JP2014077055A - コークス炉窯口の付着物除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コークス炉窯口の付着物除去装置10は、コークス炉窯口11の側縁部に設置した炉蓋枠12、13を掃除する炉蓋枠掃除機14、15をそれぞれ備えたコークス押出し機及びコークスガイド車のいずれか一方又は双方に設けられ、コークス炉窯口11の下側の幅方向両角部16、17に付着した付着物18、19を除去する装置であり、幅方向両角部16、17に付着した各付着物18、19の裾部24、25に向けてガスを噴出するノズル22、23を、炉蓋枠掃除機14、15の下部に設けた。
【選択図】図1
Description
このように、コークスの炉出し作業を行った後は、図3(A)に示すように、炭化室90の窯口(コークス炉窯口)91や炉蓋92に付着したタール93を、上記したコークス押出し機やコークスガイド車に設けられた炉蓋枠掃除機や炉蓋掃除機により除去した後、窯口91へ炉蓋92を装着している。また、窯口91の底部の敷鉄板95上に付着したタールは、炉蓋枠掃除機の下部に設けられた掻出し装置や、例えば、特許文献1に記載の高圧水洗クリーナにより、除去している。なお、図3(A)中の番号94は、炭化室90の床を構成する炉底煉瓦である。
この角部に固着したタール96、97は、高温環境下で手作業によって除去しなければならず、非常に作業性の悪いものであった。
(1)コークス炉窯口の側縁部に設置した炉蓋枠を掃除する炉蓋枠掃除機をそれぞれ備えたコークス押出し機及びコークスガイド車のいずれか一方又は双方に設けられ、前記コークス炉窯口の下側の幅方向両角部に付着した付着物を除去する装置であって、
前記幅方向両角部に付着した各付着物の裾部に向けてガスを噴出するノズルを、前記炉蓋枠掃除機の下部に設けたことを特徴とするコークス炉窯口の付着物除去装置。
また、上記したノズルは、炉蓋枠掃除機の下部に設けられているため、例えば、炉蓋枠掃除機による炉蓋枠の掃除を行った後、引き続き付着物の除去作業を実施でき、付着物の裾部に確実にガスを吹付けることができる。
従って、コークス炉窯口の下側の幅方向両角部に付着した付着物を作業性よく、かつ周辺の煉瓦を損傷させることなく除去し、炉出し後の炉蓋装着を確実に実施できる。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係るコークス炉窯口の付着物除去装置(以下、単に付着物除去装置ともいう)10は、コークス炉窯口(以下、単に窯口ともいう)11の幅方向両側の縁部(側縁部)に設置した炉蓋枠12、13を掃除する炉蓋枠掃除機14を備えたコークス押出し機(図示しない)と、この炉蓋枠掃除機14と略同一構成の炉蓋枠掃除機15を備えたコークスガイド車(図示しない)にそれぞれ設けられ、コークス炉窯口11の下側の幅方向両角部16、17に付着した付着物(特に、タール)18、19を除去する装置である。なお、炉蓋枠掃除機14、15が掃除するコークス炉窯口は、炭化室20のコークス押出し側とコークス出側に設けられた異なる窯口であるが、説明の便宜上、同一番号を付している。以下、詳しく説明する。
なお、付着物除去装置10は、コークス押出し機とコークスガイド車のいずれか一方に設けることもできる。しかし、各角部16、17の付着物18、19の付着量は、コークスガイド車側の窯口よりも、コークス押出し機側の窯口の方が多いため、コークス押出し機に付着物除去装置10を設ける方が、付着物除去装置10を設けた効果が顕著になる。
また、各角部16、17に付着した付着物18、19は、窯口11の炉蓋枠12、13から窯口11の幅方向中央へ向けて、その付着厚み(高さ)が薄く(低く)なるように、窯口11の敷鉄板21(底部)上に付着している。
この一方のノズル22と他方のノズル23はそれぞれ、コークス炉窯口11の幅方向両角部16、17に付着した各付着物18、19の裾部24、25に向けてガスを噴出できるように、炉蓋枠掃除機14(炉蓋枠掃除機15も同様)の下部(底部)の前部(炉内方向側)に設けられている。具体的には、図1(B)に示すように、各ノズル22、23から斜め下方にガスを噴出できるように、各ノズル22、23のガス噴出方向(軸心)を、水平方向に対して斜め下方へ、例えば、10〜30度程度の範囲の角度で傾斜させている。
ここで、ガスが吹付けられる付着物18、19の裾部24、25とは、付着物18、19の付着厚みが急激に増加する手前の領域(付着厚みが薄い領域)であり、窯口11の炉蓋枠12、13(窯口11の角)から、窯口11の幅方向中央へ向けて、例えば、5〜15cm程度の範囲である。そして、この付着物18、19は、敷鉄板21上に堆積している。なお、窯口11の幅は、例えば、40〜50cm程度である。
上記したガス供給手段は、各ノズルから噴射するガスの流速が、目標とする流速を達成できるのであれば、上記した構成に限定されるものではなく、例えば、規模を大きくすることも、また小さくすることもできる。このため、ガス供給手段の構成によっては、その設置位置を、例えば、炉蓋枠掃除機等とすることもできる。
ここで、ノズル配管27の内径は、ヘッダー管26の内径よりも小さく(例えば、20〜50%程度)設定されているため、蓄圧タンクから各ノズル22、23へ供給されるガスは、その圧力が更に高められながら、各ノズル22、23へ供給される。
なお、蓄圧タンクと各ノズル22、23を接続する配管は、各ノズル22、23から目標とする流速のガスを噴出できれば、上記した構成に限定されるものではない。
図2は、図1(A)、(B)に示す構成の付着物除去装置10を使用し、しかもガスを噴出するノズル22、23に扁平状のガス噴出口を有するノズル(横幅:34mm、縦幅:15mm)を使用して、付着物の除去率にガスの流速が及ぼす影響を検討した結果である。ここで、除去率は、目視により得た結果である。
以上のことから、ノズルから噴射するガスの流速を900m/s以上(好ましくは、950m/s以上)とすることが好ましい。
なお、ガス噴射は、付着物の裾部に向けて行うものであるが、図1からわかるように、この裾部は敷鉄板21上にあるため、ノズルから噴射するガスの流速を速くしても、炉底が損傷することはない。また、図2からもわかるように、ノズルから噴射するガスの流速を上昇させるに伴い、付着物の除去率が向上することから、ガスの流速の上限は特に限定されるものではない。しかし、付着物の除去効率や付着物除去装置の製造コスト等を考慮すれば、その上限は1100m/s程度であることが好ましい。
まず、コークス押出し機を、コークスを製造した炭化室20の前方まで移動させ停止させる。このとき、コークスガイド車も、コークスが押出される炭化室20の後方まで移動させ停止させる。
次に、コークス押出し機とコークスガイド車により、炭化室20の両側に設置された炉蓋をそれぞれ窯口11から取外し、コークス押出し機の押出しラムにより炭化室20内のコークスを押出し、コークスガイド車を介してコークスバケットにコークスを受ける。
そして、炉蓋枠12、13の掃除が終了(掃除完了)した後は、炉蓋枠掃除機14の掃除機能を停止し、炉蓋枠掃除機14を、炭化室20内から外部へ後退させる。
なお、付着物除去装置10の起動は、各ノズル22、23から吹出すガス(空気)を、コークス炉窯口11の幅方向両角部16、17に付着した各付着物18、19の裾部24、25に向けて噴出できるように、例えば、タイマーを用いて、各炉蓋枠掃除機14の後退開始時から予め設定した時間(0.1〜2秒、好ましくは、下限を0.3秒、上限を1秒程度)が経過した後に行うのがよいが、同時でもよい。これは、付着物18、19の大部分が、炉蓋枠掃除機14で除去し落下したもの(主としてタール)であることによる。
上記したように、炉蓋枠掃除機14を移動させながら、各ノズル22、23から噴出するガスを用いて各角部16、17の付着物18、19を除去することで、付着物18、19は炭化室20内から外部へ向けて吹き飛ばされる。このため、各ノズル22、23の炉蓋枠掃除機14(炉蓋枠掃除機15も同様)への取付けは、各ノズル22、23のガス噴出方向(軸心)が炭化室20内から外部へ向くように、平面視して、各ノズル22、23の基部から先部へかけて傾けるのがよい。
なお、各ノズル22、23からのガスの噴出は、炉蓋枠掃除機14を停止して行ってもよい。これは、炉蓋枠掃除機14の作業位置が常に決まった位置で行われているために、各ノズル22、23の取付け位置と炉蓋枠掃除機14の後退開始タイミングとの関係で、ガスの吹付け開始時間を決定しておけば、常に同じ位置にガスが噴射可能となることから、付着物の除去を確実に行うことができることによる。
このようにして、各ノズル22、23からのガスの噴出が停止した後は、炉蓋枠掃除機14、15を、炭化室20内から外部へ退出させ、コークス押出し機とコークスガイド車により、窯口11の炉蓋枠12、13に炉蓋を装着する。
以上に示したように、各ノズル22、23を炉蓋枠掃除機14に設けたコークス炉窯口の付着物除去装置10を使用することで、コークス炉窯口11の下側の幅方向両角部16、17に付着した付着物18、19を作業性よく除去し、炉出し後の炉蓋装着を確実に実施できる。
Claims (3)
- コークス炉窯口の側縁部に設置した炉蓋枠を掃除する炉蓋枠掃除機をそれぞれ備えたコークス押出し機及びコークスガイド車のいずれか一方又は双方に設けられ、前記コークス炉窯口の下側の幅方向両角部に付着した付着物を除去する装置であって、
前記幅方向両角部に付着した各付着物の裾部に向けてガスを噴出するノズルを、前記炉蓋枠掃除機の下部に設けたことを特徴とするコークス炉窯口の付着物除去装置。 - 請求項1記載のコークス炉窯口の付着物除去装置において、前記ノズルから噴射するガスの流速を900m/s以上としたことを特徴とするコークス炉窯口の付着物除去装置。
- 請求項1又は2記載のコークス炉窯口の付着物除去装置において、前記ノズルのガス噴出口を扁平状としたことを特徴とするコークス炉窯口の付着物除去装置。
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