前記重合体(A)が、下記条件(i)〜(iii)を満足する重合体である、請求項7に記載の撥水撥油剤組成物。
(i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体成分(X1)を重合し、ついで下記単量体成分(X2)を重合して得られた多段重合体である。
単量体成分(X1):単量体成分(X1)(100質量%)中に、前記単量体(a)の65〜95質量%と、前記単量体(b1)の1〜35質量%とを含む単量体成分。
単量体成分(X2):単量体成分(X2)(100質量%)中に、前記単量体(a)の25〜80質量%と、前記単量体(d)の1〜50質量%とを含む単量体成分。
(ii)前記単量体成分(X1)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a1](質量%)と、前記単量体成分(X2)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a2](質量%)との差([a1]−[a2])が、10質量%以上である。
(iii)前記単量体成分(X1)と前記単量体成分(X2)との質量比((X1)/(X2))が、10/90〜95/5である。 - 前記単量体(b1)が、ステアリル(メタ)アクリレートまたはベヘニル(メタ)アクリレートである、請求項1〜8のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
- ノニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。
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