JPS6239073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコークス炉炉枠の内面及びシート面を
掃除するための装置に関するものである。

（考案が解決すべき従来技術の問題点） 従来コークス炉炉枠の内面とシート面を区別せ
ずに機械的スクレーパのみ又は高圧水洗浄のみで
両面を掃除する方法が創案されているが、この方
法では次に述べるように一長一短がある。

つまり、高圧水洗浄によれば、付着物として溶
解タールが多い炉枠シート面に損傷を与えること
なく付着物をむらなくかつ確実に除去することが
可能であるから、高圧水洗浄による方法は窯口を
密封できるよう炉蓋が密着する必要がある炉枠シ
ート面の掃除には適している反面、炉内への悪影
響を考えると炉枠内面の掃除には使用し難い。ま
た炉枠内面の掃除対象物はカーボンとタールで比
較的硬い付着物であり、機械的スクレーパによれ
ば、該炉枠内面を確実に掃除可能であり、しかも
高圧水洗浄による場合のような炉内への悪影響が
全く問題とならないから、機械的スクレーパによ
る方法は炉枠内面の掃除に適している。しかし炉
枠シート面では掃除対象物が主に溶解タールであ
るため、機械的スクレーパにより掃除すると、該
スクレーパに溶解タールが付着してしまいその除
去がさらに必要となるし、また掃除が充分にでき
ず、さらに、炉枠シート面に損傷を与えるおそれ
があるという不具合を免れない。

（考案の目的） 本考案は前記従来の問題点を解決するために創
案されたもので、機械的スクレーパによる方法と
高圧水洗浄による方法のそれぞれの特長を生かす
ため炉枠内面は機械的スクレーパにより掃除し、
炉枠シート面は高圧水洗浄により掃除することと
し、信頼性の大きい簡単な機構により炉枠の内面
及びシート面を同時にかつ確実に掃除することが
できるコークス炉炉枠掃除装置を提供することを
目的とする。

（考案の構成） 本考案のコークス炉炉枠掃除装置はコークス押
出機又はコークガイド車上にコークス炉に対し前
後進可能に搭載した炉枠掃除機の本体フレームの
左右両側部に台車を上下動可能に装着し、該台車
に炉枠内面掃除用のスクレーパを炉枠内面に密接
可能ならしめる緩衝器を介して取付け、前記台車
に炉枠シート面を指向する炉枠シート面掃除用の
高圧水噴射ノズルを取付け、台車の上下動時スク
レーパにより炉枠内面を、また高圧水噴射ノズル
からの高圧水により炉枠シート面を掃除するよう
にしたことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面により説明する
と、図中１は断面Ｈ形状をなす炉枠掃除機の本体
フレームで、該本体フレーム１の左右両側部にレ
ール２が、前部上下に窯口中心との芯合せ用芯出
し板３が、後部下部に左右方向に沿うガイドレー
ル４が設けられ、上下端にスプロケツト５，６が
回転可能に装着され、レール２には台車７が上下
動可能に装着されている。左右の台車７は上下の
スプロケツト５，６間に張架してあるチエーン８
に装着され、上部スプロケツト５を回転駆動源９
で正逆回転することによりレール２の長さ方向中
央を定位置として互に反対方向に上下動するよう
にしてある。この台車７には本体フレーム１の前
方に延出する上下２本の水配管１０とスクレーパ
支持用アーム１１が固定されており、水配管１０
の先端には炉枠シート面掃除用の高圧水噴射ノズ
ル１２が装着され、またアーム１１の先端には炉
枠内面掃除用のスクレーパ１３がその長さ方向中
間にて左右方向に沿う緩衝器１４を介して水平に
傾動可能に装着されている。このスクレーパ１３
はその台車側端にてアーム１１の基端部と緩衝器
１５を介して連結され、第４図に想像線で示すよ
うに該緩衝器１５により前後方向に対して炉枠内
面１６より大きく傾けられている。

このような本体フレーム１はホルダーの機枠１
７の前部に上部にて自在吊具１８により吊下げら
れかつ前倒れ防止用のチエーン１９により連結さ
れると共に、下部にてガイドレール４に係合した
支持ローラ２０と前後方向に沿う緩衝器２１によ
り左右動可能に前後方向に弾性支持されている。
前記ホルダーの機枠１７はコークス押出機又はコ
ークガイド車のコークス炉側端部上に炉団方向と
直角方向にコークス炉２２に対して前後進可能に
搭載してある図示しない移動架台上に設置されて
いる。かくしてコークス押出機又はコークガイド
車を定位置停止した後移動架台により炉枠掃除機
の本体フレーム１を前進し、芯出し板３を窯口２
３内に挿入して窯合せができると共に、窯合せ状
態にて本体フレーム１を前進したときスクレーパ
１３が炉枠内面１６の外縁にまず当接し次いで緩
衝器１４，１５により該炉枠内面１６に密接する
よう、かつその密接状態になつた時高圧水噴射ノ
ズル１２が炉枠シート面２４を指向するようにし
てある。

（作 用） コークス押出し又はコークガイド作業後炉枠掃
除機の本体フレーム１を窯合せして前進すると、
該本体フレーム１に設けてある左右のスクレーパ
１３は前後方向に対し炉枠内面より大きく傾いて
いるから、炉枠内にスムーズに進入し、まず炉枠
内面１６の外縁に当つた後該スクレーパ１３と緩
衝器１４の連結点を中心として第４図に示す想像
線位置から実線位置へと傾動し炉枠内面１６に密
接すると共に、該炉枠内面の巾方向にずれてその
全巾を掩う。このとき高圧水噴射ノズル１２は炉
枠シート面２４を指向する。この状態において左
右両側の台車７を回転駆動源９によるチエーンド
ライブで互に反対方向に上下動することを繰返す
と、炉枠内面１６は緩衝器１４，１５により押圧
されるスクレーパ１３により掃除される。この間
図示しない給水源から給水ホース２５および水配
管１０を経て高圧水噴射ノズル１２に高圧水を供
給すれば炉枠シート面２４は該ノズル１２からの
高圧水により掃除される。

またスクレーパ１３は緩衝器１４，１５により
炉枠内面１６と弾接しているため該炉枠内面１６
に掻取り難い強固な付着物がある場合逃げるか
ら、その損傷が防止される。

（考案の効果） 以上の通り本考案は窯合せ、前進によりスクレ
ーパを炉枠内面に密接せしめると共に高圧水噴射
ノズルを炉枠シート面に指向せしめることがで
き、かつスクレーパ及び高圧水噴射ノズルを上下
動することができる極めて簡単な構成であり、機
構的に信頼性が大きいものとできる。また炉枠の
内面とシート面をそれぞれ機械的スクレーパと高
圧水洗浄により同時にかつ確実に掃除でき、しか
も高圧水洗浄による炉内への悪影響を最小にとど
めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本考案に係る装置構
成の概要を示す平面図、−線に沿う左側面
図、第３図は台車の上下動機構を示す第１図の
矢視図、第４図はスクレーパのセツト時における
動きを説明するための第１図の拡大断面図であ
る。 １……炉枠掃除機の本体フレーム、２……レー
ル、３……芯出し板、５，６……スプロケツト、
７……台車、８……チエーン、９……回転駆動
源、１０……水配管、１１……スクレーパ支持用
アーム、１２……高圧水噴射ノズル、１３……ス
クレーパ、１４，１５……緩衝器、１６……炉枠
内面、１７……機枠のホルダー、２２……コーク
ス炉、２３……窯口、２４……炉枠シート面、２
５……給水ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コークス押出機又はコークガイド車上にコーク
   ス炉に対し前後進可能に搭載した炉枠掃除機の本
   体フレームの左右両側部に台車を上下動可能に装
   着し、該台車に炉枠内面掃除用のスクレーパを炉
   枠内面に密接可能ならしめる緩衝器を介して取付
   け、前記台車に炉枠シート面を指向する炉枠シー
   ト面掃除用の高圧水噴射ノズルを取付け、台車の
   上下動時スクレーパにより炉枠内面を、また高圧
   水噴射ノズルからの高圧水により炉枠シート面を
   掃除するようにしたことを特徴とするコークス炉
   炉枠掃除装置。