JPWO2009041648A1 - 撥水撥油剤組成物および物品 - Google Patents

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Abstract

炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らしているにもかかわらず、物品の表面に摩擦耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる撥水撥油剤組成物、および環境負荷が低く、摩擦によって撥水撥油性が低下しにくい物品を提供する。
単量体(a)単位、単量体(b)単位を有し、単量体(c)単位を有さず、フッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満の重合体(A)と、単量体(a)単位を有し、単量体(c)単位を有さず、フッ素原子の割合が45質量%以上の重合体(B)とを含む撥水撥油剤組成物。単量体(a):炭素数が4〜6のR基を有する単量体。単量体(b):炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体、塩化ビニル、または塩化ビニリデン。単量体(c):炭素数が8以上のR基を有する単量体。

Description

本発明は、撥水撥油剤組成物、および該撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品に関する。
物品(繊維製品等。)の表面に撥水撥油性を付与する方法としては、炭素数が8以上のポリフルオロアルキル基(以下、ポリフルオロアルキル基をR基と記す。)を有する単量体に基づく構成単位を有する重合体を媒体に分散させたエマルションからなる撥水撥油剤組成物を用いて物品を処理する方法が知られている。
しかし、最近、EPA(米国環境保護庁)によって、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基(以下、パーフルオロアルキル基をR基と記す。)を有する化合物は、環境、生体中で分解し、分解生成物が蓄積する点、すなわち環境負荷が高い点が指摘されている(特許文献2の段落[0007]参照)。そのため、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らした撥水撥油剤組成物用の重合体が要求されている。
該重合体を含む撥水撥油剤組成物としては、たとえば、下記の撥水撥油剤組成物が提案されている。
(1)下記単量体(a)に基づく構成単位および下記単量体(b)に基づく構成単位から実質的になる共重合体を必須とする撥水撥油剤組成物(特許文献1)。
単量体(a):炭素数が6以下のR基を有する単量体等。
単量体(b):炭素数が15以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレート等。
(2)下記単量体(a)に基づく構成単位を有する重合体と、下記単量体(a)に基づく構成単位を有する重合体とを含む撥水撥油剤組成物(特許文献2)。
単量体(a):単独重合体のガラス転移温度(以下、Tgと記す。)が50℃以上であり、炭素数が6以下のR基を有する(メタ)アクリレート等。
単量体(a):単独重合体のTgが50℃未満であり、炭素数が6以下のR基を有する(メタ)アクリレート等。
しかし、(1)、(2)の撥水撥油剤組成物で処理された物品は、撥水撥油剤組成物に含まれる重合体が、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位を有さないため、摩擦によって撥水撥油性が低下しやすい問題を有する。
国際公開第02/083809号パンフレット 国際公開第2006/038493号パンフレット
本発明は、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らしているにもかかわらず、物品の表面に摩擦耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる撥水撥油剤組成物、および環境負荷が低く、摩擦によって撥水撥油性が低下しにくい物品を提供する。
本発明の撥水撥油剤組成物は、下記単量体(a)に基づく構成単位と下記単量体(b)に基づく構成単位とを有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(A)(100質量%)中のフッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満である重合体(A)と、
下記単量体(a)に基づく構成単位を有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(B)(100質量%)中のフッ素原子の割合が45質量%以上である重合体(B)とを含むことを特徴とする。
単量体(a):フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のR基(ただし、該R基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体。
単量体(b):下記単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体。
単量体(b1):R基を有さず、炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体。
単量体(b2):塩化ビニル。
単量体(b3):塩化ビニリデン。
単量体(c):フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたR基を有する単量体。
前記重合体(A)と前記重合体(B)との質量比((A)/(B))は、10/90〜95/5であることが好ましい。
前記単量体(a)は、炭素数が4〜6のR基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
前記単量体(c)は、炭素数が8〜16のR基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
本発明の撥水撥油剤組成物は、前記単量体(c)に基づく構成単位を有し、重合体(C)(100質量%)中のフッ素原子の割合が15質量%以上である重合体(C)をさらに含むことが好ましい。
前記重合体(A)および前記重合体(B)の合計の質量と、前記重合体(C)の質量との比({(A)+(B)}/(C))が、99.9/0.1〜90/10であることが好ましい。
前記重合体(A)は、下記単量体(d)に基づく構成単位をさらに有することが好ましい。
単量体(d):R基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。
前記重合体(A)は、下記条件(i)〜(iii)を満足する重合体であることが好ましい。
(i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体成分(X1)を重合し、ついで下記単量体成分(X2)を重合して得られた多段重合体である。
単量体成分(X1):単量体成分(X1)(100質量%)中に、前記単量体(a)の65〜95質量%と、前記単量体(b1)の1〜35質量%とを含む単量体成分。
単量体成分(X2):単量体成分(X2)(100質量%)中に、前記単量体(a)の25〜80質量%と、前記単量体(d)の1〜50質量%とを含む単量体成分。
(ii)前記単量体成分(X1)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a](質量%)と、前記単量体成分(X2)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a](質量%)との差([a]−[a])が、10質量%以上である。
(iii)前記単量体成分(X1)と前記単量体成分(X2)との質量比((X1)/(X2))が、10/90〜95/5である。
本発明の物品は、本発明の撥水撥油剤組成物を用いて処理されたものである。
本発明の撥水撥油剤組成物は、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らしているにもかかわらず、物品の表面に摩擦耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる。
本発明の物品は、環境負荷が低く、摩擦によって撥水撥油性が低下しにくい。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。また、本明細書においては、式(2)で表される基を基(2)と記す。他の式で表される基も同様に記す。また、本明細書における(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、本明細書における単量体は、重合性不飽和基を有する化合物を意味する。また、本明細書におけるR基は、アルキル基の水素原子の一部またはすべてがフッ素原子に置換された基であり、R基は、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基である。
<撥水撥油剤組成物>
本発明の撥水撥油剤組成物は、重合体(A)および重合体(B)を必須成分として含み、必要に応じて、重合体(C)、媒体、界面活性剤、添加剤を含む。
(重合体(A))
重合体(A)は、単量体(a)に基づく構成単位と、単量体(b)に基づく構成単位とを必須構成単位として有し、単量体(c)に基づく構成単位を有さず、必要に応じて、単量体(d)に基づく構成単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する共重合体である。
重合体(A)(100質量%)中のフッ素原子の割合は、15質量%以上45質量%未満である。重合体(A)(100質量%)中のフッ素原子の割合は、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。
単量体(a):
単量体(a)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のR基(ただし、該R基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体である。
単量体(a)としては、たとえば、化合物(1)が挙げられる。
(Z−Y)X ・・・(1)。
Zは、炭素数が4〜6のR基(ただし、該R基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)、または基(2)である。
2i+1O(CFXCFO)CFX− ・・・(2)。
ただし、iは、1〜6の整数であり、jは、0〜10の整数であり、XおよびXは、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
基としては、R基が好ましい。R基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
Zとしては、下記の基が挙げられる。
F(CF−、
F(CF−、
F(CF−、
(CFCF(CF−、
2k+1O[CF(CF)CFO]−CF(CF)−等。
ただし、kは、1〜6の整数であり、hは0〜10の整数である。
Yは、2価有機基または単結合である。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、−O−、−NH−、−CO−、−SO−、−CD=CD−(ただし、D、Dは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
Yとしては、下記の基が挙げられる。
−CH−、
−CHCH
−(CH−、
−CHCHCH(CH)−、
−CH=CH−CH−等。
nは、1または2である。
Xは、nが1の場合は、基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
−CR=CH ・・・(3−1)、
−COOCR=CH ・・・(3−2)、
−OCOCR=CH ・・・(3−3)、
−OCH−φ−CR=CH ・・・(3−4)、
−OCH=CH ・・・(3−5)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基である。
−CH[−(CHCR=CH]− ・・・(4−1)、
−CH[−(CHCOOCR=CH]− ・・・(4−2)、
−CH[−(CHOCOCR=CH]− ・・・(4−3)、
−OCOCH=CHCOO− ・・・(4−4)。
ただし、Rは、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、mは0〜4の整数である。
化合物(1)としては、他の単量体との重合性、重合体の皮膜の柔軟性、物品に対する重合体の接着性、媒体に対する溶解性、乳化重合の容易性等の点から、炭素数が4〜6のR基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(1)としては、Zが炭素数4〜6のR基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(b):
単量体(b)は、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である。
重合体(A)が単量体(b)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
単量体(b1):
単量体(b1)は、R基を有さず、炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体である。アルキル基の炭素数が12以上であれば、摩擦耐久性が向上する。
単量体(b1)としては、(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、またはビニルエステル類が挙げられる。
単量体(b1)としては、炭素数が12〜36のアルキル基を有する単量体が好ましく、炭素数が12〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、ステアリル(メタ)アクリレートまたはベヘニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
単量体(b2):
単量体(b2)は、塩化ビニルである。
単量体(b3):
単量体(b3)は、塩化ビニリデンである。
単量体(c):
単量体(c)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたR基を有する単量体である。
重合体(A)が単量体(c)に基づく構成単位を有さないことにより、環境負荷を低く抑えられる。
単量体(d):
単量体(d)は、R基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体である。
重合体(A)が単量体(d)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
架橋しうる官能基としては、共有結合、イオン結合または水素結合のうち少なくとも1つ以上の結合を有する官能基、または、該結合の相互作用により架橋構造を形成できる官能基が好ましい。
該官能基としては、イソシアネート基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、アルコキシメチルアミド基、シラノール基、アンモニウム基、アミド基、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、カルボキシル基、アルケニル基、スルホン酸基等が好ましく、エポキシ基、水酸基、ブロックドイソシアネート基、アルコキシシリル基、アミノ基、またはカルボキシル基が特に好ましい。
単量体(d)としては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、またはビニルエステル類が好ましい。
単量体(d)としては、下記の化合物が挙げられる。
2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体。
3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの2−ブタノンオキシム付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートの3−メチルピラゾール付加体、4−イソシアナトブチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクタム付加体。
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド。
t−ブチル(メタ)アクリルアミドスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルキシヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、アリル(メタ)アクリレート、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−(2−ビニルオキサゾリン)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのポリカプロラクトンエステル。
トリ(メタ)アリルイソシアヌレート(T(M)AIC、日本化成社製)、トリアリルシアヌレート(TAC、日本化成社製)、フェニルグリシジルエチルアクリレートトリレンジイソシアナート(AT−600、共栄社化学社製)、3−(メチルエチルケトオキシム)イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)シアナート(テックコートHE−6P、京絹化成社製)。
単量体(d)としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体、ダイアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのポリカプロラクトンエステル、AT−600(共栄社化学社製)、またはテックコートHE−6P(京絹化成社製)が好ましい。
単量体(e):
単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)および単量体(d)を除く単量体である。
単量体(e)としては、下記の化合物が挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチルメタクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブテン、イソプレン、ブタジエン、エチレン、プロピレン、ビニルエチレン、ペンテン、エチル−2−プロピレン、ブチルエチレン、シクロヘキシルプロピルエチレン、デシルエチレン、ドデシルエチレン、ヘキセン、イソヘキシルエチレン、ネオペンチルエチレン、(1,2−ジエトキシカルボニル)エチレン、(1,2−ジプロポキシカルボニル)エチレン、メトキシエチレン、エトキシエチレン、ブトキシエチレン、2−メトキシプロピレン、ペンチルオキシエチレン、シクロペンタノイルオキシエチレン、シクロペンチルアセトキシエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ヘキシルスチレン、オクチルスチレン、ノニルスチレン、クロロプレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブチルアクリレート、プロピルメタクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシルメタクリレート、シクロドデシルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、メトキシ−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1、3−ジメチルブチルアクリレート、2−メチルペンチルアクリレート、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート。
クロトン酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、シトラコン酸アルキルエステル、メサコン酸アルキルエステル、トリアリルシアヌレート、酢酸アリル、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド、側鎖にシリコーンを有する(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、末端が炭素数1〜4のアルキル基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート、アルキレンジ(メタ)アクリレート等。
重合体(A)は、たとえば、下記の方法で製造できる。
界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)〜(b)を含み、単量体(c)を含まず、必要に応じて単量体(d)〜(e)を含む単量体成分(X)を重合して重合体(A)の溶液、分散液またはエマルションを得る方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
重合体(A)の製造方法としては、界面活性剤、重合開始剤の存在下、水系媒体中で単量体(a)〜(b)を含み、単量体(c)を含まず、必要に応じて単量体(d)〜(e)を含む単量体成分(X)を乳化重合して重合体(A)のエマルションを得る方法が好ましい。
重合体(A)の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合開始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、水溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が特に好ましく、水系媒体中で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がより好ましい。重合温度は20〜150℃が好ましい。
重合開始剤の添加量は、単量体成分(X)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体成分(X)の重合の際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調節剤としては、芳香族系化合物、メルカプトアルコール類またはメルカプタン類が好ましく、アルキルメルカプタン類が特に好ましい。分子量調整剤としては、メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマ(CH=C(Ph)CHC(CHPh、Phはフェニル基である。)等が挙げられる。
分子量調節剤の添加量は、単量体成分(X)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、30〜80質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、15〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましい。
単量体(e)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X)(100質量)中、0〜40質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましい。
重合体(A)としては、高度な撥水性を実現するという点から、一段重合で得られる重合体の他、多段重合で得られる、いわゆるコアシェル型の重合体を用いることが好ましい。該重合体の形態としては、きれいな層構造を形成しているものだけでなく、海島構造や、外側の層を形成する重合体の一部が局在化した構造であってもよい。
コアシェル型の重合体としては、下記条件(i)〜(iii)を満足する重合体が好ましい。
(i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体成分(X1)を重合し、ついで下記単量体成分(X2)を重合して得られた多段重合体である。
単量体成分(X1):単量体成分(X1)(100質量%)中に、前記単量体(a)の65〜95質量%と、前記単量体(b1)の1〜35質量%とを含む単量体成分。
単量体成分(X2):単量体成分(X2)(100質量%)中に、前記単量体(a)の25〜80質量%と、前記単量体(d)の1〜50質量%とを含む単量体成分。
(ii)前記単量体成分(X1)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a](質量%)と、前記単量体成分(X2)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a](質量%)との差([a]−[a])が、10質量%以上である。
(iii)前記単量体成分(X1)と前記単量体成分(X2)との質量比((X1)/(X2))が、10/90〜95/5である。
条件(i):
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X1)(100質量)中、65〜95質量%であり、70〜95質量%が好ましい。
単量体(b1)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X1)(100質量)中、1〜35質量%であり、3〜27質量%が好ましい。
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X2)(100質量)中、25〜80質量%であり、30〜75質量%が好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(X2)(100質量)中、1〜50質量%であり、1〜35質量%が好ましい。
条件(ii):
[a]−[a]は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、10質量%以上であり、30質量%以上が好ましい。また、[a]−[a]は、80質量%以下が好ましい。
なお、単量体成分(X1)は、単量体(d)等、単量体(a)および単量体(b1)以外のその他の単量体を含んでいてもよい。単量体成分(X1)として、前記その他の単量体を含有する場合、該その他の単量体の割合は、単量体成分(X1)(100質量)中、2〜25質量%が好ましい。
また、単量体成分(X2)は、単量体(a)および単量体(d)以外のその他の単量体を含んでいてもよい。単量体成分(X2)として、前記その他の単量体を含有する場合、該その他の単量体の割合は、単量体成分(X2)(100質量)中、15〜75質量%が好ましい。
条件(iii):
(X1)/(X2)は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、10/90〜95/5であり、40/60〜90/10が好ましい。
また、重合体(A)がコアシェル型の重合体である場合、コアを形成する重合体とシェルを形成する重合体を合わせた、全体の重合体におけるフッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満であるものを用いるが、該フッ素原子の割合の内訳としては、コアを形成する重合体におけるフッ素原子の割合の方が、シェルを形成する重合体におけるフッ素原子の割合より大きいことが好ましい。
具体的には、コアを形成する重合体におけるフッ素原子の割合は、撥水性能の耐久性の点から、40〜60質量%が好ましく、40〜55質量%がより好ましい。シェルを形成する重合体におけるフッ素原子の割合は、基材との密着性の点から、15〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
(重合体(B))
重合体(B)は、単量体(a)に基づく構成単位を必須構成単位として有し、単量体(c)に基づく構成単位を有さず、必要に応じて、単量体(b)に基づく構成単位、単量体(d)に基づく構成単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する(共)重合体である。
重合体(B)(100質量%)中のフッ素原子の割合は、45質量%以上であり、49質量%以上がより好ましい。また、重合体(B)(100質量%)中のフッ素原子の割合は、60質量%以下が好ましく、58質量%以下がより好ましい。
単量体(a):
単量体(a)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のR基(ただし、該R基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体である。
単量体(a)としては、重合体(A)を構成する単量体(a)と同様のもの(たとえば、化合物(1)等。)が挙げられる。
化合物(1)としては、他の単量体との重合性、重合体の皮膜の柔軟性、物品に対する重合体の接着性、媒体に対する溶解性、乳化重合の容易性等の点から、炭素数が4〜6のR基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(1)としては、Zが炭素数4〜6のR基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(b):
単量体(b)は、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である。
重合体(B)が単量体(b)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
単量体(b)としては、重合体(A)を構成する単量体(b)と同様のものが挙げられる。
単量体(c):
単量体(c)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたR基を有する単量体である。
重合体(B)が単量体(c)に基づく構成単位を有さないことにより、環境負荷を低く抑えられる。
単量体(d):
単量体(d)は、R基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体である。
単量体(d)としては、重合体(A)を構成する単量体(d)と同様のものが挙げられる。
単量体(e):
単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)および単量体(d)を除く単量体である。
単量体(e)としては、重合体(A)を構成する単量体(e)と同様のものが挙げられる。
重合体(B)は、たとえば、下記の方法で製造できる。
界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)を含み、単量体(c)を含まず、必要に応じて単量体(b)、(d)〜(e)を含む単量体成分(Y)を重合して重合体(B)の溶液、分散液またはエマルションを得る方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
重合体(B)の製造方法としては、界面活性剤、重合開始剤の存在下、水系媒体中で単量体(a)を含み、単量体(c)を含まず、必要に応じて単量体(b)、(d)〜(e)を含む単量体成分(Y)を乳化重合して重合体(B)のエマルションを得る方法が好ましい。
重合体(B)の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
重合開始剤としては、重合体(A)の製造に用いたものと同様のものが挙げられる。
重合開始剤の添加量は、単量体成分(Y)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体成分(Y)の重合の際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調節剤としては、重合体(A)の製造に用いたものと同様のものが挙げられる。
分子量調節剤の添加量は、単量体成分(Y)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、70〜100質量%が好ましく、75〜100質量%がより好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、0〜15質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
単量体(e)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Y)(100質量)中、0〜15質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
(重合体(C))
重合体(C)は、単量体(c)に基づく構成単位を必須構成単位として有し、必要に応じて、単量体(a)に基づく構成単位、単量体(b)に基づく構成単位、単量体(d)に基づく構成単位、単量体(e)に基づく構成単位を有する(共)重合体である。
重合体(C)(100質量%)中のフッ素原子の割合は、15質量%以上であり、20〜60質量%が好ましい。
単量体(a):
単量体(a)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のR基(ただし、該R基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体である。
単量体(a)としては、重合体(A)を構成する単量体(a)と同様のものが挙げられる。
単量体(b):
単量体(b)は、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である。
単量体(b)としては、重合体(A)を構成する単量体(b)と同様のものが挙げられる。
単量体(c):
単量体(c)は、フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたR基を有する単量体である。
重合体(C)が単量体(c)に基づく構成単位を有することにより、摩擦耐久性が向上する。
単量体(c)としては、たとえば、化合物(1’)が挙げられる。
(Z’−Y)X ・・・(1’)。
Z’は、炭素数が8以上のR基、または基(2’)である。
i’2i’+1O(CFXCFO)CFX− ・・・(2’)。
ただし、i’は、8以上の整数であり、jは、0〜10の整数であり、XおよびXは、それぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基である。
基としては、R基が好ましい。R基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。
Yは、2価有機基または単結合である。
2価有機基としては、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。アルキレン基は、−O−、−NH−、−CO−、−SO−、−CD=CD−(ただし、D、Dは、それぞれ独立に水素原子またはメチル基である。)等を有していてもよい。
nは、1または2である。
Xは、nが1の場合は、前記基(3−1)〜基(3−5)のいずれかであり、nが2の場合は、前記基(4−1)〜基(4−4)のいずれかである。
化合物(1’)としては、他の単量体との重合性、重合体の皮膜の柔軟性、物品に対する重合体の接着性、媒体に対する溶解性、乳化重合の容易性等の点から、炭素数が8〜16のR基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(1’)としては、Zが炭素数8〜16のR基であり、Yが炭素数1〜4のアルキレン基であり、nが1であり、Xが基(3−3)である化合物が好ましい。
単量体(c)は、通常、少量の単量体(a)を含む、R基の炭素数が6〜16の単量体の混合物として入手できる。
単量体(d):
単量体(d)は、R基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体である。
単量体(d)としては、重合体(A)を構成する単量体(d)と同様のものが挙げられる。
単量体(e):
単量体(e)は、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)および単量体(d)を除く単量体である。
単量体(e)としては、重合体(A)を構成する単量体(e)と同様のものが挙げられる。
重合体(C)は、たとえば、下記の方法で製造できる。
界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(c)を含み、必要に応じて単量体(a)〜(b)、(d)〜(e)を含む単量体成分(Z)を重合して重合体(C)の溶液、分散液またはエマルションを得る方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。また、一括重合であってもよく、多段重合であってもよい。
重合体(C)の製造方法としては、界面活性剤、重合開始剤の存在下、水系媒体中で単量体(c)を含み、必要に応じて単量体(a)〜(b)、(d)〜(e)を含む単量体成分(Z)を乳化重合して重合体(C)のエマルションを得る方法が好ましい。
重合体(C)の収率が向上する点から、乳化重合の前に、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を前乳化することが好ましい。たとえば、単量体、界面活性剤および水系媒体からなる混合物を、ホモミキサーまたは高圧乳化機で混合分散する。
重合開始剤としては、重合体(A)の製造に用いたものと同様のものが挙げられる。
重合開始剤の添加量は、単量体成分(Z)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体成分(Z)の重合の際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調節剤としては、重合体(A)の製造に用いたものと同様のものが挙げられる。
分子量調節剤の添加量は、単量体成分(Z)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
単量体(a)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜1質量%が好ましく、0〜0.3質量%がより好ましい。
単量体(b)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
単量体(c)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、20〜100質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましい。
単量体(d)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
単量体(e)の割合は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、単量体成分(Z)(100質量)中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
各重合体(重合体(A)〜(C))(100質量%)中のフッ素原子の割合は、重合体の製造時の各単量体の仕込み割合および各単量体中のフッ素原子の割合に基づいて算出できる。また、得られたポリマーから測定する場合には、たとえばF−Ka線強度を測定する蛍光X線分析法、ポリマーを、酸素を充填した石英フラスコ内にて1000℃以上で燃焼させ、燃焼ガスを捕集液に吸収させた後、F−イオンをイオンクロマト法またはF電極法で測定する酸素燃焼フラスコ法、ポリマーの燃焼を石英管の内部で行う石英管酸素燃焼ガス捕集法、白金容器内で炭酸カリウム粉末とともに600℃程度で加熱分解を行い、F電極法にて測定する炭酸カリウムカプセル法等を適応できる。
(媒体)
媒体としては、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化合物、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、窒素化合物、硫黄化合物、無機溶剤、有機酸等が挙げられる。なかでも、溶解性、取扱いの容易さの点から、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテルおよびグリコールエステルからなる群から選ばれた1種以上の媒体が好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1,1−ジメチルエタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1,1−ジメチルプロパノール、3−メチル−2−ブタノール、1,2−ジメチルプロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−へプタノール、3−へプタノール等が挙げられる。
グリコール、グリコールエーテルとしては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、プロピレングリコール、グリコールエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、ハロゲン化炭化水素、ハロゲン化エーテル等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロブロモカーボン等が挙げられる。
ハロゲン化エーテルとしては、ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、分離型ハイドロフルオロエーテル、非分離型ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。分離型ハイドロフルオロエーテルとは、エーテル性酸素原子を介してR基またはパーフルオロアルキレン基、および、アルキル基またはアルキレン基が結合している化合物である。非分離型ハイドロフルオロエーテルとは、部分的にフッ素化されたアルキル基またはアルキレン基を含むハイドロフルオロエーテルである。
炭化水素としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、ペンタン、2−メチルブタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、デカン、ウンデカン、ドデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等が挙げられる。
脂環式炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ペンチル等が挙げられる。
エーテルとしては、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
窒素化合物としては、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
硫黄化合物としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
無機溶剤としては、液体二酸化炭素が挙げられる。
有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、りんご酸、乳酸等が挙げられる。
媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。媒体を2種以上混合して用いる場合、水と混合して用いることが好ましい。混合した媒体を用いることにより、共重合体の溶解性、分散性の制御がしやすく、加工時における物品に対する浸透性、濡れ性、溶媒乾燥速度等の制御がしやすい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤が挙げられ、それぞれ、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、分散安定性の点から、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤または両性界面活性剤との併用、または、アニオン性界面活性剤の単独が好ましく、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との併用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との比(ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面活性剤)は、97/3〜40/60(質量比)が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤との特定の組み合わせにおいては、共重合体(100質量%)に対する合計量を、5質量%以下にできるため、物品の撥水性への悪影響を低減できる。
ノニオン性界面活性剤としては、界面活性剤s〜sからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
界面活性剤s
界面活性剤sは、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルカポリエニルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルである。
界面活性剤sとしては、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルケニルエーテル、またはポリオキシアルキレンモノポリフルオロアルキルエーテルが好ましい。界面活性剤sは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキル基、アルケニル基、アルカポリエニル基またはポリフルオロアルキル基(以下、アルキル基、アルケニル基、アルカポリエニル基およびポリフルオロアルキル基をまとめてR基と記す。)としては、炭素数が4〜26の基が好ましい。R基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。分岐状のR基としては、2級アルキル基、2級アルケニル基または2級アルカポリエニル基が好ましい。R基は、水素原子の一部または全てがフッ素原子で置換されていてもよい。
基の具体例としては、オクチル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ステアリル基(オクタデシル基)、ベヘニル基(ドコシル基)、オレイル基(9−オクタデセニル基)、ヘプタデシルフルオロオクチル基、トリデシルフルオロヘキシル基、1H,1H,2H,2H−トリデシルフルオロオクチル基、1H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン(以下、POAと記す。)鎖としては、ポリオキシエチレン(以下、POEと記す。)鎖および/またはポリオキシプロピレン(以下、POPと記す。)鎖が2個以上連なった鎖が好ましい。POA鎖は、1種のPOA鎖からなる鎖であってもよく、2種以上のPOA鎖からなる鎖であってもよい。2種以上のPOA鎖からなる場合、各POA鎖はブロック状に連結されることが好ましい。
界面活性剤sとしては、化合物(s11)がより好ましい。
10O[CHCH(CH)O]−(CHCHO)H・・・(s11)。
ただし、R10は、炭素数が8以上のアルキル基または炭素数が8以上のアルケニル基であり、rは、5〜50の整数であり、sは、0〜20の整数である。R10は、水素原子の一部がフッ素原子に置換されていてもよい。
rが5以上であれば、水に可溶となり、水系媒体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組成物の物品への浸透性が良好となる。rが50以下であれば、親水性が抑えられ、撥水性が良好となる。
sが20以下であれば、水に可溶となり、水系媒体中に均一に溶解するため、撥水撥油剤組成物の物品への浸透性が良好となる。
rおよびsが2以上である場合、POE鎖とPOP鎖とはブロック状に連結される。
10としては、直鎖状または分岐状のものが好ましい。
rは、10〜30の整数が好ましい。
sは、0〜10の整数が好ましい。
化合物(s11)としては、下記の化合物が挙げられる。ただし、POE鎖とPOP鎖とはブロック状に連結される。
1837O[CHCH(CH)O]−(CHCHO)30H、
1835O−(CHCHO)30H、
1633O[CHCH(CH)O]−(CHCHO)20H、
1225O[CHCH(CH)O]−(CHCHO)15H、
(C17)(C13)CHO−(CHCHO)15H、
1021O[CHCH(CH)O]−(CHCHO)15H、
13CHCHO−(CHCHO)15H、
13CHCHO[CHCH(CH)O]−(CHCHO)15H、
CHCHO[CHCH(CH)O]−(CHCHO)15H。
界面活性剤s
界面活性剤sは、分子中に1個以上の炭素−炭素三重結合および1個以上の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤sとしては、分子中に1個の炭素−炭素三重結合、および1個または2個の水酸基を有する化合物からなるノニオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤sは、分子中にPOA鎖を有してもよい。POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、POE鎖とPOP鎖とがランダム状に連結された鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とがブロック状に連結された鎖が挙げられる。
界面活性剤sとしては、化合物(s21)〜(s24)が好ましい。
HO−CR1112−C≡C−CR1314−OH・・・(s21)、
HO−(AO)−CR1112−C≡C−CR1314−(OA−OH ・・・(s22)、
HO−CR1516−C≡C−H・・・(s23)、
HO−(AO)−CR1516−C≡C−H・・・(s24)。
〜Aは、それぞれアルキレン基である。
uおよびvは、それぞれ0以上の整数であり、(u+v)は、1以上の整数である。
wは、1以上の整数である。
u、v、wが、それぞれ2以上である場合、A〜Aは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
POA鎖としては、POE鎖、POP鎖、またはPOE鎖とPOP鎖とを含む鎖が好ましい。POA鎖の繰り返し単位の数は、1〜50が好ましい。
11〜R16は、それぞれ水素原子またはアルキル基である。
アルキル基としては、炭素数が1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル基がより好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
化合物(s22)としては、化合物(s25)が好ましい。
Figure 2009041648
ただし、xおよびyは、それぞれ0〜100の整数である。
化合物(s25)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(s25)としては、xおよびyが0である化合物、xとyとの和が平均1〜4である化合物、またはxとyとの和が平均10〜30である化合物が好ましい。
界面活性剤s
界面活性剤sは、POE鎖と、炭素数が3以上のオキシアルキレンが2個以上連続して連なったPOA鎖とが連結し、かつ、両末端が水酸基である化合物からなるノニオン性界面活性剤である。
該POA鎖としては、ポリオキシテトラメチレン(以下、POTと記す。)および/またはPOP鎖が好ましい。
界面活性剤sとしては、化合物(s31)または化合物(s32)が好ましい。
HO(CHCHO)g1(CO)(CHCHO)g2H ・・・(s31)、
HO(CHCHO)g1(CHCHCHCHO)(CHCHO)g2H ・・・(s32)。
g1は、0〜200の整数である。
tは、2〜100の整数である。
g2は、0〜200の整数である。
g1が0の場合、g2は、2以上の整数である。g2が0の場合、g1は、2以上の整数である。
−CO−は、−CH(CH)CH−であってもよく、−CHCH(CH)−であってもよく、−CH(CH)CH−と−CHCH(CH)−とが混在したものであってもよい。
POA鎖は、ブロック状である。
界面活性剤sとしては、下記の化合物が挙げられる。
HO−(CHCHO)15−(CO)35−(CHCHO)15H、
HO−(CHCHO)−(CO)35−(CHCHO)H、
HO−(CHCHO)45−(CO)17−(CHCHO)45H、
HO−(CHCHO)34−(CHCHCHCHO)28−(CHCHO)34H。
界面活性剤s
界面活性剤sは、分子中にアミンオキシド部分を有するノニオン性界面活性剤である。
界面活性剤sとしては、化合物(s41)が好ましい。
(R17)(R18)(R19)N(→O) ・・・(s41)。
17〜R19は、それぞれ1価炭化水素基である。
本発明においては、アミンオキシド(N→O)を有する界面活性剤をノニオン性界面活性剤として扱う。
化合物(s41)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(s41)としては、共重合体の分散安定性の点から、化合物(s42)が好ましい。
(R20)(CHN(→O) ・・・(s42)。
20は、炭素数が6〜22のアルキル基、炭素数が6〜22のアルケニル基、炭素数が6〜22のアルキル基が結合したフェニル基、炭素数が6〜22のアルケニル基が結合したフェニル基、または炭素数が6〜13のフルオロアルキル基である。R20としては、炭素数が8〜22のアルキル基、または炭素数が8〜22のアルケニル基、または炭素数が4〜9のポリフルオロアルキル基が好ましい。
化合物(s42)としては、下記の化合物が挙げられる。
[H(CH12](CHN(→O)、
[H(CH14](CHN(→O)、
[H(CH16](CHN(→O)、
[H(CH18](CHN(→O)、
[F(CF(CH](CHN(→O)、
[F(CF(CH](CHN(→O)。
界面活性剤s
界面活性剤sは、ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物またはポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルからなるノニオン性界面活性剤である。
置換フェニル基としては、1価炭化水素基で置換されたフェニル基が好ましく、アルキル基、アルケニル基またはスチリル基で置換されたフェニル基がより好ましい。
界面活性剤sとしては、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフェニル)エーテルの縮合物、ポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(アルケニルフェニル)エーテル、またはポリオキシエチレンモノ[(アルキル)(スチリル)フェニル〕エーテルが好ましい。
ポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルの縮合物またはポリオキシエチレンモノ(置換フェニル)エーテルとしては、ポリオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテルのホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンモノ(ノニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オクチルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ(オレイルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(ノニル)(スチリル)フェニル]エーテル、ポリオキシエチレンモノ[(オレイル)(スチリル)フェニル]エーテル等が挙げられる。
界面活性剤s
界面活性剤sは、ポリオールの脂肪酸エステルからなるノニオン性界面活性剤である。
ポリオールとは、グリセリン、ソルビタン、ソルビット、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエーテル、ポリオキシエチレンソルビットエーテルを表わす。
界面活性剤sとしては、ステアリン酸とポリエチレングリコールとの1:1(モル比)エステル、ソルビットとポリエチレングリコールとのエーテルとオレイン酸とのl:4(モル比)エステル、ポリオキシエチレングリコールとソルビタンとのエーテルとステアリン酸との1:1(モル比)エステル、ポリエチレングリコールとソルビタンとのエーテルとオレイン酸との1:1(モル比)エステル、ドデカン酸とソルビタンとの1:1(モル比)エステル、オレイン酸とデカグリセリンとの1:1または2:1(モル比)エステル、ステアリン酸とデカグリセリンとの1:1または2:1(モル比)エステルが挙げられる。
界面活性剤s
界面活性剤がカチオン性界面活性剤を含む場合、該カチオン性界面活性剤としては、界面活性剤sが好ましい。
界面活性剤sは、置換アンモニウム塩形のカチオン性界面活性剤である。
界面活性剤sとしては、窒素原子に結合する水素原子の1個以上が、アルキル基、アルケニル基または末端が水酸基であるPOA鎖で置換されたアンモニウム塩が好ましく、化合物(s71)がより好ましい。
[(R21]・X ・・・(s71)。
21は、水素原子、炭素数が1〜22のアルキル基、炭素数が2〜22のアルケニル基、炭素数が1〜9のフルオロアルキル基、または末端が水酸基であるPOA鎖である。4つのR21は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、4つのR21は同時に水素原子ではない。
21としては、炭素数が6〜22の長鎖アルキル基、炭素数が6〜22の長鎖アルケニル基、または炭素数が1〜9のフルオロアルキル基が好ましい。
21が長鎖アルキル基以外のアルキル基の場合、R21としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
21が、末端が水酸基であるPOA鎖の場合、POA鎖としては、POE鎖が好ましい。
は、対イオンである。
としては、塩素イオン、エチル硫酸イオン、または酢酸イオンが好ましい。
化合物(s71)としては、モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、モノステアリルジメチルモノエチルアンモニウムエチル硫酸塩、モノ(ステアリル)モノメチルジ(ポリエチレングリコール)アンモニウムクロリド、モノフルオロヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジ(牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルモノココナッツアミン酢酸塩等が挙げられる。
界面活性剤s
界面活性剤が両性界面活性剤を含む場合、該両性界面活性剤としては、界面活性剤sが好ましい。
界面活性剤sは、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類または酢酸ベタインである。
疎水基としては、炭素数が6〜22の長鎖アルキル基、炭素数が6〜22の長鎖アルケニル基、または炭素数が1〜9のフルオロアルキル基が好ましい。
界面活性剤sとしては、ドデシルベタイン、ステアリルベタイン、ドデシルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ドデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
界面活性剤s
界面活性剤として、界面活性剤sを用いてもよい。
界面活性剤sは、親水性単量体と炭化水素系疎水性単量体および/またはフッ素系疎水性単量体との、ブロック共重合体、ランダム共重合体、または親水性共重合体の疎水性変性物からなる高分子界面活性剤である。
界面活性剤sとしては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと長鎖アルキルアクリレートとのブロックまたはランダム共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートとフルオロ(メタ)アクリレートとのブロックまたはランダム共重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビニルエーテルとのブロックまたはランダム共重合体、酢酸ビニルと長鎖アルキルビニルエステルとのブロックまたはランダム共重合体、スチレンと無水マレイン酸との重合物、ポリビニルアルコールとステアリン酸との縮合物、ポリビニルアルコールとステアリルメルカプタンとの縮合物、ポリアリルアミンとステアリン酸との縮合物、ポリエチレンイミンとステアリルアルコールとの縮合物、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられる。
界面活性剤sの市販品としては、クラレ社のMPポリマー(商品番号:MP−103、MP−203)、エルフアトケム社のSMAレジン、信越化学社のメトローズ、日本触媒社のエポミンRP、セイミケミカル社のサーフロン(商品番号:S−381、S−393)等が挙げられる。
界面活性剤sとしては、媒体が有機溶剤の場合または有機溶剤の混合比率が多い場合、界面活性剤s91が好ましい。
界面活性剤s91:親油性単量体とフッ素系単量体とのブロック共重合体またはランダム共重合体(そのポリフルオロアルキル変性体)からなる高分子界面活性剤。
界面活性剤s91としては、アルキルアクリレートとフルオロ(メタ)アクリレートとの共重合体、アルキルビニルエーテルとフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体等が挙げられる。
界面活性剤s91の市販品としては、セイミケミカル社のサーフロン(商品番号:S−383、SC−100シリーズ)が挙げられる。
界面活性剤の組み合わせとしては、撥水撥油剤組成物の撥水性、耐久性に優れる点、得られた乳化液の安定性の点から、界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sとの組み合わせ、または界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sとの組み合わせ、または界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sと界面活性剤sとの組み合わせが好ましく、界面活性剤sが化合物(s71)である上記の組み合わせがより好ましい。
界面活性剤の合計量は、共重合体(100質量部)に対して1〜6質量部がより好ましい。
(添加剤)
本発明の撥水撥油剤組成物は、必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、浸透剤、消泡剤、吸水剤、帯電防止剤、防皺剤、風合い調整剤、造膜助剤、水溶性高分子(ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等。)、熱硬化剤(メラミン樹脂、ウレタン樹脂等。)、エポキシ硬化剤(イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1,’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド、スピログリコール等。)、熱硬化触媒、架橋触媒、合成樹脂、繊維安定剤等が挙げられる。
また、本発明の撥水撥油剤組成物は、必要に応じて、本発明の共重合体以外の、撥水性および/または撥油性を発現できる共重合体(たとえば、市販の撥水剤、市販の撥油剤、市販の撥水撥油剤等)、フッ素原子を有さない撥水性化合物等を含んでいてもよい。フッ素原子を有さない撥水性化合物としては、パラフィン系化合物、脂肪族アマイド系化合物、アルキルエチレン尿素化合物、シリコン系化合物等が挙げられる。
(撥水撥油剤組成物の調製)
本発明の撥水撥油剤組成物は、たとえば、各重合体のエマルションを所定の割合にて混合することによって調製できる。
重合体(A)(固形分)と重合体(B)(固形分)との質量比((A)/(B))は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、10/90〜95/5が好ましく、10/90〜70/30がより好ましい。
重合体(C)を含む場合、重合体(A)(固形分)および重合体(B)(固形分)の合計の質量と、重合体(C)(固形分)の質量との比({(A)+(B)}/(C))は、撥水撥油性および摩擦耐久性の点から、99.9/0.1〜90/10が好ましい。
重合体(C)(固形分)の割合は、環境負荷の点から、重合体(A)〜(C)(固形分)の合計(100質量%)中、10質量%以下が好ましい。
本発明の撥水撥油剤組成物は、各重合体が媒体中に粒子として分散していることが好ましい。重合体の平均粒子径は、10〜1000nmが好ましく、10〜300nmがより好ましく、10〜200nmが特に好ましい。平均粒子径が該範囲であれば、界面活性剤、分散剤等を多量に用いる必要がなく、撥水撥油性が良好であり、染色された布帛類を処理した場合に色落ちが発生せず、媒体中で分散粒子が安定に存在できて沈降することがない。重合体の平均粒子径は、動的光散乱装置、電子顕微鏡等により測定できる。
エマルションの固形分濃度は、重合体の製造直後は、エマルション(100質量%)中、25〜40質量%が好ましい。
本発明の撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、物品の処理時は、撥水撥油剤組成物(100質量%)中、0.2〜5質量%が好ましい。
エマルションまたは撥水撥油剤組成物の固形分濃度は、加熱前のエマルションまたは撥水撥油剤組成物の質量と、120℃の対流式乾燥機にて4時間乾燥した後の質量とから計算される。
以上説明した本発明の撥水撥油剤組成物にあっては、特定の構成単位を有し、かつフッ素原子の割合が少ない重合体(A)と、特定の構成単位を有し、かつフッ素原子の割合が多い重合体(B)とをブレンドしたものであるため、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らしているにもかかわらず、物品の表面に摩擦耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる。
また、本発明の撥水剤組成物にあっては、環境への影響が指摘されている、パーフルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびその前駆体、類縁体の含有量(固形分濃度20%とした場合の含有量)を特願2007−333564号に記載の方法によるLC−MS/MSの分析値として検出限界以下にすることができる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、単独で用いてもよく、他の撥水撥油剤組成物と混合して用いてもよい。たとえば、親水成分量が多いため撥水性能を有さないフッ素系のSR(Soil Release)剤と併用することにより、洗濯耐久性のある撥水撥油SR加工が可能となる。
<物品>
本発明の物品は、本発明の撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品である。
本発明の撥水撥油剤組成物で処理される物品としては、繊維(天然繊維、合成繊維、混紡繊維等。)、各種繊維製品、不織布、樹脂、紙、皮革、金属、石、コンクリート、石膏、ガラス等が挙げられる。
処理方法としては、たとえば、公知の塗工方法によって物品に撥水撥油剤組成物を塗布または含浸した後、乾燥する方法が挙げられる。
さらに、帯電防止加工、柔軟加工、抗菌加工、消臭加工、防水加工等を行ってもよい。
防水加工としては、防水膜を付与する加工が挙げられる。防水膜としては、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる多孔質膜、ウレタン樹脂やアクリル樹脂から得られる無孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン膜、またはこれらを組み合わせた透湿防水膜が挙げられる。
本発明の撥水撥油剤組成物を用いて物品を処理すると、皮膜が柔軟であるため繊維製品においてはその風合いが柔軟になり、高品位な撥水撥油性を物品に付与できる。また、表面の接着性に優れ、低温でのキュアリングでも撥水撥油性を付与できる。また、摩擦や洗濯による性能の低下が少なく、加工初期の性能を安定して維持できる。また、紙へ処理した場合は、低温の乾燥条件でも、優れたサイズ性、撥水性および耐油性を紙に付与できる。樹脂、ガラスまたは金属表面などに処理した場合には、物品への密着性が良好で造膜性に優れた撥水撥油性皮膜を形成できる。
以上説明した本発明の物品にあっては、炭素数が6以下のR基を有する単量体に基づく構成単位を有し、炭素数が8以上のR基を有する単量体に基づく構成単位をできるだけ減らしているにもかかわらず、物品の表面に摩擦耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる撥水撥油剤組成物を用いているため、環境負荷が低く、摩擦によって撥水撥油性が低下しにくい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
例23、26、27、29〜33、35〜44、48〜59、61、63は実施例であり、例21、22、24、25、28、34、45〜47、60、62は比較例である。
(降雨試験)
試験布について、水量を250mLから2Lに変更する以外はJIS L1092−98 6.2に記載のスプレー法にしたがって降雨試験を行った。撥水性は、1〜5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。3等級以上であるものを撥水性が発現しているものとみなす。
(摩擦耐久性)
試験布について、ピリングテスター(東洋精機製作所製)を用いて、摩擦試験を行った。摩擦回数は、1500回とした。
摩擦試験後、前記降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
(湿摩擦耐久性)
試験布の表面に0.5mLの蒸留水を滴下した後、前記摩擦試験と同様にして、湿摩擦試験を行った。摩擦回数は、500回とし、摩擦中は、試験布の表面に蒸留水を適宜追加し、常に湿潤な状態を保った。
湿摩擦試験後、前記降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
(撥水性)
試験布について、JIS L1092−98 6.2に記載のスプレー法にしたがって撥水性を評価した。撥水性は、表1に示す等級で表した。
Figure 2009041648
(撥油性)
試験布について、AATCC−TM118−1966の試験方法にしたがって撥油性を評価した。撥油性は、表2に示す等級で表した。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
Figure 2009041648
(ブンデスマン降雨試験)
試験布について、JIS L1092−98に記載のブンデスマンテストにしたがって降雨試験を行った。撥水性は、1〜5の5段階の等級で表した。点数が大きいほど撥水性が良好であることを示す。等級に+(−)を記したものは、それぞれの性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。3等級以上であるものを撥水性が発現しているものとみなす。
(洗濯耐久性(P))
試験布について、JIS L1092−98 5 2 (a)(3)(C法)にしたがって、洗濯を20回繰り返した。洗濯後、120℃で60秒間ピンテンターにて加熱乾燥した。乾燥後の試験布について、前記ブンデスマン降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
(洗濯耐久性(D))
試験布について、JIS L1092−98 5 2 (a)(3)(C法)にしたがって、洗濯を20回繰り返した。洗濯後、乾燥機(松下電器産業社製、NH−D402)に、試験布および負荷布(ポリエステル/綿混紡)を合計で1kg入れ、「強・標準コース」で70分間乾燥した。乾燥後の試験布について、前記ブンデスマン降雨試験を実施し、試験布の撥水性を評価した。
(略号)
単量体(a):
C6FMA:C13OCOC(CH)=CH
C4FMA:COCOC(CH)=CH
単量体(b):
VCM:塩化ビニル、
VdCl:塩化ビニリデン、
STA:ステアリルアクリレート、
VMA:ベヘニルメタクリレート、
VA:ベヘニルアクリレート。
単量体(c)(一部単量体(a)を含む。):
CmFA:F(CFCHCHOCOCH=CH(mが6〜16の混合物であり、mが8以上のものが99質量%以上であり、mの平均値は9である。
単量体(d):
GMA:グリシジルメタクリレート、
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート、
NMAM:N−メチロールアクリルアミド、
NBMAM:N−ブトキシメチルアクリルアミド、
D−BI:2−イソシアネートエチルメタクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体(下式(5))、
AT600:フェニルグリシジルエチルアクリレートトリレンジイソシアナート(共栄社化学社製)。
Figure 2009041648
単量体(e):
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、
DOM:ジオクチルマレエート。
界面活性剤s
PEO−30:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシド約26モル付加物。)の10質量%水溶液。
界面活性剤s
AGE−10:アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(エチレンオキシド付加モル数は10モル。)の10質量%水溶液、
AGE−30:アセチレングリコールエチレンオキシド付加物(エチレンオキシド付加モル数は30モル。)の10質量%水溶液。
界面活性剤s
EPO−40:エチレンオキシドプロピレンオキシド重合物(エチレンオキシドの割合は40質量%。)の10質量%水溶液。
界面活性剤s
ATMAC:モノステアリルトリメチルアンモニウムクロリドの10質量%水溶液、
FDMAC:ヤシアルキルジメチルアミン酢酸塩の10質量%水溶液。
重合開始剤:
VA−061A:2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](和光純薬社製、VA−061)の酢酸塩の10質量%水溶液、
V−59:2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
V−601:2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)。
分子量調整剤:
StSH:ステアリルメルカプタン、
DoSH:n−ドデシルメルカプタン。
媒体:
DPG:ジプロピレングリコール、
水:イオン交換水。
添加剤:
K15:シリコーン系柔軟剤(明成化学工業社製、ハイソフターK15)、
MF−H:ブロック化イソシアネート(明成化学工業社製、メーカネートMF−H)、 TP−10:ブロック化イソシアネート(明成化学工業社製、メーカネートTP−10)、
XAN:ブロック化イソシアネート(ハンツマン社製、Phobol−XAN)、
WT30:ブロック化イソシアネート(旭化成ケミカルズ社製、デュラネートWT30−100)。
〔例1〕
重合体(A1)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの98.6g、VMAの5.5g、AGE−10の32.8g、水の141.5g、DPGの11g、StSHの0.5gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。
得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液の250gをステンレス製反応容器に入れ、V−601の0.3gを加えて、30℃以下に冷却した。気相を窒素置換した後、VCMの5.5gを導入し、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、固形分濃度34.0質量%の1段階目の重合体のエマルションを得た。固形分は34.2質量%であった。
ステンレス製オートクレーブに、1段階目の重合体のエマルションの203.0g、C6FMAの12.5g、CHMAの8.28g、GMAの8.8g、StSHの0.29g、DPGの2.7g、水の63.3gを入れ、混合液を得た。
得られた混合液を、60℃で1時間撹拌した後、冷却し、V−59の0.02gを加えた。気相を窒素置換した後、65℃で15時間重合反応を行い、多段重合体(重合体(A1))のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表3に示す。
〔例2〕
重合体(A2)の製造:
ステンレス製オートクレーブに、例1で製造した1段階目の重合体の(固形分濃度34.2質量%)の409.4g、C6FMAの11.9g、CHMAの7.7g、GMAの8.4g、StSHの0.33g、DPGの3.15g、水の52.2gを入れ、混合液を得た。
得られた混合液を、60℃で1時間撹拌した後、冷却し、V−59の0.04gを加えた。気相を窒素置換した後、VCMの7.0gを添加し、65℃で15時間重合させた。
冷却後、V−59の0.02gを加え、気相を窒素置換した後、65℃で4時間熟成させた。冷却後、多段重合体(重合体(A2))のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表3に示す。
Figure 2009041648
〔例3〕
重合体(A3)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの68.4g、VAの47.4g、D−BIの4.8g、PEO−30の30.2g、EPO−40の6.0g、ATMACの6.0g、水の144.4g、DPGの36.2g、DoSHの1.2gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサーを用いて混合して混合液を得た。
得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液の300gをステンレス製反応容器に入れ、40℃以下となるまで冷却した。VA−061Aの5.0gを加えて、気相を窒素置換した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、重合体(A3)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例4〕
重合体(A4)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの59.5g、STAの16.8g、GMAの2.5g、HEAの0.5g、NMAMの8.2g、NBMAMの5.3g、PEO−30の23.3g、AGE−10の11.7g、FDMCの5.8g、水の179.2g、DPGの11.7g、DoSHの1.1gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサーを用いて混合して混合液を得た。
得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液の300gをステンレス製反応容器に入れ、40℃以下となるまで冷却した。VdClの20.6g、V−59の0.4gを加えて、気相を窒素置換した後、撹拌しながら60℃で15時間重合反応を行い、重合体(A4)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例5〕
重合体(A5)の製造:
ガラス製ビーカーに、C6FMAの89.3g、STAの15.7g、D−BIの4.8g、PEO−30の30.2g、EPO−40の6.0g、ATMACの6.0g、水の144.4g、DPGの36.2g、DoSHの1.2gを入れ、60℃で30分間加温した後、ホモミキサーを用いて混合して混合液を得た。
得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。得られた乳化液の300gをステンレス製反応容器に入れ、40℃以下となるまで冷却した。VA−061Aの5.2gを加えて、気相を窒素置換した後、VCMの9.3gを導入し、撹拌しながら60℃で15時間重合反応を行い、重合体(A5)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例6〕
重合体(A6)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(A6)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例7〕
重合体(A7)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(A7)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例8〕
重合体(B1)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(B1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例9〕
重合体(B2)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(B2)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例10〕
重合体(B3)の製造:
各原料の仕込み量を表4に示す量に変更した以外は、例4と同様にして重合体(B3)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表6に示す。
〔例11〕
重合体(B4)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例4と同様にして重合体(B4)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例12〕
重合体(B5)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(B5)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例13〕
重合体(B6)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例3と同様にして重合体(B6)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例14〕
重合体(B7)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例3と同様にして重合体(B7)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例15〕
重合体(C1)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(C1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例16〕
重合体(C2)の準備:
重合体(C2)のエマルションとして、市販の撥水撥油剤(ダイキン化学工業社製、TG−410H、固形分濃度:18.1質量%)を用意した。重合体(C2)は、CmFAに基づく構成単位を有する重合体であり、重合体中のフッ素原子の割合は、22質量%である。
〔例17〕
重合体(C3)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして重合体(C1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例18〕
他の重合体(D1)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例3と同様にして、単量体(b)に基づく構成単位を有さない他の重合体(D1)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例19〕
他の重合体(D2)の製造:
各原料の仕込み量を表5に示す量に変更した以外は、例5と同様にして、非フッ素系である他の重合体(D2)のエマルションを得た。各単量体の割合、固形分濃度、重合体中のフッ素原子の割合を表7に示す。
〔例20〕
架橋剤の製造:
特表200−511507号公報の段落[0085]の例4に記載の方法にしたがって、架橋剤(ブロック化オリゴマーイソシアネート)を得た。
Figure 2009041648
Figure 2009041648
Figure 2009041648
Figure 2009041648
〔例21〕
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体(B1)のエマルションを蒸留水で固形分濃度2質量%に希釈した。該希釈液の100質量%に対して、2−プロパノールの3.0質量%、DPGの1.0質量%、熱硬化剤であるベッカミンM−3(大日本インキ化学工業社製)の0.3質量%、熱硬化触媒であるキャタリストACX(大日本インキ化学工業社製)の0.3質量%を添加し、撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組成物に、ナイロン布を浸漬し、ピックアップが42質量%となるようにマングルローラーで絞った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを試験布とした。該試験布について、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
〔例22〜53〕
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体の種類、撥水撥油剤組成物(希釈液)中における各重合体(固形分)の割合を、表8に示す量に変更した以外は、例21と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。なお、例25〜27で用いた架橋剤は例20で用いたものと同じものである。
〔例54〕
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにK15の0.5質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
〔例55〕
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにMF−Hの3質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
〔例56〕
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにTP10の3質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
〔例57〕
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにMF−Hの1.5質量%、TP10の1.5質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
〔例58〕
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにXANの3質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
〔例59〕
撥水撥油剤組成物の調製:
撥水撥油剤組成物にさらにWT30の0.5質量%を添加した以外は、例37と同様にして、降雨試験を行い、また、摩擦耐久性および湿摩擦耐久性を評価した。結果を表8に示す。
Figure 2009041648
〔例60〕
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体(A3)のエマルションを蒸留水で固形分濃度1質量%に希釈した。該希釈液の100質量%に対して、2−プロパノールの3.0質量%、DPGの1.0質量%、熱硬化剤であるベッカミンM−3の0.3質量%、熱硬化触媒であるキャタリストACXの0.3質量%を添加し、撥水撥油剤組成物を得た。該撥水撥油剤組成物に、ナイロン布を浸漬し、ピックアップが42質量%となるようにマングルローラーで絞った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを試験布とした。該試験布について、撥水性および撥油性の評価を行った。結果を表9に示す。
また、上記と同様の方法で得た別の試験布について、ブンデスマン降雨試験を行い、また、洗濯耐久性を評価した。結果を表9に示す。
〔例61〕
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体の種類、撥水撥油剤組成物(希釈液)中における各重合体(固形分)の割合を、表9に示す量に変更した以外は、例60と同様にして、降雨試験を行い、また、洗濯耐久性を評価した。結果を表9に示す。
〔例62〕
撥水撥油剤組成物の調製:
例60と同様の方法で得た撥水撥油剤組成物に、ポリエステル布を浸漬し、ピックアップが70質量%となるようにマングルローラーで絞った。これを110℃で90秒間乾燥し、170℃で60秒間キュアし、室温25℃、湿度60%の部屋で一晩放置したものを試験布とした。該試験布について、撥水性および撥油性の評価を行った。結果を表9に示す。
また、上記と同様の方法で得た別の試験布について、ブンデスマン降雨試験を行い、また、洗濯耐久性を評価した。結果を表9に示す。
〔例63〕
撥水撥油剤組成物の調製:
重合体の種類、撥水撥油剤組成物(希釈液)中における各重合体(固形分)の割合を、表9に示す量に変更した以外は、例62と同様にして、降雨試験を行い、また、洗濯耐久性を評価した。結果を表9に示す。
Figure 2009041648
本発明の撥水撥油剤組成物は、繊維製品(衣料物品(スポーツウェア、コート、ブルゾン、作業用衣料、ユニフォーム等。)、かばん、産業資材等。)、不織布、皮革製品、石材、コンクリート系建築材料等の撥水撥油剤として有用である。また、有機溶媒液体またはその蒸気存在下で用いられる濾過材料用コーティング剤、表面保護剤、エレクトロニクス用コーティング剤、防汚コーティング剤として有用である。さらに、ポリプロピレン、ナイロン等と混合して成形、繊維化することにより撥水撥油性を付与する用途にも有用である。

なお、2007年9月28日に出願された日本特許出願2007−254696号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. 下記単量体(a)に基づく構成単位と下記単量体(b)に基づく構成単位とを有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(A)(100質量%)中のフッ素原子の割合が15質量%以上45質量%未満である重合体(A)と、
    下記単量体(a)に基づく構成単位を有し、下記単量体(c)に基づく構成単位を有さず、重合体(B)(100質量%)中のフッ素原子の割合が45質量%以上である重合体(B)と
    を含む、撥水撥油剤組成物。
    単量体(a):フッ素原子が結合している炭素原子の数が4〜6のポリフルオロアルキル基(ただし、該ポリフルオロアルキル基はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。)を有する単量体。
    単量体(b):下記単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b3)からなる群から選ばれる1種以上の単量体。
    単量体(b1):ポリフルオロアルキル基を有さず、炭素数が12以上のアルキル基を有する単量体。
    単量体(b2):塩化ビニル。
    単量体(b3):塩化ビニリデン。
    単量体(c):フッ素原子が結合している炭素原子の数が8以上であり、アルキル基の水素原子の60%以上がフッ素原子で置換されたポリフルオロアルキル基を有する単量体。
  2. 前記重合体(A)と前記重合体(B)との質量比((A)/(B))が、10/90〜95/5である、請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
  3. 前記単量体(a)が、炭素数が4〜6のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物。
  4. 前記単量体(c)が、炭素数が8〜16のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  5. 前記単量体(c)に基づく構成単位を有し、重合体(C)(100質量%)中のフッ素原子の割合が15質量%以上である重合体(C)をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  6. 前記重合体(A)および前記重合体(B)の合計の質量と、前記重合体(C)の質量との比({(A)+(B)}/(C))が、99.9/0.1〜90/10である、請求項5に記載の撥水撥油剤組成物。
  7. 前記重合体(A)が、下記単量体(d)に基づく構成単位をさらに有する、請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
    単量体(d):ポリフルオロアルキル基を有さず、架橋しうる官能基を有する単量体。
  8. 前記重合体(A)が、下記条件(i)〜(iii)を満足する重合体である、請求項7に記載の撥水撥油剤組成物。
    (i)界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて下記単量体成分(X1)を重合し、ついで下記単量体成分(X2)を重合して得られた多段重合体である。
    単量体成分(X1):単量体成分(X1)(100質量%)中に、前記単量体(a)の65〜95質量%と、前記単量体(b1)の1〜35質量%とを含む単量体成分。
    単量体成分(X2):単量体成分(X2)(100質量%)中に、前記単量体(a)の25〜80質量%と、前記単量体(d)の1〜50質量%とを含む単量体成分。
    (ii)前記単量体成分(X1)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a](質量%)と、前記単量体成分(X2)(100質量%)中の単量体(a)の割合[a](質量%)との差([a]−[a])が、10質量%以上である。
    (iii)前記単量体成分(X1)と前記単量体成分(X2)との質量比((X1)/(X2))が、10/90〜95/5である。
  9. 前記単量体(b1)が、ステアリル(メタ)アクリレートまたはベヘニル(メタ)アクリレートである、請求項1〜8のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  10. ノニオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物を用いて処理された物品。
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