JPS6145144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコークス炉窯口炉底部に堆積する残り
コークスをコークス炉内奥方向又はタールパン上
に排出し、更にタールパン上に排出されたタール
分等を残りコークス回収用のシユートに送出する
ためのコークス炉窯口部掃除装置に関する。

従来から窯口炉底部の残りコークスをコークス
炉内奥方向やタールパン上に排出する装置とか、
タールパン上に付着堆積するタール分等を除去す
る装置を単独に用いて、各個別にコークス炉窯口
部に残存する残りコークスを回収すること自体、
一般的に行なわれているが、これらの掃除機器は
単独して用いれているので、連続的な一連の作業
にて上記の掃除作業を行ない得ず、そのための各
機器の位置合わせに手間どり、又、設備の設置面
積が広大となるばかりか、炉前作業の自動化省力
化という点で問題となつていた。

本考案は前記従来の欠点を解決するためになさ
れたもので、コークス炉蓋枠掃除機による炉蓋枠
の掃除と連続して、コークス炉窯口炉底部に堆積
する残りコークスを除去し、さらにはタールパン
上に付着するタール分等を残りコークス回収用の
シユートやコンベアへ送出する装置を提供するこ
とを目的とする。

そこで、本考案は炉蓋枠掃除機ホルダーの機枠
に吊下されたレール架台に、コークス炉窯口部に
対し前後進する台車を載架し、該台車にはタール
パンと該スクレーパをタールパンに当接する押圧
手段とを設置してなるタールパン掃除機構と炉蓋
枠掃除機のフレームに突出吊下されたガイド板に
窯口炉底部に堆積した残りコークスを掻き取る窯
口掃除用スクレーパを設置してなる窯口炉底部掃
除機構とを具備してなることを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図
にもとづいて説明する。

１は炉蓋枠掃除機ホルダーで機枠１ａの上部箇
所で炉蓋枠掃除機２５が懸吊支持されており、該
機枠１の下部にはタールパン掃除機構Ａが、さら
に炉蓋枠掃除機２５のフレーム２５ａの下部には
窯口部掃除機構Ｂがそれぞれ具備されている。

タールパン掃除機構Ａについて述べると、２は
レール架台で、炉蓋枠掃除機ホルダー１の機体フ
レームに吊下支持されている。３は台車で、レー
ル架台２内を車輪４を介して台車移動用シリンダ
ー５によりタールパン１０に対し、前後進自在と
なつている。

７はレバーで、台車３上の軸受部９により回転
自在に支持される。６はスクレーパ上下用シリン
ダーで、レバー７を回転する駆動源である。

８はタールパンスクレーパで、レバー７の先端
に固着されており、タールパン上に付着堆積した
タール分等を掻き取るものである。

次に窯口炉底部掃除機構Ｂについて述べると本
機構Ｂは窯口炉底部に残存する残りコークスをコ
ークス炉内へタールパン上に排出するための装置
である。

１３は窯口炉底部掃除用スクレーパで板スクレ
ーパ１３ａとブラシスクレーパ１３ｂより構成さ
れる。板スクレーパ１３ａは大きな形状の残りコ
ークスを除去するのに用い、ブラシスクレーパ１
３ｂは小さい粒子の残りコークスを除去するのに
用いられる。又、その取付位置は、それぞれ板ス
クレーパ１３ａは炉底部の高さ変動に対して干渉
しない高さを確保するように、又、ブラシスクレ
ーパ１３ｂはその可撓性により炉底部と干渉して
もスクレーパ自体破損をひきおこす問題がないの
で、炉底面の高さにセツトされる。又、窯口炉底
部掃除用スクレーパ１３は本実施例では、炉蓋枠
掃除機のフレーム１２から吊下されたガイド板２
２にスクレーパ支持器２３を介して上下動自在に
支持されており、油圧シリンダー１４の駆動によ
りレバー１６，２０およびターンバツクル１８を
介して上下動される。２６はエアー供給管の先端
に設けられたエアーノズルで、炉蓋枠掃除機で掻
き取られた掃除カスを炉内へ吹き飛ばすためのも
のである。エアーノズル２６へのエアーの供給は
エアー源からエアー供給管２７により行なわれ
る。なお、エアー供給管の先端部は図示のものは
炉蓋枠掃除機の下部に設置されているが、エアー
ノズル２６が炉底近傍に配置されることができれ
ばどこに設置されてもよい。

本考案は以上の構造からなつており、以下その
作用について述べる。

窯口炉底部掃除では炉蓋枠掃除機２５をコーク
ス炉内に入れる際、窯口掃除用スクレーパ１３を
油圧シリンダー１４の作動によりレバー１６，１
７を介してコークス炉底部１１に対して上方位置
から炉底部１１上面に当接させる。炉蓋枠掃除機
２５が前進すると、それにしたがつて窯口炉底部
に堆積する残りコークスをコークス炉内奥方向に
押し込む。その際、形状の大きい残りコークスは
板スクレーパ１３ａで、また小さい残りコークス
はブラシスクレーパ１３ｂで押込まれる。

次に、炉蓋枠掃除機２５が所定位置に停止後、
炉蓋枠の掃除を行い、その行程が完了すると、ス
クレーパ１３を上方位置に戻し、しかしてエアー
ノズル２６から高圧エヤーを炉底前方から奥方向
へめがけて噴射させ、炉蓋枠掃除機２５で除去さ
れた掃除カスが炉内へ吹き飛ばされる。一方ター
ルパン１０上には、炉蓋開扉時とか窯口炉底部の
掃除や炉蓋枠の掃除の際の残りコークスが堆積す
る。コークスやタール分が堆積したタールパン１
０の掃除にはタールパンスクレーパ８をタールパ
ン１０に対し、上方へ持ち上げたような状態で、
台車移動用シリンダー５の作動により台車３を前
進させる。タールパン元部において、スクレーパ
上下用シリンダー６を作動させ、タールパンスク
レーパ８を軸受部を中心に回転させてタールパン
１０上に当接させる。しかして、スクレーパ８に
はシリンダー６の作用力を与えた状態のまま、台
車３を後進させるとタールパン上の付着タール分
はタールパン１０下に配置された戻りコークスチ
エインコンベア付シユート２４に排出されれ、作
業は完了する。

以上のように、本考案によれば、炉蓋枠掃除時
に炉蓋枠の掃除に連続して窯口炉底部の残りコー
クスをコークス炉内奥前方へ押し込み、又はター
ルパン上に排出でき、さらにタールパン上に付着
堆積するタール分等をタールパン下のシユートや
コンベアに連続的に排出することができ、掃除時
間の短縮や人力による作業を無くして炉前作業の
自動化省力化を図ることができるばかりでなく、
各機器の設置面積を小さくし、設備の合理化を図
ることができるという実用的な効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の具体的な一実施例を示す概略
側面図、第２図は第１図における窯口部掃除装置
の部分拡大図、第３図は窯口炉底部掃除機構Ｂの
部分詳細図である。 １……炉蓋枠掃除機ホルダー、２……レール架
台、３……台車、５……台車移動用シリンダー、
６……スクレーパ上下用シリンダー、７……ター
ルパンスクレーパ用レバー、８……タールパンス
クレーパ、１０……タールパン、１１……炉底、
１２……支持部材、１３……窯口炉底掃除用スク
レーパ、１３ａ……板スクレーパ、１３ｂ……ブ
ラシスクレーパ、１４……油圧シリンダー、２２
……ガイド板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉蓋枠掃除機ホルダーの機枠に吊下されたレー
   ル架台に、コークス炉窯口部に対し前後進する台
   車を載架し、該台車には、タールパンスクレーパ
   と、該スクレーパをタールパンに当接する押圧手
   段とを設置してなるタールパン掃除機構と、炉蓋
   枠掃除機のフレームに突出吊下されたガイド板に
   窯口炉底部に堆積した残りのコークスを掻き取る
   窯口掃除用スクレーパを設置してなる窯口炉底部
   掃除機構とを具備してなるコークス炉窯口部掃除
   装置。